特許第6165552号(P6165552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165552
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】成形品取出機の教示ペンダント
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/409 20060101AFI20170710BHJP
   B29C 45/42 20060101ALI20170710BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20170710BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20170710BHJP
【FI】
   G05B19/409 B
   B29C45/42
   G06F3/02 310K
   G06F3/02 360G
   G06F3/048
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-171158(P2013-171158)
(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2015-41184(P2015-41184A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132231
【氏名又は名称】株式会社スター精機
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】松山 弘樹
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−150770(JP,A)
【文献】 特開2009−072833(JP,A)
【文献】 特開2013−131047(JP,A)
【文献】 特開2007−334551(JP,A)
【文献】 特開2013−202732(JP,A)
【文献】 特開平11−262884(JP,A)
【文献】 特開2006−350602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/18−19/416,19/42−19/46,
B25J1/00−21/02,
G06F3/01,3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル(9)と、
成形品取出機(80)を操作するための所定の操作ボタン(30,30',40,50)と、
押すと前記所定の操作ボタン(30,30',40,50)による成形品取出機(80)の操作が可能になり、押すのを止めると前記所定の操作ボタン(30,30',40,50)による成形品取出機(80)の操作が不能になる操作可能キー(13)とを含み構成された成形品取出機の教示ペンダントにおいて、
前記所定の操作ボタン(30,30',40,50)は、操作可能キー(13)を押すとそれに連動してタッチパネル(9)に表示される連動表示操作ボタン(30',40,50)を含み構成され
連動表示操作ボタン(30',40,50)は、成形品取出機(80)に各動作をさせるボタン(33〜38,41〜48,53〜56)を、動作を一方向及びその反対方向に進める2つのボタンは2つで一のボタン(33,35〜38)と数えて、複数含み構成されたことを特徴とする成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項2】
連動表示操作ボタン(30',40,50)は、操作可能キー(13)を押すのを止めるとそれに連動してタッチパネル(9)から表示が消える請求項1記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項3】
連動表示操作ボタン(30',40,50)は、タッチパネル(9)が所定の画面(9a,9a')のときに操作可能キー(13)を押すとそれに連動してタッチパネル(9)に表示される所定の連動表示操作ボタン(30',40)と、
タッチパネル(9)が前記所定の画面(9a,9a')とは別の所定の画面(9b)のときに操作可能キー(13)を押すとそれに連動してタッチパネル(9)に表示される前記所定の連動表示操作ボタン(30',40)とは別の所定の連動表示操作ボタン(50)とを含み構成された請求項1又は2記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項4】
連動表示操作ボタン(30',40,50)は、タッチすると成形品取出機(80)の所定の動作が開始され、前記所定の動作が完了すると前記所定の動作が停止される請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項5】
連動表示操作ボタン(40,50)は、タッチすると成形品取出機(80)の所定の動作が開始され、その後はタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチするのを止めると前記所定の動作が停止される請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項6】
連動表示操作ボタン(30')は、タッチしてからそのタッチ位置をタッチパネル(9)内でスライドさせると成形品取出機(80)の所定の動作が開始され、その後はタッチ位置をスライドさせるのを止めてもタッチパネル(9)をタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチパネル(9)をタッチするのを止めると前記所定の動作が停止される請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項7】
前記所定の操作ボタン(30,30',40,50)は、タッチパネル(9)の外部に設けられたパネル外操作ボタン(30)を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【請求項8】
前記所定の操作ボタン(30,30',40,50)は、タッチパネル(9)の外部に設けられたパネル外操作ボタン(30)を含まない請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形品取出機の教示ペンダント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品を取り出す成形品取出機の操作部に操作内容を教示するための教示ペンダントに関する。
【背景技術】
【0002】
教示ペンダントの中には、本出願人が開示した図8図9に示す従来例の教示ペンダント90のように、タッチパネル99と、タッチパネル99の外部に設けられた手動操作ボタン93と、タッチパネル99に表示されるオプション操作ボタン94及びフリー操作ボタン(図示略)と、押すとそれら手動操作ボタン93やオプション操作ボタン94やフリー操作ボタン(図示略)による成形品取出機の操作が可能になる操作可能キー91と、タッチパネル99の表示を切り替える表示切替ボタン92とを含み構成されたものがある(特許文献1〜3)。
【0003】
そして、一般的な手動操作は、次の手順で行う。すなわち、図8(a)に示す通常の状態から、まず、図8(b)に示すように、操作可能キー91を左手の指Flで押すことで手動操作を可能にする。そして、次に、図8(c)に示すように、その操作可能キー91を押したままの状態でタッチパネル99の外部にある手動操作ボタン93を右手の指Frで操作することで成形品取出機を手動操作する。そして、手動操作が完了したら、左手の指Flを操作可能キー91から放すことで、再び手動操作が不能な図8(a)に示す元の状態に戻す。
【0004】
また、手動操作ボタン93ではできない特殊な操作は、次の手順で行う。すなわち、図9(a)に示すタッチパネル99に所定の画面99aが表示された通常の状態から、まず、図9(b)に示すように、右手の指Frで表示切替ボタン92を押すことで、タッチパネル99の画面を、オプション操作ボタン94が設置されたオプション操作専用画面99Aや、フリー操作ボタン(図示略)が設置されたフリー操作専用画面(図示略)に切り替える。そして、次に、図9(c)に示すように、左手の指Flで操作可能キー91を押すことで手動操作を可能にする。そして、次に、図9(d)に示すように、その操作可能キー91を左手の指Flで押したままの状態でオプション操作ボタン94やフリー操作ボタン(図示略)を右手の指Frで操作することで成形品取出機を手動操作する。そして、手動操作が完了したら、左手の指Flを操作可能キー91から放すことで、再び手動操作が不能な状態に戻す。そして、次に、図9(e)に示すように、右手の指Frで表示切替ボタン92を押すことでタッチパネル99の画面を元の画面99aに切り替えて、図9(a)に示す元の状態に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−266498号公報
【特許文献2】特開2003−276065号公報
【特許文献3】特開2006−218548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来例によれば、タッチパネル99の外部にある手動操作ボタン93でする一般的な手動操作については、左手の指Flで操作可能キー91を押すとともに右手の指Frで手動操作ボタン93を操作するだけでできるので、簡単に行うことができる。しかしながら、その手動操作ボタン93ではできず、タッチパネル99に表示されるオプション操作ボタン94やフリー操作ボタン(図示略)でしかすることのできない特殊な操作については、その都度、まず最初に、図9(b)に示すように表示切替ボタン92を押して、タッチパネル99の画面をオプション操作専用画面99Aやフリー操作専用画面(図示略)に切り替えてから、上記と同様の操作する必要があるので、操作に時間を要する。また、タッチパネル99の表示を元の画面99aに戻すときにも、図9(e)に示すように表示切替ボタン92を押して元の画面99aに戻す必要があるので、これについても時間を要する。
【0007】
そこで、オプション操作ボタンやフリー操作ボタン等のタッチパネルに表示される操作ボタンでも、成形品取出機を素早く操作できるようにすることを第一の目的とし、その操作ボタンでの操作が完了した際にはタッチパネルの表示を素早く元の表示に戻せるようにすることを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第一の目的を達成するため、本発明の成形品取出機の教示ペンダントは、タッチパネルと、成形品取出機を操作するための所定の操作ボタンと、押すと前記所定の操作ボタンによる成形品取出機の操作が可能になり、押すのを止めると前記所定の操作ボタンによる成形品取出機の操作が不能になる操作可能キーとを含み構成された成形品取出機の教示ペンダントにおいて、前記所定の操作ボタンは、操作可能キーを押すとそれに連動してタッチパネルに表示される連動表示操作ボタンを含み構成され、連動表示操作ボタンは、成形品取出機に各動作をさせるボタンを、動作を一方向及びその反対方向に進める2つのボタンは2つで一のボタンと数えて、複数含み構成されたことを特徴とする。操作可能キーを押すとそれに連動して連動表示操作ボタンが表示されることで、成形品取出機を素早く操作できるようになるからである。
【0009】
また、上記第二の目的を達成するため、連動表示操作ボタンは、操作可能キーを押すのを止めるとそれに連動してタッチパネルから表示が消えることが好ましい。連動表示操作ボタンでの操作が完了した際に、タッチパネルの表示を素早く元の表示に戻すことができるからである。
【0010】
連動表示操作ボタンの表示の態様は、特に限定されないが、次の[1][2]の態様を例示する。
[1]操作可能キーを押すとそれに連動して、タッチパネルの画面が連動表示操作ボタンが設置された操作専用画面に切り替わる態様。
[2]操作可能キーを押すとそれに連動して、タッチパネルの一部に連動表示操作ボタンが表示される態様。
【0011】
操作可能キーを押すとそれに連動して常に同じ連動表示操作ボタンが表示されてもよいが、タッチパネルに表示されている画面に応じて適切な連動表示操作ボタンを表示することができる点で、連動表示操作ボタンは、次のように構成されていることが好ましい。すなわち、連動表示操作ボタンは、タッチパネルが所定の画面のときに操作可能キーを押すとそれに連動してタッチパネルに表示される所定の連動表示操作ボタンと、タッチパネルが前記所定の画面とは別の所定の画面のときに操作可能キーを押すとそれに連動してタッチパネルに表示される前記所定の連動表示操作ボタンとは別の所定の連動表示操作ボタンとを含み構成されていることである。
【0012】
連動表示操作ボタンの操作方法は、特に限定されないが、次の[1]〜[3]の態様を例示する。
[1]連動表示操作ボタンは、タッチすると成形品取出機の所定の動作が開始され、前記所定の動作が完了すると前記所定の動作が停止される態様。
[2]連動表示操作ボタンは、タッチすると成形品取出機の所定の動作が開始され、その後はタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチするのを止めると前記所定の動作が停止される態様。
[3]連動表示操作ボタンは、タッチしてからそのタッチ位置をタッチパネル内でスライドさせると成形品取出機の所定の動作が開始され、その後はタッチ位置をスライドさせるのを止めてもタッチパネルをタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチパネルをタッチするのを止めると前記所定の動作が停止される態様。
【0013】
前記所定の操作ボタンは、タッチパネルの外部に設けられたパネル外操作ボタンを含むものであっても、含まないものであってもよい。よって、前記所定の操作ボタンの態様としては、次の[1][2]の態様を例示する。
[1]前記所定の操作ボタンは、タッチパネルの外部に設けられたパネル外操作ボタンを含む態様。
[2]前記所定の操作ボタンは、タッチパネルの外部に設けられたパネル外操作ボタンを含まない態様。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作可能キーを押すとそれに連動して連動表示操作ボタンが表示されるので、その連動表示操作ボタンで成形品取出機を素早く操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1の教示ペンダント及びそれを備えた成形品取出機を示す斜視図である。
図2】実施例1の教示ペンダントを示す平面図である。
図3】(a)は実施例1の教示ペンダントのタッチパネルに所定の画面を表示した状態を示す平面図、(b)はその状態で操作可能キーを押した状態を示す平面図、(c)はその状態でオプション操作ボタンを操作した状態を示す平面図である。
図4】(a)は実施例1の教示ペンダントのタッチパネルに別の所定の画面を表示した状態を示す平面図、(b)はその状態で操作可能キーを押した状態を示す平面図、(c)はその状態でフリー操作ボタンを操作した状態を示す平面図である。
図5】実施例2の教示ペンダントを示す平面図である。
図6】(a)は実施例2の教示ペンダントのタッチパネルに所定の画面を表示した状態を示す平面図、(b)はその状態で操作可能キーを押した状態を示す平面図、(c)はその状態で手動操作ボタンを操作した状態を示す平面図である。
図7】(a)は実施例2の教示ペンダントの手動操作ボタンをタッチしたときを示す部分平面図、(b)はタッチ位置を左方にスライドさせたときを示す部分平面図、(c)はタッチ位置を右方にスライドさせたときを示す部分平面図である。
図8】(a)は従来例の教示ペンダントのタッチパネルに所定の画面を表示した状態を示す平面図、(b)はその状態で操作可能キーを押した状態を示す平面図、(c)はその状態で手動操作ボタンを操作した状態を示す平面図である。
図9】(a)は従来例の教示ペンダントのタッチパネルに所定の画面を表示した状態を示す平面図、(b)はその状態で表示切替ボタンを押してオプション操作専用画面に切り替えた状態を示す平面図、(c)はその状態で操作可能キーを押した状態を示す平面図、(d)はその状態でオプション操作ボタンを操作した状態を示す平面図、(e)はその状態から表示切替ボタンを押して元の画面に戻した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の成形品取出機の教示ペンダントを図面を参照に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1図4に示す実施例1の教示ペンダント1は、樹脂成形品を金型から取り出す成形品取出機80の操作部に操作内容を教示するための装置である。この教示ペンダント1は、次に示す、タッチパネル9と、セレクトスイッチ11と、非常停止ボタン12と、操作可能キー13と、表示切替ボタン20と、手動操作ボタン30と、オプション操作ボタン40と、フリー操作ボタン50とを含み構成されている。
【0018】
[タッチパネル9]
タッチパネル9は、教示ペンダント1の表面に設けられた静電容量式又は抵抗膜式のタッチパネル(液晶パネル)である。
【0019】
[セレクトスイッチ11]
セレクトスイッチ11は、タッチパネル9の外部に設けられた回動式のスイッチである。このセレクトスイッチ11は、最も右回り側に回すと自動運転が選択され、最も左回り側に回すと手動運転が選択され、それらの中間位置に回すと原点復帰が選択される。
【0020】
[非常停止ボタン12]
非常停止ボタン12は、タッチパネル9の外部に設けられたボタンである。この非常停止ボタン12は、押すと電源が切れ、成形品取出機80の全ての動作が即時に停止する。
【0021】
[操作可能キー13]
操作可能キー13は、タッチパネル9の外部に設けられたキーであって、放した状態か所定の下限値未満しか押し込んでいない1段階目の状態ではOFFになり、該所定の下限値以上かつ所定の上限値未満押し込んだ2段階目の状態ではONになり、該所定の上限値以上押し込んだ3段階目の状態ではOFFになる3段階式のキーである。そして、この操作可能キー13は、ONにすると所定の操作ボタン30,40,50(手動操作ボタン30、オプション操作ボタン40、フリー操作ボタン50)による成形品取出機80の操作が可能になり、OFFにすると前記所定の操作ボタン30,40,50による成形品取出機80の操作が不能になる。
【0022】
[表示切換ボタン20]
表示切換ボタン20は、タッチパネル9の表示を切り替えるためのボタンであって、タッチパネル9の外部に設けられた複数のパネル外ボタン21〜26で構成されている。この表示切替ボタン20は、次に示す、メニュー表示ボタン21と、ヘルプ表示ボタン22と、オプション操作表示ボタン23と、動作表示ボタン24と、ページ戻しボタン25と、ページ進みボタン26とを含み構成されている。
【0023】
メニュー表示ボタン21は、メニュー画面を表示するためのボタンである。ヘルプ表示ボタン22は、各設定画面や操作画面でヘルプを表示するためのボタンである。オプション操作表示ボタン23は、オプション操作ボタン40が設置されたオプション操作専用画面9Aを表示するためのボタンである。動作表示ボタン24は、動作表示画面を表示するためのボタンである。ページ戻しボタン25は、複数のページがある時にページを戻すボタンである。ページ進みボタン26は、複数のページがある時にページを進めるボタンである。
【0024】
[手動操作ボタン30]
手動操作ボタン30は、成形品取出機80を操作するための操作ボタンであって、タッチパネル9の外部に設けられた複数のパネル外操作ボタン31〜38で構成されている。この手動操作ボタン30は、次に示す、スタート/停止ボタン31と、リセットボタン32と、走行軸移動ボタン33と、アーム移動ボタン34と、チャックプレート姿勢変更ボタン35と、チャックプレート回転ボタン36と、チャック開閉ボタン37と、ステップ操作ボタン38とを含み構成されている。
【0025】
スタート/停止ボタン31は、自動運転、原点復帰操作又は連続ステップ送りをスタート又は停止させるための操作ボタンである。リセットボタン32は、各画面を初期画面に戻す操作ボタンであり、また、アラーム等が表示されているときはアラームをクリアする。走行軸移動ボタン33は、成形品取出機80の走行軸を取出側及び落下側に移動させるための操作ボタンである。アーム移動ボタン34は、成形品取出機80のアームを、後方及び前方並びに上方及び下方に移動させるための操作ボタンである。チャックプレート姿勢変更ボタン35は、成形品取出機80のチャックプレートを復帰側及び作動側に姿勢変更する(鉛直軸回りに回転させる)ための操作ボタンである。チャックプレート回転ボタン36は、成形品取出機80のチャックプレートを復帰側及び作動側に回転(水平軸回りに回転)させるための操作ボタンである。チャック開閉ボタン37は、成形品取出機80のチャックを開き及び閉じるための操作ボタンである。ステップ操作ボタン38は、成形品取出機80の自動運転をステップ送りで戻し及び進めるための操作ボタンである。
【0026】
[オプション操作ボタン40]
オプション操作ボタン40は、手動操作ボタン30では操作できない成形品取出機80の操作をするための操作ボタンである。このオプション操作ボタン40は、操作可能キー13を押して2段階目にする(すなわち、ONにする)とそれに連動してタッチパネル9に表示され、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にするか押し込んで3段階目にする(すなわち、OFFにする)とそれに連動してタッチパネル9から表示が消える連動表示操作ボタンである。このオプション操作ボタン40は、次に示す、走行待機ボタン41と、アンダーカットボタン42と、ニッパーカットボタン43と、製品チャック開ボタン44と、スプールチャック開ボタン45と、ランナーチャック開ボタン46と、製品チャックI開ボタン47と、製品チャックII開ボタン48とを含み構成されている。
【0027】
走行待機ボタン41は、走行待機位置を手動操作で移動させるための操作ボタンである。アンダーカットボタン42は、アンダーカットを手動操作でするための操作ボタンである。ニッパーカットボタン43は、ニッパーでのカットを手動操作でするための操作ボタンである。製品チャック開ボタンは44は、製品チャックを手動操作で開くための操作ボタンである。スプールチャック開ボタン45は、スプールチャックを手動操作で開くための操作ボタンである。ランナーチャック開ボタン46は、ランナーチャックを手動操作で開くための操作ボタンである。製品チャックI開ボタン47は、製品チャックIを手動操作で開くための操作ボタンである。製品チャックII開ボタン48は、製品チャックIIを手動操作で開くための操作ボタンである。
【0028】
そして、このオプション操作ボタン40を構成する一部の操作ボタン41,42,44〜48は、一回タッチするのみで操作が完了するワンタッチ操作式の操作ボタンであって、例えば、タッチすると成形品取出機80の所定の動作が開始され、前記所定の動作が完了すると前記所定の動作が停止される。また、それ以外の操作ボタン43は、タッチし続けることで操作を継続する継続タッチ操作式の操作ボタンであって、例えば、タッチすると成形品取出機80の所定の動作が開始され、その後はタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチするのを止めると前記所定の動作が停止される。
【0029】
このオプション操作ボタン40で成形品取出機80を操作する際の手順は、次の通りである。すなわち、図3(a)に示すように、タッチパネル9の画面が所定の画面9a(初期画面やメニュー画面等)のときに、図3(b)に示すように、操作可能キー13を押して2段階目にすると、タッチパネル9の画面がオプション操作ボタン40を配置したオプション操作専用画面9Aに切り替わることで、タッチパネル9にオプション操作ボタン40が表示される。そして、図3(c)に示すように、操作可能キー13を押したままオプション操作ボタン40を構成する各操作ボタン41〜48を押して各操作をすることで、成形品取出機80の各動作が実行される。そして、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にすると、タッチパネル9の画面が元の画面9a(初期画面やメニュー画面等)に戻ることで、タッチパネル9からオプション操作ボタン40の表示が消える。
【0030】
[フリー操作ボタン50]
フリー操作ボタン50は、手動操作ボタン30及びオプション操作ボタン40では操作できない成形品取出機80の操作をするための操作ボタンである。このフリー操作ボタン50は、操作可能キー13を押して2段階目にする(すなわち、ONにする)とそれに連動してタッチパネル9に表示され、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にするか押し込んで3段階目にする(すなわち、OFFにする)とそれに連動してタッチパネル9から表示が消える連動表示操作ボタンである。このフリー操作ボタン50は、次に示す、速度増減ボタン51と、ニッパーカットボタン53と、製品チャック開ボタン54と、スプールチャック開ボタン55と、ランナーチャック開ボタン56と、軸設定ボタン57と、軸切換ボタン58とを含み構成されている。
【0031】
速度増減ボタン51は、モーター駆動軸の動作速度を増減させるための操作ボタンである。軸設定ボタン57は、軸設定画面を表示するための操作ボタンであって、軸の設定値を変更したいときなどには、その軸設定画面で変更する。軸切換ボタン58は、ランナー側ユニットやオプション仕様等があるときに、手動操作ボタン30の用途を切り換えるための操作ボタンである。そして、フリー操作ボタン50を構成するその他の操作ボタン53,54,55,56は、オプション操作ボタン40の同様の操作ボタン43,44,45,46と同様の機能を有する。
【0032】
そして、このフリー操作ボタン50を構成する一部の操作ボタン51,54〜58は、一回タッチするのみで操作が完了するワンタッチ操作式の操作ボタンである。また、それ以外の操作ボタン53は、タッチし続けることで操作を継続する継続タッチ操作式の操作ボタンである。
【0033】
このフリー操作ボタン50で成形品取出機80を操作する際の手順は、次の通りである。すなわち、図4(a)に示すように、タッチパネル9の画面が前記所定の画面9a(初期画面やメニュー画面等)とは別の所定の画面9b(動作画面等)のときに、図4(b)に示すように、操作可能キー13を押して2段階目にすると、タッチパネル9の画面がフリー操作ボタン50を配置したフリー操作専用画面9Bに切り替わることで、タッチパネル9にフリー操作ボタン50が表示される。そして、図4(c)に示すように、操作可能キー13を押したままフリー操作ボタン50を構成する各操作ボタン51〜58を押して各操作をすることで、成形品取出機80の各動作が実行される。そして、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にすると、タッチパネル9の画面が元の画面9b(動作画面等)に戻ることで、タッチパネル9からフリー操作ボタン50の表示が消える。
【0034】
本発明によれば、次の[A]〜[C]の効果を得ることができる。
[A]操作可能キー13を押すとそれに連動してタッチパネル9に連動表示操作ボタン40,50(オプション操作ボタン40,フリー操作ボタン50)が表示されるので、それらの連動表示操作ボタン40,50で成形品取出機80を素早く操作をすることができる。そして、操作可能キー13を押す行為は、オペレータが「軸を動かしたい」「チャックを開きたい」など何かを操作したいと連想できる行為であるので、操作可能キー13を押すのに連動して連動表示操作ボタン40,50を表示させることで、より直感と合った成形品取出機80の操作が可能になる。
【0035】
[B]オプション操作専用画面9Aやフリー操作専用画面9Bの各操作専用画面9A,9Bは、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にするとそれに連動してタッチパネル9から消えて元の画面9a,9bに戻るので、操作が完了した際には、タッチパネル9の画面を素早く元の画面9a,9bに戻すことができる。そのため、教示ペンダント1の使い勝手がよい。
【0036】
[C]タッチパネル9が所定の画面9a(初期画面やメニュー画面等)のときに操作可能キー13を押すとそれに連動してタッチパネル9に所定の操作専用画面(オプション操作専用画面9A)が表示され、タッチパネル9が別の所定の画面9b(動作画面等)のときに操作可能キー13を押すとそれに連動してタッチパネル9に別の所定の操作専用画面(フリー操作専用画面9B)が表示されるので、タッチパネル9に表示されている画面9a,9bに応じて、操作可能キー13を押したときに適切な操作専用画面9A,9Bを表示することができる。
【実施例2】
【0037】
図5図7に示す実施例2の教示ペンダント2は、実施例1の教示ペンダント1と比較して、タッチパネル9が静電容量式タッチパネルである点、及び実施例1の表示切替ボタン20及び手動操作ボタン30を備えず、代わりに、次に示す表示切替ボタン20'及び手動操作ボタン30'を備える点で相違し、その他の点で同様である。
【0038】
[表示切替ボタン20']
表示切換ボタン20'は、実施例1の表示切替ボタン20と比べて、タッチパネル9の外部に設けられたパネル外ボタンではなく、タッチパネル9に表示されるパネル内ボタンである点で相違し、その他の点で同様である。この表示切換ボタン20'は、実施例1の表示切替ボタン20の各ボタン21〜26と同様の機能を有する各ボタン21〜26を含み構成されている。
【0039】
[手動操作ボタン30']
手動操作ボタン30'は、実施例1の手動操作ボタン30と比べて、タッチパネル9の外部に設けられたパネル外操作ボタンではなく、タッチパネル9に表示されるパネル内操作ボタンである点で相違し、その他の点で同様である。この手動操作ボタン30’は、操作可能キー13を押して2段階目にする(すなわち、ONにする)とそれに連動してタッチパネル9に表示され、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にするか押し込んで3段階目にする(すなわち、OFFにする)とそれに連動してタッチパネル9から表示が消える連動表示操作ボタンである。
【0040】
この手動操作ボタン30'は、実施例1の手動操作ボタン30の各操作ボタン31〜38と同様の機能を有する各操作ボタン31〜38を含み構成されている。そして、この手動操作ボタン30'を構成する一部の操作ボタン31,32は、一回タッチするのみで操作が完了するワンタッチ操作式のボタンである。また、それ以外の操作ボタン33〜38は、タッチ位置をスライドさせることで操作をするスライド操作式の操作ボタンである。詳しくは、そのスライド操作式の操作ボタン33〜38は、タッチしてからそのタッチ位置をタッチパネル9内でスライドさせると成形品取出機80の所定の動作が開始され、その後はタッチ位置をスライドさせるのを止めてもタッチパネル9をタッチし続けている間は前記所定の動作が続行され、タッチパネル9をタッチするのを止めると前記所定の動作が停止される。
【0041】
この手動操作ボタン30'で成形品取出機80を操作する際の手順は、次の通りである。すなわち、図6(a)に示すように、タッチパネル9に所定の画面9a'(初期画面やメニュー画面等)が表示された状態で、図6(b)に示すように、操作可能キー13を押して2段階目にすると、タッチパネル9の画面が手動操作ボタン30'及びオプション操作ボタン40を配置した手動操作及びオプション操作専用画面9A'に切り替わることで、タッチパネル9に手動操作ボタン30'及びオプション操作ボタン40が表示される。そして、図6(c)に示すように、操作可能キー13を押したまま手動操作ボタン30'を構成する各操作ボタン31〜38を操作することで成形品取出機80の各動作が実行される。そして、操作可能キー13を押すのを止めて1段階目にすると、図6(a)に示すように、タッチパネル9の画面が元の画面9a(初期画面やメニュー画面等)に戻ることで、タッチパネル9から手動操作ボタン30'及びオプション操作ボタン40の表示が消える。
【0042】
このとき、スライド操作式の操作ボタン33〜38については、次の通り操作する。すなわち、操作可能キー13を押したまま、図7(a)に示すように、スライド操作式の各操作ボタン33〜38をタッチしてから、そのタッチ位置を、図7(b)に示すように、タッチパネル9内で所定の一の方向(例えば左方)に所定量(例えば10mm)以上スライドさせると成形品取出機80の所定の一の動作(例えば走行軸の取出側への移動)が開始される。すなわち、システムはタッチ位置のスライドとその方向を判断する。そして、該所定の一の動作が開始された後は、タッチ位置をスライドさせるのを止めても止めなくても、すなわち、タッチ位置のスライドの有無に関係なくタッチパネル10をタッチし続けている間は該所定の一の動作が続行され、タッチパネル10をタッチするのを止めると該所定の一の動作が停止される。
【0043】
また、操作可能キー13を押したまま、図7(a)に示すように、スライド操作式の各操作ボタン33〜38をタッチしてから、そのタッチ位置を、図7(c)に示すように、タッチパネル9内で前記所定の一の方向とは反対の所定の他の方向(例えば右方)に所定量(例えば10mm)以上スライドさせると前記所定の一の動作とは反対の所定の他の動作(例えば走行軸の落下側への移動)が開始される。そして、該所定の他の動作が開始された後は、タッチ位置をスライドさせるのを止めても止めなくてもタッチパネル10をタッチし続けている間は該他の動作が続行され、タッチパネル10をタッチするのを止めると該所定の他の動作が停止される。
【0044】
実施例2によれば、上記[A]〜[C]の効果に加え、次の[D]〜[F]の効果を得ることができる。
【0045】
[D]表示切換ボタン20'や手動操作ボタン30'を、タッチパネル9の外部に設けられるパネル外操作ボタンではなく、タッチパネル9に表示されるパネル内操作ボタンにすることで、タッチパネル9の外部における操作ボタンの設置スペースを節約して、その分だけタッチパネル9を大きくすることができる。また、その分だけタッチパネル9を大きくしないのであれば、教示ペンダント2のサイズや重量を低減するとともに、製品コストを低減することができる。
【0046】
[E]スライド操作式の操作ボタン33〜38は、タッチするだけでは動作が開始されず、タッチしてから、タッチ位置を所定方向に所定量以上スライドさせる事ではじめて動作が開始されるので、要求された動作開始の意思を確実に確認した上でその動作が開始される。そのため、誤操作を防止することができる。
【0047】
[F]タッチパネル9として静電容量式タッチパネルを使う事により、抵抗膜式のタッチパネルと比べて、指をスライドさせて画面を切り替えるフリック操作や、2点タッチによる画像の操作などがし易くなる。そのため、様々な携帯端末などで実現されている操作と共通の操作が、教示ペンダント2で可能となる。
【0048】
なお、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、例えば次の変更例1〜3のように発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0049】
[変更例1]
実施例1,2において、オプション操作ボタン40やフリー操作ボタン50を構成する各操作ボタンも、スライド操作式の操作ボタンにしてもよい。
【0050】
[変更例2]
実施例1,2において、操作可能キー13を押して2段階目にする(すなわち、ONにする)と操作専用画面9A,9A',9Bに切り替わり、押すのを止めて1段階目にするか押し込んで3段階目にする(すなわち、OFFにする)と元の画面9a,9a',9bに戻る代わりに、操作可能キー13を押して2段階目又は3段階目にすると操作専用画面9A,9A',9Bに切り替わり、押すのを止めて1段階目にすると元の画面9a,9a',9bに戻るようにしてもよい。
【0051】
[変更例3]
実施例1,2において、操作可能キー13を押すとそれに連動して、タッチパネル9の画面が操作専用画面9A,9A',9Bに切り替わる代わりに、操作可能キー13を押すとそれに連動して、タッチパネル9の隅等の一部に連動表示操作ボタン30',40,50(手動操作ボタン30',オプション操作ボタン40,フリー操作ボタン50)が表示されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 教示ペンダント(実施例1)
2 教示ペンダント(実施例2)
9 タッチパネル
9a 所定の画面
9b 別の所定の画面
13 操作可能キー
30 手動操作ボタン(パネル外操作ボタン)
30' 手動操作ボタン(連動表示操作ボタン)
40 オプション操作ボタン(連動表示操作ボタン)
50 フリー操作ボタン(連動表示操作ボタン)
80 成形品取出機
図1
図2
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