特許第6165641号(P6165641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165641
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】グリル
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/20 20060101AFI20170710BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   F24C15/20 A
   A47J37/06 366
   F24C15/20 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-4849(P2014-4849)
(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2015-132437(P2015-132437A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−112363(JP,A)
【文献】 特開2009−268515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/20
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収納するグリル庫と、グリル庫の天井部に設けて被調理物を加熱するバーナと、グリル庫の後壁部から後方上部の排気口に連通してバーナの燃焼排ガスを排気口へ導く煙道とを備えるグリルであって、
煙道入口に煙道の底面から上方へ延びる下部遮蔽板が設けられ、
下部遮蔽板の上端とグリル庫の天井部との間に燃焼排ガスを煙道内に導入する取込口が形成され、
下部遮蔽板より後方の煙道内に設置する庫内温度検知用の温度センサよりも後方位置に煙道の天井部から下方へ延びる上部遮蔽板が設けられ、
上部遮蔽板の下端と煙道の底面との間に燃焼排ガスの流通口が形成され、
下部遮蔽板と上部遮蔽板との間には、煙道入口の上下幅よりも下部遮蔽板と上部遮蔽板との前後間隔が長い広域空間が形成されているグリル。
【請求項2】
請求項1に記載のグリルにおいて、
上部遮蔽板の下端高さは、下部遮蔽板の上端高さよりも上方に位置して、前後方向視にて下部遮蔽板と上部遮蔽板とが重なり合わないように構成されているグリル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のグリルにおいて、
上部遮蔽板は、後方に傾いて下方に延びるように後方傾斜されているグリル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のグリルにおいて、
煙道の入口には、下部遮蔽板の上部が上方に突出する位置に、燃焼排ガスを上方の取込口に向かわせるようにグリル庫の前方に延びて空間を上下に区切る整流板が設けられているグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル庫の天井部に設けるバーナの燃焼排ガスを後方上部の排気口へ導く煙道を備えるグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリルにおいてグリル庫内で発火が発生したときの火炎が煙道を介して排気口から溢れ出ることを防止するために、排気口近傍の煙道内に多孔板から構成したフレームトラップを設けるもの(特許文献1)、煙道の入口に上方に延びて連通口をグリル庫の高所に配置させる仕切板と、仕切板の後方の煙道内に下方に延びて燃焼排ガスを下方に迂回させてから上方の排気口に導くガイド板とを設け、且つ仕切板にはガイド板と対向する部分に複数の通気孔を設けるもの(特許文献2)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−75636号公報
【特許文献2】特開2009−112363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレームトラップを設けたもの(特許文献1)では、排気口から浸入した煮こぼれ等の流動物やグリル庫内からの油煙等でフレームトラップが目詰まりして燃焼排ガスの排気抵抗が大きくなる。そのため、燃焼用二次空気を必要とするバーナの場合は、二次空気不足となり燃焼不良になるおそれがあった。
【0005】
また、仕切板及びガイド板を設けたもの(特許文献2)では、燃焼排ガスの流れにおいて、仕切板に設ける通気孔からの流入は仕切板より上方の連通口からの流入に比べ排気抵抗が大きいため、燃焼排ガスの流れが阻害されて煙道内に燃焼排ガスが効率よく取り込まれ難かった。しかも、ガイド板により煙道内での燃焼排ガスの抜けも円滑に行われ難くなっている。そのため、グリル庫内からの燃焼排ガスの抜けが不十分となりバーナに二次空気が十分に供給され難く、バーナの燃焼性の改善については十分なものではなかった。
【0006】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされ、燃焼排ガスの流れを可及的によくしてバーナの燃焼性を向上するとともに、グリル庫内で発火が発生した場合に排気口からの火炎溢れを防止することができるグリルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るグリルは、
被調理物を収納するグリル庫と、グリル庫の天井部に設けて被調理物を加熱するバーナと、グリル庫の後壁部から後方上部の排気口に連通してバーナの燃焼排ガスを排気口へ導く煙道とを備えるグリルであって、
煙道入口に煙道の底面から上方へ延びる下部遮蔽板が設けられ、
下部遮蔽板の上端とグリル庫の天井部との間に燃焼排ガスを煙道内に導入する取込口が形成され、
下部遮蔽板より後方の煙道内に設置する庫内温度検知用の温度センサよりも後方位置に煙道の天井部から下方へ延びる上部遮蔽板が設けられ、
上部遮蔽板の下端と煙道の底面との間に燃焼排ガスの流通口が形成され、
下部遮蔽板と上部遮蔽板との間には、煙道入口の上下幅よりも下部遮蔽板と上部遮蔽板との前後間隔が長い広域空間が形成されているものである。
【0008】
上記構成より、下部遮蔽板によって燃焼排ガスの取込口がグリル庫内の高所に形成される。また、グリル庫内の発火は、グリル庫内の底部に載置するグリル皿に溜まった被調理物の脂や被調理物等の発火によるものであり、グリル庫内の下方で発生してグリル庫内に広がる。これより、グリル庫内で発火が発生したときの火炎は、下部遮蔽板によって遮られて煙道内への侵入が抑制される。また、下部遮蔽板を退避して煙道内に侵入した火炎は、煙道の上面を伝って排気口側へ進むから、上部遮蔽板によって遮られる。従って、グリル庫内で発生した火炎が排気口に達することが防止され、排気口からの火炎溢れを防止することができる。
【0009】
一方、下部遮蔽板と上部遮蔽板との間は、前後間隔が長く十分な広さを有する広域空間が形成され、この広域空間は、温度センサが設置可能であり且つ取込口から流入した燃焼排ガスが下方向よりも流通口方向に向う傾向が大となる広さを有している。従って、グリル庫内での燃焼排ガスの滞留が防止され、バーナに燃焼用二次空気が十分に供給されてバーナの燃焼性を向上することができる。
【0010】
また、下部遮蔽板と上部遮蔽板との間の広域空間は、十分な広さが確保されているので、グリル庫内の熱気が広域空間にも十分に行き渡る。従って、この広域空間に設置する庫内温度検知用の温度センサの検出精度を向上することができる。
【0011】
上記の上部遮蔽板の下端高さは、下部遮蔽板の上端高さよりも上方に位置して、前後方向視にて下部遮蔽板と上部遮蔽板とが重なり合わないように構成されていることが望ましい。
これにより、排気抵抗をさらに低減することができ、取込口から流入した燃焼排ガスが下方向よりも流通口方向に向う傾向が大きく促進され、より一層、燃焼排ガスが流通口を円滑に通り抜けて排気口へと導かれる。
【0012】
また、上部遮蔽板は、後方に傾いて下方に延びるように後方傾斜されていることが望ましい。
これにより、広域空間をさらに広げることができ、さらには上部遮蔽板によって燃焼排ガスを下方へ迂回させる流れを抑制することができ、排気抵抗の低減に大きく寄与する。
【0013】
また、煙道の入口には、下部遮蔽板の上部が上方に突出する位置に、燃焼排ガスを上方の取込口に向かわせるようにグリル庫の前方に延びて空間を上下に区切る整流板が設けられていることが望ましい。
これにより、整流板によって燃焼排ガスを上方に向かわせてグリル庫から取込口に向かう燃焼排ガスの流れが促進され、燃焼排ガスが取込口から煙道内に円滑に流入される。しかも、グリル庫内で発生した火炎が煙道の入口に広がってきても、整流板によって遮られて火炎が上方の取込口から煙道内に侵入することを阻止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るグリルによれば、グリル庫内で発火が発生した場合に排気口からの火炎溢れを防止することができ、尚且つバーナから発生した燃焼排ガスを排気口から円滑に排出することができ、バーナに燃焼用二次空気が十分に供給されてバーナの燃焼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態によるグリルの構成を示す側面断面図である。
図2】実施形態によるグリルの構成を示す正面断面図である。
図3】実施形態のグリルの変形例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1図2を参照して、実施形態のグリル1は、図示を省略したガスコンロに組み込まれる後方排気式のグリルであり、魚等の被調理物(図示せず)を収納するグリル庫10と、被調理物を加熱するバーナ2と、バーナ2から発生する燃焼排ガスを後方上部の排気口31へ導く煙道3とを備える。グリル庫10内には、被調理物を載置する焼き網14を支持するグリル皿15が収納されている。グリル皿15は、グリル庫10の前面開口を開閉するグリル扉13に着脱自在に連結されており、グリル扉13を手前に引くことでグリル庫10の前方から引き出される。
【0017】
バーナ2は、グリル庫10の天井部11に設けられ、焼き網14に載置した被調理物を加熱する。バーナ2は、多数の炎孔が形成された下板21を下面に装着しバーナで構成されている。また、グリル庫10の左右の側壁部には、バーナ2の燃焼用二次空気を取り込むための複数の空気孔16が形成されている。そして、バーナ2では、下板21の炎孔から噴出する混合気(燃料ガスと一次空気との混合ガス)が空気孔16からの燃焼用二次空気の供給を受けて完全燃焼する。バーナ2において混合気の燃焼で生じた燃焼排ガスは、グリル庫10の後壁部12に設けた煙道3を介して後方上部の排気口31から外部に排出される。
【0018】
煙道3は、グリル庫10の後壁部12から略く字状に折れ曲がって後方上部の排気口31に連通するように設けられている。煙道3の入口32は、後壁部12の上部に設けられており、この入口32の下端の高さは、焼き網14よりも上方に位置される。従って、煙道3の入口32は、グリル庫10内での主な発火源位置となるグリル皿15や焼き網14上の被調理物よりも上方に配置される。
【0019】
煙道3の底面33には、略中央位置にグリル庫10内の温度を検出する温度センサ4が設けられている。温度センサ4は、センサカバー41により囲われている。センサカバー41は、グリル庫10の前方を臨む前面の下部に窓部41aが開口され、窓部41aより上部の前面、上面、左右の側面及び背面が塞がれている。また、煙道3の底面33は、煙道3の入口32から後方に向かって後上がりに上方傾斜されている。これにより、排気口31から煮こぼれ等の流動物(以下、単に「煮こぼれ」という。)が浸入した場合、煮こぼれは傾斜面となった煙道3の底面33を流れて煙道3の入口32に導かれ、また、センサカバー41によって温度センサ4に煮こぼれが付着することが防止されるから、温度センサ4の検出精度の低下を招くことが防止される。また、グリル庫10内の熱気がセンサカバー41の前面の窓部41aを通じて温度センサ4にも行き渡るため、温度センサ4によってグリル庫10内の温度検出を精度よく行うことができる。そして、温度センサ4の検出温度が異常に上昇したときはバーナ2を消火する。
【0020】
煙道3の入口32には、煙道3の底面33から上方へ延びて煙道3の入口32の下側部分に配置する下部遮蔽板5が設けられ、下部遮蔽板5の上端とグリル庫10の天井部11との間に燃焼排ガスの取込口51が形成されている。下部遮蔽板5は、煙道3の入口32の左右幅いっぱいに形成され、煙道3の入口32の下半分以上を塞ぐ高さを有する。取込口51は、下部遮蔽板5によって横長の方形状に形成されるとともに、グリル庫10の高所に配置される。また、下部遮蔽板5より後方の煙道3内には、温度センサ4よりも後方位置に煙道3の天井部34から下方へ延びる上部遮蔽板6が設けられ、上部遮蔽板6の下端と煙道3の底面33との間に燃焼排ガスの流通口61が形成されている。下部遮蔽板5は、煙道3の底面33の構成板を上方へ折り曲げて一体形成することができるが、煙道3の底面33の構成板とは別の板部材で形成することもできる。また、上部遮蔽板6は、煙道3の天井部34の構成板を下方へ折り曲げて一体形成することができるが、煙道3の天井部34の構成板とは別の板部材で形成することもできる。
【0021】
ここで、被調理物を加熱調理していると、被調理物からにじみ出てグリル皿15に溜まった脂や被調理物及び被調理物から飛散した脂等が発火する場合があり、この発火による火炎が煙道3内に侵入して排気口31から溢れ出るおそれがある。このグリル庫10内で発生した火炎は、グリル皿15や被調理物が配置されたグリル庫10内の比較的下方から広がってくる。
【0022】
そこで、本実施形態では、煙道3の入口32をグリル庫10の底部のグリル皿15や焼き網14よりも上方に離れた高い位置に設け、さらに下部遮蔽板5によって燃焼排ガスの取込口51をグリル庫10の高所に配置させている。これにより、グリル庫10内で発生した火炎が煙道3の入口32に広がってきても、下部遮蔽板5によって遮られて火炎が取込口51から煙道3内に侵入することが阻止される。また、グリル庫10内で大きな火炎が発生して取込口51から煙道3内に火炎が侵入した場合でも、火炎は煙道3の天井部34を伝って後方へ進んで上部遮蔽板6によってせき止められる。従って、排気口31からの火炎溢れが防止される。
【0023】
ところで、下部遮蔽板5や上部遮蔽板6は、煙道3内を通る燃焼排ガスの流れに対して排気抵抗となるおそれがある。
この排気抵抗の低減対策として、本実施形態では、下部遮蔽板5と上部遮蔽板6との前後間隔wを広げている。すなわち、下部遮蔽板5と上部遮蔽板6との間は、煙道3入口32の上下幅32hよりも下部遮蔽板5と上部遮蔽板6との前後間隔wが長い広域空間Sが形成されている。ここで「前後間隔w」とは、下部遮蔽板5と上部遮蔽板6の各々の基端位置における鉛直線間の距離である。この広域空間Sは、温度センサ4が設置可能であり且つ取込口51から流入した燃焼排ガスが下方向よりも流通口61方向に向う傾向が大となる広さを有している。これにより、煙道3内に流入した燃焼排ガスは、上部遮蔽板6によって下方に大きく迂回されて蛇行する流れが抑制され、上部遮蔽板6の下の流通口61を円滑に通り抜けて排気口31へと導かれる。従って、バーナ2からの燃焼排ガスをグリル庫10内に滞留させず、排気口31から円滑に排出することができ、バーナ2に燃焼用二次空気が十分に供給されてバーナ2の燃焼性を向上することができる。そして、下部遮蔽板5と上部遮蔽板6との間の広域空間Sは、十分な広さが確保されるから、グリル庫10内の熱気が広域空間Sにも十分に行き渡る。従って、この広域空間Sに設置される温度センサ4による庫内温度の検出精度を向上することができる。なお、温度センサ4は、センサカバー41によって囲われているので、燃焼排ガスに顕著に晒されることが防止され、グリル庫10内の熱気の温度を良好に検出することができる。
【0024】
また、上部遮蔽板6は、後方に傾いて下方に延びるように後方傾斜されている。これにより、広域空間Sをさらに広げることができ、さらには上部遮蔽板6によって燃焼排ガスを下方へ迂回させる流れを抑制することができ、排気抵抗の低減に大きく寄与する。
【0025】
さらには、上部遮蔽板6の下端高さは、下部遮蔽板5の上端高さよりも上方に位置させ、前後方向視にて下部遮蔽板5と上部遮蔽板6とが重なり合わないように流通域hが形成される構成とする。これにより、排気抵抗をさらに低減することができ、取込口51から流入した燃焼排ガスが下方向よりも流通口61方向に向う傾向が大きく促進され、より一層、燃焼排ガスが流通口61を円滑に通り抜けて排気口31へと導かれる。
【0026】
また、上部遮蔽板6は、煙道3の左右方向両端部に隙間62を有して形成されている(図2参照)。これにより、燃焼排ガスは、上部遮蔽板6の両端部の隙間62からも通り抜けることができ、排気抵抗が低減される。
【0027】
一方、煙道3の入口32には、下部遮蔽板5の上部が上方に突出する位置にグリル庫10の前方に延びて空間を上下に区切る整流板7が設けられている。整流板7は、バーナ2の後方に位置し、燃焼排ガスが上方の取込口51へ向かうように燃焼排ガスの流れが形成される。整流板7は、グリル庫10の前方にまっすぐ延びて形成されているが、前下がりに下方傾斜されてもよい(図3の一点鎖線で示す整流板7を参照)。また、整流板7は、グリル庫10の後壁部12の構成板を上方に延ばし前方へ折り曲げて一体形成することができるが、後壁部12とは別の板部材により形成することもできる。
【0028】
ここで、バーナ2から発生した燃焼排ガスは、熱を持っているから、グリル庫10の天井部11のバーナ2からグリル庫10内の上方を流れ易い。また、下部遮蔽板5によって燃焼排ガスの取込口51がグリル庫10内の高所に形成される。従って、グリル庫10の天井部11に設置されたバーナ2から発生した燃焼排ガスは、整流板7により燃焼排ガスの流れを上方に向かわせる作用と相まって、グリル庫10内の高所に配設する取込口51に円滑に流入させることができる。
【0029】
さらに、バーナ2の後部と取込口51との間のグリル庫10の天井部11である後部天井部11aは、バーナ2の下面よりも高く形成されているので、バーナ2から発生した燃焼排ガスが煙道3の入口32の手前で上方へ流れ込み易くなっている。従って、整流板7により燃焼排ガスを上方に向かわせるとともに、グリル庫10から取込口51に向かう燃焼排ガスの流れが促進され、燃焼排ガスが取込口51から煙道3内に円滑に流入される。しかも、グリル庫10内で発生した火炎は、グリル皿15や被調理物が配置されたグリル庫10内の比較的下方から広がってきても、整流板7によって遮られて火炎が上方の取込口51から煙道3内に侵入することを阻止することができる。
【0030】
以上より、本実施形態のグリル1によれば、グリル庫10内で発火が発生した場合に排気口31からの火炎溢れを防止することができ、尚且つバーナ2から発生した燃焼排ガスを排気口31から円滑に排出することができ、バーナ2に燃焼用二次空気が十分に供給されてバーナ2の燃焼性を向上することができる。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で各種の変更を施すことが可能である。
例えば、図3に示すように、下部遮蔽板5の下部の板壁部には、排気口31から煙道3内に浸入した煮こぼれ等の流動物をグリル庫10内に排出させるための開口部52を設けるようにしてもよい。これにより、排気口31から浸入した煮こぼれ等は、傾斜面となった煙道3の底面33を伝ってグリル庫10側へ向かって流れ、下部遮蔽板5に設けた開口部52を通過してグリル庫10内に排出される。従って、煙道3内に煮こぼれ等が堆積することなく、グリル庫10内に排出することができ、煙道3内の汚れが抑えられ、グリル1の清掃を簡単且つ容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、ガスコンロに組み込むグリルとするが、本発明は、ガスコンロから分離独立して設けられるグリルにも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 グリル
2 バーナ
3 煙道
4 温度センサ
5 下部遮蔽板
6 上部遮蔽板
7 整流板
10 グリル庫
11 天井部
12 後壁部
13 グリル扉
14 焼き網
15 グリル皿
31 排気口
32 入口
32h 上下幅
33 底面
34 天井部
41 センサカバー
51 取込口
52 開口部
61 流通口
62 隙間
h 流通域
w 前後間隔
S 広域空間

図1
図2
図3