特許第6166158号(P6166158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイコク電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000002
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000003
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000004
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000005
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000006
  • 特許6166158-遊技媒体計数装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166158
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】遊技媒体計数装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   A63F7/02 353
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-241918(P2013-241918)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2015-100460(P2015-100460A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向山 幸治
(72)【発明者】
【氏名】青山 正宏
【審査官】 吉田 綾子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−268227(JP,A)
【文献】 特開2009−082166(JP,A)
【文献】 特開2013−111174(JP,A)
【文献】 特開2005−334246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入口及び放出口を備えた投入容器と、
前記投入容器の放出口から放出される遊技媒体を計数する計数手段と、
前記投入容器の投入口を開閉するカバー部材と、
前記カバー部材を閉鎖位置でロックするロック機構と、
会員として登録された遊技者の識別情報が記録されている記録媒体の挿入を受付け、当該識別情報を読取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取手段により読取られた識別情報の認証を条件として、前記ロック機構によるロックを解除するロック解除手段と、
前記ロック解除手段がロックを解除した後、遊技者が遊技媒体の計数を中止するために操作する中止操作手段と、
前記中止操作手段が操作されたときは、前記計数手段による計数が開始されていないこと、及び前記ロック機構により前記カバー部材が閉鎖位置でロックされることを条件として、前記記録媒体読取手段に挿入されている記録媒体を遊技者に返却する中止手段と、
を備えたことを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記計数手段による計数結果を、前記遊技者の識別情報と対応付けた貯蓄遊技媒体数として累積的に記憶可能な記憶装置を備え、
前記計数手段による計数が終了したときには、前記ロック機構により前記カバー部材が閉鎖位置でロックされることを条件として、当該計数結果を前記記憶装置に対して送信し、貯蓄遊技媒体数として記憶させることを特徴とする請求項1記載の遊技媒体計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体が投入される投入容器をロック可能なカバー部材で開閉可能とした遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、計数装置に対する不正行為を防止するため、遊技媒体の投入口を閉鎖するカバーを備え、所定の認証行為を行わない限りカバーを開放できないようにした計数装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−228779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記計数装置においては、計数する際に従業員を呼出して計数を頼むという運用が基本となるが、会員として登録されている遊技者であれば、従業員を呼出すことなく自らが所持する会員カードによる認証を行って計数するという運用も可能である。この運用によれば、会員登録した遊技者は計数の度に一々従業員を呼出さなければならないという煩わしさから解放されることになる。
【0005】
しかしながら、遊技者が自ら単独で計数する際には、その遊技者の認識不足や誤操作によって不利益を被ってしまう恐れがあった。具体的には、計数した遊技媒体が貯玉されていないにもかかわらず貯玉されたものと勘違いし、その場を離れてしまうという事態が発生していた。そのような事態となった場合には、悪意のある他人に盗られてしまうか、あるいは遊技場側に無効な計数として処分されてしまい、多大な不利益を被ることになってしまう。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、不正行為を抑制するだけでなく、遊技者が自ら単独で計数する際に、認識不足や誤操作などによって不利益を被ってしまう恐れを抑制することが可能な遊技媒体計数装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技媒体計数装置は、遊技媒体の投入口及び放出口を備えた投入容器と、前記投入容器の放出口から放出される遊技媒体を計数する計数手段と、前記投入容器の投入口を開閉するカバー部材と、前記カバー部材を閉鎖位置でロックするロック機構と、会員として登録された遊技者の識別情報が記録されている記録媒体の挿入を受付け、当該識別情報を読取る記録媒体読取手段と、前記記録媒体読取手段により読取られた識別情報の認証を条件として、前記ロック機構によるロックを解除するロック解除手段と、前記ロック解除手段がロックを解除した後、遊技者が遊技媒体の計数を中止するために操作する中止操作手段と、前記中止操作手段が操作されたときは、前記計数手段による計数が開始されていないこと、及び前記ロック機構により前記カバー部材が閉鎖位置でロックされることを条件として、前記記録媒体読取手段に挿入されている記録媒体を遊技者に返却する中止手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0008】
請求項1記載の遊技媒体計数装置において、
前記計数手段による計数結果を、前記遊技者の識別情報と対応付けた貯蓄遊技媒体数として累積的に記憶可能な記憶装置を備え、前記計数手段による計数が終了したときには、前記ロック機構により前記カバー部材が閉鎖位置でロックされることを条件として、当該計数結果を前記記憶装置に対して送信し、貯蓄遊技媒体数として記憶させるようにしてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、計数するつもりで記録媒体を挿入した後に計数を中止して遊技を続行したいと思ったときには、中止操作手段を操作することにより中止することができる。但し、計数を中止するためには未だ遊技媒体の計数を開始していないことと、カバーを閉めてロックすることが必要条件となっているので、一旦計数を開始した後は最後まで確実に計数が行われることとなり、中途半端に計数が終了して遊技者が不利益を被ることが無いし、カバーが開けっ放しで放置されてしまうことも無い。
【0010】
請求項2の発明によれば、計数終了後に計数結果を記憶するときは、カバーがロックされることを必要条件とするので、カバーが確実にロックされ、セキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における遊技媒体計数システムの全体構成を概略的に示す図
図2】スライドカバーの開放状態で示す島端計数装置の外観斜視図
図3】スライドカバーの閉鎖状態で示す島端計数装置の外観斜視図
図4】島端計数装置の構成を示す機能ブロック図
図5】島端計数装置による係員計数モードの表示を示す図
図6】島端計数装置によるセルフ貯玉モードの表示を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、遊技媒体計数システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、複数の遊技機島1が設けられ、各遊技機島1に多数の遊技機2が設置されている。遊技機2毎に貸出機3が設置されており、それら複数の遊技機2及び複数の貸出機3は、LAN4を介して中継装置5に接続されている。LAN4には島端計数装置6(遊技媒体計数装置に相当)及び呼出ランプ7も接続されている。呼出ランプ7は遊技機島1の端部に設置されており、島端計数装置6にて従業員の呼出操作がされたときに点灯して従業員を呼び出す。中継装置5は、LAN8を介して管理装置9及び景品交換端末(POS端末)10等に接続されている。
【0013】
図1で示す遊技機2はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面11に発射され、そのパチンコ玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた玉数のパチンコ玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
尚、遊技機2は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打ち込んだパチンコ玉の玉数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払出されたパチンコ玉の玉数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0014】
遊技機島1において遊技機2毎に設置されている貸出機3は、紙幣(千円)を投入する紙幣投入口18を有する所謂CRユニットであり、CPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、各種信号を送受信する送受信部等を備えて構成されている。貸出機3は、遊技者が紙幣を紙幣投入口18に投入した状態で遊技機2に設けられている図示しない貸出ボタンを操作すると、払出単位の玉数のパチンコ玉が遊技機2の払出機構から払出される。
【0015】
管理装置9は、遊技場内の例えば事務室等に設置され、CPU、ROM、RAM、HDD(記憶装置に相当)、I/Oを有する制御部、各種信号を送受信する送受信部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部等を備えて構成されている。管理装置9は、遊技機島1に設置されている遊技機2や貸出機3、島端計数装置6、景品交換端末10等との間で各種信号を送受信することで、周知の出玉率等の遊技情報を集計したり、各種機器の稼働状況を管理したりする。
【0016】
島端計数装置6は、遊技機島1に設置されている遊技機2で獲得したパチンコ玉を計数するための機器であり、遊技場内の遊技機島1の島端に設置される。つまり、遊技者は獲得した玉を玉箱に収納し、島端計数装置6まで運んで計数する必要がある。
図2は、島端計数装置6の外観斜視図を示している。島端計数装置6は、本体19の上面に凹状に設けられ、遊技者が遊技により獲得した獲得玉(獲得媒体)を受入れる投入口20a及び当該投入口20aの中央に形成された放出口20bを備えた投入容器20、この投入容器20の投入口20aを開放・閉鎖するスライドカバー21(カバー部材に相当。図2はスライドカバー21が投入口20aを開放する開放位置にスライド移動されている状態を示し、図3はスライドカバー21が投入口20aを閉鎖する閉鎖位置にスライド移動されている状態を示す)、計数情報等の各種情報を表示する表示機能及び従業員や遊技者からの操作入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部22、島端計数装置6の状態を示すためのLED表示部23、計数値及び当該計数値を記録した2次元コードやバーコード等が印字されたレシート24(図4参照)を発行するレシート発行口25(発行手段)、会員カード26(図4参照)を受付ける会員カード受付口27、従業員が所持する従業員ICカード28(図4参照)が翳されている状態で当該従業員ICカード28に内蔵されているICチップ28aに記憶されている従業員情報を読取る従業員カードリーダ29、本体19の前面に設けられて余り玉を放出する玉返却口30、緊急時にスライドカバー21を開閉するためのスライドカバー開閉キー31(図2はカバーで閉鎖されている状態を示している)等を備えて構成されている。
【0017】
島端計数装置6は、CPU、ROM等からなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部等を備え、ROMに記憶されている制御プログラムにしたがって動作する。
島端計数装置6は、会員カード受付口27に会員カード26が受付けられるか、従業員が従業員ICカード28を従業員カードリーダ29に翳すことで従業員の認証操作が行われ、スライドカバー21のロックが解除されてスライド移動されることにより投入口20aが開放されると、計数可能な状態となる。従業員又は遊技者が獲得玉を投入口20aに投入すると、獲得玉は投入口20aで一旦受け止められた後、放出口20bから落下して当該放出口20bの奥に設けられている計数センサにより計数される。このように獲得玉を計数中にあるときは計数値を逐一更新する。
【0018】
島端計数装置6は、受け入れた玉を計数し、その計数結果を記録したレシート24を発行する。玉の投入口はロック状態のスライドカバー21で閉鎖されており、後述するように従業員IDまたは会員IDを読み取ったときにスライドカバー21のロックを解除して手動で開放可能とする。会員カード26が挿入されたときは、計数結果を計数情報として管理装置9へ送信する。カバーを閉鎖位置に戻すと自動でロックされる。従業員ICカード28は、従業員を識別可能な従業員データが記録されているメモリを有するICチップを内蔵したICカードである。
【0019】
図4は、島端計数装置6の構成を機能ブロック図により示している。島端計数装置6は、CPU32a、ROM32b、RAM32c、I/O32dを有する制御部32(計数手段、ロック解除手段、中止手段に相当)、液晶表示部22、当該液晶表示部22の表面に設けられたタッチパネル33、計数値を印字したレシート24をレシート発行口25から発行するレシート発行部34、会員カード26に内蔵されたICチップ26aから会員IDを読取る会員カードリーダ35(記録媒体読取手段に相当)、従業員カードリーダ29、LED表示部23、スライドカバー21を自動ロックするカバーロック部36(ロック機構に相当)、玉を計数する計数部37、パチンコ玉を払出す返却部38、各種信号を管理装置9と送受信するI/F部39等を備えて構成されている。
【0020】
次に、上記構成の作用について説明する。
遊技者は、遊技機2から獲得した玉を計数する場合は、玉を玉箱に収納して島端計数装置6まで運ぶ。島端計数装置6は、遊技者が接近したことを図示しない人検知センサで検知したり、液晶表示部22にタッチされたりすると、メニュー画面を表示する。
<係員計数モード>
この係員計数モードは、担当従業員が立ち会って計数することを前提としたセキュリティ重視の運用で、担当従業員が従業員ICカード28による認証操作を行い、スライドカバー21のロックを解除して計数するモードである。
メニュー画面には、図5(a)に示すように「ご自分で貯玉する方はセルフ貯玉ボタンにタッチしてください」というメッセージ22aが表示されると共に、「係員を呼ぶ」ボタン22b、「セルフ貯玉 会員専用」ボタン22cが表示される。
【0021】
遊技者が「係員を呼ぶ」ボタン22bにタッチすると、係員計数モードが設定され、図5(b)に示す呼出中画面が表示される。呼出中画面には、「係員呼び出し中 しばらくお待ちください」というメッセージ22dが表示されると共に、「キャンセル」ボタン22eが表示される。このとき、担当従業員に対して島端計数装置6に駆けつけることを要求するメッセージが例えばインカム装置により音声案内される。尚、「キャンセル」ボタン22eにタッチすることによりメニュー画面に戻ることができる。
【0022】
島端計数装置6に駆けつけた担当従業員が従業員ICカード28を島端計数装置6に翳すと、図5(c)に示すように「カバーを開けて玉を流してください」というメッセージ22fが表示される。このとき、スライドカバー21のロックが解除されるので、担当従業員はスライドカバー21を手動で開放する。尚、従業員ICカード28が島端計数装置6に翳された場合は、図5(a)で示す待機中、或いは図5(b)で示す従業員の呼出中のいずれのタイミングに関わらずスライドカバー21のロックは解除される。
【0023】
スライドカバー21が開放された島端計数装置6に玉を流すと、図5(d)に示す計数中画面が表示される。計数中画面には計数中のタイトル22g、及び計数中の玉数22hが表示される。このように計数が始まると、キャンセルはできない。計数が完了すると、図5(e)に示す計数完了画面が表示される。計数完了画面には計数完了のタイトル22i、「ボタンにタッチしてください」というメッセージ22j、「全部発券」ボタン22kが表示される。
【0024】
遊技者が「全部発券」ボタン22kにタッチすると、レシート24が発券されると共に、図5(f)に示すご利用画面が表示される。ご利用画面にはレシート24に印刷された計数玉数22lが表示される。
【0025】
担当従業員は、次の遊技者が計数の順番を待っている場合は、スライドカバー21の開放状態を維持したまま、上述した計数処理を実行することにより玉を計数してレシート24を発行する。
そして、計数を希望する全ての遊技者の計数が終了した場合は、スライドカバー21を閉鎖してロックされたことを確認する。
【0026】
島端計数装置6は、上述のようにして計数を終了し、カバーロック部36によりスライドカバー21を閉鎖位置でロックした場合は、計数結果を管理装置9に対して送信する。管理装置9は、島端計数装置6から受信した計数結果をHDDに計数遊技媒体数として累積的に記憶する。
【0027】
要するに、係員計数モードは担当従業員が立ち会って計数することでセキュリティが高いことから、島端計数装置6に計数を希望する複数の遊技者が待っている状態ではスライドカバー21を開放したまま複数の遊技者の計数処理を連続して効率よく行うことができる。
【0028】
<セルフ貯玉モード>
上述した係員計数モードの場合、担当従業員がスライドカバー21のロックを解除して計数に立ち会うことからセキュリティが高いものの、担当従業員を一々呼び出す必要があり、利便性が悪い。そこで、このセルフ貯玉モードは、信頼性の高い会員遊技者が自身で玉を流して予め設定された上限値まで貯玉が可能なモードである。
【0029】
会員遊技者が図5(a)に示すメニュー画面において「セルフ貯玉 会員専用」ボタン22cをタッチすると、セルフ貯玉モードが設定され、図6(b)に示すように「会員カードを入れてください」というメッセージ22mが表示されると共に、「係員呼出」ボタン22n、「キャンセル」ボタン22eが表示される。「キャンセル」ボタン22eをタッチすると、メニュー画面に戻る。尚、操作手順が分らない場合は「係員呼出」ボタン22nにタッチする。タッチすると、上述した係員計数モードの呼出中画面(図5(b))が表示される。
【0030】
会員遊技者が島端計数装置6に会員カード26を挿入すると、管理装置9による会員カード26の認証が行われ、認証に成功すると、スライドカバー21のロックが解除される。このとき、図6(c)に示すように「カバーを開けて玉を流してください」というメッセージ22fが表示されると共に、「キャンセル」ボタン22eに代えて、「カード返却」ボタン22oが表示される。「カード返却」ボタン22oがタッチされると、会員カード26が返却されると同時にメニュー画面に戻り、スライドカバー21がロックされる。
【0031】
会員遊技者がスライドカバー21を一旦開放した後、計数をキャンセルするためにスライドカバー21を閉めてロックした場合は、図6(d)に示すように「カード返却」ボタン22oに代えて「キャンセル」ボタン22e(中止操作手段に相当)を表示すると共に「キャンセルするときはカバーを閉めてください」というメッセージを表示する。つまり、スライドカバー21を開放した後であっても遊技媒体の投入前であればスライドカバー21をロックすることによりキャンセルすることができる。「キャンセル」ボタン22eがタッチされると会員カード26が返却されると同時にメニュー画面に戻る。
【0032】
会員遊技者がスライドカバー21を開放して玉を流すと図6(e)に示す計数中画面が表示される。計数中画面には計数中のタイトル22g、及び計数中の玉数22hが表示され、「キャンセル」ボタン22eの表示が消去される。このように計数が始まると、キャンセルはできない。計数が完了すると、図6(f)に示す計数完了画面を表示する。計数完了画面には計数完了のタイトル22i、「カバーを閉めてください」というメッセージ22pが表示される。
【0033】
会員遊技者によりスライドカバー21が閉鎖されてロックされると、図示しない「全部貯玉」ボタンが表示されるので、その「全部貯玉」ボタンにタッチすると、図6(g)に示すご利用画面が表示される。ご利用画面には貯玉預入数22qと貯玉口座残高22rが表示される。
【0034】
島端計数装置6は、上述のようにして計数を終了し、カバーロック部36によりスライドカバー21を閉鎖位置でロックした場合は、計数結果を管理装置9に対して送信する。管理装置9は、島端計数装置6から受信した計数結果をHDDに計数遊技媒体数として累積的に記憶する。
尚、セルフ貯玉モードでの操作中に担当従業員による認証操作が行われた場合は、上述した係員計数モードに移行する。
【0035】
要するに、セルフ貯玉モードは信頼性の高い会員遊技者が自分で島端計数装置6のスライドカバー21を開放して計数することができるものの、計数玉を貯玉した後にスライドカバー21を開放したまま会員遊技者が立ち去った場合には一般遊技者による不正計数行為が行われてしまう虞があることから、スライドカバー21を閉鎖してロックしたことを条件として貯玉を可能とすることにより遊技者一人一人の計数処理を確実に区分することができ、セキュリティを担保することができる。
【0036】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
島端計数装置6のセルフ貯玉モードにおいて、会員カードが挿入されてスライドカバー21のロックが解除された後に計数をキャンセルする場合には、スライドカバー21を再度ロック状態とした後に会員カード26を排出するので、一旦計数を開始した後は最後まで確実に計数が行われることとなり、中途半端に計数が終了して遊技者が不利益を被ることが無いし、スライドカバー21が開けっ放しで放置されてしまうことも無い。
スライドカバー21を閉鎖してロックしたことを条件として貯玉を可能としたので、スライドカバー21が確実にロックされ、セキュリティを高めることができる。
【0037】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
会員遊技者の認証を会員カード26で行うようにしたが、会員カード26に限らず会員遊技者の情報を記録可能な媒体であればどのような媒体(例えば携帯電話)を利用してもよい。あるいは、指紋や声紋などの生体情報に基づいて認証を行うこともできる。このような認証方法は、従業員の認証についても同様である。
従業員の認証を従業員が携帯する従業員リモコンにより行うようにしてもよい。
会員計数状態では計数結果を貯玉として記録するようにしたが、貯玉に代えてレシートに記録し、発行するようにしてもよい。
計数装置は、一つの遊技機島1に対して1台又は2台程度設置するのが望ましい。
カバー部材の形態は本実施形態に限定されず、遊技媒体の投入口を開閉することができれば、どのような形態のカバー部材であってもよい。例えば、計数装置本体から分離できる形態でもよい。
【符号の説明】
【0038】
図面中、6は島端計数装置(遊技媒体計数装置)、9は管理装置(記憶装置)、20は投入容器、20aは投入口、20bは放出口、21はスライドカバー(カバー部材)、22eは「キャンセル」ボタン(中止操作手段)、32は制御部(計数手段、ロック解除手段、中止手段)、35は会員カードリーダ(記録媒体読取手段)、36はカバーロック部(ロック機構)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6