(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動力駆動器具ヘッドは、外側構造体と前記外側構造体内に配置された切断シャフトとを含み、前記切断シャフトは、前記動力アクチュエータに結合されると共に前記動力アクチュエータが作動されると、前記外側構造体に対して回転するよう構成されている、請求項1に記載の内視鏡器具。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で記載した技術は、患者から複数ポリープの標本を容易かつ効率的に採取できる改良型内視鏡器具に関する。特に、この改良型内視鏡器具は、患者の体内の治療部位からこの内視鏡器具を除去することなく、1つまたは複数のポリープから標本のデブリードマンを行いかつデブリードマンを行った標本を回収できる。
【0026】
本開示は、図面と合わせて読まれるべき次の説明を介すれば完全に理解されるはずである。この説明では、類似の番号は本開示の異なる実施形態においても類似の要素を示す。この説明において、請求項は実施形態に関連して説明する。当業者であれば、本明細書に記載された方法、装置、およびシステムは例示的なものにすぎず、本開示の精神と範囲を逸脱することなく変更可能であることは理解するはずである。
【0027】
図面を参照すると、
図1Aは、本開示の実施形態による内視鏡の部分透視図を示す。本開示は、任意種類の内視鏡と共に使用するよう適合された内視鏡器具に関するものだが、本開示の教示は、結腸鏡のような下部消化管鏡と共に使用する内視鏡器具に関する。しかし、本開示の検査鏡は、消化管鏡と共に使用する内視鏡器具に限定されるものではなく、胃鏡および喉頭鏡または患者を治療するために使用できる他種類の医療用具を含むがそれらに限定されない任意種類の内視鏡に及ぶ。
【0028】
様々な実施形態によれば、典型的な下部消化管鏡100は、第1端部すなわちヘッド部102から第2端部すなわちハンドル部まで延伸する概ね柔軟な部材を含む。 ヘッド部102は、ヘッド部102の先端部104を旋回させて半球空間内の任意方向に配向するよう構成できる。ハンドル部は、操作者が2つの操舵輪を用いて結腸鏡を結腸内の対象領域に向けて導き、かつ結腸分節の間の角を曲がることを可能とする制御手段を備えている。
【0029】
一連の器具が検査鏡の先端部104の前面106に配置されており、それらは、概して水路108と呼ばれる上記領域を水で洗浄するための1つまたは複数の水路108A-108Nと、概して光源110と呼ばれる1つまたは複数の光源110A-110Nと、カメラレンズ112と、幾つかの動作を実行するために内視鏡器具を挿入できる器具チャンネル120とを含むがそれらに限定されない。器具チャンネル120は、使用している内視鏡100の種類によって様々なサイズとすることができる。様々な実施形態では、器具チャンネル120の直径は約2mmから6mm、より具体的には約3.2mmから4.3mmまでの範囲とすることができる。幾つかのより大型の検査鏡であれば、2つの用具を患者に同時に挿入できるように2つの器具チャンネル120を具備していてもよい。しかし、より大型の検査鏡は患者に不快感を与えることもあり、小さい腔所を介して患者の体内に挿入するには大きすぎることがある。
【0030】
図1Bは、本開示の実施形態による内視鏡器具150の透視図を示す。内視鏡器具150は、
図1Aに示した内視鏡100の器具チャンネル120を介して送り込まれるよう構成されている。内視鏡器具150は、
図1Aに示した内視鏡100の器具チャンネル120などの内視鏡の器具チャンネル内に挿入されるよう構成されている。幾つかの実装例では、内視鏡器具150は、当該内視鏡の器具チャンネルの内径より小さい外径となるよう寸法決めすればよい。幾つかの実装例では、内視鏡器具150は、当該内視鏡を巻いたり曲げたりした際に器具チャンネル内に摺動挿入できるほど十分に小さい外径となるよう寸法決めできる。この内視鏡が巻かれたり曲げられたりすると、器具チャンネルは、1つまたは複数の湾曲部または曲がりを含む蛇行状経路を形成できる。1つの代表的な実装例では、内視鏡は、当該内視鏡が直線状となった状態で内径が約4.3mmとなる器具チャンネルを含む。しかし、この内視鏡が巻かれたり曲げられたりすると、この内視鏡の曲がりの近傍部分は、約4.3mmの内径より小さい隙間となることがある。幾つかの実装例では、この内視鏡は、それを直線状にしたときに得られる4.3mmでなく約3.8mmとなりうる隙間を備えることがある。従って、実装例によっては、内視鏡器具150は、一緒に使用する内視鏡が巻かれたり曲げられたりした場合でも、その内視鏡の器具チャンネル内に摺動挿入できるよう寸法決めできる。
【0031】
幾つかの実装例では、内視鏡器具150は、被験者の体内の部位で物質を切除するよう構成された動力駆動器具ヘッド160を含む。動力駆動器具ヘッド160は、遠位端162および近位端161を含む。動力駆動器具ヘッド160の遠位端162には、切除された物質が内視鏡器具150に進入する物質進入ポート170が形成されている。動力駆動器具ヘッド160は、組織および他の物質を切断するよう構成された切断部を遠位端162に含むことができる。
【0032】
本体152は、ヘッド部155および柔軟部165を含む。本体152のヘッド部155の遠位端156は、動力駆動器具ヘッド160の近位端161に結合されている。幾つかの実装例では、本体152のヘッド部155は、動力駆動器具ヘッド160を駆動するよう構成されている。ヘッド部155の近位端158は、柔軟部165の遠位端166に結合できる。柔軟部165の近位端176には物質排出ポート175が形成されている。柔軟部165は、中空の柔軟管状部材を含むことができる。
【0033】
この内視鏡器具は、動力駆動器具ヘッド160の物質進入ポート170から柔軟部165の物質排出ポート175まで延伸する吸引チャンネルを含むこともできる。幾つかの実装例では、吸引チャンネルは、動力駆動器具ヘッド160と、本体152のヘッド部155と、本体の柔軟部165とにより形成されている。柔軟部165の近位端176は真空源に結合され、内視鏡器具150が内視鏡の器具チャンネル内に配置されている際には、物質進入ポート170を介して吸引チャンネルに入る切除された物質は、物質排出ポート175で吸引チャンネルから除去される。
【0034】
ヘッド部155は、内視鏡器具150が内視鏡の器具チャンネルに摺動挿入できるように構成された外径を備えたハウジングを含んでいる。幾つかの実装例では、ヘッド部155は、動力駆動器具ヘッド160を駆動するよう構成された動力アクチュエータを含むことができる。幾つかの実装例では、動力アクチュエータはヘッド部155内に設けられている。幾つかの実装例では、動力アクチュエータは、内視鏡の器具チャンネルに挿入できる内視鏡器具150の部分の外部に配置されている。幾つかの実装例では、動力アクチュエータは、動力アクチュエータが発生する運動を動力駆動器具ヘッドに伝達可能なシャフトを介して動力駆動器具ヘッドを駆動できる。幾つかの実装例では、動力アクチュエータは内視鏡器具150の一部ではなく、動力駆動器具ヘッド160に結合されている。幾つかの実装例では、このシャフトは柔軟性シャフトでよい。幾つかの実装例では、この柔軟性シャフトは柔軟性トルクコイルとすることができ、その付加的な詳細は
図19A-19Cを参照して後述する。
【0035】
内視鏡器具150は、内視鏡の器具チャンネル内に挿入できるよう寸法決めできる。幾つかの実装例では、内視鏡器具150は、内視鏡が被験者に挿入されている間は、当該内視鏡の器具チャンネルに挿入できるように寸法決めすればよい。幾つかのそうした実施形態では、例えば結腸鏡のような内視鏡は曲げられたり湾曲されたりすることがあり、よって内視鏡器具150は、曲げられたり湾曲されたりした内視鏡に挿入できるように寸法決めする必要がある。
【0036】
幾つかの実装例では、内視鏡器具150のヘッド部155および動力駆動器具ヘッド160は、実質的に硬くすなわち剛性があるが、柔軟部165は比較的柔軟またはしなやかとすればよい。ヘッド部155および動力駆動器具ヘッド160は実質的に剛体でよい。従って、そうした幾つかの実装例では、ヘッド部155および動力駆動器具ヘッド160は、少なくとも厚さと長さを寸法決めすることで、内視鏡の器具チャンネルに内視鏡器具150が挿入されている間は、内視鏡器具150は急な曲がりや湾曲を通過できるようになる。幾つかの実装例では、動力駆動器具ヘッド160の長さは約0.2インチ〜2インチ、約0.2インチ〜1インチ、または実装例によっては、0.4インチ〜0.8インチの間とすることができる。幾つかの実装例では、動力駆動器具ヘッド160の直径は約4.0インチ〜1.5インチ、約0.6インチ〜1.2インチ、および0.8インチ〜1インチの間とすることができる。幾つかの実装例では、本体のヘッド部155の長さは約0.5インチ〜3インチ、約0.8〜2インチ、および1インチ〜1.5インチの間とすればよい。
【0037】
柔軟部165の長さは、ヘッド部および動力駆動器具ヘッド160の長さよりかなりおよび/または比較的長くてよい。幾つかの実装例では、柔軟部165は十分長くして、内視鏡器具の組み合わせた長さが、この器具を挿入できる内視鏡の器具チャンネルの長さを上回るようにできる。従って、柔軟部165の長さは、約36インチ、約45インチ、または約60インチを上回る長さを備えることがある。他種類の内視鏡と共に使用するよう構成された内視鏡器具に関しては、柔軟部の長さは36インチ未満でもよいが、そうした内視鏡器具の本体は、当該器具が組み合わせて使用される内視鏡の長さと概ね同じかまたはそれを上回るような長さとすればよい。
【0038】
柔軟部165の外径は、この内視鏡器具を内視鏡の器具チャンネルに挿入できるように構成することができる。幾つかの実装例では、柔軟部165の外径は、内視鏡の器具チャンネルの対応する内径より小さくなるように寸法決めできる。幾つかの実装例では、内視鏡器具は、当該内視鏡を巻いたり曲げたりした際にその内視鏡内に摺動挿入できるほど十分に小さい外径となるよう寸法決めすればよい。例えば、内視鏡は、当該内視鏡が直線状となった場合は内径が約4.3mmとなる器具チャンネルを含むことができる。しかし、この内視鏡が巻かれたり曲げられたりすると、この内視鏡の曲がりの近傍部分は、約4.3mmの内径より小さい隙間となることがある。幾つかの実装例では、この内視鏡は、僅か3.6 mmでよい隙間を備えることができる。従って、実装例によっては、内視鏡器具は、内視鏡が巻かれたり曲げられたりした場合でも、その内視鏡の器具チャンネル内に摺動挿入できるよう寸法決めできる。
【0039】
図2Aおよび2Bならびに3Aおよび3Bは、本開示の実施形態による、
図1Aに示した内視鏡と結合する内視鏡器具の側面透視図を示す。内視鏡器具220は、内視鏡100の器具チャンネル120を介して送り込まれるよう構成されている。
図2Aおよび2Bに示したように、内視鏡器具220は内視鏡100の先端部104の外に突出でき、
図3Aおよび3Bは、内視鏡工具220を内視鏡内に引き込ませて、内視鏡器具220のいずれの部分も内視鏡100の先端部104から突出しないようにできることを示す。
図4を参照して詳述するように、内視鏡器具220は、内視鏡器具220を内視鏡100から除去することなく、ポリープを切断またはデブリードマンし、デブリードマンを行ったポリープを治療部位から得ることができる。
【0040】
図4Aは、本開示の実施形態による、内視鏡100と共に使用するよう適合された内視鏡器具220の分解組立図を示す。内視鏡器具220は、患者の体内で成長したポリープのデブリードマンを行うためのデブリードマン要素と、手術部位からデブリードマンを施されたポリープを回収するための標本回収要素とを含む。内視鏡器具220はキャップ420に結合されたチュービング410を含む。様々な実施形態では、キャップ420はチュービング410と密封係合することができる。キャップ420は、心棒430の第1部分において心棒430と一直線に合わせることができる。様々な実施形態では、心棒430は実質的に中空でよい。心棒430はローター440に結合でき、ローター440は心棒430を回転させるよう構成されている。心棒430の第2部分は、外側ブレード460と相互作用するよう構成できる内側ブレード450を含む。幾つかの実装例では、外側ブレード460は洗浄チャンネル(図示しない)を形成するギャップにより内側ブレードから離間できる。
図2Aおよび3Aに関連してすでに示したように、ケーシング470は、キャップ420およびローター440を取り囲むよう構成されている。ワッシャー、ベアリング、シールなどの他の構成要素も内視鏡器具220に含まれうることは理解すべきである。
【0041】
図4Bは、内視鏡内視鏡器具の器具チャンネルに部分的に挿入された内視鏡器具の概略図である。様々な実施形態では、これらキャップ、コネクタ、ローター、およびケーシングは、射出成形プラスチック製でよい。心棒およびカニューレは外科手術用の鋼材から作製すればよく、管はシリコンから作製すればよい。しかし、これらの材料は使用可能な材料の例にすぎないことは理解すべきである。通常の技能を備えた当業者であれば、上述のものに代えて他の材料を使用してもよいことは理解するはずである。
【0042】
図4Aのチュービング410は、
図4Aおよび4Bの内視鏡100の器具チャンネル120を通過するように寸法決めできる。チュービング410は、1つまたは複数の空気圧流体流入導管412と、1つまたは複数の空気圧流体排出導管414と、1つまたは複数の洗浄導管416と、1つまたは複数の吸引導管418とを含むことができる。空気圧流体流入導管412は、ローター440を空気圧で駆動するために加圧空気を供給するよう構成されており、空気圧流体排出導管414は、患者の体内に大量の空気が侵入しないように空気圧流体流入導管412によって供給された空気を除去する。洗浄導管416は、水などの洗浄流体を内側ブレード450と外側ブレード460との間に供給して、内側ブレード450と外側ブレード460との間の領域の潤滑を助ける。さらに、洗浄流体は、次に内側ブレード450の外側から内側ブレード450の内部に流れる。内側ブレード450の内部はキャップ420を介してチュービング410の吸引導管418と一直線上に合わせることができ、内側ブレード450に入る流体は内側ブレード450を通過してチュービング410の吸引導管418に流入できる。内側ブレード450の内部および吸引導管418を通過する洗浄流体は、デブリードマンを施されたポリープと患者の身体から他の廃棄物とが除去される経路となる吸引導管418を潤滑する助けとなる。上述したように、チュービング410は第1端部でキャップ420に結合されているが、第2端部(図示しない)では1つまたは複数の構成要素に結合されている。例えば、空気圧空気流入導管412は圧縮空気源に結合でき、洗浄流体導管416は給水源に結合できる。さらに、空気圧流体排出導管414は圧縮空気源に結合してもよいし、排気のため単に患者の身体外部に露出させてもよい。
【0043】
様々な実施形態では、吸引導管418は、切断したポリープを捕捉し後の検査目的で保管するよう構成された使い捨てカートリッジに結合できる。様々な実施形態では、この使い捨てカートリッジは複数の収集容器を含むことができる。操作者が、切断ポリープの標本を収集する収集容器を選択できるようにしてもよい。収集容器が選択されると、吸引導管418は、患者の体内から収集された物質をその収集容器に送る。よって、操作者は、各ポリープの標本を個別の収集容器に収集できる。こうすることで個々のポリープの癌の性質を特定できる。
【0044】
キャップ420は、チュービング410の第1端部内に嵌合するよう寸法決めできる。様々な実施形態で、チュービング410の第1端部は、キャップ420と結合するよう構成されたコネクタを含むことができる。様々な実施形態では、キャップ420はチュービング410のコネクタに圧入してもよい。従って、キャップ420は、チュービング410の導管に一致した対応する導管を含むことができる。従って、圧縮空気源からの圧縮空気は、チュービング410の空気圧空気流入導管412とキャップ420の対応する空気圧空気流入導管とを介してローター440に供給できる。ローター440は、圧縮空気が衝突してローター440を回転させる1つまたは複数のブレード442を含む。ローターブレード442に衝突した空気は、キャップ420の対応する空気圧空気排出導管414とチュービング410の空気圧空気流入導管414とを介して排出される。ローター440の回転速度は、空気の量と空気がローター440に供給される圧力とに依存する。様々な実施形態では、ローター440が回転する速度は、内視鏡100の操作者が制御してもよい。本開示は、ローターを操作するための空気圧手段を開示しているが、幾つかの実施形態は、ローターを操作するための液圧手段を含んでもよい。こうした実施形態では、圧縮空気に代えて水のような流体を空気圧空気流入導管412に供給すればよい。
【0045】
上述したように、心棒430はローター440に結合されており、ローター440が回転すると心棒430も回転する。様々な実施形態で、心棒430の第1端部は、ローター440と共に対応して回転する内側ブレード450を含む。内側ブレード450は、外側ブレード460の直径内部に嵌るように寸法決めできる。様々な実施形態では、洗浄流体源から供給される洗浄流体は、チュービング410の洗浄流体導管416とキャップ420の対応する導管とを介して、内側ブレード450と外側ブレード460との間の空間に沿って、内側ブレード450の内径により画定された吸引導管418内に供給される。吸引導管418は真空源に結合されているので、流体や他の物質は吸引導管を介して吸引されることは理解すべきである。こうすることで、洗浄流体は、吸引導管418の少なくとも大部分の長さ部分を、内側ブレード450の先端部452から、心棒430、キャップ420、およびチュービング410を介して、上述した使い捨てカートリッジ内まで潤滑できる。
【0046】
内側ブレード450は外側ブレード460に対して回転でき、内側ブレード450と外側ブレード460との相互作用によって、ポリープは内側ブレード450との接触時に切断される。様々な実施形態では、ポリープを切除するための他の機構を使用してもよく、これらにはローター440、内側ブレード450、または外側ブレード460の使用が含まれても含まれなくてもよい。
【0047】
デブリードマン要素は、概してポリープのデブリードマンを行うよう構成すればよい。デブリードマンは、例えば、ポリープまたは患者身体の表面からのポリープの一部を切り離す動作を含む。従って、全体的または部分的な切断、スネアリング、細断、薄く切ること、粉砕することに限定されないがそれらを含む動作もデブリードマンの例である。従って、デブリードマン要素は、患者身体の表面からポリープを切断し、スネアし、細断、薄切りし、または粉砕できる構成要素でよい。従って、デブリードマン要素は、鉗子、挟み、ナイフ、スネア、シュレッダー、またはポリープに対してデブリードマンを実行できる他の任意要素でよい。幾つかの実施形態では、デブリードマン要素が操作者によって発生された機械的力の伝達により動作されるようにデブリードマン要素は手動で作動させてもよいし、或いは、タービン、電動モーター、もしくは他の任意の力発生要素を用いてデブリードマン要素が自動的に作動されるようにしてもよい。例えば、デブリードマン要素は、液圧、空気圧、または電気により作動させればよい。様々な実施形態では、内視鏡のチュービングまたはチャンネルを通過する別の導管を用いて、電動モーターなどの電動アクチュエータに給電するための電線を配線できるようにしてもよい。
【0048】
様々な実施形態によれば、デブリードマン要素は、ローター440と、ローターブレード442と、心棒430とからなるタービンアセンブリを含むことができる。操作者は、圧縮空気をタービンアセンブリに供給することで内視鏡器具のデブリードマン要素を作動させることができる。操作者は、ポリープのデブリードマンを開始する準備が整えば、タービンアセンブリを作動してデブリードマン要素を作動させる。
図4に開示した実施形態のような幾つかの実施形態では、デブリードマン要素の作動は、内側ブレード450を外側ブレード460に対して回転させるものとしてよい。作動させると、操作者は内視鏡器具220をデブリードマンが行われるポリープに近づけ、内側ブレード450でポリープに対してデブリードマンを行い、デブリードマンが行われたポリープの部分をポリープが成長していた領域付近に残しておく。次に、操作者はタービンアセンブリの動作を停止し、吸引導管418を介して吸引を実行する。次に、操作者は切断したポリープの近くに内側ブレードを移動させ、切断したポリープが吸引導管418を介して回収されるようにすればよい。様々な実施形態では、この内視鏡器具の吸引要素は、デブリードマン要素の動作時に作動させ、デブリードマンされた物質が吸引要素によって回収されるようにしてもよい。
【0049】
上述の実施形態はタービンアセンブリを使用するデブリードマン要素を収容しているが、本開示の範囲はそうした実施形態に限定されるものではない。むしろ、当業者であれば、デブリードマン要素は、手動で動作するか或いはポリープに対してデブリードマンを行う他の任意手段を用いてよく、デブリードマンされたポリープは上述の吸引導管を介して手術部位から回収できる。デブリードマン要素の例は、スニップ、ブレード、ソー、もしくはタービンアセンブリに駆動されうるまたはされない他の任意の鋭利な工具を含むがそれらに限定されない。小片に切断されたポリープは、内視鏡から内視鏡器具を除去することなく吸引導管を介して回収できるので、ポリープを小片に切断可能なデブリードマン要素の使用が望ましいことがあることは理解すべきである。
【0050】
切断工具ブレードのうち少なくとも1つを回転させるタービンアセンブリの幾何学的形状および組立は、流体力学に基づかせることができる。ベルヌーイの式を用いて流体圧力と流量速度との間の変換を説明できる。この式によれば、流量速度は次の式によって初期流体圧力と関連付けられる。
【0052】
ここでVは速度、Pは圧力、Dは質量密度である。
【0053】
流体が計算された速度に達するようにするには、流体が内部を流動するチャンネルが経験的に求められたL/D比である2を満たすように、排出地点で流体が形成されていればよい。ここで、「D」は流れのぬれ径(wetted diameter)であり、「L」はチャンネルの長さである。
【0054】
ローターブレードと流体との相互作用をさらに理解するため、エアジェットがローターブレードに平面で衝突するようにローターブレードが作製されているものと仮定する。運動量の式を用いて発生する力を求めることができる。
【0056】
ここでmは衝突するエアジェットの質量の流れであり、Vは体積である。
【0057】
制御体積が一定(ブレード間の体積)であると仮定すれば、ブレード上に発生する力は次について解くことができる。
【0059】
量V
outおよびV
inは衝動タービン内で同じであり、運動量の変化は流体の方向変化のみによってもたらされる。質量の流れmは、指定されるポンプにより決定される。実際の数値はローターの速度も考慮する必要がある。最終的には、ブレードとエアジェットとの単一の相互作用によって生み出される力は次の通り。
【0062】
ここで「θ」は入ってくるエアジェットと出て行くエアジェットとの角度の差である。理論的に考慮すれば、最大トルク量は180°の「θ」値により生成できるが、それを行うには入ってくるエアジェットを次のブレードの裏に送出することになる。従って、流体が滑らかに出るためには、この角度は180から15°〜20°少ない設計値とするのが最適である。最終的に、この力は回転トルクへ定義できる。
【0064】
考慮できる第2の力は、ノズルからタービンホイールへの方向転換に起因する。タービンに動力を供給するには、エアジェットの方向からブレードの方向へとエアジェットを90°回転させればよい。エアジェットの回転は、噴射速度の関数である静止したハウジングへの力を生成する。また、噴射速度は掛けられた圧力に比例する。
【0066】
この力には、ハウジングと内視鏡との間の接続により反作用が生じることがあり、そうならない場合は、動作時にタービンアセンブリが放出されてしまう。
【0067】
有限要素解析(FEM)に基づいた計算解析は、最大の応力が存在する領域は、急な角が存在するブレードの基部付近である。空気入力チャンネルの設計は、内視鏡の既存の空気ノズルチャンネルにより単純化できる。既存の内視鏡の空気ノズルは、加圧空気を対物レンズ上に向けて水分を除去しかつ検査対象の腔所を拡張し、または加圧水を対物レンズ上に向けて破片(debris)を除去する。
【0068】
ここで
図4Bを参照すると、内視鏡器具と関連付けられた様々な導管が示された、内視鏡に結合された内視鏡器具の透視図が図示されている。特に、空気圧空気流入導管412は加圧空気をローターアッセンブリに供給することが図示されており、空気圧空気排出導管412(ここでは図示しない)は、ローターアッセンブリからの空気を内視鏡100の外部に排出する。洗浄チャンネル416は洗浄流体を内視鏡器具220内に送ることが示されており、内視鏡器具において、洗浄流体は吸引導管418に入り、吸引導管418は患者体内からの物質を内視鏡外の収集要素まで運ぶ。
図4Bで示したように、洗浄流体は、洗浄流体流入口419から吸引導管418に流入する。洗浄流体流入口419は、吸引導管に沿った任意箇所に配置すればよいことは理解すべきである。吸引導管に掛けられる吸引力のおかげで、洗浄流体は吸引導管に強制流入され、その際に、吸引導管内を流動する物質が、洗浄流体流入口419を介して吸引導管の外へ流出することはない。さらに、幾つかの実施形態では、洗浄チャンネルは、吸引力が吸引導管に掛けられている間だけ洗浄流体を内視鏡器具に供給するようにしてもよい。
【0069】
図5は、本開示の実施形態による、
図1に示した内視鏡と結合される別の内視鏡器具の側面透視図を示す。アドオン内視鏡器具500は、内視鏡100の先端部104の器具チャンネル120を形成する壁部に結合するよう寸法決めされている。アドオン内視鏡器具500は、内視鏡104の先端部104において内視鏡100の器具チャンネル120に締りばめまたは圧入によって着脱可能に取り付けできる。他の実施形態では、アドオン内視鏡器具500は、当業者には周知の他の取り付け手段を用いて内視鏡100に結合してもよい。
【0070】
図6を参照すると、アドオン内視鏡器具500の拡大図を示す。このアドオン内視鏡器具は、外側ブレードまたは支持部材510と、外側ブレード510内に配置された内側ブレード520と、内側ブレード520に結合されかつケーシング540に取り囲まれたローター530とを含む。このケーシングは、コネクタ560にさらに結合されたキャップ550に結合されている。幾つかの実施形態では、コネクタ560は、内視鏡100の器具チャンネル120の内径に係合するよう寸法決めできる。幾つかの実施形態では、この内視鏡器具の他の任意構成要素を内視鏡100と係合させて、この内視鏡器具を器具チャンネル120に固定するように構成してもよい。
【0071】
図7〜12は、本開示の複数の実施形態による、
図6に示したアドオン内視鏡器具の個別の構成要素の透視図を示す。
図1〜4に関連して開示した内視鏡器具220とは対照的に、アドオン内視鏡器具500は、内視鏡100の器具チャンネル120の第1端部内に嵌合するよう適合できる。
【0072】
様々な実施形態では、器具チャンネル120の第2端部は、器具チャンネル120を介して物質を吸引させる真空源に結合できる。吸引導管が真空源から内視鏡の器具チャンネルを介して延伸し、さらにコネクタ560、キャップ550、およびローター530を介して内側ブレード520の第1端部まで延伸しており、この第1端部は内側ブレード520の内径により画定された開口部を備えている。コネクタ560、キャップ550、ケーシング540、およびローター530は、一直線に並んだそれぞれの中心穴566、556、546、および536を備えており、物質は内側ブレード520の開口部から器具チャンネル120の第2端部を介して真空源まで流動可能とされている。
【0073】
さらに、アドオン内視鏡器具500のケーシング540は、
図10に示したように空気圧空気流入ポート542と空気圧空気排出ポート544とを含む。空気圧空気流入ポート542は、内視鏡100の全長に沿って患者の身体外部まで通じている空気圧空気流入導管を介して圧縮空気源から圧縮空気を受け取るよう構成でき、空気圧空気排出ポート544は、ローター530に衝突する空気を、内視鏡100の全長に沿って患者の身体外部まで通じている空気圧空気排出導管を介して排出するよう構成できる。こうすることで、
図1〜4に関連して上述したように、ローターは、圧縮空気源からの圧縮空気の供給によって作動可能となる。ローターおよび本明細書で開示された関連要素は圧縮空気の使用に関わるが、このローターは液圧駆動してもよい。こうした実施形態では、空気圧空気導管は、水のような液体をローター周囲の領域との間で往き来させるよう構成してもよい。
【0074】
ここで
図13も参照すると、空気圧空気流入および排出導管は、アドオン内視鏡器具から内視鏡100の器具チャンネル120を介して空気圧空気源まで延伸してよい。こうした実施形態では、空気圧空気流入および排出導管用に別個の導管を含むチュービングが、内視鏡の外部から内視鏡の内部のアドオン内視鏡器具まで延伸してよい。このチュービングは、内視鏡の器具チャンネルを介して送り込まれ、アドオン内視鏡器具500に結合できるようにしてよい。こうした実施形態では、アドオン内視鏡器具500は予め形成したチャンネルを備えた付加的な構成要素を備えるよう構成でき、これら予め形成したチャンネルは、チュービングのそれぞれのチャンネルを、アドオン内視鏡器具の関連付けられた空気圧空気流入および排出開口部とアドオン内視鏡器具内に形成された吸引導管とに結合する。さらに、洗浄流体チャンネルもチュービング内に形成して、洗浄流体がアドオン内視鏡器具500に供給できるようにしてもよく、洗浄流体は、アドオン内視鏡器具から吸引導管内に進路変更される。
【0075】
様々な実施形態では、外側ブレード510の先端部は鋭くできるが、患者の身体の腔所に進入する際に患者に不快感を与えることがある。従って、アドオン内視鏡器具を患者の身体に挿入する前に、ゲルキャップまたは他の類似構造体のようなガード構造体(図示しない)を外側ブレードに装着して、患者の身体の表面に外側ブレードが接触することによる外傷を防止してもよい。この内視鏡器具が患者の身体に挿入されると、ガード構造体は外側ブレード510から解放できる。様々な実施形態では、ガード構造体は、患者の身体に入った時点で溶解するようにしてもよい。
【0076】
ここで
図14を参照すると、本開示の複数の実施形態による内蔵型ポリープ除去アセンブリを備えた改良型内視鏡が図示されている。改良型内視鏡1400は多くの側面で従来の内視鏡に類似しているが、この改良型内視鏡は、内視鏡1400の器具チャンネル内に内蔵型ポリープ除去アセンブリ1440を含みうる点で異なる。ポリープ除去アセンブリ1440は、ケーシング1444内に封入されたローターブレードを備えたローター1442を具備したタービンアセンブリを含み、ケーシング1444は、空気圧または液圧流体にローター1442を作動させるための1つまたは複数の流入および流出ポートを備えている。これら流入ポートはその設計よって、流体がローターブレードと適切な角度で相互作用してローターが所望速度で確実に駆動されうるようになっている。
【0077】
さらに、ポリープ除去アセンブリ1440は、ポリープ除去アセンブリ1440をチュービング1470に結合するよう構成されたコネクタ1420に結合できる。チュービング1470は、空気圧空気流入導管1412と、空気圧空気排出導管(図示しない)と、洗浄流体導管1416と、タービンアセンブリの中心を通過している吸引導管1418とを含むことができる。チュービング1440の寸法決めは、チュービング1440が確実にコネクタ1420に結合されて、チュービング1440の1つまたは複数の導管がコネクタ1420内の対応する導管に結合されるようにすればよい。コネクタ1420は洗浄流体流入開口部419を含むよう設計でき、チュービングがコネクタに結合されているときは、この開口部により洗浄流体がチュービング1440の吸引導管1418に流入可能となる。
【0078】
内視鏡1400のタービンアセンブリは着脱可能のデブリードマンアセンブリ1460に結合でき、タービンアセンブリの動作時に、心棒およびカニューレを含むデブリードマンアセンブリを動作可能とするよう構成されている。
【0079】
本開示の他の実施形態では、内視鏡は、一回の操作で、容易に、1つまたは複数のポリープのデブリードマンを行い、これらポリープに関連したデブリードマンされた物質を除去するよう設計できる。様々な実施形態では、この内視鏡は、デブリードマンされた物質を除去し、洗浄流体を供給し、空気圧または液圧流体の少なくとも一方を供給しかつ除去するための1つまたは複数の別個のチャンネルを含むことができる。さらに、この内視鏡は、当該内視鏡の一端に固定的または着脱可能に結合されるデブリードマン要素を含むことができる。様々な実施形態では、このデブリードマン要素の動作に基づいて、別個のデブリードマン要素チャンネルをデブリードマン要素用に設計してもよい。さらに、この内視鏡は光源およびカメラを含むことができる。一実施形態では、内視鏡は、デブリードマン要素を作動するために、既存のチャンネルを利用して空気圧または液圧流体を内視鏡器具のアクチュエータに供給してもよい。例えば、
図1に示した内視鏡では、水チャンネル108A-Nを改造して、流体を空気圧または液圧的にアクチュエータに供給してもよい。そうした実施形態では、内視鏡器具は、内視鏡の既存のチャンネル108に関連付けられた開口部に結合可能な第1端部を備えたコネクタを含むことができ、このコネクタの他端はアクチュエータの開口部に曝されている。
【0080】
本開示の様々な実施形態では、内視鏡器具は組織の一定の層の存在を検出するようさらに構成できる。これは、医師がポリープのデブリードマンを行う場合に、特に用心して腸の穿孔を防止するのに有効となりうる。幾つかの実施形態では、内視鏡器具は、組織の種類を特定するため、内視鏡の外部にあるセンサ処理構成要素と通信可能な電気センサを備えてもよい。このセンサは、密度情報に加え温度情報も収集し、こうした情報に対応した信号を、感知した組織の種類を識別可能なセンサ処理ユニットに与えることができる。
【0081】
さらに、この内視鏡器具は、医師が患者体内の特定の領域に印をつけられるようにする注入可能染料要素を備えていてもよい。他の実施形態では、医師は、注入可能染料を利用しなくてもデブリードマン要素を使用して特定の領域に印を付けることができる。
【0082】
本開示は、内視鏡の先端部に取り付けられる工具および内視鏡の全長に沿って送り込みできる工具を含むがそれらに限定されないものを含む内視鏡器具の様々な実施形態を開示するが、本開示の範囲はそうした実施形態または内視鏡器具一般に限定することを意図したものでない。本開示の範囲は、むしろ単一の工具を使って患者の体内からポリープのデブリードマンを行いかつ除去できる任意の装置まで拡張される。従って、本開示の範囲は、本明細書に記載された内視鏡器具のすべてまたは幾つかの構成要素を用いて作製できる改良型内視鏡まで拡張される。例えば、一体型タービンアセンブリを備えかつデブリードマン要素に結合されるよう構成された改良型内視鏡も本明細書に開示されている。さらに、この内視鏡は、その全長を延伸する予め形成した導管も含むことができ、吸引導管だけを使い捨てチュービングに形成してもよく、空気進入および排出導管はならびに洗浄導管は改良型内視鏡内に永続的に形成されている。他の実施形態では、吸引導管も予め形成されているが、複数の患者に対して使用できるように洗浄かつ清浄にできるよう作製できる。同様に、デブリードマン要素も内視鏡の一部としてもよいが、複数の患者に対して使用できるように洗浄かつ清浄可能としてもよい。さらに、当業者であれば、内視鏡器具を構成する構成要素の一部または全部を、患者の体内からポリープのデブリードマンを行いかつ除去するのに使用する既存の内視鏡または新たに設計した内視鏡に組み込んだりしてよいことは理解するはずである。
【0083】
ここで
図15を参照すると、本開示の幾つかの実施形態による、内視鏡器具を動作させるための様々な構成要素を図示した概念的システムアーキテクチャ図を示す。内視鏡システム1500は、内視鏡器具220を備えた内視鏡100であって、給気測定システム1510と、洗浄システム1530と、ポリープ除去システム1540とに結合できる内視鏡100を含んでいる。上述のように、内視鏡100内で延伸するチュービングは、1つまたは複数の空気圧空気流入導管412および1つまたは複数の空気圧空気排出導管414を含むことができる。空気圧空気流入導管412は給気測定システム1510に結合されており、この給気測定システムは、1つまたは複数のセンサと、ゲージと、弁と、ローター440を駆動するため内視鏡100に供給される空気のような気体の量を制御する他の構成要素とを含む。幾つかの実施形態では、ローター440に供給する空気量は、給気測定システム1510を用いて制御すればよい。さらに、ローター440を作動するための給気は、内視鏡100を使用する医師が手動で制御できる。一実施形態では、医師は、フットペダルまたは手動レバーを使ってローター440に給気できる。
【0084】
しかし、空気圧空気排出導管414は、いずれの構成要素に結合しなくてもよい。その結果、ローター440から排出される空気は、単に内視鏡から空気圧空気排出導管414を介して大気中に排出すればよい。幾つかの実施形態では、空気圧空気排出導管414は給気測定システム1510に結合させて、空気圧空気排出導管414を出る空気が空気圧空気流入導管412を介してローターに再度供給されるようにしてもよい。類似の構成を液圧駆動タービンシステムに用いてもよいことは理解すべきである。
【0085】
さらに、内視鏡100は、洗浄流体導管416を介して洗浄システム1530に結合できる。洗浄システム1530は、洗浄源1532に結合された流量計1534であって、洗浄源1532から内視鏡100に流動する流体の量を制御するための流量計1534を含むことができる。
【0086】
上述のように、内視鏡100は、さらに患者の体内からポリープを除去するための吸引導管418も含むことができる。吸引導管418は、ポリープを格納するよう構成できるポリープ除去システム1540に結合できる。様々な実施形態では、除去されたポリープが個別に検査できるように、医師が、標本をポリープ除去システム1540内の1つまたは複数のカートリッジ1542に収集可能としてもよい。
【0087】
本開示の様々な実施形態では、内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、デブリードマン要素および器具チャンネル内に配置された標本回収導管を含む内視鏡器具とを含む。この内視鏡器具は、標本回収導管が内部に部分的に配置された柔軟性チュービングをさらに含むことができ、この柔軟性チュービングは、内視鏡器具の第1端部から第2端部まで延伸している。この柔軟性チュービングは、空気圧空気流入導管および流体洗浄導管も含むことができる。様々な実施形態では、このデブリードマン要素は、タービンアセンブリおよび切断工具を含んでもよい。内視鏡が内蔵型内視鏡器具を備えるよう構成された様々な実施形態では、器具チャンネルの直径は、既存の内視鏡の器具チャンネルの直径より大きくすればよい。こうすることで、デブリードマンされた物質の大きい部分は、吸引導管を詰まらせることなく患者の体内から吸引できる。
【0088】
他の実施形態では、内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、内視鏡の第1端部で器具チャンネルに結合された内視鏡器具であって、部分的に器具チャンネル内に配置されたデブリードマン要素と標本回収導管とを含む内視鏡器具とを含むことができる。幾つかの実施形態では、この内視鏡器具は、内視鏡器具に着脱可能に取り付けできる。
【0089】
本開示の他の実施形態では、内視鏡システムは内視鏡を含み、この内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、内視鏡の第1端部で器具チャンネルに結合された内視鏡器具とを含む。この内視鏡器具は、デブリードマン要素と、内視鏡の長さより長い柔軟性チュービングとを含むことができる。さらに、柔軟性チュービングは、標本回収導管と、空気圧空気流入導管と、流体洗浄導管と、内視鏡の第2端部に近位で標本回収導管と結合するよう構成された使い捨てカートリッジと、内視鏡の第2端部に近位で空気圧空気流入導管と結合するよう構成された加圧空気源と、内視鏡の第2端部に近位で流体洗浄導管と結合するよう構成された流体洗浄源とを含むことができる。様々な実施形態では、この内視鏡は、少なくとも1つのカメラ源および少なくとも1つの光源も含むことができる。本開示の幾つかの実施形態では、空気圧空気流入導管は、内視鏡の第1端部に近位でデブリードマン要素のタービンアセンブリに加圧空気を供給し、流体洗浄導管は、内視鏡の第1端部に近位で洗浄流体を標本回収導管に供給する。
【0090】
図16Aは内視鏡器具1600の部分分解組立図を示し、この内視鏡器具は、
図1Aに示した内視鏡100のような内視鏡の器具チャンネル内に挿入できるよう構成されている点で
図1Bに示した内視鏡器具150に似ている。
図16Bは、
図16Aに示した内視鏡器具の部分断面図を示す。
図16Aおよび16Bに示したように、内視鏡器具1600のヘッド部は、動力アクチュエータ1605と、切断シャフト1610および外側構造体1615を含んだ動力駆動器具ヘッド1680と、柔軟性管状部材1630の遠位端に結合された貫通コネクタ1620とを含むことができる。柔軟性管状部材1630は、内視鏡器具1600の末端部を形成する。従って、
図16Aおよび16Bは、内視鏡器具1600のヘッド部を示す。
【0091】
内視鏡器具1600は、柔軟性管状部材1630の近位端から動力駆動器具ヘッド1680の遠位端1614まで延伸する吸引チャンネル1660を形成するよう構成されている。幾つかの実装例では、柔軟性管状部材1630の近位端は、真空源に流体結合するよう構成できる。こうすることで、柔軟性管状部材1630の近位端で吸引力が掛けられると、動力駆動器具ヘッド1680の遠位端1614におけるまたは遠位端付近の物質は、遠位端において内視鏡器具1600に入り、吸引チャンネル1660を通過して、柔軟性管状部材1630の近位端まで流動できる。
【0092】
動力アクチュエータ1605は、動力駆動器具ヘッド1680を駆動するよう構成でき、この動力駆動器具ヘッドは、外側構造体1615内部に配置された切断シャフト1610を含む。幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1605は、切断シャフト1610に機械的に結合した駆動シャフト1608を含むことができる。幾つかの実装例では、切断シャフト1610が駆動シャフト1608により駆動されるように、1つまたは複数の結合要素を用いて駆動シャフト1608を切断シャフト1610の近位端1611に結合できる。動力アクチュエータ1605は電動アクチュエータでもよい。幾つかの実装例では、この電動アクチュエータは、電流を電動アクチュエータ1605に供給するための導電線を収容するよう構成された電気端子1606を含むことができる。幾つかの実装例では、電動アクチュエータは電動モーターを含むことができる。幾つかの実装例では、この電動モーターはマイクロサイズモーターでよく、数ミリメートル未満の外径を備えたものとしてよい。幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1605は約3.8mm未満の外径を備えている。動力アクチュエータ1605は、専有面積が小さいことに加え、一定のトルクおよび回転速度パラメータを満たすよう構成できる。幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1605は、被験者体内から組織を切除できるトルクを発生かつ/または十分な速度で回転するよう構成できる。これら要件を満たすモーターの例は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州フォールリバー所在のマクソン・プレシジョン・モーター社(Maxon Precision Motors, Inc.)が製造するマイクロモーターを含む。電動モーターの他の例には、交流モーター、直流モーター、圧電モーターなどを含む任意種類の電動モーターが含まれる。
【0093】
動力アクチュエータ1605が動力駆動器具ヘッド1680を駆動できるように、動力駆動器具ヘッドは動力アクチュエータ1605に結合するよう構成されている。上述したように、切断シャフト1610の近位端1611は、動力アクチュエータ1605の駆動シャフト1608に結合するよう構成できる。近位端1611の反対側の切断シャフト1610の遠位端1614は、切断先端部1612を含むことができる。切断先端部1612は、組織を切断可能な1つまたは複数の鋭利な表面を含むことができる。幾つかの実装例では、切断シャフト1610は中空とすることができ、切断先端部1612においてまたはその付近に物質流入ポート1613を形成でき、切断された物質が、この切断先端部から物質流入ポート1613を介して内視鏡器具1610に入ることができる。幾つかの実装例では、切断シャフト1610の近位端1611は、物質進入ポート1613から流入する物質が切断シャフト1610から出られるよう寸法決めされた1つまたは複数の流出口1614を含むことができる。
図16Aおよび16Bに示したように、流出口1614は切断シャフト1610の壁に形成されている。幾つかの実装例では、これら流出口1614は、物質進入ポート1613を介して切断シャフト1610に入る物質が、流出口1614を介して切断シャフト1610から流出できるように寸法決めできる。幾つかの実装例では、駆動シャフト1608に近位の切断シャフト1610の部分は中空でないようにして、切断シャフト1610に入るすべての物質が流出口1614を介して切断シャフト1610から流出できるようにしてもよい。
【0094】
外側構造体1615は中空として、切断シャフトが外側構造体1615の内部に配置できるように構成できる。従って、外側構造体1615は、切断シャフト1610の外径より大きい内径を備えている。幾つかの実装例では、外側構造体1615は、切断シャフト1610が、外側構造体1615の内壁に接触することなく、外側構造体1615内部で自由に回転できるよう寸法決めされる。外側構造体1615は、外側構造体1615の遠位端1617に開口部1616を含み、切断シャフト1610が外側構造体1615内に配置されると、切断シャフト1610に形成された切断先端部1612および物質進入ポート1613が露出するようになっている。幾つかの実装例では、切断シャフト1610が外側構造体1615内で回転するときに熱の発生を抑制する助けとするため、切断シャフト1610の外表面および外側構造体1615の内表面には耐熱性被覆を施してもよい。外側構造体1615の近位端は、動力アクチュエータ1605を収容するハウジングに取り付けられるよう構成されている。
【0095】
貫通コネクタ1620は、流出口1614を形成する切断シャフト1610の部分の周囲に同心円状に配置できる。幾つかの実装例では、貫通コネクタ1620は中空として、切断シャフト1610の流出口1614の周りの領域を囲むよう構成して、切断シャフト1610の流出口1614を出る物質が貫通コネクタ1620内に収まるようにしてもよい。貫通コネクタ1620は、管状部材1630の遠位端を収容するよう構成可能な排出ポート1622を含むことができる。こうすることで、貫通コネクタ1620内の物質は、柔軟性管状部材1630の遠位端に流入できる。貫通コネクタ1620は、切断シャフト1610と管状部材1630との間の流体連通を可能とする流体結合器の役目を果たすことができる。
【0096】
管状部材1630は、貫通コネクタ1620の排出ポート1622に結合するよう構成できる。切断シャフト160と、貫通コネクタ1620と、柔軟性管状部材1630とを介して、吸引チャンネル1660は、切断シャフト1610の物質進入ポート1613から管状部材1630の近位端まで延伸している。幾つかの実装例では、管状部材1630は、管状部材1630の近位端で真空源に結合するよう構成できる。こうすることで、真空源が管状部材1630の近位端に吸引力を掛けると、物質が切断シャフト1610の物質進入ポート1613を介して吸引チャンネルに入り、真空源に向かって吸引チャンネル1660を流動し、内視鏡器具1600を出る。このように、吸引チャンネル1660は、内視鏡器具の一端から内視鏡器具1600の他端まで延伸している。幾つかの実装例では、真空源を管状部材1630に掛けることで、治療部位の物質が治療部位から吸引され、吸引チャンネル1660を通過して、内視鏡器具1600から取り出されている間に、内視鏡器具1600は、内視鏡の器具チャンネルおよび治療を受けている被験者内部に配置された状態を維持できる。幾つかの実装例では、切断シャフト1610、貫通コネクタ1620、または管状部材1630の1つまたは複数の表面を処理して流体の流れを向上させてもよい。例えば、切断シャフト1610、貫通コネクタ1620、または管状部材1630の内表面に超疎水性物質を被覆して、患者の内部から除去された物質が、吸引導管を詰まらせる可能性を減少させることができる。
【0097】
動力アクチュエータ1605に結合できる様々な種類の器具ヘッドの例は、例えば、米国特許第4,368,734号、米国特許第3,618,611号、米国特許第5,217,479号、米国特許第5,931,848号、および米国特許出願公開第2011/0087260号に開示されている。他の幾つかの実装例では、器具ヘッドは、動力アクチュエータ1650のような動力アクチュエータにより駆動されうる任意種類の切断先端部であって、組織を内視鏡器具1600内に形成された吸引チャンネルを介して治療部位から除去できるよう組織を小片に切断可能な、任意種類の切断先端部を含むことができる。幾つかの実装例では、動力駆動器具ヘッド1680は、治療部位からの物質がそれを介して除去されうる部分を含むことができる。幾つかの実装例では、吸引チャンネルの外周は、数マイクロメートルから数ミリメートル程度とすればよい。
【0098】
幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1620が動作に電流を使用する場合、この電流は、動力アクチュエータを電源に電気的に結合する1つまたは複数の導電線を介して供給できる。幾つかの実装例では、電源は内視鏡器具1600の外部に設けてもよい。幾つかの実装例では、内視鏡器具1600は、電気エネルギーを電気アクチュエータに供給するよう構成されたバッテリなどのエネルギー蓄積要素を含むことができる。幾つかの実装例では、エネルギー蓄積要素は内視鏡器具の内部に配置できる。幾つかの実装例では、エネルギー蓄積要素または他の電源は十分な電流を動力アクチュエータに供給して、切断シャフト1610が組織物質を切断できるよう動力アクチュエータに所望のトルク量および/または速度を発生させるよう構成できる。幾つかの実装例では、組織を切断するのに十分なトルク量は約2.5 N mm以上とすることができる。幾つかの実装例では、切断シャフトの回転速度は1000〜5000回の毎分回転数とすることができる。しかし、これらのトルク範囲および速度範囲は例であって、いかなる意味でも限定を意図したものではない。
【0099】
内視鏡器具1600は、図示したシール1640およびベアリング1625などの他の構成要素または部材を含むことができる。幾つかの実装例では、内視鏡器具1600は、図示されていないが内視鏡器具1600に含めてよい他の構成要素を含むことができる。こうした構成要素の例には、センサ、ケーブル、ワイヤに加え、例えば、内視鏡器具を挿入可能な内視鏡の器具チャンネルの内壁と係合する構成要素が含まれる。さらに、この内視鏡器具は、動力アクチュエータと、貫通コネクタ1620と、内視鏡器具1600の他の構成要素とのうち1つまたは複数を収容するハウジングを含むことができる。幾つかの実装例では、内視鏡器具1600の末端部は、
図1Bに示した柔軟部165と似た柔軟性ハウジングも含むことができ、この柔軟性ハウジングは、柔軟性管状部材1630などの1つまたは複数の柔軟性管状部材に加え、他の任意のワイヤ、ケーブル、または他の構成要素を保持できる。
【0100】
幾つかの実装例では、内視鏡器具は、この器具が挿入される内視鏡の器具チャンネルと係合するよう構成できる。幾つかの実装例では、内視鏡器具のヘッド部の外表面は、内視鏡の器具チャンネルの内壁と係合可能であり、内視鏡器具には、器具チャンネルに支持されていない場合に起こりうる不要または望ましくない動きが発生しない。幾つかの実装例では、内視鏡器具の本体のヘッド部は、本体のヘッド部を器具チャンネルの内壁に固定する固定機構を含むことができる。幾つかの実装例では、この固定機構は、内壁に係合する摩擦要素の配置を含むことができる。この摩擦要素は、シール、Oリング、クリップなどでよい。
【0101】
図16Cは、例示的な内視鏡器具の係合アセンブリの概略図を示す。
図16Dは、非係合状態となっている係合アセンブリの切開図である。
図16Eは、内視鏡の器具チャンネルに係合するよう配置された状態の係合アセンブリの切開図である。
図16Cおよび16Dで示したように、係合アセンブリ1650は、その外表面1656の周りに円柱状溝1654が形成されたハウジング部1652を含む。溝1654は、柔軟性シール要素1670が溝1654内部に部分的に収容できるよう寸法決めされている。円柱状操作部材1660は、ハウジング部1652を取り囲むよう構成されている。円柱状操作部材1660は、ハウジング部1652の長さ方向に摺動できる。円柱状操作部材1660は、固定部材1670の表面を押圧することで固定部材1670に係合するよう構成されている。操作部材1660は固定部材1670に力を加えて、固定部材1670がより平坦でより幅広くなるよう固定部材1670を変形させることができる。固定部材1670は幅広になると、固定部材1670の外表面が、内視鏡器具が挿入された内視鏡の器具チャンネルの内表面に係合できるよう構成されている。こうすることで、円柱状操作部材1660が操作されると、内視鏡器具1600は器具チャンネルに係合でき、よって内視鏡器具1600が器具チャンネルに対して移動するのを防止する。これにより、操作者が被験者を治療している間、安定性を確保する助けとなる。幾つかの実装例では、複数の係合アセンブリ1650を内視鏡器具1600の様々な部分に沿って配置できる。
【0102】
図17Aは、本開示の実施形態による例示的な内視鏡器具1700の分解組立図を示す。
図17Bは、内視鏡器具1700の断面図を示す。内視鏡器具1700は、
図16Aおよび16Bに示した内視鏡器具1600に似ており、
図1Aに示した内視鏡100などの内視鏡の器具チャンネル内に挿入されるよう構成できる。しかし、内視鏡器具1700は、動力アクチュエータ1705内を延伸する吸引チャンネル1760を形成している点で内視鏡器具1600とは異なる。こうすることで、内視鏡器具1700の物質進入ポート1713に入る物質は、内視鏡器具1700内を流動し、直線的にこの内視鏡器具から流出できる。
【0103】
図17Aおよび17Bに示したように、内視鏡器具1700は、異なる動力アクチュエータ1705と、異なる切断シャフト1710と、異なる貫通コネクタ1720とを含むことを除けば内視鏡器具1600と似ている。動力アクチュエータ1705は、
図16Aに示した動力アクチュエータ1605に似ているが、動力アクチュエータ1705は、中空で動力アクチュエータ1705の全長に亘って延伸する駆動シャフト1708を含む点で異なる。構成要素の幾つかが異なるため、この内視鏡器具の組み付け様態も異なる。
【0104】
幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1605は、モーターの全長を延伸する中空シャフトを備えることができる任意のアクチュエータでよい。駆動シャフト1708の遠位端1708aは、第1開口部を含み、切断シャフト1710の近位端1711に結合している。切断シャフト1610とは異なり、切断シャフト1710は、切断シャフト1710の基部に流体出口1714を含む。結果的に、切断シャフト1710は全長に亘って中空である。駆動シャフト1708の近位端1708bは貫通コネクタ1720に結合するよう構成されており、貫通コネクタ1720は、駆動シャフト1708の近位端と一直線に合わせられたチャンネルを形成する中空穴1722を含むので駆動シャフトと中空穴1722とが流体結合されている点で貫通コネクタ1620とは異なる。中空穴1722は柔軟性管状部材1730に結合するよう構成されており、この柔軟性管状部材は柔軟性管状部材1630と同様に、遠位端の貫通コネクタから、真空源に結合するよう構成された近位端まで延伸している。
【0105】
図17Aおよび17Bに示したように、駆動シャフト1708は中空とすることができ、駆動シャフト1708には、駆動シャフト1708の遠位端1708aの第1開口部と、近位端1708bにおける第2開口部とが形成されている。切断シャフト1710も中空であり、切断シャフト1710の基部1710aには開口部1714が形成されている。駆動シャフト1708の遠位端1708aは、切断シャフト1710の基部1710aに結合するよう構成されており、駆動シャフト1708の第1開口部は、切断シャフト1710の基部1710aの開口部と一直線に合わせられている。こうすることで、駆動シャフト1708は切断シャフト1710に流体結合できる。切断シャフト1710の遠位端1710bは、切断先端部1712と物質進入ポート1713とを含んでいる。
【0106】
駆動シャフト1708の近位端1708aは、貫通コネクタ1720を介して柔軟性管状部材1730の遠位端に流体結合している。幾つかの実装例では、柔軟性管状部材が駆動シャフトとともに回転しないように、貫通コネクタ1720は駆動シャフトと柔軟性管状部材とを結合する。柔軟性管状部材の近位端は、真空源に流体結合するよう構成できる。
【0107】
図17Bに示したように、内視鏡器具1700には、物質進入ポート1713から切断シャフトと、駆動シャフトと、貫通コネクタ1720とを通って、柔軟性管状部材1730の第2端部まで延伸する吸引チャンネル1760が形成されている。こうすることで、物質進入ポート1713に入る物質は、内視鏡器具内の全長を流動し、内視鏡器具の第2端部において内視鏡器具を出ることができる。
【0108】
内視鏡器具1700の他の構成要素は、
図16Aおよび16Bに示した内視鏡器具1600に示したものと似ている。例えば、外側構造体1715、符号化要素1606、シール、およびベアリングは、
図16に示した外側構造体1615、符号化要素1606、シール1640、およびベアリング1625と本質的に類似している。幾つかが図示されている他の構成要素も、内視鏡器具を構成するため且つこの器具の適切な機能を実現するために含めてもよい。
【0109】
図18Aは、本開示の実施形態による例示的な内視鏡器具1800の分解組立図を示す。
図18Bは、内視鏡器具1800の断面図を示す。内視鏡器具1800は、
図17Aおよび17Bに示した内視鏡器具1700に似ており、
図1Aに示した内視鏡100などの内視鏡の器具チャンネル内に挿入されるよう構成できる。しかし、内視鏡器具1800は、内視鏡器具1800が空気圧または液圧式動力アクチュエータ1805を含む点で内視鏡器具1700とは異なる。
【0110】
幾つかの実装例では、動力アクチュエータ1802は、テスラローター1805と、ハウジング1806と、ハウジング1806と共にテスラローター1805を収容するコネクタ1830とを含むテスラタービンを含む。テスラローター1805は、テスラローター1805がハウジング内に嵌合するように互いから離間されかつ寸法決めされた複数のディスク1807を含むことができる。幾つかの実装例では、テスラローターは、直径が2.5mm〜3.5mmで厚さが0.5 mm〜1.5 mmの7〜13個のディスクを含むことができる。幾つかの実装例では、これらディスクは、0.2mm〜1mmの範囲のギャップにより離間されている。テスラタービン1802は、テスラローター1805の中心に沿って延伸する中空駆動シャフト1808も含むことができる。幾つかの実装例では、切断シャフト1810がテスラローターにより駆動されるよう、駆動シャフト1808の遠位端1808aは、切断シャフト1810に結合するよう構成されている。すなわち、幾つかの実装例では、切断シャフト1810は、テスラローター1805の駆動シャフト1808の回転時に回転する。幾つかの実装例では、切断シャフト1810は、
図16Aに示した切断シャフト1610に似た流出口を含むことができる。幾つかのこうした実装例では、貫通コネクタは、切断シャフトと、
図16Aに示した貫通コネクタ1630に似た柔軟性部分とを流体結合する。
【0111】
テスラタービン1802のコネクタ1830は、少なくとも1つの流体吸入ポートと少なくとも1つの流体出口ポートとを含むことができる。幾つかの実装例では、流体が流体吸入ポート1832を介してテスラタービン1802に流入でき、テスラローター1805を回転させ、流体出口ポート1834を介してテスラタービン1802から出ることができるように、流体吸入ポート1832および流体出口ポート1834は構成されている。幾つかの実装例では、流体吸入ポート1832は、流体をテスラローターに流体吸入ポート1832を介して供給するよう構成された流体吸入管状部材1842に流体結合されている。流体出口ポート1834は、流体出口管状部材1844に流体結合され、テスラタービン1802に供給された流体を除去するよう構成されている。テスラタービン1802に供給されそこから除去される流体の量は、テスラローター1805が十分なトルクを生成できると共に十分な速度で回転して治療部位の組織を切断するよう構成できる。幾つかの実装例では、この流体は空気でもよいし、任意の他の安定した気体でよい。幾つかの実装例では、この流体は水のような任意の安定した液体でよい。流体がテスラタービン1802のような空気圧または液圧アクチュエータへどのように供給されこのアクチュエータから除去されるかに関する付加的詳細は、
図4A〜15に関連して上述されている。
【0112】
コネクタ1830は、中空駆動シャフト1808の近位端1808bに形成された開口部に結合するよう構成された吸引ポート1836も含む。さらに、吸引ポート1836は、
図17Aに示した柔軟性管状部材1730に似た柔軟性管状部材1846の遠位端に結合するよう構成されており、これは近位端で真空源に結合するよう構成されている。幾つかの実装例では、柔軟性管状ハウジングが、流体吸入管状部材184、流体出口管状部材1844、および柔軟性管状部材1846のうち1つまたは複数を含むことができる。幾つかの実装例では、この柔軟性管状ハウジングは、内視鏡器具のヘッド部から内視鏡器具1800の末端部の近位端まで延伸する他の管状部材および構成要素を含むことができる。
【0113】
切断シャフト1810および外側構造体1815は、
図17Aに示した内視鏡器具1700の切断シャフト1710および外側構造体1715に似ている。切断シャフト1810は中空であり、切断シャフト1810の近位端1810bには開口部が形成されている。切断シャフト1810の近位端1810bは、駆動シャフト1808の遠位端1808aに結合するよう構成されており、駆動シャフト1808の遠位端1808aの開口部は、切断シャフト1810の近位端1808bに形成された開口部と一直線に合わせられている。こうすることで、駆動シャフト1808は切断シャフト1810に流体結合できる。切断シャフト1810の遠位端1810bは、
図16Aおよび17Aに示した切断シャフト1610および1710と同様に、切断先端部1812および物質進入ポート1813を含んでいる。
【0114】
幾つかの実装例では、洗浄開口部1852をハウジング1806に形成できる。洗浄開口部1852は、吸引チャンネル1860に流体結合されるよう構成されている。幾つかのこうした実装例では、洗浄開口部1852は、外側構造体1815の壁部と切断シャフト1810の壁部とを分離するギャップ(明確には図示されていない)に流体結合されるよう構成されている。こうすることで、テスラタービン1802に供給される流体は、洗浄開口部1852を介してギャップ内に流入できる。この流体は、その流体がそれを介して吸引チャンネル1860に進入可能な切断シャフト1810の物質進入ポート1813に向かって流動できる。幾つかの実装例では、吸引チャンネル1860は真空源に流体結合されているので、テスラタービン1802からの流体を、物質進入ポート1813の近くの他の物質と共に、洗浄流体として吸引チャンネル1860に沿って流動するように方向付けることができる。こうすることで、洗浄流体は、吸引チャンネル1860を洗浄して閉塞を生じる可能性を減少できる。
【0115】
さらに、洗浄流体は、外側構造体1815と切断シャフト1810とを分離するギャップ内で流れるので、この流体は熱の発生を抑える役目も果たす。幾つかの実装例では、切断シャフト1810および外側構造体1815の一方または両方には耐熱層を施して、この切断シャフトおよび外側構造体が熱くなるのを防止できる。幾つかの実装例では、切断シャフト1810および外側構造体1815の一方または両方は耐熱スリーブで囲むことができ、切断シャフト1810および外側構造体1815が熱くなるのを防止できる。
【0116】
幾つかの実装例では、テスラタービンの代わりに他の種類の液圧または空気圧式の動力アクチュエータを利用してもよい。幾つかの実装例では、多羽根ローターを用いることもできる。幾つかのそうした実装例では、この動力アクチュエータは、
図18Bに示した管状部材1842および1844 に似た流体吸入管状部材および流体出口管状部材に流体結合されるよう構成できる。
【0117】
図16A、17A、および18Aに示した内視鏡器具1600、1700、および1800に関連して上述したように、内視鏡器具は一定の寸法要件を満たすよう構成されている。特に、内視鏡器具は十分長くして、内視鏡に完全に挿入されると、動力駆動器具ヘッドは一端において内視鏡の前面を越えて延伸でき、内視鏡器具の末端部が内視鏡の他端の外へ延伸する一方で、切断先端部が露出し、末端部は真空源に結合できる。従って、幾つかの実装例では、この内視鏡器具は、この内視鏡器具が挿入される内視鏡より長く構成できるさらに、内視鏡によっては器具チャンネルの直径が異なるので、この内視鏡器具もその外径が十分に小さくなるよう構成でき、この内視鏡器具は、それを挿入しようとする内視鏡の器具チャンネルに挿入できる。
【0118】
結腸鏡のような幾つかの内視鏡は、僅か数ミリメートルでよい内径を備えた器具チャンネルを備えることができる。幾つかの実装例では、この内視鏡器具の外径は約3.8mm未満とすることができる。この場合、この内視鏡器具の一部である動力アクチュエータの外径は、この内視鏡器具の外径より小さくなるよう構成できる。同時に、これら動力アクチュエータは、被験者体内の治療部位で組織を切断するのに十分な速度で回転しつつ、十分なトルクを発生できるよう構成できる。
【0119】
幾つかの他の実装例では、この内視鏡器具の構成によって、動力アクチュエータがこの内視鏡器具内にまったく収容されてないか、内視鏡の器具チャンネルに挿入できる内視鏡器具の部分内には収容されないようにできる。この内視鏡器具は、この内視鏡器具の動力駆動器具ヘッドを内視鏡の外部に位置する動力アクチュエータに結合するよう構成された柔軟性ケーブルを含む。
【0120】
図19Aは、動力アクチュエータ/真空源システム1980に結合された例示的な内視鏡器具1900を示す。この内視鏡器具は、ヘッド部1902および端末部を含む。端末部は、ヘッド部1902にトルクを与えることができる柔軟性ケーブル1920を含む。動力アクチュエータ/真空源システム1980は、動力アクチュエータ1925と、結合器1935と、第1端部1932で結合器1935に結合すると共に第2端部1934で真空源に結合するよう構成された真空チュービング1930とを含む。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920は中空として、流体をヘッド部1902から結合器1935まで運ぶよう構成できる。
【0121】
図19Bは、動力アクチュエータ/真空システム1980の断面図を示す。動力アクチュエータ1925は、柔軟性ケーブル1920の近位端1922に機械的に結合した駆動シャフト1926を含む。幾つかの実装例では、駆動シャフト1926および柔軟性ケーブル1920は結合器1935を介して機械的に結合されている。結合器1935は、真空チュービング1930の第1端部1932が流体結合された真空ポート1936を含む。真空チュービング1930と柔軟性ケーブルとが流体結合されるように、結合器1935を取り囲むことができる。こうすることで、真空チュービング1930内に掛けられた吸引力を、柔軟性ケーブル1920の全長を介して内視鏡器具1900のヘッド部1902にも掛けることができる。さらに、柔軟性ケーブル1920内の物質は、柔軟性ケーブルを通って結合器1935を介して真空チュービング1930まで流れることができる。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブルと真空チュービングとはヘッド部1902内で結合してもよい。そうした実装例では、結合器1935は、ヘッド部1902内に配置できるほど小型に構成すればよい。
【0122】
図19Cは、
図19Aに示した内視鏡器具1900の例示的なヘッド部の分解組立図を示す。ヘッド部は、ハウジングキャップ1952と、収集部1954と、切断シャフト1956と、シャフト結合器1958と、ヘッド部ハウジング1960とを含む。幾つかの実装例では、収集部1954は、収集部1954内に配置される切断シャフト1956と結合できるように遠位端に向かって僅かにテーパー状に形成されている。シャフト結合器1958は、切断シャフトを柔軟性ケーブル1920の遠位端に結合するよう構成されている。ヘッド部1960およびハウジングキャップ1952は、シャフト結合器1958を収容するよう構成されている。
【0123】
図19Dは、係合アセンブリを備えた内視鏡器具1900の部分の切開図を示す。幾つかの実装例では、ヘッド部ハウジング1960は、器具チャンネルの内壁と係合する係合アセンブリを含むことができる。この係合アセンブリは、
図16Cに示した係合アセンブリ1650に類似したものでよい。幾つかの実装例では、この係合アセンブリは、真空源を介して作動させることができる。
図19Eは、非係合位置にある
図19Dに示した係合アセンブリの切開図である。
図19Fは、係合位置にある
図19Dに示した係合アセンブリの切開図である。
【0124】
この係合アセンブリは一対の真空作動部材1962を含み、この部材1962は、器具チャンネル1990の壁部と係合するよう外側に拡張する拡張位置と、器具チャンネル1990の壁部に概ね平行に配置される後退位置との間で回転するよう構成されている。溝1964は、柔軟性ケーブル1920内に形成された吸引チャンネル1970に流体結合されている。幾つかの実装例では、流体チャンネル1966は、溝1964を吸引チャンネル1970に流体結合する。真空源が吸引チャンネル1970に掛けられると、吸引力が部材1962に掛かり、それらを後退位置(
図19Eに示した)から拡張位置(
図19Fに示した)に移動させる。幾つかの実装例では、この係合アセンブリは、真空作動部材1964により支持される外側リングも含むことができる。外側リング1966は、内視鏡器具を内視鏡の器具チャンネルに沿って案内する助けになるよう構成できる。特に、この外側リングは、内視鏡器具が一方に傾くことで動力駆動器具ヘッドが器具チャンネルに当たることを防止できる。
【0125】
内視鏡器具1900は、
図16A〜18Aにそれぞれ示された内視鏡器具1600、1700、および1800に似ているが、内視鏡器具1900は、内視鏡器具1900のヘッド部1902内に動力アクチュエータを含まない点で異なる。その代わり、内視鏡器具1900は、内視鏡器具1900の動力駆動器具ヘッドにトルクを与えるための柔軟性ケーブル1920を含む。幾つかの実装例では、動力駆動器具ヘッド1904は、
図16A〜18Aに示した動力駆動器具ヘッドに似たものでよい。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920は中空として、流体が柔軟性ケーブル1920内を流動可能とすることができる。こうした幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920の近位端1922は真空源に結合するよう構成できる一方、柔軟性ケーブル1920の遠位端1921は動力駆動器具ヘッド1904に結合するよう構成できる。こうすることで、物質進入ポート1907に入る流体は、動力駆動器具ヘッド1904内を流動して柔軟性ケーブル1920に入り、流体はそこから柔軟性ケーブル1920内を流動し、柔軟性ケーブル1920の近位端1922において内視鏡器具1900から除去される。
【0126】
幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920のような柔軟性ケーブルを、内視鏡器具内に収容された動力アクチュエータおよび駆動シャフトの代わりに用いてもよい。例えば、
図16A、17A、および18Aに示した内視鏡器具1900は、動力駆動器具ヘッドの切断シャフトに遠位端で結合された柔軟性ケーブルであって、内視鏡器具の外部に配置された動力アクチュエータに近位端で結合される柔軟性ケーブルを利用するように構成できる。内視鏡器具の外部に配置された動力アクチュエータは、動力アクチュエータ1605、1705、または1805よりかなり大きくてよい。この動力アクチュエータが作動されると、この動力アクチュエータにより生成されるトルクは、この動力アクチュエータから柔軟性ケーブルを介して動力駆動器具ヘッドに伝達されうる。柔軟性ケーブル1920は、動力アクチュエータから切断シャフトへトルクを伝達するよう構成されている。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920は、多数の糸および多数の層を備えた微細なコイルとするかまたはそうしたコイルを含み、柔軟性ケーブルの一端の回転を柔軟性ケーブルの反対端に伝えることができる。このケーブルの柔軟性により、コイルは、コイルの曲がった部分でも性能を維持できる。柔軟性ケーブル1920の例としては、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタアナ所在の(アサイ・インテック・ユーエスエー社ASAHI INTECC USA, INC)製のトルクコイルが含まれる。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920は外装で囲んで、柔軟性ケーブルの外側表面と他の表面との摩擦接触を避けることができる。幾つかの実装例では、柔軟性ケーブル1920はPFTEで被覆して、柔軟性ケーブルの外側表面と他の表面との摩擦接触を減少させることができる。
【0127】
図20は、本開示の幾つかの実施形態による、内視鏡器具を動作させるための様々な構成要素を図示した概念的システムアーキテクチャ図である。内視鏡システム2000は、柔軟性末端部2004を含む内視鏡器具2002を備えた内視鏡100を含む。この内視鏡器具は、例えば、
図4A-14、16A、17A、18A、および19Aに示した内視鏡器具220、1600、1700、1800、または1900でよい。また、このシステムは、内視鏡100の動作を制御する内視鏡制御ユニット2005と、内視鏡器具2002の動作を制御する器具制御ユニット2010とを含んでいる。
【0128】
さらに、この内視鏡器具は、真空源1990と、標本収集ユニット2030と、組織感知モジュール2040とを含んでいる。真空源1990は、吸引チャンネルの一部をなす柔軟性管状部材に流体結合するよう構成されている。こうすることで、内視鏡器具から吸引チャンネルを介して真空源1990に向かって流動する物質は、2030標本収集ユニットで収集されうる。組織感知モジュールは、内視鏡器具2000の遠位端に設けられた組織センサに通信可能に結合できる。幾つかのそうした実装例では、組織感知モジュールを器具制御ユニット2010に通信可能に結合して、組織感知モジュールが、制御ユニット2010に動力アクチュエータの作動を停止させる1つまたは複数の信号を送信できるように構成できる。
【0129】
動力アクチュエータが電気的に作動されると共に内視鏡器具内部に配置される幾つかの実装例では、この動力アクチュエータは器具制御ユニット2010に電気的に結合できる。幾つかのこうした実装例では、この動力アクチュエータは1つまたは複数の電気ケーブルを介してこの制御ユニットに結合される。幾つかの実装例では、動力アクチュエータはバッテリで動作させてもよく、その場合は、チュービングは、制御ユニットから動力アクチュエータまたは動力アクチュエータを作動させるためのバッテリまで延伸するケーブルを含むことができる。
【0130】
動力駆動器具ヘッドが、この動力駆動器具ヘッドを内視鏡の外部に配置された動力アクチュエータに結合する柔軟性トルクコイルに結合されている幾つかの実装例では、動力アクチュエータは器具制御ユニットの一部としてよい。
【0131】
本開示の様々な実施形態では、内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、デブリードマン要素および器具チャンネル内に配置された標本回収導管を含む内視鏡器具とを含む。この内視鏡器具は、標本回収導管が内部に部分的に配置された柔軟性チュービングをさらに含むことができ、この柔軟性チュービングは、内視鏡器具の第1端部から第2端部まで延伸している。この柔軟性チュービングは、空気圧空気流入導管および流体洗浄導管も含むことができる。様々な実施形態では、このデブリードマン要素は、タービンアセンブリおよび切断工具を含んでもよい。内視鏡が内蔵型内視鏡器具を備えるよう構成された様々な実施形態では、器具チャンネルの直径は、既存の内視鏡の器具チャンネルの直径より大きくすればよい。こうすることで、デブリードマンされた物質の大きい部分は、吸引導管を詰まらせることなく患者の体内から吸引できる。
【0132】
他の実施形態では、内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、内視鏡の第1端部で器具チャンネルに結合された内視鏡器具であって、部分的に器具チャンネル内に配置されたデブリードマン要素と標本回収導管とを含む内視鏡器具とを含むことができる。幾つかの実施形態では、この内視鏡器具は、内視鏡器具に着脱可能に取り付けできる。
【0133】
本開示の他の実施形態では、内視鏡システムは内視鏡を含み、この内視鏡は、柔軟ハウジングにより分離された第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部まで延伸する器具チャンネルと、内視鏡の第1端部で器具チャンネルに結合された内視鏡器具とを含む。この内視鏡器具は、デブリードマン要素と、内視鏡の長さより長い柔軟性チュービングとを含むことができる。さらに、柔軟性チュービングは、標本回収導管と、空気圧空気流入導管と、流体洗浄導管と、内視鏡の第2端部に近位で標本回収導管と結合するよう構成された使い捨てカートリッジと、内視鏡の第2端部に近位で空気圧空気流入導管と結合するよう構成された加圧空気源と、内視鏡の第2端部に近位で流体洗浄導管と結合するよう構成された流体洗浄源とを含むことができる。様々な実施形態では、この内視鏡は、少なくとも1つのカメラ源および少なくとも1つの光源も含むことができる。本開示の幾つかの実施形態では、空気圧空気流入導管は、内視鏡の第1端部に近位でデブリードマン要素のタービンアセンブリに加圧空気を供給し、流体洗浄導管は、内視鏡の第1端部に近位で洗浄流体を標本回収導管に供給する。
【0134】
本開示は、開示した実施形態に関連して例示的に説明したものである。開示した実施形態に対しては、添付した請求項に定義された本開示の範囲から逸脱することなく当業者により様々な変形および変更が可能である。