(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165969
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】接着部材及びそれを備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニット
(51)【国際特許分類】
C09J 7/00 20060101AFI20170710BHJP
C09J 7/02 20060101ALI20170710BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20170710BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
C09J7/00
C09J7/02 Z
B32B27/00 M
G06F3/041 450
G06F3/041 495
G06F3/041 460
G06F3/041 490
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-510606(P2016-510606)
(86)(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公表番号】特表2016-523994(P2016-523994A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】KR2014002375
(87)【国際公開番号】WO2014175553
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2015年10月28日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0046541
(32)【優先日】2013年4月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515296013
【氏名又は名称】ドゥクサン エスジー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515296024
【氏名又は名称】キム,ジウン
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジウン
【審査官】
澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−232459(JP,A)
【文献】
特開2002−348550(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0066272(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/00 −7/04
B32B 27/00
G06F 3/041
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの層の両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面に備えられていた保護フィルムのいずれか一方の面の保護フィルムが除去されて露出した前記接着層の表面に形成されたUVコーティング層と、を備え、
前記UVコーティング層の一部に、文字、模様のいずれかの一つ以上を示す印刷層または外部の光を散乱させる蒸着層が形成されていることを特徴とする接着部材。
【請求項2】
一つの層の両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面に備えられていた保護フィルムのいずれか一方の面の保護フィルムが除去されて露出した前記接着層の表面に形成されたUVコーティング層と、を備え、前記UVコーティング層の一部に、文字、模様のいずれかの一つ以上を示す印刷層が形成されている接着部材と;
前記印刷層の上面に形成された印刷保護層と;
を含み、
前記接着層の他方の面の保護フィルムが選択的に除去されてウィンドウに付着されていることを特徴とする、接着部材を備えたタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項3】
一つの層の両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面に備えられていた保護フィルムのいずれか一方の面の保護フィルムが除去されて露出した前記接着層の表面に形成されたUVコーティング層と、を備え、前記UVコーティング層の一部に外部の光を散乱させる蒸着層が形成されている接着部材と;
前記蒸着層の上面に形成された文字、模様のいずれかの一つ以上を示す印刷層と;
前記印刷層の上面に形成された印刷保護層と;
を含み、
前記接着層の他方の面の保護フィルムが選択的に除去されてウィンドウに付着されていることを特徴とする、接着部材を備えたタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項4】
前記蒸着層が形成されている箇所の前記UVコーティング層の表面が、波模様などのパターンの形状となっていることを特徴とする請求項3に記載の接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニット。
【請求項5】
前記印刷層は、複数の層で構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニット。
【請求項6】
一つの層の両面に接着機能を有する接着層の両面に保護フィルムが備えられている部材を用意し、
前記接着層のいずれか一方の面の保護フィルムを除去する工程と、
前記保護フィルムが除去されて露出した前記接着層の表面にUVコーティング層を形成する工程と、
前記UVコーティング層の一部に、文字、模様のいずれかの一つ以上を示す印刷層または外部の光を散乱させる蒸着層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする接着部材の製造方法。
【請求項7】
一つの層の両面に接着機能を有する接着層の両面に保護フィルムが備えられている部材を用意し、
前記接着層のいずれか一方の面の保護フィルムを除去する工程と、
前記保護フィルムが除去されて露出した前記接着層の表面にUVコーティング層を形成する工程と、
前記UVコーティング層の一部に、文字、模様のいずれかの一つ以上を示す印刷層または外部の光を散乱させる蒸着層を形成する工程と、
前記印刷層の上面に印刷保護層を形成する工程と、
前記接着層の他方の面の保護フィルムを選択的に除去してウィンドウに付着させる工程と、
を含むことを特徴とする接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面に接着機能を有する接着部材の一面に印刷可能層を備え、文字、模様、パターン、金属質感などを示す印刷層や蒸着層を形成できるようにすることにより、従来は印刷のために必須であったPETフィルムを除去し、厚さ減少、製造コスト低減、生産性向上を達成できるようにした接着部材に関する。
【0002】
本発明は、印刷可能層に印刷層、蒸着層が形成された状態でウィンドウに付着され、ウィンドウ破損時の飛散を防止するための接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットに関する。
【0003】
本発明は、強化ガラスやPCからなるウィンドウの形状(例えば、屈曲した面)に制限なく付着できるようにしたタッチスクリーン用ディスプレイユニットに関する。
【背景技術】
【0004】
携帯用端末とは、移動しながら通話やデータ交換が行える通信機器を意味する。近年、携帯用端末にはデジタルコンバージェンス(digital convergence)時代にふさわしい多種多様で有用な機能が実現されている。例えば、ユーザは携帯用端末を用いてAOD(audio on demand)やVOD(video on demand)サービスを利用したり、通話当事者が相手の顔を直に見て通話するテレビ電話を利用したり、ゲームをダウンロードしてプレーしたりする。すなわち、携帯用端末はもはや音声通話機器の領域に限定されて用いられてはいない。
【0005】
このように携帯用端末で実現される機能が多様化するに伴い、ユーザは携帯用端末をより迅速かつ便利に制御する必要性を感じるようになり、それに応じて携帯用端末のメーカーはタッチスクリーン機能が実現される表示部(以下「タッチディスプレイユニット」という)をユーザに提供するようになった。
【0006】
一方、携帯用端末に用いられるタッチスクリーンパネルの種類としては、静電容量(capacitive overlay)方式、抵抗膜(resistive overlay)方式、表面弾性波(surface acoustic wave)方式、トランスミッタ(transmitter)方式、赤外線(infrared beam)方式などがある。このようなタッチスクリーンパネルの様々な方式のうち、携帯端末においては主に静電容量方式が用いられる。
【0007】
前記静電容量方式のタッチスクリーンパネルは、
図1に示すように、誘電体又は絶縁体のPETからなるウィンドウ1と、ウィンドウ1の底面縁部にコーティングされ、後で結合されるシルバーペースト電極2を覆ってロゴなどが印刷されるアイコン部3と、ウィンドウ1に両面テープ4で結合されるPCシート又はガラス(glass)5と、ガラス5の底面に両面テープ4で結合され、PET素材からなる誘電体フィルム6と、誘電体フィルム6の上部にタッチを感知する部分をITOなどの透明導電性物質で蒸着したITOコーティング層7と、ITOコーティング層7の縁部に結合され、その電気的信号を制御部に伝達するためのシルバーペースト電極2と、誘電体フィルム6の底面に両面テープ8で接着されるLCD9とから構成される。
【0008】
しかし、このような従来の静電容量方式タッチスクリーンパネルにおいては、貼り合わせ工程中に両面テープ(OCA tape)4、8が3枚用いられるので、従来の工程でパッチディスプレイユニットを製造すると、両面テープの付着工程により異物及び気泡現象が多く起こるので大量に不良が発生し、また前記両面テープの収縮及び接着剤の凝集により工程不良率が非常に高くなるという欠点があった。
【0009】
よって、
図2に示すように、特許文献1には、ウィンドウを用い、CNT素材をスクリーン方式でコーティングしてディスプレイユニットの強度を向上させ、両面テープ付着工程を減らすことにより不良率を低減した「静電容量方式のタッチスクリーンパネル構造」が開示されている。
【0010】
すなわち、タッチパネル(touch panel)は、アクリルやウィンドウなどの高強度素材からなる高強度プレート18、UVコーティング層22、アイコン部20、CNTコーティング層16、シルバーペースト電極14、グランド電極24、及びLCD10を含む。
【0011】
しかし、前述したように構成されるタッチパネルは、CNTコーティング層16とシルバーペースト電極14がこのシルクスクリーン方式で印刷されるため生産性が低下し、ウィンドウが採用される高価な高強度プレート18において、前述した複数の層を形成する過程のいずれか一つの工程で不良が発生しても不良品に分類されて収率が低くなるので好ましくない。
【0012】
また、タッチパネルの外観を形成するウィンドウにおいては、PCシート又は強化ガラスが採用されるが、携帯用端末の外観を美麗にするために角部を丸く形成する場合、ウィンドウの底面にPETフィルムが両面テープで付着されてもPETフィルムの硬度及び復元力により両面テープの接着力が低下して分離するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0065486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、両面に接着機能を有する接着部材の一面に印刷可能層を備え、文字、模様、パターン、金属質感などを示す印刷層や蒸着層を形成できるようにすることにより、従来は印刷のために必須であったPETフィルムを除去し、厚さ減少、製造コスト低減、生産性向上を達成できるようにした接着部材を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、印刷可能層に印刷層、蒸着層が形成された状態でウィンドウに付着され、ウィンドウ破損時の飛散を防止するためのタッチスクリーン用ディスプレイユニットを提供することを目的とする。
【0016】
さらに、本発明は、PETフィルムを除去することにより成形性が向上するので、強化ガラスやPCからなるウィンドウの形状(例えば、屈曲した面)に制限なく付着することができ、付着後は分離しないで接着性能を維持できるようにしたタッチスクリーン用ディスプレイユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面に備えられた保護フィルムとを含む接着部材において、前記一対の保護フィルムのいずれかが除去された接着層の一面に、文字、模様、パターン、金属質感の少なくとも1つを示す印刷層又は蒸着層の形成を可能にする印刷可能層が備えられることを特徴とする。
【0018】
前記印刷可能層はUVコーティング層であることを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態による接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットは、両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面のいずれか一面に備えられた保護フィルムと、前記接着層の他の面に文字、模様、パターン、金属質感の少なくとも1つを示す印刷層又は蒸着層の形成を可能にする印刷可能層とを含む接着部材と、前記印刷可能層に形成された印刷層と、前記印刷層を保護するための印刷保護層とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の実施形態による接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットは、両面に接着機能を有する接着層と、前記接着層の両面のいずれか一面に備えられた保護フィルムと、前記接着層の他の面に文字、模様、パターン、金属質感の少なくとも1つを示す印刷層又は蒸着層の形成を可能にする印刷可能層とを含む接着部材と、前記印刷可能層に形成されて外部の光を散乱させる蒸着層と、前記蒸着層に形成された印刷層と、前記印刷層を保護するための印刷保護層とを含むことを特徴とする。
【0021】
前記印刷可能層の一側には、パターンを有するパターン部が備えられることを特徴とする。
【0022】
前記接着部材は、一面に備えられた保護フィルムが選択的に除去されてウィンドウに付着されることを特徴とする。
【0023】
前記印刷層は、複数の層で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明においては、両面に接着機能を有する接着部材の一面に印刷可能層を備え、文字、模様、パターン、金属質感などを示す印刷層や蒸着層を形成できるようにすることにより、従来は印刷のために必須であったPETフィルムが不要となるように構成される。
【0025】
よって、PETフィルムの厚さの分だけ厚さを減少させることができ、高価な輸入品であるPETフィルムが不要であるので製造コストを大幅に低減できるという利点がある。
【0026】
また、PETフィルムを含む構造においては、異物付着や凹みなどの不良が頻繁に発生し、不良発生時にPETフィルムの再生が不可能であったが、本発明においては、PETフィルムが不要な構造を有するので、不良率を大幅に減少させることができ、生産性を向上させることができると共に、ウィンドウに付着された後に不良が発生してもウィンドウの再生が可能であるという利点がある。
【0027】
さらに、印刷可能層に印刷層、蒸着層を形成し、接着部材の他の面の接着機能を用いてウィンドウに付着することにより、ウィンドウ破損時の飛散を防止できるという利点がある。
【0028】
それだけでなく、厚くかつ強度を有するPETフィルムを備えなくても接着部材がウィンドウに直接付着されるので、屈曲を有するウィンドウにも付着することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来の静電容量方式のタッチディスプレイユニットの構造を示す縦断面図である。
【
図2】特許文献1に開示されているタッチディスプレイユニット構造を示す縦断面図である。
【
図3】本発明による接着部材の好ましい実施形態の構成を示す縦断面図である。
【
図4】本発明による接着部材の構成を示す縦断面図である。
【
図5】本発明によるタッチスクリーン用ディスプレイユニットが採用されたパネルの外観構成を示す平面図である。
【
図6】本発明による接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットの第1実施形態の内部構成を示す、
図5のI−I’線縦断面図及びウィンドウ付着前の縦断面図である。
【
図7】本発明による接着部材を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットの第2実施形態の内部構成を示す、
図5のI−I’線縦断面図及びウィンドウ付着前の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、
図3及び
図4を参照して、本発明による接着部材120の構成について説明する。
【0031】
図3は本発明による接着部材120の好ましい実施形態の構成を示す縦断面図であり、
図4は本発明による接着部材120の構成を示す縦断面図である。
【0032】
なお、本明細書及び請求の範囲に用いられる用語や単語は通常の辞書的な意味で解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈すべきである。
【0033】
よって、本明細書に記載する実施形態や図面に示す構成は本発明の好ましい一実施形態にすぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる様々な均等物や変形例があり得ることを理解すべきである。
【0034】
まず、
図4に示すように、接着部材120は両面に接着機能を有するように薄く形成されたものであり、一実施例としてOCA(Optically Clear Adhesive)テープが挙げられ、両面に接着機能を有し、透明で薄厚のものであれば様々に変更して用いることができる。
【0035】
接着部材120の構成について詳細に説明すると、接着部材120は、両面に接着機能を有する接着層122と、接着層122の両面を保護するための保護フィルム124とを含む。
【0036】
また、接着部材120には要部構成である印刷可能層126がさらに備えられる。
【0037】
印刷可能層126は、保護フィルム124が除去されて接着機能を有する接着層122に印刷や蒸着を行えるようにする構成である。
【0038】
すなわち、印刷可能層126は、文字、模様、パターン、金属質感などの印刷層130や蒸着層140を形成できるようにする構成である。
【0039】
より具体的に説明すると、接着層122は、保護フィルム124が除去されると、接着機能を有するので印刷することができない。よって、接着層122に備えられた一対の保護フィルム124のいずれかを除去して露出する面に印刷可能層126を形成することにより、印刷層130又は蒸着層140を形成することができる。
【0040】
本発明の実施形態において、印刷可能層126は、UVコーティング層を採用することにより、高い透明度、薄厚、所定の強度を満たすように構成される。
【0041】
また、接着層122の両面のうち印刷可能層126が形成されていない面には保護フィルム124が残っているが、保護フィルム124は後で除去されてウィンドウ110に付着される。
【0042】
以下、
図5を参照して、接着部材120の様々な実施形態の構成について説明する。
【0043】
図5は本発明による接着部材120を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニットが採用されたパネルの外観構成を示す平面図である。
【0044】
同図に示すように、タッチスクリーン用ディスプレイユニット100は、静電容量(capacitive overlay)方式のタッチスクリーンの外観を構成するウィンドウ110の後方に備えられ、ウィンドウ110を含んでパネルを完成する。
【0045】
ウィンドウ110には一般に強化ガラスが採用され、ウィンドウ110の後方には接着部材120が付着されてウィンドウ110の破損時のガラスの飛散を防止する。
【0046】
より具体的には、ウィンドウ110の背面の保護フィルム(
図4で下方に位置する保護フィルム124)が除去され、接着機能を有するように露出した接着層122が付着される。
【0047】
接着層122の後方には印刷可能層126が形成されているので、印刷層130や蒸着層140を形成することができる。
【0048】
印刷可能層126の背面に形成される構成と印刷層130や蒸着層140が採用された場合に異なる構成となる詳細は後述する。
【0049】
前記タッチスクリーン用ディスプレイパネルの中央部には透明な表示窓152が備えられる。
【0050】
表示窓152は、印刷可能層126の後方に前述した印刷層130や蒸着層140が全く形成されておらず、透明度を維持することによりディスプレイを透視できるようにする領域である。
【0051】
表示窓152が備えられない領域には蒸着層140と印刷層130とが備えられる。
【0052】
印刷層130は、
図5に示すように、有色の文字や模様などがウィンドウ110から透視できるように構成されたものであり、ウィンドウ110、接着層122及び印刷可能層126が透明であるため、唯一の有色状態の印刷層130はウィンドウ110の外部から透視することができる。
【0053】
蒸着層140は、印刷可能層126の背面に蒸着されて光を散乱させることにより金属質感を示すように構成されたものであり、印刷可能層126にパターン部128(
図7参照)が備えられる場合は、パターン部128を遮蔽してパターンの乱れを防止することにより金属質感のパターンが表示されるように構成されてもよい。
【0054】
以下、
図6を参照して、タッチスクリーン用ディスプレイユニット100の詳細構成について説明する。
【0055】
図6は本発明による接着部材120を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニット100の第1実施形態の内部構成を示す、
図5のI−I’線縦断面図及びウィンドウ110付着前の縦断面図である。
【0056】
図6はタッチスクリーン用ディスプレイユニット100が金属質感を有するのではなく、白色、黒色などの色のみ有する場合の内部構成図である。
【0057】
まず、
図6の上の図に示すように、印刷可能層126の上面に印刷層130が形成されている。印刷層130は、タッチスクリーン用ディスプレイユニット100の特定部位にのみ形成されるので、同図に示すように、印刷可能層126の縁部にのみ位置するように構成している。
【0058】
また、印刷層130が中央部に形成されないように制限することにより、上方に位置するLCD、LED、OLEDなどの発光要素から放出される光がウィンドウ110の外部に透過できるように構成される。
【0059】
印刷層130の上面には印刷保護層160が備えられる。印刷保護層160は印刷層130を保護するための構成であり、印刷保護層160として保護用フィルムが貼り付けられることが好ましい。
【0060】
また、本発明においては図示していないが、印刷保護層160は後で除去され、印刷層130の上方には透明電極、タッチ感知要素などの構成要素が位置する。
【0061】
このような構成から下方に位置する保護フィルム124を除去し、その後ウィンドウ110を付着すると
図6の下の図のパネルが完成し、
図5のI−I’線縦断面図となる。
【0062】
以下、
図7を参照して、金属質感のパターンを有するタッチスクリーン用ディスプレイユニット100の内部構成について説明する。
【0063】
図7は本発明による接着部材120を備えたタッチスクリーン用ディスプレイユニット100の第2実施形態の内部構成を示す、
図5のI−I’線縦断面図及びウィンドウ110付着前の縦断面図である。
【0064】
図7の上の図に示すように、第2実施形態のタッチスクリーン用ディスプレイユニット100には、印刷可能層126の一側にパターン部128が備えられる。パターン部128は、波模様などのパターンを有するように形成されたものであり、印刷可能層126の上面にはこのような印刷可能層126のパターンを維持できるようにする蒸着層140が備えられる。
【0065】
よって、パターン部128は、パターンを維持した状態で蒸着層140と印刷可能層126の界面に位置して光を屈曲させることができ、蒸着層140は、金属性光沢を有することにより屈曲された光を散乱させて輝くパターンを実現することができ、真空蒸着工程で形成された後に不要な部分がエッチング工程で除去される。
【0066】
蒸着層140の上方には印刷層130が備えられる。印刷層130は、前述したように、文字、模様などを表示することができ、有色であるので、蒸着層140と共に光を散乱することにより所定の色を有する金属性質感を示すことができる。
【0067】
印刷層130の上面には前述した印刷保護層160が備えられる。
【0068】
一方、
図7の上の図の構成から下方に位置する保護フィルム124を除去すると接着層122の下面が露出して接着機能を有するようになり、ウィンドウ110の上面に付着されることにより、
図5のI−I’線縦断面図に示す構造を有するパネルが完成する。
【0069】
本発明の範囲は前述した実施形態に限定されるものではなく、当業界の通常の技術者であれば前述した技術範囲内で本発明に基づく他の様々な変形が可能であろう。
【0070】
例えば、本発明の実施形態においては印刷層130が単一層で構成されるように説明されているが、複数の層で構成して様々な色を付与することにより、様々な色の文字、模様、パターンなどを提供できることは言うまでもない。
【0071】
また、本発明の実施形態においては2つのタイプのパネルに結合される構造の例のみ挙げられているが、接着層の一面に印刷可能層を備えて他の面に保護フィルムを備えるものであれば、様々な外観及び形態のウィンドウに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、両面に接着機能を有する接着部材の一面に印刷可能層を備え、文字、模様、パターン、金属質感などを示す印刷層や蒸着層を形成できるようにすることにより、従来は印刷のために必須であったPETフィルムを除去できるので、薄厚で製造コストが大幅に減少した接着部材を大量生産することができる。
【0073】
本発明は、PETフィルムが備えられないため、強化ガラスやPCからなるウィンドウの形状に関係なく屈曲した面にも付着できるので、タッチスクリーン用ディスプレイパネルが適用される様々な製品に幅広く適用することができる。