特許第6165303号(P6165303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6165303
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】垂直軸型風車
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   F03D3/06 H
   F03D3/06 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-151696(P2016-151696)
(22)【出願日】2016年8月2日
【審査請求日】2016年11月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516232405
【氏名又は名称】栗山 嘉文
(73)【特許権者】
【識別番号】508098534
【氏名又は名称】モディアクリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】栗山 嘉文
(72)【発明者】
【氏名】國井 真澄
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−040239(JP,A)
【文献】 特開2014−238038(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0119502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
F03D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車と力型風車を備えた垂直軸型風車であって、
内側には前記抗力型風車、及び前記抗力型風車連結された円筒形状の外枠部材が設置されており、
外側には前記揚力型風車が設置されており、
前記揚力型風車と、前記円筒形状の外枠部材との半径方向における間隔は、前記円筒形状の外枠部材の半径の10%以内であり、
さらに、前記揚力型風車と前記力型風車及び前記円筒形状の外枠部材は、それぞれ独立して回転することを特徴とする垂直軸型風車。
【請求項2】
前記抗力型風車にモータの機構を内蔵することを特徴とする請求項1に記載の垂直軸型風車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車と抗力型風車を備えた垂直軸型風車に関する。さらに言えば、揚力型風車と抗力型風車を備えており、マグナス効果に加え、表面効果も利用することで高トルクを生み出すことができるため、小型であるにも拘わらず高い回転効率を実現することができる垂直軸型風車に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の枯渇問題、地震等の災害による火力発電所等からの電力供給途絶、特に原子力発電所における原子炉内核燃料のメルトダウン等、大規模発電によるリスクを低減させるには、各家庭で個別に発電することが望ましいと考えられる。近年においては、太陽光発電が比較的普及してきている。一方で、風力発電に関してはまだまだ普及が遅れていると言える。昼間しか発電できない太陽光発電の電力エネルギーに加え、昼夜に亘って発電可能な風力発電による電力エネルギーも併用して活用することができれば必要な電力を十分に確保することが可能となる。
【0003】
風力発電に使用する風車として、一般的に揚力型風車と抗力型風車が知られている。抗力型風車は風の押す力(抗力)により回転する低速形風車(風の進む速さが回転速度の最大)であり、弱い風で回り始め、軸を回す力(トルク)が大きな風車となり、用途も重いものをゆっくり回す仕事に向いている。一方、揚力形風車は、風により発生する力(揚力)により回転する。風の進む速さに比べて数倍から10倍以上もの速さで翼を回すことができるために高速で回転することができる。抗力型風車との比較において自己起動が難しいが、高速で回るので出力(卜ルク×回転数)も大きく、今日の風力発電に多く用いられている。
【0004】
揚力型風車の一種であるストレートダリウス型風車(ジャイロミル型風車)は垂直軸型の風力発電では高効率である一方で、ダリウス型風車とは異なり、自力での回転開始が可能であるが、回転を開始させるのにある程度大きな風力が必要であり、また翼においてはある程度の大きさ、及び長さが必要となる。翼の長さはモーメント値に大きく影響するため、長ければ長い程、回転の原動力となる揚力が大きくなる一方で、支軸への負荷も大きくなるため強度的な制限もあり、その特徴を十分に生かしきれない状況にあった。そこで揚力型風車と抗力型風車を組み合わせることで、より効率的に発電できるような試みが行われている。
【0005】
特許文献1には、ストレートダリウス型風車(ジャイロミル型風車)の係る欠点を改良する発明として、「揚力風車を含む風力発電装置の発電効率をより向上させる。」ことを課題として(特許文献1:要約:課題)、「複数のブレードを有する揚力風車と、当該揚力風車のブレードの内側に配置される回転体と、揚力風車に連結されるサンギヤ、回転体に連結されるリングギヤ、および回転不能に固定されるプラネタリキャリヤを有する遊星歯車を含み、揚力風車のブレードの内側で回転体を当該揚力風車とは逆方向に回転させることで、マグヌス効果によって揚力風車をより高速で回転させて発電効率をより向上させることができる(特許文献1:要約:解決手段より抜粋)」風力発電装置(特許文献1:発明の名称)が開示されている。即ち、揚力型風車と効力型風車を備えた垂直軸型風車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−249758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係る風力発電装置は、揚力型風車と回転体(効力型風車)を備えており、揚力型風車のブレードの内側に配置される回転体(抗力型風車)を、揚力型風車と逆回転させることにより生じるマグナス効果を利用しており、内側の回転体(効力型風車)、及び外側の揚力型風車の回転機構は、それぞれ独立している。しかしながら、外側の揚力型風車に連動した内側の回転体(効力型風車)は、回転方向を調整する機構(揚力型風車と同じ回転方向にする)を備えておらず、回転体(効力型風車)は、回転により揚力型風車に空気の流れの偏りを作り続ける。そして、外側の揚力型風車の前縁から後縁に向かう方向に、内側の回転体(効力型風車)が回るのみであり、外側の揚力型風車はその回転体(効力型風車)が生む空気の流れの偏りと表面効果によって受動的に回る機構となっている。
【0008】
さらに言えば、特許文献1に係る風力発電装置は、揚力型風車と効力型風車を備えており、マグナス効果を利用しているものの、揚力型風車に連結されるサンギヤ、回転体(抗力型風車)に連結されるリングギヤ、及び回転不能に固定されるプラネタリキャリヤを有する遊星歯車等が、その構成に含まれている。従って、構造が複雑であり、生産性、設置性の観点からも好ましくない。さらに、構造が複雑になってしまうことでメンテナンス性の観点からも好ましくないと言える。
【0009】
本発明の目的は、回転効率に優れた揚力型風車に対して、マグナス効果、及び表面効果を利用することで、高トルクを実現し、小型であるにも拘わらず高い回転効率を実現することができるためエネルギーロスを改善し、しかも、歯車等による減速機構が不要なことで、簡易機構により生産性、設置性を改善することができる垂直軸型風車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車と効力型風車を備えた垂直軸型風車であって、内側には前記抗力型風車及び前記効力型風車と連結された外枠部材が設置されており、外側には前記揚力型風車が設置されており、さらに、前記揚力型風車と、前記効力型風車及び前記外枠部材は、それぞれ独立して回転することを特徴とする垂直軸型風車であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記揚力型風車と、前記効力型風車と連結された前記外枠部材との間隔は、前記外枠部材の半径の10%以内である垂直軸型風車であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2において、前記抗力型風車にモータの機構を内蔵する垂直軸型風車であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の垂直軸型風車は、外側に揚力型風車を配置し、内側に抗力型の風車を配置している。さらに抗力型風車には、抗力型風車の翼の動きを阻害しない程度に外枠部材を取り付けている。風を受けて、抗力型風車に取り付けた外枠部材が、揚力型風車の羽根の前縁側から後縁側へと回転(この時、抗力型風車と揚力型風車の回転方向が、逆になることがポイント)させることで、マグナス効果による空気の流動の偏りを発生させ、さらに、外枠部材揚力型風車の隙間を狭めることで、揚力型風車の揚力を表面効果により増大させることができる。従って、回転効率の良い揚力型風車において、さらにマグナス効果、及び表面効果を利用することで、高トルクを生み出し、小型かつ回転効率の良い風車を実現することができる。要するに、揚力型風車と効力型風車を組み合わせることで低速風域であっても、高速風域であっても良好な回転性能を有する垂直軸型風車を実現することができる。
【0014】
請求項2に記載の垂直軸型風車は、揚力型風車の前縁から後縁に向かって回転することで、マグナス効果にみられる流体の流れの偏りを発生させるのみならず、外枠部材と揚力型風車の羽根の間を最適な巾(外枠部材の半径の10%以内)に狭めることで生じる表面効果により、さらに揚力を増大させる効果を有する垂直軸型風車を実現することができるようになった。
【0015】
請求項3に記載の垂直軸型風車は、抗力型風車にモータの機構を内蔵することで、発電することは勿論、揚力型風車と同方向に外枠部材を回転させることで、揚力型風車の揚力を抑えることができる。結果として、特にギアによる減速構造を用いずとも台風等による強風での風車の周り過ぎによる破損を防ぐことができ、低コスト化が可能となる。本発明に係る垂直型風車を設置することで省スペースかつ効率的な風力発電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る垂直軸型風車の(内部構造を可視状態になるように加工)全体斜視図である。
図2】揚力型風車(翼支柱を含む)の全体斜視図である。
図3】抗力型風車、及び外枠部材の全体斜視図である。
図4】垂直軸型風車の動作原理を説明するためのシミュレーション図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<垂直軸型風車の構造>
以下、本発明に係る垂直軸型風車10の一実施形態について、図1図4に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る垂直軸型風車10の(内部構造を可視状態になるように加工)全体図である。図2は、本発明に係る垂直軸型風車10を構成する揚力型風車20(翼支柱を含む)の全体斜視図である。図3は、本発明に係る垂直軸型風車10を構成する抗力型風車30、及び外枠部材40の全体斜視図である。
【0018】
図1に記載したように、本発明に係る垂直軸型風車10は、同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車20と、効力型風車30を備えた垂直軸型風車10である。内側に、抗力型風車30、及び効力型風車30と連結された外枠部材40が設置されており、外側に、揚力型風車20が設置されている。さらに、揚力型風車20と、効力型風車30及び外枠部材40は、それぞれ独立して回転することができるようになっている。ここで揚力型風車20とは、揚力(風が物に当たることによって、持ち上げる力)により主な回転力を得る風車のことであり、ダリウス型風車、ジャイロミル型風車等がある。抗力型風車30とは、抗力(風が物に当たることによって、押す力)により主な回転力を得る風車のことであり、サボニウス風車、クロスフロー風車等がある。
【0019】
そして、揚力型風車20と効力型風車30と連結された外枠部材40との間隔は、外枠部材40の半径の10%よりも狭くなっている。さらに、抗力型風車30は、モータの機構50を内蔵している。
【0020】
図2に記載したように、本発明に係る垂直軸型風車10を構成する揚力型風車20は、5本の翼支柱60の先端に、それぞれ5枚の羽根を垂直になるように設置している。5枚の羽根の向きは全て同じ向きになっており、前縁70(リーディングエッジL/E)側から風を受けて、後縁80(トレーディングエッジT/E)側に受けた風が流れる状態になると、外側に向かって揚力が発生するように設計されている。即ち、揚力型風車20は、風を受けると揚力が発生して、前縁70(リーディングエッジL/E)側を先頭にして回転することになる。
【0021】
図3に記載したように、本発明に係る垂直軸型風車10を構成する抗力型風車30は、外枠部材40と連結して一体化されており、抗力型風車30の回転に連動して外枠部材40も回転するようになっている。抗力型風車30は、前方が開放されており、底部を備えた3個の風受けを丁度120°毎に、同一平面上に並べるように設置しており、風受けの開放された側から風を受けて、底部側を先頭にして回転することになる。
【0022】
<垂直軸型風車の動作原理>
図4は、本発明に係る垂直軸型風車10の動作原理を説明するためのシミュレーション図である。図4(a)は、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、抗力型風車30と連動して回転する外枠部材40が静止している状態におけるシミュレーション図である。図4(b)は、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、抗力型風車30と連動して回転する外枠部材40が、時計回りに回転している状態におけるシミュレーション図である。図4(c)は、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、抗力型風車30と連動して回転する外枠部材40も、同様に反時計回りに回転している状態におけるシミュレーション図である。尚、風向きは(a)(b)(c)の全てにおいて紙面の上方向から下方向に向かって吹いているものとする。
【0023】
図4(a)に記載したように、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、外枠部材40が静止している状態においては、外枠部材40と揚力型風車20の羽根との隙間付近を中心として小さな乱流が発生する。この時、揚力型風車20の羽根に中程度の揚力が作用し、回転力が発生し、揚力型風車20はゆっくりと回転する。
【0024】
図4(b)に記載したように、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、外枠部材40が、時計回りに回転している状態においては、外枠部材40と揚力型風車20の羽根との隙間付近を中心として、図4(a)の場合よりもさらに大きな空気の偏りが発生している。この時、揚力型風車20の羽根に図4(a)の場合よりもさらに大きな揚力が作用し、図4(a)の場合よりもさらに大きな回転力が発生し、揚力型風車20は図4(a)の場合よりもさらに早い速度で回転する。
【0025】
図4(c)に記載したように、揚力型風車20が反時計回りに回転しており、外枠部材40も、同様に反時計回りに回転している状態においては、図4(a)及び(b)の状態の時よりも、外枠部材40と、揚力型風車20の羽根との隙間付近の空気の流れの偏りが減少する。このような状態の時、揚力型風車20の羽根には図4(a)及び(b)の状態よりも小さな揚力が作用し、図4(a)及び(b)の状態よりも回転速度は減速する。
【0026】
本発明に係る垂直軸型風車10においては、外枠部材40(抗力型風車30)の回転方向が、揚力型風車20(ストレートダリウス型(ジャイロミル型))とは逆方向であることに発明のポイントがある。風を受けて、本発明に係る垂直軸型風車10の内側に配置された、弱い風で回り始める抗力型風車30が回転を始める(続いて、揚力型風車20も回転を始める)。この時、抗力型風車30に接合された外枠部材40も同時に同方向に回転する。この回転により、外側部材40と揚力型風車20の翼の隙間に空気の流れが偏ることになる。
【0027】
これによりマグナス効果として知られるように、空気の流れは回転運動に引きずられ、外枠部材40表面の流れが増大する。それに伴い羽根に揚力型風車20の羽根に作用する揚力が増大する。これに加えて外側部材40と羽根の間隔が狭くすることで、表面効果により更に揚力が増すことになる。即ち、外側の揚力型風車20は、空気の流れの偏り、及び表面効果により揚力が増大し、それに伴い回転速度が増大することになる。
【0028】
<垂直軸型風車の効果>
本発明のポイントは、風を受けて、抗力型風車30に取り付けた外枠部材40を揚力型風車20の羽根の前縁70側から後縁80側へと回転(この時、抗力型風車30と揚力型風車20の回転方向は逆になることがポイント)させることで、マグナス効果による空気の流動の偏りを発生させ、さらに、外枠部材40と揚力型風車20の隙間を狭めることで揚力型風車20の揚力が表面効果により増大させることができることにある。要するに、揚力型風車20と効力型風車30を組み合わせることで低速風域でも高速風域でも良く回る垂直軸型風車10を実現することができるということである。
【0029】
本発明においては、外枠部材40の回転は揚力型風車20(ダリウス型風車)とは逆方向の回転をする。これによりマグナス効果で知られるように空気の流れは回転運動に引きずられ、外枠部材40表面の流れが増大する。それに伴い揚力型風車20(ダリウス型風車)の羽根に作用する揚力が増大する。加えて外枠部材40と、揚力型風車20(ダリウス型風車)の羽根との間隔が狭くすることで、表面効果により更に揚力が増すことになる結果、増大した揚力を高速回転に変えることができる。
【0030】
風力発電システムは、一定風速以上になると発電を開始し、出力が発電機の定格出力に達する風速以上ではピッチ制御等による出力制御を行い、更に風速が大きくなると危険防止のためロータの回転を止めて発電を停止する。発電を開始する風速をカットイン風速、発電を継続する風速を定格風速、危険防止のため発電を停止する風速をカットアウト風速と呼ぶこととしている。
【0031】
従来の発電用風車においては、台風等で風が強過ぎる時は、風車が壊れないように可変ピッチ(ピッチ制御)が働き、風を受けても風車が回らないようにする必要があったが、本発明に係る垂直軸型風車10においては、抗力型風車30にモータの機構50を内蔵することで、揚力型風車20と同方向に外枠部材40(抗力型風車30)を回転させることで揚力型風車20の揚力を抑えることができる(図4(c)参照)。従って、台風等で風が強過ぎる時であっても、風車の回転を制御することで風車が、速過ぎる回転による負荷等によって破壊しないようにすることができる。
【0032】
抗力型風車30にモータの機構50を内蔵することで、発電することは勿論、揚力型風車20と同方向に外枠部材40を回転させることで、揚力型風車20の揚力を抑えることができる。結果として、特に、可変ピッチ(歯車等による減速構造)を用いずとも台風など強風での風車の周り過ぎによる破損を防ぐことができ、低コスト化が可能となる。本発明に係る垂直軸型風車10を設置することで、省スペースかつ効率的な風力発電が可能となる。即ち、回転を制御するために、可変ピッチ(歯車等による減速構造)を必要とせず、歯車によるエネルギーロスを改善し、簡易機構により、生産性、及び設置性を改善することができるようになった。
【0033】
<垂直軸型風車の変更例>
本発明に係る垂直軸型風車は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、揚力型風車、効力型風車、外枠部材、モータの機構等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、揚力型風車に設置する羽根の枚数は、本実施例によれば5枚となっているが、羽根の枚数は5枚よりも多くても良いし少なくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る垂直軸型風車は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、小型風力発電用の垂直軸型風車として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
10・・垂直軸型風車
20・・揚力型風車
30・・抗力型風車
40・・外枠部材
50・・モータの機構
60・・翼支柱
70・・前縁(リーディングエッジL/E)
80・・後縁(トレーディングエッジT/E)
【要約】
【課題】マグナス効果、及び表面効果を利用することで、高トルクを実現し、小型であるにも拘わらず高い回転効率を実現することができるためエネルギーロスを改善し、しかも、歯車等による減速機構が不要なことで、簡易機構により生産性、設置性を改善することができる垂直軸型風車を提供すること。
【解決手段】同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車20と効力型風車30を備えた垂直軸型風車10であって、内側には抗力型風車30、及び効力型風車30と連結された外枠部材40が設置されており、外側には揚力型風車20が設置されており、さらに、揚力型風車20と、効力型風車30及び外枠部材40は、それぞれ独立して回転することを特徴とする垂直軸型風車10とした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4