(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記文献1に記載の組合せ計量装置は、間欠的に分散部を回転させ、分散部
の回転が止まるときに物品を分散部からトラフに供給を行う。しかし、組合せ計量装置で
取り扱われる物品が粘着性のある物品(例えば、甘納豆、ドライフルーツ、グミ等の砂糖
がまぶされた物品)である場合、上流装置から供給される物品は分散部の表面に付着する
場合がある。
物品が一旦分散部に付着すると、物品を分散供給することは困難となる。その結果、計
量部に搬送される物品の量が不足し、所定重量の物品の組合せが選択できなくなる。ここ
で、従来、分散部上に付着している物品を、分散部から掻き出すための掻き出し部材によ
って掻き出す方法が採用されてきた。しかし、分散部の表面に付着した物品を掻き出し部
材によって剥がす場合、物品を傷つけてしまう場合がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、粘着性を有する物品を、傷をつけることなく、効果的に分散
部によって分散させることを可能にする組合せ計量装置を提供することにある。また、少
量計量の際にも安定的に分散させることを可能にする組合せ計量装置を提供することにあ
る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る組合せ計量装置は、分散部と、駆動部と、駆動制御部と、複数の搬送部と
、複数の計量部と、演算部と、を備える。分散部は、物品を外周方向(径方向外側)に分
散させる。駆動部は、分散部を回転駆動させる。駆動制御部は、駆動部を制御する。複数
の搬送部は、分散部から分散供給された物品を搬送する。複数の計量部は、搬送部に対応
して設けられ、複数の搬送部によって搬送された物品の重量を計量する。演算部は、複数
の計量部にて計量された物品の重量に基づき複数の計量部のうち目標重量または目標個数
に近い計量部を選択する。組合せ計量装置は、演算部にて選択された計量部内の物品を排
出する。駆動制御部は、前記分散部を
低速状態で回転させながら、高速状態での回転を繰り返して前記分散部上の前記物品を外周方向に
間欠的に移動させることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る組合せ計量装置は、低速状態にある分散部を加速させることによって、物
品を分散部の外周方向に移動させる。すなわち、分散部の加速駆動時に物品に働く慣性力
や遠心力によって、分散部に付着していた物品を剥離させ、分散部から複数の搬送部に向
けて物品を移動させる。これにより、物品に傷をつけることなく、効果的に物品を分散す
ることが可能になり、安定した供給が可能となる。
【0007】
また、駆動制御部は、分散部の低速状態時に、前述低速状態からの加速より小さい低加
速または低減速で分散部の回転速度を変化させる。小さい低加速または低減速で回転速度
を変化させるため、物品が移動することは無いが、物品が動くため、物品と分散部との接
触状態が変化する。このとにより分散部に対する物品の付着を防止することができる。
【0008】
また、駆動制御部は、分散部の加速後は低速よりも速い高速の一定速で駆動させる。こ
のことによって物品を分散する場合に安定的に分散させ供給させることが可能となる。
【0009】
また、駆動制御部は、分散部の高速状態から低速状態に変化させる減速時に分散部に付
着していた物品の付着力を弱める。これにより、加速時に分散部の表面に対する付着の程
度を弱めた物品を、分散部の表面から確実に剥離させることができる。
【0010】
また、分散部は、傾斜部と水平部とを有する。傾斜部は、分散部の中央に位置し傾斜面
を有する。水平部は、傾斜部の周囲に位置し水平面または上方傾斜面を有する。物品は、
分散部の中央から外周方向に分散される。すなわち、分散部の外周方向に分散される物品
は、傾斜部から水平部に移動される。水平部は、水平面または上方傾斜面を有する。した
がって、水平部に物品を貯留させることが可能になる。その結果、物品が搬送部に対して
供給される場合に、傾斜面から直接搬送部に供給されることに比べて、水平面等で一度物
品が貯留されるため、供給量がコントロールされ、搬送部に供給される。そのため、特に
物品を少量供給する場合には有利となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る組合せ計量装置は、粘着性を有する物品を、傷をつけることなく、効果的
に分散部によって分散させることを可能にする。また、少量計量の際にも安定的に分散供
給させることを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置100について説
明する。
【0014】
(1)全体構成
まず、
図1に、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置100の概略図を示す。組合
せ計量装置100は、複数の計量ホッパ(計量部)40にそれぞれ保持された物品の重量
を計量し、計量値に基づいて組合せ演算を行う装置である。組合せ計量装置100は、組
合せ演算の結果が所定の許容範囲内の値となる物品の組合せを選択し、当該物品の組合せ
に係る計量ホッパ40から物品を排出させる。
【0015】
組合せ計量装置100は、
図1、
図2、および
図6のいずれかに示すように、主として、
物品供給部90と、分散テーブル11と、複数の放射トラフ(搬送部)20と、複数のプ
ールホッパ30と、複数の計量ホッパ(計量部)40と、一つの集合排出シュート110
と、制御装置80と、を有する。
【0016】
本実施形態に係る組合せ計量装置100は、例えば、
図2に示すように、放射トラフ2
0、プールホッパ30、および計量ホッパ40を、それぞれ14個有するものとする。複
数の放射トラフ20、複数のプールホッパ30、および複数の計量ホッパ40は、
図1に
示すように、それぞれヘッドHDを構成する。同一のヘッドHDに属する放射トラフ20
、プールホッパ30、および計量ホッパ40は、それぞれ対応付けられている。各ヘッド
HDは、
図2に示すように、平面視において、分散テーブル11を中心として、環状に配
置されている。
【0017】
組合せ計量装置100では、物品供給部90から分散テーブル11に物品が供給される
と、その後、分散テーブル11から放射トラフ20へ物品が搬送される。分散テーブル1
1によって分散された物品は、複数の放射トラフ20に供給される。複数の放射トラフ2
0に供給された物品は、その後、同一のヘッドHDに属するプールホッパ30に搬送され
て保持される。さらに、プールホッパ30で保持された物品は、その後、同一のヘッドH
Dに属する計量ホッパ40に搬送されて保持され計量される。その後、計量ホッパ40で
保持された物品は、集合排出シュート110で集合されて、下流に配置された包装装置に
排出される。
【0018】
なお、本実施形態に係る組合せ計量装置100で取り扱う物品は、粘着性を有する物品
である。ここで、粘着性を有する物品とは、物品にまぶされた砂糖あるいは物品自体に含
まれる砂糖が溶けて分散テーブル11の表面に付着しやすい物品を指す。具体的に、本実
施形態において、物品とは、砂糖がまぶされている菓子・フルーツ(例えば、甘納豆、ド
ライフルーツ、およびグミ)や、砂糖漬けされた食材等を指す。以下、粘着性を有する物
品として、甘納豆を組合せ計量する例を挙げて説明する。
【0019】
また、組合せ計量装置100では、小さな物品を少量組み合わせて、所望の合計重量ま
たは所望の合計個数となる物品の集合物(物品の組合せ)を生成する。例えば、本実施形
態に係る組合せ計量装置100で取り扱う物品(甘納豆)のサイズ(幅、長さ、および厚
み)は、それぞれ、約20mm、約30mm、および約10mmである。また、物品の集
合体に含まれる物品の総数は、2個から4個である少量計量を行う。したがって、組合せ
計量装置100は、各プールホッパ30に対して、1個または2個ずつ物品が供給される
ように、上流に配置される分散テーブル11や放射トラフ20を駆動させる。
【0020】
(2)詳細構成
(2−1)物品供給部
物品供給部90は、分散テーブル11に物品を供給するユニットである。物品供給部9
0は、
図1に示すように、分散テーブル11の上方に配置されている。物品供給部90は
、物品供給部駆動部90aによって駆動される(
図6参照)。物品供給部90は、後述す
る制御装置80から送られる制御指令に基づいて、運転/停止の状態および供給する物品
の量(供給量)を変化させる。
【0021】
(2−2)分散テーブル
分散テーブル11は、物品を分散させる。分散テーブル11は、上述した物品供給部9
0によって供給される物品を受け取る位置に設けられる。具体的に、分散テーブル11は
、物品供給部90から供給された物品を外周に向かう方向(外周方向)に分散させて、物
品を放射トラフ20へ移動させる。より具体的に、分散テーブル11は、回転による遠心
力を用いて、物品供給部90から供給された物品を分散させて径方向外側に移動させ、各
放射トラフ20に物品を送る。分散テーブル11は、分散テーブル駆動モータ(駆動部)
12によって駆動される(
図6参照)。
【0022】
分散テーブル11は、物品供給部90から供給された物品を受け取る円形のテーブルで
ある(
図2および
図4参照)。また、分散テーブル11は、側面視で円錐形状部分および
水平部分を有する(
図3参照)。
【0023】
円錐形状部分は、
図3および
図4に示すように、第1傾斜部11aおよび第2傾斜部1
1bによって構成されている。第1傾斜部11aおよび第2傾斜部11bは、
図3に示す
ように、分散テーブル11の中央に位置する。具体的に、第1傾斜部11aは、分散テー
ブル11の中心に位置し、第2傾斜部11bは、第1傾斜部11aの外周に位置する。第
1傾斜部11aおよび第2傾斜部11bは、水平方向に対して、それぞれ異なる傾きを有
する。具体的に、第1傾斜部11aは、第2傾斜部11bと比べて、水平方向に対して大
きく傾いている。第1傾斜部11aに落下した物品は、第1傾斜部11aおよび第2傾斜
部11bの傾斜面の傾きの違いにより、物品の落下速度を落とすことが可能になる。
【0024】
水平部分は、水平部11cによって構成されている。水平部11cは、
図3および
図4
に示すように分散テーブル11の外縁を構成する。言い換えると、水平部11cは、第2
傾斜部11bの外周に位置する。水平部11cは、水平方向に延びる面(水平面)を有す
る。水平部11cが有する水平面の上にある物品は、力が加わらない限り移動しない。分
散テーブル11が水平部11cを有さない構成である場合には、物品供給部90から供給
された物品は、分散テーブル11の傾斜面を伝って、中央から外側に向かって下方に移動
し、その後即座に、放射トラフ20に移動する。しかし本実施形態に係る分散テーブル1
1は、外縁部分が水平になっている。したがって、物品は、放射トラフ20に搬送される
前に、水平部11cにおいて一旦貯留される。これにより、分散テーブル11から放射ト
ラフ20に対する物品の供給量を制御することが可能となり、安定供給と少量供給を実現
することができる。
【0025】
本実施形態で用いる分散テーブル11の直径L1は、約200mmである(
図3および
図4参照)。また、第1傾斜部11aおよび第2傾斜部11bの直径L2は、約140m
mである(
図3および
図4参照)。具体的に、分散テーブル11の中心から第1傾斜部1
1aの外縁までの径L21は、約20mmである。また、第1傾斜部11aの外縁から第
2傾斜部11bの外縁までの径L22は、約10mmである。さらに、第2傾斜部11b
の外縁から水平部11cの外縁までの径L3は、約30mmである。すなわち、分散テー
ブル11における水平部11cの幅寸法L3は、物品の長尺部分の寸法に対して大きくな
い。言い換えると、分散テーブル11における水平部11cの幅寸法L3は、物品の長尺
部分の寸法と同程度の寸法である。
【0026】
物品供給部90から供給される物品は、分散テーブル11の第1傾斜部11aおよび/
または第2傾斜部11bに向けて落下する。分散テーブル11は、後述する分散テーブル
駆動モータ12が駆動することにより、回転駆動される。第1傾斜部11aおよび第2傾
斜部11bに落下した物品は、分散テーブル11の回転駆動により、第1傾斜部11aお
よび第2傾斜部11bの表面(傾斜面)を利用して、水平部11cに向けて転がる。すな
わち、第1傾斜部11aおよび第2傾斜部11bに落下した物品は、第1傾斜部11aお
よび第2傾斜部11bの傾斜面に沿って落下し、水平部11cに到達する。その後、分散
テーブル11がさらに回転駆動されることにより、水平部11c上の物品は、放射トラフ
20に移動される。
【0027】
分散テーブル駆動モータ12は、分散テーブル11を回転駆動する。分散テーブル駆動
モータ12が分散テーブル11を回転駆動させることにより、分散テーブル11に供給さ
れた物品は、外周方向に分散されながら搬送される。言い換えると、分散テーブル駆動モ
ータ12は、分散テーブル11を駆動させることにより、分散テーブル11に載置された
物品を、径方向外側に向かって分散させながら移動させる。
【0028】
分散テーブル駆動モータ12は、後述する制御装置80から送られる制御指令に基づい
て、制御されて分散テーブル11を回転駆動させる。具体的に、分散テーブル駆動モータ
12は、制御装置80によって生成された制御指令の内容に基づいて、分散テーブル11
を所定の回転速度で所定の時間、回転駆動させる。分散テーブル駆動モータ12が分散テ
ーブル11を回転駆動させる回転速度および時間に応じて、分散テーブル11から放射ト
ラフ20に分散供給される物品の量が変動する。また、分散テーブル駆動モータ12は、
所定のサイクル時間CTに基づいて、分散テーブル11を回転駆動する。所定のサイクル
時間CTには、加速期間t1、高速定速期間t2、減速期間t3、および低速定速期間t
4が含まれる。分散テーブル11の具体的な制御内容は、追って詳細に説明する。
【0029】
(2−3)放射トラフ
放射トラフ20は、分散テーブル11によって分散供給された物品をプールホッパ30
に送る。言い換えると、放射トラフ20は、分散テーブル11によって搬送された物品を
受け取り、さらに下流に配置されたプールホッパ30へ物品を搬送する。
【0030】
複数の放射トラフ20は、
図2に示すように、分散テーブル11の周囲に放射状に延び
るように配置される。言い換えると、複数の放射トラフ20は、分散テーブル11の外縁
側で、分散テーブル11を取り囲むように配置されている。各放射トラフ20は、放射ト
ラフ駆動コイル22によって駆動されて振動する(
図6参照)。放射トラフ20の振動に
より、放射トラフ20上の物品を外縁に向かって搬送する。すなわち、各放射トラフ20
は、分散テーブル11から遠ざかる方向に物品を搬送する。各放射トラフ20によって搬
送された物品は、各放射トラフ20の外縁側下方に配置されたプールホッパ30に供給さ
れる。
なお、本実施形態で用いる放射トラフ20の全長L4は、約250mmである(
図5参
照)。
【0031】
各放射トラフ20は、後述する制御装置80から送られる制御指令に基づいてそれぞれ
独立して駆動される。言い換えると、放射トラフ駆動コイル22は、制御指令に基づいて
、各放射トラフ20を、それぞれ独立して制御する。また、各放射トラフ20からプール
ホッパ30に搬送される物品の量も、制御装置80から送られる制御指令に基づいてそれ
ぞれ制御される。放射トラフ駆動コイル22は、制御指令に基づいて、放射トラフ20を
振動させる強度(振動強度)および振動時間を変化させる。
【0032】
(2−4)プールホッパ
プールホッパ30は、放射トラフ20から供給された物品を一時的に保持し、その後、
保持した物品を後述する計量ホッパ40に排出する。プールホッパ30は、放射トラフ2
0の外縁側に配置される。また、プールホッパ30は、放射トラフ20から落下する物品
を受けるように、放射トラフ20の下方に配置される。具体的に、各ヘッドHDに属する
プールホッパ30は、同一ヘッドHDに属する放射トラフ20の外縁側下方に配置される
。
【0033】
プールホッパ30は、上下端に開口を有する。上端側の開口は、放射トラフ20から落
下する物品を受け入れる。下端側の開口には、開閉可能なゲート31が取り付けられてい
る。ゲート31は、プールホッパ駆動モータ32(
図6参照)によって駆動される。ゲー
ト31が開くと、プールホッパ30に保持されていた物品が計量ホッパ40に落下する。
すなわち、下端側の開口から計量ホッパ40に向けて物品が排出される。プールホッパ駆
動モータ32は、制御装置80から送られる制御指令によって駆動される。なお、制御装
置80は、各プールホッパ30に取り付けられたゲート31を個別に制御する。そのため
、各ゲート31は、独立して開閉動作を行う。
【0034】
(2−5)計量ホッパ
計量ホッパ40は、プールホッパ30によって供給された物品を計量し、その後、計量
した物品を集合排出シュート110に排出する。計量ホッパ40は、プールホッパ30か
ら落下した物品を受けるように、プールホッパ30の直下に配置される。具体的に、各ヘ
ッドHDに属する計量ホッパ40は、同一ヘッドHDに属するプールホッパ30の直下に
配置される。
【0035】
計量ホッパ40もまた、上下端に開口を有する。上端側の開口は、プールホッパ30か
ら排出された物品を受け入れるための開口である。下端側の開口には、開閉可能なゲート
41が取り付けられている。ゲート41は、計量ホッパ駆動モータ43(
図6参照)によ
って駆動される。ゲート41が開くと、計量ホッパ40に保持されていた物品が集合排出
シュート110に落下する。すなわち、下端側の開口から集合排出シュート110に向け
て物品が送られる。計量ホッパ駆動モータ43は、制御装置80から送られる制御指令に
よって駆動される。なお、制御装置80は、各計量ホッパ40に取り付けられたゲート4
1を個別に制御する。すなわち、各ゲート41は、独立して開閉動作を行う。
【0036】
各計量ホッパ40は、それぞれロードセル42を有する。計量ホッパ40によって保持
される物品は、ロードセル42によって計量される。ロードセル42による物品の計量結
果(重量データ)は、計量信号として出力される。出力された計量信号は、図示しない増
幅器を介して後述する制御装置80に随時送られる。
【0037】
(2−6)集合排出シュート
集合排出シュート110は、計量ホッパ40から供給される物品を集合させて組合せ計
量装置100の外に排出する。排出された物品は、集合排出シュート110の下方に配置
される図示しない包装装置等に移送される。
【0038】
(2−7)制御装置
制御装置80は、組合せ計量装置100を制御するための装置である。制御装置80は
、物品供給部駆動部90a、分散テーブル駆動モータ12、放射トラフ駆動コイル22、
プールホッパ駆動モータ32、計量ホッパ駆動モータ43、およびロードセル42等に接
続されている。
【0039】
制御装置80は、CPU80a、ROM80b、RAM80cおよびHDD80d等に
よって構成されている。制御装置80には、組合せ計量装置100を制御するための各種
プログラムおよびデータが記憶されている。制御装置80は、各種プログラムを実行する
ことにより、駆動制御部81aおよび演算部81b等として機能する。駆動制御部81a
は、制御装置80に接続されている物品供給部駆動部90a、分散テーブル駆動モータ1
2、放射トラフ駆動コイル22、プールホッパ駆動モータ32、および計量ホッパ駆動モ
ータ43等に対する制御指令を生成・送信し、物品供給部駆動部90a、分散テーブル駆
動モータ12、放射トラフ駆動コイル22、プールホッパ駆動モータ32、および計量ホ
ッパ駆動モータ43等をそれぞれ駆動させる。また、演算部81bは、ロードセル42に
よって得られた重量データに基づいて、目標重量または目標個数に近い物品の組合せ(物
品の集合体)を生成しうる計量ホッパ40を選択する。
【0040】
制御装置80に記憶されている各種プログラムおよびデータには、分散テーブル11を
駆動させるためのデータが含まれる。分散テーブル11を駆動させるためのデータとは、
分散テーブル駆動モータ12によって分散テーブル11を所定のサイクル時間CTで駆動
させるための情報である。ここで、所定のサイクル時間CTとは、詳細には、加速期間t
1、高速定速期間t2、減速期間t3、および低速定速期間t4からなる(
図7参照)。
【0041】
以下、各期間t1〜t4における分散テーブル11の制御および分散テーブル11の制
御に伴う物品の動きについて説明する。なお、本実施形態では、所定のサイクル時間CT
は、約1000msecである。
【0042】
(2−7−1)各期間における分散テーブルの制御および物品の動き
(i)加速期間
加速期間t1は、分散テーブル11の回転駆動を開始した後の所定の期間である。また
、加速期間t1は、分散テーブル11の回転速度を低速状態の6rpmから高速状態の1
5rpmに向けて急速に上げていく期間である。本実施形態において、加速期間t1は、
約15msecである。すなわち、本実施形態において、分散テーブル11は、36rp
m/mで加速される。
【0043】
加速期間t1では、分散テーブル11の加速回転駆動により、分散テーブル11上の表
面に付着した物品が付着の程度を緩めたり、物品を外周に移動させる慣性力や遠心力が物
品に働く。
【0044】
制御装置80は、分散テーブル11を低速状態から高速状態に回転駆動させることで、
物品を分散テーブル11の外周方向に移動させる。言い換えると、制御装置80は、分散
テーブル11の回転開始時に、物品を分散テーブル11の径方向外側に向けて搬送する。
【0045】
制御装置80は、分散テーブル11の回転開始時(加速時)に物品に対して働く力(慣
性力や遠心力)によって、分散テーブル11の表面に付着した物品が、分散テーブル11
の表面から剥離するように、分散テーブル11を制御する。言い換えると、制御装置80
は、分散テーブル11の加速時に、分散テーブル11の表面に付着した物品を分散テーブ
ル11の表面から引き剥がすような慣性力や遠心力を発生させる回転駆動(加速)で、分
散テーブル11を回転駆動させる。分散テーブル11の表面に付着した物品は、加速期間
t1の間に分散テーブル11に対する付着の程度を緩める。
分散テーブル11の表面に付着した物品のうちいくつかの物品は、加速期間t1の間に、
分散テーブル11の表面から剥がれ、分散テーブル11の回転による遠心力にて外周方向
への移動を開始する。
【0046】
(ii)高速定速期間
高速定速期間t2は、分散テーブル11を高速の回転速度15rpmで継続して一定速
で回転駆動させる期間である。本実施形態では、高速定速期間t2は、約70msecで
ある。
制御装置80は、一定速で分散テーブル11を回転駆動させることで、物品を遠心力に
て分散テーブル11の外周方向に移動させる。
【0047】
制御装置80が、定速期間t2の間、回転速度15rpmで駆動し続けると、加速期間
t1中に、分散テーブル11の表面に対する付着の程度を緩めた物品、あるいは、分散テ
ーブル11の表面から剥がれた物品は、分散テーブル11の回転により生じる遠心力によ
って、分散テーブル11の外周方向に分散される。すなわち、定速期間t2中に、分散テ
ーブル11上の物品は、分散テーブル11の径方向外側に向けてさらに移動する。
【0048】
(iii)減速期間
減速期間t3は、分散テーブル11の駆動を停止する前の期間である。減速期間t3は
、分散テーブル11の回転速度を、15rpmから6rpmに向けて減速させていく期間
である。なお、本実施形態では、減速期間t3は、約15msecである。
【0049】
制御装置80は、分散テーブル11の回転速度を落としていく。分散テーブル11の回
転速度が落ちていくと、物品の移動速度も落ちる。物品は、移動速度を落としながら、分
散テーブル11の外周方向(径方向外側)へ移動する。
【0050】
(iv)低速定速期間
低速定速期間t4は、分散テーブル11を低速の回転速度6rpmで継続して一定速で
回転駆動させる期間である。本実施形態では、低速定速期間t4は、約900msecで
ある。
制御装置80は、一定速で分散テーブル11を回転駆動させることで、物品に遠心力を
生じさせ、物品が分散部に付着しないようにさせる。
【0051】
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施例では低速定速期間を設けたが、低速期間に回転速度を変化させても良い。
上記実施例の加速期間では加速を36rpm/mで行っているが、それよりも小さい低加
速と低減速を行う。例えば1msecで回転速度を1rpm変化させる。すなわち0.0
2rpm/mの低加速や低減速を繰り返す。このことによって低速中でも物品が分散部に
付着することを防止できる。また、低加速と低減速とは同じ値でなくても良く、低加速が
低減速より大きくなってもよく、低加速が低減速より小さくなっても良い。その場合には
低加速や低減速の時間を調整することで、低速期間開始時に回転速度6rpmから開始し
、低速期間終了時に同じ回転速度6rpmで終了できるようにする。
【0052】
(4−2)変形例B
上記変形例Aでは低速期間の開始時と終了時との回転速度を同じにしたが、異ならせて
も良い。例えば、低速期間開始時に6rpmで開始し、低速期間終了時にそれよりも遅い
4rpmで終了させる。そのために低加速と低減速の値を異ならせたり、低加速と低減速
との駆動時間を異ならせる。このことにより、次の加速期間の加速を大きくすることがで
きるため、剥離効果を大きくすることができる。
また反対に低速期間開始時に4rpmで開始し、低速期間終了時にそれよりも速い6r
pmで終了させてもよい。この場合には次の加速期間の加速度を小さくすることができる
。そのため、傷つきやすい物品に対しても傷をつきづらくすることができる。
【0053】
(4−3)変形例C
上記実施形態において、分散テーブル11は、外縁部分を構成する水平部11cを有す
る。水平部11cは、水平方向に対して平行に延びる水平面を有する。ここで、水平部1
1cは、水平面に代えて、上方傾斜面を有していてもよい。ここで、上方傾斜面とは、水
平部11cの径方向外側端部の高さ位置が、径方向内側端部の高さ位置よりも僅かに上方
にある傾斜面である。すなわち、水平部11cの表面は、径方向内側から外側に向かって
、僅か上方に延びる。
これにより、第1傾斜部11aおよび第2傾斜部11bから水平部11cに落下した物
品が、即座に放射トラフ20に排出されることを抑制することができる。すなわち、水平
部11cにおいて、水平部11c水平状態に比べて物品の貯留する量をもっと多くするこ
とができる。その結果、分散テーブル11から放射トラフ20に対して、物品の供給量の
変更を行うことができる。
【0054】
(4−4)変形例D
加速期間t1、高速定速期間t2、減速期間t3、および低速定速期間t4の時間長さ
や、分散テーブル11の回転速度は、それぞれ、上記実施形態で例示した時間に限定され
るものではない。分散テーブル11に付着した物品に対して、加速期間t1中に慣性力や
遠心力が働き、高速定速期間t2中に、所望する量の物品が放射トラフ20に搬送される
もので、適宜変更可能である。また低速に関しては回転速度が0の停止を含んでも良い。
また、変形例A、Bで例示した低加速や低減速の値や回転速度に関しても同様である。