特許第6166254号(P6166254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166254プロジェクト共有のためのシステム、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータ実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166254
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】プロジェクト共有のためのシステム、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータ実装方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20170710BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   G06F12/00 533F
   G06F12/00 520E
   G06F12/00 537M
   G06F17/30 220B
   G06F17/30 120A
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-504025(P2014-504025)
(86)(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公表番号】特表2014-517949(P2014-517949A)
(43)【公表日】2014年7月24日
(86)【国際出願番号】US2012032535
(87)【国際公開番号】WO2012139008
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年1月29日
(31)【優先権主張番号】61/473,544
(32)【優先日】2011年4月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513247950
【氏名又は名称】リープマン,アンドリュー
【氏名又は名称原語表記】LIEBMAN,Andrew
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リープマン,アンドリュー
【審査官】 小林 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−078535(JP,A)
【文献】 特開2000−250799(JP,A)
【文献】 特開2007−011844(JP,A)
【文献】 特開2010−079444(JP,A)
【文献】 特開2008−159001(JP,A)
【文献】 特表2002−507099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0184673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納されたメタデータであって、非線形ビデオ編集プロジェクトの一部を定義する、メタデータと、
非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納された前記メタデータに対する権限であって、前記権限により、1人または複数のエディタユーザのグループは、前記メタデータを読み取ることができ、前記メタデータの所有者のみが、前記メタデータを修正または削除することができる、権限と、
少なくとも1つのプロセッサを使用して、エディタではないサーバユーザと前記メタデータの所有権の譲渡をやり取りすることによって、前記メタデータへの書き込みアクセスを制御するよう構成されたサーバデバイスであって、前記メタデータの所有権の譲渡は、前記メタデータのコピーまたはバージョンの作成、および前記メタデータの場所の移動を含まない、サーバデバイスと、
を備えるコンピュータ実装プロジェクト共有システムにおいて、
前記1人または複数のエディタユーザのうちの第1のエディタユーザが前記メタデータの所有権を有する場合、前記サーバユーザに前記メタデータの所有権を譲渡するように前記サーバデバイスに命令することによって、前記第1のエディタユーザが前記メタデータの所有権を放棄できるようになり、前記メタデータの所有権のない前記1人または複数のエディタユーザの各々が前記メタデータの所有権を譲渡するように前記サーバデバイスに命令できないようになり、
前記サーバユーザが前記メタデータの所有権を有する場合、前記サーバユーザから前記1人または複数のエディタユーザのうちの何れか1人に前記メタデータの所有権を譲渡するように前記サーバデバイスに命令することによって、前記1人または複数のエディタユーザのうちのその人物が前記メタデータの所有権を引き継げるようになることを特徴とするコンピュータ実装プロジェクト共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記メタデータは、ディレクトリに格納されたファイルに格納され、前記メタデータに対する前記権限は、前記ディレクトリの所有者に前記ディレクトリ内のファイルの削除、名前の変更、または移動を許可するディレクトリレベルの権限と、前記ファイルの所有者のみに前記ディレクトリ内のファイルの変更、名前の変更、移動、および/または削除を許可するファイルレベルの権限とを含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記ディレクトリレベルの権限は、スティッキービットを含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記メタデータは、データベースの1つまたは複数のデータベースエントリに格納されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読デバイス上に格納される命令をさらに含み、少なくとも1つのプロセッサによる前記命令の実行により、少なくとも1つのプレゼンテーションデバイス上にグラフィカルユーザインターフェースが提示され、前記グラフィカルユーザインターフェースにより、前記メタデータの所有権を譲渡するという命令を前記サーバデバイスに送信できるようにすることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記グラフィカルユーザインターフェースは、前記メタデータの現状インジケータを備え、前記現状インジケータは、前記1人または複数のエディタユーザのうちの1人に、前記メタデータがチェックアウトに対して現在利用可能であること、前記1人もしくは複数のエディタユーザのうちのその人物によって現在チェックアウトされていること、または、前記1人もしくは複数のエディタユーザのうちの異なる人物によって現在チェックアウトされていることを表示することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記サーバデバイスは、Linuxベース、UnixベースまたはUnixのようなオペレーティングシステム上で実行することを特徴とするシステム。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサを使用して、非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納されたメタデータに対して権限を設定するステップであって、前記権限により、1人または複数のエディタユーザのグループは、前記メタデータを読み取ることができ、前記メタデータの所有者のみが、前記メタデータを修正または削除することができるようになる、ステップと、
少なくとも1つのプロセッサを使用して、少なくとも1つの入力デバイスを通じて命令を受信すると同時に、エディタではないサーバユーザと前記メタデータの所有権の譲渡をやり取りすることによって前記メタデータへの書き込みアクセスを制御するステップであって、前記メタデータの所有権の譲渡は、前記メタデータのコピーまたはバージョンの作成、および前記メタデータの場所の移動を含まない、ステップと
を含むコンピュータ実装方法において、
前記1人または複数のエディタユーザのうちの第1のエディタユーザが前記メタデータの所有権を有する場合、前記サーバユーザに前記メタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令することによって、前記第1のエディタユーザが前記メタデータの所有権を放棄できるようになり、前記メタデータの所有権のない前記1人または複数のエディタユーザの各々が前記メタデータの所有権を譲渡するように前記サーバデバイスに命令できないようになり、
前記サーバユーザが前記メタデータの所有権を有する場合、前記サーバユーザから前記1人または複数のエディタユーザのうちの何れか1人に前記メタデータの所有権を譲渡するように前記サーバデバイスに命令することによって、前記1人または複数のエディタユーザのうちのその人物が前記メタデータの所有権を引き継げるようになることを特徴とするコンピュータ実装方法。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1のエディタユーザが前記メタデータの所有権を有し、
少なくとも1つの入力デバイスを通じて、前記第1のエディタユーザから前記メタデータの所有権を放棄するという命令を受信するステップと、
前記受信した命令に基づいて、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記第1のエディタユーザから前記サーバユーザに前記メタデータの所有権を譲渡するステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載のコンピュータ実装方法において、前記サーバユーザが前記メタデータの所有権を有し、
少なくとも1つの入力デバイスを通じて、前記1人または複数のエディタユーザのうちの1人から前記メタデータの所有権を引き継ぐという命令を受信するステップと、
前記受信した命令に基づいて、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記サーバユーザから前記1人または複数のエディタユーザのうちの1人に前記メタデータの所有権を譲渡するステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載のコンピュータ実装方法において、前記メタデータは、ディレクトリに格納されたファイルに格納され、前記メタデータに対する前記権限は、ディレクトリレベルの権限と、ファイルレベルの権限とを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータ実装方法において、前記ディレクトリレベルの権限は、スティッキービットを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8に記載のコンピュータ実装方法において、前記メタデータは、データベースの1つまたは複数のデータベースエントリに格納されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8に記載のコンピュータ実装方法において、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読デバイス上に格納される命令をさらに含み、少なくとも1つのプロセッサによる前記命令の実行により、少なくとも1つのプレゼンテーションデバイス上にグラフィカルユーザインターフェースが提示されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータ実装方法において、前記グラフィカルユーザインターフェースは、前記メタデータの現状インジケータを備え、前記現状インジケータは、前記1人または複数のエディタユーザのうちの1人に、前記メタデータがチェックアウトに対して現在利用可能であること、前記1人もしくは複数のエディタユーザのうちのその人物によって現在チェックアウトされていること、または、前記1人もしくは複数のエディタユーザのうちの異なる人物によって現在チェックアウトされていることを表示することを特徴とする方法。
【請求項16】
非線形ビデオ編集プログラムの第1のエディタユーザに対し、対話型電子情報スクリーンを表示する方法において、前記第1のエディタユーザは、複数のメタデータを含む非線形ビデオ編集(NLE)プロジェクトに割り当てられ、前記情報スクリーンが、 前記非線形ビデオ編集プロジェクトを定義する前記複数のメタデータを表す複数のメタデータインジケータであって、前記複数のメタデータの各メタデータは、前記NLEプロジェクトに割り当てられたエディタを表すエディタユーザまたは前記NLEプロジェクトに割り当てられたエディタを表さないサーバユーザの何れかが所有する、複数のメタデータインジケータと、
前記複数のメタデータの各メタデータに対する関連状態インジケータであって、前記サーバユーザによる前記メタデータのものを表示する第1の状態インジケータ、前記第1のエディタユーザによる前記メタデータの所有権を表示する第2の状態インジケータ、および、前記第1のエディタユーザではないエディタユーザによる前記メタデータの所有権を表示する第3の状態インジケータからなる群から選択される、関連状態インジケータと、
を備え、前記第1のエディタユーザは、前記複数のメタデータのうちの前記第1のエディタユーザが所有する前記メタデータにのみ、書き込みアクセスの権限が与えられ、
前記第1の状態インジケータおよび前記第2の状態インジケータは、各々が選択可能であり、
前記情報スクリーンに含まれる各第1の状態インジケータに対し、前記第1の状態インジケータの選択により、サーバデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記選択された第1のインジケータと関連付けられた前記メタデータの所有権を前記第1のエディタユーザから前記サーバユーザに譲渡し、前記メタデータの所有権の譲渡は、前記メタデータのコピーまたはバージョンの作成、および前記メタデータの場所の移動を含まないことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記情報スクリーンに含まれる各第2の状態インジケータに対し、前記第2の状態インジケータの選択により、サーバデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記選択された第2のインジケータと関連付けられた前記メタデータの所有権を前記サーバユーザから前記第1のエディタユーザに譲渡することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、さらに、前記複数のメタデータの各メタデータに対し、前記第1の状態インジケータは、前記第1のエディタユーザが前記メタデータを所有し、前記メタデータをチェックアウトしたことを表示し、前記第2の状態インジケータは、前記第1のエディタユーザが前記メタデータを所有せず、前記メタデータをチェックアウトできることを表示し、前記第3の状態インジケータは、前記第1のエディタユーザが前記メタデータを所有せず、前記メタデータをチェックアウトできないことを表示することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月8日に出願された同時係属の米国特許仮出願第61/473,544号明細書の優先権および利益を主張し、すべての対象物は、両出願に共通である。前記仮出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、共有されるプロジェクトに対する複数のユーザ間での協調を可能にするプロジェクト共有システムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、非線形ビデオ編集プロジェクト用のメタデータのビンファイル、プロジェクトファイルおよび他の集合体のロックに関する。
【背景技術】
【0003】
非線形ビデオ編集プロジェクトを共有するための既存のプロジェクト共有コンピュータシステムでは、メタデータ(例えば、クリップ、サブクリップなどの参照)を含むファイルまたはビンは、様々なユーザ間で共有され、パーソナルコンピュータ上など、ユーザクライアントを介してユーザがアクセス可能なセントラルサーバ上に位置する。そのようなシステムの一部は、あるユーザが別のユーザの変更を上書きすることに対していかなる種類の保護も提供しない。例えば、そのようなシステムの一部では、2人のユーザが同時に同じビンまたはプロジェクトファイルを開く場合、両ユーザに書き込みアクセスを提供することができ、その結果、ディスクに最終的にコミットされるバージョンは、最後に保存されたものである。
【0004】
他のファイル共有システムは、各ユーザ用のユーザフォルダを作成し、次いで、ファイルが存在する特定のユーザフォルダに基づいてファイルの所有権と権限の両方を自動的に設定する。ファイルへのアクセスに対するこの種の制御を提供することにより、各ユーザは、明らかにそのユーザに属するファイルを容易に読み取ったり書き込んだりすると同時に、ユーザが他のユーザのユーザフォルダや対応するコンテンツへの書き込みアクセスを受け取るのを妨げることができる。
【0005】
しかし、そのようなシステムは、いくつかの欠点に悩まされる。そのようなシステムのビンまたはプロジェクトファイル編成の全般的な明確性は、適正な権限は多くのビンおよびプロジェクトファイルからなるプロジェクトがユーザ間で分散される場合にのみ得られるという事実により妨げられる。ファイルの適正な権限を得ることは、フォルダからフォルダへ絶え間なくファイルを移動する動作を伴い、それにより、特定のファイルの追跡または位置付けが難しくなる恐れがある。これは、プロジェクトに取り組むユーザの数が増加する場合に特に当てはまる。例えば、20人のユーザによって作業が行われている特定のプロジェクトのファイルを探しているユーザは、所望のファイルを特定する前に、19の異なるユーザフォルダを検索する必要がある可能性がある。
【0006】
その上、多くの異なるフォルダにわたる単一プロジェクトのファイルの分散を考慮すると、単一プロジェクトと関連付けられたすべてのファイルの便利で包括的な単一の画面ビューを提供することは難しい。これにより、プロジェクトの管理およびそれらの進歩の追跡が難しくなる恐れがある。また、それは、プロジェクトに取り組む様々なユーザ間の作業の分割を素早く見て、例えば、管理上の目的のため、彼らの相対的な作業負荷を比較する能力を妨げる。
【0007】
大きな困難は、単一セットのファイルの作業を行う複数のユーザ間での独占的な書き込みアクセス権の便利な譲渡を可能にする方法で、所有権と権限の両方を自動的に割り当てる際に存在する。他の試みは、ファイルのコピーを作成する動作を伴い、それにより、計算コストが高くなる恐れがある。さらに、他の試みは、複雑なリンク構造を作成する動作を伴うが、これは、ファイルが移動または更新された場合にリンク切れのリスクをもたらす恐れがある。どの既存のシステムも、本明細書に記載される様々な所望の特徴の容易な自動化は不可能である。
【発明の概要】
【0008】
ビンおよびプロジェクトファイルならびにファイルが属する特定の関連ユーザに関連する情報を容易に位置付けして包括的に見ることができる集中型ディレクトリ構造を維持しながら、ファイルへのアクセス権に対する自動制御を提供するプロジェクト共有システムが必要である。本発明は、このおよび他の必要性に対処するため、そして、それに加えて、本明細書を読み進める際に当業者が理解できる他の所望の特性を有するためのさらなる解決策に向けて進められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な実施形態によれば、コンピュータ実装プロジェクト共有システムは、非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納されたメタデータを含む。メタデータは、非線形ビデオ編集プロジェクトの一部を定義することができる。メタデータに対する権限は、非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納することができ、権限により、1人または複数のエディタユーザのグループは、メタデータを読み取ることができ、メタデータの所有者のみが、メタデータを修正または削除することができる。サーバデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、エディタではないサーバユーザとメタデータの所有権の譲渡をやり取りすることによって、メタデータへの書き込みアクセスを制御するよう構成することができる。1人または複数のエディタユーザのうちの第1のエディタユーザがメタデータの所有権を有する場合、サーバユーザにメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令することによって、第1のエディタユーザがメタデータの所有権を放棄できるようにすることができ、メタデータの所有権のない1人または複数のエディタユーザの各々がメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令できないようにすることができる。サーバユーザがメタデータの所有権を有する場合、サーバユーザから1人または複数のエディタユーザのうちの何れか1人にメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令することによって、1人または複数のエディタユーザのうちのその人物がメタデータの所有権を引き継げるようにすることができる。
【0010】
本発明の例示的な態様によれば、メタデータは、ディレクトリに格納されたファイルに格納することができ、メタデータに対する権限は、ディレクトリレベルの権限と、ファイルレベルの権限とを含み得る。ディレクトリレベルの権限は、スティッキービットを含み得る。その代替としてまたはそれに加えて、メタデータは、データベースの1つまたは複数のデータベースエントリに格納することができる。命令は、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読デバイス上に格納することができ、少なくとも1つのプロセッサによる命令の実行により、少なくとも1つのプレゼンテーションデバイス上にグラフィカルユーザインターフェースを提示することができる。グラフィカルユーザインターフェースにより、メタデータの所有権を譲渡するという命令をサーバデバイスに送信できるようにすることができる。グラフィカルユーザインターフェースは、メタデータの現状インジケータを含み得、現状インジケータは、1人または複数のエディタユーザのうちの1人に、メタデータがチェックアウトに対して現在利用可能であること、1人もしくは複数のエディタユーザのうちのその人物によって現在チェックアウトされていること、または、1人もしくは複数のエディタユーザのうちの異なる人物によって現在チェックアウトされていることを表示することができる。サーバデバイスは、Linuxベース、UnixベースまたはUnixのようなオペレーティングシステム上で実行することができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、コンピュータ実装方法が提供される。権限は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、非一時的なコンピュータ可読記憶装置に格納されたメタデータに対して設定することができる。権限により、1人または複数のエディタユーザのグループは、メタデータを読み取ることができ、メタデータの所有者のみが、メタデータを修正または削除することができる。メタデータへの書き込みアクセスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、少なくとも1つの入力デバイスを通じて命令を受信すると同時に、エディタではないサーバユーザとメタデータの所有権の譲渡をやり取りすることによって制御することができる。1人または複数のエディタユーザのうちの第1のエディタユーザがメタデータの所有権を有する場合、サーバユーザにメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令することによって、第1のエディタユーザがメタデータの所有権を放棄できるようにすることができ、メタデータの所有権のない1人または複数のエディタユーザの各々がメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令できないようにすることができる。サーバユーザがメタデータの所有権を有する場合、サーバユーザから1人または複数のエディタユーザのうちの何れか1人にメタデータの所有権を譲渡するようにサーバデバイスに命令することによって、1人または複数のエディタユーザのうちのその人物がメタデータの所有権を引き継げるようにすることができる。
【0012】
本発明の例示的な態様によれば、コンピュータ実装方法において、第1のユーザがメタデータの所有権を有することができ、本方法は、少なくとも1つの入力デバイスを通じて、第1のユーザエディタからメタデータの所有権を放棄するという命令を受信するステップをさらに含み得る。それに加えて、受信した命令に基づいて、メタデータの所有権は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、第1のユーザからサーバユーザに譲渡することができる。その上、サーバユーザがメタデータの所有権を有することができ、本方法は、少なくとも1つの入力デバイスを通じて、1人または複数のユーザエディタのうちの1人からメタデータの所有権を引き継ぐという命令を受信するステップをさらに含み得る。それに加えて、受信した命令に基づいて、メタデータの所有権は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、サーバユーザから1人または複数のユーザエディタのうちの1人に譲渡することができる。メタデータは、ディレクトリに格納されたファイルに格納することができ、メタデータに対する権限は、ディレクトリレベルの権限と、ファイルレベルの権限とを含む。ディレクトリレベルの権限は、スティッキービットを含み得る。メタデータは、データベースの1つまたは複数のデータベースエントリに格納することができる。命令は、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読デバイス上に格納することができ、少なくとも1つのプロセッサによる命令の実行により、少なくとも1つのプレゼンテーションデバイス上にグラフィカルユーザインターフェースを提示することができる。グラフィカルユーザインターフェースは、メタデータの現状インジケータを含み得、現状インジケータは、1人または複数のエディタユーザのうちの1人に、メタデータがチェックアウトに対して現在利用可能であること、1人もしくは複数のエディタユーザのうちのその人物によって現在チェックアウトされていること、または、1人もしくは複数のエディタユーザのうちの異なる人物によって現在チェックアウトされていることを表示することができる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態によれば、非線形ビデオ編集プログラムの少なくとも第1のエディタユーザに対して対話型電子情報ディスプレイが提供される。第1のエディタは、複数のメタデータを含む非線形ビデオ編集(NLE)プロジェクトに割り当てられる。対話型ディスプレイは、非線形ビデオ編集プロジェクトを定義する複数のメタデータを表す複数のメタデータインジケータを含む。複数のメタデータの各メタデータは、NLEプロジェクトに割り当てられたエディタを表すエディタユーザまたはNLEプロジェクトに割り当てられたエディタを表さないサーバユーザが所有することができる。複数のメタデータの各メタデータに対し、関連状態インジケータは、対話型ディスプレイに含めることができる。関連状態インジケータは、サーバユーザによるメタデータのものを表示する第1の状態インジケータ、第1のエディタユーザによるメタデータの所有権を表示する第2の状態インジケータ、および、第1のエディタユーザではないエディタユーザによるメタデータの所有権を表示する第3の状態インジケータからなる群から選択することができる。
【0014】
本発明の例示的な態様によれば、第1のエディタユーザは、複数のメタデータのうちの第1のエディタが所有するメタデータにのみ、書き込みアクセスの権限が与えられ得る。第1の状態インジケータおよび第2の状態インジケータは、各々が選択可能であり得る。ディスプレイに含まれる各第1の状態インジケータに対し、第1の状態インジケータの選択により、サーバデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、選択された第1のインジケータと関連付けられたメタデータの所有権を第1のユーザからサーバユーザに譲渡することができる。ディスプレイに含まれる各第2の状態インジケータに対し、第2の状態インジケータの選択により、サーバデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、選択された第2のインジケータと関連付けられたメタデータの所有権をサーバユーザから第1のユーザに譲渡することができる。複数のメタデータの各メタデータに対し、第1の状態インジケータは、第1のユーザエディタがメタデータを所有し、メタデータをチェックアウトしたことを表示することができ、第2の状態インジケータは、第1のエディタユーザがメタデータを所有せず、メタデータをチェックアウトできることを表示することができ、第3の状態インジケータは、第1のエディタユーザがメタデータを所有せず、メタデータをチェックアウトできないことを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明のこれらのおよび他の特性は、添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より完全に理解されよう。
【0016】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による、複数のエディタユーザ間で所有権を譲渡することによって独占的な書き込みアクセスを制御するためのシステムの説明図である。
図2図2は、本発明の例示的な態様による、NLEプログラムの環境内で実行中の例示的なユーザクライアントを含むエディタユーザのディスプレイを描写するスクリーンショットである。
図3A図3Aは、本発明の例示的な態様による、エディタユーザ「jeff」による動作の前の図2のユーザクライアントのスクリーンショットである。
図3B図3Bは、本発明の例示的な態様による、エディタユーザ「jeff」による動作の後の図3Bのユーザクライアントのスクリーンショットである。
図4A図4Aは、本発明の例示的な態様による、別のエディタユーザ「jane」による動作の前のユーザクライアントのスクリーンショットである。
図4B図4Bは、本発明の例示的な態様による、別のエディタユーザ「jane」による動作の後の図4Aのユーザクライアントのスクリーンショットである。
図5A図5Aは、本発明の例示的な実施形態による、エディタユーザがファイルの所有権を引き継げるようにするための方法を描写するフローチャートである。
図5B図5Bは、本発明の例示的な実施形態による、エディタユーザがファイルの所有権を放棄できるようにするための方法を描写するフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態を実装するための例示的なコンピューティングデバイスを描写する説明図である。
図7図7は、本発明の例示的な態様による、エディタユーザjeffが書き込みアクセスの受け取りやファイル「Act_2.fcp」のチェックアウトを要求する前に例示的なサーバ上で見られる、ディレクトリ「demo1」およびその中に含まれるファイルに対する例示的な所有権および権限のスクリーンショットである。
図8図8は、本発明の例示的な態様による、エディタユーザjeffが書き込みアクセスやファイル「Act_2.fcp」の所有権の受け取りを要求した後に例示的なサーバ上で見られる、ディレクトリ「demo1」およびその中に含まれるそのファイルに対する図7の例示的な所有権および権限のスクリーンショットである。
図9図9は、本発明の例示的な態様による、すべてのファイルは本明細書では「editshare」と呼ばれるサーバユーザが所有する例示的なサーバ上で見られる、ディレクトリ「Rushes」およびその中に含まれるそのファイルに対する例示的な所有権および権限のスクリーンショットである。
図10図10は、本発明の例示的な態様による、エディタユーザ「jane」がファイル「Rushes_1.fcp」への書き込みアクセスの受け取りを要求し、ファイルの所有権を受け取った後に例示的なサーバ上で見られる、ディレクトリ「Rushes」およびその中に含まれるそのファイルに対する図9の例示的な所有権および権限のスクリーンショットである。
図11図11は、本発明の例示的な実施形態による、データベースに格納されたメタデータに対して実装された様々なメタデータ状態インジケータを含むブラウザウィンドウのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の例示的な実施形態は、非線形ビデオ編集プログラム(例えば、Avid、Final Cut Proなど)上でプロジェクトのいくつかまたはすべてを形成するメタデータの共有およびロックを可能にするためのコンピュータ実装方法、コンピュータ実装システムおよびコンピュータ可読記憶媒体に関する。例示的な実施形態では、システムは、様々なエディタユーザ(すなわち、共有された非線形ビデオ編集プロジェクトに対する共同作業を行うヒューマンエディタ)間でメタデータの所有権を譲渡することによってメタデータの書き込みアクセスを制御するよう構成される。とりわけ、システムは、本明細書では「サーバユーザ」と呼ばれる「中間体」を通じて、様々なエディタユーザ間で所有権を譲渡する。サーバユーザは、サーバなどのコンピュータデバイスによって制御することができる。サーバユーザは、システムにおいて、非線形ビデオ編集プロジェクトに割り当てられたヒューマンエディタの何れも表さない。メタデータの所有権の譲渡は、エディタユーザが着手することができる。より具体的には、例示的な実施形態では、各エディタユーザは、(a)サーバユーザが所有するメタデータの所有権を引き継ぐこと、および、(b)彼または彼女が所有するメタデータの所有権をサーバユーザに放棄することができる。その上、例示的な実施形態では、メタデータの所有者にのみ、そのメタデータを修正する権限が与えられる。それに従って、サーバユーザは、エディタユーザ間で所有権の譲渡地点を提供し、それを通じて、エディタは、不要なメタデータのコピーおよび同様のものを作成することなく、メタデータの集合体の書き込みアクセスを安全に譲渡することができる。
【0018】
したがって、所有権譲渡を使用して、NLEプロジェクトに割り当てられたエディタユーザがメタデータへの独占的な書き込みアクセスを引き継げるようにおよび委譲できるようにする際、本発明のシステムは、メタデータのコピーまたはバージョンの作成を必要とせず、かつ、メタデータ(または、それらが含まれるファイル、データベースオブジェクトなど)の場所の移動を必要としない「チェックイン」および「チェックアウト」システムを提供する。その上、従来のチェックイン・チェックアウトシステムとは異なり、本発明の実施形態は、いかなるエディタユーザによってもチェックアウトされていないメタデータ用の非常に便利で計算コストが低い「中立基盤」、すなわち、サーバユーザを提供する。実際には、本発明の実施形態によるシステムでは、メタデータは、エディタユーザがサーバユーザにメタデータの所有権を委譲する際に「チェックイン」される。サーバユーザが所有するメタデータは、サーバユーザからメタデータの所有権を取り上げることによってエディタユーザがメタデータの所有権を引き継ぐ際に「チェックアウト」される。メタデータをチェックアウトしたエディタユーザのみが、メタデータを修正したり、変更を保存したりすることができる。これにより、他のエディタユーザによる上書きのリスクなしで、エディタユーザが、作業を行っているNLEプロジェクトの部分を安全に編集することが可能になる。したがって、例示的な実施形態は、ファイルを移動する必要も、ファイルのコピーを作成する必要も、手動で権限を割り当てさせる必要もなく、便利なファイル共有を可能にするシステムを提供することができる。
【0019】
それに従って、メタデータへの権限は、複数の異なるエディタユーザに、所有しているメタデータへの独占的な書き込みアクセスを提供するように割り当てることができる。その上、この種の権限構造は、複数の異なるエディタユーザがそのコンテンツ(例えば、メタデータを含むファイル、メタデータを含むデータベースエントリなど)所有するディレクトリ内に新しいメタデータを作成するというエディタユーザの能力の何れも犠牲にすることなく、エディタユーザに提供することができる。例えば、Unixのようなオペレーティングシステムを利用し、メタデータがディレクトリ構造のファイルに格納される、本発明の実施形態によるシステムでは、少なくとも1つのNLEプロジェクトを定義するメタデータを含むファイルの所有権を有するエディタユーザには、所有するファイルへのファイルレベルでの書き込みアクセスを提供することができる。その上、1人または複数のエディタユーザは所有しないが、ファイルの1人または複数のエディタユーザによる読み取り権限が望まれるいかなるファイルに対しても、それらの1人または複数のエディタユーザには(例えば、メタデータが属するNLEプロジェクトに割り当てられているという理由で)、ファイルレベルでのファイルへの読み取りアクセスおよびディレクトリレベルでのファイルへの書き込みアクセスを提供することができる(例えば、本明細書を読み進める際に当業者によって理解されるように、読み取り・書き込みアクセスを用いて「グループクラス」を定義し、そのような1人または複数のエディタユーザをグループクラスに含めることによって)。その上、そのような例示的な実施形態では、NLEプロジェクトをさらに定義するかまたはNLEプロジェクトに貢献するメタデータを含む新しいファイルをディレクトリに作成するために依然として他のエディタユーザにそのディレクトリへの書き込みアクセスの権限が与えられる一方で、ディレクトリの各ファイルの所有者のみがファイルに対するディレクトリレベルの書き込み権限(例えば、そのファイルの名前の変更、削除および移動)を行使できることを保証するため、いかなるそのようなディレクトリ(エディタユーザに書き込みアクセスが提供される)にもスティッキービットを適用することができる。このように、NLEプロジェクトを定義するメタデータがファイルに格納されるそのような実施形態では、メタデータへの独占的な書き込みアクセスは、メタデータを含むファイルに対して具体的に割り当てられたファイルレベルの権限およびディレクトリレベルの権限の使用を通じて、システムによって制御することができる。
【0020】
その上、メタデータのすべての所有権および現状は、単一ビューで各ユーザに便利に提示することができる。例えば、各エディタユーザには、メタデータの各グループ分け(例えば、メタデータを含む各ファイルなど)が(a)そのユーザによってチェックアウトされているか、(b)別のエディタユーザによってチェックアウトされているか、または、(c)チェックアウトに対して利用可能であるかを表示するインジケータを提供することができる。これにより、ユーザは、単一ウィンドウ内で単一のNLEプロジェクトを形成するすべてのメタデータの所有権および現状を容易に便利に見ることができるようになる。
【0021】
ここで、特にメタデータを含むファイルに、所有権(および独占的な書き込みアクセス)を譲渡することによって、メタデータロックシステムが実装される例示的な実施形態について説明する。例えば、そのようなファイルは、AvidのようなNLEソフトウェアによって生成されるビンファイル、Final Cut Pro(例えば、.fcpファイル)のようなNLEソフトウェアによって生成される「モノリシック」プロジェクトファイルおよび同様のものを含み得る。しかし、本発明は、本明細書で詳細に説明されるこれらの例示的な実施形態に限定されない。本明細書に記載されるファイルの所有権を譲渡するためのシステムは、メタデータが格納される他の適切ないかなるメカニズムやフォーマットにも同様に適用することができることを理解されたい。例えば、本明細書でさらに詳細に説明される代替の一実施形態では、メタデータはデータベースオブジェクトに格納され、したがって、メタデータへの権限はメタデータの個々のレベルでの操作が可能である。当業者であれば、「サーバユーザ」の中間体を通じて複数のエディタユーザ間で所有権の譲渡および独占的な書き込みアクセスの譲渡の権限を与えるメタデータを格納するための他の形式やメカニズムもさらに理解されよう。
【0022】
本明細書の「メタデータ」は、複数のメタデータと個々のメタデータの両方(例えば、単数形の使用と複数形の使用の両方)を指すことを理解されたい。本発明は、複数のメタデータまたは個々のメタデータの何れかへの新規メタデータロックスキームの特定の応用に限定されない。むしろ、メタデータのグループおよび個々のメタデータの所有権(例えば、ファイル、データベースエントリなどにグループでまたは個別に格納された)は、本発明の実施形態とともに本明細書で利用することができる。
【0023】
図1〜11は、本発明によるメタデータを共有するためのシステムの例示的な実施形態を示し、図面全体を通して同様の部品は同様の参照番号で指定される。本発明は図に示される例示的な実施形態を参照して説明されるが、多くの代替の形態が本発明を具体化できることを理解されたい。それに加えて、当業者であれば、依然として本発明の精神および範囲に沿うように、開示される実施形態のパラメータを変更する異なる方法も理解されよう。
【0024】
図1は、本明細書で詳細に説明される本発明の機能と、それに加えて、本明細書を読み進める際に当業者が容易に理解できる他の機能とを可能にするための例示的なコンピュータ実装システム100を描写する。システム100は、権限モジュール110と、サーバユーザ112と、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)ジェネレータ114とを含む。また、システム100は、本明細書では「NLEプロジェクト」と呼ばれる1つまたは複数の非線形ビデオ編集プロジェクトを定義するメタデータを含む1つまたは複数のファイル118を含み得る少なくとも1つのディレクトリ116も含む。各ディレクトリ116は、権限モジュール110によってディレクトリに割り当てられる1つまたは複数の権限120を有し得る。同様に、メタデータを含むファイル118の各々は、権限モジュール110によってファイルに割り当てられる1つまたは複数の権限122を有し得る。そのように、ファイル118に対する権限は、NLEプロジェクトを定義するメタデータに対する権限を決定する。
【0025】
システム100は、1つまたは複数のユーザクライアント128と結合され、1つまたは複数のユーザクライアント128の各々は、ディレクトリ116に含まれるNLEプロジェクトの作業を行うように割り当てられたエディタユーザ124によって操作される。1つまたは複数のユーザクライアント128は、システム100に直接接続することができる。あるいは、1つまたは複数のユーザクライアント128は、Ethernet接続、インターネット上の接続および他の任意の公知のネットワーク接続を含む、任意の適切な通信ネットワーク接続(図示せず)を使用して、システム100に接続することができる。
【0026】
GUIジェネレータ114は図1の例示的な実施形態のシステム100のコンポーネントであるが、本発明の他の例示的な実施形態では、その代替として、GUIジェネレータ114は、各ユーザクライアント128上に位置する。
【0027】
1人または複数のエディタユーザ124は、ディレクトリ116と関連付けられるユーザグループ126を形成する。ユーザグループ126は、ディレクトリ116への特定のグループレベルの権限を有し得る。例えば、例示的な実施形態では、ユーザグループ126は、当業者によって理解されるように、権限の「グループクラス」を定義する。場合により、サーバユーザ112は、本明細書を読み進める際に当業者によって理解されるように、ユーザグループ126のメンバーであり得る。本発明を読み進める際に当業者によって理解されるように、各ディレクトリ116が、ディレクトリ116に含まれる1つまたは複数のNLEプロジェクトに割り当てられた1人または複数のエディタユーザ124を含むユーザグループ126と関連付けられるように、システム100に複数のディレクトリ116を含めることができる。
【0028】
ディレクトリ116に対する権限120によって可能となるため、エディタユーザ124のそれぞれのユーザクライアント128を介して、エディタユーザ124は、ディレクトリ116にアクセスすることができる。同様に、ファイル118に対する権限122によって可能となるため、エディタユーザ124は、ディレクトリ116に含まれるファイル118にアクセスすることができる。例示的な実施形態では、権限120、122は、(a)エディタユーザ124の中で、ファイル118の所有権を有するエディタユーザ124のみがファイル118の修正、削除、移動または名前の変更を行えるように、(b)ユーザグループ126にディレクトリ116への読み取りアクセスおよび書き込みアクセスが与えられ、したがって、ディレクトリ116に新しいファイル118を作成できるように、ならびに、(c)ユーザグループ126のメンバーでもなく、ファイル118の所有者でもない「他の」エディタユーザ(図1では図示せず)にアクセスを与えないように定義される。
【0029】
当業者であれば、本明細書を読み進める際に利用できる権限の多種多様な異なる種類、組合せおよび変形形態が理解されよう。そのような代替形態および変更形態はすべて、本発明の範囲内で想定される。本発明の実施形態は、本明細書に記載される権限の特定の選択に限定されない。
【0030】
それに従って、アクセスを決定するために一般的な「エディタ」ユーザグループ(例えば、ユーザグループ126)のユーザの会員資格を認めることとは対照的に、ディレクトリレベルでの権限は、いかなるアクセス(読み取り専用アクセスでさえ)もプロジェクトスペースユーザグループのメンバーにのみ限定するように設定することができる。例示的な実施形態では、ディレクトリ116に対する権限120は、ディレクトリ116に含まれるファイル118に対する権限122とは異なる。例えば、Unixのようなオペレーティングシステム用に実装された実施形態では、スティッキービットを利用して、ファイル118の所有者が、ファイル118の修正、名前の変更、移動および/または削除を行う権限が与えられたユーザグループ126の唯一のエディタユーザ124であることを決定することができる。対照的に、スティッキービットを使用しなければ、ディレクトリ116のユーザまたはグループの所有者に、ディレクトリ116に含まれるファイル118の削除、名前の変更または移動を行う権限が与えられる。ディレクトリ116は、サーバ、サーバユーザ112または別の非エディタの「一般的な」所有者が所有し、例えば、エディタユーザ124がディレクトリ116に対する権限120または所有権を変更する権力を受け取れないようにするように設定することができる。
【0031】
それに従って、以前に本明細書に記載されるように、Unixのようなオペレーティングシステム(例えば、Linuxベースのオペレーティングシステム、Unixベースのオペレーティングシステムなど)上に実装されるシステム100の実装形態に対し、権限120、122は、1つまたは複数のスティッキービットを含み得る。本明細書で提供される例示的な実施形態では、スティッキービットをディレクトリ権限に追加して、例えば、ディレクトリ116と関連付けられたNLEプロジェクトをさらに定義するかまたはNLEプロジェクトに貢献する追加のメタデータを含むファイル118をディレクトリ116内に作成するという、ディレクトリ116と関連付けられたNLEプロジェクトに割り当てられた他のエディタユーザ124の能力を危うくすることも、悪影響を与えることもなく、特定のエディタユーザ124が所有するファイル118の修正、削除、名前の変更または移動を行う独占的な能力を特定のエディタユーザ124に提供することができる(それにより、ユーザの作業が別のエディタユーザ124によって上書きされないようにする)。その上、いくつかの実施形態では、追加のスティッキービットを含めることができ、例えば、その各々は、ディレクトリ116内に含まれるサブレベルのディレクトリに適用される。
【0032】
権限モジュール110は、権限モジュール110に格納することができる既定の権限設定に基づいて、権限120、122を自動的に割り当てるよう構成することができる。例を挙げると、既定の権限設定のセットのうちの1つまたは複数は、権限モジュール110に事前にプログラムすることも、エディタユーザ124、システム管理者またはルートレベルユーザによるその作成と同時に、エディタユーザ124、システム管理者またはルートレベルユーザが選択することも、以前に作成されたディレクトリ116に基づくことも、以前に作成されたファイル118に基づくことも、何らかの他の方法で事前に決定することも、それらの任意の組合せであることもあり得る。GUIジェネレータ114は、1つまたは複数のディスプレイインジケータの形式で、所有権、権限、場所、チェックアウト情報、チェックアウト履歴に関する情報、他の任意の情報またはそれらの任意の組合せをエディタユーザ124に提供するユーザインターフェースをすべてまたはいくつかのユーザクライアント128側に自動的に作成するよう構成することができる。
【0033】
サーバユーザ112は、完全に自動化されたユーザ実体であり得、例えば、サーバデバイス(コンピュータ可読媒体を備えるサーバデバイスを含み、図6に描写されるコンピューティングデバイス600によって実装され、本明細書に詳細に説明される)などのコンピューティングデバイスによって制御することができる。エディタユーザ124と同様に、サーバユーザ112もまた、ファイル118および/またはディレクトリ116の所有権を受け取ることができる。NLEプログラム用に実装された例示的な実施形態では、サーバユーザ112は、それによりエディタユーザ124はエディタユーザ124間でファイル118の所有権を譲渡することができるメカニズムを提供する。より具体的には、エディタユーザ124は、サーバユーザ112と所有権の譲渡をやり取りするようにシステム100に命令することができ、それにより、サーバユーザ112の中間体を通じて、エディタユーザ124がファイルの所有権を互いに渡し合うことが可能になる。その上、ファイルの所有権を変更する(例えば、特定のエディタユーザ124から所有権を取り上げる)という固有の特権が与えられる限られた数の管理ユーザの実装形態に対する規定が存在し得る。同様に、いかなるファイル118の制御も、所有権の取得もできず、また、いかなるディレクトリ116にも何れのファイル118も書き込む権限が与えられていないエディタユーザ124に対する「権利制限ユーザ」の実装形態に対する規定が存在し得る。それに従って、権限120、122は、特定のエディタユーザ124のアクセス権への例外を提供するように、および/または、異なる種類のエディタユーザ124のための異なるレベルのアクセスを提供するように設定することができることを理解されたい。
【0034】
エディタユーザ124は、それぞれのユーザクライアント128を使用して、ディレクトリ116および/またはファイル118の所有権を変更するように権限モジュール110に命令することができる。本明細書に記載される例示的な実施形態では、所定のいかなるエディタユーザ124も、(a)その特定のエディタユーザ124からサーバユーザ112にファイル118の所有権を変更するように、および、(b)サーバユーザ112からその特定のエディタユーザ124にファイル118の所有権を変更するようにのみ、権限モジュール110に命令することができる。このように、エディタユーザ124は、任意の第1のエディタユーザ124から任意の第2のエディタユーザ124にファイル118の所有権を直接変更するように権限モジュール110に命令することを禁じられる可能性がある。
【0035】
それに従って、権限モジュール110は、一般に、いかなるディレクトリ116およびファイル118の所有権も変更する能力を装備することができ、より具体的には、エディタユーザ124とサーバユーザ112との間で(両方向への)いかなるファイル118の所有権も譲渡する能力を装備することができる。
【0036】
エディタユーザ124に提供される本明細書に記載される特定の譲渡能力およびシステム100との他の情報のやり取りは、1つまたは複数のユーザクライアント128によって可能となる。ユーザクライアント128は、ユーザワークステーション上で操作することができ、ユーザワークステーションは、ユーザクライアント128の操作が可能な任意の適切なコンピューティングデバイスであり得、例として、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「タブレットコンピュータ」、追加の「コンピュータサーバ」、「携帯用トランシーバ」、「セットトップボックス」(例えば、インターネットテレビ用)および他の任意のコンピューティングデバイスを含む。それに従って、本明細書に記載されるシステム100の特徴、コンポーネントおよび機能の何れも(GUI/ディスプレイを含む)、システム100が連通しているワークステーションの特定の種類、操作および接続に対応するようにカスタマイズおよび/または変更することができる。
【0037】
より具体的には、エディタユーザ124は、GUIジェネレータ114によって作成され、ユーザワークステーション上のそれぞれのユーザクライアント128側でディスプレイとしてエディタユーザ124に提供される1つまたは複数のGUIと情報をやり取りすることができる。GUIジェネレータ114は、ユーザクライアント128上のGUIに提示された情報を自動的に更新して、ファイル118の所有権および/または状態の変更を反映することができる。具体的には、GUIジェネレータ114は、その変更後にユーザクライアント側で所有権インジケータおよび状態インジケータを自動的に更新する。GUIジェネレータ114は、本明細書に記載され、図2〜4Bに描写される例示的なディスプレイ特徴の何れかを含むディスプレイを生成することができる。
【0038】
図2は、NLEプログラム132の環境内で実行中のブラウザウィンドウ130として実装された例示的なユーザクライアント138のスクリーンショットを描写する。図2に描写される例示的な実施形態では、立ち上げと同時に、ブラウザウィンドウ130は、ユーザのディスプレイ上で、および/または、エディタユーザの最近のセッションの終了時にブラウザウィンドウ130が占有していたNLEプログラム132の環境に対して、同じサイズおよび位置を自動的にレジュームする。本明細書に記載される例では、ブラウザウィンドウ130は、本明細書で「jeff」と呼ばれるエディタユーザ124に対して描写される。
【0039】
図3Aは、図2のjeffのNLEプログラム132の隅に描写されるブラウザウィンドウ130のクローズアップスクリーンショットを描写する。ブラウザウィンドウ130は、任意の適切な対話型電子情報ディスプレイであり得る。図3Aおよび3Bの例示的な実施形態では、メタデータは、ディレクトリ116に格納されたファイル118(例えば、ビンファイル、プロジェクトファイルなど)に格納される。それに従って、ブラウザウィンドウ130は、その中にファイル118が含まれるディレクトリ116を含むディレクトリ構造を提示する。図3Aおよび3Bに描写されるように、ディレクトリ116(この例では「demo1」とラベル付けされている)は、フォルダアイコンによってブラウザウィンドウ130に表示され、メタデータを含むファイルは、ファイルアイコンによって表示される。それに従って、各フォルダアイコンは、NLEプロジェクトと関連付けられた非一時的なコンピュータ可読記憶装置のディレクトリを表示し、その中にはファイル118が位置する。
【0040】
NLEプロジェクトを定義するメタデータを表す複数のメタデータインジケータ152は、ブラウザウィンドウ130に含まれる。より具体的には、図3Aおよび3Bの例示的な実施形態では、ファイル118にメタデータが格納されることを考慮すると、メタデータインジケータ152は、より具体的には、ファイルインジケータを備え得、その各々は、NLEプロジェクトを定義するかまたはNLEプロジェクトに貢献するメタデータを含むファイルを表す。それに加えて、ブラウザウィンドウ130は、NLEプロジェクトを定義するかまたはNLEプロジェクトに貢献するメタデータの状態の表示を提供する多くのメタデータ状態インジケータを含む。それに従って、図3Aおよび3Bの例示的な実施形態では、ブラウザウィンドウ130に含まれるメタデータ状態インジケータは、より具体的には、ファイル状態インジケータを備え得る。
【0041】
図3Aおよび3Bの例示的な実施形態では、ロックファイルインジケータ144、アンロックファイルインジケータ136および主張可能ファイルインジケータ143を含む、3つの異なるファイル状態インジケータが利用される。図3Aおよび3Bの例示的な実施形態では、ロックファイルインジケータ144は、ファイルがjeff以外の別のエディタユーザによってチェックアウトされており、jeff以外の別のエディタユーザが所有し、jeffは読み取り専用であることを表示する。主張可能ファイルインジケータ143は、ファイルがチェックアウトに対して利用可能であり、それにより、jeffが「主張可能」であることを表示する。アンロックファイルインジケータ136は、ファイルがjeffによってチェックアウトされ、jeffが所有し、jeffのみが書き込み可能であることを表示する。
【0042】
それに従って、「チェックアウト」されたファイルは、エディタユーザ124のうちの1人に所有権が割り当てられたファイルである。「チェックアウトに対して利用可能」であるファイルは、サーバユーザ112に所有権が割り当てられたファイルである。
【0043】
図3A〜4Bの例示的な実施形態では、ロックファイルインジケータ144は、中が塗りつぶされている閉じたロックアイコンを含む。アンロックファイルインジケータ136は、開いたロックアイコンを含む。主張可能ファイルインジケータ143は、中が塗りつぶされていない閉じたロックアイコンを含む。それに加えて、関連ファイルの状態に関する追加の表示をユーザに提供するために、ファイルインジケータ136、143、144を色分けすることができる。例えば、ロックファイルインジケータ144のすべてを赤で着色し、主張可能ファイルインジケータ143のすべてを黄で着色し、アンロックファイルインジケータ136のすべてを緑で着色することができる。
【0044】
また、ブラウザウィンドウ130は、どの特定のエディタユーザ124がチェックアウトされた特定のファイルを所有するかを表示する所有者インジケータ140も含み得る。例えば、所有者インジケータ140は、「andy」など、所有者の名前を描写するテキスト文字列を含み得る。図3A〜4Bの例示的な実施形態のブラウザウィンドウ130では、所有者インジケータ140は、「所有者」の列142の下に配置される。図3A〜3Bの例示的な実施形態では、所有者インジケータ140は、jeffではないエディタユーザ124が所有するファイルに対してのみ提示される。jeffまたはサーバユーザ112にファイルが割り当てられれば、「所有者」の列142の下には対応する所有者インジケータはない。
【0045】
図3Bは、サーバユーザ112からjeffに「Act_2.fcp」の所有権(したがって、書き込みアクセス)を譲渡するように権限モジュール110に命令することによって、「Act_2.fcp」と称するファイルの所有権を引き継ぐというjeffによる動作の後に結果として得られたブラウザウィンドウ130を描写する。それに従って、図3Aでは、この時点ではサーバユーザ112がファイルを所有するため、ファイル「Act_2.fcp」は主張可能ファイルインジケータ143で提示されている。他方では、図3Bでは、この時点ではjeffがファイルを所有するため、ファイル「Act_2.fcp」はロックファイルインジケータ136で提示されている。サーバユーザ112が現在所有するファイルの所有権を主張するという命令は、ファイルが割り当てられておらず、チェックアウトに対して利用可能であることを表示する主張可能ファイルインジケータ143を選択すること(例えば、クリックすることによって)を含めて、任意の適切なコマンドを使用して、実装することができる。
【0046】
同様に、図4Aおよび4Bは、サーバユーザ112からjaneに所有権を譲渡するように権限モジュール110に命令することによって、ファイル「Rushes 1.fcp」をチェックアウトして所有権を受け取るという「jane」という名の別のエディタユーザ124による動作の前後(それぞれ)のjeffのブラウザウィンドウ130を描写する。図4Aでは、ファイル「Rushes_1.fcp」は、主張可能ファイルインジケータ143を伴い、それは、ファイルはサーバユーザ112が所有し、jeffによるファイルのチェックアウトが可能であることを表示する。他方では、図4Bでは、代わりにファイル「Rushes_1.fcp」がロックファイルインジケータ144を伴うようにブラウザウィンドウ130が更新されており、これは、別のユーザ(jane)がファイル「Rushes 1.fcp」をチェックアウトしたことをjeffに表示する。ファイル状態インジケータを自動的に更新することに加え、GUIジェネレータ114もまた、ブラウザウィンドウ130を自動的に更新して、例えば、テキスト「jane」をテキスト「Rushes 1.fcp」の隣に追加することによって、適切な所有者インジケータ140を含める。
【0047】
それに従って、本明細書に記載されるように、そのようなファイル状態インジケータのシステムを使用することで、いかなるファイルの個人化された状態も、自己所有権かまたは他のエディタユーザ124による所有権かのそのユーザの観点から、エディタユーザ124に提示することができる。同様に、所有権インジケータは、チェックアウトされたファイルを誰が所有するかに関する個人化された情報を各ユーザに提供することができる。
【0048】
図5Aは、本発明の実施形態による、システム100がそれによりエディタユーザ124が所有権を引き継ぐことを可能にする方法を描写する。ディレクトリ116に格納されたファイル118の所有権は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、最初は所有者に割り当てることができる(ステップ510)。これは、例えば、ファイル118の作成またはインポートと同時に起こり得る。最初の所有者は、ファイル118を作成した特定のエディタユーザであるように自動的に割り当てることができる。あるいは、最初の所有者は、サーバユーザ112または他の任意の適切なユーザであり得る。例示的な実施形態では、ディレクトリ116のファイル118の所有権は、少なくともユーザグループ126のメンバーのうちの何れか1人とサーバユーザ112との間で譲渡可能である。権限モジュール110は、少なくとも1つの入力デバイスを通じて、1人または複数のエディタユーザ124のうちの何れか1人から、ファイル118の所有権を引き継ぐという命令を受信する(ステップ512)。より具体的には、ステップ512で受信される命令は、サーバユーザ112からエディタユーザ124(ステップ512ではエディタユーザ124から命令が受信される)に所有権を譲渡するという命令である。命令を受信すると同時に、権限モジュール110は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、サーバユーザ112から命令を送信したユーザに、要求されたファイル118の所有権を譲渡する(ステップ514)。
【0049】
ファイル118の所有権の変更に基づいて、権限モジュール110は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、ファイル118の所有権の個人化された観点およびチェックアウトに対する利用可能性を各エディタユーザ124に提供できるように、各ユーザクライアント128に対して対応する所有権インジケータおよび対応するファイル状態インジケータを更新するようにGUIジェネレータ114に命令することができる(ステップ516)。ファイル状態および所有権の変更の詳細に応じて、ステップ516は、ファイル118の所有権を有さないことやファイル118がロックされてチェックアウトされていることをいかなるエディタユーザにも表示するステップ、ファイル118の所有権を有することやファイル118がアンロックされてチェックアウトされていることをいかなるエディタユーザにも表示するステップ、および、ファイル118の所有権を有するエディタユーザの名前をファイル118の所有権を有さないいかなるエディタユーザにも表示するステップの何れかを含み得る。
【0050】
図5Bは、本発明の実施形態による、システム100がそれによりエディタユーザ124が所有権を放棄することを可能にする方法を描写する。図5Aからのステップ510を参照して上記で説明されるように、ディレクトリ116に格納されたファイル118の所有権は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、最初は所有者に割り当てることができる(ステップ518)。次いで、システム100は、少なくとも1つの入力デバイスを通じて、1人または複数のエディタユーザ124のうちの何れか1人から、ファイル118の所有権を放棄するという電子命令を受信する(ステップ520)。より具体的には、ステップ520で受信される命令は、エディタユーザ124(ステップ520ではエディタユーザ124から命令が受信される)からサーバユーザ112に所有権を譲渡するという命令である。命令を受信すると同時に、権限モジュール110は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、サーバユーザ112から命令を送信したユーザに、要求されたファイル118の所有権を譲渡する(ステップ522)。図5Aのステップ516を参照して以前に本明細書に記載されるように、ファイル118の所有権の変更に基づいて、権限モジュール110は、少なくとも1つのプロセッサを使用して、各ユーザクライアント128に対して対応する所有権インジケータおよび対応するファイル状態インジケータを更新するようにGUIジェネレータ114に命令することができる(ステップ524)。例えば、ステップ524は、どのエディタユーザもファイル118の所有権を有さず、ファイル118がチェックアウトに対して利用可能であることをすべてのユーザに表示するステップを含み得る。
【0051】
それに加えて、エディタユーザ124には、アクセスが与えられた既存のディレクトリ内に新しいファイル118を作成する能力ならびに新しいディレクトリおよび/またはサブディレクトリを作成する能力を提供することができる。新しいファイル118への権限122は、既定の権限のセットから生成することができ、いくつもの方法で自動的に割り当てることができる。例えば、新しいファイル118に対する権限122は、権限モジュール110の事前にプログラムされた設定に基づいて自動的に割り当てることも、ファイル118を作成するエディタユーザ124による選択に基づくことも、システム管理者またはルートレベルユーザによる選択に基づくことも、新しいファイル118が作成されたディレクトリ116に基づくことも、新しいファイル118が作成されたディレクトリ116内の他のファイル118に基づくことも、他の要因に基づくことも、それらの任意の適切な組合せに基づくこともできる。例示的な実施形態では、新しいファイル118の所有権は、新しいファイル118を作成したエディタユーザ124に自動的に割り当てられる。
【0052】
新しいディレクトリ116を作成する際、エディタユーザ124は、新しいディレクトリ116と関連付けられたユーザグループ126に1人または複数のエディタユーザ124を含めるように選択することができる。あるいは、新しいディレクトリ116のエディタユーザ124の会員資格は、例えば、ディレクトリ116が含まれるプロジェクトスペースへのエディタユーザ124の特定のグループの割り当てに基づき得る。例えば、例示的な実施形態では、プロジェクトスペースは、複数のエディタユーザ124が割り当てられ、ディレクトリ116を含むトップレベルのディレクトリであり、その結果、エディタユーザ124によってプロジェクトスペースに作成されたいかなる新しいディレクトリ116も、プロジェクトスペースに割り当てられたエディタユーザ124の同じグループに自動的に割り当てられる。その上、新しいディレクトリ116への権限120は、既定の権限120のセットから生成することができ、例えば、以前に本明細書に記載される機能性を達成するためのいくつもの方法で割り当てることができる。例えば、新しいディレクトリ116に対する権限120は、権限モジュール110の事前にプログラムされた設定に基づいて自動的に割り当てることも、ディレクトリを作成するエディタユーザ124による選択に基づくことも、システム管理者またはルートレベルユーザによる選択に基づくことも、既存のディレクトリ116の他の権限120に基づくことも、プロジェクトスペースに対して設定された権限に基づくことも、他の要因に基づくことも、それらの任意の適切な組合せに基づくこともできる。例示的な実施形態では、新しいファイル118の所有権は、新しいファイル118を作成したエディタユーザ124に自動的に割り当てられる。
【0053】
本発明の実施形態は、NLEプログラムの共有されるプロジェクトに対して実装することができ、複数のエディタは、例えば、単一プロジェクトを定義する同じメタデータに対して、ともに共同作業を行う必要がある。これは、具体的には、Apple,Inc.という会社が製造販売を行うFINAL CUT PRO(登録商標)など、プロジェクトファイル(例えば、「モノリシック」ファイル)としてメタデータを保存するNLEソフトウェアアプリケーションを含み得る。同様に、本発明の実施形態は、Avid Technology,Inc.(MassachusettsのBurlington)が提供するNLEソフトウェアアプリケーションなど、離散サブユニットまたはビンファイルにメタデータを格納する他のNLE製品およびソフトウェアに対してさらに実装することができる。
【0054】
追加の特徴は、本発明に従って実装することができる。例えば、システムのクライアント側では、エディタユーザ124が特定のファイル118を選択すれば(例えば、ファイル名または対応するディスプレイアイコンをクリックすることによって)、対応するNLEアプリケーションのファイル118が開く。この能力は、いくつかの従来のNLEアプリケーションにおいて現在利用可能ではない。すなわち、本発明を実装しなければ、多くのNLEアプリケーションにおいて、ユーザは、例えば、Windows(登録商標)Explorer(WashingtonのRedmondに本社を置くMicrosoft Corporationが製造販売を行う)のファイルの場所へナビゲートすることも、エラーメッセージを受信することなく開くべきファイルを選択することもできない。
【0055】
それに加えて、ユーザが本発明に従って実装されたクライアントアプリケーションを通じてファイル118を開く際、別のエディタユーザがファイル118を所有していれば(例えば、エディタユーザ124、その結果、読み取り専用アクセスとなる)、クライアントアプリケーションは、「読み取り専用権限を有するプロジェクトファイルを開こうとしています。変更しても保存することはできません。どうしますか。」などの警告メッセージを提示することができる。次いで、クライアントアプリケーションは、キャンセルする(ファイル118を開く動作をキャンセルする)、読み取り専用に進む(読み取り専用モードでファイル118を開く)または同様のものなどのいくつかのオプションをユーザに提示することができる。
【0056】
同様に、ユーザが本発明に従って実装されたクライアントアプリケーションを通じてファイル118を開く際、サーバユーザ112がファイル118を所有し、したがって、ユーザの所有権の取得に対してファイル118が利用可能であれば、クライアントアプリケーションは、「あなたはこのプロジェクトファイルの所有者ではありません。所有権を取得しない限り、変更しても保存されません。所有権を取得しますか。」などの警告メッセージを提示することができる。次いで、クライアントアプリケーションは、キャンセルする(ファイル118を開く動作をキャンセルする)、読み取り専用に進む(読み取り専用モードでファイル118を開く)、所有権を取得する(ファイル118の所有権を引き継ぐという命令をシステム100に送信する)、開くおよび/または同様のものなどのいくつかのオプションをユーザに提示することができる。それに従って、そのような状況では、ユーザは、対応する主張可能ファイルインジケータ143を最初にクリックする必要なく、ファイル118を開くと同時に所有権を引き継ぐ能力を有し得る。
【0057】
それに従って、システム100は、メタデータを含むファイルの所有権を引き継いだり放棄したりすることによって、NLEプロジェクトに割り当てられたエディタユーザ124のグループがメタデータへの独占的な書き込みアクセスを交換できるようにする。所有権は、サーバユーザ112の中間体を通じて譲渡される。これは、メタデータを含むファイル118の場所を移動することも、ファイル118の複製、コピーまたはバージョンを作成することもなく、実行することができる。その上、各エディタユーザ124は、3つの状態、すなわち、ロック(書き込みアクセスに対してチェックアウトされ、したがって、別のエディタユーザ124が所有する)、アンロック(書き込みアクセスに対してチェックアウトされ、したがって、GUIが個人化されたエディタユーザ124が所有する)および主張可能(サーバユーザ112が所有し、チェックアウトが可能である)のうちの1つの状態でNLEプロジェクトを形成するファイル118を提示する個人化されたGUIを見ることができる。
【0058】
図6は、本発明の例示的な方法およびシステムを実装するための例示的な操作環境内の例示的なコンピューティングデバイス600を示す。コンピューティングデバイス600は、適切なコンピューティング環境の単なる例示であり、本発明の範囲を一切限定しない。図6によって表されるような「コンピューティングデバイス」は、当業者によって理解されるように、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「タブレットコンピュータ」、または他のコンピューティングデバイスを含み得る。コンピューティングデバイス600が例示的な目的のために描写されることを考慮すると、本発明の実施形態は、本発明の単一の実施形態を実装するため、いくつもの異なる方法でいくつものコンピューティングデバイス600を利用することができる。それに従って、本発明の実施形態は、当業者によって理解されるように、単一のコンピューティングデバイス600に限定されることも、例示的なコンピューティングデバイス600の単一の種類の実装形態または構成に限定されることもない。
【0059】
コンピューティングデバイス600は、バス610を含み得、バス610は、次の例示的なのコンポーネント、すなわち、メモリ612、1つまたは複数のプロセッサ614、1つまたは複数のプレゼンテーションコンポーネント616、入力/出力ポート618、入力/出力コンポーネント620および電源624のうちの1つまたは複数と直接または間接的に結合することができる。当業者であれば、バス610は、アドレスバス、データバスまたはそれらの任意の組合せなどの1つまたは複数のバスを含み得ることが理解されよう。それに加えて、当業者であれば、特定の実施形態の意図する応用および用途に応じて、これらのコンポーネントのうちの複数を単一デバイスによって実装することができることが理解されよう。同様に、いくつかの例では、単一コンポーネントを複数のデバイスによって実装することができる。そのように、図6は、本発明の1つまたは複数の実施形態の実装に使用することができる例示的なコンピューティングデバイスの単なる例示であり、本発明を一切限定しない。
【0060】
コンピューティングデバイス600は、様々なコンピュータ可読媒体を含むことも、様々なコンピュータ可読媒体と相互作用することもできる。例えば、コンピュータ可読媒体は、情報の符号化に使用することができ、コンピューティングデバイス200によってアクセスすることができる、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去・プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術や、CDROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光媒体もしくはホログラフィック媒体や、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置を含み得る。
【0061】
メモリ612は、揮発性および/または不揮発性メモリの形式のコンピュータ記憶媒体を含み得る。メモリ612は、着脱可能、着脱不能またはそれらの任意の組合せであり得る。例示的なハードウェアデバイスは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、光ディスクドライブおよび同様のものなどのデバイスである。コンピューティングデバイス600は、メモリ612、様々なI/Oコンポーネント616などのコンポーネントからデータを読み取る1つまたは複数のプロセッサを含み得る。プレゼンテーションコンポーネント616は、データ表示をユーザまたは他のデバイスに提示する。例示的なプレゼンテーションコンポーネントは、表示デバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、振動コンポーネントなどを含む。
【0062】
I/Oポート618は、コンピューティングデバイス600がI/Oコンポーネント620などの他のデバイスと論理的に結合することを可能にすることができる。I/Oコンポーネント620のいくつかは、コンピューティングデバイス600に組み込むことができる。そのようなI/Oコンポーネント620の例は、マイクロホン、ジョイスティック、記録デバイス、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレスデバイス、ネットワークデバイスおよび同様のものを含む。
【0063】
図7〜10は、例えば、サーバ端末から見られる、所有権および権限を描写するスクリーンショットである。具体的には、図7〜10は、エディタユーザ124からの様々な命令の受信に基づいて、権限モジュール110によって行われる所有権および権限の変更を描写する。図7〜10の例示的な実施形態では、サーバユーザ112には、ユーザ名「editshare」が提供される。ユーザ名「andy」および「jeff」は、「editors」と称するユーザグループ126に含まれる2人のエディタユーザ124を表す。図7および8は、「demo1」と称する例示的なディレクトリに対するおよび例示的なディレクトリ「demo1」に含まれるファイルに対する所有権および権限の変更を描写する。図7に見られるように、所有権および権限は、サーバユーザ(「editshare」)がファイル「Act_2.fcp」を所有することを表示する。図8は、jeffという名のエディタユーザ124がファイル「Act_2.fcp」の所有権(したがって、書き込みアクセス)を引き継ぐという命令をシステム100に送信した後のファイル「Act_2.fcp」の所有権および権限を描写する。図8に見られるように、所有権を引き継ぐというjeffからの命令を提出した後は、jeffがファイル「Act_2.fcp」を所有する。ファイル「Act_2.fcp」の所有権を受け取った後、jeffがファイル「Act_2.fcp」の所有権を放棄するという命令をシステム100に提出すれば、権限および所有権は、図7に描写される状態に戻ることになる。
【0064】
同様に、図9および10は、ディレクトリ「demo1」のサブディレクトリ「Rushes」に対する権限および所有権ならびにサブディレクトリ「Rushes」のファイルコンテンツを描写する。図9に描写されるように、ファイル「Rushes 1.fcp」は、最初はサーバユーザ112が所有する。図10は、「jane」という名のエディタユーザがファイル「Rushes_1.fcp」の所有権(したがって、書き込みアクセス)を引き継ぐという命令をシステム100に送信した後のサブディレクトリ「Rushes」に対する所有権および権限ならびにそのコンテンツを描写する。
【0065】
本発明の実施形態は、既存のシステムを通じて多くの利益を提供する。例えば、エディタユーザには、ファイル、ファイル状態および所有者を容易に位置付けして包括的に見ることができる便利なユーザクライアントを維持しながら、ファイルへのアクセス権に対する自動制御を提供することができる。それに加えて、本発明の実施形態は、例えば、非自動システム管理者が、ファイルを移動する必要も、ファイルのコピーを作成する必要も、手動で権限を割り当てさせる必要もなく、便利なファイル共有ができるようにすることができる。他の利益については、本明細書を読み進める際に当業者によって理解されよう。
【0066】
本発明は、ファイル(例えば、ビンファイル、「モノリシック」プロジェクトファイルなど)の形式でNLEプロジェクトを定義するメタデータを格納するNLEソフトウェアアプリケーションのための例示的な実装形態を参照して本明細書で説明してきた。しかし、他の実施形態では、メタデータは、異なるフォーマットで格納される。例えば、本発明によるいくつかの例示的な代替の実施形態では、1つまたは複数のNLEプロジェクトを定義するメタデータは、データベースにまとめて(例えば、すべてが単一のデータベースファイルに)格納される。これらの代替の実施形態では、本明細書を読み進める際に当業者によって理解されるように、各メタデータ要素は、1つまたは複数のデータベースオブジェクト/エントリとして格納される。以前に本明細書に記載されるファイル118と同様に、システム100は、メタデータが格納されたデータベースオブジェクトの所有権を譲渡することによって、データベースに格納されたメタデータへの独占的な書き込み権限を交換できるようにすることができる。図1〜10の実施形態と同様に、各エディタユーザ124には、3つの状態、すなわち、ロック(書き込みアクセスに対してチェックアウトされ、したがって、別のエディタユーザ124が所有する)、アンロック(書き込みアクセスに対してチェックアウトされ、したがって、GUIが個人化されたエディタユーザ124が所有する)および主張可能(サーバユーザ112が所有し、チェックアウトが可能である)のうちの1つの状態でNLEプロジェクトを形成するデータベースオブジェクトを提示するGUIを提供することができる。
【0067】
メタデータがデータベース(例えば、当業者によって理解されるように、CaliforniaのRedwood Cityに本社を置くOracle Corporationが提供するMySQLデータベース、または、PostgreSQL Global Development Groupが提供するPostgreSQLデータベース)に格納されるそのような実施形態では、データベースのメタデータは、特定のラベルおよび/または他のフィールドの使用を通じて「仮想ディレクトリ」に編成することができる。より具体的には、メタデータを形成するデータベースオブジェクトの各々は、架空のディレクトリ構造に特定の場所を有するため、ラベル付け、タグ付けなどを行うことができる。それに従って、ラベル、タグなどにより、メタデータは、従来のディレクトリ構造と同様の方法で操作する(例えば、編成する、ソートする、フィルタ処理する、所有するなど)ことができる。例示的で非限定的な一例として、各メタデータ要素は、架空の階層化されたディレクトリの適切なファイル経路を用いてタグ付けすることができ、それにより、従来の階層化されたディレクトリが可能なものと同じ組織構造によるメタデータ要素の操作が可能になる。
【0068】
本明細書を読み進める際、当業者であれば、1つまたは複数のNLEプロジェクトを定義するメタデータを格納および編成するためのさらなる他の適切な方法が理解されよう。そのような代替形態および変更形態はすべて、そのような代替のフォーマットおよび格納メカニズムがサーバユーザ112の中間体を通じてエディタユーザ124間での所有権の譲渡を可能にすることができる限り、本発明の範囲内で想定される。本発明は、本明細書に記載される例示的な説明に役立つ実施形態のみに限定されない。
【0069】
それに加えて、本発明の実施形態は、多くの追加の特徴とともに実装することができる。非限定的な一例として、いくつかの実施形態では、エディタユーザ124がNLEソフトウェアアプリケーション(エディタユーザ124は、エディタユーザ124が所有するメタデータの修正および保存に使用する)からログアウトした時点で、システム100は、その時点でそのエディタユーザ124が所有するいかなるメタデータの所有権もサーバユーザ112に自動的に譲渡する。他の実施形態では、エディタユーザ124がNLEソフトウェアアプリケーションからログアウトした時点で、システム100は、エディタユーザ124がその時点でそのエディタユーザ124が所有するいかなるメタデータの所有権も保持することを可能にする。さらなる他の実施形態では、システム100は、前述のオプションの両方(例えば、エディタユーザ124がNLEソフトウェアアプリケーションからログアウトした時点でエディタユーザ124によってチェックアウトされているいかなるメタデータも自動的に「チェックイン」するという第1のオプション、および、NLEソフトウェアアプリケーションからログアウトした時点でエディタユーザによってチェックアウトされているいかなるメタデータの所有権も保持するという第2のオプション)をエディタユーザ124に提供する。例えば、システム100は、両方のオプションをエディタユーザ124に提示し、エディタユーザ124の何人かまたはすべてがシステム100によるデフォルト挙動として機能するための好ましいオプションを選択することを可能にするよう構成することができる。
【0070】
例えば、図11は、NLEプロジェクトを定義するかまたはNLEプロジェクトに貢献するメタデータはすべて1つまたは複数のデータベースに格納されるシステム100用に適合されたブラウザウィンドウ130の別の実施形態を描写する。それに従って、各メタデータは、1つまたは複数のデータベースエントリの形式でおよび/または1つまたは複数のデータベースオブジェクトとして格納される。そのような実施形態では、以前に本明細書に記載されるように、様々なメタデータへの独占的な書き込みアクセスに対する制御は、メタデータを含む特定のデータベースオブジェクト/エントリの所有権を譲渡することによって達成される。
【0071】
図3A〜4Bの実施形態と同様に、図11のブラウザウィンドウ130は、NLEプロジェクトに割り当てられた特定のエディタユーザに、NLEプロジェクトを定義する複数のメタデータの状態を表示する。図11のブラウザウィンドウ130は、一般に、任意の適切な対話型電子情報ディスプレイであり得る。以前に本明細書に記載されるように、ブラウザウィンドウ130は、特定のエディタユーザに対して個人化され、特定のエディタユーザの観点から各メタデータの状態を表示する(例えば、当人によるチェックアウト、当人以外の別のエディタユーザによる所有などが可能)。ブラウザウィンドウ130は、一般に、NLEプロジェクトに割り当てられた各エディタユーザに対して生成することができ(GUIジェネレータ114によって)、その結果、各エディタユーザには、彼または彼女が割り当てられたNLEプロジェクト用のメタデータの状態の個人化されたプレゼンテーションが提供される。
【0072】
図11の例示的な実施形態では、ブラウザウィンドウ130は、1つまたは複数のプロジェクトフォルダ150を含み、その各々は、非一時的なコンピュータ可読記憶装置上に格納されたデータベースに格納されたメタデータ用の「仮想ディレクトリ」(以前に本明細書に記載されるような)を表示する。各プロジェクトフォルダ150は、特定のNLEプロジェクトと関連付けられ、各プロジェクトフォルダ150は、データベースに格納され、NLEプロジェクトと関連付けられたメタデータの特定のセットを定義する(例えば、データベースラベル、タグまたは他のフィールドの使用を通じて)。プロジェクトフォルダには、プロジェクトフォルダ150によって表示される仮想ディレクトリの下に、「仮想のサブディレクトリ」を階層的に表示する追加のフォルダインジケータ151が含まれる。その上、ブラウザウィンドウは、NLEプロジェクトを形成するメタデータを表すメタデータインジケータ152も含む。
【0073】
図3A〜4Bの実施形態と同様に、ブラウザウィンドウ130は、メタデータインジケータ152のうちの1つによって表される各メタデータに対するメタデータ状態インジケータを含む。その上、図3A〜4Bの例示的な実施形態と同様に、メタデータ状態インジケータの各々は、アンロックメタデータインジケータ154(例えば、アンロックファイルインジケータ136に相当する)、主張可能メタデータインジケータ156(例えば、主張可能ファイルインジケータ143に相当する)またはロックメタデータインジケータ158(例えば、ロックファイルインジケータ144に相当する)のうちの1つである。ロックメタデータインジケータ158は、特定のメタデータがブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザ以外の別のエディタユーザによってチェックアウトされており、ブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザ以外の別のエディタユーザが所有し、ブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザは読み取り専用であることを表示することができる。主張可能メタデータインジケータ156は、特定のメタデータがチェックアウトに対して利用可能であり、それにより、ブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザが「主張可能」であることを表示することができる。アンロックメタデータインジケータ154は、特定のメタデータがブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザによってチェックアウトされ、ブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザが所有し、ブラウザウィンドウ130が個人化されたエディタユーザのみが書き込み可能である(例えば、スーパーユーザ、ルートユーザ、特権ユーザなどを除いて)ことを表示することができる。
【0074】
図3A〜4Bの例示的な実施形態と同様に、図11の例示的な実施形態では、ロックメタデータインジケータ158は、中が塗りつぶされている閉じたロックアイコンを含む。アンロックメタデータインジケータ154は、開いたロックアイコンを含む。主張可能ファイルインジケータ143は、中が塗りつぶされていない閉じたロックアイコンを含む。それに加えてまたはその代替として、関連ファイルの状態に関する同様の表示をユーザに提供するために、メタデータ状態インジケータ136、143、144を色分けすることができる。また、図11のブラウザウィンドウ130は、どの特定のエディタユーザ124がチェックアウトされた特定のファイルを所有するかを表示する所有者インジケータ140(図11では図示せず)も含み得る。
【0075】
本明細書に記載されるメタデータは、NLEプロジェクトを定義する、NLEプロジェクトに貢献するまたはそうでなければNLEプロジェクトと関連付けられるいかなるメタデータも含む。それに従って、メタデータは、クリップ、タイムコード、編集決定、ノートおよび他の任意のメタデータの参照を含み得る。本明細書を読み進める際、当業者であれば、編集、削除、移動またはそうでなければ修正が可能なNLEプロジェクトと関連付けられた多種多様な他の種類のメタデータが理解されよう。そのようなメタデータはすべて、本発明の範囲内で想定され、本発明の実施形態とともに実装することができる。
【0076】
本発明の多くの変更形態および代替の実施形態は、前述の説明を考慮すれば、当業者に明らかになるであろう。例えば、本発明のいくつかの代替の実施形態では、サーバユーザ112の中間体にメタデータの所有権を渡すステップなしで、エディタユーザ124は、メタデータの所有権を互いに直接譲渡し合うことができる。それに従って、そのような代替の実施形態では、エディタユーザ124は、メタデータ(例えば、ファイル118に格納された、データベースオブジェクトに格納されたなど)の所有権を別のエディタユーザ124に直接放棄または委譲するようにシステム100に命令することができる。それに従って、この説明は、単なる例示と見なされるべきであり、本発明を実施するための最良の形態を当事者に教示することを目的とする。構造の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく、実質的に異なり得、添付の特許請求の範囲内のすべての変更形態の独占的な使用が確保される。本発明は、添付の特許請求の範囲および適用可能な法秩序によって必要とされる範囲にのみ限定されることを意図する。
【0077】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載される発明のすべての一般的および特定の特徴ならびに言語上それらの間に収まり得る本発明の範囲のすべての言明を包含するものであることも理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11