【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、リアルタイムに動きの練習を支持するための概念を提供することを目的とする。
当該目的は、独立請求項の特徴により解決する。有利な発展形態は、従属請求項、明細書及び図面の対象である。
【0005】
本発明は、目標位置は、オブジェクトの実際位置とは異なる場合に、当該オブジェクトが、当該オブジェクトの目標位置を決定し、かつ示すことにより実現されうるとの知見に基づく。このように、例えば、一実施形態でオブジェクトを構成するゴールは、既にトレーニング中でもリアルタイムで、ゴールキーパーに対するゴール中心とボールの接続ラインを、ゴールキーパーを目標位置として表示しうる。このように、ゴールキーパーが競技場の幾何学的特性に応じてより迅速にその動きを調整しうる。前記オブジェクトがボールである場合は、例えばサッカー選手の協同に対するボールの目標位置を、試合に応じて、他のサッカー選手の幾何学的位置の機能として、リアルタイムで目標位置を示しうる。
【0006】
これにより、技術戦術的なトレーニングの質をリアルタイムで最適化しうる。具体的には、ターゲットの動作は、既存の方法を用いて可能であったよりも極めて短期での習得とトレーニングの間隔で継続的なリアルタイムのフィードバックを介した、経験的統計モデル及び/又は決定論的モデル及び/又は混合モデルに基づき、標準値に基づいて定義されうる。特に、本発明は、例えば、スポーツトレーニング中の選手相互の技術戦術的な相互作用又は個々の投てき器具等を用いる等の複雑なプロセスを、詳細かつリアルタイムで分析したり、目標位置の比較に基づいてリアルタイムでトレーニングや試合を制御したりするのに貢献しうる。
【0007】
例えば、動作運動がリハビリテーション中にオブジェクトとして膝関節を用いて行われる場合、リハビリ患者の膝の領域に、膝の実際位置を示す位置センサがもたらされうる。例えば、運動中に所定の時間、膝が望ましくない位置にある場合、リハビリ患者に目標位置に達していないか又は膝が目標位置に達するために移動する方向に関する指標が示される。このように、リハビリテーションの進行を迅速に達成しうる。
【0008】
オブジェクトとしては、例えば、サッカーボールやテニスラケット、選手自身、頭や足等の選手の身体の一部があげられる。ある実施形態では、オブジェクトとしては、例えば、膝や肘関節等のリハビリ患者の身体の一部等のリハビリ患者でもよい。オブジェクトはさらに、安定性ボール(Gymnastikball)等のリハビリであってよい。
【0009】
第1の態様では、本発明は、オブジェクト
を伴う運動の練習をサポートするシステムであって、以下の:オブジェクトの実際位置を検出する検出手段;当該オブジェクトの目標位置を決定するための判定手段、及び当該目標位置の指標を表示するための表示手段を備え、当該実際位置が当該目標位置と異なる、システムに関する。
【0010】
目標位置の指標は、目標位置の表示又は目標位置
に到達していないという表示又は目標位置の方向の表示を含みうる。実際位置が目標位置と異なるか否かを判定するため、判定手段は、前記所望の位置と実際位置を比較しうる。ここで、実際位置と目標位置をデジタル位置データの形式で利用しうる。
【0011】
1の実施形態では、当該オブジェクトは、位置信号、特に、全地球
的測位
信号を送信する。当該検出手段は、当該位置信号を受信し、受信した当該位置信号に基づいて、当該オブジェクトの実際位置を決定するように構成される。当該位置信号を受信するために、当該検出手段は、位置信号を受信する受信アンテナを含んでよい。当該検出手段は、さらに、オブジェクトの実際位置を検出するために、受信した位置信号を処理するように構成されてよい。
【0012】
1の実施形態では、当該検出手段は、当該オブジェクトから反射された反射信号、特にレーダ信号又はレーザ信号を受信するように構成され、かつ、当該反射された反射物体に基づいて当該オブジェクトの実際位置を決定するよう構成される。このため、オブジェクトには、例えば、レーダ信号を反射する金属製でありうる反射面があってよい。
【0013】
1の実施形態では、当該検出手段は、送信信号、特に、レーダ信号又はレーザ信号が、反射信号を生成するために放射するように構成される。このために、検出手段は、指向性又は無指向性の送信信号であって、オブジェクトによって反射され反射信号が発生する、送信機、特に、送信アンテナを含んでよい。
【0014】
1の実施形態では、当該判定手段は、当該オブジェクトの所定の位置、特に、オブジェクトの1の予め設定可能な位置を目標位置として決定するように、構成される。当該オブジェクトの所定の位置は、例えば、可能な複数の目標位置から選択されうる。当該選択は、ランダム又は確定的(決定論的)であってよい。当該所定の確定的位置は、例えば、制御により特定しうる。
【0015】
1の実施形態では、オブジェクトはボールであり、当該判定手段は、検知壁のセンサ部を目標位置として決定、特に、選択するように、構成される。
【0016】
1の実施形態では、検知壁は、システムの要素である。別の実施形態では、検知壁はシステムの要素ではない。検知壁には、ボールを検出する圧力センサ等の少なくとも1つのセンサがあってよい。しかしながら、検知壁は、ボールの到着が、例えば、検知用壁の凹部又は凸部により、例えば、光学的に検出されうるような1の実施形態によって構成されてよい。
【0017】
このように、例えば、サッカー選手にボールの目標位置として、ゴールを表す検知壁の領域を表示しうる。サッカー選手は、このように急速に異なるボールシューティング練習を実行しうる。
【0018】
1の実施形態ではシステムでは、当該オブジェクトとしてセンサ領域にボールを出力する1又はそれ以上のボール供与を含みうる。ボール供与は、例えば選手に向かって、所定の方向にボールを送達するように構成されうる。表示手段は、目標位置としてセンサ領域を示す、検知壁によって構成されてよい。
【0019】
1の実施形態では、当該判定手段は、オブジェクトの実際位置に応じて目標位置を決定するように構成される。このように例えば、競技場での試合に応じた目標位置を動的に決定しうる。
【0020】
1の実施形態では、当該判定手段は、オブジェクトの実際位置及びオブジェクトが移動する領域、特に競技場の幾何学的特性に応じて目標位置を決定するか、又は、競技場の幾何学的特性、特にゴール中心(Tormitte)に対するオブジェクトの実際位置に応じて目標位置を決定するよう構成される。例えば、当該目標位置は、ボール位置に応じたゴール中心とボールの間を結ぶ線として決定されうる。
【0021】
1の実施形態では、当該判定手段は、
規則、特に生体力学的
規則により、目標位置を決定するように構成される。その場合、例えば、オブジェクトを移動させるリハビリ患者の身体成分は、目標位置を決定する際に、人体の生体力学的特性が考慮される。その場合、例えば、オブジェクトが移動されるリハビリ患者の身体部分である場合、目標位置を決定する際に人体の生体力学的特性が考慮される。しかし、生体力学的
規則はまた、リハビリ患者の年齢や当該患者の基本的移動性(grundsatzliche Beweglichkeit)を含みうる。このように、達成不可能な目標位置が決定され表示されるのを回避しうる。
1の実施形態では、当該判定手段は、連続する一連の補助位置としての目標位置を決定するよう
に構成される。例えば、移動工程を小さくしうるような連続する一連の補助位置により、最終的な目標位置に到達するまでの工程が簡略化される。
【0022】
1の実施形態では、当該検出手段は他のオブジェクトの他の実際位置を決定するように構成され、かつ、当該判定手段は、他の実際位置に応じて、特に他のオブジェクトの他の実際位置と比較して、前記目標位置を決定するように構成される。もし、オブジェクトが選手の場合、他のオブジェクトは他の選手でありえ、その結果、他の選手に対する当該選手の動きを練習しうる。たとえば、オブジェクトがボールである場合、他のオブジェクトはゴールキーパー等の選手でありえ、その反対であってもよい。これにより、ボールや選手の目標位置をたとえば、動的に決定し、他の目標位置の関数として表示しうる。
【0023】
1の実施形態では、当該判定手段は、前記実際位置を前記目標位置と関連付ける所定の制御により前記目標位置を決定するように構成される。当該制御は、例えば、選手の目標位置を他の選手の他の実際位置に対して関連付けうる。
【0024】
1の実施形態ではオブジェクトと他のオブジェクトがスキー板である。これにより、例えば、スキー板の位置は互いに、特にスキージャンプ中に表示されうる。
【0025】
1の実施形態では、当該検出手段は、他の複数のオブジェクトの他の実際の複数の位置を決定するように構成され、かつ、当該判定手段は、複数の他の実際位置に応じて当該オブジェクトの当該目標位置を決定するように構成される。他の複数の実際位置は、チームの選手の実際位置等により決定しうる。このように、個々の選手の目標位置は、チームについて決定及び/又は表示しうる。
【0026】
1の実施形態では、当該判定手段は、他の実際位置の
質量中心、特に、幾何学的又は
重量の
質量中心を決定し、かつ、前記
質量中心に応じて、特に
質量中心と比較して、前記目標位置を決定するよう
に構成される。重力の幾何学的
質量中心は、例えば、重力の幾何学的
質量中心を決定しうる
、それ自体公知の各アルゴリズムにより決定される。重み付けされた
質量中心は、他のオブジェクトの実際位置の重み付けされた実施形態によれば、例えば、重力の幾何学的
質量中心でありうる。重み付けは、ゴールキーパー等の選手の重要性を特定の試合状況について表現する。
【0027】
1の実施形態では、当該判定手段は、当該幾何学的
質量中心を当該目標位置と関連付ける所定の
規則により、当該幾何学的
質量中心に応じて当該目標位置を決定するように構成される。当該
規則は、経験に基づいて作成しうる。
【0028】
1の実施形態では、当該表示手段は、目標位置の指標としての目標位置それ自体若しくはオブジェクトの位置に対する目標位置の位置、特に、目標位置の方向の指標又は実際位置と目標位置との差の指標として、表示するように構成される。当該差は、例えば、周波数が変化するうなり(Schwebung)又は可変の周波数の音響信号により示すことができ、当該うなり周波数及び信号周波数は当該差に直接依存する。
【0029】
1の実施形態では、当該表示手段は、目標位置の指標を、音響的、光学的、音響光学的、触覚、特に、振動又は圧力表示により表示するように構成される。このため、当該表示手段は、選手等のユーザに目標位置に関する指標を示す、例えば触覚信号を生成するために、例えば、当該ユーザ等に着用されうる。しかし、表示手段は画面を含んでよく、又は、例えば、競技場又はヘルメットのひさし(Visier)のひさしのシールド(Visierscheibe)等のプロジェクション領域上のプロジェクションに指標を投影(projizieren)するよう設計しうる。
【0030】
1の実施形態では、当該オブジェクトは、ボール、特にサッカーボール、卓球ボール、テニスボール、ラグビーボール又はパックであり、当該表示手段は、
衝突するオブジェクトを検出するための検知壁を含み、当該表示手段は、特に、領域の照明若しくは照射による視覚的強調表示又は音響的強調表示により、目標位置の指標として検知壁の範囲を表示するように構成される。検知壁は、例えば上記検知壁のメルクマール又は前記検知壁に応じたメルクマールを含んでよい。
【0031】
1の実施形態では、当該表示手段は、ひさし又はプロジェクション装置、特にヘッドアップ投影装置を含み、かつ、ひさし上で、又は、特にひさしのシールド(Visierscheibe)又はフロントガラス上のプロジェクション領域上への投影により、目標位置の指標を投影装置により表示するように構成される。表示手段は例えばヘッドアップ投影装置を用いて車両のフロントガラス上やヘルメットのひさしのひさしシールド上の目標位置に関する指標を投影しうる。
【0032】
1の実施形態では、当該ひさしがスキーヘルメットのひさしであり、かつ、当該表示手段が、ひさし上で他のスキーに対して、実際位置又は少なくともスキー板の一方の指標を表示するように、特に、スキーの目標位置として表示するように、構成される。このように、スキージャンプの間、スキージャンパーに対して互いに直接スキーの目標位置を示しうる。このため、スキー板は、位置信号を送信する例えば送信機を備えうる。この場合、当該判定手段は、スキーヘルメット内に配置され、当該信号を受信しうる。
【0033】
これにより、互いのスキー板の配列又は位置だけでなく、例えば、生物力学的モデルにより事前に定義するか又は決定しうる目標位置と比較したスキー板の実際位置を示しうる。目標位置を決定する際、例えば、熱気流、横風、空気密度又は空気速度、特に、目標位置に関連する上記変数に関連付けられる所定の
規則に基づき検討されうる。
【0034】
1の実施形態では、当該オブジェクトは車両、特にそり又はボブスレーや自動車であり、かつ、当該表示手段が
、目標位置
に関する指標を
、ヘルメットのひさし上に理想的な車両のラインとして、又はフロントガラス上にプロジェクションとして、表示するよう
に構成される。1の実施形態の理想的な車両のラインは、実際の運転状況でのラップタイムが最短になりうる運転ラインである。
【0035】
1の実施形態では、当該オブジェクトはユーザ、特にゴルファーの少なくとも1の足であり、かつ、表示手段が、ユーザが位置する地面で少なくとも1の足の目標位置の指標を表示するように、特に投影(projizieren)するように構成される。当該指標は、例えば、支持面に投影することにより表示しうる。1の実施形態では、当該地面は、例えば目標位置として所望の足位置を示す、例えば、発光素子、特に、発光ダイオードを備えてよい。
【0036】
1の実施形態では、当該表示手段は、電子ディスプレイ上の目標位置の指標を表示するように構成される。当該判定手段はディスプレイを適切に制御するように構成されてよい。
【0037】
1の実施形態では、当該表示手段は、目標位置の指標を表示するスマートフォンのディスプレイを制御するように構成される。
【0038】
1の実施形態では、検出手段及び/又は判定手段及び/又は表示手段は、スマートフォン上で例えば、アプリケーションプログラムによるソフトウェアで実現しうる。
【0039】
1の実施形態では、当該表示手段は、特に、レーザープロジェクション又はLEDプロジェクションによる投光手段で運動場上の目標位置の指標を投影するように構成される。
【0040】
1の実施形態では、当該判定手段が、身体パラメータ、特に心拍数;心拍変動;体温;糖度又は酸素濃度又は呼吸速度又はペーシングレート又は速度等の血液パラメータの関数としての目標位置を決定するように構成される。身体パラメータは、例えば非接触センサを用いて決定でき、例えば当該検出手段で送信されうる。
【0041】
1の実施形態では、当該オブジェクトは、ゲーム機器、特に、テニスラケット、ゴルフクラブ、卓球ラケット等のラケット;フェンシング道具;ウェイト;ボール;パック;カール;ボート、特にカヌー、パドル等のボート;円盤投げやハンマーの投てき用具;自転車;ハンドル等の車輪要素;弓;矢;射撃道具;ヘルメット、アイススケート;ユニフォームのパーツ;スキー、スキービンディング、スノーボード、そりやボブスレー等の乗り物又は靴である。
【0042】
1の実施形態では、当該オブジェクトは、ユーザ、特に選手;又はユーザの身体の一部、特に頭部、額、後頭部、ナジオン、イニオン、耳介前点、頚椎、胸椎および腰椎脊柱、胸骨、肩突出;肘、手首、膝や足首等の関節、上前腸骨棘、大転子、つま先、かかと、へそである。
【0043】
1の実施形態では、当該オブジェクトはユーザの頭部であり、前記検出手段が頭部の位置を示す複数の位置信号を検出するように構成され、前記判定手段は、頭部の実際位置としての横断面を決定するように構成され、かつ、前記表示手段は、特に、音響的又は視覚的又は触覚的手段によって、目標位置に平行な横断面の指標を示すように構成される。
【0044】
1の実施形態では、当該判定手段が、位置を決定して位置信号の出力のため、ユーザの頭部に配置されうる複数の位置センサ及び横断面における頭部の回転方向に関する指標を表示するための複数の発光素子、特にLEDを備える。
【0045】
1の実施形態では、当該判定手段は、少なくとも一つの位置決定装置、特に実際位置を検出する位置送信機を備える少なくとも一つの位置決定装置、実際位置を検出するための、特に位置発信機を備える。当該位置送信機は、上記スキー板上又はその一方に配置しうる。一般に、当該実施形態により、本発明のシステムをユーザが装着しうる。
【0046】
1の実施形態ではシステムはさらに、オブジェクトをもたらすため、オブジェクトプロバイダー、特に、ボールプロバイダー又は
パックプロバイダーを備える。1の実施形態では、当該システムは、実際位置を検出するための複数の検出手段を備える。
【0047】
他の態様によれば、本発明は、オブジェクト
を伴う運動の練習をサポートする方法であって、前記実際位置が前記目標位置と異なる場合に、以下の:オブジェクトの実際位置を検出する工程;前記オブジェクトの目標位置を判定する工程;及び、前記目標位置の指標を表示する工程;を備える。この方法の他の特徴は、システムの機能又はシステムの特徴から直接誘導される。
【0048】
1の実施形態では、当該方法は当該システムにより実行しうる。他の態様では、本発明は、プログラムコードがコンピュータ上で実行される場合、本発明の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムに関する。
【0049】
本発明の他の実施形態は、添付の図面を参照しながら説明する。