(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準面に対する前記折曲げ面の折曲げ状態が変化することに伴って、前記第2物品によって前記内側フィルムが前記板状部材に押し付けられるように構成されている、請求項1に記載の梱包具。
前記交差折曲げ面は、前記板状部材上で互いに交わらない2つの前記交差折曲げ線のそれぞれを介して区画されて2つ設けられている、請求項8または請求項9に記載の梱包具。
前記内側フィルムの前記開口が延びる方向における長さは、前記外側フィルムの前記開口が延びる方向における長さよりも長い、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の梱包具。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0027】
以下、本発明の実施の形態における梱包具について説明する。
【0028】
梱包具は、フィルムと、例えば段ボール製の板状部材とを組み合わせて構成されている。梱包具は、フィルムにより物品を板状部材に押さえつけることにより、物品を定位置に固定することができる。板状部材を折り曲げた状態で板状部材の接地面とフィルムとの間で広がる隙間に物品を配置できる。板状部材の折曲げ状態が変化することに伴って、フィルムを張り、フィルムにより物品を固定することができる。
【0029】
梱包具は、板状部材に複数のフィルムが取り付けられた、簡素な構造を有する。梱包具は、容易に製造可能である。板状部材にフィルムを取り付けて、フィルムどうしを固定することでも、製造可能である。
【0030】
梱包具を用いることで、手作業による梱包を容易に行うことができる。また、梱包具は、例えば梱包ラインにおいて多数の物品を連続的に梱包するような場合にも用いることができる。それにより、梱包ラインにおける梱包を容易に行うことができる。
【0031】
[第1の実施の形態]
図1〜
図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る梱包具1について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る梱包具1を示す斜視図である。
図2は、第1の実施の形態に係る梱包具1の分解斜視図である。
図3は、第1の実施の形態に係る梱包具1の拡大斜視図である。
【0032】
以下の説明において、
図1に示す座標のX軸方向を左右方向(原点から見てX軸で正となる方向が右方向)、Y軸方向を前後方向(原点から見てY軸で正となる方向が後方向)、Z軸方向(XY平面に垂直な方向)を上下方向(原点から見てZ軸で正となる方向が上方向)ということがある。
【0033】
図1に示すように、梱包具1は、板(板状部材の一例)10と、複数のフィルム30とを備えている。本実施形態では、フィルム30は筒状である。板10には、複数のフィルム30が巻かれている。梱包具1は、第1物品と第2物品とを含む複数の物品を梱包可能である。
【0034】
本実施の形態において、板10は、例えば、厚みが5ミリメートル程度の、1枚の段ボール製である。フィルム30は、例えばポリエチレン製で伸縮性(可撓性)を有するフィルムである。フィルム30は、無色透明であるが、これに限られず、いわゆる半透明や不透明であってもよいし、着色されていてもよい。
【0035】
なお、
図1においては梱包具1の展開状態が示されている。展開状態の梱包具1の寸法は、例えば、左右方向が300ミリメートル程度であって、前後方向が180ミリメートル程度である。梱包具1の寸法は、これに限られるものではなく、梱包対象として想定される物品の大きさや種々の用途などに応じて設定される。
【0036】
図2に示すように、複数のフィルム30は、内側フィルム31と、外側フィルム32とを含む。複数のフィルム30には、貫通孔300が形成されている。詳しくは、内側フィルム31には、貫通孔311が形成されている。また、外側フィルム32には、貫通孔321が形成されている。貫通孔311および貫通孔321のそれぞれは、左右方向に平行に(X軸に平行に)延びている。外側フィルム32は、内側フィルム31よりも外側に位置する。
【0037】
図1に示すように、梱包具1には、2つの開口(開口331、開口332)が形成されている。開口331は、内側フィルム31と板10とによって形成される。開口331は、2つの開口端部31aを有する。また、開口332は、内側フィルム31と外側フィルム32とによって形成される。開口332は、2つの開口端部32aを有する。
【0038】
図1および
図2に示すように、板10には、3本の折曲げ線(折り目;筋)21、23、24が設けられている。すなわち、板10には、1本の平行折曲げ線21と、2本の交差折曲げ線23、24とが形成されている。これらの折曲げ線21、23、24は、例えば、いわゆる筋付けローラーや筋付け刃を押し付けることにより形成される。折曲げ線21、23、24には、ミシン目加工が行われるようにしてもよい。
【0039】
平行折曲げ線21は、左右方向に平行に(X軸に平行に)配置されている。すなわち、平行折曲げ線21は、開口331および開口332が延びる方向に対して平行に延びている。板10は、平行折曲げ線21について、前後両端部が上方に変位するように容易に折り曲げることができる。
【0040】
交差折曲げ線23は、板10の右端部近傍位置に、前後方向に平行に(Y軸に平行に)配置されている。すなわち、交差折曲げ線23は、開口331および開口332が延びる方向に交差する方向に平行に延びている。また、交差折曲げ線24は、板10の左端部近傍位置に、前後方向に平行に配置されている。板10は、交差折曲げ線23について、右端部が上方に変位するように容易に折り曲げることができる。板10は、交差折曲げ線24について、左端部が上方に変位するように容易に折り曲げることができる。
【0041】
なお、本実施の形態においては、
図3に示すように、板10は、表ライナー19aと、裏ライナー19bと、中芯19cとによって形成されている。表ライナー19aと、裏ライナー19bとは板状である。中芯19cは、波状である。交差折曲げ線23、24は、板10の中芯19cの波状部分の筋方向(いわゆる、紙巾方向)に平行になるように形成されている。また、平行折曲げ線21が、中芯19cの筋方向に直交するように形成されている。すなわち、平行折曲げ線21が、いわゆる流れ方向に平行になるように形成されている。したがって、平行折曲げ線21は、中芯19cの波状部分を横切るようにして形成されている。そのため、平行折曲げ線21により板10を折り曲げた場合には、板10が展開状態に戻ろうとする復元力が、比較的大きくなる。
【0042】
板10に平行折曲げ線21と交差折曲げ線23、24とが設けられていることにより、板10は、次のように区画されている。
【0043】
図4を参照して板10の区画について説明する。
図4は、板10を模式的に示す平面図である。
【0044】
図4において、各種ハッチングで囲まれた部位が、ここでいう1つの区画に相当する。
図4において、内側フィルム31は二点鎖線で示しており、外側フィルム32は鎖線で示している。また、平行折曲げ線21と交差折曲げ線23、24とは、それぞれ一点鎖線で示されている。
図4に示すように、板10には、基準面11と、平行折曲げ面12と、2つの交差折曲げ面15、16との4つの区画が設けられている。基準面11には、梱包される物品50が配置される。平行折曲げ面12は、基準面11に隣接する。なお、基準面11と平行折曲げ面12とにまたがって、梱包される物品50が配置されてもよい。
【0045】
基準面11と平行折曲げ面12との間には、平行折曲げ線21が配置されている。換言すると、基準面11と平行折曲げ面12とは、平行折曲げ線21を介して区画されている。基準面11は、板10の前側に、平行折曲げ面12は板10の後ろ側に、それぞれ配置されている。交差折曲げ面15、16は、交差折曲げ線23、24を介して、それぞれ、基準面11および平行折曲げ面12に隣接するように区画されている。交差折曲げ面15は、板10のうち、交差折曲げ線23よりも右側の部分である。交差折曲げ面16は、板10のうち、交差折曲げ線24よりも左側の部分である。換言すると、基準面11は、平行折曲げ線21より前方の部位であって、交差折曲げ線23と交差折曲げ線24との間にある部位である。また、平行折曲げ面12は、平行折曲げ線21より後方の部位であって、交差折曲げ線23と交差折曲げ線24との間にある部位である。
【0046】
板10は、平行折曲げ面12と交差折曲げ面15、16の後方の部位とが、基準面11と交差折曲げ面15、16の前方の部位とに対して、平行折曲げ線21で折り曲げ可能である。
【0047】
開口端部31aは、交差折曲げ面15、16に掛かっている。また、開口端部32aは、交差折曲げ面15、16に掛かっている。換言すると、フィルム30の長さ(筒の長さ)は、基準面11の左右方向の幅または平行折曲げ面12の左右方向の幅よりも長くなっている。
【0048】
板10の一対の縁部10mの各々は、直線状である。基準面11は、矩形状である。平行折曲げ面12は、矩形状である。
【0049】
図1に戻って、フィルム30は、板10のうち、主に基準面11と平行折曲げ面12とを囲むように配置されている。フィルム30の幅方向(周方向に直交する方向)が左右方向になるように、フィルム30が配置されている。換言すると、フィルム30は、平行折曲げ線21がフィルム30が形成する筒の内部を貫くようにして、板10に巻かれている。
【0050】
内側フィルム31および外側フィルム32は、板10に、種々の方法で取り付けられればよい。例えば、予め環状に形成された内側フィルム31の内部に板10を通すことで内側フィルム31が板10に取り付けられる。さらに、予め環状に形成された外側フィルム32の内部に、内側フィルム31が取り付けられた板10を通すことで外側フィルム32が板10に対して内側フィルム31よりも外側に取り付けられる。また、例えば、帯掛包装機などを用いて、板10に対してフィルムを1周巻回し、フィルムどうしを接着することで、内側フィルム31が板10に取り付けられる。内側フィルム31を板10に取り付けた後に、帯掛包装機などを用いて、内側フィルム31が取り付けられた板10に対してフィルムをさらに1周巻回し、フィルムどうしを接着することで、外側フィルム32が板10に対して内側フィルム31よりも外側に取り付けられる。フィルム30が板10に取り付けられている状態で、板10は、各折曲げ線21、23、24で折り曲げ可能である。
【0051】
本実施形態では、平行折曲げ線21は、板10の前後中央よりも後ろ側にオフセットされている。すなわち、平行折曲げ線21は、板10の中心からずれた位置に位置する。基準面11の面積は、平行折曲げ面12の面積よりも大きい。
【0052】
平行折曲げ線21が後ろ側にオフセットされていることにより、次の効果が生じる。すなわち、基準面11が広く、梱包具1の重心が平行折曲げ線21よりも前方にあるので、略水平の台上などで梱包具1を折曲げ状態にしたとき、基準面11が台上などに設置したままの状態を容易に保持することができる。そのため、専用の治具等を用いなくても、容易に梱包作業を行うことができる。
【0053】
次に、
図5を参照して梱包具1を用いて複数の物品50を梱包する方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る梱包具1を用いた梱包方法を示す模式図である。本実施形態では、複数の物品50は、第1物品51と、第2物品52とを含む。第2物品52の高さは、第1物品51の高さよりも高い。
【0054】
図5(b)に示すように、梱包具1は、平行折曲げ線21で平行折曲げ面12が基準面11に対して折り曲げることによって、折り曲げられた状態(以下、折曲げ状態ということがある)にすることができる。梱包具1が折曲げ状態であるとき、内側フィルム31と板10の上面(ここでは、基準面11)との間の隙間Aに第1物品51を配置可能である。すなわち、折曲げ状態では、側面視で、板10の前端部、後端部、および平行折曲げ線21部の折り目部分を直線で結ぶ経路の長さが展開状態よりも小さくなる。折曲げ状態では、この経路と内側フィルム31の周の長さとの差が大きくなる。このため、平行折曲げ面12および基準面11と、内側フィルム31との間に、隙間Aができる。この隙間Aに、梱包対象となる第1物品51を配置することができる。
【0055】
折り曲げ角度が大きくなるほど(平行折曲げ面12と基準面11とのなす角が小さくなるほど)、上記経路の長さと内側フィルム31の周の長さとの差が大きくなるが、平行折曲げ面12と基準面11との間が狭くなる。そのため、第1物品51を隙間Aに配置可能な適当な角度まで平行折曲げ面12を基準面11に対して折り曲げるようにすればよい。
【0056】
また、
図5(c)に示すように、梱包具1が折曲げ状態であるとき、内側フィルム31と外側フィルム32との間の隙間Bに第2物品52を配置可能である。すなわち、折曲げ状態では、側面視で、板10の前端部、後端部、および平行折曲げ線21部の折り目部分を直線で結ぶ経路の長さが展開状態よりも小さくなる。折曲げ状態では、この経路と外側フィルム32の周の長さとの差が大きくなる。このため、平行折曲げ面12および基準面11と、外側フィルム32との間に空間ができる。したがって、平行折曲げ面12および基準面11と、内側フィルム31と外側フィルム32との間に、隙間Bができる。この隙間Bに、梱包対象となる第2物品52を配置することができる。
【0057】
図5(a)においては、
図1のVA−VA線における断面が示されている。
図5において上から下に、ステップS11、S12、S13、S14を順にたどるようにして、梱包具1を用いた梱包が行われる。
【0058】
図5(a)に示すように、梱包具1を用意する(S11;用意するステップ)。展開状態の梱包具1は、平板状である。この状態から、図に上向き矢印で示されるように、板10を平行折曲げ線21において折り曲げて平行折曲げ面12を基準面11に近づけ、折曲げ状態にする(折り曲げステップ)。
【0059】
次に、
図5(b)に示すように、板10が折り曲げられた状態で、基準面11と内側フィルム31との間の隙間Aに、第1物品51が配置される(S12;第1物品配置ステップ)。
【0060】
次に、
図5(c)に示すように、板10が折り曲げられた状態で、内側フィルム31と外側フィルム32との間の隙間Bに、第2物品52が配置される(S13;第2物品配置ステップ)。ここでは、第2物品52は第1物品51よりも前側に配置される。
【0061】
その後、
図5(d)に下向き矢印で示すように、平行折曲げ面12を基準面11に対して展開し、展開状態とする(S14)。そうすると、内側フィルム31が第1物品51の上部に接触した状態で張られる。それにより、第1物品51が板10に押し付けられた状態となる。さらに、外側フィルム32が第2物品52の上部に接触した状態で張られる(展開ステップ)。
【0062】
図6から
図7を参照して梱包具1についてさらに説明する。
図6は、梱包が行われて展開状態とされた梱包具1を示す斜視図である。
図7は、交差折曲げ面15、16を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【0063】
梱包具1は、基準面11に対する平行折曲げ面12(折曲げ面)の折曲げ状態が変化することに伴って、内側フィルム31が第1物品51に接触した状態で張られることにより、第1物品51が板10に押し付けられる。詳しくは、
図6に示すように、展開ステップが行われると、側面視で、板10の前端部、後端部、平行折曲げ線21部の折り目部分、および第1物品51の上部を直線で結ぶ経路の長さが、第1物品51が配置されていることにより、当初の展開状態よりも大きくなる。したがって、内側フィルム31は、第1物品51の上部に接触した状態で、若干伸長しながら張られる。そのため、内側フィルム31により、第1物品51が板10に押し付けられる。
【0064】
さらに、梱包具1は、基準面11に対する平行折曲げ面12(折曲げ面)の折曲げ状態が変化することに伴って、外側フィルム32が第2物品52に接触した状態で張られることにより、第2物品52が板10に押し付けられるように構成されている。詳しくは、展開ステップが行われると、側面視で、板10の前端部、後端部、平行折曲げ線21部の折り目部分、および第2物品52の上部を直線で結ぶ経路の長さが、第2物品52が配置されていることにより、当初の展開状態よりも大きくなる。したがって、外側フィルム32は、第2物品52の上部に接触した状態で、若干伸長しながら張られる。そのため、外側フィルム32により、第2物品52が板10に押し付けられる。
【0065】
さらに、梱包具1は、基準面11に対する平行折曲げ面12(折曲げ面)の折曲げ状態が変化することに伴って、第2物品52によって内側フィルム31が板10に押し付けられるように構成されている。第2物品52によって内側フィルム31が板10に押し付けられるため、平行折曲げ面12および基準面11と、内側フィルム31との間の隙間Aを、フィルムが1重に巻かれている梱包具よりも狭くすることができる。したがって、内側フィルム31は、第1物品51の上部に接触した状態で、若干伸長しながら張られる。そのため、内側フィルム31により、第1物品51が板10に押し付けられる。
【0066】
ここで、本実施の形態においては、上記のように展開ステップにするとき、交差折曲げ面15、16を交差折曲げ線23、24で基準面11に対して折り曲げることによって、立ち上げた状態にすることができる。これにより、平行折曲げ面12を基準面11に対して展開させ、それによって内側フィルム31と外側フィルム32とを張ることができる。なお、展開ステップを行った後で、交差折曲げ面15、16を立ち上げてもよい(立ち上げステップ)。
【0067】
図7に示すように、交差折曲げ線23、24は平行折曲げ線21に板10上で交わるので、交差折曲げ面15、16を交差折曲げ線23、24で折り曲げると、板10が、基準面11と平行折曲げ面12との部分において展開された状態のまま(平行折曲げ面12が基準面11に対して略平行となるように展開された状態のまま)で保持される。換言すると、基準面11と平行折曲げ面12とが略平行となる状態にならなければ、交差折曲げ面15、16を折り曲げることができない。本実施の形態においては、板10上で互いに交わらない2つの交差折曲げ線23、24のそれぞれを介して2つの交差折曲げ面15、16が設けられているので、両交差折曲げ面15、16を折り曲げて立ち上げ状態とすることで、板10が、基準面11と平行折曲げ面12との部分で展開された状態が、確実に保持される。
【0068】
図8〜
図10を参照して、梱包体80について説明する。
図8は、梱包体80の分解斜視図である。
図9は、梱包具1が外箱70内に収納された状態の梱包体80を示す図である。
図10は、梱包体80を示す側断面図である。
【0069】
図8および
図9に示すように、梱包体80は、梱包具1と外箱70とを備える。梱包具1は、交差折曲げ面15、16が基準面11に対して略垂直に折り曲げられた状態で、外箱70内に収納される。換言すると、外箱70の寸法は、このように交差折曲げ面15、16が折り曲げられた状態の梱包具1がぴったりと収納されるように、設定されている。交差折曲げ面15、16が基準面11に対して折り曲げられた状態で、梱包具1が外箱70内に収納されていることにより、交差折曲げ面15、16が基準面11に対して折り曲げられた状態が保持される。したがって、フィルム30が張られた状態が維持され、物品50が板10上の定位置に確実に保持される。
【0070】
外箱70は、例えば一般的な段ボール箱である。
図9に示す状態では、外箱70の上側の蓋が開いている。外箱70の上側の蓋が閉じられると、略直方体状の梱包体80が完成する。
【0071】
図10においては、外箱70の上下の蓋が閉じられた状態の梱包体80の、XZ平面に平行な断面を示す。
図10において示すように、本実施の形態において、梱包具1が外箱70内に収納された状態で、梱包具1の底部すなわち基準面11および平行折曲げ面12と、交差折曲げ面15、16の上部とが、外箱70の内面に接触している。特に、梱包具1の底部は、外箱70の内面の底面に接触し、交差折曲げ面15、16のそれぞれの上端部は、外箱70の上面の内面に接触している。すなわち、
図8においてh1で示す、交差折曲げ面15、16の、交差折曲げ線23、24からの幅寸法(立ち上げ状態における高さ寸法)と、
図8においてh2で示す、外箱70の高さ寸法とが、略等しく設定されている。
【0072】
これにより、外箱70は、交差折曲げ面15、16により上下方向に支えられた状態が保たれ、梱包体80が頑丈なものとなる。また、接着剤等を用いることなく、梱包具1の位置が、外箱70の内部で固定される。したがって、輸送時等に梱包体80に振動や外力が加わったり、梱包体80が傾けられたりしても、物品50をしっかりと固定することができる。なお、梱包具1の底部が外箱70の底面に近接し、交差折曲げ面15、16の上端部が、外箱70の天面に近接していてもよい。この場合であっても、同様の効果が得られる。
【0073】
また、交差折曲げ面15、16は、上方に向けて折り曲げられており、交差折曲げ面15、16の上端部は、第1物品51と第2物品52とよりも上方に位置している。すなわち、外箱70の上面と物品50とが離れた状態が維持されている。そのため、例えばユーザが梱包体80を開梱するときに、外箱70の上側の蓋を開状態とするためにナイフ等の鋭利な工具を用いたとしても、その工具と物品50とが接触することが防止され、物品50が保護される。
【0074】
なお、梱包具1の板10として、一定程度の厚みがある段ボールなど、クッション性のあるものを利用することが好ましい。それにより、梱包体80に振動や外力が加わっても、物品50に伝達される衝撃の大きさを小さくすることができ、より確実に、物品50を保護することができる。また、板10が厚いほうが、折曲げ状態から展開状態に近い自然状態に戻ろうとする復元力が大きくなるので、物品50を固定しやすくなる。
【0075】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、基準面11に対する折曲げ面の折曲げ状態が変化することに伴って、内側フィルム31が第1物品51に接触した状態で張られることにより、第1物品51が板10に押し付けられ、かつ、外側フィルム32が第2物品52に接触した状態で張られることにより、第2物品52が板状部材に押し付けられるように構成されている。したがって、第1物品51と第2物品52とのいずれもフィルム30が張った状態で板10に固定することができる。その結果、容易に複数の物品50を固定して梱包することが出来る。
【0076】
また、基準面11に対する折曲げ面の折曲げ状態が変化することに伴って、第2物品52によって内側フィルム31が板10に押し付けられるように構成されている。したがって、基準面11および内側フィルム31との間の隙間を小さくすることができる。したがって、第1物品51と第2物品52とのいずれもフィルム30が張った状態で板10に固定することができる。その結果、容易に複数の物品50を固定して梱包することが出来る。
【0077】
また、梱包具1において、板10を折曲げ状態にして物品50を配置し、再び板10を展開状態にすることで、物品50を定位置に保持させることができる。したがって、容易に物品50の梱包を行うことができる。板10は、一旦折曲げ状態にした後でも、展開状態に近い自然状態に戻ろうとする復元力を発生する。したがって、フィルム30を張るために複雑な手順は必要なく、容易に板10を展開状態にすることができる。
【0078】
梱包具1は、板10とフィルム30とを組み合わせた簡素な構成を有する。そのため、物品50を固定するために、多くのエネルギーを消費する装置や大掛かりな装置を用いる必要がなく、梱包に必要なコストを低減することができる。
【0079】
第1の実施の形態において、梱包具1は、2つの交差折曲げ面15、16を立ち上げ状態とすることで、より確実に、物品50が保持された状態を維持することができる。
【0080】
開梱時には、梱包時と逆の手順で、交差折曲げ面15、16をもとに戻し、板10を展開状態から折曲げ状態にすればよい。これにより、フィルム30の張りを緩和させ、容易に物品50を取り除くことができる。梱包を行う工程において、フィルムを熱収縮させたり、接着剤を用いたりといった、不可逆な工程は含まれない。したがって、このように容易に梱包および開梱を行うことができる。また、一旦梱包に使用した梱包具1を再利用して、別の物品50を梱包することができ、経済的である。フィルム30と板10との組合せに、接着剤等は用いられない。したがって、例えばフィルム30のみが傷んだ場合であっても、新たなフィルム30と交換することにより、梱包具1として再利用することができる。
【0081】
また、内側フィルム31の開口端部31aおよび外側フィルム32の開口端部32aのそれぞれは、交差折曲げ面15、16に掛かっている。そのため、交差折曲げ面15、16が基準面11に対して折曲げられるときに、開口端部31aおよび開口端部32aの近傍の部分も、交差折曲げ面15、16と共に交差折曲げ線23、24で折り曲げられる。これにより、板10の基準面11および平行折曲げ面12と、フィルム30とで囲まれた空間が構成される。この空間の気密をある程度まで維持することができるので、空間内に配置された物品50に大きな塵等が付着することなどを簡易な構成で防止することができる。
【0082】
[第2の実施の形態]
図11〜13を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る梱包具1について説明する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る梱包具1を示す斜視図である。
図12は、板10を模式的に示す平面図である。
図13は、交差折曲げ面15、16を立ち上げた状態を示す斜視図である。第2の実施の形態に係る梱包具1は、板10に平行折曲げ線が形成されず、交差折曲げ線23、24のみが形成されている点を除いて、第1の実施の形態に係る梱包具1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0083】
図11に示すように、梱包具1は、板10と、複数のフィルム30とを備えている。板10には、2本の折曲げ線(折り目;筋)23、24が設けられている。すなわち、板10には、2本の交差折曲げ線23、24とが形成されている。
【0084】
図12において、各種ハッチングで囲まれた部位が、ここでいう1つの区画に相当する。
図12に示すように、板10には、基準面11と2つの交差折曲げ面15、16との3つの区画が設けられている。
【0085】
梱包具1は、交差折曲げ面15、16が基準面11に対して面一である状態から交差折曲げ線23、24を介して折り曲げられるのに伴って、内側フィルム31が第1物品51に接触した状態で張られることにより、第1物品51が板10に押し付けられ、かつ、外側フィルム32が第2物品52に接触した状態で張られることにより、第2物品52が板10に押し付けられるように構成されている。
【0086】
詳しくは、
図11に示すように、交差折曲げ面15、16が基準面11に対して面一である状態(面一状態)から、交差折曲げ面15、16を交差折曲げ線23、24で基準面11に対して折り曲げることによって、
図13に示すように、交差折曲げ面15、16を立ち上げた状態にすることができる。交差折曲げ面15、16が基準面11に対して面一である状態から交差折曲げ線23、24を介して折り曲げられるのに伴って、内側フィルム31と外側フィルム32とが左右方向(X軸方向)に引っ張られる。その結果、内側フィルム31が第1物品51に接触した状態で張られることにより、第1物品51が板10に押し付けられる。また、外側フィルム32が第2物品52に接触した状態で張られることにより、第2物品52が板10に押し付けられる。
【0087】
本実施形態では、内側フィルム31の開口端部31aおよび外側フィルム32の開口端部32aのそれぞれは、交差折曲げ面15、16に掛かっている。したがって、交差折曲げ面15、16が面一状態から交差折曲げ線23、24を介して折り曲げられるのに伴って、フィルム30の開口端部31a近傍の部分および開口端部32aも、交差折曲げ面15、16と共に交差折曲げ線23、24で折り曲げられる。その結果、内側フィルム31および外側フィルム32が、左右方向(X軸方向)に引っ張られる。このため、内側フィルム31が第1物品51に接触した状態で張られることにより、第1物品51が板10に押し付けられる。また、外側フィルム32が第2物品52に接触した状態で張られることにより、第2物品52が板10に押し付けられる。
【0088】
[第3の実施の形態]
図14を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る梱包具1について説明する。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る梱包具1を示す斜視図である。
図14において、長さL1は、内側フィルム31の開口331が延びる方向(X軸方向)における長さを示す。長さL2は、外側フィルム32の開口332が延びる方向(X軸方向)における長さを示す。第3の実施の形態に係る梱包具1では、長さL1が長さL2よりも長い点を除いて、第1の実施の形態に係る梱包具1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0089】
図14に示すように、梱包具1では、長さL1が長さL2よりも長い。本実施形態では、長さL2は、第2物品52の長手方向の長さと略同一である。本実施形態では、外側フィルム32の左右方向の長さを短くすることができる。したがって、外側フィルム32の材料費を低減することができる。
【0090】
[その他]
平行折曲げ線の数や位置、交差折曲げ線の数や位置は、上述のものに限られない。平行折曲げ線は1つ以上設けられていればよい。また、
図15に示すように、交差折曲げ線は、設けられていなくてもよい。
図15は、本発明の変形例に係る梱包具1を示す斜視図である。梱包具1では、板10には、平行折曲げ線21が形成されている。平行折曲げ面12を折曲げ状態とすることで生じた隙間に物品を配置した後、板10を展開状態にすることでその物品を固定することができ、容易に梱包作業を行うことができる。
【0091】
また、
図1〜
図10を参照して説明した梱包具1では、板10には平行折曲げ線が1つ設けられていたが、
図16に示すように、板10には平行折曲げ線が2つ設けられてもよい。
図16は、本発明の変形例に係る梱包具1を示す斜視図である。梱包具1では、板10に平行折曲げ線が2つ設けられている点を除いて、第1の実施の形態に係る梱包具1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0092】
板10は、2つの平行折曲げ線21、22と、2つの交差折曲げ線23、24とを有する。2つの平行折曲げ線21、22は、板10上で互いに交わらないように配置されている。本実施形態において、平行折曲げ線21、22は、それぞれ、X軸に平行に配置されている。平行折曲げ線21が、板10の後端近くに配置されている。平行折曲げ線22が、板10の前端近くに配置されている。また、本実施形態において、板10には、基準面11と、2つの平行折曲げ面12、13と、2つの交差折曲げ面15、16との5つの区画が設けられている。2つの平行折曲げ面12、13を折曲げ状態とすることで生じた隙間に物品を配置した後、2つの平行折曲げ面12、13を展開状態にすることでその物品を固定することができ、容易に梱包作業を行うことができる。
【0093】
また、
図1〜
図16を参照して説明した梱包具1では、フィルム30は筒状であったが、フィルム30は筒状でなくてもよい。
図17に示すように、梱包具1は、複数のシート状のフィルム30が板10に取り付けられるようにしてもよい。
図17は、本発明の変形例に係る梱包具1を示す斜視図である。
図17は、本発明の変形例に係る梱包具1を示す斜視図である。
図18は、本発明の変形例に係る梱包具1の分解斜視図である。梱包具1では、フィルム30がシート状である点を除いて、第1の実施の形態に係る梱包具1と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0094】
図17および
図18に示すように、板10には、内側フィルム31と外側フィルム32とが取り付けられる。本実施形態では、内側フィルム31と外側フィルム32とは、シート状である。
図18に示すように、板10には、一対の接着部142と、一対の接着部144とが設けられる。また、内側フィルム31の下面の端部には、一対の接着部242が設けられる。また、外側フィルム32の下面の端部には、一対の接着部244が設けられる。
【0095】
板10の一対の接着部142と、内側フィルム31の一対の接着部242とを接着することによって、内側フィルム31は板10に取り付けられる。また、板10の一対の接着部144と、外側フィルム32の一対の接着部244とを接着することによって、外側フィルム32は板10に取り付けられる。第1の実施の形態と同様に、平行折曲げ面12を折曲げ状態とすることで生じた隙間に物品を配置した後、板10を展開状態にすることでその物品を固定することができ、容易に梱包作業を行うことができる。
【0096】
なお、
図19に示すように、内側フィルム31と外側フィルム32とを予め一体化していてもよい。例えば、接着することによって、内側フィルム31と外側フィルム32とは一体化される。
図19は、本発明の変形例に係る梱包具1の分解斜視図である。板10には、一対の接着部146が設けられる。また、内側フィルム31の下面の端部には、一対の接着部246が設けられる。板10の一対の接着部146と、内側フィルム31の一対の接着部246とを接着することによって、内側フィルム31は板10に取り付けられる。すなわち複数のフィルム30が、板10に取り付けられる。第1の実施の形態と同様に、平行折曲げ面12を折曲げ状態とすることで生じた隙間に物品を配置した後、板10を展開状態にすることでその物品を固定することができ、容易に梱包作業を行うことができる。
【0097】
以上、図面(
図1〜
図19)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(9))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0098】
(1)板やフィルムの材質は、上述の実施の形態に限られるものではない。板として、段ボールのほか、厚紙類を用いてもよい。また、板は、紙製に限らず、ポリエチレンまたはゴムのような樹脂製であってもよい。板が、ゴム製の場合、板を展開状態にした場合、板の反発力によってフィルムにテンションがかかるようにすることが可能となる。板は、折り曲げられ、その後再び展開できる板状部材であればよい。フィルムは、ポリエチレン製に限らず、ゴム製であってもよい。あるいは、ポリエチレンまたはゴムのような樹脂製に限らず、布または紙のような繊維製であってもよい。フィルムは伸縮性を有していても、有していなくてもよい。板を展開状態にした場合、フィルムにテンションがかかるようにするため、フィルムは伸縮性を有することが好ましい。
【0099】
(2)板の寸法や、フィルムの周長は、梱包対象となる物品に応じて適宜変更可能である。板は、矩形に限られず、また、三角形であっても五角形以上であってもよい。フィルムの周長は、板を折曲げ状態にしたときに物品を配置でき、その後展開状態とすることでフィルムにテンションがかかるような範囲で、適宜設定することができる。また、フィルムの形状は帯状に限らず、網目状であってもよい。あるいは、フィルムの形状は平坦状に限らず、気泡緩衝材のように凹凸を有していてもよい。
【0100】
(3)板10は、表ライナー19aと、裏ライナー19bと、中芯19cとによって形成されていたが、本発明はこれに限定されない。板は、中芯を有さず、1枚の板状の部材から形成されていてもよい。
【0101】
(4)伸縮性フィルムに代えて、筒状に構成されたフィルム状の部材が用いられてもよい。複数のフィルムが、平行折曲げ線の長手方向に並んで配置されていてもよい。
【0102】
(5)外箱は、上述のような段ボール製のものに限られず、種々の形態のものを用いることができる。例えば薄型の物品を、上述の実施の形態の梱包具1を用いて板に固定した上で、封筒などの外袋に入れて封をすることで、梱包体が構成されるようにしてもよい。その他、梱包具1を用いて種々の物品を様々な形態で梱包することができる。
【0103】
(6)
図1〜
図10を参照して説明した梱包具1では、平行折曲げ線21は、板10の中心からずれた位置に位置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、平行折曲げ線21は、板10の中心に位置してもよい。この場合、基準面11の面積と平行折曲げ面12の面積とは等しくなる。
【0104】
(7)
図11から
図13を参照して説明した梱包具1では、交差折曲げ面15、16を基準面11に対して立ち上げる、すなわち上方向に折り曲げることによって、物品50を固定していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、交差折曲げ面15、16を基準面11に対して立ち下げる、すなわち下方向に折り曲げることによって、物品50を固定してもよい。
【0105】
(8)また、
図1〜
図10を参照して説明した梱包具1では、交差折曲げ線23、24は、板10の中芯19cの波状部分の筋方向に平行に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、交差折曲げ線23、24は、板10の中芯19cの波状部分の筋方向に直交するように形成されてもよい。交差折曲げ線23、24は、板10の中芯19cの波状部分の筋方向に直交するように形成されることによって、交差折曲げ線23、24で交差折曲げ面15、16を折り曲げた状態が保持されやすくなっている。これにより、容易に梱包を行うことができる。また、この場合、平行折曲げ線21にミシン目加工を設けず、交差折曲げ線23、24にミシン目加工を設けることにより、交差折曲げ線23、24が折り曲げられた状態が維持されやすくなっていてもよい。
【0106】
(9)また、
図1〜
図19を参照して説明した梱包具1では、第1物品51を隙間Aに、第2物品52を隙間Bに配置していたが本発明はこれに限定されない。例えば、隙間Aのみに第1物品51および第2物品52配置してもよいし、隙間Bのみに第1物品51および第2物品52に配置してもよい。あるいは、1つの物品を隙間Aまたは隙間Bのいずれか一方に配置してもよい。例えば、
図17に示した梱包具1において、1つの物品を隙間Bのみ配置する場合、内側フィルム31を気泡緩衝材で形成し、外側フィルム32をポリエチレンで形成してもよい。内側フィルム31が気泡緩衝材で形成されることによって衝撃を緩和することができる。
梱包具は、複数のフィルム(30)と、板状部材(10)とを備える。複数のフィルム(30)は、内側フィルム(31)と外側フィルム(32)とを含む。板状部材(10)は、基準面(11)と、折曲げ面(12)とを有する。基準面(11)および内側フィルム(31)との間の隙間(A)に第1物品(51)を配置可能である。内側フィルム(31)および外側フィルム(32)との間の隙間(B)に第2物品(52)を配置可能である。基準面(11)に対する折曲げ面(12)の折曲げ状態が変化することに伴って、内側フィルム(31)が第1物品(51)に接触した状態で張られることにより、第1物品(51)が板状部材(10)に押し付けられ、かつ、外側フィルム(32)が第2物品(52)に接触した状態で張られることにより、第2物品(52)が板状部材(10)に押し付けられるように構成されている。