(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、
図9に示すように、基板検査装置1は、基板搬送装置2及び検査部3を備え、基板100に対する電気的検査を実行するように構成されている。この時、基板100は、一例として電子部品が実装されていないベアボードとされ、矩形に形成されると共にその表面に導体パターンが形成されて構成されているものがある。
【0003】
基板搬送装置2は、図示するように、基板位置決め装置10及び移動機構200を備え、検査部3における制御部4の制御に従い、検査部3にける基板保持台5の検知位置に基板100を搬送可能に構成されている。
【0004】
移動機構200は、基板100が供給される供給位置から基板100に対する検査が実行される検査位置に基板位置決め装置10を移動させる。
【0005】
検査部3は、基板搬送装置2によって検査位置に搬送された基板100に対して検査を実行する。例えば、検査部3は、上記制御部4、基板保持台5の他に、プロービング機構6などを備えて構成されている。
【0006】
このような構成の回路基板検査装置1では、基板搬送装置2に設置された基板位置決め装置10にて、載置台に載置されている回路基板100を予め規定された規定位置に位置決めすることが重要である。
【0007】
特許文献1には、本願添付の
図10に示すように、回路基板100を予め規定された位置(Pr)に位置決めする装置を開示している。この位置決め装置10Aは、載置台110を有し、載置台110には、X方向に沿ってスライド可能なスライダ121a、121bと、Y方向に沿ってスライド可能なスライダ122と、スライダ121a、121b及びスライダ122を連結するリンク部材124a、124bと、スライダ122をスライドさせる駆動部125とを備えて、スライダ121a、121bが規定位置Prを中心として対称にスライドする第1位置決め機構112aを有している。また、Y方向に沿ってスライド可能なスライダ131a、131bと、X方向に沿ってスライド可能なスライダ132と、スライダ131a、131b及びスライダ132を連結するリンク部材134a、134bと、スライダ132をスライドさせる駆動部135とを備えて、スライダ131a、131bが規定位置Prを中心として対称にスライドする第2位置決め機構112bを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、特許文献1に記載する回路基板位置決め装置10Aによると、
(1)駆動部、即ち、シリンダ125、135のロッドが伸びることで基板位置決め用の爪151、151;161、161が開く。
(2)載置台110の載置領域Fに基板100が置かれる。
(3)シリンダ125、135のロッドが縮むことで基板位置決め用の爪151、151;161、161が閉じる。
(4)両方のシリンダ125、135を閉じることで基板100が、載置領域Fの規定位置Prに位置決めされる。
構成とされる。
【0010】
従って、上記位置決め装置10Aは、大きさが異なる複数種類の回路基板100の中心部が予め規定された位置Prに位置するように位置決めすることができ、また、位置決め機構を平面で構成することができ、装置全体としてより小型化できる、ことが理解される。
【0011】
しかしながら、上記位置決め装置10Aは、シリンダ125、135の動作のバラツキやリンク機構のガタなどの影響で、基板100の形状によってはセンターがズレる場合がある。また、リンク部材、ガイド部材などの構成部品が多くなり、製造コストが高くなる。
【0012】
従って、本発明の目的は、従来に比して構成部品の点数を少なくし、且つ簡単な構造で基板の位置決めを行うことができ、精度の良い、且つ、安価な基板の位置決め装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は本発明に係る基板位置決め装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、
基板が載置される基板ステージと、
前記基板ステージの中央部にて前記基板ステージに対し相対的に上下方向に移動自在に嵌合し、前記基板ステージに載置された前記基板を担持するための基板担持部材と、
前記基板ステージに載置された前記基板を挟み込むようにして前記基板の外周囲に配置された複数個の上下方向に延在したバネ部材と、
前記バネ部材の上方自由端が互いの方へと接近した閉鎖位置と、上方自由端が互いに離間した開放位置との間で前記バネ部材を移動させるバネ部材駆動手段と、
を備え、
前記バネ部材を前記閉鎖位置に移動させた後、前記基板担持部材上の上記基板が前記バネ部材の上方自由端の方へと移動するように、前記基板担持部材と前記バネ部材とを相対的に移動させ、それによって、前記基板担持部材上の前記基板を前記バネ部材の弾性力で規定位置へと移動矯正して位置決めする、
ことを特徴とする基板位置決め装置が提供される。
【0014】
第1の本発明にて、一実施態様によれば、
前記複数個のバネ部材を外周囲に取付け、前記バネ部材駆動手段を備えたバネ支持台と、
前記バネ支持台より上方に所定距離だけ離間して前記バネ支持台と一体的に設け、上面に前記基板ステージを備えた載置台と、
前記基板担持部材を上下動するための基板担持部材駆動手段と、
と備え、
前記バネ部材を前記閉鎖位置に移動させた後、前記基板担持部材駆動手段により前記基板担持部材を前記バネ部材に対して上昇させ、前記基板担持部材上の前記基板を前記バネ部材の弾性力で規定位置へと移動矯正して位置決めする。
【0015】
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、
前記複数個のバネ部材を外周囲に取付け、前記バネ部材駆動手段を備えたバネ支持台と、
前記バネ支持台より上方に所定距離だけ離間して前記バネ支持台と一体的に設け、上面に前記基板ステージを備えた載置台と、
前記載置台を上下動するための載置台駆動手段と、
と備え、
前記バネ部材を前記閉鎖位置に移動させた後、前記載置台駆動手段により前記載置台及び前記バネ支持台を前記基板担持部材に対して下降させ、前記基板担持部材上の前記基板を前記バネ部材の弾性力で規定位置へと移動矯正して位置決めする。
【0016】
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記バネ支持台は矩形状とされ、前記各バネ部材は、下方一端が前記バネ支持台に固定され、上方自由端は、前記載置台に形成したスロットを介して、互いに接近するように上方へと湾曲して延在している。
【0017】
第2の本発明によれば、
基板が載置される基板ステージと、
前記基板ステージに載置された前記基板を挟み込むようにして前記基板の外周囲に配置された複数個の上下方向に延在したバネ部材と、
前記バネ部材の上方自由端が互いの方へと接近した閉鎖位置と、上方自由端が互いに離間した開放位置との間で前記バネ部材を移動させるバネ部材駆動手段と、
を備え、
前記バネ部材を前記閉鎖位置に移動させた後、前記基板ステージ上の上記基板が前記バネ部材の上方自由端の方へと移動するように、前記基板ステージと前記バネ部材とを相対的に移動させ、それによって、前記基板ステージ上の前記基板を前記バネ部材の弾性力で規定位置へと移動矯正して位置決めする、
ことを特徴とする基板位置決め装置が提供される。
【0018】
第2の本発明にて、一実施態様によれば、
前記複数個のバネ部材を外周囲に取付け、前記バネ部材駆動手段を備えたバネ支持台と、
前記バネ支持台より上方に所定距離だけ離間して配置され、上面に前記基板ステージを備えた載置台と、
前記バネ支持台を上下動するためのバネ支持台駆動手段と、
と備え、
前記バネ部材を前記閉鎖位置に移動させた後、前記バネ支持台駆動手段により前記バネ支持台を前記載置台及び前記基板ステージに対して下降させ、前記基板ステージ上の前記基板を前記バネ部材の弾性力で規定位置へと移動矯正して位置決めする。
【0019】
第2の本発明にて、他の実施態様によれば、前記バネ支持台は矩形状とされ、前記各バネ部材は、下方一端が前記バネ支持台に固定され、上方自由端は、前記載置台及び前記基板ステージに形成したスロットを介して、互いに接近するように上方へと湾曲して延在している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の基板位置決め装置は、従来に比して構成部品の点数を少なくし、且つ簡単な構造で基板の位置決めを行うことができ、精度が良く、且つ、製造コストが安価である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る基板位置決め装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
(装置の全体構成)
図1(a)、(b)に、本発明に係る基板位置決め装置10の一実施例の概略構成を示す。本実施例にて、基板位置決め装置10は、
図9を参照して上述した基板検査装置1における基板搬送装置2に設置された基板位置決め装置であるとして説明するが、これに限定されるものではない。本発明の基板位置決め装置10は、回路基板の製造ラインにて、製造途中の回路基板の受け渡し時の基板の位置決め装置などとしても利用し得る。
【0024】
図1(a)、(b)を参照すると、本実施例にて、基板位置決め装置10は、基台11と、基台11の上方に所定距離離間して位置して、下方固定部材12にて一体に設けられたバネ支持台13と、バネ支持台13の上方に所定距離離間して位置して、上方固定部材14にて一体に設けられた載置台15とを有している。載置台15の上面には、基板100を載置するための基板ステージ16が一体的に取付けられている。
【0025】
更に説明すると、基台11は矩形状(本実施例では正方形)の板部材とされ、
図9に示すように、本実施例では、基板搬送装置2の移動機構200に取付けられている。バネ支持台13は、互いに平行に配置され上方へと直立して設けられた厚板状の固定部材12、12を介して基台11に固定されている。
【0026】
バネ部材17は、詳しくは後述するが、基板ステージ16の上面に載置された基板100を挟み込むようにして基板100の外周囲に複数個設けられる。本実施例では、
図2(a)、(b)をも参照するとより良く理解されるように、バネ部材17は、矩形状の基板100を挟み込むために基板ステージ16上の基板100の前後左右に対称配置にて4個設けられる。そのために、バネ部材17を取付けるためのバネ支持台13は矩形状(本実施例では正方形)の板部材とされ、
図2(a)に示すように、各辺の中央部に位置してバネ部材17の取付溝18が形成されている。
【0027】
なお、本実施例では、位置決めされる基板100は、一例として電子部品が実装されていないベアボードとされ、矩形に形成されると共にその表面に導体パターンが形成されて構成され、幅が15〜50mm、長さが15〜50mm、厚さが0.1〜3.2mmとされるので、バネ部材17は、薄板状のばね部材とされ、例えば厚さ0.1〜1.0mm、幅10〜12mm、長さ100〜150mmのリン青銅板又はステンレス鋼板などが好適に使用される。バネ部材17は、上下方向に延在し、その下方端が取付溝18内にネジ等の固定具にて、或いは、溶接(ろう付け)などにて固定される。また、バネ部材17の上方端は自由端とされ、互いに接近するように、上方へと弓なり状に湾曲して延在している。
【0028】
本実施例では、上述のようにバネ部材17としては、薄板状のバネ部材として説明するが、これに限定されるものではなく、矩形断面以外の断面形状をした、例えば、円形、楕円形、或いは、その他の形状の帯状又は線状のばね部材とすることができる。
【0029】
また、バネ支持台13の中心部には、詳しくは後述するが、基板担持部材駆動手段としてのシリンダ20の駆動ロッド21が貫通する中心穴19が穿設されている。バネ支持台13の下面には、シリンダ20が取付けられている。または、支持台13の上面には、バネ部材17に対向してバネ部材駆動手段としてのシリンダ22が設置されている。
【0030】
バネ部材駆動シリンダ22を駆動することにより、シリンダ22から水平方向に伸長、後退を行う駆動ロッド23がバネ部材17に作用し、バネ部材17は、
図1(a)に示すように、バネ部材17の上方自由端が互いの方へと接近した閉鎖位置(実線)と、上方自由端が互いに大きく離間した開放位置(一点鎖線)との間で移動可能とされる。
【0031】
また、基板担持部材駆動シリンダ20の駆動ロッド21に一体に取付けられた基板担持部材25は、シリンダ20を駆動することにより、上下方向に移動自在とされる。
【0032】
載置台15は、
図2(b)をも参照すると、外形状が矩形状(本実施例では正方形)の板部材とされ、中心部には、上記基板担持部材駆動シリンダ20の駆動ロッド21が貫通する多角形状の中心穴26が穿設されている。また、載置台15の各辺の中央部に位置して、外周辺から上記中心穴26へと延在して、上記バネ部材17を案内するガイドスロット27が形成されている。即ち、各バネ部材17は、載置台15のスロット27を介して上方へと延在している。
【0033】
更に、
図1(a)、(b)に示すように、載置台15の上面に配置された基板ステージ16は、本実施例では、載置台15の各ガイドスロット27、27間の空間部に位置して、同じ寸法形状の、本実施例では略正方形状をした4つの板部材とされる。各板部材16の中心方向角部28は、
図1(b)及び
図2(b)を参照すると理解されるように、上記基板担持部材25が嵌合し得るように、切欠かれている。つまり、本実施例では、4つの板部材、即ち、基板ステージ16は、載置台15の基板担持部材25が移動自在に嵌合される中心穴部26の周りに配置される。従って、互いに隣接する基板ステージ16、16の間には、載置台15に形成したスロット27に対応した間隙が生じており、スロット27を上方へと延在したバネ部材17は、この間隙をも介して更に上方へと延在している。また、基板ステージ16の上面と、基板ステージ16の中心部に嵌合配置された基板担持部材25の上面とは同一平面とされる。
【0034】
図3に、本実施例の変更実施例を示す。上記実施例では、基板位置決め装置10の、バネ支持台13と載置台15とは、上方固定部材14にて一体に固定され、バネ支持台13に基板担持部材駆動手段としてのシリンダ20を取付けるものとして説明した。本発明の装置は、この構造に限定されるものではない。
【0035】
例えば、
図3に示すように、基板担持部材駆動手段としてのシリンダ20の外筒に固定用のフランジ20A、20Bを設け、下方のフランジ20Aにてバネ支持台13をシリンダ20に固定し、又、上方のフランジ20Bにて載置台15をシリンダ20に固定する構造とすることもできる。
【0036】
本変更実施例における基板位置決め装置10のその他の構成は、上記実施例と同様の構成とされる。従って、同じ機能、構成をなす部材には上記実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0037】
(装置の動作態様)
次に、上述した本発明の基板位置決め装置10の構成を模式的に上面図及び断面図にて示す
図4(a)、(b)、(c)を参照して、回路基板100の位置決めを行う際の本発明に従って構成される基板位置決め装置10の動作態様について説明する。
【0038】
先ず、
図4(a)に示すように、バネ部材駆動手段としてのシリンダ22を作動させて、ロッド23を外方へと伸長させる。これにより、バネ部材17は、載置台15のスロット27に沿って半径方向外方向へと押圧され、各バネ部材17はそれぞれ、基板ステージ16の中心部より外方へと移動配置される。これにより、4つの基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面に載置領域Fが画成される。
【0039】
この状態で、4つの基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面の載置領域Fに基板100が供給される。基板100は、この状態では、予め規定された位置からズレた状態とされる(
図4(a))。
【0040】
次に、
図4(b)に示すように、バネ駆動手段としてのシリンダ22を作動させて、ロッド23を内方へと後退させる。これにより、バネ部材17は、スロット27に沿って半径方向内方向へとバネ部材17の弾性力にて初期位置へと変形し、バネ部材17の上下方向略中央部領域が基板ステージ16に載置された基板100の外周部に当接する。
【0041】
基板ステージ16に載置された基板100は、その外周部の各辺がバネ部材17によって中心方向へと弾性的に押圧される。従って、基板100は、各バネ部材17の弾性力により押圧されてその配置状態が矯正され、各バネ部材17の弾性力が釣り合った状態の或る位置に位置決めされる。通常、この状態にて基板100は、
図4(b)に示すように、僅かに規定位置からズレた状態とされる。
【0042】
次に、
図4(c)に示すように、基板担持部材駆動手段としてのシリンダ20を作動させて、ロッド21を上方へと伸長させる。これにより、基板担持部材25は、その上面に基板100を載置した状態にて、各バネ部材17の上方先端部の方へと押し上げる。基板100は、その各辺をバネ部材17の上方領域に摺擦されながら上方へと移動される。その過程にて、基板担持部材25上の基板100は、バネ部材17の弾性力で基板100の配置状態が矯正されながら予め規定された規定位置へと移動して位置決めされる(
図4(c))。
【0043】
上述のようにして基板100を規定位置に位置決めした基板位置決め装置10は、
図9を参照して説明したように、基板搬送装置2の移動機構200により基板100に対する検査が実行される検査位置に移動される。
【0044】
検査部3は、基板搬送装置2によって検査位置に搬送された基板100に対して、例えば、制御部4によりプロービング機構6を制御してプロービングを行わせる。
【0045】
つまり、上記構成の基板位置決め装置10は、
(1)シリンダ22のロッド23を伸長し、複数個(本実施例では4個)のバネ部材17を互いに離れる方向に広げる。
(2)基板100を基板ステージ16に載置する。
(3)シリンダ22のロッド23をシリンダ内へと後退させ、4個のバネ部材17を互いの方へと近接するように狭める。
(4)シリンダ20を上昇させ、4個のバネ部材の弾性力で基板100を基板ステージ16の中央規定位置に位置決めする。
【0046】
このように、本発明に従って構成される基板位置決め装置10は、複数個のバネ部材17とシリンダ20、22を組み合わせた簡単且つ安価な構造で、基板100の位置決めが可能とされる。また、複数個のバネ部材17の特性を合わせることで、精度良く基板100のセンタリング(位置決め)が達成される。
【0047】
実施例2
図5及び
図6に、本発明に係る基板位置決め装置10の第二の実施例を示す。実施例1で説明した基板位置決め装置10は、基板担持部材駆動シリンダ20を駆動して基板担持部材25を上昇させることによって、基板担持部材25上に載置された基板100の位置ずれを矯正し、規定位置に配置するように構成された。
【0048】
これに対して、本実施例2では、基板担持部材25は支持軸25Aにて基台11に固定されており、載置台15及び基板ステージ16、並びに、バネ支持台13及びバネ部材17を下方へと移動させることにより、基板担持部材25上に載置された基板100の位置ずれを矯正し、規定位置に配置するように構成されている。その他の構成は、実施例1で説明した基板位置決め装置と同じ構成とされる。従って、以下には、実施例1と異なる構成について説明し、同じ機能、構成をなす部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0049】
図5(a)、(b)を参照すると、基台11には、基台11より外方に左右方向に突出して対称配置にてシリンダ取付部11Aが付設され、載置台駆動手段としてのシリンダ30が取付けられる。一方、同様に、載置台15には、載置台15より外方に左右方向に突出して対称配置にてロッド取付部15Aが付設され、載置台駆動シリンダ30のロッド31の先端部が取付けられる。従って、載置台駆動シリンダ30を駆動することにより、載置台15及び載置台15に一体に固定取付けられているバネ支持台13が、一体として上下動自在に駆動される。
【0050】
図6は、載置台駆動シリンダ30が駆動され、載置台15及びバネ支持台13が、一体として下方へと移動した状態を示す。つまり、上述した実施例1における
図4(c)の状態と同じである。
【0051】
つまり、実施例2においては、
図5(a)に示す状態にて、バネ部材駆動手段としてのシリンダ22を作動させて、ロッド23を外方へと伸長させる。これにより、
図4(a)に示すと同様に、バネ部材17は、載置台15のスロット27に沿って半径方向外方向へと押圧され、各バネ部材17はそれぞれ、基板ステージ16の中心部より外方へと移動配置される。これにより、4つの基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面に載置領域Fが画成される。
【0052】
この状態で、4つの基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面の載置領域Fに基板100が供給される。
【0053】
次に、
図4(b)に示すと同様に、バネ部材駆動シリンダ22を作動させて、ロッド23を内方へと後退させる。これにより、バネ部材17は、スロット27に沿って半径方向内方向へとバネ部材17の弾性力にて初期位置へと変形し、バネ部材17の上下方向中央部領域が基板ステージ16に載置された基板100の外周部に当接する。
【0054】
基板ステージ16に載置された基板100は、その外周部の各辺がバネ部材17によって中心方向へと弾性的に押圧される。従って、基板100は、各バネ部材17の弾性力により押圧されてその配置状態が矯正され、各バネ部材17の弾性力が釣り合った状態の或る位置に位置決めされる。
【0055】
引き続いて、
図6に示すように、載置台駆動シリンダ30を作動させて、ロッド31を下方へと後退させる。これにより、一体に組み立てられている載置台15及びバネ支持台13は、下方へと移動される。基板担持部材25の上面に載置された基板100は、相対的に各バネ部材17の上方自由先端部の方へと押し上げられる。基板100は、その各辺をバネ部材17に摺擦されながら、バネ部材17に対して相対的に上方へと移動され、その過程にて、バネ部材17の弾性力で基板100の配置状態が矯正されながら予め規定された規定位置へと移動して位置決めされる。この状態は、上述したように実施例1の
図4(c)に示す状態と同じである。
【0056】
その後、上述したように、基板100を規定位置に位置決めした基板位置決め装置10は、基板搬送装置2の移動機構200により基板100に対する検査が実行される検査位置に移動される。
【0057】
本実施例2の基板位置決め装置10は、実施例1の基板位置決め装置10と同様に、複数個のバネ部材17とシリンダ22、30を組み合わせた簡単且つ安価な構造で、基板の位置決めが可能とされる。また、4方向のバネ部材17の特性を合わせることで、精度良く基板のセンタリング(位置決め)が達成される。
【0058】
実施例3
図7及び
図8に、本発明に係る基板位置決め装置10の第三の実施例を示す。実施例1で説明した基板位置決め装置10は、基板担持部材駆動シリンダ20を駆動して基板担持部材25を上昇させることによって、基板担持部材25上に載置された基板100の位置ずれを矯正し、規定位置に配置するように構成された。
【0059】
これに対して、本実施例3では、基板担持部材25を有しておらず、バネ支持台13及びバネ部材17を下方へと移動させることにより、基板ステージ16上に載置された基板100の位置ずれを矯正し、規定位置に配置するように構成されている。その他の構成は、実施例1で説明した基板位置決め装置と同じ構成とされる。従って、以下には、実施例1と異なる構成について説明し、同じ機能、構成をなす部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0060】
図7(a)、(b)を参照すると、本実施例によると、載置台15はバネ支持台13より上方に所定距離離間して配置されており、載置台15は、載置台固定部材40により、基台11に一体的に固定される。つまり、本実施例では、基台11には、基台11より外方に左右方向に突出して対称配置にて載置台固定部材取付部11Aが付設され、載置台固定部材40の下端部が取付けられる。一方、載置台15には、載置台15より外方に左右方向に突出して対称配置にて載置台固定部材取付部15Aが付設され、載置台固定部材40の上端部が取付けられる。
【0061】
また、本実施例では、基台11にバネ支持台駆動手段としてのシリンダ41が取付けられ、バネ支持台13は、基台11に固定されたバネ支持台駆動シリンダ41のロッド42に固定されている。従って、シリンダ41を駆動することにより、ロッド42に一体に固定取付けられているバネ支持台13は、バネ部材17と共に、一体として上下動自在に駆動される。
【0062】
なお、本実施例では、実施例1と同様に、載置台15にはその上面に基板ステージ16が取付けられているが、基板担持部材25は設けられておらず、従って、載置台15の中心部には、実施例1と異なり、基板担持部材25のための嵌合穴部26(
図1(a)、
図2(b)参照)は形成されていない。また、本実施例では、基板ステージ16は、矩形状の(本実施例では正方形状の)板部材とされ、載置台15に形成されているガイドスロット27と上下方向に整列してガイドスロット43が形成されているだけである。
【0063】
図8は、バネ支持台駆動手段であるシリンダ41が駆動され、バネ支持台13及びバネ部材17が、一体として下方へと移動した状態を示す。つまり、本実施例によると、基板100は、常に基板ステージ16の上面に担持された状態で、バネ部材17の弾性力で基板100の配置状態が矯正されながら予め規定された規定位置へと移動して位置決めされる。即ち、上述した実施例1における
図4(c)の状態と同様の状態とされる。
【0064】
図7(a)、(b)及び
図8を参照して本実施例における装置の動作態様について説明すると、先ず、
図7(a)、(b)に示す状態にて、実施例における
図4(a)に示すと同様に、バネ部材駆動手段としてのシリンダ22を作動させて、ロッド23を外方へと伸長させる。これにより、
図7(a)に一点鎖線にて示すように、バネ部材17は、載置台15のスロット27及び基板ステージ16のスロット43に沿って半径方向外方向へと押圧され、各バネ部材17はそれぞれ、基板ステージ16の中心部より外方へと移動配置される。これにより、基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面に載置領域Fが画成される。
【0065】
この状態で、基板ステージ16により形成されるほぼ中央部の表面の載置領域Fに基板100が供給される。
【0066】
次に、実施例1における
図4(b)と同様に、バネ部材駆動シリンダ22を作動させて、ロッド23を内方へと後退させ、これにより、バネ部材17を、
図7(a)に実線で示すように、スロット27、43に沿って半径方向内方向へとバネ部材17の弾性力にて初期位置へと変形し、バネ部材17の上下方向中央部領域が基板ステージ16に載置された基板100の外周部に当接する。
【0067】
基板ステージ16に載置された基板100は、その外周部の各辺がバネ部材17によって中心方向へと弾性的に押圧される。従って、基板100は、各バネ部材17の弾性力により押圧されてその配置状態が矯正され、各バネ部材17の弾性力が釣り合った状態の或る位置に位置決めされる。
【0068】
引き続いて、
図8に示すように、バネ支持台駆動手段としてのシリンダ41を作動させて、ロッド42を下方へと後退させる。これにより、一体に組み立てられているバネ支持台13及びバネ部材17は、下方へと移動される。つまり、基板ステージ16の上面に載置された基板100は、
図4(c)に示すと同様に、相対的に各バネ部材17の上方自由先端部の方へと押し上げられる。基板100は、その各辺をバネ部材17に摺擦されながら、バネ部材17に対して相対的に上方へと移動され、その過程にて、バネ部材17の弾性力で基板100の配置状態が矯正されながら予め規定された規定位置へと移動して位置決めされる。
【0069】
その後、上述したように、基板100を規定位置に位置決めした基板位置決め装置10は、基板搬送装置2の移動機構200により基板100に対する検査が実行される検査位置に移動される。
【0070】
本実施例3の基板位置決め装置10は、実施例1の基板位置決め装置10と同様に、複数個のバネ部材17とシリンダ22、40を組み合わせた簡単且つ安価な構造で、基板の位置決めが可能とされる。また、4方向のバネ部材17の特性を合わせることで、精度良く基板のセンタリング(位置決め)が達成される。