【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
それぞれ長さの異なる合成樹脂もしくは鋼製等のパイプを
図4のようにジョイント等で組み合わせて互いに連結して長方形のフレームワークを構成する。後部フレーム2となる長手のフレームには、
図1のように三方向ジョイントを用いて上方にもパイプを伸ばしこれをポール4とする。長方形のフレームワークの大きさは、
図2に示すように長手フレームの長さはヘアピン型の二つの駐車区画ライン11との間隔の幅を、また短手フレームの長さは、車両の後輪が位置する車止め10から路面標識の後方ライン11の長さを、ポール4の高さは、普通自動車のドアミラー14の高さをそれぞれ基準とする。左右のポール4には、標識板5を2個基準として標識板取付具6に取り付け固定して標識固定具7に挿入して固定する。
本装置の転倒防止のため、
図6に示すような固定具を前部フレーム1及び後部フレーム2に取り付ける。後部フレーム2にはフレーム固定具9を、そして前部フレームには車止めを兼ねた車止め固定具8を取り付ける。なお車止め固定具8には、車両の後輪が接するようになる。
本装置を駐車場内にセットするには、
図2に示すように駐車後方ライン12に相当する位置に後部フレーム2を平行して設置し、駐車前方ライン13に相当する位置と平行になるように前部フレーム1をセットする。本装置は、二方向及び三方向型ジョイントを利用して組み立てているが、溶接などで直接つなぐ場合、各コーナーは直角となるように結合する。
前部フレーム1に、車止め固定具8を2個、車両の後輪が向かう位置にそれぞれ取付ける。後部フレーム2には、フレーム固定具9を取り付け、前部フレーム1及び後部フレーム2が固定されていることを確認する。また
図5のように左右のポール4が側部フレーム3に対して直角であるか確認し、左右のポール4に標識固定具7を取り付ける。
次に標識板5を2個、標識板取付具6に取り付け固定する。 標識板5を2個取り付けた標識板取付具6を標識固定具7に挿入する。
図3に示すように、左右ポール4の2つの標識取付具が同じ長さになるよう固定する、また左右ポール4のそれぞれの標識板が前部フレーム1に平行に設置していることを確認する。
本発明は車両をバックさせる際にドアミラー14に標識板5を投影させて、車両の後部ボディーと標識板5の位置関係をドラバーに認識させて車両を定位置に駐車させる補助装置である。
ドライバーがこれを利用するには、ドアミラー14を通して行う。ドアミラー14の位置は、通常の走行状態時の高さ向きで良い。右ハンドル車の普通自動車でバックする際は、当初、
図7の上段図のように右のドアミラー14にポール4、2個の標識板5が投影される。左のドアミラー14も確認する。標識板5を補足してバックしつつ、同時に左のドアミラー14にも標識板5が見えることを確認する。バックするに従い両ドアミラー14に標識板5が大きく見えてくる。普通自動車、小型自動車、軽自動車等の車両の大きさによって後部ボディーに投影される標識板5は異なる。普通自動車では、ポール4に近い標識板が、小型自動車では次の標識板が、軽自動車では後部ボディーの中間の位置に小型自動車用の標識板が投影される。
左右のドアミラー14内の標識板5が均等に位置するようにそのままの姿勢を維持してバックしていくと
図7の下段図のように標識板5の位置が大きくなり車体は真っ直ぐ停車できる。また後輪も車止め固定具8に当たる。バックモニターを搭載していれば、後部フレーム2及びフレーム固定具9が投影されてブレーキをかけるタイミングがより明確となる。
図8は、ドアミラー14に投影された標識板5とボディーの位置関係を示す。上段の図は、車体が右向きとなって駐車したことを表す、下段の図は左向きとなって駐車したことを表す。本発明品を利用することによって車両から下車することなく車両の駐車位置がわかる。
【実施例】
【0012】
車両を駐車場にバックで入れるには、通常右のドアミラーに投影される駐車区画を示す白線などを目標にしてバックするが、途中で白線が見えなくなり後方の壁などに景色が変わっていく。ドアミラーを下方に向けてバックしていっても白線などの一部分が見えるが全体像が見えない。いづれにしても停車して、ドアを開けて白線との位置関係を確認することが必要である。ハンドル操作などに遅れがあると車体が右に向いたり左に向いたり、また真っ直ぐに停めても隣の車両との間隔が狭かったりするので入れ直しが必要となる。特に混んでいる駐車場内での入れ直しは他の車両に迷惑をかけるほか、車との接触事故等のリスクがあり、斜めに曲がったまま放置することも迷惑となる。本発明品は、路面標識ではなく地上から50センチ以上離れた空中の標識板5を目標とするのでドアミラーの位置を下げなくても通常の走行状態の位置のままで標識板5が投影される。
図7のように標識板5が左右ドアミラーの真ん中に位置するようバックしていけば自動的に駐車区域の真ん中に真っ直ぐ駐車できる。
【0013】
路面が整地されている専用の駐車場内には、一般的に駐車区画ライン11、駐車後方ライン12、駐車前方ライン13及び車止め10が設けられている。本発明品は、前部フレーム1の車止め固定具8が車止め10となり、後部フレーム2が駐車後方ライン12となり、側部フレーム3が駐車区画ライン11の役割を果たしている。このため、本発明品だけで駐車場内に必要な設備等が備わることになり経済的であり、また保守整備も容易となる。
【0014】
一般的な駐車区画の白線等表示は、費用も安く比較的短時間で表示できる他夜間もわかりやすい利点がある反面、駐車場所が整地されていないと路面塗装が困難である。また、経年による白線等の汚れ、消失による再塗装が必要となる。特に夜間、雨が降り路面に溜まると反射して見えなくなる欠点も有している。一番危険なことは、駐車区画の白線等を基準としているためドアミラー14を下方に向ける必要がある。このため、注意が白線等に向き車の後に人、特に子供がいても気付かないことがある。また後方を横切る車両に接触する危険性もある。発明品は、ドアミラーを走行状態の位置にしたまま後方の標識5を確認しつつバックするので、車の後ろの状況が把握できるので人身、接触事故等の危険を察知できる。
【0015】
有料駐車場では、各種の車が駐車するので標識板5を2個用意した。ポール4側から近い標識板は普通自動車用、次の標識板は小型自動車及び軽自動車用とした。車幅が2メートルを超える車両については、ポール4が標識板の代用となる。
バックで駐車場内に入ると、ドアミラーでは
図7の上段のようにポール4を含んで3個の棒が投影されるが、更にバックすると所有する車両に適合した標識が
図7の下段の図のように投影されてくる。標識板5の数量は、個人の駐車場では車種が決まっているので標識板5は、1個あれば十分であるが、来客や、買い替えで違う車種の駐車も考えられるので2個とした。なお、2個の標識5を白色、黄色などで着色すると識別しやすくなる、蛍光着色すれば夜間でも更に識別しやすくなる。
【0016】
本発明品は、単体でも使用できるが後部フレーム2のジョイントを四方向に交換して
図9のように左右を中継ぎで延長すると横一列の駐車場が可能となる。また、五方向のジョイントに交換して前後左右を中継ぎで延長していけば前後一列の駐車場となる。また本発明品のフレームワークは、二及び三方向のジョイントを用いて接続しているので、分解、搬送して現地で組み立てて臨時駐車場用設備として活用できる。
【0017】
従来の有料または月極めの駐車場では、駐車場の使用者の氏名または一連番号を路面上、もしくは駐車場に接する壁などに塗装しているが、使用者の更新がある都度、路面上や壁に記載した氏名などを削り消去しなければならないが、本発明品ではフレーム、ポールを使用しているので、使用者の氏名または一連番号を記載した看板をフレームやポールなどに取り付けて表示できる。使用者の更新があっても看板を張り替えるだけで良い。
【0018】
不整地の臨時駐車場では、地面に直接消石灰等でラインを引く、または紐を使用して区画ラインを表示するなど簡易な設備を施して駐車区域を示している。本発明品も、フレームワークを形成しないで、店舗前に飾る看板旗のように左右ポール4を台形の置石スタンド上に立てて簡易駐車位置誘導装置としても使用することが出来る。この場合、標識板5が同一直線上に並ぶように左右ポール4を配置する必要がある。