(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166202
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】手術台を操作するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61G 13/02 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
A61G13/02
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-61665(P2014-61665)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-204974(P2014-204974A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年4月11日
【審判番号】不服2016-7586(P2016-7586/J1)
【審判請求日】2016年5月24日
(31)【優先権主張番号】10 2013 103 755.0
(32)【優先日】2013年4月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513242656
【氏名又は名称】マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ルーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル ウェルシュ
【合議体】
【審判長】
内藤 真徳
【審判官】
関谷 一夫
【審判官】
平瀬 知明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平1−233504(JP,A)
【文献】
特開2000−115618(JP,A)
【文献】
特開2005−221623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素(32〜46)を備える手術台を操作するための装置(12)であって、
前記装置(12)は、第1の制御要素(14〜24)を備え、前記第1の制御要素(14〜24)を一度だけ動かすことにより、前記構成要素(32〜46)を調整するための駆動機構の第1の動作が実行され、前記第1の制御要素(14〜24)をもう一度だけ動かすことにより、前記構成要素(32〜46)を調整するための駆動機構の第2の動作が実行され、
前記装置(12)は、第2の制御要素(26)を備え、前記第1の動作又は前記第2の動作の後に、前記第2の制御要素(26)を一度だけ動かすことにより、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転され、前記第1の動作と前記第2の動作の後に、前記第2の制御要素(26)を一度だけ動かすことにより、前記第2の動作が逆転され、前記第2の制御要素(26)をもう一度だけ動かすことにより、前記第1の動作が逆転される
ことを特徴とする手術台を操作するための装置(12)。
【請求項2】
前記第1の動作の間に前記第1の制御要素(14〜24)をもう一度だけ動かすことにより、前記第1の動作と前記第2の動作とが少なくとも部分的に同時に実行され、
前記第2の制御要素(26)を動かすことにより、前記第1の動作と前記第2の動作とが少なくとも部分的に同時に逆転される
請求項1に記載の装置(12)。
【請求項3】
前記装置(12)は、第3の制御要素(28)を備え、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転された後に、前記第3の制御要素(28)を一度だけ動かすことにより、前記第1の動作又は前記第2の動作が再び実行され、前記第1の動作と前記第2の動作とが逆転された後に、前記第3の制御要素(28)を一度だけ動かすことにより、前記第1の動作が再び実行され、前記第3の制御要素(28)をもう一度だけ動かすことにより、前記第2の動作が再び実行される
請求項1又は2に記載の装置(12)。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転されるときに、前記第1の動作又は前記第2の動作と完全に動きが逆順となるように制御される
請求項1から3の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項5】
前記第1の動作又は前記第2の動作が実行されるときに、前記駆動機構の従動軸及び/又は構成要素(32〜46)の角度位置の変更の時間的経過及び/又は角度位置の変更の速度の時間的経過が情報として検出されると共に保存され、前記駆動機構は、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転されるときに、前記第1の動作又は前記第2の動作と完全に動きが逆順となるように、保存された前記情報に基づいて制御される
請求項1から4の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項6】
前記駆動機構は、ステッパ電動機によって構成され、
前記第1の動作又は前記第2の動作が実行されるときに、前記ステッパ電動機のステップの順序及び/又はステップの順序の時間的経過が情報として検出されると共に保存され、前記ステッパ電動機は、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転されるときに、前記第1の動作又は前記第2の動作と完全に動きが逆順となるように、保存された前記情報に基づいて制御される
請求項1から4の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項7】
前記駆動機構は、リニア駆動装置によって構成され、
前記第1の動作又は前記第2の動作が実行されるときに、前記リニア駆動装置の調整動作、調整移動、前記調整移動の時間的経過、調整速度、及び/又は前記調整速度の時間的経過が情報として検出されると共に保存され、前記リニア駆動装置は、前記第1の動作又は前記第2の動作が逆転されるときに、前記第1の動作又は前記第2の動作と完全に動きが逆順となるように、保存された前記情報に基づいて制御される
請求項1から4の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項8】
追加的又は代替的に前記駆動機構の駆動の期間及び/又は前記駆動機構のために駆動された速度段が情報として検出されると共に保存される
請求項5から7の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項9】
前記駆動機構は、前記第1の制御要素(14〜24)を動かすことにより行われた操作入力に従属する制御機構により制御される
請求項1から8の何れか一項に記載の装置(12)。
【請求項10】
前記制御機構は、実行された前記動作のパラメータを保存する
請求項9に記載の装置(12)。
【請求項11】
前記第1の制御要素(14〜24)を動かすことにより、前記構成要素(32〜46)を調整するための駆動機構のいくつかの動作が実行され、
前記第2の制御要素(26)を動かすことにより、前記いくつかの動作が逆転される
請求項1から10の何れか一項に記載の装置(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御要素による調整が可能である複数の構成要素を有する手術台を操作するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手術台に横たわる患者の手術の間、手術を容易にするために患者の位置が幾度か変更される。ここで、患者が以前から既に想定していた位置に患者を配置することが頻繁に必要である。同様に、2つ以上の位置の間の反復する変更が手術の間に必要であるかもしれない。
【0003】
独国特許出願公開第19955116号明細書により、電動で調整が可能である構成要素を有し、手術台支柱からの取り外しが可能である患者支持面の駆動を制御するための、エネルギ源と制御手段と制御パネルとを備える制御機構が認識される。制御パネルは、手術台支持面を輸送するための輸送台車に統合される。
【0004】
独国特許出願公開第102007062200号明細書により、制御要素による調整が可能である複数の構成要素を有する手術台が認識される。制御要素の少なくともいくつかの状態及び/又は状態変更がセンサにより検出され、センサにより生成された信号が処理装置に提供される。
【0005】
独国特許出願公開第102005054230号明細書により、手術台と制御パネルとの間の双方向性の赤外線データ通信のための方法及び装置が認識される。手術台と制御パネルは両者とも赤外線データ通信のユーザであり、それぞれが赤外線送信機と赤外線受信機とを備える。
【0006】
独国特許出願公開第102005054223号明細書により、調整が可能である患者支持面が移動自在に取り付けられた手術台支柱を有する手術台を調整するための装置が認識される。装置は、手術台の構成要素を調整するための調整コマンドを入力するための制御パネルを備える。調整コマンドは、制御パネルから調整が可能である患者支持面に直ちに送信される。
【0007】
独国特許出願公開第102005053754号明細書により、相互に相関して調整が可能であるいくつかの部分を備え、手術台の患者支持面を調整するための装置が認識される。調整が可能である部分の少なくともいくつかは、関係する部分を調整するために制御が可能である作動機に接続される。入力装置は、患者支持面に横たわる患者の身体部分(body part)又は身体部分(body section)の位置の調整と関連付けられた、身体部分に関連する調整コマンド(body part-related adjusting command)を入力するための手段を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、いくつかの手術のために、手術台の構成要素の対応する調整により、患者の位置を患者により以前から既に想定されていた位置に復元することは、特に、この位置が1つ以上の制御要素によって比較的に精巧に確立されていた場合は好ましい。
【0009】
本発明は、手術台を操作するための方法及び装置を明示することを目的とし、これにより、手術台の調整可能な構成要素の位置を、この位置が制御要素によって変更された後、簡単な方法で復元することが容易となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する手術台を操作するための方法、及び独立装置請求項の特徴を有する装置により解決される。本発明の有利な発展は従属項に明示される。
【0011】
手術台を操作するための創造性のある方法では、少なくとも第1の構成要素を調整するための少なくとも第1の駆動機構の第1の動作は、少なくとも第1の制御要素を動かすことにより実行される。更に、第2の制御要素を動かすことにより、第1の制御要素を動かすことにより実行された第1の動作が自動的に完全に逆転される。その結果として、実行された動作に先立って設定された手術台の調整可能な構成要素の位置は、外科医又は助手により構成要素の位置が精巧な方法で再設定されること無しに、単に第2の制御要素を動かすことにより容易に復元される。このように、手術台の簡単で安全な操作が保証される。第1の動作の間に実行された構成要素の移動を自動的に逆転することにより、支持面に横たわる患者にとって都合の悪いこれらの構成要素の動作も回避される。
【0012】
特に、第1の動作が第2の動作により自動的に完全に逆転される間に第1の駆動機構及び/又は第1の構成要素が第1の動作を実行する場合に対する動きの逆順を自動的に完全に実行する場合に有利である。動きの逆順により、特に、第1の動作の間に患者の正確な逆の動きに一致する結果として、患者を危険に晒す移動が予期されないように、構成要素の移動と患者の移動が保証される。
【0013】
更に、第3の制御要素が動かされて第1の構成要素及び/又は少なくとも第2の構成要素を調整するための少なくとも第2の駆動機構の少なくとも第3の動作が実行される場合、及び第2の制御要素を動かすことにより第1の動作と第3の動作が自動的に完全に逆転される場合に有利である。その結果として、いくつかの実行された動作が簡単な方法で自動的に完全に逆転されるように、第1の制御要素と第3の制御要素を動かすことによりもたらされた患者の位置の変更は、単に第2の制御要素を動かすことにより自動的に完全に逆転され、これにより、患者の位置だけでなく以前から既に設定されていた手術台の構成要素の位置も簡単な方法で復元される。
【0014】
ここで、第1の動作と第3の動作は交互に実行され、第1の動作の後に第3の動作が実行される。第2の制御要素を一度だけ動かすときに、好ましくは第4の動作により、第3の動作は自動的に完全に逆転される。第2の制御要素をもう一度だけ動かすときに、好ましくは第2の動作により、第1の動作は自動的に完全に逆転される。その結果として、いくつかの連続的に実行された動作は、第2の制御要素の反復する駆動により自動的に段階的に逆転され、これにより、患者にとって不適当である手術台の構成要素の移動が実行されないことが想定されるように、第1の動作と第3の動作によりもたらされた患者の移動が逆の方向で実行される。
【0015】
その代わりに又は更に、第1の動作が実行されている間に第3の制御要素が動かされ、その結果として、第3の動作の少なくとも一部は、その間、即ち、第1の動作に同時に実行される。第2の制御要素が動かされるときに、好ましくは第2の動作と第4の動作により、第1の動作と第3の動作が逆転されるように、第1の動作と第3の動作は、少なくとも一部が同時に、動きの逆順で実行される。このように、以前から既に設定されていた位置は、その位置がいくつかの操作動作により変更された後、患者にとって優しい方法で自動的に復元される。
【0016】
特に、第4の制御要素を動かすことにより、完全に以前に逆転された動作が反復して実行される場合、又は第4の制御要素を動かすことにより、完全に以前に逆転された動作が反復して完全に実行される場合に有利である。このように、2つの異なる位置の間で切り替えることが非常に容易となるように、逆転された動作は再び自動的に実行される。更に、従って、動作が不注意に逆転されたときに、動作が再び容易に実行されることが達成される。動作の自動的で完全な復元がアンドゥと指称され、逆転された動作の反復された実行がリドゥと指称される。
【0017】
更に、動作が逆転されるときに、動作の間に実行された構成要素の移動の動きの完全な逆順が実行されるように、動作を実行するために制御された駆動機構が自動的に制御されることは有利である。その結果として、既に実行された移動の動きの逆順のみがもたらされるので、患者の安全な移動が保証され、患者を危険に晒すかもしれないし、外科医により予見できないかもしれない異なる動きの順序は無い。
【0018】
更に、それぞれの動作が実行される場合に有利であり、駆動機構の従動軸又はいくつかの駆動機構の従動軸の角度位置の変更の時間的経過及び/又は変更の速度の時間的経過、従動構成要素又はいくつかの従動構成要素の角度位置の変更の時間的経過及び/又は変更の速度の時間的経過が情報として検出されると共に保存され、動作が自動的に完全に逆転されるときに、その後、逆転される動作に対する動きの完全な逆順をそれ自身が自動的に実行するように、駆動機構又はいくつかの駆動機構が保存された情報に基づいて駆動される。従って、患者の望まれない移動が回避されるように、検出された情報により動きの同一の順序が動きの逆順で実際に実行されることが達成される。
【0019】
更に、それぞれの動作が実行されるときに、駆動機構としての役割を果たすステッパ電動機のステップの順序及び/又はステップの順序の時間的経過が情報として検出されると共に保存される。動作が自動的に完全に逆転されるときに、ステッパ電動機は、保存された情報に基づいて、ステップの逆転された順序及び/又は回転の逆の方向に駆動される。このように、逆転される動作の間に構成要素の以前に実行された動きと逆の動きは簡単な方法で達成される。
【0020】
その代わりに又は更に、それぞれの動作が実行されるときに、駆動機構としての役割を果たすリニア駆動の調整動作、調整移動、調整移動の時間的経過、調整速度及び/又は調整速度の時間的経過が情報として検出されると共に保存される。動作が逆転されるときに、リニア駆動は、少なくとも1つの構成要素が逆転される動作に対する動きの逆順を自動的に完全に実行するように、保存された情報に基づいて駆動される。
【0021】
更に又はその代わりに、駆動機構の駆動の期間及び/又は駆動機構のために駆動された速度段が情報として検出されると共に保存される。この情報によって、駆動機構は、動きの逆順を容易に達成することができるように簡単な方法で駆動される。
【0022】
特に、少なくとも1つの駆動機構及び/又は複数の駆動機構が制御要素を動かすことによりなされた操作入力に依存する制御機構により駆動される場合に有利である。このように、動作を逆転するために更に制御要素を動かすことにより駆動された制御要素によって動作がもたらされるときに、容易に動きの逆順が実行されるように、駆動機構の簡単な制御が可能となる。
【0023】
特に、制御機構が実行された動作及び/又は実行された複数の動作のパラメータを保存する場合に有利である。このように、制御機構は、既に実行された動作を自動的に完全に逆転するための動きの逆順が実際に保証され、その結果として、患者が危険に晒されることが回避されることを容易に保証することができる。
【0024】
特に、制御要素がリモコン、好ましくはワイヤレスリモコンによって利用可能になる場合に有利である。ここで、リモコンは、その代わりに又は更に、保存された情報によって既に実行された動作の自動的で完全な復元を安全に制御するために、実行された動作及び/又は実行された複数の動作のパラメータを保存することができる。その結果として、既存の手術台も、自動的に完全に動作を逆転するための創造性のある機能により改善される。
【0025】
更に、第1の制御要素が動かされるときに、いくつかの動作が実行され、第2の制御要素が動かされるときに、いくつかの動作が自動的に予約順に完全に逆転されることは有利である。このように、患者が危険に晒されない動きの容易で安全な順序が達成される。
【0026】
本発明の第2の態様は、制御要素によって調整が可能である複数の構成要素を備える手術台を操作するための装置に関する。装置は、少なくとも第1の制御要素を備え、その駆動に際して手術台の少なくとも第1の構成要素を調整するための少なくとも第1の駆動機構の第1の動作が実行される。装置は、第2の制御要素を備え、その駆動に際して第1の制御要素を動かすことにより実行された第1の動作が自動的に完全に逆転される。その結果として、逆転される動作を実行する以前に想定された手術台の構成要素の位置が容易に復元されるように、手術台の構成要素の動きの順序と患者の位置の変更とが容易に逆転されると共に再び解かれる。
【0027】
特に、装置が手術台制御機構に動作の自動的で完全な復元についての対応する情報を転送する場合に有利である。このように、動作の自動的で完全な復元の機能は容易に実現される。
【0028】
本発明の第2の態様による装置は、方法のために先に明示された有利な発展により発現され、特に、装置が手術台に接続されるときに前述の特徴が達成される。
【0029】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付された図面に関する実施の形態に基づいて本発明についてより詳細に説明する以下の説明から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1a】ワイヤレスリモコンによる利用が可能である制御要素によって調整が可能であるいくつかの構成要素を有する、開始位置における手術台を示す。
【
図1b】第1の調整位置における
図1aのリモコンと手術台を示す。
【
図1c】第2の調整位置における
図1a及び1bのリモコンと手術台を示す。
【
図1d】第1の調整位置と第2の調整位置との間になされた構成要素の調整が逆転された後の
図1a〜1cのリモコンと手術台を示す。
【
図1e】逆転された動作が繰り返して実行された後の
図1a〜1dのリモコンと手術台を示す。
【
図2】手術台の操作のためのリモコンの具体的な実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1aは、いくつかの制御要素14〜28を有し、それによって手術台30の調整可能な構成要素32〜46を調整することができるリモコン12を備える配置10を示す。即ち、空間におけるそれらの位置及び/又は他の構成要素32〜46との関係を変更することができる。それぞれの構成要素32〜46又はこれらの構成要素32〜46のグループは、制御要素14〜24を動かすときに、この制御要素14〜24に割り当てられた構成要素又は構成要素のグループの対応する調整動作が実行されるように、リモコン12の制御要素14〜24に割り当てられる。
【0032】
リモコン12の制御要素14〜24を介して操作入力を通信することにより、手術台30の患者支持面31は、
図1aに示される開始位置から
図1bに示される第1の調整位置に調整される。ここで、構成要素32〜46は、手術台30の患者支持面31の構成要素32〜46が
図1bに示される第1の調整位置をとるまで、患者支持面31に統合された駆動機構によって回転軸48、50、52、及び54に対して回転される。このために、いくつかの操作入力は、リモコン12の制御要素14〜24を介して行われる。その後、手術台30の患者支持面31の構成要素32〜46が
図1cに示される第2の調整位置をとるまで、更に操作入力がリモコン12の制御要素14〜24を介して行われる。このために、構成要素は、再び回転軸56〜58に対してだけでなく更に回転軸48〜54に対しても回転される。更に、患者支持面31の高さが
図1bに示された第1の調整位置から
図1cに示された第2の調整位置に低下されるように、手術台支柱40の高さが引用符号60により識別された高さに下げられる。
【0033】
図1cに示される位置にアンドゥボタン26を動かすことにより、手術台30の構成要素32〜46が
図1dに示される第1の調整位置に再び存在するように、
図1bに示される第1の調整位置から
図1cに示される第2の調整位置への構成要素32〜46の位置の変更が自動的に完全に逆転される。続くリドゥボタン28の操作により、構成要素32〜46の位置は、
図1dに示される第1の調整位置から
図1eに示される第2の調整位置に再び変更される。
【0034】
説明された実施の形態では、ある期間の間に実行されたいくつかの操作動作は、1つの調整動作に組み合わされ、操作動作は、その後、アンドゥボタン26が動かされるときに、動きの逆順で自動的に全て逆転される。本発明の他の実施の形態では、それぞれの操作入力ごとに、操作入力によりもたらされたそれぞれの構成要素32〜46を調整するための動作についての情報が保存され、その後、アンドゥボタン26が動かされるときに、最後に実行された動作を逆転することが同様に可能であり、アンドゥボタン26が繰り返して動かされるときに、以前に実行された動作が逆転される。操作動作のより詳細な細別及び実行された動作の対応する保存は、簡単な方法で様々な中間位置が自動的に復元されるという利点を有する。
【0035】
図2には、リモコン12に代えて使用することができるリモコン62が示される。リモコン62は、情報の表示のための画面64を有する。更に、リモコン62は、複数の制御要素66〜112を有し、それらを介して手術台30の構成要素32〜46の位置を変更するための様々な操作入力を便利な方法で入力することができる。これらの制御要素66〜112によって、それぞれの構成要素32〜46の位置又はいくつかの構成要素32〜46の位置の同時変更を簡単に入力することができる。更に、リモコン62は、リモコン12及び
図1a〜1eに関して先に説明されたものと同一の機能を有するアンドゥボタン26とリドゥボタン28とを有する。
【符号の説明】
【0036】
10 配置
12、62 リモコン
14〜28、66〜112 制御要素
30 手術台
31 患者支持面
40 手術台支柱
32〜46 手術台の構成要素
48〜58 回転軸
60 高さ表示
64 画面