【実施例】
【0160】
実験の章
下記の表は、この章と実施例で用いられる略号を記載している。
【表1】
【0161】
本発明の一般式Iの化合物の合成
一般式Iの化合物は、スキーム1およびスキーム2で記載された通りに合成され得る。
スキーム中、
A、R
3、R
3a、R
3b、R
3c、R
3d、R
3e、R
5は、上記一般式Iについて示された意味を有し;
R
3f、R
3gは、互いに独立して、水素原子またはC
1−C
3−アルキル−基を表し;
R
3'、Q
2は、脱離基を表し;
Q
1は、所望により保護されたNH
2基または脱離基を表す。
【0162】
典型的な脱離基の例は、塩素、臭素またはヨウ素原子のようなハロゲン原子、または、メチルスルホニル−基、またはトリフレート−またはノナフレート−基を含むが、これらに限定されない。
【0163】
スキーム1
【化84】
【0164】
スキーム1は、合成の間でのR
3、R
3'、R
5、Q
1、Q
2およびAについての多様性を可能とする経路を例示している。R
3、R
3'、R
5、Q
1、Q
2およびA中の官能基は、全ての合成の適当な段階で変換できる。
しかし、標的化合物の合成のために、他の経路も使用した。
【0165】
式Xの化合物は、市販されているか、または、当業者に既知の手順に従って、例えばWO 2007/38314A2に記載された手順を適用することによって合成できる。
【0166】
脱離基Q
2は、一般式X、VIまたはIIIの化合物において、当業者に既知の手順によって導入され、一般式IX、VまたはIIの化合物を生じ得る。例として、ハロゲンは、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)またはN−クロロスクシンイミド(NCS)などのハロゲン化剤を用いて、N,N−ジメチルホルムアミドまたは1−メチルピロリジン−2−オンなどの不活性溶媒中で、例えば室温から溶媒の沸点の範囲の温度で導入できる。
【0167】
一般式I、IVまたはVIIIの化合物は、一般式II、VまたはIXの化合物から、式:Y−A (式中、Aは上で定義されたものであり、Yは基Aを式II、VまたはIXの化合物のQ基を有する炭素原子に変換できる適当な官能基を表す。)の反応材とのカップリング反応を介して得られる。A−Y中のYについての適当な官能基の例は、ボロン酸:A−B(OH)
2、または、ボロン酸エステル:A−B(OC
1−C
6−アルキル)
2を含む。当該カップリング反応は、適当な触媒、例えばパラジウムをベースとする触媒、例えば酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、または、(1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)、および、所望により適当な添加物、例えばホスフィン、例えば、P(oTol)
3またはトリフェニルホスフィンの存在下で、所望により適当な塩基、例えば炭酸カリウム、ナトリウム 2−メチルプロパン−2−オレート、フッ化 テトラブチルアンモニウムまたはリン酸三カリウムと共に、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で行われる。
【0168】
このようなカップリング反応の例は、表題“Metal Catalyzed Cross Coupling Reactions”, Armin de Meijere (Editor), Francois Diederich (Editor) September 2004, Wiley Interscience ISBN: 978-3-527-30518-6の教科書で見出され得る。
【0169】
一般式I、II、IIIまたはVIIの化合物は、一般式IV、V、VIまたはVIIIの化合物から、カップリング反応を介して、式:Y−R
3 (式中、R
3は上で定義されたものであり、Yは適当な塩基、例えば水素化ナトリウムによって、適当な溶媒、例えばDMSOまたはテトラヒドロフラン中で、室温から沸点の温度範囲で除去できる酸性の水素を表す。)の反応材を用いて得られる。得られた求核剤、例えば炭素アニオンを生じる基は、一般式IV、V、VIまたはVIIIの化合物中のR
3'を置き換えて、炭素原子結合基を付加し、一般式I、II、IIIまたはVIIの化合物を生じ得る。
【0170】
Y−R
3中のYはまた、リチウムカチオンまたはマグネシウムカチオンなどのカチオン部分を表してもよい。
【0171】
Q
1が脱離基を表す場合、R
5−CH
2基の導入は、式VII、VIII、IXまたはXの化合物中のQ
1の求核置換によって、すなわち、適当なアミン:R
5−CH
2−NH
2と、適当な塩基、例えばDIPEAの存在下、適当な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドまたは1−メチルピロリジン−2−オン中で、室温から溶媒の沸点の温度範囲で反応させることによって達成でき、一般式I、IV、VまたはVIのアミンを生じ得る。
【0172】
Q
1が脱離基を表す場合、R
5−CH
2基の導入はまた、式VII、VIII、IXまたはXの化合物中のQ
1が、適当なアミン:R
5−CH
2−NH
2と、所望により適当な触媒、例えばPd
2dba
3およびBINAPの存在下で、所望により適当な塩基、例えばナトリウム tert−ブチレートと共に、適当な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドまたは1−メチルピロリジン−2−オン中で反応するカップリング反応において達成され、一般式I、IV、VまたはVIのアミンを生じ得る。
【0173】
Q
1が所望により保護されたNH
2基を表す場合、R
5−CH
2−基の導入は、脱保護してNH
2基とした後、還元アミノ化反応によって、式:O=CHR
5のアルデヒド、適当な還元剤、例えばトリス(アセタト−κO)(ヒドリド)ホウ酸ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いて、適当な溶媒、例えば酢酸中で、室温から溶媒の沸点の範囲の反応温度で達成され得る。
【0174】
スキーム2は、合成の間の最終工程としてのR
3の多様性を可能とする他の経路を例示している。R
3、R
5およびA中の官能基は、全ての適当な合成段階で変換できる。さらに、例示された経路を介したR
3の導入は、他の合成段階で行うこともできる。
【0175】
スキーム2
【化85】
【0176】
簡潔に言えば、一般式IVの6位で適当に置換されたイミダゾピリダジン中間体は、一酸化炭素、および、水またはアルコール、例えばメタノールまたはエタノールと、適当な触媒系、優先的にはパラジウムをベースとする触媒、例えば塩化 1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)−ジクロロメタン錯体、および、適当な塩基、例えばトリエチルアミンまたは炭酸セシウムの存在下で、適当な溶媒中で、例えばTHF中で、大気圧から50bar以下の範囲の圧力で、室温から溶媒の沸点の範囲の温度で反応させることによって、対応する一般式XXIIのカルボン酸またはカルボン酸エステルに変換される。適当な脱離基の例は、ハライド、例えば塩素、臭素またはヨウ素である。
【0177】
式XXIIのエステルの対応する式XXIIIのアルコール中間体への変換は、適当な還元剤、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムまたは水素化アルミニウムリチウムまたは水素化トリアルコキシアルミニウムリチウムによって、適当な溶媒中、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で行われる。
【0178】
式XXIIIのアルコール中間体は、適当な酸化方法によって、例えばTPAP/NMOの使用によって、または、塩化オキサリルおよびDMSOを使用したスワーン法によって、適当な溶媒中で、例えばDCM中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で、式XXIVのアルデヒド中間体に選択的に酸化できる。
【0179】
式XXIVのアルデヒドの式XXIのアルコール誘導体への変換は、適当な有機金属反応材、例えばグリニャール試薬またはアリール−リチウム化合物と、適当な溶媒中で、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で、反応させることによって行われる。グリニャール試薬は、市販されているか、または、様々な方法によって、例えば有機臭化物を、マグネシウムまたは有機マグネシウム塩、例えば塩化イソプロピルマグネシウムと反応させることによって得られる。
【0180】
式XXIのアルコールの対応する式XXのカルボニル誘導体への変換は、適当な酸化方法、例えば式XXIIIの酸化について記載したスワーン法またはTPAP/NMO法を用いて行われる。あるいは、式XXのカルボニル化合物の式XXIのアルコールへの還元は、適当な還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムで、適当な溶媒中で、例えばメタノール中で、−40℃から溶媒の沸点の範囲の温度で達成できる。
【0181】
あるいは、式XXIIのエステルは、例えばN−メトキシメタンアミン塩酸塩(1:1)を用いて、適当な反応材、例えば塩化 イソプロピルマグネシウム またはトリメチル アルミニウムの存在下で、適当な溶媒中で、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で、対応する式XIXのワインレブアミド中間体に変換できる。
【0182】
式XIXのワインレブ中間体は、適当な有機金属反応材、例えばグリニャール試薬を用いて、適当な溶媒中で、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で、対応する式XXのケト誘導体に変換できる。
【0183】
式XVの第3級アルコールは、式XXのカルボニル化合物から、適当な有機金属反応材、例えばグリニャール試薬またはアルキル リチウム試薬、例えばメチル リチウムを用いて、適当な溶媒中で、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で得られる。
【0184】
式XVのアルコールの式XIの化合物(R
3b=C−置換基)へのさらなる変換は、アルコール基を脱離基、例えばトシレート、トリフレート、メシレートまたはノナフレート基に変換し、続いてこの基を適当な反応物、例えば有機金属反応材で置換させることによって行われる。続いて脱離基を水素化剤、例えば水素化ナトリウムで置換させて、式XIの水素置換化合物(R
3b=H−置換基)が得られる。
【0185】
式XVIの化合物は、式XXのカルボニル化合物から、ウィッティヒ反応またはウィッティヒ・ホーナー反応によって、適切な燐イレンまたはホスホネートを用いて、適当な溶媒中、例えばTHF中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で得られる。燐イレンは、市販されているか、または、燐イリド、例えばハロゲン化 アルキル(トリフェニル)ホスホニウムと、適当な塩基、例えばn−ブチルリチウムまたはカリウム t−ブタノレートとの反応によって得られる。
【0186】
式XVIのアルケンの対応する式XXVの飽和アルキルへの変換は、適当な触媒系、例えばパラジウムまたは白金の存在下、適当な溶媒、例えばエタノールまたは酢酸中で、大気圧から20bar以下の範囲の圧力で、室温から溶媒の沸点の範囲の温度で達成できる。
【0187】
適当な溶媒中、例えばDMSO中で、−40℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度での式XVIのアルケンと硫黄イリドとの反応(コーリー・チャイコフスキー反応)から、式XIIのシクロプロピル化合物を得る。硫黄イリドは、市販されているか、または、適切なハロゲン化 トリアルキルスルホキソニウムと適当な塩基、例えば水素化ナトリウムとの反応によって得ることができる。
【0188】
式XXの化合物は、適当なチオール、例えばエタンチオールまたはエタン−1,2−ジチオールと、所望により適当な溶媒および適当な酸、例えば三フッ化ホウ素−酢酸錯体の存在下で、−40℃から溶媒の沸点の範囲の温度で反応させることによって、式XVIIのビス−アルキルスルファニルまたはアルキレンスルファニル化合物に変換できる。
当業者には、式XVIIの化合物は、エチレン チオケタールに限定されないことが明らかである。他のアルキレン チオケタールもまた考えられる。
【0189】
式XVIIの化合物の式XIIIの化合物への変換は、適当なフッ素化反応材、例えばフッ化 テトラアルキルアンモニウム、例えばフッ化 テトラブチルアンモニウム、HF−ピリジン錯体、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボレート)または別のフッ素化反応材の組み合わせと、適当な溶媒、例えばDCM中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で、反応させることによって達成できる。
【0190】
式XVIIの化合物の式XIVの化合物への還元は、適当な還元剤、例えばラネイニッケルのような適当な触媒の存在下の水素で、適当な溶媒、例えばエタノール中で、大気圧から20bar以下の範囲の圧力で、室温から溶媒の沸点の範囲の温度で行われるか、あるいは、例えば水素化ホウ素ナトリウムで、ジクロロニッケル六水和物の存在下で、メタノールなどの適当な溶媒中で、室温から溶媒の沸点の範囲の反応温度で行われる。
【0191】
式XVIIIの化合物は、式XXIの化合物から、適当なハロゲン化剤、例えばHF−ピリジン錯体中のselectfluorと、適当な溶媒、例えばDCM中で、−78℃から溶媒の沸点の範囲の反応温度で直接反応させることによって得ることができる。あるいは、式XXIの化合物中のヒドロキシ基は、脱離基、例えばトシレート、トリフレート、メシレートまたはノナフレート基などに変換して、続いてハロゲン化剤のような適当な求核剤、例えばフッ化セシウムまたは臭化ナトリウムまたは塩化ナトリウムで置換して、式XVIIIの化合物を得ることができる。
【0192】
さらに、本発明のスキーム1および2における化合物は、当業者に既知の何れかの方法によって、本明細書に記載された何れかの塩に変換できる。同様に、本発明の式Iの化合物の塩は何れも、当業者に既知の何れかの方法によって、遊離化合物に変換できる。
【0193】
本発明の方法に従って合成された化合物および中間体は、精製を必要とし得る。有機化合物の精製は、当業者に周知であり、同じ化合物を精製する幾つかの方法があり得る。幾つかの場合では、精製は必要とされない。幾つかの場合では、化合物は、結晶化によって精製され得る。幾つかの場合では、不純物は、適当な溶媒を用いて撹拌することによって除去され得る。幾つかの場合では、化合物は、クロマトグラフィー、特にフラッシュクロマトグラフィーによって、例えばSepartis社の予め充填されたシリカゲル・カートリッジ、例えばIsolute(登録商標) Flash シリカゲル、または、Isolute(登録商標) Flash NH2 シリカゲルを用いて、適当なクロマトグラフィー系、例えばFlashmaster II (Separtis)またはIsolera system (Biotage)、および、溶出液、例えばヘキサン/EtOAcまたはDCM/メタノールの濃度勾配と組み合わせて精製され得る。幾つかの場合では、化合物は、分取HPLCによって、例えばダイオード・アレイ検出器および/またはオンライン・エレクトロスプレーイオン化質量検出器を備えたWaters自動精製機を用いて、適当な予め充填された逆相カラム、および、溶出液、例えば、トリフルオロ酢酸、蟻酸またはアンモニア水などの添加物を含んでもよい水およびアセトニトリルの濃度勾配と組み合わせて精製され得る。
【0194】
実施例
分析的UPLC−MSを下記の通り行った:
方法A:系:PDA検出器およびWaters ZQ 質量分析器を有するUPLC Acquity (Waters);カラム:Acquity BEH C18 1.7μm 2.1×50mm;温度:60℃;溶媒A:水+0.1%蟻酸;溶媒B:アセトニトリル;濃度勾配:99% A→1% A(1.6分)→1% A(0.4分);流速:0.8ml/分;注入体積:1.0μl (0.1mg〜1mg/ml サンプル濃度);検出:PDAスキャン範囲 210〜400nm−FixedおよびESI(+), スキャン範囲170〜800 m/z
【0195】
全般:
全ての反応は、特に断りのない限り、アルゴン雰囲気下で、脱気した溶媒中で行った。
【0196】
比較実施例1:
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化86】
比較実施例1aに従って製造された300mg(622μmol)の4−{6−ブロモ−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド、2.0mlのテトラヒドロフラン、8.29mlのブロモ(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)マグネシウム(テトラヒドロフラン中0.75M)を含む混合物を、23℃で一夜撹拌した。50℃で5時間撹拌を続け、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、261mg(77%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.32 (3H), 2.56-2.72 (2H), 2.80 (1H), 3.53 (2H), 3.76 (3H), 3.96 (2H), 6.20 (1H), 7.04-7.12 (2H), 7.20 (1H), 7.30 (1H), 7.46 (1H), 7.92-7.98 (3H), 8.27 (1H) ppm.
【0197】
比較実施例1a
4−{6−ブロモ−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド
【化87】
比較実施例1bに従って製造された1.00g(2.3mmol)の6−ブロモ−3−ヨード−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−8−アミン、比較実施例1fに従って製造された976mgのN−シクロプロピル−2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド、564mgの(1,1,−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)、3.45mlの2M 炭酸セシウム水溶液および15mlのテトラヒドロフランを含む混合物を45℃で12時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで、そしてメタノールで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、580mg(52%)の表題化合物を得た。
【0198】
比較実施例1b
6−ブロモ−3−ヨード−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−8−アミン
【化88】
40mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の比較実施例1cに従って製造された2.30g(5.71mmol)の6,8−ジブロモ−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの溶液に、2.0gの3,3,3−トリフルオロプロパン−1−アミンを加え、混合物を40℃で一夜撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで、そしてメタノールで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、2.0g(81%)の表題化合物を得た。
【0199】
比較実施例1c
6,8−ジブロモ−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化89】
比較実施例1dに従って製造された3.64g(10.5mmol)の6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−b]ピリダジン、2.8gのN−ヨードスクシンイミド、72.6mlのN,N−ジメチルホルムアミドを含む混合物を、60℃で3時間加熱した。1.4gのN−ヨードスクシンイミドを加え、さらに4時間加熱を続けた。大部分の溶媒を除去し、水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を、水で、そしてチオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、3.64g(86%)の表題化合物を得た。
【0200】
比較実施例1d
6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化90】
比較実施例1eに従って製造された5.0g(14.0mmol)の8−ブロモ−6−クロロ−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジン、30mlの臭化水素溶液(酢酸中33%)の混合物を、マイクロ波照射下、120℃で1時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、チオ硫酸ナトリウムで、そして炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、3.0g(78%)の表題化合物を得た。
【0201】
比較実施例1e
8−ブロモ−6−クロロ−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化91】
US2007/78136 (WO2007/38314)に記載された手順に従って製造された100g(430mmol)の8−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン、145gのN−ヨードスクシンイミド、5重量%の濃塩酸および1Lのトリクロロメタンを含む混合物を、6時間還流した。20gのN−ヨードスクシンイミドを加え、さらに3時間加熱を続けた。沈殿物を除去し、濾液を、1N 水酸化ナトリウム溶液で、そして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、ジイソプロピルエーテルを加え、残渣を23℃で一夜撹拌した。沈殿物を濾過し、乾燥し、66.6g(43%)の表題化合物を得た。
【0202】
比較実施例1f
N−シクロプロピル−2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド
【化92】
2Lのジオキサン中の比較実施例1gに従って製造された260g(1.02mol)の4−ブロモ−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミドの溶液に、23℃で、390gのビス−(ピナコラト)−ジボラン、19.5gの2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル、150gの酢酸カリウムおよび9.37gのトリス−(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)を加え、混合物を6時間還流した。23℃まで冷却した後、水および酢酸エチルを加え、混合物を15分間撹拌した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーによって精製し、308g(56%)の表題化合物を得た。
【0203】
比較実施例1g
4−ブロモ−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド
【化93】
8.4Lのジクロロメタン中の300g(1.4mol)の4−ブロモ−2−メチル安息香酸の溶液に、撹拌しながら、23℃で、79.6gのシクロプロパンアミンおよび320.9gのEDCを加えた。一夜撹拌した後、溶液を水で洗浄し、水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残った固体をジイソプロピルエーテルで磨砕し、濾過し、洗浄し、真空で乾燥し、260g(73%)の表題化合物を得た。
【0204】
比較実施例2:
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−ヒドロキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化94】
1mlのジクロロメタン中の比較実施例2aに従って製造された14.2mg(26μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液に、131μlのジクロロメタン中1M 三臭化ホウ素溶液を加え、混合物を23℃で1時間撹拌した。メタノールを加え、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーによって精製し、4.9mg(32%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.20分; m/z (ES+) 528.5 [MH
+]; 所要のMW = 527.5.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 2.29 (3H), 2.56-2.70 (2H), 2.80 (1H), 3.52 (2H), 4.04 (2H), 6.15 (1H), 6.74 (1H), 6.96-7.06 (2H), 7.26 (1H), 7.41 (1H), 7.88-7.96 (3H), 8.23 (1H), 8.70 (1H) ppm.
【0205】
比較実施例2a
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化95】
比較実施例2bに従って製造された30mg(48μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド、800μlのメタノール、200μlのテトラヒドロフラン、18.8mgのジクロロニッケル六水和物および15.0mgの水素化ホウ素ナトリウムを含む混合物を、23℃で2時間撹拌した。濾過後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、24.2mg(93%)の表題化合物を得た。これをさらに精製することなく用いた。
UPLC-MS: RT = 1.30分; m/z (ES+) 542.6 [MH
+]; 所要のMW = 541.6.
【0206】
比較実施例2b
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化96】
比較実施例2cに従って製造された150mg(270μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド、340μlのエタン−1,2−ジチオールおよび37.5μlの三フッ化ホウ素−酢酸錯体を含む混合物を、60℃で16時間加熱した。酢酸エチルを加え、混合物を、飽和炭酸水素ナトリウムで、水酸化ナトリウム溶液(1M)で、そして塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、63.0mg(37%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.37分; m/z (ES+) 632.7 [MH
+]; 所要のMW = 631.7.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.51 (2H), 0.59-0.68 (2H), 2.58-2.72 (3H), 2.77 (1H), 3.13 (2H), 3.32-3.40 (2H), 3.42 (3H), 3.50-3.69 (4H), 6.71 (1H), 7.06 (1H), 7.17 (1H), 7.23-7.33 (1H), 7.53-7.60 (2H), 7.69 (1H), 7.83 (1H), 8.00 (1H), 8.19 (1H) ppm.
【0207】
比較実施例2c
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化97】
比較実施例2dに従って製造された460mg(997mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボン酸メチル、10mlのテトラヒドロフランおよび126mgのN−メトキシメタンアミン塩酸塩を含む混合物を、−5℃に冷却した。35.9mlのテトラヒドロフラン中のブロモ(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)マグネシウム溶液(0.5M)を加え、混合物を23℃で一夜撹拌し、冷塩酸に注いだ。酢酸エチルを加え、混合物を塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、306mg(55%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.30分; m/z (ES+) 556.5 [MH
+]; 所要のMW = 555.5.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.51 (2H), 0.59-0.70 (2H), 2.10 (3H), 2.64-2.83 (3H), 3.62 (3H), 3.72 (2H), 6.79 (1H), 7.00-7.06 (1H), 7.14 (1H), 7.26 (1H), 7.50 (1H), 7.54 (1H), 7.71 (1H), 7.82 (1H), 7.94 (1H), 8.22 (1H) ppm.
【0208】
比較実施例2d
3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボン酸メチル
【化98】
比較実施例1aに従って製造された5.0g(10.37mmol)の4−{6−ブロモ−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド、100mlのメタノール、10mlのテトラヒドロフラン、1.7gの(1,1,−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)、1.6mlのトリエチルアミンを含む混合物を、一酸化炭素雰囲気下、100℃で、9〜12barで24時間反応させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、3.32g(63%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.11分; m/z (ES+) 462.5 [MH
+]; 所要のMW = 461.5.
【0209】
比較実施例3:
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化99】
比較実施例3aに従って製造された45mg(75μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、16.3mg(42%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.30分; m/z (ES+) 556.5 [MH
+]; 所要のMW = 555.5.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.32 (3H), 2.56-2.72 (2H), 2.80 (1H), 3.54 (2H), 4.05 (2H), 6.22 (1H), 7.03 (1H), 7.15-7.23 (2H), 7.26-7.38 (2H), 7.46 (1H), 7.91-7.99 (3H), 8.24 (1H) ppm.
【0210】
比較実施例3a
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化100】
比較実施例3bに従って製造された80mg(152μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、45mg(49%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.39分; m/z (ES+) 602.7 [MH
+]; 所要のMW = 601.7.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.46-0.53 (2H), 0.61-0.68 (2H), 2.30 (3H), 2.52-2.65 (2H), 2.76-2.85 (1H), 3.32-3.41 (2H), 3.48-3.62 (4H), 6.26 (1H), 7.06-7.13 (1H), 7.26 (1H), 7.34 (1H), 7.39-7.43 (1H), 7.48 (1H), 7.63 (1H), 7.91 (1H), 8.05 (2H), 8.25 (1H) ppm.
【0211】
比較実施例3b
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化101】
30mlのTHF中の比較実施例3cに従って製造された400mg(0.816mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−N−メトキシ−N−メチル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキサミドの溶液に、12.23ml(15当量)のブロモ(3−フルオロフェニル)マグネシウム(THF中1M溶液)を−20℃で加えた。この温度でさらに30分間撹拌した後、溶液を、50mlの氷冷した0.5M HCl溶液に滴下し、後処理して精製した後、334mg(78%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.32分; m/z (ES+) 526.5 [MH+]; 所要のMW = 525.5.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.52 (2H), 0.59-0.69 (2H), 2.20 (3H), 2.62-2.84 (3H), 3.70 (2H), 6.74 (1H), 7.10 (1H), 7.24 (1H), 7.51-7.66 (2H), 7.79-7.96 (4H), 8.15 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0212】
比較実施例3c
3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−N−メトキシ−N−メチル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキサミド
【化102】
30mlのTHF中の比較実施例2dに従って製造された6.62g(14.34mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボン酸メチルおよび2.10g(21.52mmol)のN−メトキシメタンアミン塩酸塩(1:1)の懸濁液に、33mlの塩化リチウム−クロロ(プロパン−2−イル)マグネシウム(1:1)(3当量, THF中1.3M溶液)を−20℃で滴下した。この温度で2時間撹拌した後、さらに、55ml(5当量)の塩化リチウム−クロロ(プロパン−2−イル)マグネシウム(1:1)溶液を加えた。40分後、20% 塩化アンモニウム溶液を添加することによって反応を停止し、後処理して精製した後、3.8g(55%)の表題化合物を得た。
UPLC-MS: RT = 1.05分; m/z (ES+) 491.5 [MH
+]; 所要のMW = 490.5.
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.53 (2H), 0.60-0.69 (2H), 2.35 (3H), 2.57-2.73 (2H), 2.81 (1H), 3.54-3.69 (5H), 6.36 (1H), 7.36 (1H), 7.81 (1H), 7.90 (1H), 7.95 (1H), 8.04 (1H), 8.28 (1H) ppm.
【0213】
比較実施例4:
N−シクロプロピル−4−{6−(3−メトキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化103】
比較実施例1aに従って製造された100mg(207μmol)の4−{6−ブロモ−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミドを、比較実施例1と類似の方法で、ブロモ(3−メトキシベンジル)マグネシウムを用いて変換し、後処理して精製した後、28.7mg(25%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.33 (3H), 2.56-2.72 (2H), 2.80 (1H), 3.53 (2H), 3.69 (3H), 3.99 (2H), 6.28 (1H), 6.77 (1H), 6.87-6.97 (2H), 7.20 (1H), 7.32 (1H), 7.54 (1H), 7.93-8.05 (3H), 8.28 (1H) ppm.
【0214】
比較実施例5
N−シクロプロピル−4−{6−(4−メトキシベンジル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化104】
比較実施例5aに従って製造された30mg(49μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、7.9mg(29%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.33 (3H), 2.55-2.71 (2H), 2.80 (1H), 3.52 (2H), 3.68 (3H), 3.94 (2H), 6.16 (1H), 6.85 (2H), 7.25 (2H), 7.31 (1H), 7.43 (1H), 7.91-8.01 (3H), 8.27 (1H) ppm.
【0215】
比較実施例5a
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化105】
実施例9に従って製造された100mg(186μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、60.2mg(53%)の表題化合物を得た。
【0216】
実施例1:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化106】
6.8mlのテトラヒドロフラン中の386mgの臭化 メチル(トリフェニル)ホスホニウムの懸濁液に、−78℃で、421μlのn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、3.2mlのテトラヒドロフラン中の中間体実施例1aに従って製造された150mg(270μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液を加え、一夜撹拌を続けた。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、127mg(81%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.64 (2H), 2.17 (3H), 2.61-2.73 (2H), 2.78 (1H), 3.61 (2H), 3.84 (3H), 5.73 (1H), 5.93 (1H), 6.36 (1H), 7.13-7.23 (3H), 7.30 (1H), 7.54 (1H), 7.82 (1H), 7.88 (1H), 8.01 (1H), 8.21 (1H) ppm.
【0217】
中間体実施例1a
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化107】
2.5mlのジクロロメタン中の82μlの二塩化 エタンジオイルの溶液に、−78℃で、133μlのジメチルスルホキシドを、続いて2.5mlのジクロロメタンおよび0.6mlのジメチルスルホキシド中の中間体実施例1bに従って製造された262mg(470μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液を加えた。1時間後、393μlのトリエチルアミンを加え、混合物を23℃で20分間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンおよびメタノール(9:1)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、210mg(80%)の表題化合物を得た。
【0218】
中間体実施例1b
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化108】
20mlのテトラヒドロフラン中の中間体実施例1cに従って製造された500mg(1.16mmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液に、0℃で、598μlの4−ブロモ−2−フルオロ−1−メトキシベンゼン、113mgのマグネシウムおよび5mlのテトラヒドロフランから新しく製造されたブロモ(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)マグネシウムの溶液を加えた。1時間後、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、319mg(46%)の表題化合物を得た。
【0219】
中間体実施例1c
N−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化109】
中間体実施例1dに従って製造された1.60g(3.69mmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(ヒドロキシメチル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、1.50g(94%)の表題化合物を得た。
【0220】
中間体実施例1d
N−シクロプロピル−4−{6−(ヒドロキシメチル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化110】
220mlのテトラヒドロフラン中の比較実施例2dに従って製造された2.17g(4.70mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボン酸メチルの溶液に、0℃で、23.5mlの水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(テトラヒドロフラン中1M)を加えた。1時間後、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。水を加え、混合物を酢酸エチルおよびメタノール(9:1)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、1.56g(73%)の表題化合物を得た。
【0221】
実施例2:
N−シクロプロピル−4−{6−[ジフルオロ(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化111】
32.5mgの1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ジテトラフルオロボレートおよび1.16mlのピリジンフッ化水素酸塩の混合物に、0℃で、0.5mlのジクロロメタン中の中間体実施例2aに従って製造された29mg(46μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液を加えた。混合物を23℃で一夜撹拌し、水に注いだ。有機層を、水で、そして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、14.6mg(52%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 2.23 (3H), 2.61-2.84 (3H), 3.68 (2H), 3.86 (3H), 6.58 (1H), 7.24 (1H), 7.31 (1H), 7.42 (1H), 7.50 (1H), 7.72-7.81 (2H), 7.97 (1H), 8.09 (1H), 8.27 (1H) ppm.
【0222】
中間体実施例2a
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化112】
中間体実施例1aに従って製造された50mg(90μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、29mg(51%)の表題化合物を得た。
【0223】
実施例3:
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化113】
中間体実施例3aに従って製造された25.0mg(45μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド、25.1mgのナトリウム メタンチオラートおよび900μlのジメチルスルホキシドの混合物を、マイクロ波照射下、130℃で5分間加熱した。塩酸を加え、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーによって精製し、8.2mg(32%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.29 (3H), 2.56-2.72 (2H), 2.79 (1H), 3.57 (2H), 6.00 (1H), 6.33 (1H), 6.33 (1H), 6.79 (1H), 7.03 (1H), 7.24 (1H), 7.27 (1H), 7.44 (1H), 7.86-7.92 (2H), 8.96 (1H), 8.24 (1H) ppm.
【0224】
中間体実施例3a
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化114】
中間体実施例1cに従って製造された500mg(1.16mmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、ブロモ(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)マグネシウムを用いて、中間体実施例1bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、519mg(80%)の表題化合物を得た。
【0225】
実施例4:
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化115】
中間体実施例4aに従って製造された23.5mg(41μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例3と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、9.5mg(39%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 1.91 (3H), 2.32 (3H), 2.52-2.65 (2H), 2.80 (1H), 3.49 (2H), 6.22 (1H), 6.69 (1H), 7.00 (1H), 7.18 (1H), 7.28 (1H), 7.35 (1H), 7.93 (1H), 7.96-8.02 (2H), 8.25 (1H), 8.59 (1H) ppm.
【0226】
中間体実施例4a
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化116】
2.5mlのテトラヒドロフラン中の中間体実施例4bに従って製造された50mg(90μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液に、−78℃で、225μlのメチルリチウム(ジエチルエーテル中2.5M)を加えた。混合物を−50℃で30分間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、29mg(56%)の表題化合物を得た。
【0227】
中間体実施例4b
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化117】
中間体実施例3aに従って製造された442mg(793μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、317mg(72%)の表題化合物を得た。
【0228】
実施例5:
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[フルオロ(3−フルオロフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化118】
中間体実施例5aに従って製造された50mg(95μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例2と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、4.3mg(7%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 2.31 (3H), 2.50 (1H), 2.61-2.74 (2H), 2.80 (1H), 3.63 (2H), 6.41 (1H), 6.68 (1H), 7.22 (1H), 7.29 (1H), 7.33-7.39 (1H), 7.46 (1H), 7.75 (1H), 7.87-7.90 (2H), 8.02 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0229】
中間体実施例5a
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化119】
5mlのジクロロメタン中の比較実施例3bに従って製造された210mg(400μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液に、3℃で、151mgの水素化ホウ素ナトリウムを加えて、1時間撹拌を続け、そして23℃で1時間撹拌を続けた。水を加え、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、209mg(96%)の表題化合物を得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0230】
実施例6:
N−シクロプロピル−4−{6−[ジフルオロ(3−フルオロフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化120】
比較実施例3aに従って製造された28mg(46μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(3−フルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例2と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、7.9mg(31%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 2.24 (3H), 2.61-2.84 (3H), 3.70 (2H), 6.61 (1H), 7.23 (1H), 7.41 (1H), 7.46-7.53 (2H), 7.57 (1H), 7.74 (1H), 7.75 (1H), 7.97 (1H), 8.09 (1H), 8.24 (1H) ppm.
【0231】
実施例7:
N−シクロプロピル−4−{6−(3−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化121】
中間体実施例7aに従って製造された52mg(96μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[ヒドロキシ(3−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、34mg(62%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47 (2H), 0.64 (2H), 2.19 (3H), 2.62-2.82 (3H), 3.69 (2H), 3.76 (3H), 6.71 (1H), 7.23 (1H), 7.27 (1H), 7.48 (1H), 7.54 (1H), 7.61 (1H), 7.84 (1H), 7.89 (1H), 7.96 (1H), 8.15 (1H), 8.22 (1H) ppm.
【0232】
中間体実施例7a
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[ヒドロキシ(3−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化122】
中間体実施例1cに従って製造された110mg(255μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、ブロモ(3−メトキシフェニル)マグネシウムを用いて、中間体実施例1bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、79mg(55%)の表題化合物を得た。
【0233】
実施例8:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−メトキシフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化123】
実施例7に従って製造された175mg(326μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、96.3mg(55%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.64 (2H), 2.18 (3H), 2.60-2.72 (2H), 2.78 (1H), 3.60 (2H), 3.71 (3H), 5.75 (1H), 5.98 (1H), 6.34 (1H), 6.92-6.99 (3H), 7.21 (1H), 7.29 (1H), 7.53 (1H), 7.84 (1H), 7.89 (1H), 8.01 (1H), 8.21 (1H) ppm.
【0234】
実施例9
N−シクロプロピル−4−{6−(4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化124】
中間体実施例9aに従って製造された400mg(741μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、264mg(66%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.51 (2H), 0.66 (2H), 2.34 (3H), 2.56-2.72 (2H), 2.81 (1H), 3.56 (2H), 3.68 (3H), 6.31 (1H), 6.86 (2H), 7.33 (1H), 7.38 (2H), 7.49 (1H), 7.93-8.02 (3H), 8.29 (1H) ppm.
【0235】
中間体実施例9a
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化125】
中間体実施例1cに従って製造された500mg(1.16mmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、ブロモ(4−メトキシフェニル)マグネシウムを用いて、中間体実施例1bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、501mg(72%)の表題化合物を得た。
【0236】
実施例10
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(4−メトキシフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化126】
実施例9に従って製造された73mg(136μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、36.1mg(45%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47 (2H), 0.63 (2H), 2.17 (3H), 2.60-2.72 (2H), 2.78 (1H), 3.60 (2H), 3.76 (3H), 5.66 (1H), 5.85 (1H), 6.32 (1H), 6.93 (2H), 7.22 (1H), 7.35 (2H), 7.52 (1H), 7.84 (1H), 7.89 (1H), 8.00 (1H), 8.21 (1H) ppm.
【0237】
実施例11
(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(2,5−ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化127】
中間体実施例1cに従って製造された400mg(927μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、ブロモ(2,5−ジフルオロフェニル)マグネシウムを用いて、中間体実施例1bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、326mg(64%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 2.27 (3H), 2.58-2.74 (2H), 2.79 (1H), 3.60 (2H), 5.94 (1H), 6.41 (1H), 6.54 (1H), 7.12-7.27 (3H), 7.44 (1H), 7.57 (1H), 7.82 (1H), 7.88 (1H), 7.99 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0238】
実施例12
N−シクロプロピル−4−{6−(2,5−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化128】
実施例11に従って製造された300mg(550μmol)の(RS)−N−シクロプロピル−4−{6−[(2,5−ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、82mg(27%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.64 (2H), 2.14 (3H), 2.63-2.82 (3H), 3.71 (2H), 6.79 (1H), 7.18 (1H), 7.46 (1H), 7.55 (1H), 7.65 (1H), 7.73 (1H), 7.81 (1H), 7.99 (1H), 8.18 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0239】
実施例13
N−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロ−4−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化129】
中間体実施例1bに従って製造された262mg(470μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、210mg(80%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.64 (2H), 2.24 (3H), 2.64-2.75 (2H), 2.78 (1H), 3.68 (2H), 3.94 (3H), 6.67 (1H), 7.28 (1H), 7.34 (1H), 7.85 (1H), 7.89 (1H), 7.93-7.99 (3H), 8.13 (1H), 8.24 (1H) ppm.
【0240】
実施例14
N−シクロプロピル−4−{6−(2,3−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化130】
中間体実施例14aに従って製造された296mg(543μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[(2,3−ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、中間体実施例1aと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、165mg(56%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47 (2H), 0.64 (2H), 2.13 (3H), 2.63-2.82 (3H), 3.71 (2H), 6.80 (1H), 7.17 (1H), 7.40 (1H), 7.55 (1H), 7.68-7.84 (3H), 8.04 (1H), 8.19 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0241】
実施例14a
N−シクロプロピル−4−{6−[(2,3−ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化131】
中間体実施例1cに従って製造された400mg(927μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−ホルミル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、ブロモ(2,3−ジフルオロフェニル)マグネシウムを用いて、中間体実施例1bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、326mg(64%)の表題化合物を得た。
【0242】
実施例15
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,3−ジフルオロフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化132】
実施例14に従って製造された75mg(138μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(2,3−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、67.2mg(83%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.66 (2H), 2.14 (3H), 2.68-2.83 (3H), 3.69 (2H), 5.81 (1H), 6.47 (1H), 6.65 (1H), 7.14 (1H), 7.22-7.32 (2H), 7.51 (1H), 7.58 (1H), 7.69 (1H), 7.75 (1H), 8.03 (1H), 8.24 (1H) ppm.
【0243】
実施例16
N−シクロプロピル−4−{6−[ジフルオロ(4−メトキシフェニル)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化133】
比較実施例5aに従って製造された30mg(49μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例2と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、6.0mg(21%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 2.23 (3H), 2.61-2.84 (3H), 3.67 (2H), 3.77 (3H), 6.55 (1H), 7.04 (2H), 7.24 (1H), 7.55 (2H), 7.78 (2H), 7.94 (1H), 8.09 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0244】
実施例17
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,3−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化134】
68.3mgの[ヨード(ジメチル)オキシド−λ
6−スルファニル]メタン、12.3mgの水素化ナトリウム(60%)および0.82mlのジメチルスルホキシドを含む混合物を、60℃で1.5時間撹拌した。0.43mlのジメチルスルホキシド中の実施例15に従って製造された21mg(39μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,3−ジフルオロフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドの溶液を加え、マイクロ波照射下、130℃で1.5時間撹拌を続けた。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、9.8mg(41%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49 (2H), 0.65 (2H), 1.36 (2H), 1.65 (2H), 2.24 (3H), 2.50-2.67 (2H), 2.80 (1H), 3.52 (2H), 5.73 (1H), 7.16 (1H), 7.22 (1H), 7.30 (1H), 7.34-7.49 (2H), 7.74 (1H), 7.79 (1H), 7.96 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0245】
実施例18
N−シクロプロピル−4−{6−[(2,3−ジフルオロフェニル)(ジフルオロ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化135】
中間体実施例18aに従って製造された21mg(34μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(2,3−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例2と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、7.8mg(41%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.64 (2H), 2.15 (3H), 2.62-2.82 (3H), 3.71 (2H), 6.66 (1H), 7.14 (1H), 7.43 (1H), 7.56 (1H), 7.61 (1H), 7.65 (1H), 7.75 (1H), 8.07 (1H), 8.11 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0246】
実施例18a
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(2,3−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化136】
実施例14に従って製造された50mg(92μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(2,3−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、23.6mg(41%)の表題化合物を得た。
【0247】
実施例19
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,5−ジフルオロフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化137】
実施例12に従って製造された150mg(276μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(2,5−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、96.2mg(61%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47 (2H), 0.64 (2H), 2.12 (3H), 2.62-2.81 (3H), 3.66 (2H), 5.78 (1H), 6.42 (1H), 6.61 (1H), 7.12 (1H), 7.23-7.35 (3H), 7.56 (1H), 7.67 (1H), 7.75 (1H), 8.01 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0248】
実施例20
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,5−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化138】
実施例19に従って製造された30mg(55μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[1−(2,5−ジフルオロフェニル)ビニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例17と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、9.9mg(31%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.50 (2H), 0.65 (2H), 1.36 (2H), 1.63 (2H), 2.26 (3H), 2.52-2.64 (2H), 2.80 (1H), 3.52 (2H), 5.75 (1H), 7.16-7.26 (3H), 7.35 (1H), 7.40 (1H), 7.75 (1H), 7.81 (1H), 7.95 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0249】
実施例21
N−シクロプロピル−4−{6−[(2,5−ジフルオロフェニル)(ジフルオロ)メチル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化139】
中間体実施例21aに従って製造された48mg(77μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、17.3mg(38%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.48 (2H), 0.65 (2H), 2.16 (3H), 2.64-2.82 (3H), 3.71 (2H), 6.65 (1H), 7.16 (1H), 7.46 (1H), 7.56 (1H), 7.60-7.65 (2H), 7.67 (1H), 8.03 (1H), 8.11 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0250】
実施例21a
N−シクロプロピル−4−{6−[2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化140】
実施例12に従って製造された100mg(184μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(2,5−ジフルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、比較実施例2bと類似の方法で変換し、後処理して精製した後、54mg(47%)の表題化合物を得た。
【0251】
実施例22:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化141】
中間体実施例22aに従って製造された27.0mg(49μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[1−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド、85.5mgのトリブロモボランおよび2000μlのDCMの混合物を、氷冷しながら30分間撹拌し、後処理して精製した後、5.7mg(22%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.52 (2H), 0.64 (2H), 2.15 (3H), 2.59-2.73 (2H), 2.78 (1H), 3.61 (2H), 5.59 (1H), 6.17 (1H), 6.41 (1H), 6.79 (1H), 7.00 (2H), 7.15 (1H), 7.41 (1H), 7.71-7.78 (1H), 7.84 (1H), 7.98 (1H), 8.20 (1H), 9.21 (1H) ppm.
【0252】
中間体実施例22a
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化142】
中間体実施例22bに従って製造された1740mg(1.16mmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(5−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理した後、1270mg(73%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.43-0.52 (2H), 0.59-0.69 (2H), 2.14 (3H), 2.57-2.73 (2H), 2.73-2.84 (1H), 3.50 (3H), 3.56-3.67 (2H), 5.59 (1H), 6.25 (1H), 6.45 (1H), 6.98-7.16 (3H), 7.19 (1H), 7.46 (1H), 7.71 (1H), 7.78 (1H), 8.00 (1H), 8.23 (1H) ppm.
【0253】
中間体実施例22b
N−シクロプロピル−4−{6−(5−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化143】
比較実施例3cに従って製造された2000mg(4.078mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−N−メトキシ−N−メチル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキサミドを、ブロモ(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)マグネシウムを用いて、比較実施例3bと類似の方法で変換し、後処理した後、1740mg(77%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.43-0.51 (2H), 0.60-0.69 (2H), 2.13 (3H), 2.62-2.83 (4H), 3.60 (3H), 3.70 (2H), 6.75 (1H), 7.15 (1H), 7.21 (1H), 7.33-7.46 (2H), 7.72 (1H), 7.80 (1H), 7.92 (1H), 8.18 (1H), 8.25 (1H) ppm.
【0254】
実施例23:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)シクロプロピル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化144】
50mlのエタノール:HOAC 8:2中の、中間体実施例23aに従って製造された584mg(907μmol)の4−(6−{1−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル]シクロプロピル}−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミドおよび50mgのPd/Cの混合物を、室温で、水素雰囲気下、1atmで、8日間撹拌し、後処理した後、68mg(14%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47-0.58 (2H), 0.63-0.72 (2H), 1.21-1.29 (2H), 1.55-1.63 (2H), 2.51-2.65 (3H), 2.82 (1H), 3.46 (2H), 5.75 (1H), 6.81 (1H), 6.93-7.03 (1H), 7.11 (1H), 7.27 (1H), 7.37 (1H), 7.85-8.01 (3H), 8.30 (1H), 9.33 (1H) ppm.
【0255】
中間体実施例23a
4−(6−{1−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル]シクロプロピル}−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド
【化145】
中間体実施例23bに従って製造された2060mg(3.27mmol)の粗製の4−(6−{1−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル]エテニル}−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミドを、実施例17と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、692mg(33%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.49-0.57 (2H), 0.64-0.73 (2H), 1.26-1.33 (2H), 1.58-1.66 (2H), 2.31 (3H), 2.42-2.55 (2H), 2.83 (1H), 3.41 (2H), 4.98 (2H), 5.72 (1H), 6.97-7.04 (2H), 7.05-7.11 (4H), 7.14 (1H), 7.25-7.30 (2H), 7.32 (1H), 7.83-7.88 (1H), 7.92 (1H), 7.96 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0256】
中間体実施例23b
4−(6−{1−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル]ブタ−3−エン−1−イル}−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド
【化146】
中間体実施例23cに従って製造された14.06g(22.26mmol)−4−{6−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロベンゾイル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理した後、21.83g(150%)の粗製の表題化合物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.46-0.54 (2H), 0.62-0.70 (2H), 2.14 (3H), 2.52-2.68 (2H), 2.74-2.87 (1H), 3.59 (2H), 4.84 (2H), 5.65 (1H), 6.16 (1H), 6.39 (1H), 6.77 (2H), 6.93 (2H), 7.02-7.29 (5H), 7.43 (1H), 7.74 (1H), 7.82 (1H), 8.03 (1H), 8.21 (1H) ppm.
【0257】
中間体実施例23c
4−{6−[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロベンゾイル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−N−シクロプロピル−2−メチルベンズアミド
【化147】
300mlのTHF中の比較実施例3cに従って製造された15.96g(32.54mmol)の3−[4−(シクロプロピルカルバモイル)−3−メチルフェニル]−N−メトキシ−N−メチル−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキサミドを、新しく製造された[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル](ブロモ)マグネシウムの溶液(231mmol, 200mlのTHF中)を用いて、比較実施例3bと類似の方法で変換し、後処理した後、13.26g(64.5%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47-0.56 (2H), 0.62-0.71 (2H), 2.12 (3H), 2.67 (2H), 2.80 (1H), 3.68 (2H), 4.96 (2H), 6.68 (1H), 6.83 (2H), 6.97 (2H), 7.07 (1H), 7.18 (1H), 7.32 (1H), 7.40-7.50 (2H), 7.73 (1H), 7.81 (1H), 7.88 (1H), 8.20 (1H), 8.24 (1H) ppm.
【0258】
中間体実施例23d
[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル](ブロモ)マグネシウム
【化148】
100mlのTHF中の5.62g(231mmol)のマグネシウムの懸濁液に、撹拌しながら、アルゴン雰囲気下、室温で、1個のヨウ素の結晶を加え、100mlのTHF中の64.95g(231mmol)の1−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−4−フルオロベンゼンの溶液40mlを滴下した。混合物を脱色するまで60℃で加熱し、1−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−4−フルオロベンゼンの残りの溶液を、50℃の温度を保ちながら滴下した。室温に冷却した後、このグリニャール溶液を中間体実施例23cに直接用いた。
【0259】
実施例24:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化149】
比較実施例3bに従って製造された80.0mg(152μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−(3−フルオロベンゾイル)−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、27mg(33.7%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.44-0.51 (2H), 0.60-0.66 (2H), 2.16 (3H), 2.59-2.72 (2H), 2.77 (1H), 3.62 (2H), 5.81 (1H), 6.06 (1H), 6.41 (1H), 7.15-7.23 (2H), 7.23-7.30 (2H), 7.38-7.47 (1H), 7.55 (1H), 7.77-7.83 (1H), 7.85 (1H), 8.01 (1H), 8.20 (1H) ppm.
【0260】
実施例25:
N−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロフェニル)シクロプロピル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミド
【化150】
実施例23に従って製造された27.0mg(52μmol)のN−シクロプロピル−4−{6−[1−(3−フルオロフェニル)エテニル]−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}−2−メチルベンズアミドを、実施例1と類似の方法で変換し、後処理して精製した後、9mg(32%)の表題化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ= 0.47-0.53 (2H), 0.61-0.69 (2H), 1.32-1.38 (2H), 1.54-1.59 (2H), 2.32 (3H), 2.57 (2H), 2.80 (1H), 3.51 (2H), 5.99 (1H), 7.03-7.11 (1H), 7.14-7.23 (2H), 7.27-7.40 (2H), 7.51 (1H), 7.84-7.91 (2H), 8.08 (1H), 8.26 (1H) ppm.
【0261】
本発明の化合物の医薬組成物
本発明はまた、1種以上の本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。これらの組成物を利用して、それを必要とする患者に投与することによって、所望の薬理学的効果を達成できる。本発明の目的において、患者は、特定の状態または疾患の処置を必要とする、ヒトを含む哺乳動物である。それ故に、本発明は、薬学的に許容される担体および薬学的に有効量の本発明の化合物またはその塩からなる医薬組成物を含む。薬学的に許容される担体は、好ましくは、活性成分の有効活性と調和する濃度で患者に対し相対的に非毒性であり、かつ無害であり、故に担体に起因する何らかの副作用が活性成分の有益な効果を損なわない、担体である。薬学的に有効量の化合物は、好ましくは処置される特定の状態に対して結果を生じるまたは影響を与える量である。本発明の化合物は、当分野で周知の薬学的に許容される担体と、即時放出、遅延放出および持続放出製剤を含むあらゆる有効な慣用の投与単位形を使用して、経口で、非経腸で、局所に、鼻に、眼に、耳に、舌下に、直腸に、膣などに投与できる。
【0262】
経口投与のために、本化合物を固体または液体製剤、例えばカプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、溶融物、散剤、溶液剤、懸濁液剤またはエマルジョン剤に製剤でき、医薬組成物の製造のための当分野で既知の方法に従って製造できる。固体単位投与形は、例えば、界面活性剤、滑沢剤および不活性充填剤、例えば乳糖、ショ糖、リン酸カルシウムおよびとうもろこし澱粉を含む、通常の硬殻または軟殻ゼラチンタイプであり得るカプセル剤であり得る。
【0263】
他の態様において、本発明の化合物は、慣用の錠剤基剤、例えば乳糖、ショ糖およびとうもろこし澱粉と共に、結合剤、例えばアカシア、とうもろこし澱粉またはゼラチン、投与後に錠剤の破壊および溶解を助けることを意図する崩壊剤、例えばじゃがいも澱粉、アルギン酸、とうもろこし澱粉およびグアーガム、トラガカント・ゴム、アカシア、錠剤造粒の流動を改善し、錠剤物質の錠剤の型や抜き型表面への付着を防ぐことを意図する滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、錠剤の美的質を高め、患者に受け入れやすくすることを意図する色素、着色料および風味剤、例えばペパーミント、冬緑油またはサクランボ風味剤を組み合わせて打錠してよい。経口液体投与形での使用に適した添加物は、リン酸二カルシウムおよび希釈剤、例えば水およびアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールを、薬学的に許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤を伴いまたは伴わずに含む。種々の他の物質がコーティングとしてまたは他の方法で投与単位の物理的形態を修飾するために存在してよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、セラック、糖またはその両方でコーティングしてよい。
【0264】
分散性粉末および顆粒は、水性懸濁液の製造に適している。それらは、活性成分を分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存料との混合物で提供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに上に記載されたものによって例示される。また、さらなる添加物、例えば上記甘味剤、風味剤および着色料が存在してもよい。
【0265】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってよい。油相は、植物油、例えば液体パラフィンまたは複数植物油の混合物であってよい。適当な乳化剤は、(1)天然に存在するゴム、例えばアラビアゴムおよびトラガカント・ゴム、(2)天然に存在するリン脂質、例えば大豆およびレシチン、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、(4) エチレンオキシドと当該部分エステルの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってよい。エマルジョンはまた、甘味剤および風味剤を含んでよい。
【0266】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ごま油またはココナッツ油、または、ミネラルオイル、例えば液体パラフィンに懸濁させることによって製剤化してよい。油性懸濁液は、濃化剤、例えば蜜蝋、硬パラフィンまたはセチルアルコールを含んでよい。懸濁液はまた、1種以上の保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル;1種以上の着色料;1種以上の風味剤および1種以上の甘味剤、例えばショ糖またはサッカリンを含んでよい。
【0267】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖と共に製剤化してよい。このような製剤はまた、粘滑剤および保存料、例えばメチルパラベンおよびプロピルパラベン、および、風味剤および着色料を含んでよい。
【0268】
本発明の化合物はまた、非経腸で、すなわち、皮下に、静脈内に、眼内に、滑液嚢内に、筋肉内にまたは腹腔内に、化合物の注射用投与として、好ましくは、薬学的に許容される界面活性剤、例えば石鹸または界面活性剤、懸濁化剤、例えばペクチン、カルボマー、メチセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースまたは乳化剤および他の医薬アジュバントを伴うまたは伴わない、滅菌液体または液体混合物、例えば水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、アルコール、例えばエタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール、グリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、グリセロールケタール、例えば2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル、例えばポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸グリセリドまたはアセチル化脂肪酸グリセリドであり得る生理学的に許容される希釈剤と医薬担体中の化合物の注射用投与として投与し得る。
【0269】
本発明の非経腸製剤に使用できる油の実例は、石油由来、動物由来、植物由来または合成由来の油、例えば、落花生油、大豆油、ごま油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ペトロラタムおよびミネラルオイルである。適当な脂肪酸は、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸を含む。適当な脂肪酸エステルは、例えばオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適当な石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩を含み、適当な界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、例えばハロゲン化 ジメチルジアルキルアンモニウム、ハロゲン化 アルキルピリジニウムおよびアルキルアミンアセテート;アニオン性界面活性剤、例えばスルホン酸アルキル、スルホン酸アリールおよびスルホン酸オレフィン、硫酸アルキル、硫酸オレフィン、硫酸エーテルおよび硫酸モノグリセリド、およびスルホスクシネート;非イオン性界面活性剤、例えば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、および、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)またはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドコポリマー;および、両性界面活性剤、例えばβ−アミノプロピオン酸アルキルおよび2−アルキルイミダゾリンの4級アンモニウム塩、ならびに混合物を含む。
【0270】
本発明の非経腸組成物は、典型的に、約0.5重量%〜約25重量%の活性成分を溶液中に含む。保存料および緩衝剤も有利に使用し得る。注射部位の刺激を最小化または排除するために、このような組成物は、好ましくは約12〜約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含み得る。このような製剤中の界面活性剤の量は、好ましくは、約5重量%〜約15重量%の範囲である。界面活性剤は、上記HLBを有する単一の成分でも、所望のHLBを有する2種以上の成分の混合物でもよい。
【0271】
非経腸製剤に使用される界面活性剤の実例は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルのクラス、例えばモノオレイン酸ソルビタン、および、プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって形成されたエチレンオキシドと疎水性塩基の高分子量付加物である。
【0272】
医薬組成物は、滅菌注射用水性懸濁液の形態であってよい。このような懸濁液は、既知の方法に従って、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント・ゴムおよびアラビアゴム;天然に存在するリン脂質、例えばレシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る分散剤または湿潤剤を使用して製剤化され得る。
【0273】
滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経腸で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってよい。用いられ得る希釈剤および溶媒は、例えば水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液および等張性ブドウ糖溶液である。さらに、滅菌固定油が、慣例的に、溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる無刺激性固定油を用い得る。さらに、脂肪酸、例えばオレイン酸を注射剤の製造に使用できる。
【0274】
本発明の組成物はまた、薬物の直腸投与のための坐薬の形態で投与してよい。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、それ故に直腸内で融解して薬物を放出する適当な非刺激性添加物と混合することによって製造できる。このような物質は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0275】
本発明の方法で用いられる他の製剤は、経皮送達デバイス(“パッチ”)を使用する。このような経皮パッチを使用して、制御された量で本発明の化合物の連続的または不連続的注入を提供し得る。薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は当分野で周知である(例えば、米国特許第5,023,252号(1991年6月11日発行)(引用により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。このようなパッチは、薬剤の連続送達、パルス送達またはオンデマンド送達のために構築され得る。
【0276】
非経腸投与のための制御放出製剤は、当分野で既知のリポソーム、ポリマーミクロスフェアおよびポリマーゲル製剤を含む。
【0277】
医薬組成物を機械的送達を介して患者に導入することが望ましいまたは必要であり得る。薬剤送達用の機械的送達デバイスの構築および使用は、当分野で周知である。例えば、薬物の脳への直接送達のための直接方法は、通常、血液脳関門を迂回するための患者の脳室系への薬物送達カテーテルの設置を含む。体の特定の解剖学的領域への薬物の輸送に使用される一つのこのようなインプラント可能な送達系は、米国特許第5,011,472号(1991年4月30日発行)に記載されている。
【0278】
本発明の組成物はまた、必要に応じてもしくは所望により、一般的に担体または希釈剤と呼ばれる他の慣用の薬学的に許容される配合成分も含み得る。このような組成物を適切な投与形で製造する慣用の方法を利用できる。このような成分および方法は、次の参考文献に記載されたものを含む:Powell, M.F. et al., “Compendium of Excipients for Parenteral Formulations”, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998, 52(5), 238-311;Strickley, R.G, “Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States (1999) Part 1”, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999, 53(6), 324-349;および Nema, S. et al., “Excipients and Their Use in Injectable Products”, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997, 51(4), 166-171(それぞれ引用により本明細書に組み込まれる)。
【0279】
組成物を意図された投与経路のために製剤化するために適宜使用できる一般的に使用される医薬成分は、次のものを含む:
酸性化剤(例は、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸を含むが、これらに限定されない);
アルカリ化剤(例は、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンを含むが、これらに限定されない);
吸着剤(例は粉末セルロースおよび活性炭を含むが、これらに限定されない);
エアロゾル噴霧剤(例は、二酸化炭素、CCl
2F
2、F
2ClC−CClF
2およびCClF
3を含むが、これらに限定されない);
空気置換剤(例は、窒素およびアルゴンを含むが、これらに限定されない);
抗真菌保存料(例は、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない);
抗微生物保存料(例は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールを含むが、これらに限定されない);
抗酸化剤(例は、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない);
【0280】
結合物質(例は、ブロックポリマー、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコン、ポリシロキサンおよびスチレン−ブタジエンコポリマーを含むが、これらに限定されない);
緩衝剤(例は、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物およびクエン酸ナトリウム二水和物を含むが、これらに限定されない);
輸送剤(例は、アカシアシロップ、芳香族シロップ、芳香族エリキシル、サクランボシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、コーン油、ミネラルオイル、落花生油、ごま油、静菌性塩化ナトリウム注射液および静菌性注射用水を含むが、これらに限定されない);
キレート剤(例は、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸を含むが、これらに限定されない);
着色料(例は、FD&C Red No. 3、FD&C Red No. 20、FD&C Yellow No. 6、FD&C Blue No. 2、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 5、D&C Red No. 8、カラメルおよび酸化第二鉄赤色を含むが、これらに限定されない);
清澄剤(例はベントナイトを含むが、これに限定されない);
【0281】
乳化剤(例は、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン50モノステアレートを含むが、これらに限定されない);
封入剤(例はゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない);
風味剤(例は、アニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンを含むが、これらに限定されない);
湿潤剤(humectant)(例は、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含むが、これらに限定されない);
研和剤(例は、ミネラルオイルおよびグリセリンを含むが、これらに限定されない);
油(例は、落花生油、ミネラルオイル、オリーブ油、落花生油、ごま油および植物油を含むが、これらに限定されない);
軟膏基剤(例は、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ペトロラタム、親水性ペトロラタム、白色軟膏、黄色軟膏およびバラ香水軟膏を含むが、これらに限定されない);
浸透促進剤(経皮送達)(例は、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、一価または多価アルコール、飽和または不飽和脂肪アルコール、飽和または不飽和脂肪エステル、飽和または不飽和二カルボン酸、必須油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトンおよびウレアを含むが、これらに限定されない);
可塑剤(例は、フタル酸ジエチルおよびグリセロールを含むが、これらに限定されない);
【0282】
溶媒(例は、エタノール、コーン油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、ミネラルオイル、オレイン酸、落花生油、精製水、注射用水、滅菌注射用水および滅菌灌注用水を含むが、これらに限定されない);
硬化剤(例は、セチルアルコール、セチルエステル蝋、微結晶性蝋、パラフィン、ステアリルアルコール、白色蝋および黄色蝋を含むが、これらに限定されない);
坐薬基剤(例は、カカオバターおよびポリエチレングリコール(混合物)を含むが、これらに限定されない);
界面活性剤(例は、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール(oxtoxynol)9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびモノパルミチン酸ソルビタンを含むが、これらに限定されない);
懸濁化剤(例は、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびveegumを含むが、これらに限定されない);
甘味剤(例は、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびショ糖を含むが、これらに限定されない);
【0283】
錠剤抗付着剤(例は、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを含むが、これらに限定されない);
錠剤結合剤(例は、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、圧縮性糖、エチルセルロース、ゼラチン、液体ブドウ糖、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドンおよびアルファ化澱粉を含むが、これらに限定されない);
錠剤およびカプセル剤希釈剤(例は、リン酸水素カルシウム、カオリン、乳糖、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、沈殿炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよび澱粉を含むが、これらに限定されない);
錠剤コーティング剤(例は、液体ブドウ糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびセラックを含むが、これらに限定されない);
錠剤直接圧縮添加物(例は、リン酸水素カルシウムを含むが、これに限定されない);
錠剤崩壊剤(例は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース カルシウム、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウムおよび澱粉を含むが、これらに限定されない);
【0284】
錠剤滑剤(例は、コロイド状シリカ、とうもろこし澱粉およびタルクを含むが、これらに限定されない);
錠剤滑沢剤(例は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛を含むが、これらに限定されない);
錠剤/カプセル剤不透明化剤(例は、二酸化チタンを含むが、これに限定されない);
錠剤艶出し剤(例は、カルナウバ蝋および白色蝋を含むが、これらに限定されない);
濃化剤(例は、蜜蝋、セチルアルコールおよびパラフィンを含むが、これらに限定されない);
等張化剤(例はデキストロースおよび塩化ナトリウムを含むが、これらに限定されない);
増粘剤(例は、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントを含むが、これらに限定されない);および
湿潤剤(wetting agent)(例は、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、モノオレイン酸ソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールおよびステアリン酸ポリオキシエチレンを含むが、これらに限定されない)。
【0285】
本発明の医薬組成物は下記のとおり説明できる。
滅菌静脈内用溶液:所望の本発明の化合物の5mg/ml溶液は、滅菌注射用水を使用して製造でき、必要ならばpHを調節する。溶液を、投与のために、滅菌5%デキストロースで1〜2mg/mlに希釈し、約60分間に亘る静脈内注入として投与する。
【0286】
静脈内投与用凍結乾燥粉末:滅菌製剤を(i)凍結乾燥粉末としての100〜1000mgの所望の本発明の化合物、(ii)32〜327mg/mlのクエン酸ナトリウム、および、(iii)300〜3000mgのデキストラン40で製造できる。製剤を、滅菌注射用食塩水または5%デキストロースで10〜20mg/mlの濃度に再構成し、それをさらに食塩水または5%デキストロースで0.2〜0.4mg/mlに希釈し、静脈内ボラスまたは15〜60分間に亘る静脈内注入によって投与する。
【0287】
筋肉内懸濁液:筋肉内注射のために、下記の溶液または懸濁液を製造できる。
50mg/ml 所望の、水不溶性の本発明の化合物
5mg/ml カルボキシメチルセルロース ナトリウム
4mg/ml TWEEN 80
9mg/ml 塩化ナトリウム
9mg/ml ベンジルアルコール
【0288】
硬殻カプセル剤:多数の単位カプセルを、標準的二ピース硬ゼラチンカプセルに充填することによって製造し、各々100mgの粉末活性成分、150mgの乳糖、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0289】
軟ゼラチンカプセル剤:可消化油、例えば大豆油、綿実油またはオリーブ油中の活性成分の混合物を調製し、容積式ポンプによって溶融ゼラチンに注入し、100mgの活性成分を含む軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥させる。活性成分は、水混和性医薬混合物を製造するために、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解できる。
【0290】
錠剤:多数の錠剤を、投与単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶性セルロース、11mgの澱粉および98.8mgの乳糖となるように、慣用の方法で製造する。適切な水性および非水性コーティングを、食味の改良、見栄え(elegance)および安定性の改善または遅延吸収のために適用してよい。
【0291】
即時放出錠剤/カプセル剤:これらは、慣用のおよび新規な工程によって製造される固体経口投与形である。これらの形態は、薬物の即時溶解および送達のために、経口で、水無しで摂取される。活性成分は、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味剤などの成分を含む液体中で混合される。これらの液体は、凍結乾燥および固体抽出技術によって、固体錠剤またはカプレットに固化される。薬物化合物を粘弾性および熱弾性糖およびポリマーまたは発泡性成分と共に圧縮して、水を必要としない即時放出を意図した多孔性マトリックスを製造し得る。
【0292】
組み合わせ治療
本発明の化合物は、唯一の薬剤として、または、組み合わせが許容されない有害作用を起こさないならば1種以上の他の薬剤と組み合わせて投与できる。本発明はまた、このような組み合わせ剤に関する。例えば、本発明の化合物を、既知の抗過増殖剤または他の適応剤(indication agents)など、ならびにそれらの混合物および組み合わせと組み合わせできる。他の適応剤は、抗血管形成剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、DNA挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞サイクル阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾物質または抗ホルモン剤を含むが、これらに限定されない。
【0293】
さらなる薬剤は、131I-chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY 80-6946、BAY 1000394、BAY 86-9766(RDEA 119)、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウム酢酸塩、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン(eptaplatin)、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、glutoxim、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブ チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、リュープロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、ペグ−エポエチンベータ(メトキシペグ−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム(poliglusam)、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカライド−K、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾール ナトリウム(sodium glycididazole)、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチン スチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシンであり得る。
【0294】
好ましくは、さらなる薬剤は、次のものから選択される:アフィニトール、アルデスロイキン、アレンドロン酸、alfaferone、アリトレチノイン、アロプリノール、aloprim、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミフォスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンゼメット(anzmet)、アラネスプ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム、ベキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロクスウリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、セフェゾン、セルモロイキン、セルビジン(cerubidine)、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソーム(DaunoXome)、デカドロン、リン酸デカドロン、デルエストロゲン、デニロイキンジフチトクス、デポ・メドロール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW-166HC、エリガード、エリテック(elitek)、エレンス(ellence)、イメンド、エピルビシン、エポエチンアルファ、エポゲン(epogen)、エプタプラチン、ergamisol、エストラース(estrace)、エストラジオール、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチニルエストラジオール、ethyol、エチドロン酸、etopophos、エトポシド、ファドロゾール、farston、フィルグラスチム、フィナステリド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、一リン酸5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、ホルメスタン、fosteabine、ホテムスチン、フルベストラント、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グリベック、ギリアデル、ゴセレリン、グラニセトロン塩酸塩、ヒストレリン、ハイカムチン、ハイドロコートン、エリトロ−ヒドロキシノニルアデニン、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、インターフェロン−アルファ2、インターフェロンアルファ−2A、インターフェロンアルファ−2B、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、カイトリル、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、酢酸リュープロリド、レバミソール、レボホリン酸カルシウム塩、levothroid、levoxyl、ロムスチン、ロニダミン、マリノール、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、metvix、ミルテホシン、ミノサイクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、Modrenal、Myocet、ネダプラチン、neulasta、neumega、ニューポジェン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC-631570、OCT-43、オクトレオチド、オンダンセトロン塩酸塩、orapred、オキサリプラチン、パクリタキセル、pediapred、ペグアスパルガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ピシバニール、ピロカルピン塩酸塩、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセド、RDEA 119、レビフ、レニウム−186エチドロネート、リツキシマブ、ロフェロン−A(roferon-A)、ロムルチド、サラジェン、サンドスタチン、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソルメドロール、スパルホス酸、幹細胞治療、ストレプトゾシン、ストロンチウム−89クロライド、シンスロイド(synthroid)、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、テストラクトン(tastolactone)、タキソテール、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、testred、チオグアニン、チオテパ、チロトロピン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、trexall、トリメチルメラミン、トリメトレキサート、酢酸トリプトレリン、パモ酸トリプトレリン、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、virulizin、zinecard、ジノスタチン スチマラマー、ゾフラン、ABI-007、アコルビフェン、アクティミューン、affinitak、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、ソラフェニブ(BAY43-9006)、アバスチン、CCI-779、CDC-501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、酢酸シプロテロン、デシタビン、DN-101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステリド、エドテカリン、エフロルニチン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリンヒドロゲルインプラント、ホルミウム−166DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンガンマ、イントロン−ペグ、イキサベピロン、キーホールリンペットヘモシアニン、L-651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、libra、ロナファーニブ、ミプロキシフェン、ミノドロン酸、MS-209、リポソームMTP-PE、MX-6、ナファレリン、ネモルビシン、ネオバスタット、ノラトレキセド、オブリメルセン、オンコ−TCS、osidem、ポリグルタミン酸パクリタキセル、パミドロン酸二ナトリウム、PN-401、QS-21、クアゼパム、R-1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−cis−レチノイン酸、サトラプラチン、セオカルシトール、T-138067、タルセバ、タクサオプレキシン、チモシンアルファ1、チアゾフリン、ティピファニブ、チラパザミン、TLK-286、トレミフェン、TransMID-107R、バルスポダール(valspodar)、バプレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z-100、ゾレドロン酸またはそれらの組み合わせ。
【0295】
本組成物に追加できる任意の抗過増殖剤は、Merck Index第11版(1996)(引用により本明細書に組み込まれる)の癌化学療法剤レジメンに収載されている化合物、例えばアスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ(colaspase)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エポチロン、エポチロン誘導体、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンを含むが、これらに限定されない。
【0296】
本発明の組成物と共に使用するのに適した他の抗過増殖剤は、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Ninth Edition), editor Molinoff et al., publ. by McGraw-Hill, pages 1225-1287, (1996)(引用により本明細書に組み込まれる)において新生物疾患の処置への使用が認められている化合物、例えばアミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン、クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2,2'−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリトロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、一リン酸5−フルオロデオキシウリジン、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジンおよびビノレルビンを含むが、これらに限定されない。
【0297】
本発明の組成物と共に使用するのに適した他の抗過増殖剤は、エポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンおよびトポテカンなどの他の抗癌剤を含むが、これらに限定されない。
【0298】
本発明の化合物はまた、タンパク質治療剤と組み合わせて投与してよい。癌または他の血管新生障害の処置および本発明の組成物と共に使用するのに適したこのようなタンパク質治療剤は、インターフェロン(例えば、インターフェロンα、βまたはγ)、(超作動性(supraagonistic)モノクローナル抗体、チュービンゲン(Tuebingen)、TRP−1タンパク質ワクチン、Colostrinin、抗FAP抗体、YH-16、ゲムツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デニロイキン ジフチトクス、リツキシマブ、チモシンアルファ1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファベート、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MFE-CP1+ZD-2767-P、ABT-828、ErbB2特異的免疫毒素、SGN-35、MT-103、リンファベート、AS-1402、B43−ゲニステイン、L−19ベースの放射免疫療法剤、AC-9301、NY-ESO-1ワクチン、IMC-1C11、CT-322、rhCC10、r(m)CRP、MORAb-009、アビスクミン(aviscumine)、MDX-1307、Her-2ワクチン、APC-8024、NGR-hTNF、rhH1.3、IGN-311、エンドスタチン、ボロシキシマブ、PRO-1762、レクサツムマブ、SGN-40、ペルツズマブ、EMD-273063、L19-IL-2融合タンパク質、PRX-321、CNTO-328、MDX-214、チガポチド(tigapotide)、CAT-3888、ラベツズマブ、アルファ粒子放出放射線同位体架橋リンツズマブ、EM-1421、超急性ワクチン、ツコツズマブ セルモロイキン(tucotuzumab celmoleukin)、ガリキシマブ、HPV-16-E7、ジャベリン−前立腺癌、ジャベリン−黒色腫、NY-ESO-1ワクチン、EGFワクチン、CYT-004-MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツムマブ、ザルツムマブ、シントレデキン・ベスドトクス、WX-G250、アルブフェロン、アフリベルセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP-37、efungumabまたは131l-chTNT-1/Bを含むが、これらに限定されない。タンパク質治療剤として有用なモノクローナル抗体は、ムロモナブ−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲムツズマブ(gentuzumab)、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ(bevicizumab)、エファリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモナブ−CD3(muromomab-CD3)、リツキシマブ、ダクリズマブ、トラスツズマブ、パリビズマブ、バシリキシマブおよびインフリキシマブを含むが、これらに限定されない。
【0299】
本発明の化合物はまた、生物学的治療剤、例えば抗体(例えばアバスチン、リツキサン、アービタックス、ハーセプチン)または組み換えタンパク質と組み合わせてよい。
【0300】
本発明の化合物はまた、例えば、アバスチン、アキシチニブ、DAST、recentin、ソラフェニブまたはスニチニブなどの抗血管形成剤と組み合わせてもよい。プロテアソーム群の阻害剤またはmTOR阻害剤または抗ホルモン剤またはステロイド性代謝酵素阻害剤との組み合わせも可能である。
【0301】
一般的に、本発明の化合物または組成物と組み合わせた細胞毒性剤および/または細胞増殖抑制剤の使用は、次の作用をする:
(1)いずれかの薬剤単独での投与と比較して、腫瘍の増殖減少について良好な効果を生じるか、または腫瘍を消失させる、
(2)より少ない量の化学療法剤の投与を可能にする、
(3)単独薬剤での化学療法およびある種の他の組み合わせ治療で観察されるよりも少ない薬理学的複合有害作用により患者が良好な耐容性を示す化学療法処置を提供する、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて広範囲の種々の癌のタイプの処置を提供する、
(5)処置患者の中で高い応答率を提供する、
(6)標準化学療法処置と比較して、処置患者のより長い生存期間を可能にする、
(7)腫瘍進行までの期間を延長するおよび/または
(8)他の癌処置剤の組み合わせが拮抗作用を生じることが知られている例と比較して、これらの薬剤を単独で使用したときと少なくとも同程度良好な効果および耐容性結果を生じる。
【0302】
放射線に対して細胞を感作する方法
本発明の異なる態様において、本発明の化合物は、放射線に対して細胞を感作するために使用してよい。すなわち、細胞の放射線処置前に本発明の化合物で細胞を処置することによって、細胞が、本発明の化合物での処置を何ら行わなかった細胞よりもDNA損傷および細胞死に感受性となる。一つの局面において、少なくとも1種の本発明の化合物で細胞を処置する。
【0303】
従って、本発明はまた、細胞に1種以上の本発明の化合物を慣用の放射線療法と組み合わせて投与する、細胞死滅方法を提供する。
【0304】
本発明はまた、細胞に細胞死を起こすまたは誘発する処置前に、細胞を1種以上の本発明の化合物で処置する、細胞を細胞死により感受性とする方法を提供する。一つの局面において、細胞を1種以上の本発明の化合物で処置した後、細胞を、正常細胞の機能を阻止するまたは細胞を死滅させることを目的としたDNA損傷を起こすための、少なくとも1種の化合物または少なくとも1種の方法またはその組み合わせで処置する。
【0305】
一つの態様において、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処置することによって、細胞を死滅させる。すなわち、細胞を1種以上の本発明の化合物で処置して細胞を細胞死に対して感作した後、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処置して細胞を死滅させる。本発明で有用なDNA損傷剤は、化学療法剤(例えば、シスプラスチン)、電離放射線(X線、紫外放射線)、発癌性剤および変異原性剤を含むが、これらに限定されない。
【0306】
他の態様において、細胞にDNA損傷を起こすまたは誘発する少なくとも1種の方法で処置することによって細胞を死滅させる。このような方法は、経路が活性化したときにDNA損傷を起こす細胞シグナリング経路の活性化、経路が阻害されたときにDNA損傷を起こす細胞シグナリング経路の阻害および変化がDNA損傷を起こすとき細胞における生化学変化の誘発を含むが、これらに限定されない。非限定的例として、細胞におけるDNA修復経路を阻害でき、これによってDNA損傷の修復を阻止し、細胞におけるDNA損傷の異常蓄積をもたらす。
【0307】
本発明の一つの局面において、放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発前に、本発明の化合物を細胞に投与する。本発明の他の局面において、放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発と同時に、本発明の化合物を細胞に投与する。本発明のさらに他の局面において、放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発の開始直後に、本発明の化合物を細胞に投与する。
【0308】
他の局面において、細胞はインビトロである。他の態様において、細胞はインビボである。
【0309】
上記のとおり、本発明の化合物は、驚くべきことにMps−1を効率的に阻害し、それ故に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患、または、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1によって媒介される疾患、例えば血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移を処置または予防するために使用され得る。
【0310】
他の局面によって、それ故に、本発明は、上記疾患の処置または予防に使用するための、本明細書に記載し、かつ定義した一般式Iの化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩またはそれらの混合物を包含する。
【0311】
本発明の他の特定の局面は、それ故に、疾患を予防または処置するための、上記一般式Iの化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩またはその混合物の使用である。
【0312】
本発明の他の特定の局面は、それ故に、疾患の処置または予防用医薬組成物を製造するための、上記一般式Iの化合物の使用である。
【0313】
2段落前に記載した疾患は、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患、または、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1によって媒介される疾患、例えば血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移である。
【0314】
用語“不適切”は、本発明の内容で、特に“不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答”の内容で、本明細書で使用されるとき、好ましくは、正常より低くまたは高く、かつ該疾患の病状と関連する、該疾患の病状の原因となる、または該疾患の病状を生じる応答を意味すると理解されるべきである。
【0315】
好ましくは、使用は疾患の処置または予防におけるものであり、疾患は血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0316】
過増殖性障害の処置方法
本発明は、哺乳動物過増殖性障害を処置するための本発明の化合物およびその組成物の使用方法に関する。化合物は、細胞増殖および/または細胞分裂の阻止、遮断、減少、低下などにおよび/またはアポトーシスを生じるのに使用できる。この方法は、ヒトを含む処置を必要とする哺乳動物に、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝物、水和物、溶媒和物またはエステルなどを障害の処置に有効である量で投与することを含む。過増殖性障害は、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響する他の過形成、良性前立腺肥大(BPH)、固形腫瘍、例えば乳房、呼吸器、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびそれらの遠位転移を含むが、これらに限定されない。これらの障害はまたリンパ腫、肉腫および白血病を含む。
【0317】
乳癌の例は、浸潤性管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性管癌および非浸潤性小葉癌を含むが、これらに限定されない。
【0318】
呼吸器の癌の例は、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫を含むが、これらに限定されない。
【0319】
脳の癌の例は、脳幹および視床下部神経膠腫、小脳および脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉性および松果体腫瘍を含むが、これらに限定されない。
【0320】
男性生殖器の腫瘍は、前立腺および精巣癌を含むが、これらに限定されない。女性生殖器の腫瘍は、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰部の癌、ならびに子宮の肉腫を含むが、これらに限定されない。
【0321】
消化管の腫瘍は、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺の癌を含むが、これらに限定されない。
【0322】
尿路の腫瘍は、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、輸尿管、尿道およびヒト乳頭状腎の癌を含むが、これらに限定されない。
【0323】
眼の癌は、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫を含むが、これらに限定されない。
【0324】
肝臓癌の例は、肝細胞癌(線維層板型変異を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合型肝細胞胆管癌を含むが、これらに限定されない。
【0325】
皮膚癌は、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌を含むが、これらに限定されない。
【0326】
頭頸部の癌は、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭癌、口唇および口腔癌および扁平上皮細胞癌を含むが、これらに限定されない。リンパ腫は、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫を含むが、これらに限定されない。
【0327】
肉腫は、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫を含むが、これらに限定されない。
【0328】
白血病は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリー細胞白血病を含むが、これらに限定されない。
【0329】
これらの障害はヒトで十分に特徴付けされているが、他の哺乳動物においても類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物の投与によって処置できる。
【0330】
本明細書を通して記載される用語“処置する”または“処置”は慣例的に使用されており、例えば、癌のような疾患または障害の状態の根絶、緩和、軽減、解消、改善などを目的とする対象の管理またはケアである。
【0331】
キナーゼ障害の処置方法
本発明はまた、卒中、心不全、肝腫大、心肥大、糖尿病、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、異種移植拒絶反応の症状、敗血症性ショックまたは喘息を含むが、これらに限定されない異常なマイトジェン細胞外キナーゼ活性と関連する障害の処置方法を提供する。
【0332】
本発明の化合物の有効量を、上記背景技術の章に記載した疾患(例えば、癌)を含む、このような障害の処置に使用できる。それにもかかわらず、このような癌および他の疾患を、作用機序および/またはキナーゼと障害の関係にかかわらず、本発明の化合物で処置できる。
【0333】
句“異常なキナーゼ活性”または“異常なチロシンキナーゼ活性”は、キナーゼをコードする遺伝子またはそれがコードするポリペプチドのあらゆる異常な発現または活性を含む。このような異常な活性の例は、遺伝子またはポリペプチドの過発現;遺伝子増幅;構成的活性型または機能亢進性キナーゼ活性を生ずる変異;遺伝子変異、欠失、置換、付加などを含むが、これらに限定されない。
【0334】
本発明はまた、本発明の化合物(その塩、多形、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えばエステル)およびそのジアステレオアイソマーの形態を含む)を有効量で投与することを含む、キナーゼ活性、特にマイトジェン細胞外キナーゼのキナーゼ活性の阻害方法を提供する。キナーゼ活性は細胞(例えば、インビトロ)でまたは哺乳動物対象、特に処置を必要とするヒト患者の細胞で阻害できる。
【0335】
血管新生障害の処置方法
本発明はまた、過剰なおよび/または異常な血管形成と関連する障害および疾患の処置方法を提供する。
【0336】
血管形成の不適切なおよび異所性の発現は、生物にとって有害であり得る。多くの病態が、外来性血管の増殖と関連する。これらは、例えば、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症および未熟児網膜症[Aiello et al. New Engl. J. Med. 1994, 331, 1480; Peer et al. Lab. Invest. 1995, 72, 638]、加齢黄斑変性症[AMD; Lopez et al. Invest. Opththalmol. Vis. Sci. 1996, 37, 855参照]、血管新生緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖症、血管線維腫、炎症、リウマチ性関節炎(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管再狭窄などを含む。さらに、癌性および新生物組織と関連する血液供給増加は増殖を促し、急速な腫瘍増大および転移にいたる。さらに、腫瘍における新血管およびリンパ管の増殖は反逆細胞のための逃避経路を提供し、転移および結果としての癌の拡散を促す。故に、本発明の化合物は、例えば、血管形成の阻害および/または減少によって、内皮細胞増殖または血管形成に関与する他のタイプを阻止、遮断、減少、低下などすることによって、ならびにこのような細胞型の細胞死またはアポトーシスを起こすことによって、上記血管新生障害のいずれかの処置および/または予防に使用できる。
【0337】
投与量および投与
過増殖性障害および血管新生障害の処置に有用な化合物を評価することが知られる標準的実験技術に基づき、標準的毒性試験によっておよび哺乳動物における上記状態の処置の決定のための標準的薬理学的アッセイによって、およびこれらの結果とこれらの状態を処置するのに使用される既知の医薬の結果の比較によって、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症の処置のために容易に決定できる。これらの状態の一つの処置に投与すべき活性成分の量は、用いられる特定の化合物および投与単位、投与方法、処置期間、処置する患者の年齢および性別および処置される状態の性質および程度などを考慮して、広範囲に変わり得る。
【0338】
投与すべき活性成分の総量は、一般的に約0.001mg/kg〜約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kg〜約20mg/kg体重/日の範囲である。臨床的に有用な投与スケジュールは、1日1〜3回の投与から4週間毎に1回の投与の範囲である。さらに、患者が一定期間薬物を投与されない“休薬日”が、薬理学的効果と耐容性の全体的バランスのために有益であり得る。単位投与量は約0.5mg〜約1500mgの活性成分を含み、1日1回以上または1日1回未満投与し得る。静脈内、筋肉内、皮下および非経腸注射および点滴法を含む注射による投与のための平均1日投与量は、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重である。平均1日直腸投与レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重である。平均1日膣投与レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重である。平均1日局所投与レジメンは、好ましくは1日1〜4回投与で0.1〜200mgである。経皮濃度は、好ましくは0.01〜200mg/kgの1日投与量を維持するのに必要なものである。平均1日吸入投与レジメンは、好ましくは0.01〜100mg/kg総体重である。
【0339】
当然、各患者についての特定の開始および連続投与レジメンは、担当診断医によって決定される状態の性質および重症度、用いる特定の化合物の活性、患者の年齢および一般的状態、投与時間、投与経路、薬物排泄速度、薬物組み合わせなどに従って変わる。所望の処置方法および本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルまたは組成物の投与回数は、慣用の処置試験を使用して当業者が決定できる。
【0340】
好ましくは、該方法の該疾患は、血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0341】
本発明の化合物は、特に腫瘍増殖および転移、特に腫瘍増殖が予め処置されていても処置されていなくても、全ての適応症および段階の固形腫瘍の治療および予防、すなわち防止に使用できる。
【0342】
特定の薬理学的または薬剤学的性質の試験方法は当業者に周知である。
本明細書に記載する試験実験例は、本発明を説明するために提供し、本発明は示された実施例に限定されない。
【0343】
生物学的アッセイ:増殖アッセイ
培養腫瘍細胞(MCF7、ホルモン依存性ヒト乳癌細胞、ATCC HTB22; NCI-H460、ヒト非小細胞肺癌細胞、ATCC HTB-177;DU 145、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞、ATCC HTB-81;HeLa-MaTu、ヒト子宮頸癌細胞、EPO-GmbH, Berlin;HeLa-MaTu-ADR、多剤耐性ヒト子宮頸癌細胞、EPO-GmbH, Berlin;HeLaヒト子宮頸部腫瘍細胞、ATCC CCL-2;B16F10マウス黒色腫細胞、ATCC CRL-6475)を、5000細胞/ウェル(MCF7, DU145, HeLa-MaTu-ADR)、3000細胞/ウェル(NCI-H460, HeLa-MaTu, HeLa)または1000細胞/ウェル(B16F10)の密度で、96ウェルマルチタイタープレートに、200μlの10%ウシ胎児血清を添加した各増殖培地中で平板培養した。24時間後、1プレートの細胞(0点プレート)をクリスタル・バイオレット(下記参照)で染色し、他方、他のプレートの培地を新しい培養培地(200μl)に置き換えて、そこに種々の濃度(0μM、ならびに0.01〜30μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)で試験物質を加えた。細胞を、試験物質存在下で4日間インキュベートした。細胞をクリスタル・バイオレットで染色することによって、細胞増殖を決定した。測定点あたり20μlの11%グルタルアルデヒド溶液を添加することによって、細胞を室温で15分間固定した。固定細胞の水での3回洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。測定点あたり100μlの0.1%クリスタル・バイオレット溶液(pH3.0)を添加することによって、細胞を染色した。染色細胞の水での3回洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。測定点あたり100μlの10%酢酸溶液の添加によって色素を溶解した。吸光度を595nmの波長で測光法によって決定した。細胞数の変化(%)を、測定値を0点プレートの吸光度(=0%)および未処置(0μM)細胞(=100%)の吸光度値に対して標準化することによって、計算した。IC
50値を、自社製ソフトウエアを使用する4パラメータフィットの手段によって決定した。
【0344】
Mps−1キナーゼアッセイ
ヒトキナーゼMps−1はビオチン化基質ペプチドをリン酸化する。リン酸化生成物の検出を、ドナーとしてのユーロピウム標識抗ホスホ−セリン/スレオニン抗体からアクセプターとしての架橋アロフィコシアニンで標識したストレプトアビジン(SA−XLent)への時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)によって達成する。化合物を、そのキナーゼ活性阻害について試験する。
【0345】
N末端GSTタグ付きヒト完全長組み換えMps−1キナーゼ(Invitrogen, Karslruhe, Germanyから購入, カタログ番号PV4071)を使用した。キナーゼ反応の基質として、アミノ酸配列PWDPDDADITEILGのビオチン化ペプチド(C末端アミド形態、Biosynthan GmbH, Berlinから購入)を使用した。
【0346】
アッセイのために、試験化合物のDMSO中の100倍濃縮溶液(50nL)を、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れ、2μlのアッセイ緩衝液[0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、10mM MgCl
2、2mM DTT、25mM Hepes(pH 7.7)、0.05% BSA、0.001% Pluronic F-127]中のMps−1溶液を添加し、混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応開始前に試験化合物をMps−1に予め結合させた。次いで、3μlのアッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlのアッセイ容積中の最終濃度は10μMである)およびペプチド基質(1.67μM→5μlのアッセイ容積中の最終濃度は1μMである)の溶液の添加によって、キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を、22℃で反応時間60分間でインキュベートした。アッセイ中のMps−1濃度は、酵素ロットの活性に対して調節し、アッセイが直線範囲となるよう適切に選択した。典型的な酵素濃度は約1nM(5μLアッセイ容積中の最終濃度)の範囲であった。3μlのHTRF検出試薬(100mM Hepes(pH 7.4)、0.1% BSA、40mM EDTA、140nM ストレプトアビジン−XLent[#61GSTXLB, Fa. Cis Biointernational, Marcoule, France]、1.5nM 抗ホスホ(Ser/Thr)−ユーロピウム抗体[#AD0180, PerkinElmer LAS, Rodgau-Juegesheim, Germany]の溶液の添加によって、反応を停止させた。
【0347】
得られた混合物を、22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ペプチドを抗ホスホ(Ser/Thr)−ユーロピウム抗体に結合させた。続いて、リン酸化基質の量をユーロピウム標識抗ホスホ(Ser/Thr)抗体からストレプトアビジン−XLentへの
共鳴エネルギー移動の測定によって評価した。そのために、350nmで励起後の620nmおよび665nmの蛍光放出をViewlux TR-FRETリーダー(PerkinElmer LAS, Rodgau-Juegesheim, Germany)で測定した。“ブランク補正標準化比”(Viewlux特異的読み出しであり、比率計算前にブランクおよびEu−ドナークロストークを665nmシグナルから引いた、665nmでの放出と622nmでの放出の伝統的比に類似)を、リン酸化基質の量の測定値とした。データを標準化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素がない以外他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。試験化合物を同じマイクロタイタープレートで、20μM〜1nMの範囲の10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、アッセイ前に100倍濃縮ストック溶液のレベルで連続1:3希釈によって調製された希釈シリーズ)で、各濃度について2組測定し、自社製ソフトウエアを使用する4パラメータフィットによって、IC
50値を計算した。
【0348】
【表2】
【0349】
紡錘体形成チェックポイントアッセイ
紡錘体形成チェックポイントは、有糸分裂中の染色体の適切な分離を確実にする。有糸分裂に入ると、染色体は、セリン10上のヒストンH3のリン酸化が附随する縮合を始める。セリン10上のヒストンH3の脱リン酸化が分裂後期に始まり分裂終期初期に終わる。従って、セリン10上のヒストンH3のリン酸化を、有糸分裂中の細胞のマーカーとして利用できる。ノコダゾールは微小管脱安定化物質である。故に、ノコダゾールは微小管動態を妨害し、紡錘体形成チェックポイントを動員する。細胞は有糸分裂のG2/M移行時で停止し、セリン10上のヒストンH3リン酸化を示す。Mps−1阻害剤による紡錘体形成チェックポイント阻害はノコダゾール存在下の有糸分裂遮断を無効にし、細胞は早まって有糸分裂を完了させる。この変化を、セリン10上のヒストンH3がリン酸化された細胞の減少によって検出する。この減少を本発明の化合物が有糸分裂妨害突破を誘発する能力を決定するためのマーカーとして使用する。
【0350】
ヒト子宮頚腫瘍細胞株HeLa(ATCC CCL-2)の培養細胞を、2500細胞/ウェル密度で、384ウェルマイクロタイタープレートに、1%(v/v) グルタミン、1%(v/v) ペニシリン、1%(v/v) ストレプトマイシンおよび10%(v/v) ウシ胎児血清を添加した20μlのダルベッコ培地(フェノールレッド無し、ピルビン酸ナトリウム無し、1000mg/ml グルコース有り、ピリドキシン有り)で平板培養した。37℃で一夜インキュベーションした後、最終濃度0.1μg/mlの10μl/ウェルのノコダゾールを細胞に添加した。24時間インキュベーションした後、細胞サイクル進行のG2/M期で細胞を停止させた。ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化した試験化合物を種々の濃度(0μM、ならびに0.005μM〜10μMの範囲;溶媒DMSOの最終濃度は0.5%(v/v)であった)で添加した。細胞を、試験化合物存在下、37℃で4時間インキュベートした。その後、細胞を、リン酸緩衝化食塩水(PBS)中の4%(v/v) パラホルムアルデヒドで、4℃で一夜固定し、PBS中0.1%(v/v)のTriton X(商標) 100の溶液で室温で20分間透過性化し、PBS中0.5%(v/v)のウシ血清アルブミン(BSA)の溶液で、室温で15分間遮断した。PBSで洗浄後、20μl/ウェルの抗体溶液(抗ホスホ−ヒストンH3クローン3H10、FITC;Upstate, Cat# 16-222;1:200希釈)を細胞に添加し、それを、室温で2時間インキュベートした。その後、細胞をPBSで洗浄し、20μl/ウェルのHOECHST 33342色素溶液(5μg/ml)を細胞に添加し、細胞を、室温で暗所で12分間インキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、次いでPBSで覆い、分析するまで4℃で貯蔵した。Perkin Elmer OPERA(商標) High-Content Analysisリーダーで画像を獲得した。画像を画像解析ソフトウエアMetaXpress(商標)(Molecular devices)で、Cell Cycle応用モジュールを使用して解析した。このアッセイで、HOECHST 33342およびセリン10上のリン酸化ヒストンH3の両ラベルを測定した。HOECHST 33342はDNAを標識し、細胞数計測に使用する。セリン10上のリン酸化ヒストンH3の染色は有糸分裂細胞の数を決定する。Mps−1阻害はノコダゾール存在下で有糸分裂細胞数を減少させ、不適当な有糸分裂進行を示す。生アッセイデータをさらに4パラメータロジスティック回帰分析で解析して、各試験化合物のIC
50値を決定した。
【0351】
当業者には、他のMpsキナーゼのためのアッセイを適当な反応材を使用して同様に行い得ることは明らかであろう。
【0352】
故に、本発明の化合物は1種以上のMps−1キナーゼを効率的に阻害し、それ故に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1によって媒介される疾患、さらに具体的には、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患が、血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移の処置または予防に適している。
【0353】
ラット肝細胞でのインビトロ代謝安定性試験(インビボ肝臓血中クリアランス(CL)の計算を含む)
Han Wistar ラットの肝細胞を、2工程灌流法によって単離した。灌流後、肝臓をラットから注意深く摘出し、肝臓被膜を開け、肝細胞を、氷冷ウィリアム培地E(WME)でペトリ皿に穏やかに揺すり出した。得られた細胞懸濁液を滅菌ガーゼで濾過して50mlのファルコンチューブに入れ、50×gで3分間、室温で遠心分離した。細胞ペレットを30mlのWMEに再懸濁し、Percoll(登録商標)勾配で、100×gで2回遠心分離した。肝細胞を再びWMEで洗浄し、5%FCS含有培地に再懸濁した。細胞生存能をトリパンブルー排除によって決定した。
【0354】
代謝安定性アッセイのために、肝臓細胞を、ガラスバイアルに、5%FCS含有WME中1.0×10
6生存細胞/mlの密度で分配した。試験化合物を添加して、最終濃度1μMとした。インキュベーション中、肝細胞懸濁液を連続的に振盪させ、一定量を2分、8分、16分、30分、45分および90分で採り、それに等量の冷メタノールを直ぐに添加した。サンプルを−20℃で一夜凍結させ、15分間、3000rpmで遠心した後、上清をLCMS/MS検出を有するAgilent 1200 HPLC系で分析した。
【0355】
試験化合物の半減期を濃度−時間プロットから決定した。半減期から、内因性クリアランスを計算した。さらなるパラメータである肝臓血流量、インビボおよびインビトロ肝臓細胞の量と共に、肝臓インビボ血中クリアランス(CL)および最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)を計算した。次のパラメータ値を使用した。肝臓血流=4.2L/時間/kgラット;特定肝臓重量=32g/kgラット体重;インビボ肝臓細胞=1.1×10
8細胞/g肝臓、インビトロ肝臓細胞=0.5×10
6/ml。
【0356】
表2、表3、表4、表5および表6は、3セットの化合物について、肝臓インビボ血中クリアランス(CL)および最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)として表される、ラットの幹細胞におけるインビトロ代謝安定性を比較している。
【0357】
各セットは、−C(R
3a)(R
3b)−R
3c−基を有する2つの化合物と比較される、R
3について−CH
2−R
3c−基を有する比較化合物を含む。
肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティに対するR
3aおよびR
3bの影響を評価するために、各セットの残りの置換パターンは保存される。
【0358】
表2に示された化合物のセットは、R
3aおよびR
3bが同時に水素原子を表さないとき、肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティの改善を明らかに示す。
【表3】
【0359】
表3に示された化合物のセットは、R
3aおよびR
3bの少なくとも1個が水素原子を表さないとき、肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティの改善を明らかに示す。
【表4】
【0360】
表4に示された化合物のセットは、R
3aおよびR
3bの少なくとも1個が水素原子を表さないとき、肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティの改善を明らかに示す。
【表5】
【0361】
表5に示された化合物のセットは、R
3aおよびR
3bが同時に水素原子を表さないとき、肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティの改善を明らかに示す。
【表6】
【0362】
表6に示された化合物のセットは、R
3aおよびR
3bが同時に水素原子を表さないとき、肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティの改善を明らかに示す。
【表7】
【0363】
表7は、R
3aおよびR
3bが同時に水素原子を表さないさらなる化合物の肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティを記載する。
【表8】
【0364】
表2、表3、表4、表5、表6および表7に示されたデータは、R
3aおよびR
3bの少なくとも1個が水素原子を表さないとき、全ての分子の肝臓インビボ血中クリアランスおよび最大経口バイオアベイラビリティが驚くほど改善され得ることを明らかに示す。