特許第6166179号(P6166179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166179腸運動調節剤、ガス滞留防止剤及び消化酵素を含む過敏性腸症候群の治療のための経口投与用医薬組成物及びその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166179
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】腸運動調節剤、ガス滞留防止剤及び消化酵素を含む過敏性腸症候群の治療のための経口投与用医薬組成物及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/20 20060101AFI20170710BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 31/80 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170710BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170710BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   A61K9/20
   A61K9/28
   A61K9/48
   A61K31/05
   A61K31/235
   A61K31/80
   A61K47/02
   A61K47/38
   A61P1/14
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-539788(P2013-539788)
(86)(22)【出願日】2011年11月15日
(65)【公表番号】特表2013-542985(P2013-542985A)
(43)【公表日】2013年11月28日
(86)【国際出願番号】MX2011000138
(87)【国際公開番号】WO2012067481
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2014年3月5日
【審判番号】不服2016-8701(P2016-8701/J1)
【審判請求日】2016年6月10日
(31)【優先権主張番号】MX/A/2010/012479
(32)【優先日】2010年11月16日
(33)【優先権主張国】MX
(73)【特許権者】
【識別番号】513121904
【氏名又は名称】ポジ ヴィジョナリー ソリューションズ リミテッド ライアビリティ パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルド エスクデロ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】サヴォワール ヴィルボーフ ジョン クロード
【合議体】
【審判長】 内藤 伸一
【審判官】 蔵野 雅昭
【審判官】 前田 佳与子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−56567号公報
【文献】 特開平4−230329号公報
【文献】 特表平8−512322号公報
【文献】 特開平3−275622号公報
【文献】 特開平11−92387号公報
【文献】 特表平5−500043号公報
【文献】 米国特許出願公開第2008/0038336号明細書
【文献】 Dig. Dis. Sci., 2007, Vol.52, No.1, p.78−83
【文献】 新・薬剤学総論(改定第3版),1987, p.123−124(周知技術を示す文献)
【文献】 Best Pract. Res. Clin. Gastroenterol., 2007, Vol.21, No.4, p.689−707
【文献】 J. Int. Med. Res., 1997, Vol.25, No.5, p.225−246
【文献】 Neurogastroenterol. Motil., 2008, Vol.20, No.5, p.557−565
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過敏性腸疾患又は過敏性腸疾患に関係する不快感の予防又は治療のための、錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の経口投与用医薬組成物又は製剤であって、
トリメブチン、シメチコン及びα−D−ガラクトシダーゼを含み、
前記過敏性腸疾患が、1ヶ月に少なくとも3日、腹部不快感又は腹痛を繰り返す状態が過去3ヶ月に起き、以下の状態:(a)排便による症状の改善、(b)腸の動きの頻度の変化に伴う出現及び(c)便の外見における変化に伴う出現の2つ以上に関係しており、前記不快感が、疼痛ではないが不愉快な感覚であることを特徴とする、医薬組成物又は製剤。
【請求項2】
ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ、プロピルセルロース及びメチルセルロースから成る群から選択される結合剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
ラクトース、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム及びマンニトールから成る群から選択される希釈剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
リン酸水素カルシウム、アルミニウム及びマグネシウムシリケート、コロイド状二酸化ケイ素並びに結晶セルロースから成る群から選択される吸収剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ及びクロスポビドンから成る群から選択される崩壊剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
ステアリン酸マグネシウム、タルク及びステアリン酸から成る群から選択される滑沢剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
グライディング剤をさらに含み、前記グライディング剤が、コロイド状二酸化ケイ素である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項8】
過敏性腸疾患又は過敏性腸疾患に関係する不快感の治療のための、錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の経口投与用医薬組成物の調製方法であって、
(a)トリメブチン、シメチコン及びα−D−ガラクトシダーゼを結合溶液と混合し、均一な分布を得る工程であって、前記結合溶液が、溶液中に結合剤を含み、前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ及びメチルセルロースから成る群から選択される工程、
(b)(a)の生成物を温度30〜60℃で乾燥させ、前記組成物が、5%以下の最終残留湿度に達する工程、
(c)(b)の生成物を粉砕する工程、及び、
(d)(c)の生成物をメッシュサイズ420〜2,000ミクロンで篩過して、経口投与用の医薬製剤を得る工程
を含み、
前記過敏性腸疾患が、1ヶ月に少なくとも3日、腹部不快感又は腹痛を繰り返す状態が過去3ヶ月に起き、以下の状態:(a)排便による症状の改善、(b)腸の動きの頻度の変化に伴う出現及び(c)便の外見における変化に伴う出現の2つ以上に関係しており、前記不快感が、疼痛ではないが不愉快な感覚であることを特徴とする方法。
【請求項9】
過敏性腸疾患又は過敏性腸疾患に関係する不快感の予防又は治療で使用するための、請求項1に記載の組成物又は医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過敏性大腸症候群としても知られる過敏性腸症候群の治療に使用する、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダント(glidant)をベースとした錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の医薬組成物及びその調製に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物としての酵素には、これらの酵素を他のタイプの薬剤とは異なるものにしている2つの重要な特徴がある。第1に、酵素は通常、その基質に高い親和性及び特異性でもって結合し、作用する。第2に、酵素は触媒分子であり、これは酵素が定められた反応の活性化エネルギーを低下させ、これによって複数の白色分子(基質)を所望の生成物に変換することを意味する。この2つの上記の特徴が、医薬用酵素を、小分子は行うことができない体内での治療的生化学的活動を行うことができる強力で特異的なものにしている。このため、科学者は、治療薬として使用するための様々な酵素の開発に取り組んできた。治療用酵素学のこの概念は、1960年代に遺伝的な欠損による症例で使用する補充療法として既に存在していた。1987年、食品医薬品局は、冠動脈を塞ぐ血餅によって引き起こされる心臓発作の治療のための組み換え酵素Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、組み換えヒト組織プラスミノーゲンアクチベータ)を含有する最初の薬剤を認可した。1990年には、ポリエチレングリコールで処理したウシアデノシンデアミナーゼ(BAD)の一形態であるAdagen(登録商標)が、慢性的なBADの欠乏によって引き起こされる重症複合免疫不全症(SCID)の1つの型を患った患者での使用に認可された。1994年、Ceredase(登録商標)が認可された。これはグルコセレブロシダーゼの欠乏によって引き起こされるリソソーム蓄積症に関係したゴーシェ病の治療のための、組み換え酵素での最初の酵素補充療法である。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母から得たフルクトヒドロラーゼβ−フルクトフラノシドであるサカロシダーゼ(Sacarosidase)は、患者がスクロースを代謝できない先天性スクラーゼ・イソマルターゼ酵素欠損症(CSID)の治療に使用される。フェニルアラニンをチロシンに変換するフェニルアラニンヒドロキシラーゼ酵素の活性の低下又は活性がないことによって引き起こされる遺伝病であるフェニルケトン尿症の場合、消化管においてフェニルアラニンを分解する、酵母由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ酵素をベースとした経口治療薬が経口治療において使用されている。別の酵素であるペプチダーゼは、タンパク質グリアジン(コムギ由来の産物中に見出される)への自己免疫系反応によって引き起こされる小腸の疾患であるセリアック病の症例における補充療法として経口製剤に使用される(Vellard,Michael.The enzyme as a drug:application of enzymes as pharmaceuticals.Current Opinion in Biotechnology.2003.Vol.14:444−450)。胃腸障害の治療で使用する加水分解酵素であるα−D−ガラクトシダーゼは、腸管において非吸収性のオリゴ糖を変化させることによって、腸管内の細菌叢によるその発酵を防止する(ガス発生工程)。腸内ガスの発生を減少させると内臓の膨張状態が軽減され、その結果、膨張状態、腹痛及び膨満感等の症状も軽減される(http://www.beanogas.com。2009年4月28日にアクセス)。α−D−ガラクトシダーゼは3種類の複合糖質:ラフィノース、スタキオース及びベルバスコースを加水分解して単糖:グルコース、ガラクトース及びフルクトース並びに二糖:スクロースに変える(その加水分解は通常の消化中に即時行われる)。ヒトは通常、α−D−ガラクトシダーゼ酵素を産生しない。このため、ラフィノース、スタキオース及びベルバスコースはそのまま結腸に届き、そこで細菌叢による水素及びメタン(ガス)を発生する化学反応で発酵する。食品と共にこの酵素を投与すると、これら3種類のオリゴ糖は結腸に届く前に分解され、発酵及びガスの発生が防止される。薬物として使用するα−D−ガラクトシダーゼは、非毒性の食品グレードの真菌アスペルギルス・ニガー(Aspergillusniger)(http://www.beanogas.com。2009年4月28日にアクセス)由来である。消化器疾患に薬として使用する様々な他の酵素が存在し、例えばアミラーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、パパイン、ペプシン、ルチン、キモトリプシン及びトリプシンである。
【0003】
以前は過敏性大腸症候群として知られていた過敏性腸症候群(IBS)は腸の機能障害であり、排便習慣の変化に関係した腹部不快感又は疼痛の症状を特徴とする。IBSは現在、単独の疾患というよりは症状の発症に寄与する多くの要因の相互作用の結果であると理解されている。この症候群を説明できる単一の生理病理学的メカニズムはないものの、人によって異なる形で作用する少なくとも3つの相関関係にある要因がある。
【0004】
これらの要因とは
(i)腸の反応性の変化、(ii)下痢又は便秘の症状に至る誘発性の管腔刺激(食品、膨張状態、炎症、細菌要因)又は環境的な刺激(心理社会的ストレス)に対する運動性又は分泌並びに(iii)内臓知覚の上昇及び疼痛を伴う腸の過敏性である。
【0005】
「脳−腸」軸の制御における変化。
【0006】
IBSの診断は、Rome III診断基準(Longstreth,G.F.2006.Functional bowel disorders.Gastroenterology.Vol.130,No.5:1480−91)と称される陽性症状の特定及び同様の徴候を見せる他の腸管疾患の除外に基づく。これらの診断基準は、「1ヶ月に少なくとも3日、腹部不快感又は腹痛を繰り返す状態が過去3ヶ月に起き、以下の状態:(a)排便による症状の改善、(b)腸の動きの頻度の変化に伴う出現及び(c)便の外見における変化に伴う出現の2つ以上に関係している」である。
【0007】
ここで不快感とは、疼痛とは言えないが不愉快な感覚のことである。
【0008】
診断基準は、診断時からさかのぼって少なくとも6カ月前に症状が出現し、過去3ヵ月間に当てはまらなくてはならない。
【0009】
IBSは世界で最も一般的な内科的疾患の1つであり、30〜50歳の女性に多く起き、ラテンアメリカでの有病率は9〜18%である(Schmulson,Max J.2008.Limited diagnostic screening can decrease the direct economic impact of irritable bowel syndrome(IBS).Rev Med Chile.Vol.136:1398−1405)。メキシコにおける症状パターンは便秘を伴うIBSであり、腹部の膨張状態はこのパターンの疾患に共通する症状である。メキシコの人々において、腹部の膨張状態及びガスは、高頻度で起きる症状として報告されている。過敏性腸症候群は、医療にかかる費用及び欠勤という観点から社会及び国家にとって大きな経済的負担であることに加えて、この疾患を患っている人々に多大な影響を及ぼす実際の病態である(症状の重症度、機能障害、生活の質の低下)(American Gastroenterological Association;2002;American Gastroenterological Association position statement;“irritable bowel syndrome.Gastroenterology”.Vol.123,No.6:2105−7)。
【0010】
この疾患に理想的又は標準的な治療法はない。一般にトリメブチンとして知られるマレイン酸トリメブチンが、過敏性腸症候群を含めた機能性腸障害の治療薬として1969年から使用されている。その主な作用は、腸運動の制御及び内臓の膨張状態によって引き起こされる疼痛の閾値の上昇である(Roman F.J.,et al.1999.Pharmacological properties of trimebutine and N−monodesmethyltrimebutine.J Pharmacol Exp Ther.Vol.289,No.3:1391−1397)。
【0011】
腹痛、膨張状態及び膨満感は、過敏性腸症候群を含めた機能性腸障害における極めて一般的な症状であるが、その生理病理学及び治療は完全に解明されてはいない。患者は、これらの症状を腸内での過剰なガス発生と関連付けることが多く、ガスを減らすことが過敏性腸症候群の症状の改善に効果的なストラテジーになると考えられ、これにはシメチコンが使用されてきた。シメチコンは、胃腸粘膜の表面張力に直接作用する不活性なシリコンであることから消化管内での気泡の形成に影響し、気泡を破壊し、小さい気泡が合わさって大きな気泡となるように促し、この結果、ガスの滞留とそれに関係した不快感が防止される。これらの症状が、ガス発生量の増加だけでなく、内臓の感受性の上昇と相まった消化管におけるガスの「正常な」存在によっても過敏性腸症候群の患者において引き起こされ、また悪化し得ることに注目することが重要である。現在、この問題に対処するためのストラテジーは存在するものの(活性炭の使用、食事制限、プロバイオティクス製品の摂取等)、これらのストラテジーのいずれも理想的ではなく、得られる結果は各症例において矛盾している。このような状況において、マメ科の植物、果物及び野菜に見出される非吸収性オリゴ糖を、結腸(ここで細菌叢により発酵させられ、ガスを発生する)に達する前に分解することは、魅力的な代案となり得る。α−D−ガラクトシダーゼの投与は、この効果をもたらし得る(Di Stefano M.,et al.2007;“The effect of oral alpha−galactosidase on intestinal gas production and gas−related symptoms”.Dig Dis Sci.January.Vol.52,No.1:78−83)。
【0012】
腸管疾患に使用する腸運動を調節する医薬品があり、例えば
トリメブチン及びその塩、
フェノベリン、
メベベリン、
ジシクロベリン、
ピナベリウムブロミド、
アロセトロン、
テガセロッド、
ロペラミド、
フロログルシノール、
トリメチルフロログルシノール、
ブチルスコポラミン、
パルゲベリン
である。
【0013】
これら全てが、腸管疾患、具体的には過敏性腸症候群の症例で使用する経口投与用医薬製剤を得るためにシメチコンと組み合わせて使用可能である。
【0014】
また、腸管疾患の治療に有用な生理学的活性を有する様々な酵素があり、例えばα−D−ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、パパイン、ルチン、キモトリプシン及びトリプシンである。
【0015】
上記の酵素全てが、腸管疾患、具体的には過敏性腸症候群の症例で使用する経口投与用医薬製剤を得るためにシメチコン及び腸運動調節剤と組み合わせて使用可能である。
【0016】
トリメブチン及びその塩と、鎮痛作用を有する腸運動の制御剤と、シメチコンと、ガス滞留防止剤と1種の酵素又は酵素の組み合わせとの組み合わせは、過敏性腸症候群の患者における総体的症状の軽減に有効な治療となる。
【0017】
トリメブチンがアウエルバッハ(筋肉)及びマイスナー(粘膜下)神経叢に特異的に作用することを考えれば、トリメブチンは、蠕動運動の制御を担うエンケファリン作動性の受容体に作用する。トリメブチンは、運動性低下と同じぐらい運動過剰に作用し、蠕動を抑制又は向上させ、これが腸管輸送の正常化につながる。トリメブチンは、鎮痛(内臓感受性の調整)、鎮痙及び制吐特性も有する(Delvaux M.&Wingate D.1997.Trimebutine:“Mechanism of action,effects on gastrointestinal function and clinical results”.J Int Med Res.Vol.25,No.5:225−46)。
【0018】
IBSの総体的症状の治療に提案されてきた解決策の中でも、国際公開第2001/047515号パンフレットでは、トリメブチンを単独で使用することによる、体性痛及び腹腔内炎症の治療に有用な薬物の開発が報告されている。しかしながら、この文献では、この不調の症状からの解放にのみ焦点をあてている。
【0019】
同様に、炎症、腹痛及びIBSに関係した不調の治療に関する多数の文献があるものの、IBSの根源的な治療は、以下の引用で示すように上記の文献のいずれにおいても解決には至っていない。
【0020】
メキシコ特許出願第PA02006376号明細書では、トリメブチンを単独で使用することによる胃の不調に関係した体性痛及び炎症の防止又は治療に言及している。しかしながら、症状を緩和しようとする場合、疼痛は、その原因いかんによって取り除かれはしない。
【0021】
米国特許出願公開第2003/0119903号明細書では、胃の不調に関係した炎症性の体性疼痛及び慢性疼痛を治療するための薬物の調製にトリメブチンを単独で使用することが報告されている。
【0022】
米国特許出願公開第2004/0009234号明細書では、胃腸障害を予防するための医薬組成物及びそれに関連した治療が報告されており、トリメブチンを単独で活用しているが、これらの不調の原因と戦う所望の成果を達成していない。
【0023】
メキシコ特許出願第00PA05010821A号明細書では、便秘を治療するためのトリメブチンの使用が報告されているが、これらの不調の原因と戦う所望の結果を達成していない。
【0024】
国際公開第1995001803号パンフレットでは、胃腸痛並びに過剰な食物摂取によって引き起こされる消化不良、胃食道逆流症、ディスペプシア及び便秘等の障害を治療するためのトリメブチンの使用が報告されているが、これらの不調の原因と戦う所望の結果を達成していない。
【0025】
国際公開第95001784号パンフレットでは、ファモチジン、スクラルファート、シメチコン及びα−D−ガラクトシダーゼを使用した、消化不良、胸やけ及び他の胃腸障害を治療及び緩和するための医薬組成物の使用について報告している。しかしながら、この文献の組成物は、迅速に胃を空にすることを効果的に促進する剤に欠いていて、これがIBSの治療においてこの組成物を効率の悪いものにしている。速やかに排便できない患者は解放感を得られないからである。
【0026】
米国特許出願公開第2008/0038240号明細書では、酵素を使用してヒトにおける炭水化物の吸収を向上させることによる腸内ガスの発生の回避が報告されている。
【0027】
米国特許第4447412号明細書では、膵臓酵素及びタンパク質分解酵素から構成される、消化機能不全の治療のための酵素組成物が報告されている。
【0028】
米国特許第4079125号明細書では、胃液への数時間にわたる曝露に耐えることができ、酵素の生物学的活性を保護し、腸液への曝露から5〜30分後に酵素を放出する持続放出型の酵素組成物が報告されている。
【0029】
米国特許第5460812号及び米国特許第324514号の明細書では、消化器疾患の治療における酵素の使用が報告されている。
【発明の概要】
【0030】
本発明の1つの目的は、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントをベースとした腸管疾患に適用する経口投与用医薬組成物を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、腸管輸送を正常化するのに効果的な、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントをベースとした腸管疾患に適用する経口投与用医薬製剤を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、胃腸の不調の治療における鎮痛活性の達成に効果的な、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントをベースとした腸管疾患に適用する経口投与用医薬製剤を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的は、鎮痙活性の達成に効果的な、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントをベースとした腸管疾患に適用する経口投与用医薬製剤を提供することである。
【0034】
本発明の最後の目的は、膨張状態、疼痛及び膨満感等の腸内ガスに関係した症状の軽減に効果的な、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントをベースとした腸管疾患に適用する経口投与用医薬組成物又は製剤を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
医薬製剤は、過敏性大腸症候群としても知られる過敏性腸症候群に使用するための、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤及び消化酵素をベースとした錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態で調製される。
【0036】
腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントは混合する。
【0037】
バインダ溶液を調製する。
【0038】
腸運動調節剤、酵素α−D−ガラクトシダーゼ、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライダントは、塊を砕くために篩過する。
【0039】
上のステップで言及した物質全てを混合し、次にバインダ溶液で湿潤させる。
【0040】
上のステップで得られた生成物を粉砕し、乾燥させ、篩過する。
【0041】
最終組成物が固体の場合、この混合物を圧縮して錠剤又は被覆錠剤を形成する。あるいは、カプセルを調製する。
【0042】
錠剤又はカプセルを、梱包材で梱包する。
【0043】
指定した製造工程を実行するために、記載した特徴を有する医薬製剤の製造で慣用的に使用される装置を使用する。使用する原材料は全て医薬品グレードである。以下、製剤をいかにして調製するかの幾つかの実例について説明のために詳述するが、これは限定を目的としたものではない。
【実施例】
【0044】
湿式造粒法により得られるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコンの錠剤製剤の例
【表1】
*90mgは450U/galである。U/galは、1グラムあたり5,000U/galの酵素活性のα−D−ガラクトシダーゼの原材料を考慮している。
【0045】
湿式造粒法によるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコンの錠剤の製造手順
1.十分な量の水に20%のアルファ化デンプンを分散させることによってバインダ溶液を調製する。
2.以下の原材料をメッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
・アルファ化デンプンの残り(80%)
・α−D−ガラクトシダーゼ
・マレイン酸トリメブチン
・含水ラクトース
・クロスカルメロースナトリウム
・リン酸水素カルシウム
3.リン酸水素カルシウム及びアルファ化デンプン(80%)をミキサ/造粒機に加え、5〜20分間にわたって50〜200rpmで混合する。
4.この混合の最後に、撹拌を停止させることなく、シメチコンを15分を越えない時間にわたって「糸」状で手動で添加する。
5.マレイン酸トリメブチン、α−D−ガラクトシダーゼ、含水ラクトース及びクロスカルメロースナトリウムをミキサに加え、5〜20分間にわたって50〜200rpmで混合する。
6.ステップ1のバインダ溶液で湿潤させる。
7.ステップ6でグラインダから得られた生成物を3,000〜5,000ミクロンの開口部を有する篩に通す。
8.生成物を温度30〜60℃で、残留湿度が1.0〜3.0%になるまで乾燥させる。
9.ステップ8で得られた生成物を、0.0838(0.033インチ)〜0.2388(0.094インチ)cmの篩を備えたグラインダに速度500〜1,500rpmで通して粉砕する。
10.結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムをメッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
11.以下の生成物:ステップ9で得られた顆粒及びステップ10で得られた結晶セルロースをミキサに加え、10〜30分間にわたって15〜30rpmで混合する。
12.ステップ9で得られたステアリン酸マグネシウムをミキサに加え、5〜10分間にわたって15〜30rpmで混合する。
13.ステップ12で得られた生成物を圧縮する。
【0046】
直接圧縮法で得られるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコン錠剤の製剤例
【表2】
*90mgは450U/galである。U/galは、1グラムあたり5,000U/galの酵素活性のα−D−ガラクトシダーゼの原材料を考慮している。
【0047】
直接圧縮法によるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコン錠剤の製造手順例
1.以下の原材料をメッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
・α−D−ガラクトシダーゼ
・マレイン酸トリメブチン
・結晶セルロース
・クロスカルメロースナトリウム
・リン酸水素カルシウム
2.メタケイ酸アルミン酸マグネシウムをミキサに加え、40〜100rpmの速度で撹拌を開始する。撹拌を停止させることなく、シメチコンを30分を越えない時間にわたってごく緩やかに「糸」状で手動で添加する(混合物A)。
3.以下の生成物をミキサに加える。
・ステップ2からの混合物Aの半分
・結晶セルロースの半分
・マレイン酸トリメブチンの半分
・α−D−ガラクトシダーゼ
・クロスカルメロースナトリウム
・マレイン酸トリメブチンの残り
・結晶セルロースの残り
・混合物Aの残り
その後、10〜30分間にわたって15〜30rpmで混合する(混合物B)。
4.ステアリン酸マグネシウムをメッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
5.ステップ4で得られたステアリン酸マグネシウムを混合物Bに加え、5〜10分間にわたって15〜30rpmで混合する。
6.ステップ5で得られた生成物を圧縮する。
【0048】
乾式造粒法で得られるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコン錠剤の製造例
【表3】
*90mgは450U/galである。U/galは、1グラムあたり5000U/galの酵素活性のα−D−ガラクトシダーゼの原材料を考慮している。
【0049】
乾式造粒法によるマレイン酸トリメブチン/α−D−ガラクトシダーゼ/シメチコン錠剤の製造手順例
1.以下の原材料をメッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
・ヒドロキシプロピルセルロース
・α−D−ガラクトシダーゼ
・マレイン酸トリメブチン
・含水ラクトース
・50%のクロスポビドン
・リン酸水素カルシウム
2.リン酸水素カルシウム及びヒドロキシプロピルセルロースを造粒混合装置に入れ、5〜20分間にわたって50〜200rpmで混合する。
3.撹拌を停止させることなく混合した後、シメチコンを30分を越えない時間にわたって「糸」状で手動で添加する。
4.マレイン酸トリメブチン、α−D−ガラクトシダーゼ、結晶セルロース、50%のクロスポビドンをミキサに加え、5〜20分間にわたって50〜200rpmで混合する。
5.ステップ4で得られた生成物を圧縮する。
6.ステップ5で得られた生成物を、メッシュサイズ1,180〜2,000ミクロンの造粒装置で粉砕する。
7.ステップ6で得られた顆粒を再度圧縮する。
8.ステップ7で得られた生成物を、メッシュサイズ1,400〜1,700ミクロンの造粒装置で粉砕する。
9.50%のクロスポビドン、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムを、メッシュサイズ420〜2,000ミクロンの篩に通す。
10.以下の生成物をミキサに加える。
・ステップ8で得られた顆粒
・ステップ9の50%のクロスカルメロースナトリウム
・ステップ9で得られた結晶セルロース
その後、10〜30分間にわたって15〜30rpmで混合する。
11.ステップ9で得られたステアリン酸マグネシウムをミキサに加え、5〜10分間にわたって15〜30rpmで混合する。
12.ステップ11で得られた生成物を圧縮する。以下は、記載の機能を十分に行うことが可能な賦形剤である。
【表4】
【0050】
希釈剤は、粉末の見掛けの体積を増加させ、そして丸薬又はカプセルの質量を上昇させる機能を有する賦形剤から選択される。吸収剤は、明らかな乾燥状態において特定の量の液体を吸収可能な賦形剤から選択される。崩壊剤は、液体と接触すると丸薬及び顆粒を砕く(崩壊させる)ことが可能な賦形剤から選択される。滑沢剤は、圧縮又はカプセル充填工程中に顆粒とマトリックスの壁との摩擦を軽減可能な賦形剤から選択される。グライディング剤は、粒子間の摩擦を軽減することによってホッパからマトリックスのキャビティへの顆粒の流れをもたらすことが可能な賦形剤から選択される。結合剤は、粉末形態の材料に凝集性を付与して顆粒を形成させる賦形剤から選択される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕腸管疾患の予防又は治療のための、錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の経口投与用医薬組成物又は製剤であって、
腸運動調節剤、ガス滞留防止剤、消化酵素、結合剤、希釈剤、吸収剤、崩壊剤、滑沢剤及びグライディング剤から構成されることを特徴とする、医薬組成物又は製剤。
〔2〕前記腸運動調節剤が、トリメブチン、フェノベリン、メベベリン、ジシクロベリン、エチルブロミド、アロセトロン、テガセロッド、ロペラミド、フロログルシノール、トリメチルフロログルシノール、ブチルスコポラミン及びパルゲベリンから成る群から選択される、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔3〕前記腸運動調節剤が、トリメブチン及びその許容可能で薬学的な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔4〕前記腸運動調節剤が、フェノベリン及びその許容可能で薬学的な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔5〕前記腸運動調節剤が、メベベリン及びその許容可能で薬学的な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔6〕前記腸運動調節剤が、ジシクロベリン及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔7〕前記腸運動調節剤が、エチルブロミド及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔8〕前記腸運動調節剤が、アロセトロン及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔9〕前記腸運動調節剤が、テガセロッド及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔10〕前記腸運動調節剤が、ロペラミド及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔11〕前記腸運動調節剤が、フロログルシノール及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔12〕前記腸運動調節剤が、トリメチルフロログルシノール及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔13〕前記腸運動調節剤が、ブチルスコポラミン及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔14〕前記腸運動調節剤が、パルゲベリン及びその薬学的に許容可能な塩である、前記〔2〕に記載の医薬製剤。
〔15〕前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ、プロピルセルロース、メチルセルロースになり得る、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔16〕前記希釈剤が、ラクトース、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム及びマンニトールから選択される、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔17〕前記吸収剤が、リン酸水素カルシウム、アルミニウム及びマグネシウムシリケート、コロイド状二酸化ケイ素及び結晶セルロースを含む群から選択される、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔18〕前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ及びクロスポビドンから選択される、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔19〕前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、タルク及びステアリン酸から選択される、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔20〕前記グライディング剤が、コロイド状二酸化ケイ素である、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔21〕前記ガス防止剤が、シメチコンである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔22〕前記酵素が、α−D−ガラクトシダーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔23〕前記酵素が、アミラーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔24〕前記酵素が、β−D−ガラクトシダーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔25〕前記酵素が、セルラーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔26〕前記酵素が、ヘミセルラーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔27〕前記酵素が、リパーゼである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔28〕前記酵素が、パパインである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔29〕前記酵素が、ペプシンである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔30〕前記酵素が、キモトリプシンである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔31〕前記酵素が、ルチンである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔32〕前記酵素が、トリプシンである、前記〔1〕に記載の医薬製剤。
〔33〕前記消化酵素が、酵素エネルギー450U/galのα−D−ガラクトシダーゼである、前記〔22〕に記載の医薬製剤。
〔34〕腸管疾患用の、腸運動調節剤、ガス滞留防止剤及び消化酵素をベースとした錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の経口投与用医薬組成物の調製方法であって、
事前に準備した腸運動調節剤、ガス滞留防止剤及び消化酵素、前記腸運動調節剤及び前記消化酵素を加湿するための結合溶液を混合し、篩過することを含み、混合物を速やかに粉砕、乾燥及び篩過し、経口投与用の医薬製剤を得ることを特徴とする方法。
〔35〕前記加湿を、結合溶液で行う、前記〔34〕に記載の方法。
〔36〕前記結合溶液を、結合剤及び水をベースにして調製する、前記〔34〕に記載の方法。
〔37〕前記成分を混合する、前記〔34〕に記載の方法。
〔38〕前記処方成分を約5〜30分間にわたって50〜200rpmで混合する、前記〔34〕に記載の方法。
〔39〕前記腸運動調節剤及び前記消化酵素の前記加湿を、前記結合溶液で行う、前記〔34〕に記載の方法。
〔40〕前記成分を乾燥させる、前記〔39〕に記載の方法。
〔41〕前記成分の前記乾燥を、温度30〜60℃で行う、前記〔40〕に記載の方法。
〔42〕前記組成物が、5%以下の最終残留湿度に達する、前記〔41〕に記載の方法。
〔43〕前記生成物を粉砕する、前記〔42〕に記載の方法。
〔44〕前記生成物の前記粉砕を、メッシュサイズ420〜2,000ミクロン、500〜1500rpmで行う、前記〔43〕に記載の方法。
〔45〕前記組成物を篩過する、前記〔44〕に記載の方法。
〔46〕前記篩過を、メッシュサイズ420〜2,000ミクロンで行う、前記〔45〕に記載の方法。
〔47〕前記滑沢剤を、前記腸運動調節剤及び前記消化酵素と混合する、前記〔34〕に記載の方法。
〔48〕前記滑沢剤を、前記腸運動調節剤及び前記消化酵素と5〜10分間にわたって15〜30rpmで混合する、前記〔47〕に記載の方法。
〔49〕腸管疾患又は過敏性腸疾患に関係する不快感の予防又は治療のための、錠剤、被覆錠剤又はカプセルの形態の経口投与用の組成物又は医薬製剤の使用。