特許第6165847号(P6165847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6165847-殺虫性の油中水(W/O)型製剤 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165847
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】殺虫性の油中水(W/O)型製剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/04 20060101AFI20170710BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20170710BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20170710BHJP
   A01M 13/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   A01N25/04 101
   A01N25/30
   A01P7/04
   A01M13/00
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-512028(P2015-512028)
(86)(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公表番号】特表2015-521181(P2015-521181A)
(43)【公表日】2015年7月27日
(86)【国際出願番号】EP2013059917
(87)【国際公開番号】WO2013171199
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年5月11日
(31)【優先権主張番号】12168250.4
(32)【優先日】2012年5月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507203353
【氏名又は名称】バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】230105223
【弁護士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】カイルストラ,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】アクル,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ベルニ,ジヨセ
(72)【発明者】
【氏名】アンリツヒ,ジヤン−リユツク
【審査官】 井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−537122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
A01M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油中水型製剤であって
a)16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である、少なくとも1の界面活性乳化系、
b)少なくとも1の非水系溶媒、
c)少なくとも1の燃焼塩、
d)少なくとも1の殺虫性活性物質
および
e)水
を含み、前記燃焼塩が硝酸カリウム、硝酸クロム、硝酸鉄、硝酸銅及び硝酸ナトリウムの群から選択される硝酸塩である、前記油中水型製剤。
【請求項2】
利用される少なくとも1の界面活性乳化系が、HLB値が2から10までの範囲内である非イオン性界面活性剤であるか、または利用される乳化系が一価もしくは多価カチオンとの塩としてのイオン性界面活性剤である、請求項1に記載の油中水型製剤。
【請求項3】
乳化系がアルキルフェノールエトキシレート、アルカノールエトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、ソルビタンエステルおよびそれらのエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルカノール/プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリグリセロール、ポリグリセロールエステルよりなる群から選択されるか、または乳化系がアルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールエーテルスルホネート、リグノスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、スルホサクシネート、脂肪族および芳香族のリン酸エステル、アルコキシル化リン酸エステル、アルキルカルボキシレートおよびポリカルボキシレートよりなる群から選択され;これらはいずれの場合も多価カチオンの塩としてのものであることを特徴とする、請求項2に記載の油中水型製剤。
【請求項4】
少なくとも1のさらなる付加的な非イオン性界面活性剤が存在し、前記界面活性剤のHLB値が8から18までの範囲内であることを特徴とする、請求項1から3のうちの一項に記載の油中水型製剤。
【請求項5】
殺虫性活性物質がピレスロイドであることを特徴とする、請求項1から4のうちの一項に記載の油中水型製剤。
【請求項6】
燃焼塩が硝酸カリウムであることを特徴とする、請求項1から5のうちの一項に記載の油中水型製剤。
【請求項7】
製剤が少なくとも1の着色料および/または少なくとも1の香料をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のうちの一項に記載の油中水型製剤。
【請求項8】
支持体を処理するための、請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤の使用。
【請求項9】
請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤で処理された支持体。
【請求項10】
支持体が紙支持体であることを特徴とする、請求項9に記載の支持体。
【請求項11】
請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤の調製方法であって、以下のステップ:
a)少なくとも1の燃焼塩を水中に溶解すること、
b)少なくとも1の非水系溶媒中に、少なくとも1の殺虫性活性物質、および16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である少なくとも1の乳化系を溶解すること、
c)ステップb)の溶液をステップa)の溶液と混合すること
を含み、前記燃焼塩が硝酸カリウム、硝酸クロム、硝酸鉄、硝酸銅及び硝酸ナトリウムの群から選択される硝酸塩である、前記油中水型製剤の調製方法。
【請求項12】
支持体及び油中水型製剤を含む殺虫性の燻焼可能な製品であって、
a)少なくとも1の非水系溶媒
b)6%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である、少なくとも1の乳化系、
c)少なくとも1の燃焼塩、
d)少なくとも1の殺虫性活性物質
および
e)水
を含み、前記燃焼塩が硝酸カリウム、硝酸クロム、硝酸鉄、硝酸銅及び硝酸ナトリウムの群から選択される硝酸塩である、前記殺虫性の燻焼可能な製品。
【請求項13】
支持体を請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤で処理することを特徴とする、請求項9、10に記載の支持体または請求項12に記載の殺虫性の燻焼可能な製品の調製方法。
【請求項14】
支持体を請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤で印刷することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
グラビア印刷プロセスを使って、一段階プロセスにおいて、支持体を請求項1から7のうちの一項に記載の油中水型製剤で印刷することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1の殺虫性活性物質および少なくとも1の燃焼塩(burning salt)を有する殺虫性の油中水(W/O)型製剤、ならびにこの製剤の調製に関する。本発明による製剤は、とりわけ、慣例的な塗布プロセスを用いた経済的な一段階プロセスにおける、好適な支持体、とりわけ紙支持体の処理に適している。さらに、本発明は、支持体を本発明による製剤で処理することにより調製することができる殺虫性の燻焼可能な製品に関する。
【背景技術】
【0002】
US−A−2009/0163582は、ポリグリセロール脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステルを乳化剤として、駆除剤、例えばピレスロイドを活性物質として、およびアセチルエステル、メチルエステル、アセチルトリブチルシトレート、白色鉱油またはこれらの組み合わせを溶媒として利用した油中水(W/O)型製剤を記述している。この製剤は、エンドユーザーのためのエアロゾル製剤の形態を取る。
【0003】
WO−A−2007/131679は、殺虫性活性物質を含浸させた紙を記述している。ここで紙は二段階プロセスにおいて調製され、この二段階プロセスでは、紙を最初に6%強度の硝酸カリウム水溶液で前処理し、次いで乾燥させ、次いでさらなる段階において、活性物質溶液を含浸させる。WO−A−2007/131679は、紙を一段階プロセスにおいて調製することができる、とりわけ殺虫性活性物質および硝酸カリウム塩を有する製剤を何ら開示していない。
【0004】
WO−A−2011/092722は、殺虫性活性物質を含浸させた紙を記述しており、この紙は、またやはり、二段階プロセスにおいて調製される。WO−A−2007/131679のプロセスと同様に、紙を最初に硝酸カリウムで処理し、その後に乾燥させ、次いで活性物質を含浸させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0163582号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/131679号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2011/092722号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、殺虫性活性物質(すなわち、例えばピレスロイド)および燃焼塩に関して化学物理的に安定であり、したがって支持体、例えば紙などの処理にとりわけ適している製剤を提供することであった。好ましくは、製剤は、経済的および工業的に強い一段階プロセスにおける支持体の処理を可能にすることが意図される。この一段階プロセスにおいて、支持体がその後に機能的製剤成分、例えば活性物質および燃焼塩などを十分におよび均一に分散された様式で含有するように、本発明による製剤の必要とされる施用重量が一プロセス段階において支持体に塗布される。
【0007】
従来技術中に記載されている製剤は、この目的を達成するのに適していない。とりわけ、これらの公知の製剤を使用して、1の製剤中で殺虫性活性物質を必要とされる燃焼塩と組み合わせること、および本発明による目的のために組み合わせを利用することはできない。とりわけ、かかる製剤は十分な(合一およびクリーミングに対する)化学物理的安定性を欠き、および本発明の求められる目的に必要である流体力学的特性を欠き、および/または好適な支持体に製剤を塗布するための従前の機械およびプロセスに単純に適合させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、ここに、
a)16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である、少なくとも1の界面活性乳化系
b)少なくとも1の非水系溶媒、
c)少なくとも1の燃焼塩、
d)少なくとも1の殺虫性活性物質
および
e)水
を含む油中水(W/O)型製剤により本目的が達成されることが見いだされた。
【発明を実施するための形態】
【0009】
W/O型製剤は、一般に、連続的な油相中に水相が分散した多相系を記述する。本発明に関連した表現「油」は、水または塩の水溶液との混合物中で相分離をもたらす水不溶性の液体および溶媒に対する包括的用語である。例は、脂肪族および芳香族の溶媒、植物油および動物油ならびにそれらの誘導体、香料またはこれらの混合物である。
【0010】
実験用語において、W/O型製剤とO/W型製剤とは、比導電率を決定することにより区別される。5重量%およびそれより高い塩濃度を有する塩の水溶液は、典型的にmS/cmの範囲内である高い比導電率を持つ一方、脂肪族および芳香族の溶媒の比導電率は、典型的にμS/cmの範囲内またはそれより低いものである。結果として、燃焼塩含有製剤は、実験的に、その比導電率が0.1mS/cm未満になるとW/O型製剤として分類されるものである。本発明による本W/O型製剤の導電率は、したがって、室温(20℃)で測定した場合、好ましくは0.1mS/cm未満である。
【0011】
少なくとも1の界面活性乳化系として本発明によるW/O型製剤に適している界面活性乳化剤は、いずれの場合も16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満であるものである(溶解度は慣例的なプロセスにより温度20℃で決定される)。
【0012】
16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である好適な界面活性乳化系は、好ましくは、HLB値が約2から約10まで、好ましくは2から10まで、より好ましくは約2から約8の間、好ましくは2から8の間、および特に好ましくは約3から約6の間、好ましくは3から6の間の範囲内である非イオン性界面活性乳化剤(非イオン性界面活性剤とも呼ばれる)である。本発明に従って使用することができる界面活性剤のいくつかは、例えばKirk−Othmer、”Encyclopedia of Chemical Technology”、第3版、1979年、第8巻、913ページ中に収載されている。
【0013】
HLB値(HLB=親水性−親油性バランス)は、W.C.Griffin(J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949))により定義された経験的な尺度であり、乳化剤の(とりわけ非イオン性界面活性剤の)両親媒性の特質を表す。最も低いHLB値は、最も親水性が低い界面活性剤に割り当てられる。HLBを決定するためのプロセスは当該技術分野で周知であり、任意のかかるプロセスのいずれをもHLBを決定するために利用することができる。HLB系およびHLBを決定するためのプロセスの説明は、”The HLB−System:a time saving guide to emulsifier selection”,ICI Americas Inc.,Wilmington,Delaware,1976中に記載されている。
【0014】
本発明によると好適である非イオン性界面活性乳化剤は、特に好ましくは、アルキルフェノールエトキシレート、アルカノールエトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、ソルビタンエステル(例えばSpanシリーズなど)およびそれらのエトキシレート(例えばTweenシリーズなど)、ヒマシ油エトキシレート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルカノール/プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリグリセロールおよびポリグリセロールエステルよりなる群から選択される。
【0015】
非イオン性界面活性剤中の親水性/親油性バランス(HLB)は、エトキシル化の程度を改変することにより調整され得る。
【0016】
本発明のために使用することができるW/O型製剤のための非イオン性界面活性乳化剤の例は(リストの順番は:商品名、HLB値、製造業者である);Brij 52 POE−(2)−セチルアルコール;5.3;Croda;Brij 72 POE−(2)−ステアリルアルコール、4.9、Croda;Brij 92V POE−(2)−オレイルアルコール、4.9、Croda;Disponil TA 1.3、Cognis;Span 20、ソルビタンモノラウレート、8.6、Croda;Span 40 ソルビタンモノパルミテート、6.7、Croda;Span 60 ソルビタンモノステアレート、4.7、Croda;Span 80 ソルビタンモノオレエート、4.3、Croda;Span 85、ソルビタントリオレエート、1.8、Croda;Hostacerin SFO、3−4、Clariant;AGNIQUE(登録商標)FOH 7OC−2 EO(Synative 3370) Cognis;Dehypon OCP 502、Cognis;Dehypon OCP 503、Cognis;AGNIQUE(登録商標)FOH 9OC−5、4.9、Cognis;AGNIQUE(登録商標) FOH 9OC−3、6.6、Cognis;AGNIQUE(登録商標) FOH 5OC−4、9、Cognis;Genapol O 020、5、Clariant;Atlox 4912、5−6;Atlox 4914、5−7、Emulsogen V 1816、6、Clariant;Emulsogen V 1816−1、8、Clariant;Genapol PF 10、2、Clariant;Genapol PF 20 P、4、Clariant;Genapol PF 40、6、Clariant;Genapol 2822、6、Clariant;Genapol 3970、3、Clariant;Agrimer AL 25、3−5、ISP;Agrimer AL 23、9−11、ISP;Agrimer AL 31、7−8、ISP;Agrimer VA−3、4−7、ISP;LAMEFORM(登録商標)TGI、Cognis;Monomuls 90−O 18、Cognis;DEHYMULS(登録商標) PGPH、Cognis;Hostacerin DGI、5、Clariant;GW 1250(HLB 5)、5、Evonikである。
【0017】
本発明によると好適である界面活性乳化系はまた、16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満のイオン性界面活性剤である(溶解度は温度20℃で、従前のプロセスを使用して測定される)。
【0018】
乳化系のためのイオン性界面活性剤は、好ましくは、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールエーテルスルホネート、リグノスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェートスルホサクシネート、脂肪族および芳香族のリン酸エステル、アルコキシル化リン酸エステル、アルキルカルボキシレートおよびポリカルボキシレートよりなるアニオン性界面活性剤の群から選択され;これらはいずれの場合も一価もしくは多価カチオンとの塩(例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩)としての、またはカチオン性界面活性剤(例えば、AkzoNobelからのArmeen(登録商標)シリーズからの脂肪族第一級、第二級および第三級アミンなど)を伴うものである。
【0019】
乳化系のためのアニオン性界面活性剤は、特に好ましくは、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルアリールスルホネートまたはリグノスルホネートよりなる群から選択され;これらはいずれの場合も一価または多価カチオンとの塩としてのものである。
【0020】
アニオン性界面活性剤は、いずれの場合も好ましくは、本発明による製剤中で、多価カチオンとの金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩および鉄塩)として存在する。
【0021】
好ましく利用される多価カチオンの塩は、アルカリ土類金属塩であり、なおより好ましくはカルシウム塩である。
【0022】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、製剤のために利用されるW/O型製剤のための少なくとも1の乳化系は、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールエーテルスルホネート、リグノスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、スルホサクシネート、脂肪族および芳香族のリン酸エステル、アルコキシル化リン酸エステル、アルキルカルボキシレートおよびポリカルボキシレートよりなる群から選択され;これらはいずれの場合も多価カチオンの塩として、好ましくはアルカリ土類金属塩およびなおより好ましくはカルシウム塩としてのものである。
【0023】
かかる乳化系の例は、アルキルアリールスルホネートのカルシウム塩CALSOGEN(登録商標)4814(Clariant)およびNANSA EVM 70/2E(Huntsmann)、Emulsifier 1371 A(Clariant)、ならびにまた例えば、非常に広い範囲の脂肪酸のカルシウム石けん、マグネシウム石けんおよびアルミニウム石けん(例えば、Peter Greven Fett−Chemie GmbH & Co.KGからのLigaカルシウムステアレートCPR−5、Ligamed MF−2−VおよびLigastar ALG−Vなど)である。
【0024】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、製剤のために利用されるW/O型製剤のための少なくとも1の乳化系は、アルキルフェノールエトキシレート、アルカノールエトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、ソルビタンエステルおよびそれらのエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルカノール/プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリグリセロール、ポリグリセロールエステルよりなる群から選択される非イオン性界面活性剤であるか、またはアルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールエーテルスルホネート、リグノスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、スルホサクシネート、脂肪族および芳香族のリン酸エステル、アルコキシル化リン酸エステル、アルキルカルボキシレートおよびポリカルボキシレートよりなる群から選択される乳化系であり;これらはいずれの場合も多価カチオンの塩としてのものである。
【0025】
一般的に、W/O型製剤は、0.1から15重量%まで、好ましくは0.5から10重量%まで、より好ましくは1.5から5重量%の間の、16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である少なくとも1の界面活性乳化系を含む。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による油中水型製剤は、上記の界面活性乳化剤系のほかに、さらに、少なくとも1のさらなる付加的な非イオン性界面活性剤をも含み、ここでさらなる界面活性剤のHLB値は約8から約18まで、好ましくは8から18まで、より好ましくは約10から約16の間、好ましくは10から16の間、なおより好ましくは約11から約16の間、好ましくは11から16の間の範囲内である。好ましくは、このさらなる非イオン性界面活性剤の重量分率は、W/O型製剤をベースとして、0.1から10重量%の間、好ましくは1から7重量%の間である。
【0027】
本発明のために使用することができる第二の界面活性剤の例は(リストの順番は:商品名、HLB値、製造業者である):Arkopal N 040、9、Clariant;Arkopal N 100、13、Clariant;Arkopal N 150、15、Clariant;Brij 30 POE−(4)−ラウリルアルコール、9.7、Croda;Brij 58 POE−(20)−セチルアルコール、15.7、Croda;Brij 76 POE−(10)−ステアリルアルコール、12.4、Croda;Brij 96V POE−(10)−オレイルアルコール、12.4、Croda;Brij 98V POE−(20)−オレイルアルコール、15.3、Croda;Lubrol 17A17 POE−(17)−オレイルアルコール、14.9、Croda;Synperonic L11 POE−(11)−ラウリルアルコール、15、Croda;Tween 20 POE−(20)−ソルビタンモノラウレート 16.7;Tween 21 POE−(4)−ソルビタンモノラウレート、13.3;Tween 40 POE−(20)−ソルビタンモノパルミテート、15.6;Tween 60 POE−(20)−ソルビタンモノステアレート、14.9;Tween 65 POE−(4)−ソルビタンモノステアレート、9.6;Tween 65 POE−(20)−ソルビタントリステアレート、10.5;Tween 80 POE−(20)−ソルビタンモノオレエート、15;Tween 81 POE−(5)−ソルビタンモノオレエート、10;Tween 85 POE−(20)−ソルビタントリオレエート、11;Cremophor RH 40 ポリオキシル40水素添加ヒマシ油、14−16、BASF;Cremophor RH 60 PEG−60水素添加ヒマシ油、15−17、BASF;Atlox 4913、11−12;Emulsogen V 1816−2、12、Clariant;Genapol V 4829、14、Clariant;Emulsogen V 2436、11、Clariant;Emulsogen 3510、11、Clariantである。
【0028】
本発明のさらなる実施形態において、とりわけ製剤の粘度/および泡特性を微調整するために、さらなる(第三の)アニオン性界面活性剤をW/O型製剤に加えるのが好ましい。このアニオン性界面活性剤は、好ましくは、一価カチオンとの塩の形態で存在する。このさらなるアニオン性界面活性剤の重量分率は、好ましくは、W/O型製剤をベースとして0から10重量%の間、好ましくは1から4重量%の間である。
【0029】
本発明のために使用することができる非水系溶媒は多数あり、かろうじて水可溶性である。本W/O型製剤における使用に特に適している非水系溶媒は、芳香族炭化水素、例えばアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど(例えばSolvesso 100、Solvesso 150およびSolvesso 200、Solvessoは登録商標である;キシレン;Reutasolv DI、Reutasolv MP、Reutasolv BP 4201、Reutasolvは登録商標である);脂肪族の溶媒(例えばケロセン、ExxonMobilからのExxsol D60およびD80)、ケトン(例えばシクロヘキサノンまたはメトリシクロヘキサノン(methlycyclohexanone));アルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコールまたはブタノール);N−アルキルピロリドン(例えばN−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドン);脂肪酸のジメチルアミド(例えばC−C10−脂肪酸ジメチルアミド);植物油および動物油ならびに塩素化炭化水素(例えばクロロベンゼン)などを含む。
【0030】
本発明との関連で使用される表現である植物油は、全ての油生産植物からの油、例えばナタネ油、ダイズ油、パーム油、ヒマワリ油、綿実油、コーン油、アマニ油、ココナツ油、サフラワー油またはヒマシ油などを包含する。本発明との関連で使用される表現である動物油は全ての油生産動物からの油、例えば獣脂油などを包含する。非水系溶媒の他の例は、これらの油のエステル交換生成物、例えばアルキルエステルなど、例えばナタネ油メチルエステル、例えばRadia 7961(Fina Chemicals、ベルギー)など、またはナタネ油エチルエステルである。植物油は、好ましくは、C10−C22−脂肪酸のエステル、好ましくはC12−C22−脂肪酸のエステルである。かかるC10−C22−脂肪酸エステルの例は、不飽和または飽和C10−C22−脂肪酸のエステル、とりわけ偶数の炭素原子を有するもの、例えば、cis−エルシン酸、イソエルシン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸など、とりわけC18−脂肪酸、例えばステアリン酸、リノール酸またはリノレン酸などである。C10−C22−脂肪酸エステルの例は、グリセロールまたはグリコールをC10−C22−脂肪酸と反応させることにより得ることができ、例えば油生産植物からの油の中に存在するエステル、ならびに例えばこれらのグリセロール−C10−C22−脂肪酸エステルまたはグリコール−C10−C22−脂肪酸エステルをC−C20−アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールなど)とエステル交換することにより得ることができる(C−C20)アルキル(C10−C22)−脂肪酸エステルである。エステル交換は、当該技術分野で一般に公知であり、例えば、Rompps Chemie Lexikon、第9版、第2巻、1343ページ、Thieme Verlag、Stuttgart中に記載されているプロセスにより行うことができる。好ましく使用されるC−C20−アルキル C−C22−脂肪酸エステルは、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、n−ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ネオペンチルエステル、n−ヘキシルエステル、イソヘキシルエステル、n−ヘプチルエステル、イソヘプチルエステル、n−オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、n−ノニルエステル、イソノニルエステルおよびドデシルエステルである。好ましいグリセロール C10−C22−脂肪酸エステルおよびグリコール C10−C22−脂肪酸エステルは、一様なまたは混合されたC10−C22−脂肪酸のグリセロールエステルまたはグリコールエステルであり、とりわけ偶数の炭素原子を有する脂肪酸の、例えばcis−エルシン酸、イソエルシン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などの、とりわけC18−脂肪酸の、例えばステアリン酸、リノール酸またはリノレン酸などのグリセロールエステルまたはグリコールエステルである。
【0031】
本発明によると特に好ましい非水系溶媒は、脂肪酸のジメチルアミド(例えば、Genagenなど)、植物油(例えば、ナタネ油メチルエステルなど)およびアルキルナフタレン(例えば、Solvessoなど)である。
【0032】
好ましい実施形態において、活性物質は選択された溶媒中に可溶である。とりわけ活性物質が上述の溶媒中にあまり容易に可溶でない場合、1または複数の共溶媒を包含することは有利であり得る。
【0033】
本発明によると、W/O型製剤は、好ましくは、5から75重量%までの、好ましくは15から55重量%までの、少なくとも1の非水系溶媒を本発明によるW/O型製剤の成分として含む。
【0034】
本発明による製剤のさらなる成分は、少なくとも1の燃焼塩である。燃焼塩は、点火およびその後に続く消火の後に本発明による製剤で処理された支持体を制御し、均一に燻焼させる。したがって、燃焼塩は、自然発火を伴わせない燃焼の速度および完全性の点で処理された支持体の燃焼性を確実にする能力がある。
【0035】
燃焼塩は、好ましくは硝酸塩(例えば硝酸カリウム、硝酸クロム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸ナトリウム)の群から選択される。硝酸カリウムが、好ましくは燃焼塩として利用される。
【0036】
本発明によると、W/O型製剤は、好ましくは、6から25重量%までの、好ましくは8から15重量%までの、少なくとも1の燃焼塩を本発明によるW/O型製剤の成分として含む。
【0037】
少なくとも1の殺虫性活性物質、好ましくは疎水性の殺虫性活性物質が、本発明によるW/O型製剤中で利用される。好ましい疎水性の殺虫性活性物質は、ピレスロイド、ビフェントリン、フィプロニル、ベンゾイル尿素誘導体(例えば、ヘキサフルムロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロンなど)、リン酸エステル(例えば、ホキシム、パラチオン、フェニトロチオン、トリクロルホンまたはジクロロホスなど)、またはカルバメート(例えば、プロポキスル、ピリムカルブ(pirimcarb)またはアルジカルブなど)である。なおより好ましく利用される疎水性の殺虫性活性物質は、ピレスロイドの群から選択される活性物質である。そのうえ、支持体、とりわけ紙支持体上に2またはそれより多い殺虫性活性物質を、例えば、2、3、4またはそれより多いなどの殺虫性活性物質を共に備えることもまた可能である。
【0038】
本発明の目的のためのピレスロイドは、とりわけ、アクリナトリン、アレスリン、d−アレスリン、d−trans−アレスリン、d−cis−trans−アレスリン、アルファメトリン、バトリン(bathrin)、ビフェントリン、ビオアレスリン、S−ビオアレスリン、ビオアレスリン−S シクロペンテニル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン、ガンマ−シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シぺルメトリン、cis−シペルメトリン、シータ−シペルメトリン、ゼータ−シペルメトリン、シフェノトリン(cyphenotrin)、デルタメトリン、デパレスリン、エンペントリン、エンペントリン(1R異性体)、エスビオトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス(etophenprox)、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリトリン(fenpyrithrin)、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、タウ−フルバリネート、フルメトリン、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデトリン、メトフルトリン、ネオピナミン、ペルメトリン、cis−ペルメトリン、trans−ペルメトリン、フェノトリン、フェノトリン(1R−trans 異性体)、d−フェノトリン、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト、ピナミンフォルテ、ピレスメトリン、ピレスリン、レスメトリン、cis−レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン(フタルトリン)、テトラメトリン(1R異性体)、テラレトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレスリン(除虫菊)および上述の活性物質の任意の混合物よりなる群から選択される。
【0039】
エスビオトリン、ラムダ−シハロトリン、d−アレスリン、S−ビオアレスリン、プラレトリン、メトフルトリン、除虫菊および/またはトランスフルトリンは、ピレスロイドとして特に好ましく使用される。トランスフルトリンが大いに特に好ましい。
【0040】
本発明によると、W/O型製剤は、好ましくは、0.1から20重量%までの、好ましくは1から10重量%までの、少なくとも1の殺虫剤を本発明によるW/O型製剤の成分として含む。
【0041】
以下の化合物は、本発明による製剤のために使用することができるさらなる殺虫性活性物質の例である:
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えば、カルバメート類、例えばアラニカルブ(II−1−1)、アルジカルブ(II−1−2)、ベンジオカルブ(II−1−3)、ベンフラカルブ(II−1−4)、ブトカルボキシム(II−1−5)、ブトキシカルボキシム(II−1−6)、カルバリル(II−1−7)、カルボフラン(II−1−8)、カルボスルファン(II−1−9)、エチオフェンカルブ(II−1−10)、フェノブカルブ(II−1−11)、ホルメタネート(II−1−12)、フラチオカルブ(II−1−13)、イソプロカルブ(II−1−14)、メチオカルブ(II−1−15)、メソミル(II−1−16)、メトルカルブ(II−1−17)、オキサミル(II−1−18)、ピリミカルブ(II−1−19)、プロポキスル(II−1−20)、チオジカルブ(II−1−21)、チオファノックス(II−1−22)、トリアザメート(II−1−23)、トリメタカルブ(II−1−24)、XMC(II−1−25)およびキシリルカルブ(II−1−26);または有機リン酸エステル類、例えばアセフェート(II−1−27)、アザメチホス(II−1−28)、アジンホス−エチル(II−1−29)、アジンホス−メチル(II−1−30)、カズサホス(II−1−31)、クロルエトキシホス(II−1−32)、クロルフェンビンホス(II−1−33)、クロルメホス(II−1−34)、クロルピリホス(II−1−35)、クロルピリホス−メチル(II−1−36)、クマホス(II−1−37)、シアノホス(II−1−38)、デメトン−S−メチル(II−1−39)、ダイアジノン(II−1−40)、ジクロルボス/DDVP(II−1−41)、ジクロトホス(II−1−42)、ジメトエート(II−1−43)、ジメチルビンホス(II−1−44)、ジスルホトン(II−1−45)、EPN(II−1−46)、エチオン(II−1−47)、エトプロホス(II−1−48)、ファムフール(II−1−49)、フェナミホス(II−1−50)、フェニトロチオン(II−1−51)、フェンチオン(II−1−52)、ホスチアゼート(II−1−53)、ヘプテノホス(II−1−54)、イミシアホス(II−1−55)、イソフェンホス(II−1−56)、イソプロピル O−(メトキシアミノチオ−ホスホリル)サリチレート(II−1−57)、イソキサチオン(II−1−58)、マラチオン(II−1−59)、メカルバム(II−1−60)、メタミドホス(II−1−61)、メチダチオン(II−1−62)、メビンホス(II−1−63)、モノクロトホス(II−1−64)、ナレド(II−1−65)、オメトエート(II−1−66)、オキシデメトン−メチル(II−1−67)、パラチオン(II−1−68)、パラチオン−メチル(II−1−69)、フェントエート(II−1−70)、ホレート(II−1−71)、ホサロン(II−1−72)、ホスメット(II−1−73)、ホスファミドン(II−1−74)、ホキシム(II−1−75)、ピリミホス−メチル(II−1−76)、プロフェノホス(II−1−77)、プロペタムホス(II−1−78)、プロチオホス(II−1−79)、ピラクロホス(II−1−80)、ピリダフェンチオン(II−1−81)、キナルホス(II−1−82)、スルホテップ(II−1−83)、テブピリムホス(II−1−84)、テメホス(II−1−85)、テルブホス(II−1−86)、テトラクロルビンホス(II−1−87)、チオメトン(II−1−88)、トリアゾホス(II−1−89)、トリクロルホン(II−1−90)およびバミドチオン(II−1−91)など。
【0042】
(2)GABA制御性(GABA−controlled)塩化物チャネルアンタゴニスト、例えば、シクロジエン有機塩素類、例えばクロルデン(II−2−1)およびエンドスルファン(II−2−2);またはフェニルピラゾール(フィプロール(fiprol))、例えばエチプロール(II−2−3)およびフィプロニル(II−2−4)など。
【0043】
(3)ナトリウムチャネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャネル遮断剤、例えば、
ピレスロイド類、例えばアクリナトリン(II−3−1)、アレスリン(II−3−2)、d−cis−trans−アレスリン(II−3−3)、d−trans−アレスリン(II−3−4)、ビフェントリン(II−3−5)、ビオアレスリン(II−3−6)、ビオアレスリン S−シクロペンテニル異性体(II−3−7)、ビオレスメトリン(II−3−8)、シクロプロトリン(II−3−9)、シフルトリン(II−3−10)、ベータ−シフルトリン(II−3−11)、シハロトリン(II−3−12)、ラムダ−シハロトリン(II−3−13)、ガンマ−シハロトリン(II−3−14)、シペルメトリン(II−3−15)、アルファ−シペルメトリン(II−3−16)、ベータ−シぺルメトリン(II−3−17)、シータ−シペルメトリン(II−3−18)、ゼータ−シペルメトリン(II−3−19)、シフェノトリン[(1R)−trans異性体](II−3−20)、デルタメトリン(II−3−21)、エンペントリン[(EZ)−(1R)異性体)(II−3−22)、エスフェンバレレート(II−3−23)、エトフェンプロクス(II−3−24)、フェンプロパトリン(II−3−25)、フェンバレレート(II−3−26)、フルシトリネート(II−3−27)、フルメトリン(II−3−28)、タウ−フルバリネート(II−3−29)、ハルフェンプロックス(II−3−30)、イミプロトリン(II−3−31)、カデトリン(II−3−32)、ペルメトリン(II−3−33)、フェノトリン[(1R)−trans異性体)(II−3−34)、プラレトリン(II−3−35)、ピレスリン(除虫菊)(II−3−36)、レスメトリン(II−3−37)、シラフルオフェン(II−3−38)、テフルトリン(II−3−39)、テトラメトリン(II−3−40)、テトラメトリン[(1R)異性体)](II−3−41)、トラロメトリン(II−3−42)およびトランスフルトリン(II−3−43);またはDDT(II−3−44);またはメトキシクロル(II−3−45)など。
【0044】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、例えば、ネオニコチノイド類、例えばアセタミプリド(II−4−1)、クロチアニジン(II−4−2)、ジノテフラン(II−4−3)、イミダクロプリド(II−4−4)、ニテンピラム(II−4−5)、チアクロプリド(II−4−6)およびチアメトキサム(II−4−7);またはニコチン(II−4−8)など。
【0045】
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤、例えば、スピノシン類、例えばスピネトラム(II−5−1)およびスピノサド(II−5−2)など。
【0046】
(6)塩化物チャネル活性化剤、例えば、アベルメクチン類/ミルベマイシン類、例えばアバメクチン(II−6−1)、エマメクチンベンゾエート(II−6−2)、レピメクチン(II−6−3)およびミルベメクチン(II−6−4)など。
【0047】
(7)幼若ホルモン模倣物、例えば、幼若ホルモンアナログ、例えばヒドロプレン(II−7−1)、キノプレン(II−7−2)およびメトプレン(II−7−3);またはフェノキシカルブ(II−7−4);またはピリプロキシフェン(II−7−5)など。
【0048】
(8)未知または非特異的な作用メカニズムを有する活性物質、例えば、アルキルハライド類、例えばメチルブロミド(II−8−1)および他のアルキルハライド;またはクロロピクリン(II−8−2);またはスルフリルフルオリド(II−8−3);またはホウ砂(II−8−4);または吐酒石(II−8−5)など。
【0049】
(9)選択的摂食抑制物質、例えばピメトロジン(II−9−1);またはフロニカミド(II−9−2)。
【0050】
(10)ダニ増殖阻害剤、例えばクロフェンテジン(II−10−1)、ヘキシチアゾクス(II−10−2)およびジフロビダジン(II−10−3);またはエトキサゾール(II−10−4)。
【0051】
(11)昆虫腸膜の微生物撹乱物質、例えばバチルス・チューリンゲンシス・サブスピーシーズ・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subspecies israelensis)(II−11−1)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)(II−11−2)、バチルス・チューリンゲンシス・サブスピーシーズ・アイザワイ(Bacillus thuringiensis subspecies aizawai)(II−11−3)、バチルス・チューリンゲンシス・サブスピーシーズ・クルスタキ(Bacillus thuringiensis subspecies kurstaki)(II−11−4)、バチルス・チューリンゲンシス・サブスピーシーズ・テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subspecies tenebrionis)(II−11−5)およびBT作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry2Ab、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34/35Ab1(II−11−6)。
【0052】
(12)酸化的リン酸化阻害剤、ATP撹乱物質、例えば、ジアフェンチウロン(II−12−1);または有機スズ化合物、例えばアゾシクロチン(II−12−2)、シヘキサチン(II−12−3)およびフェンブタチンオキシド(II−12−4);またはプロパルギット(II−12−5);またはテトラジホン(II−12−6)など。
【0053】
(13)Hプロトン勾配の破壊による酸化的リン酸化の脱共役剤、例えば、クロルフェナピル(II−13−1)、DNOC(II−13−2)およびスルフルラミド(II−13−3)など。
【0054】
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト、例えば、ベンスルタップ(II−14−1)、カルタップ塩酸塩(II−14−2)、チオシクラム(II−14−3)およびチオスルタップ−ナトリウム(II−14−4)など。
【0055】
(15)キチン生合成阻害剤、タイプ0、例えば、ビストリフルロン(II−15−1)、クロルフルアズロン(II−15−2)、ジフルベンズロン(II−15−3)、フルシクロクスロン(II−15−4)、フルフェノクスロン(II−15−5)、ヘキサフルムロン(II−15−6)、ルフェヌロン(II−15−7)、ノバルロン(II−15−8)、ノビフルムロン(II−15−9)、テフルベンズロン(II−15−10)およびトリフルムロン(II−15−11)など。
【0056】
(16)キチン生合成阻害剤タイプ1、例えば、ブプロフェジン(II−16−1)など。
【0057】
(17)脱皮撹乱物質、双翅類、例えばシロマジン(II−17−1)など。
【0058】
(18)エクジソン受容体アゴニスト、例えば、クロマフェノジド(II−18−1)、ハロフェノジド(II−18−2)、メトキシフェノジド(II−18−3)およびテブフェノジド(II−18−4)など。
【0059】
(19)オクトパミン性アゴニスト、例えば、アミトラズ(II−19−1)など。
【0060】
(20)複合体III電子伝達阻害剤、例えば、ヒドラメチルノン(II−20−1);またはアセキノシル(II−20−2);またはフルアクリピリム(II−20−3)など。
【0061】
(21)複合体I電子伝達阻害剤、例えばMETI殺ダニ剤、例えばフェナザキン(II−21−1)、フェンピロキシメート(II−21−2)、ピリミジフェン(II−21−3)、ピリダベン(II−21−4)、テブフェンピラド(II−21−5)およびトルフェンピラド(II−21−6);またはロテノン(デリス)(II−21−7)。
【0062】
(22)電位依存性ナトリウムチャネル遮断剤、例えばインドキサカルブ(II−22−1);またはメタフルミゾン(II−22−2)。
【0063】
(23)アセチル−CoAカルボキシラーゼ阻害剤、例えばテトロン酸およびテトラミン酸の誘導体、例えばスピロジクロフェン(II−23−1)、スピロメシフェン(II−23−2)およびスピロテトラマト(II−23−3)など。
【0064】
(24)複合体IV電子伝達阻害剤、例えば、ホスフィン類、例えば リン化アルミニウム(II−24−1)、リン化カルシウム(II−24−2)、ホスフィン(II−24−3)およびリン化亜鉛(II−24−4);またはシアニド(II−24−5)など。
【0065】
(25)複合体II電子伝達阻害剤、例えば、シエノピラフェン(II−25−1)など。
【0066】
(28)リアノジン受容体エフェクター、例えば、ジアミド類、例えばクロラントラニリプロール(II−28−1)およびフルベンジアミド(II−28−2)など。
【0067】
未知の作用メカニズムを有する他の活性物質、例えばアミドフルメト(II−29−1)、アザジラクチン(II−29−2)、ベンクロチアズ(II−29−3)、ベンゾキシメート(II−29−4)、ビフェナゼート(II−29−5)、ブロモプロピレート(II−29−6)、キノメチオネート(II−29−7)、クリオライト(II−29−8)、シアントラニリプロール(シアジピル)(II−29−9)、シフルメトフェン(II−29−10)、ジコホール(II−29−11)、ジフロビダジン(II−29−12)、フルエンスルホン(II−29−13)、フルフェネリム(II−29−14)、フルフィプロール(II−29−15)、フルオピラム(II−29−16)、フフェノジド(II−29−17)、イミダクロチズ(II−29−18)、イプロジオン(II−29−19)、メペルフルトリン(II−29−20)、ピリダリル(II−29−21)、ピリフルキナゾン(II−29−22)、テトラメチルフルトリン(II−29−23)およびヨードメタン(II−29−24);さらにはバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)(とりわけCNCM I−1582株、例えばVOTiVO(商標)、BioNem)に基づいた調製物(II−29−25)、ならびに以下の公知の活性化合物:3−ブロモ−N−{2−ブロモ−4−クロロ−6−[(1−シクロプロピルエチル)カルバモイル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−26)(WO2005/077934から公知)、4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−27)(WO2007/115644から公知)、4−{[(6−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−28)(WO2007/115644から公知)、4−{[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−29)(WO2007/115644から公知)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−30)(WO2007/115644から公知)、フルピラジフロン(II−29−31)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−32)(WO2007/115643から公知)、4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−33)(WO2007/115646から公知)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−34)(WO2007/115643から公知)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−35)(EP−A−0539588から公知)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(II−29−36)(EP−A−0539588から公知)、{[1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデン}シアナミド(II−29−37)(WO2007/149134から公知)ならびにそのジアステレオマーである{[(1R)−1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデン}シアナミド(A)(II−29−38)および{[(1S)−1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデン}シアナミド(B)(II−29−39)(WO2007/149134からも公知)、ならびにスルホキサフロル(II−29−40)ならびにそのジアステレオマーである、ジアステレオマー群Aと呼ばれる[(R)−メチル(オキシド){(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデン]シアナミド(A1)(II−29−41)および[(S)−メチル(オキシド){(1S)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデン]シアナミド(A2)(II−29−42)(WO2010/074747、WO2010/074751から公知)、ジアステレオマー群Bと呼ばれる[(R)−メチル(オキシド){(1S)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデン]シアナミド(B1)(II−29−43)および[(S)−メチル(オキシド){(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデン]シアナミド(B2)(II−29−44)(WO2010/074747、WO2010/074751からも公知)、ならびに11−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)−12−ヒドロキシ−1,4−ジオキサ−9−アザジスピロ[4.2.4.2]テトラデカ−11−エン−10−オン(II−29−45)(WO2006/089633から公知)、3−(4’−フルオロ−2,4−ジメチルビフェニル−3−イル)−4−ヒドロキシ−8−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(II−29−46)(WO2008/067911から公知)、1−{2−フルオロ−4−メチル−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(II−29−47)(WO2006/043635から公知)、[(3S,4aR,12R,12aS,12bS)−3−[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]−6,12−ジヒドロキシ−4,12b−ジメチル−11−オキソ−9−(ピリジン−3−イル)−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−2H,11H−ベンゾ[f]ピラノ[4,3−b]クロメン−4−イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート(II−29−48)(WO2008/066153から公知)、2−シアノ−3−(ジフルオロメトキシ)−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(II−29−49)(WO2006/056433から公知)、2−シアノ−3−(ジフルオロメトキシ)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(II−29−50)(WO2006/100288から公知)、2−シアノ−3−(ジフルオロメトキシ)−N−エチルベンゼンスルホンアミド(II−29−51)(WO2005/035486から公知)、4−(ジフルオロメトキシ)−N−エチル−N−メチル−1,2−ベンゾチアゾール−3−アミン 1,1−ジオキシド(II−29−52)(WO2007/057407から公知)、N−[1−(2,3−ジメチルフェニル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)エチル]−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−アミン(II−29−53)(WO2008/104503から公知)、{1’−[(2E)−3−(4−クロロフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]−5−フルオロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル}(2−クロロピリジン−4−イル)メタノン(II−29−54)(WO2003/106457から公知)、3−(2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(II−29−55)(WO2009/049851から公知)、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イル エチルカーボネート(II−29−56)(WO2009/049851から公知)、4−(ブタ−2−イン−1−イルオキシ)−6−(3,5−ジメチルピペリジン−1−イル)−5−フルオロピリミジン(II−29−57)(WO2004/099160から公知),(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)マロノニトリル(II−29−58)(WO2005/063094から公知)、(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)マロノニトリル(II−29−59)(WO2005/063094から公知)、8−[2−(シクロプロピルメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリダジン−3−イル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(II−29−60)(WO2007/040280から公知)、フロメトキン(II−29−61)、PF1364(CAS登録番号1204776−60−2)(II−29−62)(JP2010/018586から公知)、5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(II−29−63)(WO2007/075459から公知)、5−[5−(2−クロロピリジン−4−イル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(II−29−64)(WO2007/075459から公知)、4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−{2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル}ベンズアミド(II−29−65)(WO2005/085216から公知)、4−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}−1,3−オキサゾール−2(5H)−オン(II−29−66)、4−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}−1,3−オキサゾール−2(5H)−オン(II−29−67)、4−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](エチル)アミノ}−1,3−オキサゾール−2(5H)−オン(II−29−68)、4−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](メチル)アミノ}−1,3−オキサゾール−2(5H)−オン(II−29−69)(全てWO2010/005692から公知)、NNI−0711(II−29−70)(WO2002/096882から公知)、1−アセチル−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−3−イソブチルフェニル]−N−イソブチリル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(II−29−71)(WO2002/096882から公知)、メチル 2−[2−({[3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−5−クロロ−3−メチルベンゾイル]−2−メチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−72)(WO2005/085216から公知)、メチル 2−[2−({[3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−5−シアノ−3−メチルベンゾイル]−2−エチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−73)(WO2005/085216から公知)、メチル 2−[2−({[3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−5−シアノ−3−メチルベンゾイル]−2−メチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−74)(WO2005/085216から公知)、メチル 2−[3,5−ジブロモ−2−({[3−ブロ
モ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾイル]−1,2−ジエチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−75)(WO2005/085216から公知)、メチル 2−[3,5−ジブロモ−2−({[3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾイル]−2−エチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−76)(WO2005/085216から公知)、(5RS,7RS;5RS,7SR)−1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−7−メチル−8−ニトロ−5−プロポキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(II−29−77)(WO2007/101369から公知)、2−{6−[2−(5−フルオロピリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−5−イル]ピリジン−2−イル}ピリミジン(II−29−78)(WO2010/006713から公知)、2−{6−[2−(ピリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−5−イル]ピリジン−2−イル}ピリミジン(II−29−79)(WO2010/006713から公知)、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−(メチルカルバモイル)フェニル]−3−{[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−80)(WO2010/069502から公知)、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−(メチルカルバモイル)フェニル]−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−81)(WO2010/069502から公知)、N−[2−(tert.−ブチルカルバモイル)−4−シアノ−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−82)(WO2010/069502から公知)、N−[2−(tert.−ブチルカルバモイル)−4−シアノ−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−83)(WO2010/069502から公知)、(1E)−N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド(II−29−84)(WO2008/009360から公知)、N−[2−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−4−クロロ−6−メチルフェニル]−3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(II−29−85)(CN102057925から公知)ならびにメチル 2−[3,5−ジブロモ−2−({[3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾイル]−2−エチル−1−メチルヒドラジンカルボキシレート(II−29−86)(WO2011/049233から公知)など。
【0068】
本明細書中で「一般名」で呼ばれる活性物質は公知であり、例えば駆除剤マニュアル(“The Pesticide Manual”14th Ed.,British Crop Protection Council 2006)中に記載されているか、またはインターネット(例えばhttp://www.alanwood.net/pesticides)上で見出すことができる。
【0069】
本発明のW/O型製剤は、水を付加的な成分として含む。本発明によるW/O型製剤は、好ましくは、20から85重量%まで、より好ましくは35から60重量%までの水を含む。
【0070】
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるW/O型製剤は、さらに好ましくは、少なくとも1の着色料および/または少なくとも1の香料を含む。好ましくは、本発明による製剤は、少なくとも1の着色料および少なくとも1の香料を含む。
【0071】
利用することができる着色料は、無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、Prussion Blue、有機の顔料および染料、例えばトリフェニルメタン、ジフェニルメタン、オキサジン、キサンテン、イミノナフトキノン、アゾメチンおよびアントラキノンなど、例えば、Oil Yellow #101、Oil Yellow #103、Oil Pink #312、Oil Red、Oil Green BG、Oil Blue BOS、Oil Blue #603、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black T−505(Orient Kagaku Kogyo)、Victoria Purc Blue BOH(Hodogaya Kagaku)、Patent Pure Blue(Sumitomo Mikuni Kagaku)、Cyrstal Violet(CI 4255) Methyl Violet(CI 42535)、Ethyl Violet、Rhodamin B(CI 145170B)、Malchit Green(CI 142000)などである。Methylene Blue(CI 52015)、Brilliant Blue、Methyl Green、Erythrocin B、Basic Fuchsin、m−Cresol Purple、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン(diethylaminophenyliminaphthoquinone)、塩基性ロイコ染料(leucobasis dye)および第一級または第二級アクリルアミン染料、例えば、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,23,−トリフェニルガニジン(triphenylganidine)、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、p,p−ビス−ジメチルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p’,p”−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,p,p”−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p’,p”−トリアミノトリフェニルメタンなど。
【0072】
アニオン性、カチオン性または塩基性の着色料、例えば、キサンテン染料であるCeravon Fast Rhodamine B 400%(DixonChew)およびSanolin Rhodamin B02(Clariant)、直接染料であるLevacell Violett BB fl.40%(Lanxess)、アゾ染料であるBayscript Magenta LB fl.(Lanxess)、Ceracryl Magenta(DixonChew)、Astra Red Violett 3RC liq.(Lanxess)、Astra Phloxin G(Lanxess)およびCartazine Violet 4EK liq.(Clariant)などを利用することが好ましい。
【0073】
アニオン性着色料、例えば、キサンテン染料であるCeravon Fast Rhodamine B 400%(DixonChew)およびSanolin Rhodamine B02(Clariant)、直接染料であるLevacell Violett BB fl.40%(Lanxess)ならびにアゾ染料であるBayscript Magenta LB fl.(Lanxess)などを使用することが特に好ましい。
【0074】
着色料の溶解度に応じて、着色料を溶解させるため、さらなる界面活性物質が本発明に従って利用される。例えば、トリアミノトリフェニルメタンが利用される場合、着色料は水および界面活性物質を使用して、好ましくは高温(70℃まで)で、本発明による製剤に加える前に溶解される。好適な界面活性物質は、例えば、エトキシル化アルコールの非イオン性界面活性剤である(さらなる上方に記載)。
【0075】
天然香料は、例えばラベンダー、麝香、シベット、竜涎香、海狸香(castereum)および類似の香料:アジョワンオイル、アーモンドオイル、アンブレットシードアブソリュート、トウキオイル、アニソール、バジルオイル、ベイオイル、ベンゾインレジノイド、ベルガモットのエッセンス、バーチオイル、ローズウッドオイル、フェルラオイル、カユプテオイル、カナンガオイル、トウガラシオイル、キャラウエイオイル、カルダモンオイル、キャロットシードオイル、カッシアオイル、シダーウッドオイル、セロリシードオイル、シナモンバークオイル、シトロネラオイル、クラリーセージオイル、クローブオイル、コニャックオイル、コリアンダーオイル、クベバのオイル、カンフルオイル、ディルオイル、タラゴンオイル、ユーカリオイル、フェンネルオイルスイート(fennel oil sweet)、カルバナムレジノイド(calbanum resinoid)、ガーリックオイル、ゼラニウムオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ホップオイル、ヒヤシンスアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、ジュニパーベリーオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ベイリーフオイル、レモンオイル、レモングラスオイル、ラベージオイル、メースオイル、タンジェリンオイル、Nfisomaアブソリュート、ミルラアブソリュート、マスタードオイル、スイセンアブソリュート、ネロリオイル、ナツメグオイル、オークモスアブソリュート、オリバナムレジノイド、オニオンオイル、オポポナクスレジノイド、オレンジオイル、オレンジ花オイル、アイリスコンクリート、ペッパーオイル、ペパーミントオイル、ペルーのバルサム、プチグレンオイル、パインニードルオイル、ローズアブソリュート、ローズオイル、ローズマリーオイル、ビャクダンオイル、セージオイル、カーリーミントオイル、スチラックスオイル、タイムオイル、トルーバルサム、トンカビーンアブソリュート、チュベローズアブソリュート、ターペンタインのオイル、バニラポッドアブソリュート(vanilla pod absolute)、ベチバーオイル、バイオレットリーフアブソリュート、イランイランオイルおよび類似の植物オイルなど、ならびにそれらの混合物よりなる群から選択することができる。
【0076】
本発明による製剤に加え得る合成香料は:ピネン、リモネンおよび類似の炭化水素、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ボルネイルメトキシシクロヘキサノール(borneylmethoxycyclohexanol)、ベンジルアルコール、アニシルアルコール、シンナミルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、cis−3−ヘキサノール、テルピネオールおよび類似のアルコール;アネトール、ムスクキシレン、イソオイゲノール、メチルオイゲノールおよび類似のフェノール;アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デシルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドノナジエノール、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ベンズアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、シンナムアルデヒド、ドデカノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ウンデカナール、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリンおよび類似のアルデヒド、メチルアミルケトン、メチル β−ナフチルケトン、メチルノニルケトン、ムスクケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メトン(methone)、ショウノウ、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン、メチルイオノンおよび類似のケトン;アミルブチロラクトン、ジフェニルオキシド、メチルフェニルグリシデート、ノニルアセトン、クマリン、シネオール、エチルメチルフェニルグリシデートおよび類似のラクトンまたはオキシド、メチルホルメート、イソプロピルホルメート、リナリルホルメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、ブチルプロピオネート、イソアミルアセテート、イソプロピルイソブチレート、ゲラニルイソバレレート、アリルカプロネート、ブチルヘプチレート、オクチルカプリレート、メチルヘプチンカルボキシレート、メチルオクチンカルボキシレート、イソアミルカプリレート、メチルラウレート、エチルミリステート、メチルミリステート、エチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルカルビニルフェニルアセテート、イソブチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、スチラシン、メチルサリチレート、エチルアニセート、メチルアントラニレート、エチルピルベート、エチルブチルブチレート、ベンジルプロピオネート、ブチルアセテート、ブチルブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、シトロネリルホルメート、p−クレシルアセテート、エチルブチレート、エチルカプロエート、エチルシンナメート、エチルフェニルアセテート、エチレンブラシレート、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、イソアミルサリチレート、イソアミルバレレート、イソボルニルアセテート、リナリルアセテート、メチルアントラニレート、メチルジヒドロジャスモネート、ノニルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、トリクロロメチレンフェニルカルビニルアセテート、テルピニルアセテート、ベチベリルアセテートおよび類似のエステルである。これらの香料は、個々に使用することができ、またはこれらのうちの少なくとも2を相互の混合物として使用することができる。香料に加えて、本発明による製剤は、適切な場合、香料工業において慣例的に使用される添加剤、例えばパチョリオイルまたは類似の揮発抑制剤、例えばオイゲノールまたは類似の粘度調節剤などをさらに含有してもよい。
【0077】
本発明による製剤はまた、脱臭剤、例えば、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトネート、アセトフェノンミリステート、p−メチルアセトフェノンベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ジフェニルオキシド、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ネオリン(neolin)、サフロールなどを含有してもよい。
【0078】
香料は、好ましくは、既に非水系溶媒の成分である。
【0079】
一般的に、W/O型製剤は、好ましくは、1から75重量%まで、より好ましくは2から55重量%までの香料を、なおより好ましくは5から15重量%までの量を含む。
【0080】
本発明のさらなる好ましい実施形態として、W/O型製剤は、好ましくは、0.01から5重量%まで、より好ましくは0.01から1重量%までの着色料を含む。上記の成分のW/O型製剤を指す全ての重量パーセンテージは、合計で100%以下を与える。
【0081】
所望の場合、本発明によるW/O型製剤は、さらには、添加剤または補助剤、好ましくは不凍剤、苦味剤、安定剤、消泡剤、ウェッター、泡止め剤および保存剤を含む。好適な不凍剤の例は、エチレングリコール、モノプロピレングリコール、グリセロール、ヘキシレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノール、とりわけモノプロピレングリコールである。好適な苦味剤は、とりわけアロマオイル、好ましくはペパーミントオイル、ユーカリオイル、ビターアーモンドオイル、メントール、果実芳香物質、好ましくはレモン、オレンジ、シトロン、グレープフルーツの芳香物質もしくはこれらの混合物、および/またはデナトニウムベンゾエートである。製剤に加えてもよい安定剤は酸、好ましくは有機酸、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸またはクエン酸など、とりわけクエン酸であり、および抗酸化剤、例えばブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、とりわけブチルヒドロキシトルエンである。好ましい消泡剤および脱泡剤はシリコーン系であり、特に好ましいものは、ジアルキルポリシロキサンの水性エマルションであって、Rhodia Chimie、フランスからのRhodorsil(登録商標);426R、Wacker、ドイツからのWacker SEシリーズとして市販されており、および油としてのジアルキルポリシロキサンの混合物であって、Rhodia Chimie、フランスからのRhodorsil(登録商標);416、Wacker、ドイツからのWacker 5184またはWacker SLとして市販されている。
【0082】
本発明による製剤はまた、本発明による製剤で処理される支持体の燃焼特性または他の特性に影響するさらなる機能的添加剤を含んでもよい。言及し得るかかる添加剤の例は、リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸一アンモニウムなど)、有機酸(例えばクエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸、マロン酸など)および蝋である。かかる添加剤のさらなる例は、鉱物無機物質、例えば二酸化チタン、炭酸カルシウム、フィロシリケート、例えばカオリンなど、および有機の増量剤、例えば微結晶性セルロースなどである。
【0083】
本発明のさらなる主題は、支持体を処理するための、本発明による製剤の使用に関する。
【0084】
本発明によると、「処理すること」は、支持体を製剤と接触させるプロセスを指す。好適な処理方法は含浸であり、これは、例えば支持体に本発明による製剤を噴霧し、その後に例えば空気中で乾燥させることによるか、または支持体を本発明による製剤中に浸し、その後に例えば空気中で乾燥させることによる。他の好適な含浸プロセスは、ピペットを使った含浸である。とりわけ好適である、さらなる好適かつ好ましい処理プロセスは、支持体を本発明による製剤で印刷することである。
【0085】
支持体を製剤で印刷するため、連続操業のための確立された塗布プロセスまたはコーティング設備を利用するのが好ましい。好適な印刷プロセスおよび対応する設備は、例えばグラフィック工業(直接および間接印刷プロセス)から、および紙工業(コーティングおよび含浸プロセス)から公知である。他の公知の設備/プロセスは、ブレードコーティングプレス、フィルムプレス、サイズプレス、カーテンコーティングプロセスなどである。
【0086】
特に好ましいのはグラビア印刷プロセスであり、このプロセスでは、本発明による製剤を、回転式の彫刻されたシリンダーから支持体に直接的に塗布する。
【0087】
本出願は、グラビア印刷プロセスを使って支持体に均一に塗布されるのにとりわけ適していることが明らかになっている。ここで、本発明による製剤は、物理的に安定であり続け、流体力学的特性(とりわけ粘度およびぬれ特性)の点で、選択されたグラビア印刷プロセスに容易に適合させることができる。本発明との関連で、表現「物理的に安定である」は、一段階コーティングプロセス、とりわけグラビア印刷プロセスを使った一段階コーティングプロセスにおける製剤の塗布のための適切な時間尺度の中で、顕著または巨視的な、水相および油相の相分離またはクリーミングが起こらないことを意味する。
【0088】
ある特定の条件下で、プロセスにより引き起こされる望まれない副作用(例えば、コーティングの不均一性をもたらし得る不均一なフィルム分離およびミスティングなど)を避けるため、製剤の粘度をコーティングプロセスに適合させる必要があり得る。この点で、粘度特性は、好ましくは、界面活性乳化系の重量分率を変えることを通じて、および/または界面活性乳化系の組成を変えることを通じて、および/または連続的な「油相」に対する水相の割合を改変することを通じて、制御される。
【0089】
従前のグラビア印刷プロセスおよび下に定義される好ましい紙支持体を使用する場合、本発明によるW/O型製剤のビンガム粘度(Bingham viscosity)は、20℃で、20から200mPa・sの間、好ましくは30から150mPa・sの間であると有利であることが明らかになっている。
【0090】
ビンガム粘度の決定は、剪断速度を増加させながら剪断応力を測定することに基づく。結果として得られた剪断応力値[Pa]は、剪断速度[s−1]に対してプロットされる。より高い剪断速度におけるビンガム粘度は、回帰直線の傾きとして導かれる。
【0091】
粘度は、温度20℃で、DIN EN ISO 321中で特定されるように標準化されたシリンダー型の測定系(ダブルギャップ系とも呼ばれる)を使用した回転式粘度計を使用して測定され、この粘度計の剪断速度は例えばHaake、Bohlin、Mettler、Contravesなどからの規定された様式で調整することができる。粘度計は、0.1から1200s−1の剪断速度範囲内での測定を可能にするものであるべきである。
【0092】
本発明によるW/O型製剤の利点は、ポリマー性増粘剤を利用せずにビンガム粘度を調整することができ、したがって、生産速度を上げても、彫刻されたシリンダーから支持体への非常に良好かつ均一な製剤の転写を確実にすることができる。彫刻されたシリンダー上で乾燥した製剤残渣は、水で、または慣例的な水性クリーナーで容易に除去することができるものであり、ポリマー性増粘剤を使用した製剤と対照的である。
【0093】
本発明によると好適である支持体は、とりわけ固体の可燃材料、例えばセルロース材料、織物材料、プラスチック材料などである。セルロース系の支持体は、例えば、紙、ボール紙、木材、木材チップ(wood chipping)、木材チップ(wood chip)またはおがくず、籾殻、トウモロコシ穂軸(maize cob spindle)(好ましくは穀粒がないもの)、ピーカンナッツ殻およびピーナッツ殻である。薄いパーティクルボードもまた支持体として好適である。好適なセルロース系支持体は、例えば、ドイツ特許出願DE4322376A1中に記載されており、その開示は参照により本明細書に包含される。
【0094】
織物材料で作られた支持体は、例えば、合成のポリエステルもしくはナイロン繊維、もしくは天然繊維、例えば綿、ビスコース、リネン−ビスコース混合物など、または合成繊維と天然繊維との混合物、例えばセルロース−ポリエステル(合成紙)または綿−ポリエステルである。他の例は、ウールフェルティン(wool feltine)およびTreviraサテンである。
【0095】
ポリマー材料で作られた支持体は、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミドおよびポリテレフタレートである。
【0096】
本発明の範囲内で特に好ましいのは、セルロース系の支持体、とりわけ紙支持体の使用である。
【0097】
原則的に、少なくとも1の当の殺虫性活性物質を吸収し、および紙支持体に点火およびこれを消火した後に少なくとも1の殺虫性活性物質を本質的に分解させることなく放出することに一般に適しているかぎり、本明細書中で使用される紙支持体に対して特別な限定は課されない。
【0098】
しかしながら、紙重量が好ましくは25から300g/mまで、とりわけ25から270g/mまで、特に好ましくは25から250g/mまで、大いに特に好ましくは25から230g/mまで、さらに大いに特に好ましくは25から215g/mまで、特には25から200g/mまでである紙支持体が、本発明による目的に特に適合していることが明らかになっている。
【0099】
さらには、紙支持体の厚さは、0.05から0.50mmまで、特に好ましくは0.07から0.40mmまで、大いに特に好ましくは0.08から0.35まで、さらに大いに特に好ましくは0.08から0.25mmの間、特には0.08から0.20mmの間の範囲内であることが好ましい。
【0100】
好適な支持体および支持体を処理するプロセスは、公開された明細書WO2007/131679A2中に同じく記載されている。
【0101】
本発明の別の主題は、支持体を処理するための、本発明による油中水型製剤の使用に関する。「処理すること」は、好ましくは、支持体を印刷することにより実行される。なおより好ましくは、支持体の印刷はグラビア印刷プロセスを通じて実行され、好ましくは「一段階」印刷プロセスにより実行される。
【0102】
本発明のさらなる主題は、本発明による油中水型製剤で処理された支持体に関する。
【0103】
支持体(好ましくは紙支持体)上の(W/O型)製剤の施用重量は、5から30ml/mまで、特に好ましくは12から22ml/mまで、および大いに特に好ましくは15から20ml/mまでの範囲内であることが好ましい。
【0104】
本発明による支持体、とりわけ紙支持体上の殺虫性活性物質の含量は、好ましくは0.05から5.0重量%の間、より好ましくは0.1から2.5重量%の間、およびなおより好ましくは0.2から1.5重量%の間である。
【0105】
処理された支持体(好ましくは紙支持体)の燃焼塩含量は、0.1から6重量%まで、特に好ましくは1から5重量%まで、および大いに特に好ましくは1.5から3重量%までの範囲内であることが好ましい。
【0106】
一般的に、本発明による支持体(とりわけ紙支持体)は、好ましくは0.01から10重量%まで、より好ましくは0.05から5重量%まで、特に好ましくは0.1から2重量%までの、少なくとも1の上記の界面活性乳化剤系を含む。
【0107】
処理された支持体は、燻焼前および燻焼後の燻焼可能な最終製品の臭いに対して良い効果を持つ香料を含むことが好ましい。
【0108】
処理された支持体(好ましくは紙支持体)の香料含量は、0.1から10重量%まで、特に好ましくは0.5から5重量%まで、および大いに特に好ましくは1.0から3重量%までの範囲内であることが好ましい。
【0109】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による支持体(好ましくは紙支持体)は、上記の界面活性乳化剤系のほか、さらに、少なくとも1の他のさらなる非イオン性界面活性剤を含み、このさらなる界面活性剤のHLB値は約8から約18まで、好ましくは8から18まで、より好ましくは約10から約16の間、好ましくは10から16の間、なおより好ましくは約11から約16の間、好ましくは11から16の間の範囲内である。好ましくは、このさらなる非イオン性界面活性剤の重量分率は、本発明による支持体をベースとして、0.1から4重量%の間、好ましくは0.3から1.5重量%の間になる。
【0110】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、本発明による支持体(好ましくは紙支持体)は、さらに、さらなる(第三の)アニオン性界面活性剤を含む。このさらなるアニオン性界面活性剤の重量分率は、好ましくは、本発明による支持体をベースとして0から5重量%の間、好ましくは0.1から2.5重量%の間である。100%を超えないところまで加えられる残りの重量パーセンテージは、支持体(好ましくは紙支持体)自体に関する。
【0111】
本発明のさらなる主題は、以下のステップ:
a)少なくとも1の燃焼塩を水中に溶解すること、
b)少なくとも1の非水系溶媒中に、少なくとも1の殺虫性活性物質、および16%硝酸カリウム塩溶液中での溶解度が1g/l未満である少なくとも1の乳化系を溶解すること、
c)ステップb)の溶液をステップa)の溶液と混合すること
を含む、本発明による油中水型製剤を調製する方法に関する。
【0112】
さらなる水溶性製剤成分(例えば、カチオン性またはアニオン性着色料、さらなる添加剤など)がW/O型製剤の成分となってもよい場合、それらは燃焼塩と共にステップa)中で水に加えられる。
【0113】
さらなる水不溶性液体製剤成分(例えば、香料、さらなる添加剤など)がW/O型製剤の成分となってもよい場合、それらはステップb)の前に非水系溶媒に混合される。
【0114】
本発明によるW/O型製剤を与えるステップc)における混合は、単純な撹拌を通じて、または慣例的な乳化プロセスを通じてホモジナイズすることにより実施される。
【0115】
本発明のさらなる主題は、上記支持体および本発明による上記油中水型製剤の成分を含む殺虫性の燻焼可能な製品に関し、この製品において調製中に非水系溶媒を支持体から蒸発させることができる(例えば調製後の乾燥段階中、またはそれより後の時点で)。
【0116】
本発明のさらなる主題は、支持体を本発明による油中水型製剤で処理することを特徴とする、殺虫性の燻焼可能な製品を調製するプロセスである。好ましくは、調製は、支持体を本発明による油中水型製剤で印刷することにより行われる。より好ましくは、支持体の印刷は、グラビア印刷プロセスを通じて、好ましくは「一段階」印刷プロセスにより、実施される。
【実施例】
【0117】
実施例1:本発明による製剤の調製についての記載
上で特定された調製プロトコール(段落番号[0111]から[0115]を参照のこと)に従って、トランスフルトリンを使用して本発明による以下の製剤を作成した(Fl A=本発明による製剤A;Fl B=本発明による製剤B;Fl C=比較としての本発明でない製剤C):
【表1】
【0118】
表1:本発明による各W/O型製剤をベースとした重量パーセントで表した製剤成分の仕様(Fl A=本発明による製剤A;Fl B=本発明による製剤B)
比較の目的のため、本発明でない以下の製剤についても、トランスフルトリンを使用して、上述の調製プロトコール中で特定されるように作成を進めた:
【表2】
【0119】
表2:比較のための本発明でない製剤C(Fl C)
調製ステップc)中で特定される製剤の混合(段落番号[0111]から[0115]を参照のこと)は、通常のマグネチックスターラーを用いた単純撹拌により行った。
【0120】
Knickからの実験装置(導電率センサーSE 204と組み合わせたPortamess(登録商標)911 Cond)を用いて、比誘電率の特徴を明らかにした。ホモジナイズされた製剤のビンガム粘度は、Haakeからのレオメーター(Haake RS−150、Sensor Z20 Din Ti)を使用して、20℃で決定した。2つの測定の結果を次の表3中に示す:
【表3】
【0121】
表3:実施例1に従って調製された製剤のビンガム粘度および比導電率
実施例2:本発明による殺虫性の燻焼可能な製品の調製についての記載
殺虫性の紙を調製するため、実施例1中に記載された活性物質製剤(Fl A、Fl Bおよび対照としてのFl C)の規定された塗布重量を、グラビア印刷プロセスを使用して、支持体の全面に均一に塗布した。利用された支持体はオフセット紙Tauro Offset 90gm(Robert Horn Group)であった。製剤を一段階で、印刷適性試験機PhantomQD(商標)Proofer(HARPER Graphics GmbH)およびスクリーンロール306 140 100 20.0C(理論的な凹み容積(scoop volume)約31cm/mおよび彫刻角度60°、HARPER Graphics GmbH)を使用して塗布した。製剤を定圧、約16g/mの塗布重量で、彫刻されたシリンダーから紙片に直接転写した。印刷された紙片を環境大気中で少なくとも1時間乾燥させ、次いで印刷品質(紙のインキングの均一性についての視覚的評価を通じて)および燻焼挙動を試験した。
【0122】
コーティングされた紙片を縦に折り、それらの片側に点火し、生じた炎を吹き消し、完全に燻焼させることができるようにそれらを耐火性の支持体上に置くことにより、燻焼挙動をチェックした。紙片の燻焼または炭化の程度は、コーティングされた紙片の燻焼挙動についての尺度であると考えられる。
【表4】
【0123】
表4:実施例2に従って調製された殺虫性の燻焼可能な製品のコーティング品質および燻焼挙動
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1図1は、実施例2に従って調製された殺虫性の燻焼可能な製品のコーティング品質を示す(塗布された製剤、左から右へ:Fl A、Fl BおよびFl C)。Fl AおよびFl Bが均一なコーティングを示す一方、FI Cにおいては不均一なコーティングが認められる。
【0125】
実施例3:本発明による香料を使用しない製剤および殺虫性の燻焼可能な製品の調製についての記載
実施例1と同様に、本発明による以下の製剤D(FL D)を、トランスフルトリンを使用して香料を使用せずに、上で特定された調製プロトコール(段落番号[0111]から[0115]を参照のこと)に従って、作成した。
【表5】
【0126】
殺虫性の紙の調製のため、実施例2と同様に製剤Dを利用した。製剤を一段階で、印刷適性試験機PhantomQD(商標)Proofer(HARPER Graphics GmbH)およびスクリーンロール306 140 100 20.0C(理論的な凹み容積約31cm/mおよび彫刻角度60°、HARPER Graphics GmbH)を使用して、オフセット紙Tauro Offset 90gm(Robert Horn Group)に塗布した。比導電率が<0.1mS/cmであるW/O型製剤を、定圧、事実上約16g/mの塗布重量で、彫刻されたシリンダーから紙片に直接転写した。続いて紙を環境大気中で乾燥させると、均一にインクが付いた殺虫性の紙が得られた。殺虫性の紙は完全に燻焼した。
図1