(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、
図2(b)に開示されているように、設計変数を主機負荷やプロペラ翼角とし、制約条件を運航限界や当舵量等とし、目的関数を最小燃焼消費や最小CO
2排出量とした最適化計算を用いることが示唆されている。
すなわち、特許文献1に開示されている航海計画支援システムでは、制約条件を満たしながら目的関数である最小燃焼消費や最小CO
2排出量を最小化させる主機負荷やプロペラ翼角を最適解として求めていると解される。
【0005】
しかしながら、航路において中継地点の通過時間が設定されている場合、中継地点の通過時間も制約条件となり、制約条件が増える。制約条件が増えると、それも満たすための最適化計算が複雑となり、最適解を算出するための計算時間が増加する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、航路に中継地点の通過時間の設定があっても、計算時間の増加を抑制し、かつ船舶の燃料消費量に基づく船速の最適化を高精度に可能とする、船速算出装置及び船速算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の船速算出装置及び船速算出方法は以下の手段を採用する。
【0008】
本発明の第一態様に係る船速算出装置は、出発地点から到着地点までの航路を疑似的に複数の区間に分け、該区間毎の船速を算出する船速算出装置であって、出発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間、前記区間毎の最大船速及び最小船速、並びに前記航路における中継地点の通過時間を設定する設定手段と、前記中継地点の前後で前記航路を疑似的に分けて複数の分割航路とする航路分割手段と、前記分割航路毎に、前記分割航路の航海時間並びに前記区間毎の最大船速及び最小船速を制約条件とし、前記区間毎の船速を制御変数とし、船舶の燃料消費量を目的関数として、前記目的関数を最小とする船速を算出する最適解算出手段と、を備える。
【0009】
本構成に係る船速算出装置は、出発地点から到着地点までの航路を疑似的に複数の区間に分け、該区間毎の船速を算出する。この最適化計算は、例えば、制約条件を満たしながら目的関数を最小化又は最大化させる解(制御変数)を求める手法である。制約条件は、例えば出発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間や、区間毎の最大船速及び最小船速等である。そして、目的関数は、例えば船舶の燃料消費量であり、制御変数は、例えば船速である。
【0010】
本構成は、出発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間、区間毎の最大船速及び最小船速、並びに航路における中継地点の通過時間が設定手段によって設定される。従来では、中継地点が設定されると、中継地点は制約条件とされる。しかしながら、制約条件が増えると、最適化計算が複雑となり、最適解を算出するための計算時間が増加する。
【0011】
そこで、航路分割手段によって、中継地点の前後で航路が疑似的に分けられて複数の分割航路とされる。なお、中継地点が複数ある場合は、中継地点の数に応じて分割航路の数も増える。また、中継地点は、航路を各区間に区切る位置と一致していてもよいし、区切る位置と一致していなくてよい。
そして、分割航路毎に、分割航路の航海時間並びに区間毎の最大船速及び最小船速を制約条件とし、船速を制御変数とし、船舶の燃料消費量を目的関数として、目的関数を最小とする船速が最適解算出手段によって算出される。
【0012】
すなわち、航路を中継地点の前後で複数の分割航路に分けることで、中継地点の通過時間はその前後における分割航路の到着時間及び出発時間となる。従って、航路を分割しない場合には3つであった制約条件(出発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間、最大船速及び最小船速、中継地点の通過時間)は、航路を分割することで、出発時刻又は到着時刻が中継地点の通過時刻と同じとなるため減少することとなる。
【0013】
このように、本構成は、航路に中継地点の通過時間の設定があっても、計算時間の増加を抑制し、かつ船舶の燃料消費量に基づく船速の最適化を高精度に可能とする。
【0014】
上記第一態様では、前記航路の中継地点前後の船速の変化率を所定値以下とする制約条件が加えられてもよい。
【0015】
分割航路毎に最適化計算を行うと、本来ならば連続しているはずの中継地点前後の船速に大きな差が生じる可能性がある。
本構成によれば、航路の中継地点前後の船速の変化率を所定値以下とする制約条件を加えるので、航路の中継地点前後で船速に大きな差が生じることを抑制できる。
【0016】
上記第一態様では、前記制御条件に前記航路の中継地点後の前記区間に前記変化率が加えられてもよい。
【0017】
本構成によれば、航路の中継地点前後で船速に大きな差が生じることを簡易に抑制できる。
【0018】
本発明の第二態様に係る船速算出方法は、出発地点から到着地点までの航路を疑似的に複数の区間に分け、該区間毎の船速を算出する船速算出方法であって、発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間、前記区間毎の最大船速及び最小船速、並びに前記航路における中継地点の通過時間を設定する第1工程と、前記中継地点の前後で前記航路を疑似的に分けて複数の分割航路とする第2工程と、前記分割航路毎に、前記分割航路の航海時間並びに前記区間毎の最大船速及び最小船速を制約条件とし、前記区間毎の船速を制御変数とし、船舶の燃料消費量を目的関数として、前記目的関数を最小とする船速を算出する第3工程と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、航路に中継地点の通過時間の設定があっても、計算時間の増加を抑制し、かつ船舶の燃料消費量に基づく船速の最適化を高精度に可能とする、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る船速算出装置及び船速算出方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態に係る船速算出は、船舶の最適な船速を算出するものであり、出発地点から到着地点までの航路を疑似的に複数の区間に分け、該区間毎の最適な船速を算出する船速配分最適化(以下「最適化計算」ともいう。)するものである。この最適化計算は、例えば、制約条件を満たしながら目的関数を最小化又は最大化させる解(制御変数)を求める手法である。
【0023】
図1は、最適化計算の概念の一例を示す模式図である。
図1の例に示される最適化計算は、入力ステップ、計算条件決定ステップ、燃料消費量計算ステップ、及び船速配分最適化ステップを有する。
【0024】
入力ステップでは、船速を算出するために必要な情報として、例えば、航海計画、気象海象予報情報、初期条件等が入力(設定)される。
航海計画は、例えば、船舶の出発地点からの出航時刻及び到着地点への到着時刻、区間毎の船速の制限値(最大船速及び最小船速であり、以下「船速制限値」という。)等である。船速制限値は、その区間における船舶の喫水やトリム、及び区間の水深等によって決定される。なお、船舶の出航時刻及び到着時刻から目標航海時間が得られる。
これら、目標航海時間及び船速制限値が制約条件とされる。
気象海象予報情報は、風向、風速、潮流の流速や潮流の方向、波高、及び波向である。
初期条件は、区間毎の船速配分である。
【0025】
計算条件決定ステップでは、各区間に対する計算条件が決定される。
計算条件は、例えば、各区間に対する船舶の通過時刻、各区間に対する船舶の通過時の緯度及び経度、各区間に対する船舶の通過時の気象海象予測情報である。
【0026】
燃料消費量計算ステップでは、航路の移動、換言すると全区間における船舶の燃料消費量を算出する。
燃料消費量計算ステップでは、船舶の推進負荷が船速や気象海象条件により変動する推進モデルが用いられ、この推進モデルにおいて、推進負荷から燃費を計算し、燃費と各区間の距離から燃料消費量が算出される。なお、推進モデルは、例えばエンジンである主機がプロペラを回転させて推進する船舶がモデル化されるが、これに限らず、例えば、エンジンの動力を電力に変換し、電力で駆動するモータがプロペラを回転させて推進する船舶がモデル化されてもよい。
【0027】
また、推進モデルでは、一例として、客室や空調で消費される電力を固定値としているが、これに限らず、気象や時間帯に応じて変動するとしてもよい。また、推進モデルでは、一例として、補機電力のオンオフが主機に対する負荷条件に応じて切り替わる。
【0028】
そして、船速配分最適化ステップは、燃料消費量を目的関数とし、燃料消費量が最小化するように、入力ステップにおける初期条件である区間毎の船速配分を変更する。
すなわち、区間毎の船速が制御変数とされる。
【0029】
図2は、入力ステップで入力される区間、区間毎の船速制限値、及び船速配分の一例を示す模式図である。
図2に示されるように、船速配分は最大船速及び最小船速を満たすように制御(変更)される。船速配分における固定とは、例えば出港や入港の場合等その区間の船速が予め定められた値とされている。すなわち、区間毎の船速は、目標航海時間で到着地点に達するように、区間毎の最大船速及び最小船速の範囲内で決定される。なお、例えば区間毎の距離に区間毎の船速(制御変数)を乗算することで区間毎の航海時間が算出され、その航海時間の総和を総航海時間とされ、目標航海時間と比較される。
【0030】
そして、燃料消費量計算ステップは、新たに入力された船速配分に応じた燃料消費量を算出する。
【0031】
このように、最適化計算では、出発地点から到着地点に達するまでの目標航海時間(出発時刻と到着時刻)、並びに区間毎の最大船速及び最小船速が制約条件として設定される。そして、区間毎の船速が制御変数とされ、出発地点から到着地点に達するまでの燃料消費量が目的関数とされる。この目的関数を最小とする区間毎の船速が最適解として算出されることとなる。
【0032】
なお、最適化計算のアルゴリズムは、公知の内点法や逐次二次計画法等が用いられる。
【0033】
図3は、本実施形態に係る最適化計算を実行する情報処理装置である船速配分最適化装置10の電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る船速配分最適化装置10は、最適化計算に関するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)12、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)14、CPU12による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)16、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)18を備えている。
【0034】
さらに、船速配分最適化装置10は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部20、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等の画像表示部22、外部インタフェース24を介して他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置や印刷装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース24を備えている。
【0035】
これらCPU12、ROM14、RAM16、HDD18、操作入力部20、画像表示部22、及び外部インタフェース24は、システムバス26を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU12は、ROM14、RAM16、及びHDD18へのアクセス、操作入力部20に対する操作状態の把握、画像表示部22に対する画像の表示、並びに外部インタフェース24を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
【0036】
図4は、本実施形態に係る船速配分最適化装置10の機能ブロック図である。
船速配分最適化装置10は、設定部30、航路分割部32、及び最適解計算部34を備える。
【0037】
設定部30は、制約条件(目標航海時間や船速制限値)や航路における中継地点の通過時間(以下「通過指定時刻」という。)等の最適化計算で用いる各種計算条件の入力を、操作入力部20を介して受け付け、設定する。なお、中継地点は、一つであっても複数であってもよい。
【0038】
航路分割部32は、中継地点の前後で航路を疑似的に分けて複数の分割航路とする。
【0039】
最適解計算部34は、分割航路毎に、分割航路の航海時間並びに最大船速及び最小船速を制約条件とし、船速を制御変数とし、船舶の燃料消費量を目的関数として、目的関数を最小とする船速を算出する。分割航路の航海時間とは、詳細を後述するように、入力された中継地点の通過時間に基づいて設定される。
【0040】
次に、本実施形態に係る船速配分最適化装置10による最適化計算について説明する。
【0041】
本実施形態に係る船速配分最適化装置10は、設定部30によって、航路における中継地点の通過時間が設定可能とされている。
【0042】
従来では、中継地点が設定されると、中継地点は制約条件とされる。しかしながら、制約条件が増えると、最適化計算が複雑となり、最適解を算出するための計算時間が増加する。
そこで、航路分割部32によって、中継地点の前後で航路が疑似的に分けられて複数の分割航路とされる。
【0043】
図5は、分割航路の一例を示す模式図である。
図5の例では、航路を複数の区間に区切る位置(以下「区切位置」という。)1〜4が中継地点(通過指定時刻)とされている。すなわち、
図5の例では、区切位置1〜4と一致する中継地点(通過指定時刻)に応じて航路が分割されるので、分割航路は5つとなる。
【0044】
なお、
図5の例では、説明を簡略化するために区切位置1〜4と中継地点の設定を同じとしているが、区切位置1〜4で区切られる各区間はさらに複数の区間に分けられている。すなわち、分割航路が複数の疑似的に複数の区間に分けられている。
また、
図5の例では、区切位置1〜4と中継地点が一致しているが、必ずしも区切位置1〜4と中継地点が一致していなくてよい。
【0045】
ここで、航路を分割せずに通過指定時刻を制約条件に加える従来の手法では、制御変数である各区間の船速は、船速制限値と共に通過指定時刻を満たし、かつ全体として目標航海時間を満たさなければならない。
このため、航路を分割しない場合、
図5の例では、通過指定時刻を満たすように各区間の船速(
図5の区間船速)を5つ算出しなければない。すなわち、制御変数は5つとなり、計算時間は制御変数の数の二乗で影響するため、航路全体の最適化計算は、中継地点が設定されない場合に比べて25倍(5
2=25)の計算時間を要することとなる。
【0046】
一方、航路を中継地点の通過指定時刻の前後で複数の分割航路に分けることで、通過指定時刻は、その前後で分割された分割航路の到着時間及び出発時間となる。従って、航路を分割することで、航路を分割しない場合には3つであった制約条件(目標航海時間、船速制限値、中継地点の通過時間)が減少することとなる。すなわち、制約条件に通過指定時刻という概念が存在しないこととなる。
このため、航路を分割した場合、
図5の例では、分割航路毎の制御変数は1つのままであり、5つの分割航路毎に最適化計算が行われる。このため、
図5の例における最適化計算の計算時間は、中継地点が設定されない場合に比べて5倍で済み、航路を分割しない場合に比べて計算時間の増加が抑制される。
【0047】
より具体的には、
図5の例では、分割航路1、分割航路2、分割航路3、分割航路4、分割航路5の順番で最適化計算が行われる。そして、分割航路5の最適化計算が終了すると、分割航路1から分割航路5を連続させた船速配分が最適化計算の結果として得られることとなる。
【0048】
このように、本実施形態に係る船速配分最適化装置10は、航路に中継地点の通過時間の設定があっても、計算時間の増加を抑制し、かつ船舶の燃料消費量に基づく船速の最適化を高精度に可能とする。
【0049】
また、分割航路毎に最適化計算を行うと、本来ならば連続しているはずの中継地点前後(以下「分割前後」という。)の船速に大きな差が生じる可能性がある。実質的に異なる最適化計算が分割航路毎に実行されるためである。
【0050】
図6は、分割前後の船速の一例を示す模式図である。
図6の例では、分割航路Aと分割航路Bとの間(区間A3と区間B1)で、船速に大きな差が生じている。このように連続した区間で船速に大きさ差が生じていると、算出された船速を実際の船舶において実現することが困難な場合がある。
【0051】
そこで、本実施形態に係る船速配分最適化装置10は、航路の分割前後の船速の変化率を所定値以下とする制約条件を加える。
【0052】
図6の例では、航路の分割後の区間B1に対して制約条件として船速の変化率を加えることとなる。
これにより、分割航路Bの最適化計算では、分割前の区間(分割航路Aの最後の区間A3)の船速が予め設定され、設定された船速に対して制約条件とされる変化率を満たす区間B1の船速が算出されることとなる。なお、分割航路Aの最適化計算は、上述したように分割航路Bの最適化計算よりも前に終了している。
【0053】
このように、船速配分最適化装置10は、航路の分割後の区間に対して、制約条件に船速の変化率を加えるので、航路の中継地点前後で船速に大きな差が生じることを抑制できる。また、航路の分割後の区間のみに、制約条件として船速の変化率を加えるので、制約条件が増えることによる最適化計算の計算時間の増加が抑制される。
【0054】
図7は、船速配分最適化装置10による最適化計算の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、ステップ100では、操作入力部20を介してユーザーによって計算条件が入力され、設定部30によって計算条件が設定される。
【0056】
次のステップ102では、中継地点の通過時間の入力(設定)があるか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ106へ移行する一方、否定判定の場合はステップ104へ移行する。
ステップ104へ移行した場合、上述した航路の分割は行われることなく、最適解計算部34が最適化計算を実行し、ステップ112へ移行する。
【0057】
一方、ステップ106では、入力された中継地点の前後で航路を疑似的に分割し、分割航路を生成する。なお、通過指定時刻に基づく中継地点の到着時刻(出発時刻)が、分割航路毎の制約条件となる。
【0058】
次のステップ108では、最適解計算部34が、目標地点から到着地点に至るまで順番に分割航路毎の最適化計算を実行する。
【0059】
ステップ110では、全ての分割航路について最適化計算が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ112へ移行し、否定判定の場合はステップ108へ戻り残りの分割航路に対して順番に最適解計算部34が最適化計算を実行する。
【0060】
そして、ステップ112では、画像表示部22が最適解計算部34によって得られた計算結果を表示し、本最適化計算を終了する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る船速配分最適化装置10は、航路における中継地点の通過時間を設定された場合に、中継地点の前後で前記航路を疑似的に分けて複数の分割航路とする。そして、船速配分最適化装置10は、分割航路毎に、分割航路の航海時間並びに最大船速及び最小船速を制約条件とし、船速を制御変数とし、船舶の燃料消費量を目的関数として、前記目的関数を最小とする船速を算出する。
【0062】
これにより、船速配分最適化装置10は、航路に中継地点の通過時間の設定があっても、計算時間の増加を抑制し、かつ船舶の燃料消費量に基づく船速の最適化を高精度に可能とする。
【0063】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0064】
例えば、上記実施形態では、分割航路に対する最適化計算では制約条件を船速制限値及び分割航路の航海時間の2つとする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、制約条件を船速制限値及び航海時間を含む3つ以上とする形態としてもよい。
【0065】
例えば、上記実施形態では、制約条件に船速を含む形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、船速の替りに、主機の負荷を制約条件として用いてもよい。主機の負荷とは一例としてプロペラを駆動させるための推進負荷と、船内の電力供給のための電力負荷の合計値である。
【0066】
また、上記実施形態で説明した最適化計算の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。