特許第6165804号(P6165804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165804
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】マルチモードの無人航空機
(51)【国際特許分類】
   F41G 7/22 20060101AFI20170710BHJP
   F42B 15/01 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   F41G7/22
   F42B15/01
【請求項の数】30
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-126773(P2015-126773)
(22)【出願日】2015年6月24日
(62)【分割の表示】特願2011-548413(P2011-548413)の分割
【原出願日】2010年2月2日
(65)【公開番号】特開2015-212617(P2015-212617A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2015年7月23日
(31)【優先権主張番号】61/149,304
(32)【優先日】2009年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/241,017
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/240,985
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/240,987
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/240,996
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/241,001
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510192813
【氏名又は名称】エアロバイロメント
【氏名又は名称原語表記】AEROVIRONMENT
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ミラジェス,カルロス
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/020448(WO,A2)
【文献】 米国特許第04730793(US,A)
【文献】 米国特許第06244535(US,B1)
【文献】 米国特許第04383663(US,A)
【文献】 米国特許第05874727(US,A)
【文献】 特開2000−266499(JP,A)
【文献】 特開平06−273098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 7/00
F41G 9/00
F42B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機(UAV)において:
当該UAVを、目標追跡画像の内容の急激な変化の検出に反応して第1のモードの軌道から第2のモードの軌道に移行するよう構成された処理ユニットを具えており、
前記第1のモードの軌道は終末ホーミングモードの軌道であり、前記UAVはさらに、前記終末ホーミングモードの軌道にある間にペイロードを目標周囲の体積に送達するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項2】
請求項1に記載の無人航空機において、前記処理ユニットがさらに、前記処理ユニットと通信する情景検出センサから前記処理ユニットに通信された情景変化に応じて、前記終末ホーミングモードの軌道にある間に前記UAVを前記目標周囲の体積に誘導する1以上の指示を自律的に提供するよう構成されていることを特徴とする無人航空機。
【請求項3】
請求項1に記載の無人航空機において、前記処理ユニットがさらに、アップリンク信号に反応して、前記終末ホーミングモードの軌道から前記第2のモードの軌道に前記UAVを移行するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項4】
請求項1に記載の無人航空機において、前記処理ユニットがさらに、前記処理ユニットの機上処理;オペレータ;および指示送信デバイスのうちの少なくとも1つによって生成された指示に反応して、前記終末ホーミングモードの軌道から前記第2のモードの軌道に前記UAVを移行するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項5】
請求項1に記載の無人航空機において、前記ペイロードが、前記UAVに一体化されることを特徴とする無人航空機。
【請求項6】
請求項1に記載の無人航空機において、前記ペイロードが、前記目標周囲の体積に近接する前記UAVから射出されるよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項7】
請求項1に記載の無人航空機において、前記処理ユニットが、コンピュータ実行可能な指示を実行するよう構成された中央プロセッサ;電気回路;電子回路;および論理ゲートアレイのうち少なくとも1つを具えることを特徴とする無人航空機。
【請求項8】
請求項1に記載の無人航空機において、前記第2のモードの軌道が、目標サーチモードの軌道であることを特徴とする無人航空機。
【請求項9】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVがさらに、目標センサを具えることを特徴とする無人航空機。
【請求項10】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVがさらに目標センサ一式を具えており、前記UAVの前記目標センサ一式は、電気光学カメラ、長波赤外カメラ、短波赤外カメラ、無線周波数受信機、および無線周波数送信機のうち、少なくとも1つを具えることを特徴とする無人航空機。
【請求項11】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVがさらに、前記第2のモードの軌道の場合に、少なくとも前記UAVを上昇させる揚力の大きさを維持するように構成されていることを特徴とする無人航空機。
【請求項12】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVがさらに、前記第2のモードの軌道の場合に、少なくとも水平飛行を維持するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項13】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVは、10乃至1,000ワット時の範囲のエネルギを蓄電する化学電池によって飛行中に動力供給されており、前記UAVは終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行できることを特徴とする無人航空機。
【請求項14】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVは、44ワット時未満のエネルギを蓄電する化学電池によって飛行中に動力供給されており、前記UAVは終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行できることを特徴とする無人航空機。
【請求項15】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVが、23キログラム未満の質量であることを特徴とする無人航空機。
【請求項16】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVが少なくとも0.5キログラムの質量を特徴とし、化学電池および電気モータ駆動プロペラによって飛行中に動力供給されており、前記UAVは終末ホーミングモードの軌道から調査モードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行できることを特徴とする無人航空機。
【請求項17】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVが少なくとも1.3キログラムの質量を特徴とし、化学電池および電気モータ駆動プロペラによって飛行中に動力供給されており、前記UAVは終末ホーミングモードの軌道から調査モードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行できることを特徴とする無人航空機。
【請求項18】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVが終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成されており、前記UAVは23キログラム未満の発射質量を特徴とし、前記UAVは、(a)化学電池および(b)燃焼機関の少なくとも一方によって動力供給されたプロペラにより飛行中に推力を生成するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項19】
請求項1に記載の無人航空機において、前記UAVが終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成されており、前記UAVは23キログラム未満の質量を特徴とし、前記UAVはタービン機関によって飛行中に推力を生成するよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項20】
請求項1に記載の無人航空機において、アップリンク信号が目標周囲の体積への誘導を含む終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道へのモード移行を示すと前記処理ユニットが判定した場合、および前記UAVが前記目標周囲の体積に最接近する少なくとも2秒前に前記アップリング信号が前記UAVの前記処理ユニットにて受信された場合に、前記UAVが目標サーチモードの軌道に移動する動力飛行をするよう構成されることを特徴とする無人航空機。
【請求項21】
目標周囲の体積への誘導によって、ペイロードを前記目標周囲の体積に送達するよう構成された無人航空機(UAV)の機体と;
前記UAVの機体に搭載した処理ユニットとを具える装置であって、前記処理ユニットは、コンピュータ実行可能な指示を実行するよう構成された中央処理ユニット;電気回路;電子回路;および論理ゲートアレイの少なくとも1つを具えており、前記処理ユニットは、目標追跡画像の内容の急激な変化の検出に反応して第1のモードの軌道から第2のモードの軌道に装置を移行するよう構成されており、
前記第1のモードの軌道は終末ホーミングモードの軌道であり、前記終末ホーミングモードの軌道は前記UAVを前記目標周囲の体積に誘導するための1以上の指示の実行を含むことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記第2のモードの軌道が目標サーチモードの軌道であって、当該装置は更に、少なくとも前記目標サーチモードの軌道の間に、目標サーチ体積から電磁放射線を受信するよう構成された目標センサを具えることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、当該装置が更に、前記目標サーチモードの軌道において、少なくとも水平飛行を維持するよう構成されることを特徴とする装置。
【請求項24】
無人航空機(UAV)の飛行モードを移行する方法において:
UAVの処理ユニットによって、第1のモードの軌道にある間にモード変更入力を検査するステップであって、前記第1のモードの軌道はペイロードを目標周囲の体積に送達する自動終末ホーミングモードの軌道であるステップと;
目標追跡画像の内容の急激な変化の検出に反応してモードの変更を設定するステップと;
前記モードの変更に基づいて第2のモードの軌道に移行するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記終末ホーミングモードの軌道がさらに、前記UAVによる、前記目標周囲の体積への誘導を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法において、前記モードの変更が、1以上の画像の変化状態に基づくことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法において、前記モードの変更が、UAV搭載の目標センサによって検出された1以上の画像の変化状態に基づくことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項24に記載の方法において、前記モードの変更がさらに、外部発信源に基づくモード変更命令信号を受信することを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項24に記載の方法において、前記第2のモードの軌道が、目標サーチモードの軌道であることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項24に記載の方法において、前記モードの変更に基づいて第2のモードの軌道に移行するステップが、前記UAVの処理ユニットの機上処理によって1以上のUAVの飛行命令を自動的に変更することにより生じることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年2月2日出願の米国仮特許出願第61/149,304号、2009年11月9日出願の米国仮特許出願第61/241,017号、2009年11月9日出願の米国仮特許出願第61/240,985号,2009年11月9日出願の米国仮特許出願第61/240,987号、2009年11月9日出願の米国仮特許出願第61/240,996号、2009年11月9日出願の米国仮特許出願第61/241,001号の利益を主張するものであり、全ての目的のためにその全体が参照により本書に組み込まれる。
【0002】
幾つかの実施形態における発明は無人航空機(UAV)に関し、特に小型および/または一人で持ち運べるUAVに関するものである。
【背景技術】
【0003】
誘導爆弾のような軍需品および、前方爆発性を有するおよび/または車両の運動エネルギを目標に付与するよう構成された攻撃ミサイルの有効性は、運動能力による限界を規定し、望ましくは目標を閉ループ終末ホーミングしている最中の目標を含む、縮小する円錐の有効体積として特徴付けることができる。このような軍需品やミサイルは、一般市民の要素といった非対象物に対して、少なくともある程度は対象を容易に定義できる従来の戦場には適応する。調査用UAVを含む偵察機は、通常は通信回線を介して調整され、認識された目標への砲爆のような空襲作戦を容易にする。ミサイルまたは軍需品を輸送するUAVは、UAVからミサイルまたは軍需品を発射または投下することによって素早く反応する能力を有しうる。しかしながら、UAVからのミサイルまたは軍需品の投下も、上記の有効円錐が縮小するという欠点を有する。従来にない戦闘は巻き添え被害を最小限にする必要性を増加させるが、規定された有効円錐(すなわち、運動性能)を有するミサイルまたは軍需品では、運動時間の減少およびホーミング車両の制限された運動性能によって、目標を変更する、あるいはミサイルまたは誘導爆弾が目標に接近しているときに目標から外れることは一層難しくなる。図1Aは、航空機5のような手段から発射されうる、操縦可能な誘導デバイスの運動円錐の平面図である。図示された誘導デバイスは図の右側への対地速度を有し、抗力および重力の双方の影響を受ける。誘導デバイス10の予想軌道は、地表30に設置された予定の目標20に近付けることができる。空力エフェクタの調整および/または圧力中心または質量中心の何れかの移動次第で、誘導デバイス10はその実際の軌道を運動領域40として図1Aの平面図に図示された運動円錐の体積内に収めることができる。最大の下方旋回では、誘導デバイスは予定目標から最も上方範囲の軌道として図示された軌道、すなわち運動円錐40のアップレンジの運動限界境界線42に従う。誘導デバイスの最適な滑空角特性を利用した最大の上方旋回では、誘導デバイスは予定目標から最も下方範囲の軌道、すなわち運動円錐40のダウンレンジの運動限界境界線41に従う。運動円錐40底部のダウンレンジ落下予定範囲45は、アップレンジの運動限界境界線42と地表30の交点43から、ダウンレンジの運動限界境界線41と地表30の交点44へと地表30に沿った距離として規定することができる。図1B図1Aの誘導デバイス10の運動円錐50の平面図であるが、飛行の後の時間である。運動円錐50底部のダウンレンジ落下予定範囲55は、アップレンジの運動限界境界線52と地表30の交点53から、ダウンレンジの運動限界境界線51と地表30の交点54へと地表30に沿った距離として規定することができる。図1Bのダウンレンジ落下予定範囲55は、図1Aのダウンレンジ落下予定範囲45よりも小さいことに留意されたい。すなわち、図1A図1Bと比較すると、誘導デバイスが目標を要撃するのに可能な地表領域は、運動している攻撃車両が予定目標に接近すると縮小する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、無人航空機(UAV)の実施形態と、UAVが第1のモードから第2のモードにUAVを移行するよう構成された処理ユニットを具えうる他の装置の実施形態とを含んでおり、第1のモードは終末ホーミングモードである。UAVの処理ユニットの終末ホーミングモードはさらに、目標体積へのホーミングを含みうる。幾つかの実施形態では、処理ユニットはさらに、アップリンク信号に反応して、終末ホーミングモードから第2のモードにUAVを移行するよう構成される。幾つかの実施形態では、処理ユニットはさらに、処理ユニットの機上処理、オペレータ、および指示送信デバイスのうちの少なくとも1つによって生成された指示に反応して、終末ホーミングモードから第2のモードにUAVを移行するよう構成される。幾つかの実施形態では、ペイロードはUAVと一体型である。幾つかの実施形態では、ペイロードは、目標体積に近接したUAVから放出されるよう構成されている。幾つかの実施形態では、処理ユニットは、コンピュータ実行可能な命令を実行するよう構成された中央プロセッサ、電気回路、電子回路、および論理ゲートアレイのうち少なくとも1つを具える。幾つかの実施形態では、第2のモードは目標サーチモードである。UAVの実施形態はさらに、目標センサを具えうる。UAVの複数の実施形態はさらに目標センサ一式を具えてもよく、UAVの目標センサ一式は、電気光学カメラ、遠赤外カメラ、短波長赤外カメラ、高周波受信機、および無線通信機のうちの少なくとも1つを具える。幾つかの実施形態では、UAVは重量値によって特徴付けてもよく、UAVはさらに、第2のモードの場合に、少なくともUAVの重量値の揚力の大きさを維持するよう構成される。幾つかの実施形態では、UAVはさらに、第2のモードの場合に、少なくとも水平飛行を維持するよう構成されてもよい。UAVの複数の実施形態は、10乃至1,000ワット時の範囲のエネルギを蓄電した化学電池によって飛行中に動力供給されており、UAVは終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することができる。UAVの幾つかの実施形態は、44ワット時未満のエネルギを蓄電した化学電池によって飛行中に動力供給されており、UAVは終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することができる。UAVの複数の実施形態は、23キログラム未満の質量によって特徴付けることができる。UAVの複数の実施形態は少なくとも0.5キログラムの質量によって特徴付けられ、化学電池および電気モータ駆動プロペラにより飛行中に動力供給されており、UAVは終末ホーミングモードの軌道から調査モードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することができる。UAVの複数の実施形態は、少なくとも1.3キログラムの質量によって特徴付けられ、化学電池および電気モータ駆動プロペラによって飛行中に動力供給されており、UAVは終末ホーミングモードの軌道から調査モードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することができる。UAVの複数の実施形態は、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成されてもよく、UAVは23キログラム未満の発射質量値により特徴付けることができ、UAVは(a)化学電池、および/または(b)燃焼機関の少なくとも一方によって動力供給されたプロペラにより、飛行中に推力を生成するよう構成されてもよい。UAVの複数の実施形態は、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成されてもよく、UAVは23キログラム未満の質量により特徴付けられ、UAVはタービン機関によって飛行中に推力を生成するよう構成されてもよい。UAVの複数の実施形態は、アップリンク信号が目標体積へのホーミングを含む終末ホーミングモードから目標サーチモードへのモードの移行を示すと処理ユニットが判定した場合、およびUAVが目標体積に最接近する前に指示的なアップリンク信号が少なくとも2秒UAVに受信された場合に、目標サーチモードの軌道に移動させる動力飛行をするよう構成されてもよい。
【0005】
本発明の複数の実施形態は、ペイロードを目標体積に送達するよう構成された無人航空機(UAV)のエアフレームと、UAVエアフレームに搭載された処理ユニットとを有する装置を具えてもよく、処理ユニットは、コンピュータ実行可能な命令を実行するよう構成された中央処理ユニット、電気回路、電子回路、および論理ゲートアレイのうち少なくとも1つを具えており、処理ユニットは第1のモードから第2のモードに装置を移行するよう構成され、第1のモードは終末ホーミングモードであり、当該終末ホーミングモードは目標体積へのUAVホーミングを含み、処理ユニットはさらに、処理ユニットの機上処理、オペレータ、および指示送信デバイスのうち少なくとも1つによって生成される指示に反応して、終末ホーミングモードから第2のモードに装置を移行するよう構成されている。これらの装置の幾つかの実施形態における第2のモードは目標サーチモードであり、この装置は更に、少なくとも目標サーチモードの間に、目標サーチ体積から電磁放射を受信するよう構成された目標センサを具えている。当該装置の複数の実施形態はさらに、目標サーチモードの場合に、少なくとも水平飛行を維持するよう構成することができる。
【0006】
本発明は、機上処理である信号または数値に反応して、終末ホーミングモードから、調査モード、監視モード、偵察モード、観察モード、遠隔モード、および/または目標サーチモードの何れの別のモードに無人航空機(UAV)を移行することが可能な方法およびシステムを含み、UAVの機上処理は、第3の航空機に搭載の指示送信デバイスまたは第3の送信局からの信号として、および/または、携帯のユーザインタフェースからおよび/または情景変化の自律判断によって生成された信号として、UAVのアップリンクにもたらされうるモード移行を開始する指示を認識する。例示的なシステムは、調査、観察および/または目標センサといった少なくとも1のセンサと処理ユニットとを具えるUAVを含んでもよく、この処理ユニットは、アップリンク信号に反応して、UAVを終末ホーミングモードから目標サーチモードなどの別のモードに移行するよう構成されている。UAVの目標センサなどの少なくとも1のセンサは画像デバイスを具えることができ、処理ユニットは、1以上の画像が変化した状態に基づいて、終末ホーミングモードから目標サーチモードなどの別のモードにUAVを移行するよう構成されてもよい。さらに、UAVは、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道などの別のモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう動力供給することができる。
【0007】
UAVの幾つかの実施形態は、100ワット時未満のエネルギを蓄電する化学電池によって飛行中に動力供給し、UAVのプロペラモータに動力供給して、UAVを終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道などの別のモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することができる。UAVの幾つかの実施形態は1.0乃至1.4キログラムの質量を有し、化学電池によって飛行中に電気モータ駆動プロペラに動力を供給して、UAVを終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道などの別のモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行してもよい。UAVの幾つかの実施形態は1.4キログラム未満の質量であり、電気的に動力供給される少なくとも1のプロペラを有する。約4乃至25キログラムの質量を有するUAVの幾つかの実施形態は、電気モータ、または燃焼機関、および/または電気−燃焼ハイブリッドエンジンによって動力供給される少なくとも1のプロペラを有しうる。UAVの幾つかの実施形態は、約25キログラム以下の質量を有し、燃焼機関またはタービン機関によって動力供給されてもよい。
【0008】
UAVの幾つかの実施形態は、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道などの別のモードの軌道に移行する間に、局所重力加速度と航空機の質量の積よりも大きい、または航空機の重量よりも大きい揚力(空気力学的に上昇する力)の大きさを生成するよう構成される。UAVの幾つかの実施形態は、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道などの別のモードに移行する間に、推力を生成するプロペラに動力供給するよう構成されてもよい。UAVの中心線に対してほぼ垂直な方向へのUAVの加速飛行は「水平方向の加速度」と称され、中心線に沿った加速または減速は「縦方向の加速度」と称することができる。従って、UAVの複数の実施形態は、水平飛行に要求されるよりも横方向に加速する、すなわち、複数のモードが移行する期間にわたって重量を上回るよう構成される。すなわち、UAVは水平飛行を保持するために局所重力加速度よりも大きい揚力による第1の加速度を要しており、本発明では、UAVは局所重力加速度よりも大きい揚力による加速度を生成し、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードなどの別のモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行することが可能である。移行の一部として、航空機がプロペラを始動する、あるいはプロペラの回転速度を増加させることができる。UAVの複数の実施形態は、アップリンク信号が終末ホーミングモードから目標サーチモードなどの別のモードへのモードの移行を示すと処理ユニットが判定した場合、およびUAVが目標に再接近する前に、幾つかの実施形態では少なくとも2秒というように、UAVが目標から離れる操作に間に合うようアップリンク信号がUAVに受信される場合に、目標サーチモードなどの別のモードの軌道を実現するよう飛行中に動力供給することができる。このように離れる操作は、目標との衝突を防ぎ、目標から最小距離にUAVを維持できるようにする。
【0009】
UAVの複数の実施形態は、飛行モードの間で移行するよう構成されているため、目標ホーミングモードから目標サーチモードまたは調査モードなどの別のモードに移行している間、および任意に目標ホーミングモードに戻る間に、電池および/または可燃燃料などの蓄積された化学エネルギを、飛行高度の上昇といった航空機の位置エネルギおよび/または対気速度などの運動エネルギに変換することができる。
【0010】
本発明のマシン利用可能処理の実施形態は、無人航空機(UAV)の飛行モードを移行する方法を含み、当該方法は、(a)自動終末ホーミングモードの間に、UAVプロセッサによってモードの変化に対する検査をするステップと、(b)外部発信源からのモード変更命令信号、および/または情景変化に基づいて自律的に生成された信号を受信するステップと、(c)目標サーチモードなどの別のモードに移行し、モード変更命令信号に基づいて飛行命令を変更するステップとを具える。従って、幾つかの実施形態について、標的センサなどのUAVの少なくとも1のセンサは画像デバイスを具えてもよく、処理ユニットは、閾値を越えるピクセル状態の量および/または大きさの変化、あるいは時間差方式の離散時間型の画像のフーリエ変換といった画像の情報内容または画像の一部における変化といった1以上の画像が変化した状態に基づいて、UAVを終末ホーミングモードから目標サーチモードなどの別のモードに移行するよう構成される。無人航空機(UAV)の飛行モードを移行する例示的な方法は、(a)自動終末ホーミングモードの間に、UAVプロセッサによってモードの変化に対する検査をするステップと、(b)モード変更命令信号を受信するステップと、(c)目標検出および/または目標捕捉する別のモードのような、事前終末ホーミングモードに移行するステップと、(d)モード変更命令信号に基づいて飛行命令を変更するステップとを含みうる。幾つかの実施形態について、モード変更命令信号を受信するステップは、1以上の画像が変化した状態に基づいてもよい。幾つかの実施形態について、モード変更命令信号を受信するステップは、地上の通信局または飛行送信機といった外部発信源に基づいてもよい。幾つかの実施形態について、事前終末ホーミングモードは目標サーチモードであってもよく、目標サーチモードはさらに、事前終末コミット体積を含みうる。UAVの複数の実施形態は画像や飛行状態のデータをダウンリンクしてもよいが、測定された画像センサのトラッキング角度、角速度ジャイロスコープ、直線加速度計、およびGPS受信機からの飛行データは全て機上の処理ユニットに取り込まれ、舵面アクチュエータおよび/またはプロペラの回転速度を制御することで飛行制御を変化させてもよい。
【0011】
終末ホーミングは通常、UAVが適正速度、または最小の飛行終速度を維持するように推進システムがそのパワー出力を減少させる、あるいは全く必要がなくなる程の急傾斜である降下を含む。このような最小飛行速度は、UAVの失速および/または最小運動速度であってもよい。このような動力の減少は、音響学的な特性を減少させる。
【0012】
本発明の様々なUAVの実施形態は、例えば、(a)地表からの発射筒、(b)他の空中プラットフォームから発射または投下、(c)静止または移動している地上車または海上船舶から発射といった、幾つかのシステムによって発射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施形態は例として図示されており、添付の図面に限定はされない。
図1A図1Aは、操作可能な攻撃車両の運動限界を示している。
図1B図1Bは、操作可能な攻撃車両の縮小した運動円錐の平面図である。
図2A図2Aは、本発明の航空機の実施形態の平面図である。
図2B図2Bは、本発明の航空機の実施形態の側面図である。
図3図3は、本発明のシステム構造の実施形態の最上位機能ブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態の操作を展開した例示的な図である。
図5図5は、本発明の実施形態の例示的なモード論理の最上位フローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態の操作を展開した他の例示的な図である。
図7図7は、本発明の実施形態の操作を展開した他の例示的な図である。
図8図8は、本発明の実施形態の例示的なモード論理の他の最上位フローチャートである。
図9図9は、地上目標に対するホーミングへのトラックパターンの移行、終末ホーミングからの離脱、およびトラックパターンへの復帰におけるUAVの例示的な図である。
図10図10は、航空機の運動限界によってUAVを拒む、例示的な空間体積を示している。
図11図11は、初期の終末ホーミング段階における運動および範囲限界を有する例示的なUAVを示している。
図12図12は、後半の終末ホーミング段階における運動および範囲限界を有するUAVを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例を示す図面について説明する。図2Aは、本発明のUAV部100の実施例の上面図を示している。例示的なUAVは、可視光および/または赤外光を検知するピクセルアレイのようなホーミングセンサ111を有する前端部110と、致命的または実際には非致命的、すなわち展開可能な電子組立部品の着色カプセルといった、正確に送達するための弾頭または他のペイロードなどの展開可能なペイロード112とを具える。この前端部は、非常に爆発しやすい(HE)、徹甲用、指向性爆薬、対人用、抗放射線、電磁パルス(EMP)および/または有向性爆薬といった様々な弾頭を支持するよう構成することができる。これらの弾頭は、取り外し可能および/または交換可能であってもよい。前端部は弾頭ユニットの代わりまたはその一部に、UAVの軌道を伸ばしうる更なる電池パックを支持するよう構成されてもよい。UAVの複数の実施形態は、センサ111および115を含むセンサ一式を有する場合があり、ミリ波システム、レーザ受信機および/または送信機といったレーダー画像センサ、光検出および測距(LiDAR)デバイスなどのレーザー画像システム、および電波受信機などの他の電磁検出器といった、1以上の受動的および/または能動的な受信器を具えている。このような例示的な前端部センサの商業的な供給源は、ボイシ、ID83707−0006のMicron Technology社による、Micron MT9P031、5MpのCMOS Digital Image Sensorを含む。前端部110はさらに、電子アセンブリ(EA)113または航空電子機器を具えてもよく、これらは実行したときに、UAVの位置、直線および/または回転速度、直線加速度および/または姿勢に関連する情報を取り込み、オートパイロット処理および/またはエンジン制御処理または遠隔人間パイロット処理の何れかまたは双方に対する命令を生成する、誘導指示を有する誘導プロセッサを具えてもよい。前端部110またはEA113はさらに、UAVが対象物または目標の周りを回転している間に対象物または目標の見ることができるよう配置された、側面センサまたはカメラ115(図2Aおよび図2Bに図示)を具えうる。例えば、側面センサ115が地面を向くようにUAVをバンクさせることにより、UAVが目標の周りを回転している間にセンサ115は目標をを観察できる。センサ115は、センサ111について本書に記載する任意の例示的なセンサであってもよい。
【0015】
UAVは、電池ユニットなどの1以上の電源114と、内部燃焼機関を含む燃焼機関、タービン、または燃料タンクと、出力調整回路とを具えうる。さらに、推進力の供給源はタービン機関、または固体または液体ロケットモータといったプロペラシステムを増補させる、あるいは交換することができる。UAVの複数の実施形態は、1乃至1.5キログラムの範囲の質量におけるUAVについて10乃至30分飛行させるためのプロペラモータを含む、機上の電気デバイスに動力供給するために用いることができる約44ワット時のエネルギを蓄電する化学電池を具えうる。UAVの実施形態は、更に小型および/または更に短い飛行時間および/または少ない質量を有しうる、および/または異なる揚抗比を有してもよく、その結果、44ワット時未満を要することもある。UAVの実施形態は、更に大型および/または更に長い飛行時間を有してもよく、その結果、44ワット時以上を要することもある。航空機の質量が約1.3キログラム以上に増加すると、効果的な終末ホーミングの円錐に必要な推力および揚力は、航空機がハイブリッドシステムなどの44ワット時以上を有する電池電気システムを増補させる、あるいは電池電気システムを内部燃焼機関および/またはタービン機関と交換する燃焼機関を具えるようにしてもよい。UAVは、EAおよび/または航空機の重力中心に近接するEAおよび/または姿勢および/または速度のジャイロスコープおよび/または直線加速時計の一部などとして、GPSアンテナおよびGPS受信機といった航空機用のセンサを具えてもよい。UAVはプロペラ130およびプロペラモータ131などの推力を生成するモードを有してもよく、他の実施形態は、タービンモータおよび/またはロケットモータを別個または組み合わせて用いてもよい。
【0016】
UAVは、右翼141、左翼142、左尾翼144、右尾翼143およびラダー翼145、146といった揚力面を有しうる。翼要素141、142は、エレボンとして駆動する駆動動翼147、148を有してもよい、あるいはエレベータとして駆動する面を有する翼として組み込むこともできる。UAVの実施形態は、水平飛行に対して重力加速度の約1.2乃至2.0倍の運動余裕を有し、出撃期間の大部分を持続できるよう最小であってもよい。終末ホーミングモードおよび中止が可能な最終時点では、UAVの複数の実施形態は、重力加速度の約2.0乃至2.5倍の運動余裕を有する。高い加速度を特徴とする運動性能が望ましいが、このような高性能は大型の翼および/または高い揚力、更なる重量および体積の双方を要する翼で得られると認識されている。UAVの複数の実施形態は、0.049平方メートル(約76平方インチ)の翼面積を有し、0.016平方メートル(約15平方インチ)乃至1.0平方メートル(約1550平方インチ)の範囲内となりうる。
【0017】
2009年9月9日出願の米国仮特許出願第61/240,985号、名称「エレボン制御システム(Elevon Control System)」について説明がされており、参照により本書に組み込まれる。尾翼要素143、144は、エルロンまたはエレベータとして駆動する駆動動翼を有してもよい。UAVのラダー翼145、146は本体に固定されてもよい、すなわち、ラダー翼145、146は垂直安定板として機能し、その結果、UAVはヨーイングが静的に安定しうる、すなわち、航空機の重力中心の後部にヨーイングの圧力中心がある。UAVのヨーイングの安定性は、連結され制御される後縁部または1以上のラダー翼の面によって増加させることができる。UAVの幾つかの実施形態は、UAVの機体に適合する回転可能なプラットフォームに装着された2のラダーアセンブリを有し、ヨーイング制御の増大に影響を与えることができる。幾つかの実施形態では、UAVはUAV発射装置コンテナに梱包され、一人で持ち運びされる。2009年9月9日出願の米国仮特許出願第61/240,987号、名称「無人航空機の携帯用発射筒(Unmanned Aerial Vehicle Portable Launch Tube)」について説明がされており、参照により本書に組み込まれる。このUAVは、0.5乃至25キログラムの質量を有しうる。従って、UAVの幾つかの実施形態は、UAVが25キログラム未満の発射重量を有し、化学電池、燃焼機関、またはその両方によって駆動されるプロペラによって飛行時に動力供給される場合に、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成することができる。幾つかの実施形態では、UAVはタービン機関によって動力供給されてもよい。UAVの実施形態は、UAVが1.0乃至2.0キログラムの発射重量を有し、化学電池、燃焼機関、またはその両方によって駆動されるプロペラによって飛行時に動力供給される場合に、50乃至120ノットの対気速度、および約20分の飛行機間を有しながら、終末ホーミングモードの軌道から目標サーチモードの軌道に移行し、その後に終末ホーミングモードの軌道に移行するよう構成することができる。
【0018】
図2Bは、左翼142が動作している後縁動翼148を有し、2のアンテナワイヤ210、220(縮尺は一定ではない)が機体201から延在している例示的なUAVの側面図を示している。アンテナ要素の1つはアップリンク210として利用してもよく、特に、終末ホーミングモードから目標サーチモードまたは偵察モードへの移行、あるいは目標サーチモードから終末ホーミングモードなどのホーミングモードへの移行を行うモード制御信号を受信する。他のアンテナ要素は、ライブビデオ、自動ビデオ追跡状態、飛行パラメータ、および/またはUAVの状態といったデータを送信するためのダウンリンク220として用いることができる。送受信機能を有するよう具え付けられた場合、1つのアンテナを両方の機能に利用することができる。ビデオデータおよび飛行状態のデータはダウンリンクすることができるが、UAVは、ジャイロ、加速度計などの様々な機上飛行センサ、GPS受信機の出力、および画像センサまたは他の前端部の目標追跡/追尾センサからの目標データを機上プロセッサによって処理し、動翼作動命令を生成し、目標サーチ段階および終末ホーミング段階の双方、およびその間の移行についてUAVを適宜誘導する。GPSアンテナ230は機体に適合するか機体内に装着されてもよい、すなわち、GPS周波数帯において非常に透過する(低損失)材料で作られた場合に、機体の内側に装着することができる。通常、GPSアンテナは、GPS衛星の配置から信号を受信できるように、UAVの機体上または機体に沿って装着または配置することができる。
【0019】
図3は、UAV処理および誘導および制御サブシステム300の例示的な機能ブロック図を示しており、誘導センサ310は、追尾または追跡プロセッサ320の追尾または追跡処理に関連する外部環境についての情報を提供する。誘導センサ、より一般的には誘導センサ一式は、受動的および/または能動的なレーダーサブシステム、赤外線検出サブシステム、赤外線画像サブシステム、ビデオカメラベースのサブシステムなどの可視光画像サブシステム、紫外光検出サブシステム、およびそれらの組み合わせを含みうる。追尾プロセッサ320は、画像処理および目標追跡処理の双方、およびアップリンク受信器335から受信されうる目標指定または再指定入力321および/または誘導プロセッサ330の出力を含みうる。画像処理および/または目標追跡情報322はダウンリンク送信機323を介して送信することができ、この送信機はアップリング/ダウリンク受信機の一部であってもよい。誘導処理の指示を実行する誘導プロセッサ330は、追尾処理320からの目標情報324、およびGPS受信機331、および/またはジャイロスコープおよび加速度計332からの位置、速度、および/または姿勢といったUAVの飛行状態の情報がある場合には、それらを受け取ることができる。軌道を最適にする航路のウェイポイントおよび/または目標サーチを受信する誘導プロセッサ330は、メモリの記憶333を参照にしてもよい。システムの実施形態について、誘導プロセッサ330は、発射準備段階の外部データポート334によって、あるいは発射後段階のアップリンク受信機335によって、軌道を最適にする航路のウェイポイントおよび/または目標サーチを受信および/または更新してもよい。飛行経路、軌道、または角度や方向を変える航路を決定する指示の一部を実行する誘導プロセッサ330は、特に終末ホーミングモードではない場合に、軌道情報を最適にするウェイポイントおよび/または監視を参照にしてもよい。2009年9月9日出願の米国仮特許出願第61/241,001号、名称「RF透過性発射筒における遠隔操作UAVを有する無人航空機システム(Unmanned Aerial Vehicle System with Remotely Operated UAV in an RF Transparent Launch Tube)」について説明されており、参照により本書に組み込まれる。誘導プロセッサ330は、アップリンク受信機335を介して命令を受信し、終末ホーミングモードから目標サーチモードすなわち非終末ホーミングモードに切り換えるか移行し、目標サーチモードから終末ホーミングモードに切り換えることができる。UAVは、自動的またはアップリンクに反応して、側方搭載型カメラすなわちセンサ115、または他の情景検出センサからの画像を処理し、前部搭載型カメラまたは他の情景検出センサに切り換えることができる。例えば、追尾処理320によってロックされた可視目標はGPS座標を基準に追跡され、修正可能な終末ソリューションの決定に関係する指示を実行する誘導プロセッサ330によって反復的に決定することができる終末ホーミングのソリューションに組み込むことができる。誘導処理330はGPS受信機に支援されるストラップダウン航法のソリューションを含んでもよく、外部アップリンクによって開始される、あるいは終末ホーミング段階の情景変化に基づいて自動的に開始される、終末ホーミングを中断した後の事前終末コミットポイントまたは復帰ウェイポイントの記録を適宜支持することができる。その後、UAVは、前の終末段階を開始した空間体積内、その近傍、またはほぼ同一の空間体積に戻ることができる。航空電子センサの実施形態は、5メガピクセルの解像度、60Hzの画像レート、1X−3Xなどのデジタルズーム、局所的なサブフレーム、および自動明度制御を有するデジタルカメラ、および/または640×480FPAフォーマット、スイス、ジュネーブのSTMicroelectronics社のARM(登録商標)9マイクロコントローラ、STMicroelectronics社のLIS3L02DQ MEMS3軸直線加速度計、マサチューセッツ州ノーウッドのAnalog Devices社のADXRS612 ジャイロスコープ、カリフォルニア州ミルピタスのSilicon Microstructures社のSM5872対気速度センサ、圧力計および高度計として中国VTI Technologies社のSCP1000−D01/D11圧力センサ、ミネソタ州プリマスのHoneywell社のHMC1043磁力計、およびスイス、タルウィルのuBlox社のNEO−5Q GPS(L1、C/Aコード)受信機およびパッチL1GPSアンテナを有する長波長赤外カメラなどの例示的なデバイスを含んでもよい。ミッションや予想される環境状態に応じて、他のGPS受信機およびアンテナを用いてもよい。
【0020】
UAVの飛行対気速度の実施形態は57乃至130マイル時(50乃至112ノット)の範囲内であってもよいが、他の対気速度も可能である。終末ホーミングモードの例は、追跡誘導および終末ホーミングモードの衝突サブモードのために適用されうる重力付勢と、終末ホーミングモードの空中迎撃サブモードのために適用されうる加速度付勢とを有する比例航法誘導との組み合わせを利用してもよい。誘導処理330およびオートパイロット処理340は命令を実行してバンクトゥターン誘導に影響を与えることができ、例えばエレボンの実施形態では、主にロール角および揚力によって、さらにはプロペラのスロットル調整によって、速度ベクトルを再び方向付けることにより、航空機の方向を変えることができる。例えば、1以上の動翼は、力やトルクに航空機や速度ベクトルに対して垂直な直線加速度の一部を再び方向付けさせる1以上の動翼アクチュエータ350によって再び方向付けられる。速度ベクトルに沿った航空機の直線加速度の部分は空力抵抗に非常に影響され、直線加速度はモータプロセッサ360およびプロペラモータ370によって増加しうる。完全な3軸制御の実施形態については、スキッドターンおよび他の比例積分微分誘導を含む更なる制御トポロジを実装し、構造を制御してもよい。追尾処理、誘導処理、モータ処理、および/またはオートパイロット処理はアドレス可能なメモリを有する1つのマイクロプロセッサによって実行することができる、および/または、この処理はデータバスなどを介して分散通信における2以上のマイクロプロセッサに分散してもよい。
【0021】
図4は、本発明のモード移行を単純化した図400である。UAV410は、目標サーチモード、偵察モード、監視モード、調査モードおよび/または他の観察モードの一部として、円形(すなわち、地上の地点または位置目標の周囲を回転)または他の飛行パターン420のレーストラックにあってもよい。追尾処理は、誘導処理および/または地上命令ノード450のような命令ノードからのアップリンクと共に、UAV410を終末ホーミングの衝突モード430にすることができる。次に、弾頭の爆発、目印の投下、または染料の投与というようにペイロードを効果的に展開する、および/または目標と衝突させるために十分接近しようとして、UAV410を地上車などの地上目標440に誘導することができる。ペイロードを展開する前に、UAV410は命令ノード450からモード移行信号451を受信することができ、UAV410は、モード移行信号451に反応して、以前(または少なくとも実質的に同一)の目標サーチ、偵察、監視、調査または観察モード420、または新たな目標サーチ、偵察、監視、調査または観察モード460に戻る。
【0022】
複数の実施形態では、以前のモード420または新たなモード460の何れかにおいて、バンクターンをしているUAV410は、本書に記載する側部センサ115のような、バンクターンの内側を向いてUAV410に配置される側面に位置するセンサまたは横向きセンサは、回転のほぼ中心に位置する地上目標490を見ることができる。UAVが終末ホーミングモード430に移行した場合、UAVは、本書に記載するセンサ111(図2A)のような前方に位置するセンサまたは正面センサに切り換えることができる。他の実施形態では、モード420および/またはモード460において、UAV410は側部および前部カメラといった異なるセンサ間で切り換えて、目標の観察を維持してもよい。
【0023】
UAVはヘリコプター470などの航空機との終末ホーミング空対空モードに入ってもよく、命令ノードは航空機480であってもよい。終末ホーミング空対空モードに入る信号に反応して、UAVは、終末ホーミング空対空モードの目標追跡に上手く適した誘導センサを使用するか、切り替えることができる。UAV410は次に、弾頭の爆発というようにペイロードを効果的に展開する、および/または空中目標470と衝突させるために十分接近しようとして、空中目標470に誘導してもよい。ペイロードを展開する前に、UAV410は、航空機命令ノード480などの命令ノードからモード移行信号481を受信してもよい。UAV410は、モード移行信号481に反応して、以前の監視モード420、または新しいまたは代替的な目標サーチモード、または偵察モード460に戻る。ミッションは、出撃中、あるいはUAVが飛行および作動している間に実行、実施および実現された、一連のイベント、モード、および/または目的として規定することができる。ミッションの間、幾つかの実施形態では、UAVは複数のモード移行信号を受信し、複数のモード移行を実行することがある。幾つかの実施形態では、終末ホーミングモードは、弾頭の爆発、または目標との接触、地表との接触、または空対空異常接近により終了することがある。
【0024】
一度あるいは反復であろうと、操作のモード間を切り換えるUAV410の機能によって、UAVのオペレータは、離れた距離からある期間にわたって比較適広い視野の監視をすることができ、さらに更に詳細な情報を得るべく1度以上接近することも可能となる。監視位置にあるUAVでは、オペレータに与えられる広いまたは広範囲の視野により、オペレータは監視下の領域および領域内に起こっているイベントの総合的または戦略的な把握が可能となる。すなわち、オペレータは、特定の位置目標だけではなく、周囲の領域、すなわち多くの他の予想される目標や非戦闘員の周囲を含む領域を見ることができる。これは、オペレータに、UAV使用の選択肢といった融通性、および併せて可能な操作を与える。例えば、監視モードにあり、比較的高い高度にあるUAVでは、オペレータは、建物やその周りの領域を見て車両や人の出入りを観察したり、UAVを投入するか否かといった決定をする前にそのような観察をしたり、投入する場合にはどの対象を目標にするかを観察することができる。
【0025】
しかしながら、本書に記載するように、小型および/または人が携帯できるUAVに利用できるような、(パンチルトズーム機能がない、または限定された)比較的小型の固定カメラの固有の制約が与えられるため、UAVが監視位置にある間にもたらされる詳細の量は、戦闘や標的の開始を決定するオペレータの要求を満たすには十分でないことがある。すなわち、この詳細は特定の建物または領域を選択するには十分となりうるが、特定の車両または生物の選択または区別には十分でないことがある。
【0026】
このような場合、本発明の実施形態によって、オペレータが終末ホーミングモードを開始し、UAVが目標に接近して非常に詳しい情報を得るために、選択/指定された目標へとUAV410を誘導することが可能である。この手法の際、オペレータは、初期の目標の選択または除外の確認、他の目標の選択、選定した接近法の評価、および/または他の位置目標への接近、目標または目標領域の更なる情報の入手、特定の人物、車両、建物、または他のもの、または他のこのような動作の識別を含む多くの異なる方法で、この詳細な情報を利用してもよい。本書に記載するように、この終末ホーミング段階では、オペレータおよび/またはUAVプロセッサは、モードの変更を命令し、UAV410を終末ホーミングから監視または目標サーチモードに移行させることができる。ミッションが進行している間、オペレータは、位置目標または目標および/または周囲の領域における所望の情報を得るべく、位置目標に到達するかペイロードを展開する前に移行するされることを知りながらも、幾つかの終末ホーミング手法に投入することができる。
【0027】
図5は、モード移行の論理の例を示す最上位フローチャート500である。UAVは自動終末ホーミングモード510にあり、モード変更入力520を連続的に検査している。この例では、ペイロードを展開する前に外部発信源からモード変更命令信号が受信された場合、ペイロードを展開することなく、UAVを目標サーチ/監視モード530、または偵察モードに移行することができる。UAVのモード論理処理は、例えば、1以上の目標としている基準が540を満たして自動終末ホーミングを開始する、あるいはUAVがアップリンクの命令550によって終末ホーミングに入ることができるまで、このモード530を続けることがある。終末モードは、衝突、すなわち地上目標の迎撃、および/または空対空迎撃またはペイロードを展開するサブモードを含むことがあり、ペイロードを展開するサブモードはサブのサブモードを含んでもよく、サブのサブモードは染料の散布が続く目印の展開を含みうる。
【0028】
図4に図示された幾つかの実施形態はさらに、ホーミング後のウェイポイントおよび/またはコミットポイントといった復帰点の、xyz、北−東−下方(NED)といった3空間の座標を記録するよう構成された処理を含む。例えば、図6は、目標サーチ、監視/調査モード、偵察モードおよび/または観察モードの一部として、円形または他の飛行パターン420のレーストラックにおけるUAV410を図示している。誘導処理および/または地上命令ノード450のような命令ノードからのアップリンクと共に、追尾処理はコミットポイント610または空間のコミット体積において、UAV410を終末ホーミングの衝突モード430にすることができる。コミットポイント610またはコミット空間は、UAVの向きを目標上に設置し、UAVを少なくとも配置して、これにより、UAVのホーミングおよび/または目標センサが追跡のために目標を得るまたは画像化することが可能となる。次に、UAV410は地上車などの地上目標440に対して誘導される。ペイロードを展開する前、UAV410は、命令ノード450からモード移行信号451を受信することができ、UAV410は、モード移行信号451に反応して、図4に示すように、以前の目標サーチまたは調査/監視または偵察モード420あるいは新たな目標サーチまたは調査/監視モード(図示せず)または偵察モード460に戻り、特にコミット体積またはコミットポイント610、または少なくとも実質的にこの体積またはポイントに戻ることができる。他の処理の選択肢は、例えば、UAVを目標に再接近および/または最速に戻す、新たなコミットポイントといった偵察する新たな位置および/またはコミットポイントにUAVを向ける、あるいは、ホーミングおよび/または目標センサが目標を捕捉または画像化できるように少なくとも十分に再配置することである。例えば、UAVは、UAV搭載のカメラからもたらされるダウンリンクで送られる表示を介して、オペレータが目標や目標への攻撃の開始を見ることができる新たな位置に誘導することができる。コミットポイント610におけるUAVの向きは、ホーミングセンサ/目標センサおよび/またはUAVのパイロットを目標に再投入させるのを補助する。UAVが偵察および/またはコミットポイント610に達するか近接する場合の実施形態では、UAVはダウンリンクなどを介してユーザに通知することができる。従って、オペレータはダウンリンクを介して多くの興味がある領域の視界を受信することができ、オペレータの状況認識を高め、その結果、終末ホーミングを投入させる実行可能な目標を識別するのにオペレータが要する時間を減少させることができる。
【0029】
図4に前記した幾つかの実施形態はさらに、ホーミング後のウェイポイントおよび/またはコミットポイントといった復帰点の、xyz、NEDといった3空間の座標を記録するよう構成された処理を含む。例えば、図7は、監視/調査、目標サーチモード、または偵察モードの一部として、円形または他の飛行パターン420のレーストラックにあるUAV410を示している。誘導処理および/または地上命令ノード450のような命令ノードからのアップリンクと共に、目標センサ処理は、コミットポイント610または空間のコミット体積において、UAV410を終末ホーミング衝突モード430に入れることができる。UAV410は次いで、地上車などの地上目標440に対して誘導することもできる。ペイロードを展開する前に、UAV410は、自律的にUAV自体をモード移行して、図4に示すように、以前の監視モード420または新たな目標サーチ、調査/監視、または偵察モード460に戻ることができ、特に、コミット体積またはコミットポイント610に戻ることができる。例えば、ヘリコプター470は目標車両440とUAV410の間を飛行していることがある。UAV搭載の画像処理は、目標の追跡画像の内容における急激な変化を検出し、自律的に飛行モードを変更してコミット体積610またはモード420に戻すことができる。例えば、画像処理は、ピクセル状態におけるフレーム間の変化、または幾つかのフレームにわたる変化、あるいはピクセル状態におけるフレーム間の変化の一部を判定する閾値テストを含むことがあり、晴天での(VFR)航法を表す閾値レベルに軽微な天候状態の影響を加える場合、この閾値は目標とホーミングしているUAVの間にある航空機といった目標を不明瞭にする物体を表すことがある、および/または、この閾値は、煙幕等によって目標自体を遮蔽する目標領域または遮蔽位置に移動している目標を表すことがある。他のテストは、目標を含む画像領域といった画像の一部の離散型フーリエ変換(DFT)における、フレーム間の画像の変化、または幾つかのフレームにわたる変化に基づく閾値化テストを含んでもよく、フレーム間または幾つかのフレームにわたるDFTの急激な変化は、終末ホーミングから調査モードへの移行を要する不明瞭さを表す場合がある。
【0030】
図8は、モード移行の論理の例を示す最上位フローチャート800である。UAVは自動の終末ホーミングモード810にあり、モードの変化820を設定すべく状況を継続的に調査することができる。この例では、UAVは搭載カメラを介して受信した画像の全てまたは一部を処理することができ、情景の内容がペイロードを展開する前のある一定期間で著しく変化したか否かを検査することができる。変化していない場合、この画像処理は、ペイロードを展開せずに、飛行モードを保存されている終末ホーミングのコミット体積830に、または目標サーチ、調査/監視または偵察モードに移行できるモード変更フラグを立てることができる。UAVモードの論理処理は、例えば、1以上の目標とする基準840が満たされて自動終末ホーミングを開始するまでこのモード830を続けてもよい、あるいは、UAVはアップリンクによる命令850によって終末ホーミングに入ってもよい。情景変化テストの例は、一連のフレームにわたって検出された明暗度の範囲のパーセンテージを含む、ピクセル変化の最小パーセンテージを含みうる。画像範囲内、特に画像追跡機に網羅される領域に近接する範囲内の急激な明暗度の変化は、目標とUAVの間に位置する物体または誤判定の追跡ソリューションを示すことがある。情景変化テストの他の例は、選択された間隔で画像の一部の2次元周波数変換を比較し、著しい情景構成の変化が起こったか否かを判定することができる。画像の一部の周波数成分における急激な変化、すなわち、特に画像追跡機に網羅される領域に近接する画像の複雑度の変化は、目標とUAVの間に位置する物体または誤判定の追跡ソリューションを示すことがある。UAVの複数の実施形態は、オペレータとの信号連絡を失った場合に、UAVがミッションを続けたり、場合によって監視モードへと戻す変更が可能な機上処理を有する。例えば、地上ベースのオペレータは、ユーザインタフェースやアップリンクを介して目標を指定することができ、この指定に反応して、UAVは終末ホーミング段階を開始してもよい。UAVが地表に接近するにつれて、オペレータとUAVの間の視程が、山および/または木などによって失われる場合がある。視程通信の損失は、機上処理によってUAVを作動させ、終末段階からモードを変化させて、視程信号接続を回復するのに十分な高度でUAVを監視モードに戻すことができる。UAVは視程通信の中断を検出した時点またはその後に機上に1以上の画像フレームを記録してもよく、一端視程通信が回復すると、UAVはダウンリンクを介して1以上の記録されたフレームを送信することができる。
【0031】
UAVを制御したり誘導または操縦するのに必要な処理は完全にUAVの機上に位置しているため、UAVは遠隔ユーザ、オペレータまたは機外のプロセッサから独立して操作することができる。すなわち、UAVの操作は別の機外プロセッサおよび/またはオペレータとの通信リンクの維持に依存していない。複数の実施形態では、機上プロセッサはオペレータとの通信を喪失した後に、UAVが現行のモードを維持する、または自動的に所定の別または代替のモード、および/または規定の一連の動作またはモードに移行するようにプログラムされている。例えば、目標への終末ホーミングモードにおけるUAVは、通信信号が中断された場合に、終末ホーミングを維持するようプログラムできる。この方法では、UAVの機上処理およびシステムは、終末ホーミングを継続して完了し、オペレータ、ユーザおよび/または機外プロセッサからの更なる入力または指示がなくとも自動的にペイロードを送達するようにUAVを誘導することができる。
【0032】
UAVの実施形態は電池などの機上電源を具え、動力供給装置などを介して処理に動力供給することができ、1以上の電気機械アクチュエータの電気回路およびプロペラ駆動電気回路用の共同電源として1以上の電池を有しうる。このUAVの実施形態の対気速度は、50乃至120ノットの範囲にあってもよい。従って、UAVは、速度ベクトルに関して、地上車よりも大きい横加速度を有するサイズであってもよく、更に、ゆっくりと運動している目標よりも大きい横加速度、すなわち車両の中心線に対して垂直な加速度を有するサイズであってもよい。例えば、地上車は0.1Gsで加速または減速し、制動する場合は更に高くなることがあり、Gは公称重力加速度であって、ヘリコプターは0.3Gsで加速または減速し、上昇または急降下する場合は更に高くなりうる。UAVの空力反応または運動反応は、UAVが命令された横加速度の63%に達する時間によって規定される運動時定数によって特徴付けることができる。運動している目標、終末ホーミング段階において回避時定数によって特徴付けられる速度ベクトルの向きおよび/または大きさを変更している目標に対するUAVの適用については、UAVの運動時定数は目標の回避時定数より小さくてもよい。例えば、人間のオペレータがいる地上車は、3秒の回避時定数で減速する場合があり、従って、正常な終末ホーミングのUAVは、ペイロードおよび/または弾頭がミッションの効果を必要とするときに、UAVの速度方向を再調整して目標に衝突させる、および/または目標の十分近くに接近させるため、3秒未満の運動時定数を有してもよい。
【0033】
終末ホーミングの軌道は、UAVの運動時定数の10倍よりも大きい迎撃時または衝突時に開始してもよい。UAVは、照準点に最接近できるまで、2乃至30秒で照準点に向けて終末ホーミングモードに入ることができる。人間のオペレータは終末ホーミングモードから中断するため0.5乃至1.5秒を飛行時間に加えることがある。すなわち、ユーザからの入力、または自動追跡のトリッピングにおける、目標に最接近するまで3秒という閾値は、任意には動力飛行下で、UAVが目標から離れたりウェイポイントに向かう運動をするには十分な時間となりうる。終末ホーミング段階がほぼ終了、すなわち、幾つかの運動時定数が続くホーミング軌道段階を実行して、UAVを目標サーチ、調査、監視および/または偵察軌道または飛行経路に入れることで取り出すことができるのに十分なエネルギが残るように、機上のUAVエネルギは十分ある。UAVの幾つかの実施形態は、プロペラモータに殆どまたは全く動力供給しないモードにおいて、飛行の終末段階を実行してもよい。UAVはプロペラモータに動力供給して、終末段階を中止する操作を実行することもできる。例示的なUAVに有効な推進力は水平飛行に要するレベルよりも大きく、終末段階を中断した後に、ウェイポイントまたは目標サーチ、調査、監視および/または偵察軌道またはモードなどの飛行パターンにUAVが戻る選択を容易にする。すなわち、目標ホーミングモードから目標サーチ、調査、監視および/または偵察モードに戻る移行の間、UAVの複数の実施形態は、電池の蓄電および/または燃料リザーバなどの蓄積された化学エネルギを、高度増加による航空機の位置エネルギ、および速度増加による運動エネルギに変換することが可能である。
【0034】
図9は、地上目標920へのホーミング911に移行し、自立的または第3者の何れかによって終末ホーミングを中断し、レーストラック910に戻る912、レーストラック910におけるUAV905を図示している。飛行可能な空域930は、UAV905の機上動力と、UAV905の最大高度の性能931によって制限されたドーム状の体積として図示されている。その運動性能、機上動力、および位置エネルギと運動エネルギの間で変換する能力により、この例に示すUAV905は、様々な方法で飛行可能な空域930を利用して、ミッションおよび/またはオペレータの要求および/または要件を容易にする能力および性能を有している。例えば、UAV905は飛行可能な空域930内を移動して、目標サーチ、調査、監視、偵察を実行する、および/または離れて目標920を観察をする、あるいは目標920のホーミングの投入911の開始を待機してもよく、UAV905は1以上のホーミング段階911に入って目標と交戦または評価してもよく、あるいはUAVを経路912のような任意の経路を通って再配置し、所望の姿勢/高度および/または接近角度および/または標的体積921内の目標920への方向を実現してもよい。このような例または他の同様の動作はそれぞれ、飛行可能な空域930内に関わらず、実用的にまたは効果的に無制限の異なる高度、姿勢、空間および位置において達成できることに留意されたい。UAV905が飛行可能な空域930を飛行し続け、機上動力が消耗されるにつれて、UAV905の飛行可能な空域930の地上到達範囲の半径(図9に範囲940として直線的に示す)は単に縮小するであろう。例えば、40乃至50ワット時を蓄電するリチウム電池を有する、1.0乃至2.0キログラムの質量の例示的なUAVの実施形態は、60乃至120mphの管出口速度を生じさせるべく管内の1以上の気体生成要素を用いて管式発射され、このUAVは、電動プロペラを用いて、約10乃至30分間の調査姿勢のために、終末投入とホーミングの中断を繰り返すにもかかわらず、縮小する飛行可能な空域930を維持する。
【0035】
図10に示すように、UAV905は全ての飛行可能な空域を利用することができるが、規定するような運動する能力に制限され、長円1021、1022のような断面で図10に示す環状体積によって表すことができることに留意されたい。動力飛行およびUAVによって実施されるエネルギをモニタおよび管理することは、その飛行時間のほぼすべての間、終末ホーミング段階の非常に後半または電池の寿命および位置エネルギおよび運動エネルギによって限定されるような可能な飛行時間の非常に後半を除いて、UAVがほぼ非対称の三角領域1030のような平面に表された円錐あるいは限定された運動線を回避できるようにする。
【0036】
固有の運動性の欠如、および/または十分に利用可能および/または適用できるエネルギの欠如があり、これらが、運動性能の限界によって制限され、地表、構造物、または他の通過不能な物体で終端する爆弾またはミサイルから予測される固定および/または閉鎖運動円錐を規定する誘導爆弾やミサイルとは異なり、本発明の実施形態のUAVは、十分な運動性能や利用可能および/または適用できるエネルギを有しており、図9および図10に示すような所定の領域または体積内の何処でも自由に移動することが可能である。すなわち、本発明の実施形態では、誘導爆弾またはミサイルの操作とほぼ同様の方法で、地表、または他の通過不能な物体へとUAVを向ける、すなわち地上の目標へのホーミングによって、UAVは終末ホーミングモードに入ることができるが、誘導爆弾またはミサイルとは異なり、UAVは十分な運動性能と適用できるエネルギを保持し、目的としている地表または他の通過不能な物体との衝突を避けることができる。すなわち、本発明の実施形態のUAVは、誘導爆弾またはミサイルの場合のように、地表または通過不能な物体と交差または衝突することを必要とする閉鎖運動限界円錐にUAVの運動を最初および/または常に限定はしない。対照的に、UAVは運動性能を有し、UAVが終末ホーミングモードから目標サーチ、調査、監視および/または偵察モードに移行する場合などに、十分なエネルギを適用して、迂回または回避軌道によって上昇させて、地上、目標または他の通過不能な物体に少なくとも1度、場合によっては数回衝突するのを防ぐことができる。
【0037】
すなわち、誘導爆弾、または地上目標にホーミングしているミサイルは、運動円錐の地表落下予定地内の目標または隣接する地点のいずれかに必ず衝突し、これは、特定の誘導爆弾またはミサイルの運動限界の特性である。対照的に、終末ホーミングモードにおける本発明のUAVの実施形態は、地上目標から撤退して運動を終え、地上目標から離れることができる。その後、UAVの実施形態は調査を行い、本来の目標を再び投入する、あるいは第2の目標への別または新たな終末ホーミングモードに移行することにより、第2の目標に投入することができる。
【0038】
例えば、図11は、目標体積921における目標920がUAVの範囲限界1110およびUAVの運動性能の双方の範囲内にある、終末ホーミング段階におけるUAV905を示している。従って、UAVは適時終末ホーミング段階を中止して、例示的な迂回軌道1120によって更に高い高度に飛行することができ、従って、潜在的に運動エネルギの一部を位置エネルギに変換し、化学電池などの機上の電源から生成されうるプロペラ動作といった推力からのエネルギを場合によって追加する。UAVの実施形態は、UAVが必要な場合に監視高度、またはさらに高い高度に戻るのに十分な、リチウム電池などの化学電池といった機上電源を具えている。すなわち、急降下および回復している間、例えばプロペラから追加される更なる推力がないといった、運動エネルギから位置エネルギへの位置エネルギ変換のみがあり、空気抵抗などのエネルギ損失はUAVが有するエネルギ全体を低下させて、終末ホーミング段階または急降下の初期にUAVが有していた同一の高度および速度にUAVが回復するのを妨げる。誘導爆弾やストライクミサイルとは異なり、本発明のUAVの実施形態は電池からUAVの飛行エネルギに動力を変換するよう構成されており、このようなUAVは、終末ホーミング段階またはモードまたは急降下の初期にUAVが有していたような高度や速度と同等またはそれよりも大きい高度や速度を得ることができる。
【0039】
図12は、動力飛行およびエネルギをモニタおよび管理した状況でさえ、最後の運動時定数のUAV905が運動限界円錐1210によって制限されうることを示している。従って、図12は、車両と目標の配置およびUAV905自体の横加速度の制約により、運動限界を有するUAV905を示している。図12では、例示的なUAV905は目標サーチ、調査、監視、または偵察モードに戻ることはできないと予想でき、目標体積921内の目標920または地表1230と衝突する場合がある。すなわち、反応性および最大横加速度の双方に関して、図示のような例示的なUAV905の横方向の運動性能は、閉鎖速度および正常な迂回運動をさせる目標にわたる範囲に対して不十分である。
【0040】
本発明の実施形態では、運動限界円錐1210に図示されるように、UAVの運動限界および地表および/または目標といった通過できない物体によって境界付けられた閉鎖運動円錐が形成され、UAVが目標、地表または通過不能な物体に衝突するまでの時間が約2乃至3秒の場合、UAVは迂回軌道1120に示すような回避軌道を得ることはできない。本発明の実施形態では、運動限界円錐1210に図示されるような、UAVの運動限界および地表および/または目標といった通過できない物体によって境界付けられた閉鎖運動円錐が形成され、UAVが目標、地表または通過不能な物体からUAVの速度の約2乃至3秒相当しか離れていない場合、UAVは迂回軌道1120に示すような回避軌道を得ることができない。
【0041】
上記の実施形態の特定の機能および態様の様々な組み合わせおよび/または半組み合わせをすることができ、それらは本発明の範囲内に収まると考えられる。従って、開示された実施形態の様々な機能および態様は、開示された発明の多様なモードを形成するために、互いに組み合わせられる、あるいは置換されると理解されたい。さらに、例示として本書に開示された本発明の範囲は、上記に具体的に開示された実施形態に限定するものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12