【課題を解決するための手段】
【0010】
多環芳香族炭化水素コポリマー
本発明の多環芳香族炭化水素コポリマー(以下PAHC)は、式(A)を有する少なくとも1つのポリアセンモノマー単位と、式(B)を有する少なくとも1つのフルオレンモノマー単位との混合物を含む。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14の各々は、同一でも異なっていてもよく、独立して、水素;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
1−C
40アルキル基;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
2−C
40アルケニル基;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
2−C
40アルキニル基;随意に置換されたC
3−C
40シクロアルキル基;随意に置換されたC
6−C
40アリール基;随意に置換されたC
1−C
40複素環基;随意に置換されたC
1−C
40ヘテロアリール基;随意に置換されたC
1−C
40アルコキシ基;随意に置換されたC
6−C
40アリールオキシ基;随意に置換されたC
7−C
40アルキルアリールオキシ基;随意に置換されたC
2−C
40アルコキシカルボニル基;随意に置換されたC
7−C
40アリールオキシカルボニル基;シアノ基(−CN);カルバモイル基(−C(=O)NR
15R
16);カルボニル基(−C(=O)−R
17);カルボキシル基(−CO
2R
18)
;シアネート基(−OCN);イソシアノ基(−NC);イソシアネート基(−NCO);チオシアネート基(−SCN)もしくはチオイソシアネート基(−NCS);随意に置換されたアミノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;CF
3基;ハロ基(Cl、Br、F、I);−SR
19;−SO
3H;−SO
2R
20;−SF
5;随意に置換されたシリル基;SiH
2R
22基で置換されたC
2−C
10アルキニル基、SiHR
22R
23基で置換されたC
2−C
10アルキニル、または−Si(R
22)
x(R
23)
y(R
24)
z基で置換されたC
2−C
10アルキニルを表し;
各R
22基は、分枝または非分枝の置換または非置換C
1−C
10アルキル基、分枝または非分枝の置換または非置換C
2−C
10アルキニル基、置換または非置換C
2−C
20シクロアルキル基、置換または非置換C
2−C
10アルケニル基、および置換または非置換C
6−C
20シクロアルキルアルキレン基からなる群より独立して選ばれ;
各R
23基は、分枝または非分枝の置換または非置換C
1−C
10アルキル基、分枝または非分枝の置換または非置換C
2−C
10アルキニル基、置換または非置換C
2−C
10アルケニル基、置換または非置換C
2−C
20シクロアルキル基、および置換または非置換C
6−C
20シクロアルキルアルキレン基からなる群より独立して選ばれ;
R
24は、水素、分枝または非分枝の置換または非置換C
2−C
10アルキニル基、置換または非置換C
2−C
20シクロアルキル基、置換または非置換C
6−C
20シクロアルキルアルキレン基、置換C
5−C
20アリール基、置換または非置換C
6−C
20アリールアルキレン基、アセチル基、ならびに環中にO、N、S、およびSeのうち少なくとも1つを含む置換または非置換C
3−C
20複素環からなる群より独立して選ばれ;
x=1または2であり;y=1または2であり;z=0または1であり;(x+y+z)=3であり;
R
15、R
16、R
18、R
19、およびR
20の各々は、独立して、Hを表すか、または1つ以上のヘテロ原子を随意に含む随意に置換されたC
1−C
40カルビル基もしくはヒドロカルビル基を表し;
R
17は、ハロゲン原子もしくはHを表すか、または、1つ以上のヘテロ原子を随意に
含む随意に置換されたC
1−C
40カルビル基もしくはC
1−C
40ヒドロカルビル基を表し;
kとlは、独立して0、1、または2であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11のうち少なくとも2つは、式(A)または(B)を有する別のモノマー単位との−*で表される結合であり;R
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’の各々は、同一でも異なっていてもよく、R
1、R
2、R
3、R
4と同一の群から選ばれ;好ましくは、R
1’基、R
2’基、R
3’基、R
4’基のうちの少なくとも1つは、極性基または極性化性の基であり;モノマー基(B)に関して、−*は、式(A)または(B)を有する別のモノマー単位との結合を表し;
n’=1〜3である。
【0014】
好ましくは、k=l=0または1である。
【0015】
好ましくは、k=1であり、l=1である。
【0016】
好ましくは、x=2であり、y=1である。
【0017】
好ましくは、z=0のとき、R
22とR
23は一緒になって、(i)分枝または非分枝の置換または非置換C
1−C
8アルキル基(複数可)と、(ii)分枝または非分枝の置換または非置換C
2−C
8アルケニル基(複数可)との組み合わせを含む。
【0018】
好ましくは、R
22、R
23、およびR
24のいずれも、ハロゲン原子で随意に置換されてよい。
【0019】
本発明の特に好適なPAHCを次表に示す。
【0020】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0021】
この表に指定されている有機半導体化合物が特に好適である理由は、(結合剤の)電荷輸送移動度が高いという有利な特性と、大面積印刷での使用に望ましい無害な非塩素化溶媒との適合性が高い極性とを組み合わせているからである。加えて、これらの化合物は、OSC層として堆積するか、あるいはOSC層の一成分として堆積すると、さらに極性が高くなるので、Cytop等の有機ゲート絶縁体(OGI)に使われる疎水性溶媒による再溶解に対して耐性を持つことが見込まれる。さらに、有極性の結合剤は、トップゲート型OTFTとボトムゲート型OTFTの両方、特にボトムゲート型OTFTに有用であることが見込まれる。
【0022】
本発明のコポリマーは、好ましくは350〜100,000の数平均分子量(Mn)を有し、より好ましくは1600〜20000、より好ましくは500〜10000、さらにより好ましくは450〜5000、さらにより好ましくは850〜5000の数平均分子量を有する。
【0023】
本発明のコポリマーは、好ましくは、式(A)を有する1〜100000のモノマー単位と、式(B)を有する1〜100000のフルオレンモノマー単位と、を有する。より好ましくは、本発明のコポリマーは、式(A)を有する1〜1000のモノマー単位と、式(B)を有する1〜1000のフルオレンモノマー単位と、を有する。より好ましくは、本発明のコポリマーは、式(A)を有する1〜100のモノマー単位と、式(B)を有する1〜100のフルオレンモノマー単位と、を有する。さらにより好ましくは、本発明のコポリマーは、式(A)を有する1〜10のモノマー単位と、式(B)を有する1〜10のフルオレンモノマー単位と、を有する。
【0024】
本発明の有機半導体組成物は、1000Hz時の誘電率が3.4未満の有機結合剤を、好ましくは10重量%未満含有し、より好ましくは5重量%未満含有し、より好ましくは1重量%未満含有し、より好ましくは実質的にまったく含有しない。
【0025】
本発明の好適なPAHCおよび組成物は、(コポリマー中または組成物中のすべてのモ
ノマー単位(A)および(B)の全体のうち)式(A)を有するポリアセンモノマー単位を少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも20〜40重量%含有し、式(B)を有するモノマー単位を少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも20〜80重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、さらにより好ましくは少なくとも60〜80重量%含有する。
【0026】
本発明の好適なPAHCおよび組成物は、(コポリマー中または組成物中のすべてのモノマー単位(A)および(B)の全体のうち)式(A)を有するポリアセンモノマー単位を少なくとも40重量%含有し、式(B)を有するモノマー単位を少なくとも40重量%、好ましくは60重量%含有する。好適なPAHCは、モノマー単位(B)を主成分として含有する。
【0027】
本発明のポリアセンコポリマーは、下記の概略合成レジームに従って作製することができる。簡単にするため、フルオレンモノマーとカップリングし、ビス(トリアルキル)シリルで置換されたペンタセンを表示している(さらなる置換は表示していない。当業者であれば、どうすればこれを上記構造に一般化できるかを理解している)。カップリング反応は、好ましくは、山本型カップリング(塩化ニッケル、亜鉛、2,2’−ビピリジル、トリフェニルホスフィン、およびジメチルアセトアミドを使用)であるが、鈴木カップリングも可能である。ただし、この場合、得られる半導体ポリマーからボロン酸エステル(boronic ester)を除去することが好ましい。
【0028】
【化3】
【0029】
式中、αとβは好ましくは1〜100000の整数であり;Rの定義はR
25、R
26、R
27の下記定義と同一である。概略合成ルートではR
1とR
2はn−オクチル基で表されているが、下記にR
1、R
2として定義されるどの基であってもよい。ハロゲン末端基は、優先的に置換反応または水素添加反応(hydrogentation)を受ける。
【0030】
【化4】
【0031】
式中、αとβは好ましくは1〜100000の整数であり;Rの定義はR
25、R
26、R
27の下記定義と同一である。概略合成ルートではR
1とR
2はn−オクチル基で表されているが、下記にR
1、R
2として定義されるどの基であってもよい。ハロゲン末端基は、優先的に置換反応または水素添加反応(hydrogentation)を受ける。
【0032】
カップリング反応の完了時に、好ましくは、ハロゲン末端基とボロン酸エステル(boronic ester)末端基は別の基で置換される(例えば、それぞれ水素添加および/または加
水分解により置換される)。
【0033】
本発明のコポリマーを形成する重合ステップの次に、コポリマーを架橋結合してよい。架橋結合は任意の公知の手法で実施してよい。例として、熱および/または水分の添加、エチレンオキシド処理、UV照射、ガンマ線滅菌、電子ビーム照射、オートクレーブ処理が挙げられる。
【0034】
したがって、本発明の別の態様に従って、多環芳香族炭化水素コポリマー(PAHC)
の製造方法が提供される。この製造方法は、構造A’から選ばれる少なくとも1つのポリアセンモノマー単位と、構造B’から選ばれる少なくとも1つのモノマー単位と、を含有する組成物を共重合させることを含む。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
式中、R基とR’基の各々およびkとlは、上記PAHCの定義に関して記載されている一般的かつ好ましい意味と同一の意味を有し;好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも1つは、極性基またはより極性化性の基であり;
X’は、ハロゲン原子または環状ホウ酸エステル基(cyclic borate group)であり;
Y’は、ハロゲン原子である。
【0038】
あるいは、Y’が環状ホウ酸エステルであってもよく、X’はハロゲン原子である。
【0039】
好ましくは、環状ホウ酸エステル基は下記の通りである。
【0040】
【化7】
【0041】
好ましくは、この方法は溶媒中で実施され、好ましくは有機溶媒中、好ましくは芳香族有機溶媒中で実施される。
【0042】
本発明の組成物は、追加の硬化性モノマー(例えば希釈剤モノマー)を含んでよい。適切な材料の例として、ラジカル硬化性モノマー化合物(例えばアクリレートおよびメタクリレートモノマー化合物)が挙げられる。アクリレートモノマーおよびメタクリレートモ
ノマーの例として、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸カプロラクトン、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸ブチル、アルコキシル化アクリル酸ラウリル、エトキシ化アクリル酸ノニルフェノール、エトキシ化メタクリル酸ノニルフェノール、エトキシ化メタクリル酸ヒドロキシエチル、モノアクリル酸メトキシポリエチレングリコール、モノメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、およびこれらの混合物または組み合わせが挙げられる。
【0043】
加えて、反応性希釈剤として、かつ硬化組成物の架橋密度を高めることのできる物質として、多官能性のアクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーを組成物に含めてよい。適切な多官能性アクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーの例として、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、テトラメタクリル酸ペンタエリトリトール、ジアクリル酸1,2−エチレングリコール、ジメタクリル酸1,2−エチレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸1,12−ドデカノール、ジメタクリル酸1,12−ドデカノール、トリアクリル酸イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、プロポキシ化ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸ヘキサンジオール、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、ジアクリル酸ジプロピレングリコール、エトキシ化ジアクリル酸ビスフェノールA、エトキシ化ジメタクリル酸ビスフェノールA、アルコキシル化ジアクリル酸ヘキサンジオール、アルコキシル化ジアクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール、トリアクリル酸イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、アミンで修飾されたポリエーテルアクリレート(PO 83 F(登録商標)、LR 8869(登録商標)、およ
び/またはLR 8889として提供)(すべてBASF社から入手可能)、トリアクリ
ル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸プロポキシル酸グリセロール(glycerol propoxylate triacrylate)、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリトリトール、エトキシ化テトラアクリル酸ペンタエリトリトール(サートマー社からSR494(登録商標)として提供)、ならびにこれらの混合物および組み合わせが挙げられる。本発明の組成物に反応性希釈剤を添加する場合は、所望される任意の量または有効量の反応性希釈剤が添加され、一実施形態では、少なくとも約1重量パーセントの担体、少なくとも約35重量パーセントの担体、約98重量パーセント以下の担体、約75重量パーセント以下の担体が添加されるが、希釈剤の量はこれらの範囲の外にあってよい。
【0044】
本発明のコポリマーは、1000Hz時の誘電率が1.5超であってよく、好ましくは2超、好ましくは3超である。特に好ましくは、本発明のコポリマーは、1000Hz時の誘電率が1.5〜8、より好ましくは3.4〜8の半導体コポリマーである。好適な一実施形態では、本発明のポリアセンコポリマーは、1000Hz時の誘電率が3.4〜7であり、より好ましくは3.4〜6.5、さらにより好ましくは3.4〜4.5、さらにより好ましくは3.4〜4.0である。本発明のコポリマーは、好ましくは半導体コポリマーであり、1000Hz時の誘電率が3.4超であってよく、例えば3.8超、4.0超、4.2超等であってよい。
【0045】
本発明の有機半導体組成物は、1000Hz時の誘電率が3.4未満のコポリマーを、好ましくは10重量%未満含有し、より好ましくは5重量%未満含有し、より好ましくは1重量%未満含有し、より好ましくは実質的にまったく含有しない。好適な一実施形態では、誘電率の測定は、国際公開第2004/102690号で開示されている方法、または本明細書に開示される方法を用いて行い、好ましくは、本明細書に開示される方法を用いて行う。
【0046】
好ましくは、本発明のコポリマーは、1000Hz時の誘電率が3.4〜8の半導体コポリマーである。好適な一実施形態では、本発明のコポリマーは、1000Hz時の誘電率が3.4〜7であり、より好ましくは3.4〜6.5、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。コポリマーの誘電率を測定するには、当業者に知られている任意の標準の方法を用いてよい。好適な一実施形態では、誘電率の測定は、国際公開第2004/102690号で開示されている方法、または本明細書に開示される方法を用いて行い、好ましくは、本明細書に開示される方法を用いて行う。
【0047】
式(A)のモノマー単位
以下、(A)として上記で定義したポリアセンモノマー単位の好ましい特性をいくつか挙げる。
【0048】
好適な一実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14基のうちの少なくとも1つ(より好ましくは2つ)は、トリ−C
1−20ヒドロカルビルシリルC
1−4アルキニル基である。
【0049】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14基のうちの少なくとも1つ(より好ましくは2つ)は、トリヒドロカルビルシリルエチニル基である。
【0050】
好適な一実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14基のうちの少なくとも1つ(より好ましくは2つ)は、(トリヒドロカルビルシリル)エチニル基、−C≡C−SiR
22R
23R
24である(式中、R
22、R
23、およびR
24は、独立してC
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルを表す)。より好適な一実施形態では、R
22、R
23、およびR
24は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、1−プロペニル、および2−プロペニルからなる群より独立して選ばれる。
【0051】
好適な一実施形態では、R
6とR
13は、トリアルキルシリルエチニル基、−C≡C−SiR
22R
23R
24である(式中、R
22、R
23、およびR
24は、独立してC
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルを表す)。より好適な一実施形態では、R
22、R
23、およびR
24は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル
、1−プロペニル、および2−プロペニルからなる群より独立して選ばれる。
【0052】
さらに別の好適な一実施形態では、k=l=1のとき、R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、独立してH、C
1−C
6アルキル、またはC
1−C
6アルコキシを表す。より好ましくは、R
1、R
4、R
8、およびR
11は同一であり、H、C
1−C
6アルキル、またはC
1−C
6アルコキシを表す。さらにより好適な一実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、同一であるか異なっており、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、およびブチルオキシからなる群より選ばれる。
【0053】
好ましくは、R
5、R
7、R
12、およびR
14は水素である。
【0054】
好ましくは、R
22、R
23、およびR
24は、水素と、随意に(例えばハロゲン原子で)置換されてよいC
1−C
10アルキル基(好ましくはC
1−C
4アルキル、最も好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピル)と、からなる群より独立して選ばれる。
【0055】
R
22とR
23は、好ましくは、随意に置換されたC
1−10アルキル基と、随意に置換されたC
2−10アルケニルと、からなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、C
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルである。この場合の好適なアルキル基は、イソプロピルである。
【0056】
上記シリル基−Si(R
22)
x(R
23)
y(R
24)
zの例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、ジメチルエチルシリル、ジエチルメチルシリル、ジメチルプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジプロピルメチルシリル、ジイソプロピルメチルシリル、ジプロピルエチルシリル、ジイソプロピルエチルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、ジイソプロピルフェニルシリル、ジフェニルエチルシリル、ジエチルフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等が挙げられるが、これらに限定されない。上記リストのどの例も、アルキル基、アリール基、またはアルコキシ基は随意に置換されてよい。
【0057】
本発明の第1の態様の好適な一実施形態では、本発明のPAHCは、下記の式(A1)を有する少なくとも1つのモノマー単位を含む。
【0058】
【化8】
【0059】
式中、R
5、R
7、R
12、およびR
14の各々は水素であり;
R
6とR
13は、トリアルキルシリルエチニル基、−C≡C−SiR
22R
23R
24であり、ここでR
22、R
23、およびR
24は、独立してC
1−C
4アルキルまたはC
2−C
4アルケニルを表し;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、水素;分枝もしくは非分枝の非置換C
1−C
4アルキル基;C
1−C
6アルコキシ基;およびC
6−C
12アリールオキシ基からなる群より独立して選ばれ;
ただし、R
2/R
3とR
9/R
10の各ペアのうち少なくとも1つは、式(A)、(A1)、または(B)を有する別のモノマー単位との−*で表される結合であり;
kとlは、独立して0または1であり、好ましくは、kとlの両方とも1である。
【0060】
kとlの両方とも1であり;R
6とR
13が(トリアルキルシリル)エチニル基、−C≡C−SiR
22R
23R
24(ここで、R
22、R
23、およびR
24は、好ましくはエチル、n−プロピル、イソプロピル、1−プロペニル、または2−プロペニルから選ばれる)である、式(A1)のモノマー単位において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、水素、メチル、エチル、およびメトキシからなる群より独立して選ばれる。ただし、R
2/R
3とR
9/R
10の各ペアのうち少なくとも1つは、式(A)、(A1)、または(B)を有する別のモノマー単位との−*で表される結合で
ある。
【0061】
より好適な一実施形態では、PAHCポリマー中のポリアセン部分は置換ペンタセンであり、この場合、各R
22基は、分枝または非分枝の置換または非置換C
1−C
8アルキル基、置換または非置換C
2−C
12シクロアルキル基、および置換または非置換C
6−C
12シクロアルキルアルキレン基からなる群より独立して選ばれ;各R
23基は、置換または非置換C
2−C
8アルケニル基、置換または非置換C
2−C
12シクロアルキル基、および置換または非置換C
6−C
12シクロアルキルアルキレン基からなる群より独立して選ばれ;R
24は、水素、分枝または非分枝の置換または非置換C
2−C
8アルキニル基、置換または非置換C
2−C
12シクロアルキル基、置換または非置換C
6−C
12シクロアルキルアルキレン基、置換C
5−C
12アリール基、置換または非置換C
6−C
14アリールアルキレン基、アセチル基、ならびに環中にO、N、S、およびSeのうちの少なくとも1つを含む置換または非置換C
5−C
12複素環からなる群より独立して選ばれる。
【0062】
本発明の好適なPAHCおよび組成物は、(コポリマーまたは組成物中のすべてのモノマー単位(A)、(A1)、および(B)の全体のうち)式(A1)を有するポリアセンモノマー単位を少なくとも20重量%含有し、式(B)を有するモノマー単位を少なくとも20重量%、好ましくは20〜80重量%含有する。
【0063】
本発明の特に好適なポリアセンモノマー単位は、下記の式(A2)のモノマー単位である。
【0064】
【化9】
【0065】
式中、R
1、R
4、R
8、およびR
11は、H、C
1−C
6アルキル、およびC
1−C
6アルコキシからなる群より独立して選ばれる。
【0066】
好ましくは、R
1、R
4、R
8、およびR
11は、同一であるか異なっており、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、およびブチルオキシからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、水素、メチル、プロピル、およびメトキシからなる群より独立して選ばれる。
【0067】
式(A2)のモノマー単位において、R
2、R
3、R
9、およびR
10は、H、C
1−C
6アルキル、およびC
1−C
6アルコキシからなる群より独立して選ばれる。ただし、R
2/R
3とR
9/R
10の各ペアのうち少なくとも1つは、式(A)、(A1)、(A2)、または(B)を有する別のモノマー単位との−*で表される結合である。好適な一実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10は、同一であるか異なっており、水素、
メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、およびブチルオキシからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、水素、メチル、エチル、プロピル、およびメトキシからなる群より独立して選ばれる。ただし、R
2/R
3とR
9/R
10の各ペアのうち少なくとも1つは、式(A)、(A1)、(A2)、または(B)を有する別のモノマー単位との−*で表される結合である。
【0068】
式(A2)のモノマー単位において、R
25、R
26、およびR
27は、C
1−C
6アルキルとC
2−C
6アルケニルからなる群より独立して選ばれ、好ましくは、R
25、R
26、およびR
27は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、1−プロペニル、および2−プロペニルからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、エチル、n−プロピル、およびイソプロピルからなる群より独立して選ばれる。
【0069】
本発明の好適なPAHCおよび組成物は、(コポリマーまたは組成物中のすべてのモノマー単位の全体のうち)式(A2)を有するポリアセンモノマー単位を少なくとも20重量%含有し、式(B)を有するモノマー単位を少なくとも20重量%、好ましくは20〜80重量%含有する。
【0070】
さらに別の好適な一実施形態では、本発明のポリアセンモノマー単位は、下記の式(A3)および(A4)のモノマー単位である。
【0071】
【化10】
【0072】
式中、R
25、R
26、およびR
27は、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選ばれ;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、およびC
6−C
20アリールオキシからなる群より独立して選ばれる。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、R
9、R
10、およびR
11は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、およびブチルオキシ基からなる群より独立して選ばれ、式中−*は、式(A)、(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、または(B)を有する別のモノマー単位との結合を表す。
【0073】
いくつかの好適な実施形態では、R
1、R
4、R
8、およびR
11が同一であり、メチル基またはメトキシ基である場合、R
25、R
26、およびR
27は同一であり、エチル基またはイソプロピル基である。好適な一実施形態では、R
1、R
4、R
8、およびR
11がメチル基の場合、R
25、R
26、およびR
27はエチル基である。さらに別の好適な一実施形態では、R
1、R
4、R
8、およびR
11がメチル基の場合、R
25、R
26
、およびR
27はイソプロピル基である。さらなる好適な一実施形態では、R
1、R
4、R
8、およびR
11がメトキシ基の場合、R
25、R
26、およびR
27はエチル基である。さらに別の好適な一実施形態では、R
1、R
4、R
8、およびR
11がメトキシ基の場合、R
25、R
26、およびR
27はイソプロピル基である。
【0074】
いくつかの好適な実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10が同一であり、メチル基またはメトキシ基である場合、R
25、R
26、およびR
27は同一であり、エチル基またはイソプロピル基である。好適な一実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10がメチル基の場合、R
25、R
26、およびR
27はエチル基である。さらに別の好適な一実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10がメチル基の場合、R
25、R
26、およびR
27はイソプロピル基である。さらなる好適な一実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10がメトキシ基の場合、R
25、R
26、およびR
27はエチル基である。さらに別の好適な一実施形態では、R
2、R
3、R
9、およびR
10がメトキシ基の場合、R
25、R
26、およびR
27はイソプロピル基である。
【0075】
本発明のさらにより好適な一実施形態では、ポリアセンモノマー単位は下記の(A5)〜(A8)単位から選ばれる。
【0076】
【化11】
【0077】
【化12】
【0078】
本発明の好適なPAHCおよび組成物は、(コポリマーまたは組成物中のすべてのモノマー単位(A)および(B)の全体のうち)式(A3)、(A4)、(A5)、(A6)、(A7)、または(A8)を有するポリアセンモノマー単位を少なくとも20重量%含有し、式(B)を有するモノマー単位を少なくとも20重量%、好ましくは20〜80重量%含有する。
【0079】
「R」置換基(すなわちR
1、R
2等)は、ペンタセンの慣例的命名法に従って、下記の位置にある置換基を表す。
【0080】
【化13】
【0081】
本発明のポリアセンモノマーの合成は、当業者の共通の一般知識の範囲内にある任意の公知の方法で行ってよい。好適な一実施形態では、米国特許出願公開第2003/0116755A号、米国特許第3,557,233号、米国特許第6,690,029号、国際公開第2007/078993号、国際公開第2008/128618号、およびOrganic Letters, 2004, Volume 6, number 10, pages 1609-1612で開示されている方法を、
本発明で使用するポリアセン化合物の合成に使用することができる。本発明のPAHCの高誘電率類似体は、国際公開第2012/160383号および国際公開第2012/164282号に従って作製することができる。
【0082】
モノマー単位(B)
以下、(B)として上記で定義したフルオレンモノマー単位の好ましい特性をいくつか挙げる。
【0083】
モノマー単位(B)において、好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’の各々は、同一でも異なっていてもよく、水素;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
1−C
10アルキル基;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
2−C
10アルケニル基;分枝もしくは非分枝の置換もしくは非置換C
2−C
10アルキニル基;随意に置換されたC
3−C
10シクロアルキル基;随意に置換されたC
6−C
10アリール基;随意に置換されたC
1−C
10複素環基;随意に置換されたC
1−C
10ヘテロアリール基;随意に置換されたC
1−C
10アルコキシ基;随意に置換されたC
6−C
10アリールオキシ基;随意に置換されたC
7−C
10アルキルアリールオキシ基;随意に置換されたC
2−C
10アルコキシカルボニル基;随意に置換されたC
7−C
20アリールオキシカルボニ
ル基;シアノ基(−CN);カルバモイル基(−C(=O)NR
15R
16);カルボニル基(−C(=O)−R
17);カルボキシル基(−CO
2R
18)
;シアネート基(−OCN);イソシアノ基(−NC);イソシアネート基(−NCO);チオシアネート基(−SCN)もしくはチオイソシアネート基(−NCS);随意に置換されたアミノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;CF
3基;ハロ基(Cl、Br、F、I);−SR
19;−SO
3H;−SO
2R
20;−SF
5;随意に置換されたシリル基;SiH
2R
22基で置換されたC
2−C
10アルキニル基、SiHR
22R
23基で置換されたC
2−C
10アルキニル、または−Si(R
22)
x(R
23)
y(R
24)
z基で置換されたC
2−C
10アルキニルから選ばれる(式中、x、y、z、およびR
15、R
16、R
18、R
19、R
20、R
22、R
23、R
24の各々は上記定義の通りである)。
【0084】
モノマー単位(B)において、好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’の各々は、同一でも異なっていてもよく、H、メチル、メトキシ、シアノ、シアノメチルであり、
好ましくはHである。
【0085】
好ましくは、モノマー単位(B)において、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも1つは極性基またはより極性化性の基であり、n=1〜100であり、好ましくは1〜50であり、好ましくは1〜20であり、さらにより好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である(nはモノマー単位の数を指す)。好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも1つ、より好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも2つは、極性基または極性化性の基である。
【0086】
好適な一実施形態では、上記1つ以上の極性基または極性化性の基は、以下からなる群より独立して選ばれる:ニトロ基;ニトリル基;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で置換されたC
1−40アルキル基;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたC
1−40アルコキシ基;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたC
1−40カルボン酸基;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたC
2−40カルボン酸エステル;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたスルホン酸;ニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたスルホン酸エステル;シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、チオイソシアネート基;およびニトロ基、ニトリル基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、またはチオイソシアネート基で随意に置換されたアミノ基;ならびにこれらの組み合わせ。
【0087】
より好適な一実施形態では、上記1つ以上の極性基または極性化性の基は、以下からなる群より独立して選ばれる:ニトロ基;ニトリル基;ニトリル基、シアネート基、またはイソシアネート基で置換されたC
1−10アルキル基;C
1−20アルコキシ基;C
1−20カルボン酸基;C
2−20カルボン酸エステル;スルホン酸エステル;シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、チオイソシアネート基、およびアミノ基;ならびにこれらの組み合わせ。
【0088】
より好ましくは、上記の極性基または極性化性の基は、C
1−4シアノアルキル基、C
1−10アルコキシ基、ニトリル基、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる。
【0089】
より好ましくは、上記の極性基または極性化性の基は、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ニトリル、NH
2、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる。好ましくは、R
1’基、R
2’基、R
3’基、R
4’基のうちの少なくとも1つは、極性基またはより極性化性の基であり、これらの極性基または極性化性の基は同一でも異なっていてもよい。
【0090】
さらにより好ましくは、上記極性基または極性化性の基は、
シアノイソプロピル、
シアノシクロヘキシル、メトキシ、エトキシ、ニトリル、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる。好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも1つは、極性基またはより極性化性の基であり、これらの極性基または極性化性の基は同一でも異なっていてもよい。
【0091】
より好ましくは、上記極性基または極性化性の基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれ、R
1’、R
2’、R
3’
、およびR
4’のうちの少なくとも1つは、1つまたは2つの極性基またはより極性化性の基であり、これらの極性基または極性化性の基は同一でも異なっていてもよい。
【0092】
より好ましくは、極性基または極性化性の基は、メトキシとエトキシからなる群より選ばれ、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’のうちの少なくとも1つは、同一の1つまたは2つの極性基またはより極性化性の基である。
【0093】
好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、C
1−2アルコキシ、C
1−3シアノアルキル、CN、およびこれらの混合からなる群より独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0094】
好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、C
1−4アルコキシ、C
3−20シクロアルキルシアノ、C
1−4シアノアルキル、CN、およびこれらの混合からなる群より独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0095】
好ましくは、R
3’は1つのC
1−4アルコキシからなる群より独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0096】
好ましくは、R
3’とR
4’は、メトキシ、エトキシ、シアノメチル、シアノエチル、CN、およびこれらの混合からなる群より独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0097】
好ましくは、R
4’は1つのC
1−4アルコキシからなる群より独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0098】
好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルシアノ、シアノメチル、シアノエチル、CN、およびこれらの混合から独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0099】
好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、メトキシ、エトキシ、シアノメチル、CN、およびこれらの混合から独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0100】
好ましくは、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、メトキシ、エトキシ、およびこれらの混合から独立して選ばれ、n=1〜10である。
【0101】
本発明のコポリマーは、複数の異なるモノマー単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよい。この場合、式(A)または(B)で定義されている任意のモノマー単位を、同一または異なるモノマー単位(A)または(B)と組み合わせてよい。ただし、少なくとも1つのモノマー単位(A)が少なくとも1つのモノマー単位(B)と結合することを条件とする。
【0102】
ホモポリマーに対する相対的な誘電率を調整できるように、多環芳香族炭化水素コポリマー中のモノマーの比率を変更してよい。さらに、好ましくは、組成物中の結合剤の平均誘電率が好ましくは3.4〜8.0となることを条件として、モノマー単位(A)または(B)を、(A)、(B)の定義に一致しないモノマー単位と混合してよい。この点について、他の適切なモノマー単位の例として、アリールアミンモノマー(例えば(C))、シス−およびトランス−インデノフルオレンモノマー(例えば、それぞれ(D)/(D’))、ス
ピロビフルオレ
ンモノマー(例えば(E))が挙げられる。式中、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’、R
5’、R
6’、およびR
7’の各々は、同一でも異なっていてもよく、上記ですでに定義されているR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、およびR
7と同一の基から選ばれる。
【0103】
Ar
1、Ar
2、およびAr
3は、同一でも異なっていてもよく、その各々は、随意に置換されたC
6−40芳香族基(単環または多環)を独立して表す。好ましくは、Ar
1、Ar
2、およびAr
3のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの極性基またはより極性化性の基で置換され、n=1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。好ましくは、Ar
1、Ar
2、およびAr
3のうちの少なくとも1つは、1つ、2つ、3つ、または4つ、より好ましくは1つ、2つ、または3つ、より好ましくは1つまたは2つ、好ましくは1つの極性基またはより極性化性の基で置換され;
n”=1〜3である。
【0104】
【化14】
【0105】
【化15】
【0106】
【化16】
【0107】
【化17】
【0108】
本発明のさらにより好適な一実施形態では、モノマー単位(B)/(B’)は、メトキシまたはシアノである少なくとも1つの置換基を含む。
【0109】
本発明のPAHCが1つ以上のモノマー(C)、(D)、(D’)、および/または(E)を含む場合、このPAHCは、コポリマー中の全モノマー単位の総重量に対して、少なくとも20重量%の量のモノマー(A)と、少なくとも60重量%の量のモノマー(B)と、モノマー(C)、(D)、(D’)、および/または(E)で構成される残り部分と、で構成される。
【0110】
有機半導体組成物
本発明の第1の態様による有機半導体組成物は、コポリマー組成物を含み、この組成物の1000Hz時の誘電率は、1.5超であり、より好ましくは3.4超、さらにより好ましくは1.5〜6.5、さらにより好ましくは3〜6.5、より好ましくは3.0〜5.0、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。
【0111】
本発明の有機半導体組成物は、本明細書に開示される多環芳香族炭化水素コポリマーを含んでよい。好適な一実施形態では、有機半導体組成物は、本明細書に定義されるコポリマーを含んでよく、さらに、我々が出願した国際公開第2012/164282号に記載の多結晶ポリアセン小分子半導体を含み、この場合、PAHCの1000Hz時の誘電率は3.4〜8であり、好ましくは3.4〜6.5、より好ましくは4〜6.5、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。好適な一実施形態では、本明細書に定義されるコポリマーを、ポリアセン小分子と組み合わせて使用してよく、この場合、「乾燥状態」の組成物は10〜50%のポリアセン小分子と10〜90%のPAHCを含有する。
【0112】
本発明の有機半導体組成物は、本明細書に開示される多環芳香族炭化水素コポリマーを含んでよい。好適な一実施形態では、有機半導体組成物は、本明細書に定義されるコポリマーを含んでよく、さらに有機結合剤を含み、この場合、有機結合剤の1000Hz時の誘電率は3.4〜8であり、好ましくは3.4〜6.5、より好ましくは4〜6.5、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。
【0113】
特に好適な一実施形態では、本明細書に定義されるコポリマーを、有機結合剤と組み合わせて使用してよく、この場合、有機結合剤の1000Hz時の誘電率は3.4〜8.0であり、好ましくは3.6〜6.5、より好ましくは3.4〜4.5である。
【0114】
さらに別の好適な一実施形態では、好ましくは、本発明のコポリマーの1000Hz時の誘電率は3.4〜8.0であり、好ましくは3.4〜4.5である。
【0115】
組成物中に存在するコポリマーと溶媒の濃度は、望ましい溶液塗布方法によって異なる。例えば、インクジェット印刷する組成物の場合、低粘度、低固体含量(low solids loading)の組成物を必要とするのに対し、スクリーン印刷プロセスは、高粘度、高固体含量の組成物を必要とする。コポリマー組成物の堆積の後、好ましくは、組成物の総重量に対して(印刷状態または乾燥状態で)1〜99.9重量%の結合剤と0.1〜99重量%のコポリマーを有する半導体層が得られるように、好ましくは、25〜75重量%の小分子ポリアセンと25〜75重量%のコポリマーを有する半導体層が得られるように、溶媒を蒸発させる。
【0116】
堆積前の組成物中、好ましくは、上記コポリマー群のうちの1つ以上は、組成物の総重量に対して少なくとも0.1重量%の濃度で存在し、好ましくは0.5重量%の濃度で存在する。組成物中のコポリマーの濃度上限は、(例えば電子デバイスの製作において)基板に塗布されるときの組成物の温度における、特定の溶媒中の当該コポリマーの溶解限度近くであることが多い。本発明の典型的な組成物は、コポリマーのいずれか1つを、組成物の総重量に対して約0.1重量%〜約20.0重量%、好ましくは0.5重量%〜約20.0重量%の範囲の濃度で含み、より典型的には約0.5重量%〜約10.0重量%、より典型的には0.5〜5.0重量%、より典型的には1〜3重量%の濃度で含む。
【0117】
印刷後または乾燥した組成物中、好ましくは、上記コポリマーのうちの1つ以上は、組成物の総重量に対して少なくとも10重量%の濃度で存在し、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%の濃度で存在する。
【0118】
好適な一実施形態では、有機半導体組成物中に一種以上の溶媒が存在してよい。
【0119】
適切な溶媒の例として、テトラヒドロフラン、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ブロモメシチレン、アニソール、ブロモアニソール、ブロモベンゼン、テトラリン、o−キシレン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、モルホリン、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、デカリン、これらのうちの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、塩素化溶媒は一切使用しない。
【0120】
溶媒ブレンドを利用してもよい。適切な溶媒ブレンドの例として、上記溶媒と、溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロベンゼン、フルフリルアルコール、ジメトキシエタン、および酢酸エチル)、沸点の高いアルカン類(例えばn−ヘプタン)、ならびにアルコール類(例えばイソプロピルアルコール)とを併せた組成物が挙げられるが、これに限定されない。このような組成物(堆積前)は、好ましくは、組成物の総重量に対して50重量%超の量、好ましくは、組成物の総重量に対して60〜95重量%の量の適切な溶媒を含有する。
【0121】
さらに別の好適な一実施形態では、有機半導体組成物中に1つ以上の追加の組成物成分が存在してよい。適切な追加の組成物成分の例として、ポリマー添加剤、レオロジー調整剤、界面活性剤、コポリマーに対して一致する正孔輸送化合物である別の半導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの代表的な実施形態では、組成物は、以下からなる群より選ばれるポリマー添加剤を含む:ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ペンタフルオロスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(4−シアノメチルスチレン)、ポリ(4−ビニルフェノール)、または米国特許出願公開第2004
/0222412A1号もしくは米国特許出願公開第2007/0146426A1号で開示されている他の適切なポリマー。いくつかの望ましい実施形態では、ポリマー添加剤は、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ペンタフルオロスチレン)、またはポリ(メチルメタクリレート)を含む。いくつかの代表的な実施形態では、組成物は、フッ素化界面活性剤またはフッ素系界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含む。追加の組成物成分が存在する場合、各成分は、独立して、組成物総重量に対して0超〜約50重量%の量で存在する。好ましくは、追加の各組成物成分は、独立して、組成物総重量に対して約0.0001〜約10.0重量%の範囲の量で存在する。例えば、組成物中にポリマーが存在する場合、このポリマー添加剤は、組成物総重量に対して典型的には0超〜約5.0重量%の量で存在し、好ましくは約0.5〜約3.0重量%の量で存在する。例えば、組成物中に界面活性剤が存在する場合、この界面活性剤は、好ましくは組成物総重量に対して0超〜約1.0重量%の量で存在し、より典型的には約0.001〜約0.5重量%の量で存在する。
【0122】
本発明の有機半導体組成物は、好ましくは、少なくとも0.5cm
2V
−1s
−1の電荷移動度を有し、好ましくは0.5〜8.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは0.5〜6.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは0.8〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは1.0〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは1.5〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは2.0〜5.0cm
2V
−1s
−1の電荷移動度を有する。半導体組成物の電荷移動度の測定は、当業者に知られている任意の標準の方法、例えばJ.
Appl. Phys., 1994, Volume 75, page 7954および国際公開第2005/055248号に開示されている手法を用いて行ってよく、好ましくは国際公開第2005/055248号に記載の手法を用いて行う。
【0123】
本発明の有機半導体組成物は、当業者の共通の一般知識の範囲内にある任意の公知の方法で調製してよい。好適な一実施形態では、有機半導体組成物の調製は、国際公開第2005/055248号で開示されている方法、または本明細書に開示される方法を用いて行い、好ましくは、本明細書に開示される方法を用いて行う。
【0124】
好ましくは、本発明の有機半導体組成物は、1000Hz時の誘電率が1.5超、より好ましくは3.4超、さらにより好ましくは3.4〜8である半導体組成物である。好適な一実施形態では、本発明の組成物は、1000Hz時の誘電率が4.0〜7であり、より好ましくは4.0〜6.5、さらにより好ましくは4.0〜6、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。
【0125】
有機半導体層
本発明の有機半導体組成物を様々な基板に堆積させて、有機半導体層を形成することができる。
【0126】
本発明の有機半導体層は、以下のステップを含む方法を用いて調製できる。
(i)本発明の有機半導体組成物と、溶媒とを混合して、半導体層配合物を形成すること。
(ii)上記配合物を基板に堆積させること。および
(iii)随意に溶媒を除去して、有機半導体層を形成すること。
【0127】
有用な基板材料として、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリマー膜、およびシリカ、アルミナ、シリコンウエハ、ガラス等の無機基板が挙げられるが、これらに限定されない。所与の基板の表面特性を変更する目的で、例えば、基板表面に固有の化学官能性をシラン等の化学試薬と反応させる、基板表面をプラズマに曝露する、と
いった表面処理を行ってよい。
【0128】
堆積ステップを促進する目的で、有機半導体組成物を基板に堆積させる前に、この組成物を一種以上の溶媒と組み合わせてよい。適切な溶媒としては、コポリマーを溶解させることができ、かつ溶液ブレンドから蒸発したときに密着性で欠陥のない層をもたらす、任意の溶媒が挙げられる。ASTM方法D3132に記載の通り、混合物使用時の濃度で材料の等値線図(contour diagram)を作成することにより、コポリマーに適した溶媒を決
定することができる。このASTM方法に記載の通り、種々の溶媒に材料を添加する。
【0129】
適切な溶媒の例として、テトラヒドロフラン、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ブロモメシチレン、アニソール、ブロモアニソール、ブロモベンゼン、テトラリン、o−キシレン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、モルホリン、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、デカリン、これらのうちの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、塩素化溶媒は一切使用しない。
【0130】
本発明により、有機半導体層配合物中の固体含量のレベルも、OFET等の電子デバイスの移動度値を改善する一要因であることが見出された。配合物の固体含量は、一般に次式で表される。
【0131】
【数1】
【0132】
式中、a=ポリアセン小分子の質量、b=PAHCの質量、c=溶媒の質量である。
【0133】
配合物の固体含量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0134】
適切な従来型堆積方法として、スピンコーティング、スプレーコーティング、ブレード/スロットダイコーティング、フレキソ印刷、グラビア印刷、ロールtoロールウェブ印刷、浸漬被覆のほか、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセットリソグラフィー等の印刷プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。望ましい一実施形態では、得られる組成物は印刷可能な組成物であり、さらにより望ましくは、インクジェット印刷可能な組成物である。
【0135】
組成物を基板表面に堆積させた後は、溶媒を除去して有機半導体層を形成してよい。溶媒の除去には、任意の適切な方法を使用してよい。例えば、蒸発または乾燥により溶媒を除去してよい。典型的には、少なくとも約80パーセントの溶媒を除去して半導体層を形成する。例えば、少なくとも約85重量パーセント、少なくとも約90重量パーセント、少なくとも約92重量パーセント、少なくとも約95重量パーセント、少なくとも約97重量パーセント、少なくとも約98重量パーセント、少なくとも約99重量パーセント、または少なくとも約99.5重量パーセントの溶媒を除去する。
【0136】
多くの場合、任意の適切な温度で溶媒を蒸発させてよい。いくつかの方法では、周囲温度で溶媒混合物を蒸発させる。いくつか別の方法では、周囲温度より高温または低温で溶媒を蒸発させる。例えば、基板を支えるプラテンを周囲温度より高温または低温に加熱または冷却してよい。さらに別の好適な方法では、溶媒の一部または大部分を周囲温度で蒸
発させ、残りの溶媒部分を周囲温度より高温で蒸発させてよい。周囲温度より高温で溶媒を蒸発させる方法では、不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)中で蒸発させてよい。
【0137】
あるいは、真空の使用等により減圧(すなわち大気圧より低い圧力)を加えることにより、溶媒を除去してもよい。減圧を加える間、任意の適切な温度(例えば上記の温度)で溶媒を除去してよい。
【0138】
溶媒の除去速度は、得られる半導体層に影響を及ぼし得る。例えば、除去プロセスが急速すぎると、結晶化中に半導体分子のパッキング不良が発生し得る。半導体分子のパッキング不良は、半導体層の電荷移動度に悪影響を及ぼし得る。溶媒は、非制御方式で(すなわち時間的制約なしに)完全に自力で蒸発させてもよく、蒸発速度を制御する目的で条件を管理してもよい。パッキング不良を最少化する目的で、堆積層を覆うことにより蒸発速度を低下させながら溶媒を蒸発させてよい。このような条件から、比較的結晶化度の高い半導体層を得ることができる。
【0139】
所望の量の溶媒を除去して半導体層を形成した後は、半導体層を熱または溶媒蒸気に曝露することにより、半導体層をアニーリングしてよい(すなわち熱アニーリングまたは溶媒アニーリング)。
【0140】
本発明の有機半導体層は、好ましくは、少なくとも0.5cm
2V
−1s
−1の電荷移動度を有し、好ましくは0.5〜8.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは0.5〜6.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは0.8〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは1〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは1.5〜5.0cm
2V
−1s
−1、より好ましくは2.0〜5.0cm
2V
−1s
−1の電荷移動度を有する。半導体層の電荷移動度の測定は、当業者に知られている任意の標準の方法、例えばJ. Appl. Phys., 1994, Volume 75, page 7954および国際公開第2005/055248号に開示されている手法を用いて行ってよく、好ましくは国際公開第2005/055248号に記載の手法を用いて行う。
【0141】
好ましくは、本発明の有機半導体層は、1000Hz時の誘電率が3.4〜8の半導体層である。好適な一実施形態では、本発明の半導体層の1000Hz時の誘電率は4.0〜7であり、より好ましくは4.0〜6.5、さらにより好ましくは4.0〜6、さらにより好ましくは3.4〜4.5である。
【0142】
電子デバイス
加えて、本発明は、本発明の有機半導体組成物を含む電子デバイスを提供する。本発明の組成物を、例えば半導体層または半導体膜の形態で使用してよい。加えて、本発明は、好ましくは、本発明の有機半導体層を含む電子デバイスを提供する。
【0143】
半導体層または半導体膜の厚さは、0.02〜20ミクロン、0.2〜20ミクロンであってよく、好ましくは0.05〜10ミクロン、好ましくは0.5〜10ミクロン、0.05〜5ミクロン、より好ましくは0.5〜5ミクロン、さらにより好ましくは0.5〜2ミクロン、より好ましくは0.02〜1ミクロンであり得る。
【0144】
電子デバイスの例として、有機電界効果トランジスタ(OFET
s)、有機発光ダイオード(OLED
s)、光検出器、有機光起電力(OPV)電池、センサー、レーザー、記憶素子、および論理回路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
本発明の代表的な電子デバイスは、上記の有機半導体組成物を基板に溶液堆積することにより製作できる。