(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165762
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】車両エンジン用の吸気システム
(51)【国際特許分類】
F02D 9/10 20060101AFI20170710BHJP
F02M 35/104 20060101ALI20170710BHJP
F02D 9/02 20060101ALI20170710BHJP
F02B 31/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
F02D9/10 H
F02M35/104 R
F02D9/10 C
F02D9/10 G
F02D9/02 361A
F02B31/00 540A
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-543952(P2014-543952)
(86)(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公表番号】特表2014-533808(P2014-533808A)
(43)【公表日】2014年12月15日
(86)【国際出願番号】FR2012052592
(87)【国際公開番号】WO2013079846
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】1160866
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508021716
【氏名又は名称】ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル、ルルー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン、レスティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン、ソラン
【審査官】
山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−297952(JP,A)
【文献】
特開2010−133275(JP,A)
【文献】
特開2000−080965(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0194060(US,A1)
【文献】
特開2011−106406(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19504256(DE,A1)
【文献】
特表2003−507632(JP,A)
【文献】
実開昭63−154729(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/10
F02B 31/00
F02D 9/02
F02M 35/104
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(2)、特にシリンダを備える車両の内燃エンジンのための吸気システム(1)であって、前記システム(1)は、エンジン(2)への吸気の進入を制御するための装置(3)を備え、前記装置が区画化されたガイド部品(6)の形態を成し、各区画室(9)がガスのための主ダクト(4)と副ダクト(5)とを備え、制御するための前記装置(3)は、それぞれが主ダクト(4)と副ダクト(5)とを画定する複数のモジュール(8)を備え、前記モジュール(8)は、互いに対して装着されるように形成される別個の部品を構成し、
前記各区画室(9)は、前記主ダクト(4)に対応する第1の開口(17)と前記副ダクト(5)に対応する第2の開口とを有するベースを備え、
制御するための前記装置(3)の前記ガイド部品(6)は、前記各区画室(9)がシリンダと対向して位置されるように前記エンジン(2)に固定されるべく構成される、吸気システム(1)。
【請求項2】
前記第1の開口(17)が円形であり、前記第2の開口が長方形であることを特徴とする、請求項1に記載の吸気システム(1)。
【請求項3】
前記各区画室(9)は、前記主ダクト(4)内のガスの通過を調整するために設けられる可動フラップ(14)を更に備える、請求項1又は2に記載の吸気システム(1)。
【請求項4】
前記各フラップ(14)は、前記ガイド部品(6)を通過するシャフト(13)周りに回動可能に装着される、請求項3に記載の吸気システム(1)。
【請求項5】
全ての前記区画室(9)が前記ガイド部品(6)内で連続して一直線に並べられ、2つの連続する前記区画室(9)が溝(11)を備える壁(10)によって分離され、前記溝(11)は、前記シャフト(13)を受けることができる不連続な直線状のチャネルを形成するように同じ軸に沿って一直線に合わせられることを特徴とする、請求項4に記載の吸気システム(1)。
【請求項6】
前記フラップ(14)の位置が前記シャフト(13)に沿って調整され得ることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の吸気システム(1)。
【請求項7】
2つの連続する前記フラップ(14)を離間させる距離が前記シャフト(13)に沿って一定であることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の吸気システム(1)。
【請求項8】
前記シャフト(13)に装着される全ての前記フラップ(14)が互いに平行であることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の吸気システム(1)。
【請求項9】
前記各モジュール(8)には円筒状の主チャネル(4)と平行六面体状の副チャネル(5)とが設けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の吸気システム(1)。
【請求項10】
前記ガイド部品が前記区画室(9)を有する支持部品(6)を成し、前記モジュールが前記区画室(9)を占めることができる、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸気システム(1)。
【請求項11】
前記各モジュール(8)が部品から成り、前記部品の輪郭は、前記各モジュール(8)が前記各区画室(9)内で入れ子にされ得るように前記区画室(9)の輪郭と同様であることを特徴とする、請求項10に記載の吸気システム(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の吸気システム(1)の制御するための装置(3)をエンジン(2)に装着するための方法であって、前記モジュール(8)の互いに対する装着と、前記エンジン(2)に対する制御するための前記装置(3)の固定とを備え、前記各区画室(9)が前記エンジン(2)のシリンダと対向して位置されることを特徴とする方法。
【請求項13】
制御するための前記装置(3)が請求項4に記載の装置であり、フラップ(14)を備える前記シャフト(13)は、区画化された支持部品(6)内に、前記各フラップ(14)が各区画室(9)のベースに位置されるように配置されるステップを更に備える、請求項12に記載の装着方法。
【請求項14】
前記各フラップ(14)は、前記各シリンダと前記各モジュール(8)との間に配置されて、シリンダを部分的に画定することを特徴とする、請求項13に記載の装着方法。
【請求項15】
制御するための前記装置(3)が請求項11に記載の装置であり、以下のステップ、
前記各モジュール(8)が、前記主ダクト(4)を前記フラップ(14)と合致させるように前記支持部品(6)の前記各区画室(9)内へ別々に導入され、前記シャフト(13)が前記支持部品(6)と前記モジュール(8)のそれぞれとの間に位置されるステップと、
前記各区画室(9)内に前記各モジュール(8)を固定するステップと、
を備えることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃エンジンのための吸気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンは燃焼室を画定するシリンダを備え、また、内燃エンジンには、しばしば、車両の異なる走行段階中に前記燃焼室内での燃焼状態を最適化するために前記シリンダ内へ運ばれるガス流を調整できるようにする制御装置が設けられる。この最適化は、前記シリンダの上流に位置されるとともに燃焼室内に例えば「旋回」流などの特定の旋回動を形成するように構成されるガス供給ダクトの存在によって得られる。この旋回流によって、シリンダの回転軸周りの回転速度が吸気段階中に燃焼室内へ導入される新鮮なガスへ伝えられ、それにより、新鮮ガス−燃料混合物の均質性が向上される。具体的には、前記「旋回」流は、一般に、主ダクトと副ダクトとを含む2つの供給ダクトをシリンダごとに用いて得られ、主ダクトの閉塞が前記旋回流の形成をもたらす。主ダクトを通過するガスの流量は、シャフトに装着されるフラップを回動させることによって調整され、前記フラップは、前記主ダクトを完全に開放できるようにするかまたは前記主ダクトを部分的にもしくは完全にシールできるようにする。したがって、異なる所望の効果を任意の瞬間に正確な十分に制御される態様で得るためには、シリンダ内へ導入される異なるガス流を経時的に注意深く制御することが特に重要である。前記シリンダ内へ注入されるガスは殆どの場合に空気から成るが、例えば、既に燃焼に晒された排ガスをシリンダの上流で再注入できる高圧EGR(排ガス再循環)回路の存在を考慮に入れるために、明細書本文の全体にわたって一般用語「ガス」が使用される。
【0003】
シリンダへの入力ガス流を制御するための装置が設けられる吸気システムは、存在しており、既に特許の対象となってきた。例えば、そのようなシステムに関連する欧州特許第0726388号明細書を挙げることができ、このシステムにおける、シリンダ内へ導入されるガス流を制御するための装置は、2つのハーフシェル間に取り囲まれかつフラップが設けられる回動シャフトを備え、前記シャフトの回転は、大なり小なり同時に、フラップの大なり小なり回転をもたらし、フラップの傾きが、各シリンダへの入力ガス流を調整し、または、ガス流の遮断を引き起こす。このタイプの制御装置に伴う主な欠点は、エンジンの単一の形態のために与えられる所定の形状を有するという点、および、容易に変更できず、また、様々なタイプのエンジンに迅速に適合できないという点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0726388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る吸気システムには、車両の内燃エンジンのシリンダの入口への入力ガス流を制御するための装置が設けられ、該装置は、エンジンの特定の形態に容易に適合され得る。より具体的には、前記装置は、それらのシリンダの位置や形状によって互いに差別化される複数のエンジンに対して前記装置を非常に効率良くさせるために、実施が簡単で迅速な小さな変更によって調整できる。このようにすると、制御装置の完全な再機械加工を要することなく、そのような制御装置を小さな変更によって調整できるため、制御装置は、僅かなコストで非常に効率的なままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主題は、シリンダを備える車両の内燃エンジンのためのガス吸気システムであり、前記システムには、区画化されたガイド部品の形態を成す、シリンダへの前記ガスの進入を制御するための装置が設けられ、各区画室は、ガスのための主ダクトと副ダクトとを備えることに加えて、主ダクト内のガスの通過を調整するように形成される可動フラップを備え、各フラップは、ガイド部品を通過するシャフト周りに回動可能に装着され、また、前記部品は、各区画室がシリンダと対向して位置されるようにエンジンに固定される。本発明に係る吸気システムの主な特徴は、制御するための装置が、区画室を伴う支持部品と、フラップが設けられるシャフトと、それぞれが主ダクトと副ダクトとを画定して区画室を占めることができる複数のモジュールとを備え、支持部品、シャフト、および、各モジュールが、互いに対して装着されるように形成される別個の部品を構成するという点である。このようにすると、制御するための装置は、それら自体の機能を有する複数の部品、すなわち、
− 制御するための装置をエンジンに固定するのに役立つ支持部品、
− 主ダクトのシールまたは開放を確保するフラップを備えるシャフト、
− 各シリンダへガスを案内して導く役目を果たす複数のモジュールへと分解される。
【0007】
したがって、前述した部品は、特定の配置および/または形状を伴うシリンダを有するエンジンに対して、制御するための装置を適合させることができるように、個別にまたはグループ化された態様で変更され得る。フラップは、同時にまたは個別におよび互いに独立に制御されてもよい。高性能工具の複雑な取り扱いまたは使用を伴うことなく、シャフトに沿うフラップの位置も容易に調整できる。各モジュールは、それが画定する2つのダクトの寸法を前記モジュール内のダクトのそれぞれの位置に加えて変えるように変更されてもよい。モジュールは、全てが同時に変更されてもよく、または、要件にしたがって個別に変更されてもよい。このように、本発明に係る吸気システムを制御するための装置は、複数の部品へと分解することにより、制御するための前記装置を構成する前記部品のうちの1つ以上に対して行なわれる多かれ少なかれ重要な変更を用いて、エンジンの特定の形態に容易に適合させることができる。なお、シャフト上のフラップの位置は、前記モジュールが区画室内に配置された時点で、フラップがモジュールの主ダクトと効率的態様で協働できるように、モジュールの主ダクトの位置に合わせて調整されなければならない。本発明に係る制御するための装置により得られる更なる重要な利点が、前記装置を構成する部品の全てが互いに可逆的に装着されるという点であることは、注目に値する。言い換えると、制御するための装置が組み付けられると直ぐに、該装置は、前記部品の急速で簡単な取り外しにより、部分的にまたは完全に容易に分解される。
【0008】
好適には、各区画室は、主ダクトに対応する第1の開口と副ダクトに対応する第2の開口とを有するベースを備える。前記開口の輪郭は、主ダクトおよび副ダクトの輪郭と同様であり、また、各モジュールは、その2つのダクトを区画室の対応する開口と合致させるように区画室内に挿入される。前記開口は、良好なシールを保証しつつ、各モジュールの供給ダクトとの連続性を確保できるようにする。
【0009】
好ましくは、第1の開口が円形であり、第2の開口が長方形である。このようにすると、主ダクトが円筒状であり、副ダクトが平行六面体形状を成す。円形断面の主ダクトの選択は、それが前記ダクトをシールするために円形フラップの位置決めを伴うという事実によって正しいと判断される。より具体的には、円形形状のフラップは、任意の他のタイプのフラップよりも機械加工が容易である。また、主ダクトの円形端部に適用される円形フラップは、それがシール形態で位置されるときに、より良好なシールを促進させる。
【0010】
好ましくは、全ての区画室は、支持部品内で互いに連続して一直線に並べられ、2つの連続する区画室が溝を備える壁によって分離され、前記溝は、シャフトを受けることができる不連続な長方形のチャネルを形成するように同じ軸に沿って一直線に合わせられる。各溝を直線状のスロットへと同化させることができ、また、全ての溝はシャフトを受けるように形成される。したがって、支持部品は、制御するための装置内でシャフトを所定位置に保持する役目を果たす。
【0011】
好適には、フラップの位置がシャフトに沿って調整され得る。更なる調整のこの可能性は、前記装置の可能な形態を増やすことにより、制御するための装置の使用の柔軟性を僅かに高める。特に、2つの連続するフラップ間の間隔をエンジンの2つの連続するシリンダの離間距離に適合させることができる。
【0012】
好適には、2つの連続するフラップを離間させる距離がシャフトに沿って一定である。この実施形態は、通常において当てはまる、同一距離だけ離間される複数のシリンダを備えるエンジンに適用できる。
【0013】
好ましくは、シャフトに装着される全てのフラップが互いに平行である。このようにすると、全てのフラップが同時に主ダクトに対して同じ位置をとり、この実施形態は、一方のシリンダから他方のシリンダへガスを注入するための同じ方策を表わす。
【0014】
好ましくは、各モジュールが部品から成り、該部品の輪郭は、各モジュールが各区画室内で入れ子にされ得るように区画室の輪郭と同様である。したがって、主ダクトと副ダクトとを有する各モジュールは、同じ形状および同じ寸法を成すが変更された主ダクトおよび副ダクトを有するモジュールに取って代えられてもよい。このようにすると、幾つかのモジュールを備える制御するための装置は、前記モジュールに関して複数の想定し得る組み合わせを与え、したがって、前記装置の想定し得る実施を大きく高めることができるようにする。モジュールおよび支持部品が1つの同じ部品を構成する制御するための装置の形態と比べて、本発明に係る吸気システムを制御するための装置は、それをモジュールの簡単な置き換えによって完全に機械加工する必要なくかなりの数の変形へと分解できるという点において更に一層有利である。各モジュールの対応する区画室内への入れ子は、力ずくでまたは隙間が残存できるようにすることによって行なわれてもよい。
【0015】
好適には、各モジュールに円筒状の主チャネルと平行六面体状の副チャネルとが設けられる。
【0016】
また、本発明は、内燃エンジンへのガスの進入を制御するための装置を装着するための方法に関し、前記装置は本発明に係る吸気システムに属する。本発明に係る装着方法の主な特徴は、それが以下のステップを備えるという点である。
【0017】
− フラップを備えるシャフトは、区画化された支持部品内に、各フラップが各区画室のベースに位置されるように配置される、
− 各モジュールは、主ダクトをフラップと合致させるように支持部品の各区画室内へ別々に導入され、シャフトが前記支持部品と前記モジュールのそれぞれとの間に位置される、
− 各区画室内に各モジュールを固定する、
− 組み付けられた制御のための装置をエンジンに固定する。
【0018】
好適には、制御するための装置は、各区画室がシリンダと対向して位置されるようにエンジンに固定され、各フラップは、各シリンダと各モジュールとの間に位置されて、前記シリンダのそれぞれを部分的に画定する。
【0019】
本発明に係る吸気システムは、それらがシリンダへのガスの進入を制御するためのモジュールである装置を使用するため、使用に柔軟性があるという利点を有する。より具体的には、前記装置が複数の別個の部品から成るため、前記装置を構成する特定の部品に対してのみ変更がなされることにより、前記装置の完全な再機械加工を行なう必要なく、装置をエンジンの特定の形態に容易に適合させることができる。また、制御するための装置は、異なる形態において再使用される目的で、完全にまたは部分的に容易に分解され得るという利点も有する。
【0020】
また、本発明は、エンジン、特にシリンダを備える車両の内燃エンジンへの吸気の進入を制御するための装置であって、前記装置が区画化されたガイド部品の形態を成し、各区画室がガスのための主ダクトと副ダクトとを備える装置において、制御するための装置が、それぞれが主ダクトと副ダクトとを画定する複数のモジュールを備え、モジュールが、互いに対して装着されるように形成される別個の部品を構成することを特徴とする装置に関する。
【0021】
言い換えると、モジュールは、装着作業後に一緒に固定されるように形成される別個の部品である。
【0022】
装置は、前記吸気システムを制御するための装置に関して前述した特徴のうちのいずれか1つを有してもよい。
【0023】
特に、前記装置の一実施形態において、各区画室は、主ダクト内のガスの通過を調整するために設けられる可動フラップも備える。各フラップは、ガイド部品を通過するシャフト周りに回動可能に装着されてもよい。
【0024】
前記装置の一実施形態では、全ての区画室がガイド部品内で連続して一直線に並べられ、2つの連続する区画室が溝を備える壁によって分離され、前記溝は、前記シャフトを受けることができる不連続な直線状のチャネルを形成するように同じ軸に沿って一直線に合わせられる。
【0025】
前記装置の一実施形態では、ガイド部品が区画室を有する支持部品を成し、モジュールが前記区画室を占めることができる。支持部品およびモジュールは、互いに対して装着されるように形成される別個の部品を構成する。
【0026】
また、本発明は、エンジン、特にシリンダを備える車両の内燃エンジンのための吸気システムであって、前記システムには、本発明に係るガスの進入を制御するための装置が設けられ、制御するための装置のガイド部品は、各区画室がシリンダと対向して位置されるようにエンジンに固定されるべく構成される、吸気システムに関する。
【0027】
更に、本発明は、本発明に係る制御するための装置をエンジンに装着するための方法であって、モジュールの互いに対する装着と、エンジンに対する制御するための装置の固定とを備え、各区画室がエンジンのシリンダと対向して位置されることを特徴とする方法に関する。
【0028】
各区画室がシャフト周りに回動可能に装着されるフラップを備える1つの実施形態において、装着方法は、フラップを備えるシャフトが、区画化された支持部品内に、各フラップが各区画室のベースに位置されるように配置される、ステップも備える。各フラップは、各シリンダと各モジュールとの間に配置されてもよく、また、シリンダを部分的に画定してもよい。
【0029】
装置が支持部品とモジュールとを更に備え、モジュールの輪郭が支持部品の区画室の輪郭と同様であるこの実施形態の変形において、装着方法は、以下のステップ、すなわち、
− 各モジュールが、主ダクトをフラップと合致させるように支持部品の各区画室内へ別々に導入され、シャフトが前記支持部品と前記モジュールのそれぞれとの間に位置されるステップと、
− 各区画室内に各モジュールを固定するステップと、
を備えてもよい。
【0030】
以下、添付図面の図を参照して、車両の内燃エンジンの吸気システムの好ましい実施形態の詳細な説明が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係る吸気システムで使用される制御のための装置であって、エンジンのシリンダ内へ導入されるガス流を調整できるようにするための装置の分解斜視図である。
【
図2】組み立てられた
図1の制御のための装置を示す、車両の内燃エンジンに装着された本発明に係る吸気システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る吸気システムの好ましい実施形態の詳細な説明に関しては、エンジン2のシリンダ内へ注入されるガスが空気から成るものとする。
【0033】
図1および
図2を参照すると、本発明に係る吸気システム1は、車両の内燃機関のエンジン2の4つのシリンダへの空気の供給を可能にし、前記シリンダは、新鮮な空気/燃料の混合が内部で行なわれる燃焼室を画定する。この吸気システム1は、空気/燃料混合物の均質化を目的として、特に燃焼室の内側で旋回動をもたらすために、各シリンダへ供給されるようになっている入力空気流を制御するための装置3の使用を伴う。前記旋回動のうちでは、吸気段階中にシリンダの回転軸周りの回転速度を燃焼室内へ導入される新鮮な空気へ伝えることから成る「旋回」流が特に望ましい。これは、導入される空気と燃料との間の混合状態を向上させることに旋回流が大きく寄与するからである。この「旋回」流は、一般に、各シリンダの上流に位置される主ダクト4および副ダクト5を用いて得られ、主ダクトの閉塞が「旋回」流の形成をもたらす。
【0034】
図1を参照すると、制御するための装置3は、一体を成す支持部品6と、シール部材7と、4つの別個の供給モジュール8とから成る。支持部品6は、4つの同一のハウジング9がそれらの長さに沿って一直線に並べられて形成されるようにする長方形状の仕切り付きフレームへと同化され得る長尺部品である。各ハウジング9は略平行六面体形状を成しており、また、2つの連続するハウジング9は、直線状スロットに類似する溝11を備える壁10によって分離され、支持部品6の内側の前記溝11は、直線状の不連続なチャネルを形成するように前記支持部品6の同じ長手方向軸に沿って一直線に合わせられる。各ハウジング9は、前記ハウジング9のベースを形成する平面壁16によって画定され、前記壁16は、長方形断面の開口と、円形断面の開口17とを有する。この支持部品6は、均一な厚さを有するとともに、それぞれが4つのオリフィス12を有する2つの平行な列を備え、前記オリフィス12は、4つのハウジング9のそれぞれの4つの頂点の領域に位置されるとともに、固定ネジが通過されるように形成され、2つの連続するハウジング9が2つのオリフィスを共有する。シール部材7はシャフト13から成り、該シャフト上に4つの平面状の円形フラップ14が装着され、また、前記シャフト13上におけるフラップの位置は、シャフト上でスライドさせることによって調整できる。このようにすると、前記フラップ14は、エンジン2のシリンダの特定の間隔に適合されるようにシャフト13に沿う可変位置をとることができる。前記フラップ14は、全てが互いと平行になることによってシャフト13に固定され、したがって、シャフト13の回転中に同時に回動される。4つの供給モジュール8は、全てが同一であり、それぞれが支持部品6のハウジング9を占めるように形成される。モジュール8は、略平行六面体形状のコンパクトなハウジングへと同化され得るとともに、モジュールの輪郭は、理想的には支持部品の内部に入れ子にされ得るように、支持部品6のハウジング9の輪郭と同様である。各モジュール8は主ダクト4と副ダクト5とを備え、主ダクト4が略円筒状であり、また、副ダクト5が略長方形断面を有する。各モジュール8の内側には、2つのダクト4,5が、それらの対称軸が平行であるように互いに隣接して配置される。各モジュール8は、支持部品6に固定される目的で固定ネジを受けるべく設けられるオリフィス15を有する。各モジュール8は、支持部品6内に入れ子にされ得るように、均一な外輪郭を有さなければならない。逆に、2つのダクト4、5の形状、該ダクトの寸法、並びに、同じモジュール8内でのこれらのダクトの配置は調整可能である。また、各モジュール8には、シール部材7のシャフト13と相互に作用するための切り欠き18も設けられる。
【0035】
図2を参照すると、本発明に係る吸気システムを制御するための装置3であって、エンジン2のシリンダ内の入力空気流を調整するように形成される装置3を装着するための方法は、以下のステップを備える。
【0036】
− そのフラップ14が設けられるシャフト13は、各円形フラップ14が各区画室9のベース16の円形開口17と対向して配置されるように、支持部品6の溝11から成る直線状の不連続なチャネル内に配置される。
【0037】
− その後、各モジュール8は、その主ダクト4がフラップ14と合致できるように、支持部品6の各区画室9内へ別々に移動され、シャフト13が前記支持部品6と前記モジュール8のそれぞれとの間に位置される。区画室9内への各モジュール4の導入は、前記モジュール4のそれぞれの切り欠き18内へのシャフト13の位置決めに対応する。
【0038】
− 前記モジュール8のオリフィス15を通り抜けるネジを用いてモジュール4を支持部品6内へ固定する。
【0039】
− 組み付けられた時点で、制御するための装置3は、同様にネジによってエンジン2に固定され、前記固定は、各区画室9がシリンダと対向して位置されるようにかつ各フラップ14が各シリンダと各モジュール8との間に配置されてシリンダを部分的に画定するように行なわれる。
【0040】
勿論、本発明は、記載された例に限定されず、特許請求項の範囲によって規定される。