特許第6166109号(P6166109)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166109充填用ヘッドタンク及び飲料液の処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166109
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】充填用ヘッドタンク及び飲料液の処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 39/00 20060101AFI20170710BHJP
   B65B 3/22 20060101ALI20170710BHJP
   B67D 3/00 20060101ALI20170710BHJP
   A23L 2/38 20060101ALI20170710BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   B65B39/00 B
   B65B3/22
   B67D3/00 Z
   A23L2/38 P
   A23L2/00 X
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-128206(P2013-128206)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2014-24605(P2014-24605A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】特願2012-139345(P2012-139345)
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】安部 寛
(72)【発明者】
【氏名】藤田 諭
(72)【発明者】
【氏名】清水 道雄
【審査官】 田口 傑
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−304408(JP,A)
【文献】 米国特許第04076507(US,A)
【文献】 特開2010−252756(JP,A)
【文献】 実開昭59−038204(JP,U)
【文献】 特開平11−009190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 37/00−39/14
B65B 1/00−3/36
B67C 3/00−11/06
B67D 1/00−3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料液を容器に充填する充填機に飲料液を送る充填用ヘッドタンクであって、飲料液を収納するヘッドタンク本体と、ヘッドタンク本体内に飲料液を流入する流入口部と、ヘッドタンク本体の底部に設けてヘッドタンク本体内の飲料液を充填機へ流出する流出口部とを備え、流入口部はヘッドタンク本体の内壁面の周方向に沿って飲料液を流入し、
ヘッドタンク本体は定常運転状態で一定の定常水位を保持して、流入口部から飲料液を一定流量で流入すると共に流出口部から一定流量で飲料液を流出しており、流入口部は前記定常水位よりも下に設けてある、ことを特徴とする充填用ヘッドタンク。
【請求項2】
ヘッドタンク本体は、円筒形状の胴部と、胴部の下で内壁が下側ほど先細りにした円錐形状のコーン部とを備え、流出口部はコーン部の下端に設けてあり、流入口部は胴部に設けてあることを特徴とする請求項1に記載の充填用ヘッドタンク。
【請求項3】
流入口部はヘッドタンク本体の内周面の接線方向に向けて開口していることを特徴とする請求項2に記載の充填用ヘッドタンク。
【請求項4】
コーン部の縦断面における内壁の傾斜角度は30〜60度であり、胴部とコーン部との境目から定常水位まで寸法はコーン部の高さ寸法以上としてあることを特徴とする請求項3に記載の充填用ヘッドタンク。
【請求項5】
飲料液は、乳入り飲料液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の充填用ヘッドタンク。
【請求項6】
飲料液を収納するヘッドタンク本体を備え、飲料液を容器に充填する充填機に飲料液を供給する充填用ヘッドタンクにおける飲料液の処理方法であって、ヘッドタンク本体は円筒形状の胴部と、胴部の下に配置して内壁が下側ほど先細りにした円錐形状を成すコーン部とを備えており、飲料液を胴部の内壁面における、前記ヘッドタンクの定常水位より下の位置に周方向に流入して、コーン部の下端からヘッドタンク内の飲料液を流出して充填機へ送ることを特徴とする飲料液の処理方法。
【請求項7】
定常運転状態におけるヘッドタンク本体内の飲料液の水位を、飲料液の流入口よりも高い一定の水位に保持しつつ、充填用ヘッドタンク内の飲料液を流出することを特徴とする請求項6に記載の飲料液の処理方法。
【請求項8】
飲料液はヘッドタンク本体への流入前に重曹を添加してpH調整してあることを特徴とする請求項7に記載の飲料液の処理方法。
【請求項9】
飲料液は、乳入り飲料であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の飲料液の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー飲料(乳入りコーヒーを含む)、果汁飲料等の飲料液を容器に充填する充填機へ飲料を供給する充填用ヘッドタンク及びこの充填用ヘッドタンクを用いた飲料液の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コーヒー飲料の製造工程では、コーヒー飲料(飲料液)はレトルト殺菌した後、製品液のpHが低下するため、予め重曹を入れてpH(ペーハー)を調整してから、飲料液を容器に充填する充填機に供給する為の充填用ヘッドタンクに注入していた。
充填用ヘッドタンクでは、飲料液を収納するヘッドタンク本体で泡が発生したり、飲料液にガスが溶存したりすることがあり、泡が発生した場合には泡の成分が熱変性物質としてヘッドタンク本体の壁面に付着することがあった。
ヘッドタンク本体において、飲料液にガスが溶存すると容器に充填するときの入味量が不安定になるという不都合があり、またヘッドタンク本体の壁面に熱変性物質が付着するとこれが剥離して飲料液内に混入するおそれがあった。
【0003】
一方、特許文1には、飲料液の充填時に泡立を防止する方法として、充填時における飲料液中に不活性ガスを圧入し、飲料液中の溶存ガスを低減することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−25738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、不活性ガスの圧入は、ガスを圧入する装置が必要になると共に圧入したガスのガス抜きも必要になり、操作や設備が複雑になるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な構成と方法で、飲料充填時における溶存するガスを低減すると共に熱変性物質の混入を防止できる充填用ヘッドタンク及び飲料液の処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、飲料液を容器に充填する充填機に飲料液を送る充填用ヘッドタンクであって、飲料液を収納するヘッドタンク本体と、ヘッドタンク本体内に飲料液を流入する流入口部と、ヘッドタンク本体の底部に設けてヘッドタンク本体内の飲料液を充填機へ流出する流出口部とを備え、流入口部はヘッドタンク本体の内壁面の周方向に沿って飲料液を流入することを特徴とする充填用ヘッドタンクである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、ヘッドタンク本体は、円筒形状の胴部と、胴部の下で内壁が下側ほど先細りにした円錐形状のコーン部とを備え、流出口部はコーン部の下端に設けてあり、流入口部は胴部に設けてあることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の発明において、ヘッドタンク本体は定常運転状態で一定の定常水位を保持して、流入口部から飲料液を一定流量で流入すると共に流出口部から一定流量で飲料液を流出しており、流入口部は前記定常水位よりも下に設けてあることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載の発明において、流入口部はヘッドタンク本体の内周面の接線方向に向けて開口していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載の発明において、コーン部の縦断面における内壁の傾斜角度は30〜60度であり、胴部とコーン部との境目から定常水位まで寸法はコーン部の高さ寸法以上としてあることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、飲料液は、乳入り飲料液であることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載された発明は、飲料液を収納するヘッドタンク本体を備え、飲料液を容器に充填する充填機に飲料液を供給する充填用ヘッドタンクにおける飲料液の処理方法であって、ヘッドタンク本体は円筒形状の胴部と、胴部の下に配置して内壁が下側ほど先細りにした円錐形状を成すコーン部とを備えており、飲料液を胴部の内壁面の周方向に流入して、コーン部の下端からタンク内の飲料液を流出して充填機へ送ることを特徴とする飲料液の処理方法である。
【0014】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載の発明において、定常運転状態におけるヘッドタンク本体内の飲料液の水位を、飲料液の流入口よりも高い一定の水位に保持しつつ、充填用ヘッドタンク内の飲料液を流出することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載された発明は、請求項8に記載の発明において、飲料液はヘッドタンク本体への流入前に重曹を添加してpH調整してあることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載された発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の発明において、飲料液は、乳入り飲料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、ヘッドタンク本体に流入した飲料液は、ヘッドタンク本体内を周方向に旋回して流入し、渦状になるので、ガスを含む軽い飲料液は渦の中央に集められると共に上昇流となって上に向かう。これにより、ヘッドタンク本体内で発生した泡は飲料液の液面の中央部に集められるから、流出口部から流出する飲料液は、溶存ガスや泡がほとんどない飲料液となって充填機へ供給できる。
特に、ヘッドタンク本体内に泡が発生した場合でも、泡は旋回流により液面中央部に集められるから、泡がヘッドタンク本体の壁面に付着するのを防止でき、従来のようにヘッドタンク本体の壁面に付着した泡成分が乾燥した熱変性物質が飲料液に落下するのを防止できる。
したがって、簡易な構成で、飲料充填時における溶存ガスを低減すると共に熱変性物質の混入を防止できる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作用効果を奏すると共に、ヘッドタンク本体には、胴部の下側にコーン部を設けているので、流入液で生じる旋回流に対して旋回半径がコーン部で下側ほど小さくなるので、コーン部における旋回流の流速を高めることができ、溶存ガスを低減すると共に、泡が旋回流の中心側へ移動し且つ上昇するのを高めることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の作用効果を奏すると共に、流入口部を定常水位よりも下に設けてあるので、飲料液をヘッドタンク本体内へ流入するときの泡の発生を低減し、特にヘッドタンク本体の壁面付近での泡の発生を防止して、壁面に泡が付着するのを防止できる。
また、定常水位よりも上から流入する場合に比較して、ヘッドタンク本体内における旋回流を生じさせる水力を得ることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の作用効果を奏すると共に、流入口部から流入した飲料液は旋回方向の水力となって、ヘッドタンク内に流入できるから、最も高い効率で旋回流を生じさせることができると共に開口を接線方向に切断して形成すればよいので、流入口の形成が容易にできる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の作用効果を奏すると共に、コーン部における旋回流の流速を早くして溶存しているガスを泡状に促進できると共に、胴部で泡の分離を促進できる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の作用効果を奏すると共に、乳入り飲料は、泡成分がたんぱく質の熱変性物質として生成し易い為、熱変性物質の混入を特に防止できる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、特にpH調整用に重曹を添加したことにより飲料内に溶存ガスが発生しやすくなるが、飲料液に重曹を添加した場合でも容器に充填する飲料液内の溶存ガスの減少を図り且つ泡の発生を防止できる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態にかかる充填用ヘッドタンクのヘッドタンク本体の縦断面図であり、定常運転状態にあるときの作用を説明する図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる充填用ヘッドタンクのヘッドタンク本体の縦断面図であり、定常運転状態前における飲料注入時の作用を説明する図である。
図3】本発明の実施の形態にかかる充填用ヘッドタンクであり、ヘッドタンク本体を図1に示すA−A位置で切断して示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる充填用ヘッドタンクのヘッドタンク本体の縦断面図であり、ヘッドタンク内の洗浄工程を示す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる充填用ヘッドタンクの正面図であり、カバーのみを切断して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態にかかる充填用ヘッドタンク1は、製品液としての飲料液を容器に充填する充填機へ送るものであり、飲料製造装置における充填機の手前に設けている。
図5に示すように、充填用ヘッドタンク1は、ヘッドタンク本体3とカバー5とを備えており、カバー5はヘッドタンク本体3を覆って熱の放出を遮蔽している。
【0029】
図1図3に示すように、ヘッドタンク本体3は、円筒形状の胴部7と、胴部7の下で内壁を下側ほど先細りにした円錐形状のコーン部9とを備え、胴部7には飲料液を流入する流入口部11が設けてあり、コーン部9の下端には飲料液を充填機へ向けて流出する流出口部13が設けてある。
流入口部11は胴部7の内壁面の周方向に沿って飲料液を流入するようになっており、図3に示すように、流入口11aを内壁の接線方向に向けて開口している。
図1及び図2に示すように、流入口部11は、充填用ヘッドタンク1が運転中の定常運転状態にあるときの水位H(以下、「定常水位」という)よりも下方に位置している。
【0030】
図1に示すように、胴部7とコーン部9との境目Mから定常水位Hまでの寸法L1は、コーン部9の高さ寸法L2以上の寸法としてある。
コーン部9の縦断面における内壁の傾斜角度Rは30〜60度であり、本実施の形態では、約45度である。
【0031】
飲料液は、コーヒー飲料(乳入り)であり、加熱殺菌処理した後に、pH(ペーハー)調整の為に重曹が添加されている。
充填用ヘッドタンク1において、ヘッドタンク本体3の天面部には、覗き窓付きのマンホール15及びスピンボール付きの洗浄器17が設けてある。
【0032】
次に、本実施の形態にかかる充填用ヘッドタンク1における作用、効果について説明する。
図2に示すように、充填機への流出口部13を閉じた状態で、流入口部11から飲料液を流入する。図2及び図3に示すように、流入した飲料液は、ヘッドタンク本体3において、胴部7の壁面に沿って周方向に旋回しながら下方へ向けて流れ、コーン部9に溜まるが、コーン部9では、下側ほど半径が小さくなるので、旋回流が旋回速度を速めて、水位の上昇速度を上げていく。
【0033】
特に、図2中に矢印で示すように、コーン部では、旋回流が渦状になって、中央部にガスを含有する軽い液体が集まり、軽い液体は中央部で上昇していき、発生した気泡Kは液面の上に浮遊する。
更に、飲料液が流入しつづけると、胴部7に液面が到達した後、更に流入口部11を超えて水位があがっていく。
そして、図1に示すように、水位が定常水位Hになったところで、流出口部13から充填機へ流出を開始する。
【0034】
定常運転状態では、流入口部11からの飲料液の流入と流出口部13からの流出とが均衡して定常水位Hを保持しつつ、充填機への飲料液の流出を行う。
定常運状態では、図1に示すように、コーン部9での飲料液の旋回は上述したように、胴部7よりも早い速度で旋回し、胴部7でも流入速度に近い速度で旋回を続け、ガスを含有した軽い液体及び気泡Kは、飲料液の旋回により中央に集められると共に軽い液体からは気泡が発生し易くなり、気泡Kは液面上に集められる。
【0035】
運転終了後には、図4に示すように、流出口部13から充填機への飲料液の流出を停止し、充填用ヘッドタンク1のドレイン19を開いて、洗浄器17からシャワー水でタンク内を洗浄する。
【0036】
本実施の形態によれば、充填用ヘッドタンク1に流入した飲料液は、ヘッドタンク内を周方向に旋回して流入し、渦状になるので、ガスを含む軽い飲料液は渦の中央に集められると共に上昇流となって上に向かう。これにより、ヘッドタンク内で発生した泡Kは飲料液の液面の中央部に集められるから、流出口部から流出する飲料液は、溶存ガスや泡がほとんどない飲料液となって充填機へ供給できる。
特に、充填用ヘッドタンク1内で泡Kが発生した場合でも、泡Kは旋回流により液面中央部に集められるから、泡Kがタンクの壁面に付着するのを防止でき、従来のようにタンク壁面に付着した泡成分が乾燥した熱変性物質が飲料液に落下するのを防止できる。
流出口部13から充填機へ流出する飲料液には、溶存ガスが少なく且つ気泡Kの含有も少ないので、充填機で容器に飲料を充填するときに、流量のばらつきを防止でき、入味量を安定にできる。
【0037】
充填用ヘッドタンク1は、胴部7の下側にコーン部9を設けているので、流入液で生じる旋回流に対して旋回半径がコーン部9で下側ほど小さくなるので、コーン部9における旋回流の流速を高めることができ、泡が旋回流の中心側への移動の促進と上方への上昇を高めることができる。
流入口部13を定常水位Hよりも下に設けてあるので、定常運転時に充填用ヘッドタンク1内へ流入するときにヘッドタンク壁面付近での泡Kの発生を防止して、壁面に泡が付着するのを防止できる。また、定常水位Hよりも上から流入する場合に比較して、ヘッドタンク内における旋回流を生じさせる水力を保持することができる。
【0038】
流入口部11は、充填用ヘッドタンク1の内壁の接線方向に沿って流入するので、流入口部11から流入した飲料液は旋回方向の水力となって、ヘッドタンク内に流入できるから、最も高い効率で旋回流を生じさせることができると共に開口を接線方向に切断して形成すればよいので、流入口11aの形成が容易にできる。
【0039】
コーン部9の縦断面における内壁の傾斜角度は30〜60度であり、胴部7とコーン部9との境目Mから定常水位Hまで寸法L1はコーン部9の高さ寸法L2以上としてあるので、コーン部9における旋回流の流速を早くして溶存しているガスを泡状に促進できると共に、胴部7で泡Kの分離を促進できる。
【0040】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、飲料はコーヒー飲料に限らず、果汁入り飲料や乳酸飲料等であっても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 充填用ヘッドタンク
3 ヘッドタンク本体
7 胴部
9 コーン部
11 流入口部
13 流出口部
H 定常水位
K 泡
図1
図2
図3
図4
図5