【実施例1】
【0066】
つぎに本発明の緊急要請システム1を用いた処理プロセスを
図3乃至8を用いて説明する。
【0067】
まず,
図3の処理の事前の処理として,病院が緊急要請システム1を利用するにあたり,そのユーザ登録をシステム管理者端末3から行っておく必要がある。この場合,システム管理者が,システム管理者端末3において所定の操作を行うことで管理サーバ2にアクセスをする。このアクセスを受け付けるとユーザ情報登録処理部20は,
図9に示すユーザ登録の画面をシステム管理者端末3に表示させる。
【0068】
システム管理者端末3で表示したユーザ登録の画面に基づいて,ユーザ識別情報(ID)やパスワードなどの認証情報,名前などの入力を受け付ける。また,病院名,権限の選択を受け付ける。権限としては,システム管理者,医師,看護師,技術スタッフ,事務員などが一例としてある。
図9の画面における「ユーザ新規登録」のボタンが押下されることで,入力を受け付けた各種の情報をユーザ情報としてシステム管理者端末3から管理サーバ2に送り,管理サーバ2のユーザ情報登録処理部20が,受け付けたユーザ情報をユーザ情報記憶部21に記憶させる。このような処理を実行することで,緊急要請システム1を利用するユーザを,逐次,登録することができる。
【0069】
つぎに,要請を行う対象者の登録をシステム管理者端末3から行う。この場合,システム管理者がシステム管理者端末3において所定の操作を行うことで管理サーバ2にアクセスをする。このアクセスを受け付けると対象者情報登録処理部22は,
図11に示す対象者登録の画面をシステム管理者端末3に表示させる。
【0070】
システム管理者端末3で表示した対象者登録の画面に,要請対象となる医師の情報を記憶させる。たとえば病院名,医師の名前,医師の電子メールアドレス,医師の電話番号,医師の役職などの入力を受け付ける。役職としては,対象者となるかの条件を示すものであり,たとえば「若手」(医師になって浅い者),「近郊」(病院の近くに居住している),「ACS」(急性冠症候群(不安定狭心症,急性心筋梗塞,虚血性心臓性突然死の総称)に対応可能な医師),「脳外科」(脳外科所属の医師),「整形外科」(整形外科所属の医師)などがその一例としてある。なお,役職は,たとえば「産科」,「小児科」などのほか,「ベテラン」(経験豊富な医師),「科長」や「部長」(所属の責任者)など,任意に設定可能である。
【0071】
図11の画面における「医師登録」のボタンが押下されることで,入力を受け付けた各種の情報を対象者情報としてシステム管理者端末3から管理サーバ2に送り,管理サーバ2の対象者情報登録処理部22が,受け付けた対象者情報を対象者情報記憶部23に記憶させる。このような処理を実行することで,緊急要請の対象となる医師を,逐次,登録することができる。
【0072】
このような事前処理を行った後,実際に,緊急要請システム1による要請を医師に対して行うこととなる。
【0073】
まず,要請を行う病院の担当者,たとえば看護師や事務員などは,要請側端末4で所定の操作を行うことで管理サーバ2のログインページへアクセスの要求を行う(S100)。この要求を受け付けた管理サーバ2のログイン処理部24は(S110),
図23に示すログインページを要請側端末4に送信し(S120),表示させる(S130)。
図23では,看護師の「鈴木花子」がログインをする場合とする。
【0074】
ログインページが要請側端末4で表示されると,ログインの操作をする看護師「鈴木花子」は,自らに付与されたIDやパスワードなどの認証情報を入力し(S140),「ログイン」ボタンを押下することで,入力された認証情報が要請側端末4から管理サーバ2に送られる。そして管理サーバ2のログイン処理部24で認証情報を受け付けると(S150),受け付けた認証情報がユーザ情報記憶部21に記憶されているかを判定する(S160,S170)。そして一致しない場合には,ログイン処理部24は,再度,ログインページを要請側端末4に送信する。一方,一致した場合には,ログイン処理が正常に行えたので,要請受付処理部25が,
図13に示すような要請ページを要請側端末4に送信する(S180)。
【0075】
要請側端末4で要請ページを表示すると(S190),要請を行う看護師「鈴木花子」は,要請情報を入力する(S200)。すなわち,要請ページに従って,要請対象とする医師を特定する条件や状況などの情報を,対応にあたっている医師の指示,あるいは所定のルールなどに従って,要請情報として入力する。
【0076】
たとえば,複数の疾病者が病院を訪れ,対応の限界であることから,若手医師の応援が一人欲しい場合,「要請」として「集合」,「理由」として「複数疾病者」,「要請対象」として「若手」,必要人数として「1人」を入力する。
【0077】
また,脳のCT画像やMRI画像などの画像読影の助言が欲しい場合には,「要請」として「助言・画像読影」,「要請対象」として「脳外科」,「確認内容」として「脳のMRI画像の読影の助言をお願いします」といったメッセージ,「画像」として当該MRI画像の記憶場所(フォルダ名など),「備考」にMRI画像を撮るに至った経緯,たとえば「交通事故による外傷」等の付加的情報などを入力する。
【0078】
また,大規模災害が発生したことにより,応援の医師が欲しい場合には「要請」として「災害」,「要請対象」として「若手,近郊」,「必要人数」として「指定なし」といった情報を入力する。
【0079】
また,念のための待機となる医師が欲しい場合には,「要請」として「待機」,「要請対象」として「若手」,「必要人数」として「1人」といった情報を入力する。
【0080】
このように要請ページで入力された要請情報は,「確認」を押下することで,要請側端末4から管理サーバ2に送られ,管理サーバ2の要請受付処理部25で受け付ける(S210)。そして要請情報において要請対象となる条件を充足する医師がいるか(S220),必要人数が足りるか(S230),などを判定し,条件を充足できなかった場合には,要請ページにエラー情報を表示させるため,要請受付処理部25が要請側端末4にその情報を送る(S240)。
【0081】
一方,条件を充足できる場合には,要請受付処理部25は,
図24に示す要請内容確認ページを要請側端末4に送信し(S250),要請側端末4で表示させる(S260)。看護師「鈴木花子」は,要請側端末4で要請内容確認ページに表示されている入力内容を確認して問題があれば(S270),「修正」ボタンを押下することで,要請ページを表示し,再度,要請情報の入力を行う。一方,入力内容に問題がなければ(S270),「送信」ボタンを押下する。これによって,内容が確定したことを示す情報が要請側端末4から管理サーバ2に送られる(S280)。この情報を管理サーバ2の要請受付処理部25で受け付けると(S290),要請受付処理部25は,
図25に示す要請完了ページを要請側端末4に送信し(S300),要請側端末4はそれを表示する(S310)。
【0082】
また,要請受付処理部25は,内容が確定したことを示す情報を要請側端末4から受け付けると,要請情報として要請情報記憶部26に記憶させる(S320)。この際に,要請情報を識別する要請識別情報と要請日時情報(要請情報を記憶した日時情報)とを対応付けて記憶させる。
【0083】
要請情報が要請情報記憶部26に記憶されると,要請通知処理部27は,当該要請情報における要請の種類を判定し(S330),それが「待機要請」の場合,要請情報における条件に該当する医師を対象者情報記憶部23から特定する。そして特定した各医師の電子メールアドレスの情報を抽出し,その電子メールアドレスに対して,
図18に示すような要請通知を生成し,送信する(S340)。
【0084】
また,要請通知処理部27は,要請の種類が「集合要請」,「助言・画像読影要請」,「災害要請」の場合,要請情報における条件に該当する医師を対象者情報記憶部23から特定する。そしてこれらの医師に対応する応答URLの生成処理を実行する(S350)。
【0085】
すなわち,要請通知処理部27は,特定した各医師のIDを対象者情報記憶部23から抽出し(S400),また要請日時情報を要請情報記憶部26から抽出する(S410)。そして,要請日時とIDとを,所定のハッシュ関数の引数とすることで,ハッシュ値を生成する(S420)。
【0086】
生成したハッシュ値に対して,「集合要請」の場合には,集合可能時間種別の回答番号ごとに,あらかじめ定められたURLに付加することで,応答URLを生成する(S430)。集合可能時間種別としては,「1」が「10分以内に集合」,「2」が「30分以内に集合」,「3」が「1時間以内に集合」,「4」が「集合不可」として一例としてあげられる。また,生成したハッシュ値が「dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0」で,あらかじめ定められたURLが「http://example.jp/emc/receive/」であったとする。そうすると,回答番号1に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/1」,回答番号2に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/2」,回答番号3に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/3」,回答番号4に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/4」を生成する。このようにして,
図15に示すような,応答URLを含む集合要請の要請通知を生成する。
【0087】
また,要請の種類が「災害要請」の場合には,現在地種別の回答番号ごとに,あらかじめ定められたURLに付加することで,応答URLを生成する(S430)。現在地種別としては,その回答番号「1」が「自宅」,「2」が「病院内災害対策本部」,「3」が「病院初療室」,「4」が「病院病棟」,「5」が「災害現場」,「6」が「移動中」として設定されていたとすると,回答番号1に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/1」,回答番号2に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/2」,回答番号3に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/3」,回答番号4に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/4」,回答番号5に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/5」,回答番号6に対応する応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/6」を生成する。このようにして,
図16に示すような,応答URLを含む災害要請の要請通知を生成する。
【0088】
また,要請の種類が「助言・画像読影要請」の場合,そのハッシュ値のみをあらかじめ定められたURLに付加する。すなわち,応答URLとして「http://example.jp/emc/receive/dae1ff52385d585d555a3c24fa552de0/」を生成する。このようにして,
図17に示すような,応答URLを含む助言・画像読影要請の要請通知を生成する。
【0089】
そして要請通知処理部27は,上述で特定した各医師の電子メールアドレスの情報を抽出し,その電子メールアドレスに対して,
図15乃至
図17に示すような要請通知を送信する(S360)。
【0090】
このようにして送られた要請通知は,特定された各医師の対象者端末5で受け取られる(S370,S380)。
【0091】
以上のような処理によって,要請情報に該当する各医師に要請通知を,看護師「鈴木花子」は,容易に送ることができる。また,要請情報として,たとえば備考欄などにさまざまな情報を含めれば,従来よりも多くの情報を通知することもできるので,医師の側も多くの情報を把握することができる。
【0092】
要請通知を受け取った医師は,
図18に示す待機要請であれば,所定の場所で待機をする。
【0093】
また,要請通知が集合要請,助言・画像読影要請,災害要請であれば,要請通知における応答URLを選択(クリックなど)する(S500)。ここで応答受付処理部28は,選択された応答URLを判定する(S510,S520)。
【0094】
要請通知が助言・画像読影要請の場合,その応答URLにはハッシュ値が含まれているだけであるので,そのハッシュ値に基づいて,要請情報記憶部26における要請情報を特定する。そして特定した要請情報に基づいて,
図19に示す,読影する画像を含む助言・画像読影要請応答ページを対象者端末5に送信し(S530),それを対象者端末5で表示する(S540)。
【0095】
この画面を閲覧した対象者は,助言・画像読影要請応答ページに所定の箇所,たとえば「助言」の欄に読影した結果を回答内容として入力し,「確認」ボタンを押下することで,回答内容が対象者端末5から管理サーバ2に送られる(S550)。送られた回答内容は,管理サーバ2の応答受付処理部28で受け付け(S560),
図26に示すように,回答内容確認ページを対象者端末5に送信する(S570)。
【0096】
そして回答内容確認ページを対象者端末5で表示すると(S580),その内容を修正する場合には(S590),「修正」ボタンを押下することで,再度,S540における助言・画像読影要請応答ページが表示される。一方,修正がなければ(S590),「送信」ボタンを押下することで,内容が確定したことを示す情報が対象者端末5から管理サーバ2に送られる(S600)。この情報を管理サーバ2の応答受付処理部28で受け付けると(S610),応答受付処理部28は,
図27に示す回答完了ページを対象者端末5に送信し(S620),対象者端末5はそれを表示する(S630)。
【0097】
また,応答受付処理部28は,内容が確定したことを示す情報を対象者端末5から受け付けると,応答内容を応答情報記憶部29に記憶させる(S720)。この際に,応答情報を識別する応答識別情報に対応付けて記憶させる。また,応答日時情報を対応付けて記憶させる。画像の読影を要請した医師は,この応答情報を要請側端末4など,所定の方法で閲覧することで,その応答内容である助言を知ることができる。
【0098】
S510,S520において,要請通知が災害要請の場合,その応答URLには,ハッシュ値のほか,現在地種別が含まれている。そこで,応答受付処理部28は,現在地種別に基づいて,病院内か病院外かを判定する(S640)。現在地種別が「2」(病院内対策本部),「3」(病院初療室),「4」(病院病棟)である場合には,病院内と判定し,現在地種別が「1」(自宅),「5」(災害現場),「6」(移動中)である場合には,病院外と判定する。
【0099】
そして病院外と判定した場合,応答受付処理部28は,対象者端末5に対して,
図20に示す到着時間応答ページを送信し(S650),これを対象者端末5で表示する(S660)。到着時間応答ページを閲覧した医師は,あとどのくらいの時間で病院に到着できそうかを考え,それに対応するボタン,たとえば「30分以内」のボタンを押下する。対象者端末5は,押下されたボタンに応じた時間の情報を回答内容として管理サーバ2に送信する(S670)。送られた回答内容は,管理サーバ2の応答受付処理部28で受け付け(S680),応答受付処理部28は,その回答内容に基づいて到着予定時刻を算出する(S690)。
【0100】
たとえば,受け付けた回答内容が上述のように「30分以内」であり,回答を受け付けた日時が「2013年5月29日23時12分45秒」であった場合,受け付けた時間に回答内容の時刻を加算し,到着予定時刻を「2013年5月29日23時42分45秒」として算出する。
【0101】
そして応答受付処理部28は,
図21(a)に示す災害応答ページを対象者端末5に送信し(S700),対象者端末5ではそれを表示する(S710)。また,応答受付処理部28は,応答情報として,対象者端末5から受け付けた,現在地種別を示す情報,到着時刻応答ページにおける回答内容,到着予定時刻を応答内容として,応答情報記憶部29に記憶させる(S720)。この際に,応答情報を識別する応答識別情報に対応付けて記憶させる。また,応答日時情報を対応付けて記憶させる。そして病院側は所定の操作を行うことで,この応答情報を要請側端末4などで閲覧し,当該応答を行った医師の到着予定時刻を知ることができる。
【0102】
またS640において,現在地種別が病院内であると判定した場合,すでに病院にいることから,
図21(b)に示す災害応答ページを対象者端末5に送信し(S700),対象者端末5ではそれを表示する(S710)。また,応答受付処理部28は,応答情報として,対象者端末5から受け付けた,現在地種別を示す情報を応答内容として,応答情報記憶部29に記憶させる(S720)。この際に,応答情報を識別する応答識別情報に対応付けて記憶させる。また,応答日時情報を対応付けて記憶させる。
【0103】
S510,S520において,要請通知が集合要請の場合,その応答URLには,ハッシュ値のほか,集合可能時間種別が含まれている。そこで,応答受付処理部28は,集合可能時間種別に基づいて,到着予定時刻を算出する(S690)。たとえば応答URLに含まれる集合可能種別が「2」であり,回答を受け付けた日時が「2013年5月29日23時12分45秒」であった場合,受け付けた時間に回答内容の時刻を加算し,到着予定時刻を「2013年5月29日23時42分45秒」として算出する。
【0104】
そして応答受付処理部28は,
図21(c)に示す集合応答ページを対象者端末5に送信し(S700),対象者端末5ではそれを表示する(S710)。また,応答受付処理部28は,応答情報として,対象者端末5から受け付けた,集合可能時間種別を示す情報,到着予定時刻を応答内容として,応答情報記憶部29に記憶させる(S720)。この際に,応答情報を識別する応答識別情報に対応付けて記憶させる。また,応答日時情報を対応付けて記憶させる。
【0105】
以上のような処理を実行することで,管理サーバ2が対象者端末5に対して送信した要請通知に対する応答を取得することができる。また,その際に,必要に応じて,どのくらいで到着できるのかの情報も取得することができるので,病院側にとっては,いつどれだけの人数の医師が到着できるか,を認識することができる。
【0106】
つぎに要請を解除する場合の処理を説明する。まず,要請を行った病院の担当者,たとえば看護師「鈴木花子」が,すでに行った要請を解除する場合には,要請側端末4から管理サーバ2に対してログイン処理を行う(S800)。
【0107】
つまり,要請側端末4で所定の操作を行うことで管理サーバ2のログインページへアクセスの要求を行う。この要求を受け付けた管理サーバ2のログイン処理部24は,
図23に示すログインページを要請側端末4に送信し,表示させる。
【0108】
ログインページが要請側端末4で表示されると,看護師や事務員などは,自らに付与されたIDやパスワードなどの認証情報を入力し,「ログイン」ボタンを押下することで,入力された認証情報が要請側端末4から管理サーバ2に送られる。そして管理サーバ2のログイン処理部24で認証情報を受け付けると,受け付けた認証情報がユーザ情報記憶部21に記憶されているかを判定する。そして一致しない場合には,ログイン処理部24は,再度,ログインページを要請側端末4に送信する。
【0109】
一致した場合には,ログイン処理が正常に行えたので,要請受付処理部25は,要請情報記憶部26を参照することで,要請中の情報があるかを判定し(S810),要請中の情報がない場合には,要請受付処理部25は,
図13に示すような要請ページを要請側端末4に送信する(S820)。
【0110】
一方,要請中の情報がある場合には,要請情報記憶部26からその情報を抽出し,
図28に示すように,要請中の情報を含めた要請ページを要請側端末4に送信する(S830)。この要請ページを要請側端末4で表示する(S840)。
【0111】
そして要請中の情報について,要請を解除する場合には,
図28に示す要請中の情報の中から,解除する要請を選択し,「要請解除」のボタンを押下することで,要請解除の情報を要請側端末4から管理サーバ2に送信する(S850)。要請解除の情報は,管理サーバ2の要請受付処理部25で受け付ける(S860)。
【0112】
要請解除の情報を受け付けた要請受付処理部25は,
図29に示す要請解除確認ページを要請側端末4に送信し(S870),要請側端末4ではこれを表示する(S880)。要請解除を行わない場合には(S890),「キャンセル」ボタンを押下することで,
図28に示す要請ページを再度表示する。
【0113】
要請解除を行う場合には(S890),要請解除確認ページにおける「OK」ボタンを押下することで,要請解除の実行の情報が管理サーバ2に送信される(S900)。管理サーバ2の要請受付処理部25で要請解除の実行の情報を受け付けると(S910),解除の対象となる要請情報を要請情報記憶部26から削除する(S920)。なお,ここで削除とは,実際に要請情報を要請情報記憶部26から削除してもよいし,要請が解除されたことを示す情報を記憶させ,要請中の情報として表示されないようにする処理を実行するのでもよい。
【0114】
このようにして要請情報が更新されると,要請受付処理部25は,
図30に示す要請解除完了ページを要請側端末4に送信し(S930),要請側端末4ではそれを表示する(S940)。一方,要請通知処理部27は,S920で要請情報の削除を実行する際に,要請通知を送信した各医師に対して,
図31に示す要請解除通知を送信する(S950)。送られた要請解除は,対象者端末5で受け取り(S960),それを閲覧することで当該医師は要請が解除されたことを認識する。
【0115】
つぎに,要請の対象となった医師から応答を受け付けた後,その後の応答状況を通知する場合を説明する。
【0116】
まず事後状況処理部30は,要請情報記憶部26を参照し,各要請情報について要請の種類とその状況(要請中か解除されたか)を判定する(S1000)。そして,要請がすでに解除されている要請情報については処理対象から除外する(S1010)。
【0117】
要請中の情報のうち,要請の種類が「集合要請」,「助言・画像読影要請」,「災害要請」の要請情報については,要請情報を受け付けた日時(要請日時情報)から所定の時間が経過した場合,たとえば要請日時から5分後,10分後,20分後,30分後,45分後,60分後,75分後である場合,その要請情報の送信先として特定された医師に対して,
図32に示すような応答状況確認通知を送信する(S1040)。そして対象者端末5で応答状況確認通知を受け取った医師は(S1050),それによって現在の状況を認識することができる。
【0118】
一方,要請情報を受け付けた要請日時から所定の時間(たとえば90分)が経過した場合,事後状況処理部30は,その要請を自動的に解除する処理を実行する。すなわち,S1000で判定した要請情報について,その要請情報を解除にするため,要請情報記憶部26から削除する(要請情報を削除するほか,要請情報が解除されたことを示す情報を記憶させる)。そして,その要請情報の送信先として特定された医師に対して,
図31に示す要請解除通知を送信する(S1070)。医師は,対象者端末5で要請解除通知を受け取り(S1080),それを閲覧することで,要請が解除されたことを認識する。
【0119】
また,S1000乃至S1020で要請中と判定した要請情報のうち,要請の種類が「待機要請」であった場合には,その要請日時から所定の時間(たとえば90分)が経過した場合,事後状況処理部30は,その要請を自動的に解除する処理を実行する。すなわち,S1000で判定した要請情報について,その要請情報を解除にするため,要請情報記憶部26から削除する(要請情報を削除するほか,要請情報が解除されたことを示す情報を記憶させる)。そして,その要請情報の送信先として特定された医師に対して,
図31に示す要請解除通知を送信する(S1070)。医師は,対象者端末5で要請解除通知を受け取り(S1080),それを閲覧することで,要請が解除されたことを認識する。
【0120】
以上のような処理を実行することで,要請の対象となった医師から応答を受け付けた後,その後の応答状況を管理することができる。
【実施例3】
【0131】
本実施例においては,さらに,要請の対象者を特定するに際し,過去の案件を処理した情報を参照し,それに基づいて最適な対象者を特定する場合を説明する。この場合の緊急要請システム1のシステム構成の一例を
図35に示す。
【0132】
本実施例における緊急要請システム1ではさらに,案件情報参照処理部32と案件情報記憶部33とを有する。なお,
図35では,実施例2の緊急要請システム1に上記構成を付加した場合を示しているが,
図1に上記構成を付加してもよい。
【0133】
案件情報参照処理部32は,要請受付処理部25で受け付けた要請情報に基づいて,案件情報記憶部33に記憶する案件情報のうち,過去に同種の案件を処理したことがあるか,その処理件数を特定する。そして同種の案件を処理した件数が多い対象者を要請通知処理部27に渡す。あるいは,要請通知処理部27で要請情報に基づいて特定した対象者について,案件情報記憶部33に記憶する案件情報のうち,過去の同種の案件の処理数を特定し,それに基づいて順位付けを行う。そしてその優先順位を要請通知処理部27に渡す。
【0134】
案件情報記憶部33は,過去の案件情報を記憶している。案件情報としては,たとえば電子カルテの情報などがある。
【0135】
本実施例における処理を実行するには,たとえば以下のような方法がある。
【0136】
要請側端末4で要請ページを表示すると(S190),要請を行う看護師や事務員などは,要請情報を入力する(S200)。この際に入力する要請情報として,どのような症状なのか,どのような症状が疑われるのか,どの専門分野の医師を特定するのか,を,たとえば要請ページの備考欄に入力をする。
【0137】
たとえばある疾病者が救急患者として搬送されてきた場合,検査の結果,ある特殊な病気が疑われる場合,その病名等を入力することとなる。
【0138】
このように要請ページで入力された要請情報は,「確認」を押下することで,要請側端末4から管理サーバ2に送られ,管理サーバ2の要請受付処理部25で受け付ける(S210)。そして要請情報において要請対象となる条件を充足する医師がいるか(S220),必要人数が足りるか(S230),などを判定し,条件を充足できなかった場合には,要請ページにエラー情報を表示させるため,要請受付処理部25が要請側端末4にその情報を送る(S240)。
【0139】
一方,条件を充足できる場合には,要請受付処理部25は,
図24に示す要請内容確認ページを要請側端末4に送信し(S250),要請側端末4で表示させる(S260)。看護師または事務員などは,要請側端末4で要請内容確認ページに表示されている入力内容を確認して問題があれば(S270),「修正」ボタンを押下することで,要請ページを表示し,再度,要請情報の入力を行う。一方,入力内容に問題がなければ(S270),「送信」ボタンを押下することで,内容が確定したことを示す情報が要請側端末4から管理サーバ2に送られる(S280)。この情報を管理サーバ2の要請受付処理部25で受け付けると(S290),要請受付処理部25は,
図25に示す要請完了ページを要請側端末4に送信し(S300),要請側端末4はそれを表示する(S310)。
【0140】
また,要請受付処理部25は,内容が確定したことを示す情報を要請側端末4から受け付けると,要請情報として要請情報記憶部26に記憶させる(S320)。この際に,要請情報を識別する要請識別情報に対応付けて記憶させる。また,要請日時情報を対応付けて記憶させる。
【0141】
要請情報が要請情報記憶部26に記憶されると,要請通知処理部27は,当該要請情報における要請の種類を判定する(S330)。それが「待機要請」の場合,要請情報における条件に該当する医師を対象者情報記憶部23から特定する。そして特定した各医師の電子メールアドレスの情報を抽出し,その電子メールアドレスに対して,
図18に示すような要請通知を生成し,送信する(S340)。
【0142】
また,要請通知処理部27は,要請の種類が「集合要請」,「助言・画像読影要請」,「災害要請」の場合,要請情報における条件に該当する医師を対象者情報記憶部23から特定する。そしてこれらの医師に対応する応答URLの生成処理を実行する(S350)。
【0143】
なお,本実施例においては,該当する医師を特定する際に,実施例1のように,単に要請通知処理部27が要請情報に基づいて対象者情報記憶部23から該当する医師を特定するのみならず,案件情報参照処理部32が,要請情報における,たとえば備考欄に記入されている病名などの情報を抽出し,抽出した病名などの情報に基づいて,電子カルテである案件情報を案件情報記憶部33から検索する。この場合に各患者の電子カルテについて横断的に検索を行い,その病名が含まれているか,その処置を行った医師は誰であるか,を特定する。そして医師ごとにその病名に対する処置件数を算出する。
【0144】
このようにして医師ごとの処置件数の情報を要請通知処理部27に渡し,要請通知処理部27は,処置件数の多い医師から順に,要請情報における条件に該当するかを判定し,必要な人数の医師に達した時点で,それら医師を対象者として特定する。
【0145】
また,別の方法として,条件に該当する医師の情報を案件情報参照処理部32に渡す。そして案件情報処理部は,要請情報における,たとえば備考欄に記入されている病名などの情報を抽出する。そして該当する医師が,抽出した病名の疾病に対する処置の件数を,案件情報記憶部33から電子カルテを検索することで判定する。そして,条件に該当する医師ごとに,その病名に対する処置件数を算出する。
【0146】
このように条件に該当する医師ごとの当該病名の処置件数を要請通知処理部27に渡し,要請通知処理部27は,処置件数の多い医師から順に,要請情報における条件に該当するかを判定し,必要な人数の医師に達した時点で,それら医師を対象者として特定する。
【0147】
以上のような処理を実行することで,その病名に対して経験の多い医師を対象者として特定することができる。そしてこの特定については,深い知識は不要であり,要請情報として登録だけ行えば足りる。
【0148】
そして以後の処理は上述の実施例1,実施例2と同様に実行する。