(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記寝台を、前記架台から離れた側の位置において長孔及び前記長孔に挿入されるピンによって位置決めされるように構成した請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記寝台を、前記架台から近い側の位置において水平方向の位置決めを行った後に、前記架台から離れた側の位置において水平方向における位置決めを行うように構成した請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記寝台を、前記架台から近い側の位置における前記水平方向の位置決めによって仮止めした後に、前記架台から離れた側の位置における前記水平方向の位置決めによってロックされるように構成した請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記寝台及び前記プレートの少なくとも一方に孔又は溝を設け、他方に前記孔又は前記溝に挿入するためのピン又はフックを設けた請求項8記載の磁気共鳴イメージング装置。
。
前記寝台本体は、前記寝台本体を移動させるためのキャスタを床に接触させることによって前記天板の高さ方向における位置決めが行われるように構成される請求項12記載の磁気共鳴イメージング装置用の寝台。
前記第1の位置決め機構及び前記第2の位置決め機構は、前記キャスタが前記床に接触した状態でそれぞれ位置決めを行うように構成される請求項13記載の磁気共鳴イメージング装置用の寝台。
前記寝台本体は、前記寝台本体を移動させるためのキャスタの駆動をロックさせることによって水平方向における移動が抑制されるように構成される請求項12乃至14のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置用の寝台。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング装置用の寝台について添付図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成を示す上面図である。また、
図2は、
図1に示す架台及び寝台の正面図である。
【0010】
磁気共鳴イメージング装置1は、架台2、寝台3及び制御系4を備えている。架台2には、磁石、傾斜磁場コイル及び高周波(RF: radio frequency)コイル等の磁気共鳴(MR: magnetic resonance)イメージングに必要なハードウェアが内蔵される。制御系4は、架台2に内蔵されたハードウェア及び寝台3を制御する一方、受信用のRFコイルにより受信されたMR信号に基づいてMR画像データを再構成するための装置である。
【0011】
寝台3は、架台2に着脱可能な移動式の寝台である。
図1は、架台2に連結しない状態における寝台3及び架台2の上面図を示している。寝台3は、互いに異なる長手方向Lの複数の位置において取外し可能に固定できるように構成される。そして、寝台3を複数の位置に固定することによって架台2に対して位置決めすることができる。特に、寝台3は、互いに異なる長手方向の複数の位置において互いに異なる構造を有する位置決め機構によって架台2に対して位置決めされるように構成されている。
【0012】
図1に示す例では、長手方向Lの2箇所の位置において寝台3が固定される。従って、寝台3は、寝台本体5に第1の位置決め機構6及び第2の位置決め機構7を設けて構成される。
【0013】
典型的な寝台本体5は、図示されるように被検体をセットするための天板5A、天板5Aを駆動するための駆動機構5B及び寝台本体5を移動させるためのキャスタ5Cを有している。駆動機構5Bは、制御系4から架台2を経由して供給される電力によって制御される。また、寝台本体5は、キャスタ5Cの駆動をロックさせることによって水平方向における移動が抑制されるように構成されている。
【0014】
第1の位置決め機構6及び第2の位置決め機構7は、それぞれ寝台本体5を、第1の位置及び第2の位置において位置決めするための構成要素である。但し、第2の位置は、第1の位置に対して寝台本体5の長手方向Lに異なる位置とされる。
【0015】
具体的には、第1の位置決め機構6は、架台2から近い側の第1の位置における寝台本体5の水平方向の位置決めを行うための位置決め機構である。一方、第2の位置決め機構7は、架台2から離れた側の第2の位置における寝台本体5の水平方向の位置決めを行うための位置決め機構である。
【0016】
また、第1の位置決め機構6及び第2の位置決め機構7は、キャスタ5Cが床に接触した状態でそれぞれ位置決めを行うように構成される。従って、寝台本体5は、キャスタ5Cを床に接触させることによって天板5Aの高さ方向における位置決めが行われるように構成される。
【0017】
第1の位置決め機構6及び第2の位置決め機構7としては、着脱可能であり、架台2に対する寝台本体5の相対的な位置決めを行うことが可能であれば、任意の構成要素を用いることができる。例えば、孔と孔に挿入されるピンとによって位置決め機構を構成することができる。或いは、溝と溝に嵌合するフックやピン等の突起物とによって位置決め機構を構成することもできる。但し、上述したように、第2の位置決め機構7は、第1の位置決め機構6と異なる構造を有する。
【0018】
図1に示す例では、第1の位置決め機構6として矩形状の凹部6Aが寝台本体5に設けられ、第2の位置決め機構7としてピン7Aが寝台本体5に設けられている。一方、第1の位置決め機構6を構成する矩形状の凹部6Aに嵌合する凸部6Bが架台2の寝台3側における床面付近に設けられ、第2の位置決め機構7を構成するピン7Aに嵌合する長孔7Bが架台2から離れた位置の床面に設けられている。
【0019】
但し、凹部及び凸部を設ける対象を逆にしてもよい。例えば、第1の位置決め機構6として寝台本体5に凸部を設ける一方、架台2に凹部を設けるようにしてもよい。また、第2の位置決め機構7として寝台本体5に長孔又は溝を設ける一方、床面にピンを固定するようにしてもよい。更に、床面に設けた孔にピンを挿入し、ピンと嵌合する溝を寝台本体5に設ければ寝台3の着脱が容易となる。
【0020】
寝台3は、少なくとも1箇所で架台2に取外し可能に固定されることが好適である。すなわち、寝台3を架台2に直接連結することによって、架台2に対する寝台3の位置決め精度を向上させることができる。一方、寝台3を、架台2からなるべく離れた別の1箇所で取外し可能に固定することによって、架台2に対する寝台3の向きを高精度にセットすることが可能となる。
【0021】
また、寝台3を、架台2から離れた側において固定するためのプレートを磁気共鳴イメージング装置1の構成要素として設けることができる。寝台3を取外し可能に固定するためのプレートは、架台2と剛結合することが望ましい。
図1に示す例では、架台2を設置するための床プレート8Aと、寝台3を設置するための床プレート8Bがボルト等の固定部材9によって剛結合されている。このように、プレートを架台2と剛結合することによって、寝台3をより良好な精度で強固に架台2に固定することが可能となる。
【0022】
プレートを設ける場合には、寝台3及びプレートの少なくとも一方に孔又は溝を設け、他方に孔又は溝に挿入するためのピン又はフックを設けることによって簡易に寝台3の位置決め機構を構成することができる。
図1に示す例では、プレートに長孔7Bが設けられ、寝台3に長孔7Bに嵌合するピン7Aが設けられている。
【0023】
図1に示すように、寝台3を、架台2から離れた側の位置において長孔7B及び長孔7Bに挿入されるピン7Aによって位置決めされるように構成することができる。これにより、寝台3の長手方向Lにおける機械的な誤差を吸収することができる。
【0024】
尚、寝台3を架台2から離れた側の位置において位置決めするための第2の位置決め機構7を、寝台3の架台2側の位置における第1の位置決め機構6による寝台3の位置決めに連動して動作するように構成することもできる。
【0025】
図3は、
図1に示す寝台3を固定するための第2の位置決め機構7を架台2側の位置における固定に連動して移動するようにした場合の第2の位置決め機構7の構成例を示す図である。また、
図4は、
図3に示す寝台3を架台2にセットした場合における第2の位置決め機構7の状態を示す図である。
【0026】
図3は寝台3を架台2から取り外した状態を示しており、
図4は寝台3を架台2にセットした状態を示している。
図3に示すように、寝台3の架台2側及び架台2から離れた側にそれぞれ回転軸10A、10Bを設け、各回転軸10A、10BにそれぞれL字型の部材11A,11Bを取り付けることができる。各L字型の部材11A,11Bの端部は、ワイヤ又は連結棒等の連結部材12の両端を自由端として互いに連結される。
【0027】
架台2側に設けられるL字型の部材11Aは、逆L字型となるように寝台3に取り付けられる。そして、L字型の部材11Aの架台2側となる一端には、寝台3を架台2にセットした場合に架台2側の凸部6Bに接触する当接板13が固定される。また、L字型の部材11Aの他端側が連結部材12と回転可能に連結される。
【0028】
一方、架台2から離れた側に設けられるL字型の部材11Bの寝台本体5側が連結部材12と回転可能に連結される。また、L字型の部材11Bの他端には、床プレート8Bに設けられた長孔7Bと嵌合するピン7Aが固定される。
【0029】
寝台本体5の架台2側に設けられるL字型の部材11Aは、スプリングによって反時計回りに押し付けられる。一方、寝台本体5の架台2から離れた側に設けられるL字型の部材11Bは、スプリングによって時計回りに押し付けられる。このため、架台2側に設けられるL字型の部材11Aの当接板13が架台2側の凸部6Bに接触しない状態では、スプリングの作用によってピン7Aの軸が斜め方向となり、ピン7Aの位置が高くなる。従って、ピン7Aの先端が床プレート8Bに接触することなく寝台3を移動させることができる。
【0030】
一方、当接板13を架台2側の凸部6Bに接触させると、架台2側に設けられるL字型の部材11Aが時計回りに回転する。このため、連結部材12によって連結された、架台2から離れた側に設けられるL字型の部材11Bが反時計回りに回転する。この結果、ピン7Aが床プレート8B側に突出し、ピン7Aを長孔7Bに挿入することができる。すなわち、寝台3を2箇所で固定することができる。
【0031】
尚、ピン7A、長孔7B、凸部6B及び凹部6A等の互いに嵌め合う対象となる部材に図示されるような面取りを施すことにより、寝台3の着脱が容易となる。
【0032】
図5は、
図1に示す長孔7Bにテーパ面を設けた例を示す図である。
【0033】
図5は、長孔7Bの長手方向から見た床プレート8Bの断面図である。
図5に示すように、長孔7Bにテーパ面を設けることによって、ピン7Aを容易に長孔7Bに導くことが可能となる。ピン7Aの先端についても図示されるようにテーパ面を設けることが好適である。
【0034】
以上のような磁気共鳴イメージング装置1は、移動式の寝台3を長手方向Lの2箇所以上で、互いに異なる構造を有する複数の位置決め機構によって位置決めするようにしたものである。
【0035】
このため、磁気共鳴イメージング装置1によれば、より良好な精度で寝台3と架台2との相対的な位置関係を確保することができる。特に、従来の寝台は、架台側のみで架台に固定されていた。このため、寝台の長手方向Lに直交する外力の成分に対抗するために、非常に強力なドッキング機構を設けることが必要であった。また、寝台の長手方向Lに直交する方向における位置決め精度を確保することが困難であった。
【0036】
これに対して、磁気共鳴イメージング装置1によれば、簡素な構造で強固に寝台3を架台2に固定することができる。また、寝台3の架台2から離れた側においても、寝台3が固定されるため、寝台3の長手方向Lに直交する方向における位置決め精度を向上させることができる。また、寝台3のドッキング機構を簡素にできるため、繰返し使用されるドッキング機構の耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0037】
しかも、磁気共鳴イメージング装置1によれば、移動式の寝台3を容易に位置決めすることができる。すなわち、寝台3の長手方向Lの異なる位置には、それぞれ架台2からの距離に対応して要求される位置決め精度に応じた構造を有する位置決め機構が備えられる。
【0038】
具体的には、架台2に近い側の第1の位置では、第1の位置決め機構6によって寝台本体5の長手方向L及び長手方向Lに垂直な方向における高精度な位置決めが行われる。一方、架台2から離れた側の第2の位置では、第2の位置決め機構7によって寝台本体5の長手方向Lに垂直な方向におけるラフな位置決めのみが行われる。
【0039】
このため、過剰な位置決め精度を確保するための、手間を要する位置決め作業を回避することができる。換言すれば、寝台3の長手方向Lの位置に応じて位置決め機構の構造を変えることによって、少なくとも要求される位置決め精度を満たし、かつセットが容易な位置決め機構を採用することが可能となる。
【0040】
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成を示す上面図である。また、
図7は、
図6に示す架台及び寝台の正面図である。但し、
図7に示す寝台の向きは
図6に示す寝台の向きと一致していない。
【0041】
第2の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1Aでは、第1の位置決め機構6の構造が第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と相違する。第2の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1Aの他の構成および作用については第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0042】
図6に示すように、第1の位置決め機構6を、寝台3側の凹部6Aと、架台2側の凸部6Bとによって構成することができる。但し、凸部6Bに回転軸6Cを設けて水平方向に回転できるように構成することができる。従って、寝台3を架台2に対して斜め方向から近づけても寝台3側の凹部6Aを架台2側の凸部6Bに嵌合させることができる。
【0043】
更に、架台2側には、U字状の凸部6Dが第1の位置決め機構6の構成要素として固定される。一方、寝台3側には、U字状の凸部6Dと嵌合する凹みを有する凸部6Eが第1の位置決め機構6の構成要素として固定される。
【0044】
従って、寝台3を架台2に接近させて寝台3側の凸部6Eに架台2側の凸部6Dを押し込むと、寝台3の長手方向が次第に架台2の向きに対応する適切な向きとなる。その結果、第2の位置決め機構7を構成する寝台3側のピン7Aを床プレート8Bの長孔7Bに嵌合させることができる。
【0045】
逆に、U字状の凸部6Dの先端をU字状の凹みを有する凸部6Eに部分的に差し込んだ状態では、寝台3の向きを調整することができる。従って、U字状の凸部6Dの先端をU字状の凹みを有する凸部6Eに部分的に差し込むことによって寝台3を仮止めした後に、寝台3側のピン7Aを床プレート8Bの長孔7Bに嵌合させることによって寝台3をロックさせることができる。
【0046】
このように、寝台3を、架台2から近い側の第1の位置において水平方向の位置決めを行った後に、架台2から離れた側の第2の位置において水平方向における位置決めを行うように構成することができる。すなわち、寝台3を、架台2から近い側の第1の位置における水平方向の位置決めによって仮止めした後に、架台2から離れた側の第2の位置における水平方向の位置決めによってロックされるように構成することができる。
【0047】
尚、架台2に対する寝台3の水平方向における向きを調整できる構造を有していれば、第1の位置決め機構6の構造を他の構造としてもよい。例えば、U字状の凸部6D及びU字状の凹みを有する凸部6Eを省略してもよい。その場合においても、架台2側の凸部6Bを回転させることによって、寝台3の仮止め及び向きの調整を行うことができる。
【0048】
また、別の例として、架台2側の凸部6Bを回転できないようにし、U字状の凸部6D及びU字状の凹みを有する凸部6Eの長さを凸部6Bの長さよりも十分に長くしてもよい。その場合には、U字状の凸部6D及びU字状の凹みを有する凸部6Eによって、寝台3の仮止め及び向きの調整を行うことができる。
【0049】
以上のような第2の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1Aによれば、第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と同様な効果を得ることができる。加えて、寝台3を斜め方向から架台2に接近させても寝台3の位置決めを行うことができる。このため、寝台3の位置決めを一層容易に行うことが可能となる。
【0050】
(第3の実施形態)
図8は本発明の第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構の構造を示す上面図である。
【0051】
第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置では、第1の位置決め機構6の構造が第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と相違する。第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置の他の構成および作用については第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため、第1の位置決め機構6の構造のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0052】
第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構6は、長孔20と、横断面が長円であるピン21で構成される。長孔20とピン21の組合せは、位置決め後における寝台3の長手方向Lに垂直な方向に2セット以上設けることが好適である。
【0053】
長孔20が床プレート8Aに設けられる場合には、ピン21が寝台3側に取付けられる。逆に、ピン21が床プレート8Aに設けられる場合には、寝台3側に長孔20が設けられる。寝台3又は床プレート8Aへのピン21の取付方法は任意である。但し、ピン21は、軸を中心に回転できるように寝台3又は床プレート8Aに取付けられる。
【0054】
一方、第1の位置決め機構6を構成する長孔20の長手方向は、第2の位置決め機構7を構成する床プレート8Bの長孔7Bの長手方向と垂直な向きとされる。つまり、第1の位置決め機構6を構成する長孔20の長手方向は、位置決め後における寝台3の長手方向Lに垂直な方向とされる。
【0055】
図示された例では、床プレート8Aに長孔20が設けられている。従って、寝台3側に任意の方法でピン21が取付けられる。例えば、寝台3にも長孔が設けられ、寝台3の長孔にピン21の先端が寝台3から突出するように挿入される。
【0056】
尚、
図1に示すように、架台2側に凸部6Bを、寝台3側に凹部6Aを、それぞれ設けることが天板5Aの駆動機構5B等に電力を供給する観点から実用的である。但し、架台2側の凸部6Bと寝台3側の凹部6Aとの間には、十分な隙間が形成される。
【0057】
図8(A)に示すようにピン21の長手方向を、長孔20の長手方向に向けると、ピン21と長孔20との間には空隙が生じる。従って、長孔20内においてピン21を、長孔20の長手方向にスライドさせることができる。一方、
図8(B)に示すように、ピン21の長手方向を、長孔20の長手方向に垂直な方向に向けると、ピン21が長孔20に嵌合する。
【0058】
従って、ピン21の長手方向を長孔20の長手方向に向けた状態でピン21を長孔20に挿入すれば、寝台3を架台2側において仮止めすることができる。しかも、寝台3の位置を長孔20の長手方向に微調整することができる。このため、寝台3の長手方向Lに垂直な方向における寝台3の位置を調整しつつ、第2の位置決め機構7を構成する寝台3側のピン7Aを床プレート8Bの長孔7Bに嵌合させることができる。その後、第1の位置決め機構6を構成するピン21を回転させれば、寝台3を架台2側においてロックさせることができる。
【0059】
つまり、第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構6は、寝台3の長手方向Lに垂直な方向における位置を調整できる構造を有するものである。
【0060】
このため第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置によれば、第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と同様な効果を得ることができる。加えて、第2の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1Aと同様に、寝台3を、架台2から近い側の第1の位置において水平方向の位置決めを行った後に、架台2から離れた側の第2の位置において水平方向における位置決めを行うように構成することができる。また、寝台3を、架台2から近い側の第1の位置における水平方向の位置決めによって仮止めした後に、架台2から離れた側の第2の位置における水平方向の位置決めによってロックされるように構成することができる。
【0061】
尚、第1の位置決め機構6を構成するピン21を、横断面が円形の通常のピンにしてもよい。その場合には、円形のピンの直径を、長孔20と嵌合するサイズとすれば、架台2側の凸部6Bと寝台3側の凹部6Aとの間に隙間があっても、より正確に寝台3の長手方向Lにおける位置決めを行うことができる。
【0062】
(第4の実施形態)
図9は本発明の第4の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構の構造を示す縦断面図である。
【0063】
第4の実施形態における磁気共鳴イメージング装置では、第1の位置決め機構6の構造が第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と相違する。第4の実施形態における磁気共鳴イメージング装置の他の構成および作用については第1の実施形態における磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため、第1の位置決め機構6の構造のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0064】
第4の実施形態における磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構6は、横断面が円形のめくら孔30と、横断面が円形の段付きピン31で構成される。めくら孔30と段付きピン31の組合せは、位置決め後における寝台3の長手方向Lに垂直な方向に2セット以上設けることが好適である。
【0065】
めくら孔30は床プレート8Aに設けられる。一方、段付きピン31が寝台3側に任意の方法で取付けられる。例えば、寝台3に貫通孔が設けられ、寝台3の貫通孔に段付きピン31の先端が寝台3から突出するように挿入される。
【0066】
尚、
図1に示すように、架台2側に凸部6Bを、寝台3側に凹部6Aを、それぞれ設けることが天板5Aの駆動機構5B等に電力を供給する観点から実用的である。但し、架台2側の凸部6Bと寝台3側の凹部6Aとの間には、十分な隙間が形成される。
【0067】
段付きピン31は、円柱状のピンの一端に、先端程、外径が細くなるように円錐台を逆向きに連結した構造とすることができる。図示された例では、段付きピン31が、傾斜の異なる2つの円錐台を連結した構造となっている。
【0068】
段付きピン31のテーパ部31Aの外径は、めくら孔30の内径よりも小さい。従って、段付きピン31のテーパ部31Aがめくら孔30の縁に接触する程度に、段付きピン31をめくら孔30に浅く挿入した状態では、段付きピン31をめくら孔30に対して若干ずらすことができる。
【0069】
一方、段付きピン31の非テーパ部31Bの外径は、めくら孔30と嵌合するサイズとされる。従って、段付きピン31の非テーパ部31Bまでめくら孔30に挿入されるように、段付きピン31をめくら孔30に十分に深く挿入した状態では、段付きピン31がめくら孔30に嵌合する。
【0070】
従って、段付きピン31をめくら孔30に浅く挿入すれば、寝台3を架台2側において仮止めすることができる。しかも、テーパ部31Aとめくら孔30との隙間に応じて寝台3の位置を微調整することができる。このため、寝台3の位置を調整しつつ、第2の位置決め機構7を構成する寝台3側のピン7Aを床プレート8Bの長孔7Bに嵌合させることができる。その後、第1の位置決め機構6を構成する段付きピン31をめくら孔30に強く押し込めば、寝台3を架台2側においてロックさせることができる。
【0071】
つまり、第4の実施形態における磁気共鳴イメージング装置に備えられる第1の位置決め機構6は、寝台3の位置を微調整できる構造を有するものである。このため第4の実施形態における磁気共鳴イメージング装置によれば、第3の実施形態における磁気共鳴イメージング装置と同様な効果を得ることができる。
【0072】
尚、第1の位置決め機構6を構成するめくら孔30をテーパさせてもよい。その場合には、テーパするめくら孔30よりも傾斜が小さい段付きピン31か、円柱状の通常のピンを用いることができる。
【0073】
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
【0074】
例えば、第1又は第2の実施形態における第1の位置決め機構6に、第3又は第4の実施形態における第1の位置決め機構6を組合わせることもできる。また、各実施形態において第2の位置決め機構7を長孔7Bとピン7A以外によって構成することもできる。例えば、第2の位置決め機構7を横断面が円形の孔とピン7Aで構成することもできる。