特許第6166191号(P6166191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166191ビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166191
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/56 20140101AFI20170710BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20170710BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20170710BHJP
【FI】
   A63F13/56
   A63F13/53
   A63F13/822
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-25195(P2014-25195)
(22)【出願日】2014年2月13日
(62)【分割の表示】特願2012-191677(P2012-191677)の分割
【原出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-131754(P2014-131754A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100114720
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128749
【弁理士】
【氏名又は名称】海田 浩明
(72)【発明者】
【氏名】松井 良磨
(72)【発明者】
【氏名】秋山 利夫
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−100892(JP,A)
【文献】 特開2004−337305(JP,A)
【文献】 特開2005−349174(JP,A)
【文献】 特開2010−082376(JP,A)
【文献】 特開2011−156051(JP,A)
【文献】 特開2001−334068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面にプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記ビデオゲームに登場するオブジェクトの識別情報と、仮想空間における所定範囲と、所定動作と、表示開始条件とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示開始条件を満たす場合に、当該表示開始条件に対応する前記所定範囲を表示する表示手段と、
前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示手段により表示された所定範囲内である場合に、当該所定範囲に対応する前記所定動作を前記オブジェクトに実行させる動作実行手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示開始条件を満たす場合に、当該表示開始条件に対応するオブジェクトの位置に基づいて所定画像を表示し、
前記動作実行手段は、前記表示手段により表示された前記所定画像をプレイヤが選択した場合に、前記所定動作を前記オブジェクトに実行させる
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示手段により表示された所定範囲内である場合に、当該プレイヤキャラクタの位置を当該所定範囲に対応する前記オブジェクトの位置に基づいて制御する制御手段を含む
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記プレイヤキャラクタの位置が複数のオブジェクトに対応する前記表示開始条件を満たす場合、所定の選択基準に従って所定数のオブジェクトに対応する前記所定範囲を表示する
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
表示装置の表示画面にプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ビデオゲームに登場するオブジェクトの識別情報と、仮想空間における所定範囲と、所定動作と、表示開始条件とを対応付けて記憶する記憶手段を備えたコンピュータに、
前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示開始条件を満たす場合に、当該表示開始条件に対応する前記所定範囲を表示する表示機能と、
前記プレイヤキャラクタの位置が前記表示機能により表示した所定範囲内である場合に、当該所定範囲に対応する前記所定動作を前記オブジェクトに実行させる動作実行機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオゲームにおいて各種オブジェクト(NPCや宝箱など)に対するプレイヤの注目を促したい場合、オブジェクトに対してマーカを表示する形態がとられる場合がある。このようなビデオゲームには、プレイヤにより捕捉操作がなされた場合に、仮想空間内の任意の位置と補足対象となるオブジェクト間の距離に応じたマーカを表示する構成としたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−79952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のビデオゲームにおいては、プレイヤによるオブジェクトの捕捉操作に応じてマーカを表示した後、プレイヤによるコマンドの入力を受け付けて、受け付けたコマンドを実行するため、捕捉したオブジェクトに応じたコマンドを実行するまでに少なくとも2回(オブジェクトの捕捉とコマンドの入力)のコマンド入力をプレイヤに要求することとなる。そのため、プレイヤに対して煩雑な印象を与える場合があるという課題があった。
【0005】
一方で、移動画面(フィールド)に表示されたオブジェクトにプレイヤキャラクタが接触することで戦闘が始まるシステム(いわゆるシンボルエンカウント)を採用する場合、オブジェクトの近くをプレイヤキャラクタに移動させることを意図したプレイヤが、誤ってオブジェクトにプレイヤキャラクタを接触させてしまうことにより、意図しないエンカウントを発生させてしまう場合があり、やはりプレイヤに対して煩雑な印象を与える場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべく、オブジェクトの捕捉からコマンドの実行までに要する操作負担を軽減させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明のビデオゲーム処理装置は、表示装置の表示画面にプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記ビデオゲームに登場するオブジェクトに関する情報であって、オブジェクトの識別情報と、仮想空間における所定範囲と、所定動作とが対応付けされた情報であるオブジェクト情報を記憶するオブジェクト情報記憶手段と、前記プレイヤキャラクタに対する移動開始操作を受け付ける移動開始操作受付手段と、該移動開始操作受付手段が受け付けた移動開始操作および前記オブジェクト情報に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記所定範囲内に移動させられるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記プレイヤキャラクタが前記所定範囲内に移動させられると判定された場合に、当該所定範囲に対応する前記所定動作を前記オブジェクトに実行させる動作実行手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、表示装置の表示画面にプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ビデオゲームに登場するオブジェクトに関する情報であって、オブジェクトの識別情報と、仮想空間における所定範囲と、所定動作とが対応付けされた情報であるオブジェクト情報を記憶するオブジェクト情報記憶手段を備えたコンピュータに、前記プレイヤキャラクタに対する移動開始操作および前記オブジェクト情報に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記所定範囲内に移動させられるか否かを判定する判定機能と、該判定機能にて前記プレイヤキャラクタが前記所定範囲内に移動させられると判定した場合に、当該所定範囲に対応する前記所定動作を前記オブジェクトに実行させる動作実行機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オブジェクトの捕捉からコマンドの実行までに要する操作負担を軽減させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2】仮想コントローラ情報の格納状態の例を示す説明図である。
図3】仮想コントローラの例を示す説明図である。
図4】仮想コントローラの動作の例を示す説明図である。
図5】オブジェクト情報の格納状態の例を示す説明図である。
図6】移動処理の例を示すフローチャートである。
図7】移動画面の例について説明するための説明図である。
図8】視点操作領域について説明するための説明図である。
図9】ゲーム画面の例を示す説明図である。
図10】オブジェクト動作処理の例を示すフローチャートである。
図11】動作可能範囲画像について説明するための説明図である。
図12】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15と、通信部16とを含む。
【0013】
プログラム読取部10は、各種ビデオゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵する記憶媒体から必要なビデオゲームプログラムを読み出す機能を有する。なお、本例においては、プログラム読取部10は、ビデオゲームプログラムが格納された着脱可能なゲームカートリッジ20を装着する装着部を有し、プレイヤ(ビデオゲーム処理装置100の操作者(ユーザ))により装着部に装着されたゲームカートリッジ20の記憶媒体からゲームプログラムを読み出し、記憶部12に格納する。なお、本例で用いられるビデオゲームプログラムに従って実行されるビデオゲームは、RPG、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、バトルゲームなど、プレイヤが操作する仮想コントローラが表示されるビデオゲームであればどのようなものであってもよい。
【0014】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0015】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なビデオゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0016】
なお、ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームプログラムを図示しないゲームプログラム提供サーバからインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードして記憶部12に格納する構成としてもよい。
【0017】
本例においては、記憶部12は、仮想コントローラ管理テーブル12aと、オブジェクト情報記憶部12bとを含む。
【0018】
仮想コントローラ管理テーブル12aは、仮想コントローラ(または、いわゆるコントロールパッド)に関する情報である仮想コントローラ情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、制御部11は、仮想コントローラ情報を参照して、表示部13の表示画面に仮想コントローラを示す画像を表示する。また、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じて仮想コントローラ情報を更新することにより、表示画面に表示する仮想コントローラの位置や形態を更新する。
【0019】
図2は、仮想コントローラ管理テーブル12aに記憶される仮想コントローラ情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、仮想コントローラ情報は、表示位置と、スライド操作部の位置と、タップ操作部の形態変化位置とを示す情報を含む。
【0020】
ここで、本例における仮想コントローラについて説明する。
【0021】
図3は、本例における仮想コントローラの例を示す説明図である。図3(A)に示すように、仮想コントローラICは、円形に形成されている。そして、図3(B)に示すように、仮想コントローラICは、表示画面に表示された際にプレイヤによるスライド操作(または、ドラッグ操作)を受け付けるスライド操作部SOと、タップ操作(または、押下操作)を受け付けるタップ操作部TOとにより構成される。なお、仮想コントローラICを表示画面に表示するための画像情報などは、仮想コントローラ情報の一部として仮想コントローラ管理テーブル12aに記憶されている構成としてもよいし、記憶部12の他の記憶領域に記憶されている構成としてもよい。
【0022】
図4は、本例における仮想コントローラの動作の例を示す説明図である。図4に示すように、本例における仮想コントローラICは、2通りの動きを示す。すなわち、仮想コントローラICは、大別すると2通りの操作入力を受け付ける。
【0023】
第1に、図4(A)に示すように、プレイヤによるスライド操作(スライド操作部SOの表示位置に指などが触れた状態から、触れた状態を維持しつつ触れる位置を移動させる操作)に応じて、スライド操作部S0が初期位置Oから8方向(上、右上、右、右下、下、左下、左、左上)のうち何れか1方向にスライドする動きを示す。なお、このとき、タップ操作部TOは、スライド操作部SOの動きに対応する部分(図4(A)においては、上方向へのスライドに対応した上タップ操作部TO1)が、他の部分と識別可能となるように形態が変化する(例えば、色が変化する)。
【0024】
第2に、図4(B)に示すように、プレイヤによるタップ操作(タップ操作部TOの表示位置に指などで触れる操作)に応じて、タップされた部分(図4(B)においては、上タップ操作部TO1)が、他の部分と識別可能となるように形態が変化する動きを示す。なお、このとき、スライド操作部SOは特に変化しない。
【0025】
なお、仮想コントローラ101の形状や構成はこれに限定されず、スライド操作による方向の入力と、入力されたスライド操作の方向をプレイヤに報知する部分(本例においては、タップ操作部TO)とを備えた構成であればよい。
【0026】
図3図4を用いて説明した仮想コントローラICを管理するにあたり、仮想コントローラ管理テーブル12aには、上述したように、表示位置と、スライド操作部の位置と、タップ操作部の形態変化位置とを示す情報を含む。
【0027】
ここで、表示位置とは、表示画面上に仮想コントローラICを表示する位置を意味する。図2に示すように、本例における表示位置は2通り(左側と右側)が予め設定されており、フラグが「1」になっている方が採用される。表示位置については、移動画面について説明する際に改めて説明する(図7参照)。
【0028】
また、スライド操作部の位置とは、図4を参照して説明したように、可動表示されるスライド操作部SOの位置を意味する。例えば、図4(B)に示すように、スライド操作部SOが初期位置(中央)に位置している場合、仮想コントローラ管理テーブル12aにおいては、図2に示すように、「中央」に対応するフラグにのみ「1」が設定され、他のフラグには「0」が設定される。また、図4(B)に示すように、スライド操作部SOが上方向にスライドしている場合(すなわち、上側に位置している場合)、仮想コントローラ管理テーブル12aにおいては、「上」に対応するフラグにのみ「1」が設定される。
【0029】
また、タップ操作部の形態変化位置とは、図4を参照して説明したように、タップ操作部TOを構成する複数の部分において、他の部分と識別可能となるように形態が変化する部分の位置を意味する。例えば、図4(B)に示すように、上タップ操作部TO1の形態が変化している場合、仮想コントローラ管理テーブル12aにおいては、「上」に対応する付フラグにのみ「1」が設定される。なお、このとき、スライド操作部の位置に関するフラグは、「中央」に対応するフラグにのみ「1」が設定される。
【0030】
オブジェクト情報記憶部12bは、ビデオゲームに登場するオブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報を記憶するための記憶媒体である。
【0031】
図5は、オブジェクト情報記憶部12bに記憶されるオブジェクト情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、オブジェクト情報は、オブジェクトを一意に特定するためのオブジェクトIDと、種類と、動作可能範囲と、動作内容と、表示開始範囲(または、表示開始条件)とを示す情報を含む。
【0032】
ここで、種類とは、オブジェクトに予め設定される種類であり、例えば、「ノンプレイヤキャラクタ(NPC)」や「宝箱」などがある。
【0033】
また、動作可能範囲とは、ビデオゲームに登場するオブジェクトがプレイヤキャラクタに対して所定の動作を実行し得る範囲を意味する。動作可能範囲の構成としては、例えば「オブジェクトを中心とする半径R1の円内」など、種々の構成が考えられる。以下、適宜、ノンプレイヤキャラクタがプレイヤキャラクタに対して会話を実行し得る範囲(会話可能範囲)を例にして説明を行なう。なお、ここで「し得る」としているのは、動作可能範囲であっても、例えばプレイヤがコマンド入力を行わない場合にはオブジェクトが動作を実行しない場合があるためである。
【0034】
また、動作内容とは、「会話」など、ビデオゲームに登場するオブジェクトが実行する動作の内容を意味する。なお、会話の具体的実行方法は特に限定されず、所定のテキストを表示画面に順次表示する方法を採ってもよいし、音声を出力する方法を採ってもよい。なお、動作内容も特に限定されず、プレイヤキャラクタとの戦闘であってもよい。また、オブジェクトの種類が「宝箱」の場合は、「所定のアイテムをプレイヤキャラクタに付与すること」が動作内容として設定されていてもよい。
【0035】
また、表示開始範囲とは、プレイヤキャラクタがオブジェクトに近づいたときに、表示画面に動作可能範囲を示す画像の表示を開始する範囲を意味する。表示開始範囲としては、例えば「オブジェクトを中心とする半径r1の円」など、種々の構成が考えられる。
【0036】
なお、オブジェクト情報が示す動作可能範囲や表示開始範囲は円形に限定されず、種々の形状が考えられる。また、1つのオブジェクトに関して、複数の動作内容が対応付けされている構成としてもよい。すなわち、例えば、プレイヤキャラクタがオブジェクトに対して正面に位置している際に実行される動作内容と、背面に位置している場合に実行される動作内容とが異なる構成とされていてもよい。
【0037】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0038】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
【0039】
プレイヤ操作受付部15は、プレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、操作受付部15は、表示部13に設けられたタッチパネルを介してプレイヤの操作を受け付ける。なお、操作受付部15は、マウスやゲームパットなどのコントローラを介してプレイヤの操作を受け付ける構成とされていてもよい。
【0040】
通信部16は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、各種情報を送受信する。
【0041】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0042】
図6は、ビデオゲーム処理装置100が実行する移動処理の例を示すフローチャートである。移動処理では、仮想空間において、プレイヤによる操作入力に応じてプレイヤキャラクタを移動させるための処理が行われる。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0043】
移動処理は、例えば戦闘や会話の終了後など、ゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタの移動条件が満たされたときに開始される。
【0044】
移動処理において、先ず、制御部11は、表示部13の表示画面に、ゲームの進行に応じた移動画面を表示する(ステップS101)。本例においては、制御部11は、プレイヤキャラクタが移動可能な仮想3次元空間を示す移動画面を表示するものとする。
【0045】
図7は、移動画面の例について説明するための説明図である。図7に示すように、移動画面は、プレイヤキャラクタが存在する仮想空間(フィールド)を示すフィールド表示領域701と、視点操作領域702とが設けられる。
【0046】
フィールド表示領域701には、プレイヤキャラクタPCの移動操作を受け付けるための仮想コントローラICと、各種仮想ボタン711〜714と、プレイヤキャラクタが向いている方向を示す仮想コンパスCIとが表示される。ビデオゲーム処理装置100のユーザであるプレイヤは、フィールド表示領域701上に表示される仮想コントローラICを用いてプレイヤキャラクタPCを操作することとなる。
【0047】
ここで、表示画面に表示される各仮想ボタンについて説明する。本例においては、図7に示すように、仮想ボタンとして、オートボタン711と、位置切替ボタン712と、マップボタン713と、メニューボタン714とがそれぞれ識別可能に表示される。ただし、本例においては、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが停止状態(すなわち、移動をしていない状態)のときに、表示画面に位置切替ボタン712と、マップボタン713と、メニューボタン714とを表示する。
【0048】
制御部11は、各仮想ボタンの表示領域がプレイヤにより選択された場合に、各仮想ボタンに予め設定された処理を実行する。具体的には、各仮想ボタンの選択を受け付けたと判定したことに応じて、制御部11はそれぞれ以下の処理を実行する。なお、各仮想ボタンに関する情報は、記憶部12における所定の記憶領域(仮想ボタン情報記憶部。図示せず。)に記憶されているものとする。また、仮想ボタンの種類はこれに限定されず、仮想ボタン情報記憶部には、各種仮想ボタンに関する情報(例えば、仮想ボタンのアイコン、表示時期、表示位置、および選択された場合に実行する処理内容などを示す情報)が記憶されていてもよい。
【0049】
オートボタン711の選択を受け付けると、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが向いている方向に向かってプレイヤキャラクタPCを歩行させるための処理を開始する。制御部11は、再度オートボタン711の選択を受け付けるか、または他の歩行停止条件が満たされるまで(例えば、イベントが発生するまで)、プレイヤキャラクタを歩行させる(いわゆる、オート移動)。このとき、制御部11は、視点操作領域702に割当てられた機能を表示画面全体(すなわち、タッチパネル全体)に設定することで、プレイヤキャラクタPCの進行方向の制御を表示画面全体で受け付ける。すなわち、オート移動時、プレイヤは、プレイヤキャラクタPCの進行方向の制御を、スクリーン全体をスライドさせて仮想カメラを回転させることで行える。また、図示しないが、本例においては、オート移動時、制御部11は、仮想コントローラICと、オートボタン711以外の仮想ボタンを非表示とすることで、画面の視認性を向上させる。なお、視点操作領域702については、後述する。
【0050】
位置切替ボタン712の選択を受け付けると、制御部11は、仮想コントローラICと各種仮想ボタン711〜714の表示位置を左右逆の位置に切り替える。なお、制御部11は、位置の切替に応じて、仮想コントローラ管理テーブル12aにおける表示位置に関するフラグの設定を更新する。
【0051】
マップボタン713の選択を受け付けると、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが位置している場所を示すマップを表示する。すなわち、制御部11は、マップボタン713の選択を受け付けたことに応じて、表示画面に表示する画面を、移動画面からマップ画面に移行する。
【0052】
メニューボタン714の選択を受け付けると、制御部11は、ゲームに関する所定の内容を示すメニュー画面を表示する。
【0053】
次いで、視点操作領域702について説明する。
【0054】
図8は、視点操作領域702について説明するための説明図である。制御部11は、例えば図8に示すように、タッチ位置を位置801から位置802に移動するような「視点操作領域702に対するスライド操作」を受け付けると、受け付けたスライド操作の内容(例えば、スライド方向、スライド量、スライド速度など)に応じて、仮想カメラの位置(または視点)を移動する。本例においては、制御部11は、受け付けたスライド操作に応じて、プレイヤキャラクタPCの位置を中心とする所定の軌道に従って仮想カメラの位置を左右に回転する。なお、上下方向のスライド操作に応じて、制御部11が、仮想カメラの位置を上下に回転する構成としてもよい。仮想カメラの位置を移動すると、制御部11は、移動に応じた移動画面を表示画面に表示する。また、制御部11は、視点コントローラVCの選択(視点コントローラVCの表示領域のタップ)を受け付けると、ディフォルトのアングルに仮想カメラを移動する。
【0055】
移動画面を表示すると、制御部11は、仮想コントローラICに対するタッチ操作(図3図4を用いて説明したスライド操作またはタップ操作)を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、例えば視点操作領域702に対するスライド操作を受け付けたことにより、仮想コントローラICに対するタッチ操作を受け付けていないと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、その他の処理(例えば、視点変更)を実行して(ステップS103)、後述するステップS110の処理に移行する。
【0056】
一方、仮想コントローラICに対するタッチ操作を受け付けたと判定すると(ステップS102のY)、制御部11は、仮想コントローラ情報に基づいて、受け付けたタッチ操作に応じて仮想コントローラICの形態を更新する(ステップS104)。すなわち、図4を用いて説明したように、制御部11は、プレイヤによるスライド操作またはタップ操作に応じた方向が認識可能となるように、仮想コントローラICの一部(より具体的には、タップ操作部の一部)が他の部分よりも強調されるように画像を更新する。なお、このとき、制御部11は、仮想コントローラ情報におけるスライド操作部の位置およびタップ操作部の形態変化位置に関するフラグをそれぞれ更新する(図2参照)。
【0057】
仮想コントローラICの形態を更新すると、制御部11は、タッチ操作に応じた方向へプレイヤキャラクタPCの移動を開始する(ステップS105)。
【0058】
図9は、プレイヤキャラクタPCが移動しているときのゲーム画面の例を示す説明図である。図9に示すように、プレイヤキャラクタPCは、仮想コントローラICを構成するスライド操作部SOの位置に応じた方向に移動する。そして、このとき、仮想コントローラICを構成するタップ操作部TOにおけるスライド操作部SOの位置に対応する部分(図9においては、紙面上方向に位置する部分TO1)が、他の部分(本例に置いては、紙面上方向以外の7方向に位置する部分)と識別可能に強調して表示される。
【0059】
プレイヤキャラクタPCの移動制御中、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの位置がフィールド上のオブジェクトに設定された表示開始範囲内であるか否か(または、表示開始条件を満たすか否か)を判定する(ステップS106)。ここで、プレイヤキャラクタの位置がフィールド上のオブジェクトに設定された表示開始範囲内であると判定すると(ステップS106のY)、制御部11は、当該オブジェクトに設定された動作を実行するための処理(オブジェクト動作処理)を実行し(ステップS200)、後述するステップS110の処理に移行する。なお、オブジェクト動作処理については後で詳しく説明する(図10参照)。
【0060】
一方、移動処理(図6参照)におけるステップS106において、プレイヤキャラクタPCの位置が表示開始範囲内でないと判定すると(ステップS106のN)、制御部11は、タッチ位置が変更したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、タッチ位置が変更したと判定すると(ステップS107のY)、制御部11は、ステップS104の処理に移行する。
【0061】
一方、タッチ位置が変更していないと判定すると(ステップS107のN)、制御部11は、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了していないと判定すると(ステップS108のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタの移動制御を継続し、ステップS106の処理に移行する。
【0062】
一方、例えばプレイヤの指がタッチパネルから離れたことにより、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了したと判定すると(ステップS108のY)、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの移動を停止して(ステップS109)、移動画面の表示を終了するか否かを判定する(ステップS110)。ここで、移動画面の表示を終了しないと判定すると(ステップS110のN)、制御部11は、移動画面の表示を継続し、ステップS104の処理に移行する。このとき、ステップS104の処理では、制御部11は、スライド操作部SOが初期位置に位置し、タップ操作部TOが強調表示される部分を含まないこととなるように仮想コントローラICの形態を更新する。
【0063】
一方、例えば他の画面への移行条件が満たされたことにより、移動画面の表示を終了すると判定すると(ステップS110のY)、制御部11は、ここでの処理を終了する。
【0064】
図10は、ビデオゲーム処理装置100が実行するオブジェクト動作処理の例を示すフローチャートである。オブジェクト動作処理では、表示画面に表示されたオブジェクトに所定の動作を実行させるための処理が行われる。なお、本発明に特に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。また、本例においては、特に言及した場合を除き、プレイヤキャラクタPCの移動は継続していることとする。
【0065】
オブジェクト動作処理において、先ず、制御部11は、表示部13の表示画面に、プレイヤキャラクタPCを表示開始範囲内に含むオブジェクトに対応する動作可能範囲画像を表示する(ステップS201)。
【0066】
図11は、動作可能範囲画像について説明するための説明図である。図11では、プレイヤキャラクタPCが、フィールドに配置されたオブジェクトであるノンプレイヤキャラクタNPCの表示開始範囲内に移動したことに応じて、ノンプレイヤキャラクタNPCの動作可能範囲画像1102が表示されている場合を示す。また、本例においては、動作可能範囲画像1102のほかに、制御部11は、オブジェクトに対応するフキダシアイコン1101を、オブジェクトの近傍に表示する。制御部11は、プレイヤキャラクタPCの移動の停止のほか(後述するステップS202の処理参照)、プレイヤによりフキダシアイコン1101が選択された場合に、オブジェクトに対応する動作を実行する。
【0067】
動作可能範囲画像を表示すると、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの位置が、表示中の動作可能範囲画像が示す動作可能範囲内であるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、プレイヤキャラクタPCの位置が動作可能範囲内でないと判定すると(ステップS202のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの位置がノンプレイヤキャラクタNPCに設定された表示開始範囲外に位置するか否かを判定する(ステップS203)。
【0068】
プレイヤキャラクタPCの位置がノンプレイヤキャラクタNPCに設定された表示開始範囲外に位置しないと判定すると(ステップS203のN)、制御部11は、ステップS202の処理に移行する。一方、プレイヤキャラクタPCの位置がノンプレイヤキャラクタNPCに設定された表示開始範囲外に位置すると判定すると(ステップS203のY)、制御部11は、動作可能範囲画像1102を消去して、移動処理におけるステップS106の処理に移行する。
【0069】
一方、ステップS202の処理において、プレイヤキャラクタPCの位置が動作可能範囲内であると判定すると(ステップS202のY)、制御部11は、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了したか否かを判定する(ステップS205)。ここで、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了していないと判定すると(ステップS205のN)、制御部11は、ステップS202の処理に移行する。
【0070】
一方、例えばプレイヤの指がタッチパネルから離れたことにより、仮想コントローラICに対するタッチ操作が終了したと判定すると(ステップS205のY)、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの移動を停止する(ステップS206)。
【0071】
プレイヤキャラクタPCの移動を停止すると、制御部11は、ノンプレイヤキャラクタNPCに設定された動作を実行するための処理(動作関連処理)を行う(ステップS207)。具体的には、制御部11は、ノンプレイヤキャラクタNPCに対応するオブジェクト情報を参照して(図5参照)、オブジェクト情報に含まれる動作内容に応じた処理を実行する。
【0072】
図12は、動作として「会話」を実行する場合のゲーム画面の例を示す説明図である。図12に示すように、ゲーム画面には、移動を停止したプレイヤキャラクタPCと、ノンプレイヤキャラクタNPCに設定された文字列を示す会話ウインドウ1201とが示される。なお、このとき、仮想コントローラICは、強調表示部分がなく、スライド操作部S0が初期位置(中央)に位置する状態で表示される。
【0073】
また、本例においては、図11に示すように、プレイヤキャラクタPCがノンプレイヤキャラクタNPCの動作可能範囲内(すなわち、動作可能範囲画像1102が示す領域内)にて移動を停止した場合に、ノンプレイヤキャラクタNPCに設定された動作が実行されることとなるが、このとき、制御部11は、図12に示すように、予め定められた位置及び向きにプレイヤキャラクタPCを移動する処理を行う。なお、この場合、例えば、オブジェクト情報に、動作に応じたプレイヤキャラクタの位置や向き、仮想カメラの位置などが含まれる構成とすればよい。
【0074】
動作関連処理を開始すると、制御部11は、仮想コントローラICに対するタッチ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、タッチ操作を受け付けたと判定すると(ステップS208のY)、制御部11は、実行中の動作関連処理を中止して(ステップS209)、移動処理におけるステップS104の処理に移行する(図6参照)。
【0075】
一方、タッチ操作を受け付けていないと判定すると(ステップS208のN)、制御部11は、動作の実行が完了したか否かを判定する(ステップS210)。ここで、動作の実行が完了していないと判定すると(ステップS210のN)、制御部11は、動作関連処理を継続しつつ、ステップS208の処理に移行する。
【0076】
一方、例えば、会話内容を示す文字列を全て表示したことにより、動作の実行が完了したと判定すると(ステップS210のY)、制御部11は、ここでの処理を終了し、移動処理におけるステップS110の処理に移行する。
【0077】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置の表示画面にプレイヤキャラクタPCを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームに登場するオブジェクト(例えば、ノンプレイヤキャラクタNPC)に関する情報であって、当該オブジェクトがプレイヤキャラクタPCに対して所定の動作を実行し得る範囲である動作可能範囲と、当該所定の動作の内容とを示すオブジェクト情報を記憶するオブジェクト情報記憶部12bを備え、プレイヤキャラクタPCに対する移動開始操作(例えば、仮想コントローラICに対するタッチ操作)を受け付け(例えば、ステップS102)、受け付けた移動開始操作に従ってプレイヤキャラクタPCを移動させ(例えば、ステップS105)、プレイヤキャラクタPCの移動が動作可能範囲内で終了したか否かを判定し(例えば、ステップS202,S205)、プレイヤキャラクタPCの移動が動作可能範囲内で終了したと判定したことに応じて(例えば、ステップS205のY)、当該動作可能範囲に対応するオブジェクトによる所定の動作(例えば、会話)を実行する構成としているので、オブジェクトの捕捉からコマンドの実行までに要する操作負担を軽減させることができるようになる。
【0078】
すなわち、プレイヤキャラクタの移動操作としてのタッチ操作のみで任意のオブジェクトへのアクセス(特に、他のキャラクタとの会話の開始や中止)を効率的に行うことが可能なゲームシステムを実現することができるようになる。これは、例えば携帯型ゲーム機(特に、スマートフォン)を利用する場合にはゲーム画面の大きさとユーザがタッチパネルを操作する指とが制限されることが多くなることを考慮すると(例えば、片手のみでスマートフォンを操作する場合、親指のみで操作することとなる)、有用である。
【0079】
また、上述した実施の形態では、オブジェクト情報は、動作可能範囲の表示を開始する範囲である表示開始範囲を示し、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCの移動が開始したことに応じて(例えば、ステップS105)、プレイヤキャラクタPCの位置が表示開始範囲内に進入したか否かを判定し(例えば、ステップS106)、プレイヤキャラクタPCが表示開始範囲に進入したと判定したことに応じて(例えば、ステップS106のY)、当該表示開始範囲に対応する動作可能範囲を表示する(例えば、ステップS201)構成としているので、不要な画像を表示することを回避することができるため、ビデオゲーム処理装置100にかかる処理負荷を軽減させることができるようになる。
【0080】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、所定の動作の実行中(例えば、ノンプレイヤキャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとの会話の実行中)に、移動開始操作を受け付けた場合(例えば、ステップS208のY)、当該所定の動作の実行を中止する(例えば、ステップS209)構成としているので、1つの操作で会話の中止と移動の開始が可能な操作性に優れたビデオゲームを実現することができるようになる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCの移動が動作可能範囲内で終了したと判定したことに応じて(例えば、ステップS205のY)、プレイヤキャラクタPCをオブジェクトの近傍に移動させる構成としているので(例えば、ステップS207)、プレイヤに対して細かい操作を要求することなく、フィールド上におけるプレイヤキャラクタPCと他のオブジェクトとのやり取り(例えば、会話)のリアリティを向上させることができるようになる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCの位置に応じて、オブジェクトの動作の開始要求を受け付けるアイコン(例えば、フキダシアイコン1101)を表示する場合について説明したが、ビデオゲーム処理装置100が、オブジェクトについて説明する文字列を示すナビゲーションウインドウを表示する構成としてもよい。この場合、例えば、オブジェクト情報が、ナビゲーションウインドウに関する情報を含む構成とすればよい。
【0083】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCが複数のオブジェクトそれぞれの動作可能範囲内に進入した場合、所定の選択基準に従って1つのオブジェクトを選択し(例えば、プレイヤキャラクタPCから最も近くに位置するオブジェクトを選択し)、選択したオブジェクトの動作可能範囲画像のみを表示する構成としてもよい。この場合、ビデオゲーム処理装置100は、プレイヤキャラクタPCが複数の動作可能範囲が重複する位置で移動を停止したときには、動作可能範囲画像が表示されているオブジェクトの動作を他のオブジェクトの動作に優先して実行する構成とされていることが好ましい。なお、プレイヤキャラクタPCが複数のオブジェクトの動作可能範囲内を移動しているときには、ビデオゲーム処理装置100が、各オブジェクトの近傍にそれぞれ対応するフキダシアイコンを表示し、プレイヤキャラクタPCの位置に最も近いオブジェクトの動作可能範囲画像(または、プレイヤキャラクタに最も近いオブジェクトと、当該オブジェクトの動作可能範囲と動作可能範囲が重複しない他のオブジェクトの動作可能範囲画像)を表示する構成としてもよい。また、複数のオブジェクトがプレイヤキャラクタPCに対して略同じ距離に位置する場合、ビデオゲーム処理装置100が、他の選択基準(例えば、オブジェクトの種類やレベル)に従って1つのオブジェクトを選択する構成としてもよいし、この場合には複数のオブジェクトそれぞれの動作可能範囲画像を表示(または、識別可能に表示)する構成としてもよい。
【0084】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、スライド操作部SOに対する操作入力と、タップ操作部TOに対する操作入力とで、プレイヤキャラクタPCの動作に変化をつける構成としてもよい。すなわち、例えば、ビデオゲーム処理装置100が、スライド操作部SOを用いて画面上方向を示す操作入力を受け付けた場合、プレイヤキャラクタPCを上方向に走らせ、タップ操作部TOを用いて画面上方向を示す操作入力を受け付けた場合、プレイヤキャラクタPCを上方向に歩かせる構成としてもよい。このような構成とすることにより、よりプレイヤの意図に応じた操作が容易に行える仮想コントローラを提供することができるようになる。
【0085】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100が、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0086】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、オブジェクトの捕捉からコマンドの実行までに要する操作負担を軽減させるのに有用である。
【符号の説明】
【0088】
10 ゲームプログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
16 通信部
20 ゲームカートリッジ
100 ビデオゲーム処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12