(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165461
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】機上測定機能付き加工装置
(51)【国際特許分類】
G01B 5/20 20060101AFI20170710BHJP
B23Q 35/04 20060101ALI20170710BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
G01B5/20 C
B23Q35/04 E
B23Q17/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-27935(P2013-27935)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-217906(P2013-217906A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-56273(P2012-56273)
(32)【優先日】2012年3月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】東芝機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】福 田 将 彦
(72)【発明者】
【氏名】覚 張 勝 冶
【審査官】
中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−518579(JP,A)
【文献】
特表2003−532096(JP,A)
【文献】
特開平3−111701(JP,A)
【文献】
特開昭60−119402(JP,A)
【文献】
特表2007−506959(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0154527(US,A1)
【文献】
特開2009−47689(JP,A)
【文献】
米国特許第5419222(US,A)
【文献】
国際公開第2007/094365(WO,A1)
【文献】
国際公開第00/52419(WO,A1)
【文献】
特表2008−511454(JP,A)
【文献】
特表2003−500675(JP,A)
【文献】
米国特許第5047966(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0055124(US,A1)
【文献】
特開2010−14427(JP,A)
【文献】
特開2008−200798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00− 5/30
B23Q17/00−23/00
B23Q33/00−35/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータへの移動指令を生成する分配器と、
前記モータの作動位置を検出する位置検出器と、
を備え、
前記移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータを制御するモータコントローラと、
を備えた加工装置であって、
倣い測定制御時において、加工工具の代わりに、ワークに対する相対的な距離を測定できるプローブセンサが取り付けられるようになっており、
倣い測定制御時において、前記モータコントローラには、前記移動指令の入力が遮断される一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックされるようになっており、
倣い測定制御時において、前記位置検出器による検出結果と前記プローブセンサによる測定結果とが重畳された情報が、ワークの形状情報として出力されるようになっており、
倣い測定制御時において、前記プローブセンサが中立状態に戻るようにフィードバック制御されることを特徴とする加工装置。
【請求項2】
前記モータは、Y軸モータであり、
前記位置検出器は、前記Y軸モータの作動位置を検出するようになっており、
前記モータコントローラは、前記Y軸モータへの移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応する前記Y軸モータを制御するようになっており、
倣い測定制御時において、前記モータコントローラには、前記Y軸モータへの移動指令の入力が遮断される一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックされるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
X軸方向及び/またはZ軸方向への移動が継続されることで、倣い測定制御が実施される
ことを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
ワークは、マイクロレンズアレイである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加工装置。
【請求項5】
ワークは、マイクロレンズアレイを成形するための金型である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加工装置。
【請求項6】
前記プローブセンサは、He−Neレーザによる測定機構を有している
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の加工装置。
【請求項7】
出力された前記ワークの形状情報に基づいて加工データまたは加工プログラムを補正する加工補正部
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の加工装置。
【請求項8】
モータへの移動指令を生成する分配器と、
前記モータの作動位置を検出する位置検出器と、
を備え、
前記移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータを制御するモータコントローラと、
を備えた加工装置を用いてワークの倣い測定制御を行う方法であって、
加工工具の代わりに、ワークに対する相対的な距離を測定できるプローブセンサを取り付ける工程と、
前記モータコントローラにおいて、前記移動指令の入力を遮断する一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックする工程と、
前記位置検出器による検出結果と前記プローブセンサによる測定結果とが重畳された情報を、ワークの形状情報として出力する工程と、
を備え、
前記モータコントローラにおいて、前記プローブセンサが中立状態に戻るようにフィードバック制御されることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記モータは、Y軸モータであり、
前記位置検出器は、前記Y軸モータの作動位置を検出するようになっており、
前記モータコントローラは、前記Y軸モータへの移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応する前記Y軸モータを制御するようになっており、
前記モータコントローラにおいて、遮断される前記移動指令の入力は、前記Y軸モータへの移動指令であり、X軸方向及び/またはZ軸方向の相対移動が継続される間において前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように、前記プローブセンサによる測定結果がフィードバックされる
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倣い動作によってワークの形状を測定する機能を有する加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワークの形状に倣ってプローブを移動させることによって、当該ワークの形状を高精度に測定することが知られている。
【0003】
従来の倣い制御は、事前に取得済みのワークの設計値に倣うようにプローブの移動軌道を能動制御する一方で、そのような移動制御の間に生じるプローブの変位を受動的に測定することによって、実際のワークの設計値からの「ずれ」を測定するという原理を採用している。
【0004】
従って、原理上、プローブの変位を受動的に測定する機構を必要とする。このような機構は、一般にスケーラ等と呼ばれている。
【0005】
例えば、WO00/52419号公報には、触針式のプローブヘッドを採用したNC加工装置が開示されている。当該装置では、プローブヘッドとワークとの間の接触を保つ倣い制御を実施し、プローブヘッドの接触子の変位を継続的に捕捉することによって、ワークの形状を高精度に測定することができる。特に当該装置では、接触子の変位の測定にレーザ干渉変位計を採用することによって、高精度なワークの倣い測定を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO00/52419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、加工装置において倣い制御のための独自のスケーラを搭載することは、コストや設置スペースの観点で好ましくない。
【0008】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、倣い測定制御のための独自のスケーラを搭載することなく、倣い制御を低コストに実現できるような加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、モータへの移動指令を生成する分配器と、前記モータの作動位置を検出する位置検出器と、を備え、前記移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータを制御するモータコントローラと、を備えた加工装置であって、倣い測定制御時において、加工工具の代わりに、ワークに対する相対的な距離を測定できるプローブセンサが取り付けられるようになっており、倣い測定制御時において、前記モータコントローラには、前記移動指令の入力が遮断される一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックされるようになっており、倣い測定制御時において、前記位置検出器による検出結果と前記プローブセンサによる測定結果とが重畳された情報が、ワークの形状情報として出力されるようになっていることを特徴とする加工装置である。
【0010】
本発明によれば、原理的に、モータの作動位置を検出する位置検出器を、倣い測定制御時のスケーラとして機能させることができるため、倣い測定制御のための独自のスケーラを搭載することなく、倣い測定制御を実施することができる。従って、コストや設置スペースの観点で、非常に有利である。このような構成は、倣い測定制御時にモータコントローラへの移動指令を遮断する、という新しい発想によって可能となったものである。
【0011】
具体的には、例えば、前記モータは、Y軸モータ(Y軸方向の相対移動を担うモータ)であり、前記位置検出器は、前記Y軸モータの作動位置を検出するようになっており、前記モータコントローラは、前記Y軸モータへの移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応する前記Y軸モータを制御するようになっており、倣い測定制御時において、前記モータコントローラには、前記Y軸モータへの移動指令の入力が遮断される一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックされるようになっている。この場合、X軸方向及び/またはZ軸方向への移動が継続されることで、倣い測定制御が実施される。
【0012】
本発明は、特に、マイクロレンズアレイを加工する加工装置やマイクロレンズアレイを成形するための金型を加工する加工装置において有効である。マイクロレンズアレイやマイクロレンズアレイを成形するための金型は、加工誤差が大きくなりがちであるため、倣い測定制御のスケーラのストロークを大きくしておく必要があった。本発明によれば、倣い測定制御のスケーラを独自に設ける必要がなく、測定(対応)できる加工誤差の範囲にも原理的な制限がない。
【0013】
プローブセンサとしては、従来より公知の様々なタイプのものが利用可能である。例えば、マイクロレンズアレイを加工する加工装置やマイクロレンズアレイを成形するための金型を加工する加工装置においては、He−Neレーザによる測定機構を有するタイプのものが、測定精度の点で好ましい。
【0014】
また、本発明の加工装置は、出力された前記ワークの形状情報に基づいて加工データまたは加工プログラムを補正する加工補正部を更に備えることが好ましい。高精度に得られたワークの形状情報を加工データや加工プログラムの補正に適用することにより、加工精度を向上させることができる。
【0015】
あるいは、本発明は、モータへの移動指令を生成する分配器と、前記モータの作動位置を検出する位置検出器と、を備え、前記移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータを制御するモータコントローラと、を備えた加工装置を用いてワークの倣い測定制御を行う方法であって、加工工具の代わりに、ワークに対する相対的な距離を測定できるプローブセンサを取り付ける工程と、前記モータコントローラにおいて、前記移動指令の入力を遮断する一方、前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように前記プローブセンサによる測定結果もフィードバックする工程と、前記位置検出器による検出結果と前記プローブセンサによる測定結果とが重畳された情報を、ワークの形状情報として出力する工程と、を備えたことを特徴とする方法である。
【0016】
具体的には、例えば、前記モータは、Y軸モータであり、前記位置検出器は、前記Y軸モータの作動位置を検出するようになっており、前記モータコントローラは、前記Y軸モータへの移動指令に基づいて、前記位置検出器による検出結果が所定の作動位置となるように前記位置検出器による検出結果がフィードバックされながら、対応する前記Y軸モータを制御するようになっており、前記モータコントローラにおいて、遮断される前記移動指令の入力は、前記Y軸モータへの移動指令であり、X軸方向及び/またはZ軸方向の相対移動が継続される間において前記プローブセンサによる測定結果が所定の距離となるように、前記プローブセンサによる測定結果がフィードバックされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原理的に、モータの作動位置を検出する位置検出器を、倣い測定制御時のスケーラとして機能させることができるため、倣い測定制御のための独自のスケーラを搭載することなく、倣い測定制御を実施することができる。従って、コストや設置スペースの観点で、非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態の加工装置の概略ブロック図である。
【
図2】プローブセンサのワークへの追従の様子を説明するための概略図である。
【
図3】ワーク形状の測定結果に基づく補正加工結果を示すグラフである。
【
図4】ワーク形状の測定結果に基づく他の補正加工結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1(a)及び
図1(b)は、本発明の一実施の形態の加工装置の概略ブロック図である。本実施の形態の加工装置10は、位置指令(例えばG01/G00)を生成する位置指令部11と、移動解析加減速処理が行われる移動解析加減速処理部12と、X、Y、Zの各軸(各送り軸)に対応する各モータへの移動指令を生成する分配器(分配処理部)13と、を備えている。各モータは、本実施の形態では、回転モータである。
【0021】
各軸のモータ14には、当該モータ14の回転位置を検出する位置検出器15が設けられている。本実施の形態の位置検出器15は、光学リニアスケールによって構成されている。各軸のモータ14によって相対移動されるのは、加工制御時においては、所望の加工処理のために取り付けられた加工工具である。
【0022】
そして、分配器13からの移動指令に基づいて、位置検出器15による検出結果が所定の回転位置となるように当該位置検出器15による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータ14を制御するモータコントローラ16が設けられている。また、本実施の形態では、モータコントローラ16とモータ14との間に、アンプ17が介在している。
【0023】
以上のような本実施の形態の加工装置10は、加工制御時においては、
図1(a)のように作用する。すなわち、位置指令部11からの位置指令に基づいて、移動解析加減速処理部12によって移動解析加減速処理が行われ、分配器13においてX、Y、Zの各軸に対応する各モータへの移動指令が生成される。
【0024】
そして、分配器13からの移動指令に基づく一方、位置検出器15による検出結果が所定の回転位置となるように当該位置検出器15による検出結果がフィードバックされながら、対応するモータ14がモータコントローラ16によって制御される。これにより、加工工具によるワークの加工が実現される。
【0025】
さて、本実施の形態の特徴は、加工制御ではなく、倣い測定制御にある。すなわち、本実施の形態の加工装置10は、倣い測定制御時においては、加工工具の代わりに、ワークに対する相対的な距離を測定できるプローブセンサ21が取り付けられるようになっている。
【0026】
本実施の形態のプローブセンサ21は、ワークに対する接触を維持する接触子22と、接触子22を変位可能な状態で支持する空気軸受23と、接触子22の変位量を測定できるヘッド部24と、を有している(
図2参照)。ヘッド部24は、He−Neレーザを用いた光ファイバ式レーザ干渉変位計を有しており、0.038nmという高精度の分解能を実現している。また、空気軸受23(エアスライダとも呼ばれる)は、約50mgfという低測定力を実現している。
【0027】
そして、
図1(b)のように、当該倣い測定制御時において、モータコントローラ16には、移動指令の入力が遮断される一方(初期位置への移動までは移動指令が利用される)、プローブセンサ21による測定結果が所定の距離となるようにプローブセンサ21による測定結果もフィードバックされるようになっており、位置検出器15による検出結果とプローブセンサ21による測定結果とが重畳された情報が、ワークの形状情報として出力されるようになっている。
【0028】
ここで、
図2を参照して、プローブセンサ21のワークへの追従の様子について説明する。
図2は、ワークに対してプローブセンサ21がX軸方向及び/またはZ軸方向に相対移動する際に(X軸方向及び/またはZ軸方向の移動は移動指令に基づいてなされる)、Y軸方向のワーク形状(凹凸)を測定する様子を示している(Y軸方向の移動指令が遮断されている)。
【0029】
図2に示すように、相対移動の際にワークが凸状に盛り上がっていくと(
図2(a)→
図2(b))、プローブセンサ21の先端(この場合、接触子22)の移動軌道がそのような形状に倣わされる。すなわち、プローブセンサ21の先端が上方に変位する(
図2(b))。すると、その変位情報が直ちにモータコントローラ16にフィードバックされて、Y軸対応のモータにフィードバック指令がかかる。その結果、プローブセンサ21の全体位置が上方に修正され、プローブセンサ21の先端(この場合、接触子22)の位置状態は直ちに中立状態に戻る。逆に、プローブセンサ21の先端がワークから離れると(
図2(c))、プローブセンサ21の全体位置が下方に修正され、プローブセンサ21の先端が再びワークに当接する(
図2(d))。
【0030】
この時、位置検出器15によって検出されるモータの回転位置とプローブセンサ21の先端位置(残存変位量)とが重畳された情報が、
図2(b)=
図2(c)の地点におけるワークの形状情報として出力される。すなわち、Y軸方向の移動指令が遮断されていることにより、位置検出器15を変位測定のスケーラとして利用することができるのである。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、原理的に、モータ14の回転位置を検出する位置検出器15を、倣い測定制御時のスケーラとして機能させることができるため、倣い測定制御のための独自のスケーラを搭載することなく、倣い測定制御を実施することができる。従って、コストや設置スペースの観点で、非常に有利である。また、プローブセンサ21は常に中立状態に戻るようにフィードバック制御されるため、プローブセンサ21の変位が大きくなることは稀である。従来法では、ある基準(例えば設計値)に対する変位量の測定が継続されるため、プローブセンサ21の変位が大きくなることも稀ではなく、そのことに起因して測定精度が良くないという問題があったが、本実施の形態によれば、そのような問題が解消される。
【0032】
また、本実施の形態によれば、加工装置自体において倣い測定制御を実現するため、加工装置外で別途のワーク形状測定器を利用する場合と比較して、ワークを取り外す必要が無い。このため、作業効率が顕著に優れる。これは、測定されたワークの形状データを、補正加工データや補正加工プログラムの生成のために利用する場合において更に顕著である。例えば、加工補正部30が、測定されたワークの形状データ(ワークの形状情報)に基づいて、加工データないし加工プログラムを補正して補正加工データないし補正加工プログラムを生成する。これにより、加工精度を向上させることができる。
【0033】
具体的に、本実施の形態による加工装置によってマイクロレンズアレイないしマイクロレンズアレイを成形するための金型を加工した後、倣い測定制御によって形状データを取得し、当該形状データに基づいて加工プログラムを補正した後、再びマイクロレンズアレイないしマイクロレンズアレイを成形するための金型の加工と倣い測定制御とを実施した結果を
図3及び
図4に示す。これらの図に示す通り、ワークの形状データを高精度に測定することができれば、顕著に有効な加工プログラム補正を実現することができる。
【0034】
なお、前記実施の形態では、各モータ14は回転モータであったが、リニアモータであってもよい。この場合、位置検出器15は、当該リニアモータの移動位置を検出するように構成される。
【符号の説明】
【0035】
10 位置指令部
11 シャンク
12 移動解析加減速処理部
13 分配器
14 モータ
15 位置検出器
16 モータコントローラ
17 アンプ
21 プローブセンサ
22 接触子
23 空気軸受
24 ヘッド部
30 加工補正部