(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166239
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】海苔製造機
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20170710BHJP
【FI】
A23L17/60 103Z
A23L17/60 103G
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-219831(P2014-219831)
(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公開番号】特開2016-82949(P2016-82949A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2015年8月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505455417
【氏名又は名称】株式会社イツワ工業
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直人
【審査官】
高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0060972(KR,A)
【文献】
実開昭52−077993(JP,U)
【文献】
特開2004−154053(JP,A)
【文献】
特開平5−123383(JP,A)
【文献】
特開平7−155143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/60
Japio−GPG/FX
G−search
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔簀を搬送装置で搬送する搬送経路上に、抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置、海苔簀洗浄装置を設けた海苔製造機において、
海苔簀洗浄装置は、乾燥海苔の製造を終了した後に、塩素を含有する洗浄薬液を用いて海苔簀を海苔簀が搬送経路を1周回る期間洗浄した後に、電気分解装置で水を電気分解することで生成したアルカリ性の洗浄水を用いて海苔簀の洗浄を海苔簀が搬送経路を1周回る期間行った後に、電気分解装置で水を電気分解することで生成した酸性の洗浄水を用いて海苔簀を海苔簀が搬送経路を1周回る期間洗浄するように構成したことを特徴とする海苔製造機。
【請求項2】
前記海苔簀洗浄装置は、前記酸性の洗浄水を抄製装置に供給して抄製装置とともに海苔簀の洗浄を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の海苔製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔簀を搬送装置で搬送する搬送経路上に、抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置、海苔簀洗浄装置を順に設けた海苔製造機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、養殖した生海苔から矩形板状の乾燥海苔を製造するために海苔製造機が用いられている。
【0003】
この海苔製造機では、複数枚の海苔簀を装着した簀枠を搬送装置で搬送し、その簀枠の搬送経路上に抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置、海苔簀洗浄装置を順に設けている。
【0004】
そして、海苔製造機では、抄製装置で海苔簀の上面に生海苔と水分とからなる海苔生地を所定形状に抄製する。その後、脱水装置で海苔生地を挟圧して海苔生地の脱水を行う。その後、乾燥装置で海苔生地を強制的に乾燥させて乾燥海苔とする。その後、剥離装置で海苔簀から乾燥海苔を剥離する。最後に、海苔簀洗浄装置で海苔簀を塩素を含有する洗浄薬液を用いて洗浄する(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−186465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の海苔製造機にあっては、海苔簀洗浄装置で海苔簀を洗浄する際に使用した塩素を含有する洗浄薬液が海苔簀から完全に除去されずに海苔簀に残留するおそれがある。
【0007】
そして、海苔簀に洗浄薬液が付着していると、海苔簀から落下した洗浄薬液が乾燥海苔に付着してしまい、乾燥海苔の商品価値を低減させてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、海苔簀を搬送装置で搬送する搬送経路上に、抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置、海苔簀洗浄装置を設けた海苔製造機において、海苔簀洗浄装置は、
乾燥海苔の製造を終了した後に、塩素を含有する洗浄薬液を用いて海苔簀を
海苔簀が搬送経路を1周回る期間洗浄した後に、電気分解装置で水を電気分解することで生成したアルカリ性の洗浄水を用いて海苔簀の洗浄を
海苔簀が搬送経路を1周回る期間行った後に、電気分解装置で水を電気分解することで生成した酸性の洗浄水を用いて海苔簀を海苔簀が搬送経路を1周回る期間洗浄するように構成することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記海苔簀洗浄装置は、
前記酸性の洗浄水を抄製装置に供給して抄製装置とともに海苔簀の洗浄を行うように構成することにした。
【発明の効果】
【0012】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明では、海苔簀を搬送装置で搬送する搬送経路上に、抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置、海苔簀洗浄装置を設けた海苔製造機において、海苔簀洗浄装置は、電気分解装置で水を電気分解することで生成した洗浄水を用いて海苔簀の洗浄を行うように構成することにしているために、電気分解した洗浄水で海苔簀を良好に洗浄することができる。
【0014】
特に、塩素を含有する洗浄薬液を用いて海苔簀を洗浄した後に、電気分解装置で水を分解して生成したアルカリ性の洗浄水を用いて海苔簀を洗浄することにした場合には、洗浄薬液に含有される塩素の残留を抑制することができ、乾燥海苔の商品価値を向上させることができる。
【0015】
また、電気分解装置で水を電気分解して、アルカリ性の洗浄水と酸性の洗浄水とを生成し、アルカリ性の洗浄水で海苔簀の洗浄を行うとともに、酸性の洗浄水で抄製装置の洗浄を行うようにした場合には、抄製装置の洗浄をも同時に行うことができる。
【0016】
さらに、搬送装置で海苔簀を搬送している間に、アルカリ性の洗浄水で海苔簀の洗浄を行った後に、酸性の洗浄水で抄製装置とともに海苔簀の洗浄を行うようにした場合には、海苔簀に付着したアルカリ性の洗浄水を酸性の洗浄水で中和することができ、海苔簀に塵等が吸着してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る海苔製造機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、海苔製造機1は、複数枚の海苔簀2を左右横幅方向に並べて着脱自在に装着した簀枠3(
図2参照。)を搬送装置4で搬送する。
【0020】
海苔製造機1は、搬送装置4の搬送経路上に抄製装置5、脱水装置6、乾燥装置7、剥離装置8、海苔簀洗浄装置9を順に配置している。各装置4〜9は、制御装置10で制御される。
【0021】
搬送装置4は、海苔簀2を簀枠3ごと抄製装置5、脱水装置6へと搬送した後に乾燥装置7に受渡し、その後、乾燥装置7から受取って剥離装置8、海苔簀洗浄装置9へと搬送する第1の搬送チェーン11と、第1の搬送チェーン11から受取った海苔簀2を簀枠3ごと乾燥装置7の内部で2往復搬送した後に再び第1の搬送チェーン11に受渡す第2の搬送チェーン12とを有している。
【0022】
そして、海苔製造機1は、搬送装置4によって海苔簀2を搬送経路に沿って搬送していき、抄製装置5で各海苔簀2の上面に生海苔と水分とからなる海苔生地を所定形状に抄製し、その後、脱水装置6で海苔簀2に向けて昇降する脱水スポンジを用いて海苔生地の脱水を行い、その後、乾燥装置7で海苔生地を強制的に乾燥させて乾燥海苔とし、その後、剥離装置8で各海苔簀2から乾燥海苔を剥離し、その後、海苔簀洗浄装置9で各海苔簀2を洗浄して再び抄製装置5に搬送する。これにより、海苔製造機1は、海苔生地から矩形板状の乾燥海苔を連続して製造する。
【0023】
海苔簀洗浄装置9は、
図2に示すように、塩素を含有する洗浄薬液で海苔簀2を洗浄する洗浄薬液供給部13と、電気水で海苔簀2を洗浄する電解水供給部14とで構成している。
【0024】
洗浄薬液供給部13は、洗浄薬液を貯留するタンク15にポンプ16を介して第1ノズル17を接続している。第1ノズル17は、海苔簀2の表面に向けて洗浄薬液を噴霧する。
【0025】
電解水供給部14は、水の供給源18に電気分解装置19を接続し、電気分解装置19のアルカリ性側出口にポンプ20を介して第2ノズル21を接続する一方、電気分解装置19の酸性側出口にポンプ22を介して第3ノズル23を接続している。第2ノズル21は、海苔簀2の表面に向けてアルカリ性の洗浄水を噴霧し、第3ノズル23は、海苔簀2の表面に向けて酸性の洗浄水を噴霧する。
【0026】
また、電解水供給部14は、ポンプ22と第3ノズル23との間に流路切替器24を設け、流路切替器24を介して抄製装置5や脱水装置6に接続している。これにより、酸性の洗浄液を抄製装置5や脱水装置6に供給できるようになっている。なお、海苔製造機1では、酸性の洗浄水を抄製装置5や脱水装置6における海苔簀2の搬送経路よりも上方に供給するように構成しており、供給された酸性の洗浄水が下方に滴下することで、海苔簀2の表面にも酸性の洗浄水を供給できるようにしている。
【0027】
海苔簀洗浄装置9は、以上のように構成しており、海苔簀2の搬送経路の上流側から順に、洗浄薬液を海苔簀2に噴霧する第1ノズル17、アルカリ性の洗浄水を海苔簀2に噴霧する第2ノズル21、酸性の洗浄水を海苔簀2に噴霧する第3ノズル23の順に配置している。
【0028】
そして、海苔簀洗浄装置9は、第1ノズル17から洗浄薬液を海苔簀2に噴霧することで洗浄薬液で海苔簀2を薬液洗浄(消毒)し、その後、第2ノズル21からアルカリ性の洗浄水を海苔簀2に噴霧することでアルカリ性の洗浄水で海苔簀2を洗浄(リンス)し、その後、第3ノズル23から酸性の洗浄水を海苔簀2に噴霧することで酸性の洗浄水で海苔簀2を洗浄(中和)するようにしている。
【0029】
また、海苔簀洗浄装置9は、海苔製造機1での乾燥海苔の製造を終了した後(剥離装置8で全ての海苔簀2から乾燥海苔を剥離した後)に、搬送装置4で海苔簀2を搬送させるとともに脱水装置6を稼働した状態のまま維持し、その状態で、所定期間(たとえば、海苔簀2が搬送経路を1周回る期間)、第1ノズル17から洗浄薬液を海苔簀2に噴霧することで洗浄薬液で海苔簀2を薬液洗浄(消毒)する。これにより、海苔簀2とともに各装置4〜9の海苔簀2と接触する部分(たとえば、脱水装置6の脱水用スポンジ等)も洗浄薬液で洗浄される。その後、所定期間(たとえば、海苔簀2が搬送経路を1周回る期間)、第2ノズル21からアルカリ性の洗浄水を海苔簀2に噴霧することでアルカリ性の洗浄水で海苔簀2を洗浄(リンス)する。これにより、海苔簀2とともに各装置4〜9の海苔簀2と接触する部分もアルカリ性の洗浄水で洗浄される。その後、所定期間(たとえば、海苔簀2が搬送経路を1周回る期間)、第3ノズル23から酸性の洗浄水を海苔簀2に噴霧することで酸性の洗浄水で海苔簀2を洗浄(中和)する。なお、第3ノズル23から酸性の洗浄水を海苔簀2に供給する代わりに、抄製装置5や脱水装置6に酸性の洗浄水を供給して抄製装置5や脱水装置6の内部で海苔簀2に酸性の洗浄水を供給してもよい。これにより、海苔簀2とともに各装置4〜9の海苔簀2と接触する部分も酸性の洗浄水で洗浄される。
【0030】
このように、海苔製造機1では、塩素を含有する洗浄薬液で海苔簀2の消毒を行い、その後、アルカリ性の洗浄水を海苔簀2に供給することで海苔簀2から洗浄薬液を良好に除去させて、海苔簀2に塩素を含有する洗浄薬液が残存するのを防止している。また、その後、酸性の洗浄水を海苔簀2に供給することで海苔簀2の表面を中和させて、海苔簀2に塵等が付着するのを防止している。
【0031】
以上に説明したように、上記海苔製造機1は、電気分解装置19で水を電気分解することで生成した洗浄水を用いて海苔簀2の洗浄を行うように構成している。
【0032】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、電気分解した洗浄水で海苔簀2を良好に洗浄することができる。
【0033】
また、上記海苔製造機1は、塩素を含有する洗浄薬液を用いて海苔簀2を洗浄した後に、電気分解装置19で水を分解して生成したアルカリ性の洗浄水を用いて海苔簀2を洗浄するように構成している。
【0034】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、洗浄薬液に含有される塩素の残留を抑制することができ、乾燥海苔の商品価値を向上させることができる。
【0035】
また、上記海苔製造機1は、電気分解装置19で水を電気分解して、アルカリ性の洗浄水と酸性の洗浄水とを生成し、アルカリ性の洗浄水で海苔簀2の洗浄を行うとともに、酸性の洗浄水で抄製装置5の洗浄を行うように構成している。
【0036】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、海苔簀2の洗浄とともに抄製装置5の洗浄をも同時に行うことができる。
【0037】
さらに、上記海苔製造機1は、搬送装置4で海苔簀2を搬送している間に、アルカリ性の洗浄水で海苔簀2の洗浄を行った後に、酸性の洗浄水で抄製装置5とともに海苔簀2の洗浄を行うように構成している。
【0038】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、海苔簀2に付着したアルカリ性の洗浄水を酸性の洗浄水で中和することができ、海苔簀2に塵等が吸着してしまうのを防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 海苔製造機 2 海苔簀
3 簀枠 4 搬送装置
5 抄製装置 6 脱水装置
7 乾燥装置 8 剥離装置
9 海苔簀洗浄装置 10 制御装置
11 第1の搬送チェーン 12 第2の搬送チェーン
13 洗浄薬液供給部 14 電解水供給部
15 タンク 16 ポンプ
17 第1ノズル 18 供給源
19 電気分解装置 20 ポンプ
21 第2ノズル 22 ポンプ
23 第3ノズル 24 流路切替器