特許第6166231号(P6166231)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166231情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166231
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20170710BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170710BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170710BHJP
【FI】
   G06F3/0488
   G06F13/00 540P
   G06Q30/02 470
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-151721(P2014-151721)
(22)【出願日】2014年7月25日
(65)【公開番号】特開2016-29536(P2016-29536A)
(43)【公開日】2016年3月3日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】柴田 和祈
(72)【発明者】
【氏名】脇▲崎▼ 正俊
(72)【発明者】
【氏名】森▲高▼ 春奈
(72)【発明者】
【氏名】小川 健史
(72)【発明者】
【氏名】中西 生乃
(72)【発明者】
【氏名】大山 香織
(72)【発明者】
【氏名】平谷 奈緒子
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/065285(WO,A1)
【文献】 特開2005−108000(JP,A)
【文献】 特開2009−193498(JP,A)
【文献】 mala,フロントエンドWeb戦略室 第2回スクロールとページングのUIを考える,WEB+DB PRESS ,日本,(株)技術評論社,2012年 7月25日,第69巻,pp151-152
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
G06F 13/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置において、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが関心のある前記コンテンツを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段の表示領域のうち、ユーザによるタップ操作が多く検出される領域を重点領域として設定する設定手段を備え、
前記取得手段は、前記設定手段により設定された重点領域における前記各コンテンツの滞在時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記重点領域滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行い、当該重み付けの結果及び前記滞在時間に基づいて前記コンテンツを特定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記表示手段における表示領域のうち、前記設定手段により設定された重点領域以外の領域における前記各コンテンツの滞在時間を取得し、
前記特定手段は、前記重点領域以外の領域に表示されているコンテンツが前記重点領域に表示されているコンテンツよりも点数が低くなるように重み付けを行い、当該重み付けの結果及び前記滞在時間に基づいて前記コンテンツを特定することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記挿入手段により挿入されたコンテンツの滞在時間を更に取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置の情報処理方法において、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得するステップと、
前記取得された滞在時間に基づいて、ユーザが最も関心のある前記コンテンツを特定するステップと、
前記特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出するステップと、
前記抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置のコンピュータを、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが最も関心のある前記コンテンツを特定する特定手段、
前記特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが訪問したウェブページの情報に基づいてユーザの興味や関心を取得し、ユーザの興味や関心に基づいたコンテンツ(例えば、広告等)を提供するシステムが知られている。
具体的には、様々なユーザ情報(例えば、ウェブページの滞在時間(表示時間))に基づいてユーザのニーズを分析し、ユーザのニーズにより合致するようにカスタマイズされた広告データを配信するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−193498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ストリームUI(User Interface)の技術が知られている。ストリームUIは、ウェブページ中の複数のカラム(コンテンツ)を縦方向に所定数順次表示し、最下段のもっと見るボタンをタッチするか、或いは表示箇所が最下段のコンテンツになると自動的に、残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示する表示方法である。
しかしながら、上記従来の技術は、サイズが予め固定されているウェブページを対象にした技術であり、延々とページが読み込まれていくストリームUIに適用した場合、ウェブページ毎の滞在時間を把握することが困難であるため、ユーザの興味や関心を精度よく把握することができないという問題がある。また、上記従来の技術は、取得したユーザの興味や関心に基づいてコンテンツを提供する際、ページ遷移を経る必要があるので、新たなウェブページを読み込む処理に時間が掛かる等の不都合が生じていた。
【0005】
本発明は、ストリームUIのウェブページを閲覧するユーザに対してページ遷移を経ることなく適切な情報を提供可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置において、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが関心のある前記コンテンツを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、
前記表示手段における表示領域のうち、ユーザによるタップ操作が多く検出される領域を重点領域として設定する設定手段を備え、
前記取得手段は、前記設定手段により設定された重点領域における前記各コンテンツの滞在時間を取得することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、
前記特定手段は、前記重点領域滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行い、当該重み付けの結果及び前記滞在時間に基づいて前記コンテンツを特定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の情報処理装置において、
前記取得手段は、前記表示手段における表示領域のうち、前記設定手段により設定された重点領域以外の領域における前記各コンテンツの滞在時間を取得し、
前記特定手段は、前記重点領域以外の領域に表示されているコンテンツが前記重点領域に表示されているコンテンツよりも点数が低くなるように重み付けを行い、当該重み付けの結果及び前記滞在時間に基づいて前記コンテンツを特定することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記取得手段は、前記挿入手段により挿入されたコンテンツの滞在時間を更に取得することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置の情報処理方法において、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得するステップと、
前記取得された滞在時間に基づいて、ユーザが最も関心のある前記コンテンツを特定するステップと、
前記特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出するステップと、
前記抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入するステップと、
を含む。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
ウェブページ上の複数のコンテンツを縦方向に所定数順次表示し、所定の操作に基づいて残りのコンテンツを所定数読み込み、最下段のコンテンツに続いて読み込んだコンテンツを下方向に追加して表示するストリームUIのウェブページを表示手段に表示させる情報処理装置のコンピュータを、
前記表示手段に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが最も関心のある前記コンテンツを特定する特定手段、
前記特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツを前記ウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段、
として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストリームUIのウェブページを閲覧するユーザに対してページ遷移を経ることなく適切な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る情報処理システムを構成する各装置の主制御構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】ストリームUIのウェブページのページデータが表示部に表示される様子の一例を示す図である。
図4】ストリームUIのウェブページのページデータに広告情報が挿入された様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施形態について詳しく説明する。
[1−1.システム構成の説明]
まず、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
情報処理システム1は、図1に示すように、サーバ装置10と、情報処理装置としての端末装置20と、を備えて構成されている。情報処理システム1の各装置は、通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは、具体的には、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等である。
【0017】
サーバ装置10は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報機器であり、端末装置20からのアクセスに応じて、所定の動作を行う。具体的には、サーバ装置10は、端末装置20から所望のウェブページの要求がなされると、要求元の端末装置20に対象のページデータを送信するウェブサーバである。サーバ装置10は、通常のウェブページ及びストリームUIのウェブページのいずれも提供可能であるものとする。サーバ装置10は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0018】
端末装置20は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等の各ユーザが所持して使用する携帯端末である。但し、端末装置20は、デスクトップPC等の据え置き型の端末装置としてもよい。端末装置20は、通信ネットワークN(具体的には、端末装置20は、の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、サーバ装置10との間で相互に通信を行う。
【0019】
[1−2.サーバ装置の構成の説明]
次に、サーバ装置10の構成について説明する。
サーバ装置10は、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信部15と、を備えて構成されている。
【0020】
制御部11は、サーバ装置10の動作を中央制御する。具体的には、制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部14に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、サーバ装置10の各部を統括制御する。
【0021】
操作部12は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0022】
記憶部14は、例えば、HDD(Hard disk drive)、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部11から読み書き可能に記憶する。また、記憶部14は、関心情報と広告情報とを対応付けしたテーブルを記憶する。
【0023】
通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。例えば、通信部15は、端末装置20から指定されたウェブページ等を、端末装置20に送信する。また、通信部15は、端末装置20から送信された関心情報を受信し、当該受信された関心情報に基づいて抽出された広告情報を、端末装置20に送信する。
【0024】
[1−3.端末装置の構成の説明]
次に、端末装置20の構成について説明する。
端末装置20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、通信部25と、を備えて構成されている。
【0025】
制御部21は、端末装置20の動作を中央制御する。具体的には、制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部24に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、端末装置20の各部を統括制御する。
【0026】
操作部22は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部23と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。
表示部23は、例えば、LCD、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などのディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部23は、ウェブブラウザが起動されると、サーバ装置1から送信されたウェブページを表示する。
【0027】
記憶部24は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。
【0028】
通信部25は、アンテナや通信回路を備え、制御部21による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部25は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。例えば、通信部25は、サーバ装置10の通信部15から送信されたウェブページ等を受信する。また、通信部25は、関心情報を端末装置20に送信し、サーバ装置10から送信された広告情報を受信する。
【0029】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る端末装置20の具体的な動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
一般に、ユーザがストリームUIのウェブページを閲覧する際、関心のないコンテンツに関しては、スクロール操作により殆ど静止されることなく上方へとスクロールされていくのに対し、関心のあるコンテンツに関しては、スクロール操作が行われずに略同一の箇所に一定期間静止(滞在)した状態で保持(閲覧)され、表示部23に表示される時間が長くなる。
また、ユーザは、関心のあるコンテンツを閲覧している最中に、当該コンテンツ内のリンクをタップしてリンク先へとページ遷移させる操作を行うことがある。換言すれば、タップ操作を検出した位置(領域)に配置されたコンテンツは、ユーザが関心のあるコンテンツであることを示す一つの指標となり得る。タップ位置は、例えば、表示部23の中央部付近や下端部付近等、ユーザ毎に特定の傾向を見出すことができる。即ち、制御部21の制御により、ユーザによるタップ操作が多く検出される領域を当該ユーザの重点領域E1(図3参照)として設定し、重点領域E1におけるコンテンツの滞在時間を測定することで、当該ユーザの関心を精度よく把握することが可能となる。
即ち、制御部21は、表示部23における表示領域のうち、ユーザによるタップ操作が多く検出される領域を重点領域として設定する設定手段として機能する。
【0030】
以下、ストリームUIのウェブページを閲覧するユーザの関心情報に対応付けられた広告を、ウェブページの所定の位置に挿入する処理について説明する。この処理は、ユーザがウェブブラウザを起動して、ストリームUIのウェブページの閲覧を開始した場合に行われる。この処理は、専用のアプリにより実現することもできるし、処理内容をJavaScript(登録商標)などのスクリプトで記述しておくことにより実現することもできる。
【0031】
まず、端末装置20の制御部21は、表示部23の重点領域E1に表示されたコンテンツが所定数以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、所定数とは、ユーザが関心のあるコンテンツを特定するに足ると想定される数のことであり、本実施形態では10個に設定されている。なお、所定数は上記例に限られるものではなく、任意の数を設定することができる。
表示されたコンテンツが所定数以上であると判定した場合(ステップS1:YES)は、次のステップS2へと移行する。
一方、表示されたコンテンツが所定数以上でない、即ち、所定数未満であると判定した場合(ステップS1:NO)は、所定数以上となるまでステップS1の処理を繰り返す。
なお、制御部21は、ステップS1の処理とは無関係に、重点領域E1における各コンテンツの滞在時間及び重点領域E1滞在時の各コンテンツの重点領域E1における占有面積の割合を随時取得している。
即ち、制御部21は、表示部23に表示された各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段として機能する。特に、制御部21は、取得手段として、設定手段により設定された重点領域E1における各コンテンツの滞在時間を取得する。
【0032】
次に、制御部21は、重点領域E1における各コンテンツの滞在時間及び占有面積の割合に基づいて、コンテンツ毎のスコアを算出し、ユーザが最も関心のあるコンテンツを特定する(ステップS2)。
即ち、制御部21は、取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが関心のあるコンテンツを特定する特定手段として機能する。
以下、具体的な特定方法について、図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、ストリームUIのウェブページのページデータP1が表示部23に表示される様子の一例を示す図である。本実施形態では、ページデータP1を構成する各コンテンツ(例えば、コンテンツC1〜C8)のサイズは、全て同一であるものとする。
例えば、図3に示す例では、重点領域E1において、コンテンツC3が10割表示され、コンテンツC2が2割強表示されている。なお、重点領域E1において、2割未満しか表示されていないコンテンツ(図3のコンテンツC4)は、重点領域E1に表示されていないものと見做している。また、重点領域E1以外の非重点領域において、コンテンツC4及びコンテンツC5が2割以上表示されている。なお、コンテンツC2は、非重点領域において、2割以上表示されているが、重点領域E1にも表示されているので、非重点領域に表示されていないものと見做している。また、非重点領域において、2割未満しか表示されていないコンテンツ(図3のコンテンツC1)は、非重点領域に表示されていないものと見做している。
【0034】
本実施形態では、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に応じて重み付けを行うにあたり、7割以上表示されているコンテンツに10点、2〜7割表示されているコンテンツに5点を与えるものとする。また、本実施形態では、重点領域E1以外の非重点領域に表示されたコンテンツ(図3のコンテンツC4及びコンテンツC5)に対して2.5点を与えるものとする。なお、上記例は一例であり、占有面積の割合の区分や配点等は任意に設定することが可能である。
図3に示す例では、コンテンツC3に10点、コンテンツC2に5点、コンテンツC4及びC5に2.5点が与えられる。
【0035】
ステップS2において、制御部21は、重点領域E1における占有面積の割合に応じて与えられた点数に、各コンテンツの滞在時間(秒)を掛け合わせることで、コンテンツ毎のスコアを算出し、最もスコアの高いコンテンツを最も関心のあるコンテンツとして特定する。なお、各コンテンツの滞在時間に関しては、例えば、10秒未満は0点、10秒以上30秒未満は5点、30秒以上は10点など、区分毎に所定の点数を与えるようにしてもよい。
即ち、制御部21は、特定手段として、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行い、当該重み付けの結果及び滞在時間に基づいてコンテンツを特定する。また、制御部21は、特定手段として、重点領域E1以外の領域(非重点領域)に表示されているコンテンツが重点領域E1に表示されているコンテンツよりも点数が低くなるように重み付けを行い、当該重み付けの結果及び滞在時間に基づいてコンテンツを特定する。
【0036】
次に、制御部21は、ステップS2で特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する(ステップS3)。具体的には、制御部21は、ステップS2で特定されたコンテンツに対して日本語の形態素解析を行い、コンテンツの内容や特徴を示すキーワード若しくは当該キーワードに関連するジャンル(分野)を関心情報として抽出する。なお、コンテンツに対する形態素解析については、公知技術を利用することができる。
即ち、制御部21は、特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段として機能する。
【0037】
次に、制御部21は、ステップS3で抽出された関心情報を、サーバ装置10に送信する(ステップS4)。具体的には、制御部21は、Ajax(Asynchronous JavaScript And XML)の技術を利用して、ステップS3で抽出された関心情報をJavaScriptで捕捉し、当該関心情報をサーバ装置10に非同期で送信する。
その後、サーバ装置10において、制御部11の制御により、ステップS4で送信された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられた広告情報が抽出される。サーバ装置10の記憶部14には、予め関心情報と広告情報とを対応付けしたテーブルが記憶されており、このテーブルを参照することで広告情報が抽出される。例えば、ステップS3で抽出された関心情報が「iPhone(登録商標)」であった場合には、「iPhone」に対応付けられた広告情報が抽出され、「スマートフォン」であった場合には、「スマートフォン」に対応付けられた広告情報が抽出される。そして、制御部11は、抽出された広告情報を、端末装置20に送信する。
【0038】
次に、制御部21は、サーバ装置10から送信された広告情報を非同期に受信する(ステップS5)。
次に、制御部21は、ステップS5で受信された広告情報に基づく広告を、ストリームUIのウェブページの所定の位置に挿入する(ステップS6)。所定の位置は予め設定されており、本実施形態では、ステップS6の処理時に表示部23に表示されている最下方のコンテンツの2つ後に表示される位置に設定されている。即ち、ステップS5で受信された広告情報に基づく広告A1は、図4に示すように、ステップS6の処理時に表示部23に表示されている最下方のコンテンツC5の2つ後に表示される位置(コンテンツC7の1つ前の位置)に挿入される。なお、所定の位置は上記例に限られるものではなく、任意の位置に設定することができる。
即ち、制御部21は、抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツをウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段として機能する。
その後、ユーザのスクロール操作により、各コンテンツが上方に移動することで、広告A1が表示部23に表示されることとなる。
【0039】
[3.効果]
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としての端末装置20は、ストリームUIのウェブページを表示する表示手段(表示部23)に表示されたウェブページ上の各コンテンツの滞在時間を取得する取得手段(制御部21)と、取得手段により取得された滞在時間に基づいて、ユーザが関心のあるコンテンツを特定する特定手段(制御部21)と、特定手段により特定されたコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出する抽出手段(制御部21)と、抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツをウェブページの所定の位置に挿入する挿入手段(制御部21)と、を備える。
従って、本実施形態に係る端末装置20によれば、ストリームUIのウェブページを閲覧する場合であっても、コンテンツ毎に滞在時間を取得することでユーザの関心を精度よく取得することができるので、ユーザに対してページ遷移を経ることなく適切な情報を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る端末装置20は、表示部23における表示領域のうち、ユーザによるタップ操作が多く検出される領域を重点領域E1として設定する設定手段(制御部21)を備え、取得手段は、設定手段により設定された重点領域E1における各コンテンツの滞在時間を取得する。
従って、本実施形態に係る端末装置20によれば、ユーザが関心のあるコンテンツをよく閲覧する領域でユーザの関心を取得するので、表示部23全体を対象に関心を取得する場合と比べ、ユーザの関心を精度よく取得することができ、よりユーザに適した情報を提供することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る端末装置20によれば、特定手段は、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行い、当該重み付けの結果及び滞在時間に基づいてコンテンツを特定する。
従って、本実施形態に係る端末装置20によれば、滞在時間の他に、重点領域E1を占める面積の割合を絡めてユーザの関心を取得するので、複数の視点からユーザの関心を把握することができ、より緻密な観点からユーザに適した情報を選択して提供することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る端末装置20によれば、取得手段は、表示部23における表示領域のうち、設定手段により設定された重点領域E1以外の領域における各コンテンツの滞在時間を取得し、特定手段は、重点領域E1以外の領域に表示されているコンテンツが重点領域E1に表示されているコンテンツよりも点数が低くなるように重み付けを行い、当該重み付けの結果及び滞在時間に基づいてコンテンツを特定する。
従って、本実施形態に係る端末装置20によれば、重点領域E1に表示されているコンテンツのみならず、重点領域E1に表示されていないコンテンツも含めて、ユーザの関心を取得するので、重点領域E1以外でコンテンツを閲覧した場合等様々な可能性を含めてユーザの関心を把握することができ、様々な可能性の中からユーザにより適した情報を選択して提供することができる。
【0043】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、重点領域E1における各コンテンツの滞在時間を取得するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、重点領域E1を設定することなく、表示部23全体における各コンテンツの滞在時間を取得するようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行うようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行わないようにしてもよい。
また、重点領域E1滞在時の各コンテンツの占有面積の割合ではなく、表示部23全体における各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行うようにしてもよい。これは特に、ページデータP1を構成する各コンテンツのサイズが一定ではない場合に有効である。さらに、表示部23全体における各コンテンツの占有面積の割合に基づいて重み付けを行う場合、表示部23の中央部が両端部よりも点数が高くなるように、重み付けを行うようにしてもよい。これは、表示部23の両端部に比べて中央部の方が、関心の度合いが強い確率が高いと考えられるためである。
【0046】
また、上記実施形態では、重点領域E1に表示されていないコンテンツが重点領域E1に表示されているコンテンツよりも点数が低くなるように重み付けを行うようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、重点領域E1に表示されていないコンテンツに対して、重み付けを行わないようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、関心情報に対応付けられた広告情報に基づく広告を、ストリームUIのウェブページの所定の位置に挿入するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、広告情報の代わりに関心情報と関連の深いコンテンツを当該関心情報と対応付けることで、広告の代わりにコンテンツを所定の位置に挿入するようにしてもよい。この場合、更に関心情報を抽出して蓄積していくことで、ユーザにとって関心のあるジャンルのコンテンツを優先して表示させる制御を行うことも可能となる。
【0048】
また、挿入手段により挿入されたコンテンツの滞在時間を更に取得するようにしてもよい。そうすることで、関心のあるコンテンツの中でもより関心の強いコンテンツを特定することができるので、ユーザにとって極めて関心の強いジャンルのコンテンツを提供することができるようになる。
【0049】
また、例えば、ユーザが、関心のないコンテンツに対して当該コンテンツを削除する機能を備えるUIを実装した場合には、当該削除されたコンテンツに対してマイナスの点数を付けるようにしてもよい。このマイナスの点数を集計していくことで、例えば、マイナスの点数が所定値を超えた場合等に、ユーザが関心のないジャンルのコンテンツを表示させないようにする制御を行うことも可能となる。
【0050】
また、上記実施形態では、重点領域E1における各コンテンツの滞在時間に基づいて、ユーザが最も関心のあるコンテンツを特定するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、一度重点領域E1を外れたコンテンツを再度重点領域E1に表示させる、所謂二度見の場合に、滞在時間の加算とは別に、所定の点数を加算する重み付けを行うようにしてもよい。これは、二度見の場合、対象のコンテンツに対する関心の度合いが強いと考えられるためである。
【0051】
また、上記実施形態では、ユーザが最も関心のあるコンテンツを特定するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザが関心のあるコンテンツを複数(例えば、上位2つ等)特定するようにしてもよい。この場合、その複数のコンテンツを解析して、ユーザの関心情報を抽出することとなる。これにより、特に、最も関心のあるコンテンツから抽出された関心情報に対応付けられた広告情報が存在しないような場合に、他に関心のあるコンテンツから抽出された関心情報から広告情報を抽出することができるので、ユーザに対してより確実に適切な情報を提供することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、端末装置20を本発明の情報処理装置として説明したが、サーバ装置10を本発明の情報処理装置とすることも可能である。
この場合、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20の制御部21が取得した各コンテンツの滞在時間を受信することで、本発明の取得手段として機能する。
また、制御部11は、制御部21の代わりに図2のステップS2の処理を行うことで、本発明の特定手段として機能する。
また、制御部11は、制御部21の代わりに図2のステップS3の処理を行うことで、本発明の抽出手段として機能する。例えば、サーバ装置10の記憶部14に、予めコンテンツ毎の形態素解析の結果を記憶しておくことで、当該機能を実現することができる。
また、制御部11は、抽出手段により抽出された関心情報に基づいて、当該関心情報に対応付けられたコンテンツをウェブページの所定の位置に挿入するための情報を、当該コンテンツとともに端末装置20に送信することで、本発明の挿入手段として機能する。
なお、取得手段、特定手段、抽出手段、挿入手段のうちいずれかの機能をサーバ装置10で実現し、残りの機能を端末装置20で実現することも可能である。
【0053】
また、本出願に示す各態様は、方法、プログラムなどとしても把握することができる。方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、例えば、「工程」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめて若しくは随時一部分ずつ実行するよう変更したりすることができる。
【0054】
その他、サーバ装置及び端末装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 通信部
20 端末装置(情報処理装置)
21 制御部(取得手段、特定手段、抽出手段、挿入手段、設定手段)
22 操作部
23 表示部(表示手段)
24 記憶部
25 通信部
図1
図2
図3
図4