特許第6166329号(P6166329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166329
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】誘電媒体による無線通信
(51)【国際特許分類】
   H04B 5/02 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   H04B5/02
【請求項の数】18
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-225521(P2015-225521)
(22)【出願日】2015年11月18日
(62)【分割の表示】特願2014-530867(P2014-530867)の分割
【原出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2016-40957(P2016-40957A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】61/535,277
(32)【優先日】2011年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/592,491
(32)【優先日】2012年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/570,709
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513237788
【氏名又は名称】ケッサ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ディー・マコーマック
(72)【発明者】
【氏名】イアン・エー・カイルズ
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−041078(JP,A)
【文献】 特開2008−271605(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0159243(US,A1)
【文献】 特開2012−146237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
誘電基板と、
前記誘電基板に配置されるとともに、前記誘電基板に配置される複数の通信ユニットのうち1つまたは複数と、データを通信するために結合される電子要素と、
前記誘電基板に配置される第1のトランスデューサに結合される第1の通信ユニットであって、前記第1のトランスデューサは前記電子要素から受信されたデータを、前記第1の通信ユニットを介して、電磁周波数スペクトルの超高周波(EHF)帯域において動作する電磁信号に変換するように構成される、第1の通信ユニットと、
前記誘電基板に配置される第2のトランスデューサに結合される第2の通信ユニットであって、前記第2のトランスデューサは前記EHF帯域において動作する受信された電磁信号を、前記第2の通信ユニットを介して、前記電子要素に送信するためのデータに変換するように構成される、第2の通信ユニットと、
前記第1の通信ユニットの1つまたは複数の辺の周囲に配置される第1の部分を有するとともに、前記第2の通信ユニットの前記辺の周囲に配置される第2の部分を有するスリーブ・アセンブリであって、前記スリーブ・アセンブリは、前記第1の部分と前記第2の部分との間で連続的に延伸する、スリーブ・アセンブリと
を備え、
前記第1の通信ユニットと前記スリーブ・アセンブリの前記第1の部分との間に配置される、第1の電磁信号誘導部品をさらに備え、前記第1の電磁信号誘導部品は、
第1の誘電材料で構成される第1の誘電要素と、
前記第1の誘電要素の1つまたは複数の辺の少なくとも一部に沿って前記第1の誘電要素の周囲に延伸する第1のスリーブ要素であって、前記第1のスリーブ要素は、前記第1の誘電要素の辺を通る電磁エネルギーの送信を妨げる、第1のスリーブ要素と
を備える、電子装置。
【請求項2】
前記第1のスリーブ要素は、導電材料、電磁吸収材料または電磁放電材料のうちの1つで構成される、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1のスリーブ要素は、前記第1の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第2の誘電材料で構成される、請求項に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第2の通信ユニットと前記スリーブ・アセンブリの前記第2の部分との間に配置される、第2の電磁信号誘導部品をさらに備え、前記第2の電磁信号誘導部品は、第3の誘電材料で構成される第2の誘電要素を備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2の電磁信号誘導部品は、前記第2の誘電要素の辺の少なくとも一部に沿って前記第2の誘電要素の周囲に延伸する第2のスリーブ要素をさらに備え、前記第2のスリーブ要素は、前記第2の誘電要素の辺を通る電磁エネルギーの送信を妨げる、請求項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第2のスリーブ要素は、導電材料、電磁吸収材料または電磁放電材料のうちの1つで構成される、請求項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第2のスリーブ要素は、前記第2の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第4の誘電材料で構成される、請求項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1の通信ユニットは、前記電子要素からデータを受信するために結合される入力と、前記第1のトランスデューサに結合される出力とを有する、送信器回路を備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第2の通信ユニットは、前記第2のトランスデューサに結合される入力と、前記電子要素にデータを送信するために結合される出力とを有する、受信器回路を備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットのうち少なくとも1つは送受信器である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記スリーブ・アセンブリは、導電材料、電磁吸収材料および電磁放電材料のうち少なくとも1つで構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項12】
電子装置であって、
誘電基板と、
前記誘電基板に配置されるとともに、前記誘電基板に配置される少なくとも1つの通信ユニットと、データを通信するために結合される電子要素と、
前記誘電基板に配置されるトランスデューサに結合される前記少なくとも1つの通信ユニットであって、前記トランスデューサは、
前記電子要素から受信されたデータを、前記少なくとも1つの通信ユニットを介して、電磁周波数スペクトルの超高周波(EHF)帯域において動作する電磁信号に変換するステップと、
前記EHF帯域において動作する受信された電磁信号を、前記少なくとも1つの通信ユニットを介して、前記電子要素に送信するためのデータに変換するステップと、
のうち少なくとも1つのステップを行うように構成される、前記少なくとも1つの通信ユニットと、
前記少なくとも1つの通信ユニットの辺の周囲に配置されるスリーブ・アセンブリと
を備え、
前記少なくとも1つの通信ユニットと前記スリーブ・アセンブリとの間に配置される、電磁信号誘導部品をさらに備え、前記電磁信号誘導部品は、
第1の誘電材料で構成される誘電要素と、
前記誘電要素の1つまたは複数の辺の少なくとも一部に沿って前記誘電要素の周囲に延伸するスリーブ要素を備え、前記スリーブ要素は、前記誘電要素の前記辺を通る電磁エネルギーの送信を妨げる、電子装置。
【請求項13】
前記スリーブ要素は、導電材料、電磁吸収材料および電磁放電材料のうち少なくとも1つで構成される、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記スリーブ要素は、第1の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第2の誘電材料で構成される、請求項12に記載の電子装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの通信ユニットは送受信器である、請求項12に記載の電子装置。
【請求項16】
前記スリーブ・アセンブリは、導電材料、電磁吸収材料および電磁放電材料のうち少なくとも1つで構成される、請求項12に記載の電子装置。
【請求項17】
装置であって、
誘電基板と、
前記誘電基板に配置されるトランスデューサに結合される通信ユニットであって、前記トランスデューサは、
電子要素から受信されたデータを、前記通信ユニットを介して、電磁周波数スペクトルの超高周波(EHF)帯域において動作する電磁信号に変換するステップと、
前記EHF帯域において動作する受信された電磁信号を、前記通信ユニットを介して、前記電子要素に送信するためのデータに変換するステップと、
のうち少なくとも1つのステップを行うように構成される、前記通信ユニットと、
前記通信ユニットの1つまたは複数の辺の周囲に配置されるスリーブ・アセンブリと
を備え、
前記通信ユニットと前記スリーブ・アセンブリとの間に配置される、電磁信号誘導部品をさらに備え、前記電磁信号誘導部品は、
第1の誘電材料で構成される誘電要素と、
前記誘電要素の1つまたは複数の辺の少なくとも一部に沿って前記誘電要素の周囲に延伸するスリーブ要素とを備え、前記スリーブ要素は、
導電材料、電磁吸収材料、電磁放電材料のうちの1つと、
第1の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第2の誘電材料と
で構成される、装置。
【請求項18】
前記スリーブ・アセンブリは、導電材料、電磁吸収材料および電磁放電材料のうち少なくとも1つで構成される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘電媒体を介した通信を含むEHF通信に対するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造および回路設計技術の進歩により、ますます高い動作周波数の集積回路(IC)の開発と製造が可能となっている。それに伴い、かかる集積回路を組み込んだ電子製品やシステムが、以前の世代の製品よりも非常に高度な機能を提供することができる。この追加的な機能には一般に、ますます大量のデータをますます高速なデータで処理することが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,621,913号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2010/0159829号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の電子システムは、これらの高速なICをマウントした複数のプリント基板(PCB)を備え、当該PCBを介して様々な信号がICから送受信される。少なくとも2つのPCBを有し、これらのPCBの間で情報を通信する必要がある電子システムでは、基板間の情報の流れを促進するために様々なコネクタとバックプレーン・アーキテクチャが開発されてきた。コネクタとバックプレーンのアーキテクチャでは、様々なインピーダンス不連続性が信号経路で生じ、これが信号の品質または完全性の劣化をもたらしている。信号伝搬機械コネクタのような従来の手段により基板に接続すると、一般に不連続性が生じ、広範囲の電子機器が交渉する必要性が生じる。従来の機械コネクタではまた、時間とともに摩耗し、正確な配置と製造方法が必要であり、機械の押合いを受ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の例では、電子装置が、第1の誘電基板と、データを処理するための、当該基板により支持される少なくとも第1の電子回路と、第1のアンテナを有する少なくとも第1の通信ユニットを備えてもよい。当該第1の通信ユニットを、デジタル情報を含む第1のEHF電磁信号と当該少なくとも第1の電子回路により伝導される第1のデータ信号の間で変換するための、当該少なくとも第1の電子回路と通信して当該基板にマウントしてもよい。当該第1の電磁信号を、第1のアンテナにより第1の信号経路に沿って送受信してもよい。第1の電磁(EM)信号誘導部品が、当該第1の信号経路において当該第1のアンテナの近傍に配置された第1の誘電材料から構成された第1の誘電要素を備えてもよい。第1のEM信号誘導部品が、第1の信号経路に沿って延伸する辺を有してもよい。第1のスリーブ要素が、当該第1の誘電要素の辺の少なくとも一部に沿って第1の誘電要素の周囲に延伸してもよい。第1のスリーブ要素が、第1の誘電要素の辺を通る第1のEM信号の送信を妨げてもよい。
【0006】
第2の例では、第1の電子コネクタ要素が、第1のEHF通信リンク・チップと、当該第1の通信リンク・チップを包含し、当該第1の通信リンク・チップから離間した第1のインタフェース面に向かって当該第1のチップから延伸する第1の誘電材料とを備えてもよい。当該第1の通信リンク・チップを、当該誘電材料と当該第1のインタフェース面を通って延伸する第1の信号経路を有する電磁信号を送信または受信するように構成してもよい。導電遮蔽材料を当該誘電材料により支持してもよく、当該導電遮蔽材料が、当該第1のインタフェース面に対向する当該第1の通信リンク・チップ周囲の当該第1のインタフェース面の第1の辺から当該第1のインタフェース面の当該第1の辺から離間する当該第1のインタフェース面の第2の辺に延伸してもよい。
【0007】
第3の例では、システムが第1の装置と第2の装置を備えてもよい。当該第1の装置は、第1の電気回路と、第1の誘電材料を有する第1の電子コネクタ・コンポーネントを備えてもよい。第1のEHF通信リンク・チップを、当該第1の誘電材料を通る第1の信号経路に沿って伝播する第1の電磁信号を通信するために、当該第1の誘電材料に組み込み当該第1の電気回路に接続してもよい。電気伝導性遮蔽層が、当該第1の誘電材料の中の当該第1の信号経路の少なくとも一部の周囲で延伸してもよい。当該第2の装置は、第2の電気回路と、第2の誘電材料を有する第2の電子コネクタ・コンポーネントと、当該第2の誘電材料を通る第2の信号経路に沿って伝播する第2の電磁信号を通信するための、当該第2の誘電材料に組み込まれ当該第2の電気回路に接続された第2のEHF通信リンク・チップとを備えてもよい。当該第1の電子コネクタ・コンポーネントと当該第2の電子コネクタ・コンポーネントが、当該第1の誘電材料が当該第2の誘電材料と接触し当該第1の信号経路が当該第2の信号経路と整列するように配置されるときに、当該第1のEHF通信リンク・チップと当該第2のEHF通信リンク・チップを互いに通信するように構成してもよい。当該第1の信号経路と当該第2の信号経路に沿った通信を、当該第1の誘電材料と当該第2の誘電材料を実質的に完全に通って行ってもよい。
【0008】
第4の例は、第1の電気伝導性コネクタ要素を有する第1の電子装置を、EHF電磁信号コネクタ要素を有する第2の電子装置と相互接続するためのアダプタである。当該アダプタは、誘電材料と、当該誘電材料に埋め込まれ、当該電磁信号を当該電磁信号コネクタ要素に通信するように構成されたEHF通信リンク・チップと、当該通信リンク・チップに電気的に接続され、当該第1の電気伝導性コネクタ要素に電気的に接続するように構成された、第2の電気伝導性コネクタ要素とを備えてもよい。
【0009】
第5の例では、システムが第1の装置と第2の装置を備えてもよい。当該第1の装置は、第1のEHF電磁信号を送信するように構成された第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリを部分的に囲む第1の遮蔽体と、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと通信する第1の回路を備えてもよい。当該第2の装置は、第1のEHF電磁信号を受信するように構成された第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと、当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリを部分的に囲む第2の遮蔽体とを備えてもよい。当該第1の遮蔽体と当該第2の遮蔽体を、当該第1の装置と当該第2の装置が整列するときに、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリの周囲に実質的に連続な遮蔽体を生成するように相互に構成してもよい。
【0010】
かかるシステムおよび方法の利点は、添付図面と詳細な説明を検討すればより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ダイとアンテナを含む集積回路(IC)パッケージの第1の例の簡潔な略俯瞰図である。
図2】ICパッケージとプリント基板(PCB)を含む例示的な通信装置の略側面図である。
図3】外部回路導体を有するICパッケージを含む別の例示的な通信装置の等角図である。
図4図3の例示的な通信装置の底面図である。
図5】誘電誘導構造を有する誘導電力受信器とICパッケージを含む例示的な可搬型装置の斜視図である。
図6図5の可搬型装置の部分拡大図である。
図7】誘導電源とICパッケージを備えた例示的な基本ユニットに面する図5の可搬型装置の図である。
図8】相互に整列した図7の可搬型装置および基本ユニットの側面図である。
図9】各々が部分的に遮蔽された未整列の例示的な第1の装置と第2の電子装置のブロック図である。
図10】各々が部分的に遮蔽された整列された例示的な第1の装置と第2の電子装置のブロック図である。
図11】例示的なコネクタの斜視図である。
図12図11の例示的なコネクタの別の斜視図である。
図13】例示的な外部装置の近傍の例示的なコネクタの図である。
図14】例示的な外部装置に隣接する例示的なコネクタの断面図である。
図15】例示的なコネクタの係合面の平面図である。
図16図5の16−16の線に沿った断面の図である。
図17】例示的なアダプタ・システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
無線通信を使用して装置上の諸構成要素の間の信号通信を提供してもよく、または、無線通信により装置間の通信を提供してもよい。無線通信は、機械および電気の劣化を受けないインタフェースを提供する。チップ間の無線通信を使用したシステムの例が特許文献1と特許文献2に開示されている。これらの開示内容は、引用によりそれらの全体が全ての目的で本明細書に組み込まれる。
【0013】
1例では、送信器を第1の導通路の端部に配置し受信器を第2の導通路の端部に配置することによって強く結合した送信器/受信器の組を配置してもよい。伝送エネルギの強度に応じて送信器と受信器を互いに近接して配置してもよく、第1の導通路と第2の導通路が互いに対して連続していなくともよい。幾つかの例では、送信器と受信器を、送信器/受信器のアンテナの組と近接して配置された別々の回路キャリア上に配置してもよい。
【0014】
後述するように、送信器および/または受信器をICパッケージとして構成してもよい。この場合、1つまたは複数のアンテナをダイに隣接して配置し、誘電容器または絶縁容器または接着材料により適所に保持してもよい。アンテナを、リード・フレーム基板により適所に保持してもよい。ICパッケージに組み込んだEHFアンテナの例を図面で示し、下記で説明する。ICパッケージを単純にパッケージと称してもよく、ICパッケージは、EHF通信ユニット、通信ユニット、通信装置、通信リンク・チップ、通信リンク・チップ・アセンブリ、通信リンク・チップ・パッケージ、および/または通信リンク・パッケージのように様々に称される無線通信ユニットの例であり、様々な方法で構成してもよいことに留意されたい。例えば、ICパッケージ、通信ユニット、通信装置、通信リンク・チップ、通信リンク・チップ・アセンブリ、通信リンク・チップ・パッケージ、および/または通信リンク・パッケージが各々、1つまたは複数のIC、チップ、またはダイを備えてもよく、特定のアプリケーションに適した回路機能を有してもよい。
【0015】
図1は例示的なICパッケージを示し、これを一般に10で示す。ICパッケージ10は、チップまたはダイ12、電気信号と電磁(EM)信号の間の変換をもたらすトランスデューサ14、当該トランスデューサを、ダイ12に含まれる送信器回路または受信器回路に接続されたボンド・パッド22、24に電気的に接続するボンド・ワイヤ18、20のような導電コネクタ16を備える。ICパッケージ10はさらに、ダイおよび/またはトランスデューサの少なくとも一部の周囲に形成した封入材料26を備える。本例では封入材料26が、ダイ12、導電コネクタ16、およびトランスデューサ14を被覆し、封入材料26は、ダイとトランスデューサの詳細を実線で示すことができるように極細線で示してある。
【0016】
ダイ12は、適切なダイ基板上の小型化した回路として構成される任意の適切な構造を備え、チップまたは集積回路(IC)とも呼ばれる構成要素と機能的に等価である。ダイ基板は、任意の適切な半導体材料であってもよく、例えば、ダイ基板がシリコンであってもよい。ダイ12は、長さと幅の寸法を有し、その各々が約1.0mmから約2.0mmであってもよく、約1.2mmから約1.5mmであることが好ましい。ダイ12をさらに、図1には図示していないが、リード・フレームのような電気導体16にマウントして、外部回路への接続を提供してもよい。点線で示した変換器28が、ダイ12上の回路とトランスデューサ14の間でインピーダンス・マッチングを提供してもよい。
【0017】
トランスデューサ14が、折返しダイポールまたはループ・アンテナ30の形であってもよく、EHFスペクトルのような無線周波数で動作するように構成されてもよく、電磁信号を送信および/または受信するように構成してもよい。アンテナ30はダイ12と分離しているが、適切な導体16によりダイ12と動作可能に接続され、ダイ12に隣接して配置されている。
【0018】
アンテナ30の寸法は、電磁周波数スペクトルのEHF帯域における動作に適している。1例では、アンテナ30のループ構成は0.1mm幅の材料を含む。当該材料は、長さが1.4mmで幅が0.53mmのループに展開され、ループの口に0.1mmのギャップがあり、ループの端はダイ12の端からほぼ0.2mmの位置にある。
【0019】
封入材料26は、相対的な位置に固定されたICパッケージ10の様々な構成要素を保持するのを支援するために使用される。封入材料26は、ICパッケージ10の電気要素と電子要素に電気絶縁と物理保護を提供するように構成された任意の適切な材料であってもよい。例えば、封入材料26は、絶縁材料とも呼ばれ、モールド化合物、ガラス、プラスチック、またはセラミックであってもよい。封入材料26を任意の適切な形状で形成してもよい。例えば、封入材料26を、長方形ブロックの形に形成し、ダイを外部回路に接続する導体16の未接続端を除いてICパッケージ10の全ての構成要素を封入してもよい。外部接続を他の回路または構成要素で形成してもよい。
【0020】
図2は、例示的なプリント基板(PCB)54にフリップ・マウントしたICパッケージ52を備えた通信装置50の代表的な側面図を示す。本例では、ICパッケージ52が、ダイ56、接地面57、アンテナ58、ボンド・ワイヤ60を含みダイをアンテナに接続するボンド・ワイヤを備えることは理解される。当該ダイ、アンテナ、およびボンド・ワイヤは、パッケージ基板62にマウントされ、封入材料64に包含される。接地面57をダイ56の下面にマウントしてもよく、ダイに電気アースを提供するように構成された任意の適切な構造であってもよい。PCB54は、面68の主要面を有する上部誘電層68を備えてもよい。ICパッケージ52は、メタライゼーション・パターン(図示せず)に取り付けたフリップ・マウント突起70を有する面68にフリップ・マウントされる。
【0021】
PCB54はさらに、PCB54内部に接地面を形成する導電材料から構成された面68から離間した層72を備えてもよい。PCB接地面は、PCB54の回路と構成要素に電気アースを提供するように構成した任意の適切な構造であってもよい。
【0022】
図3と4は、外部回路導体84と86を有するICパッケージ82を備えた別の例示的な通信装置80を示す。本例では、ICパッケージ82が、ダイ88、リード・フレーム90、ボンド・ワイヤの形態の導電コネクタ92、アンテナ94、封入材料96、および説明を簡単にするために図示していない他の構成要素を備えてもよい。ダイ88を、リード・フレーム90と電気的に通信するようにマウントしてもよい。これは、1つまたは複数の他の回路をダイ90と動作可能に接続できるように構成された電気導体またはリード98の任意の適切な配置構成であってもよい。アンテナ94を、リード・フレーム90を生成する製造プロセスの一部として構成してもよい。
【0023】
リード98を、極細線で示すように、パッケージ基板62に対応してリード・フレーム基板100に埋め込むかまたは固定してもよい。リード・フレーム基板は、リード98を所定の配置構成で十分に保持するように構成された任意の適切な絶縁材料であってもよい。ダイ88とリード・フレーム90のリード98の間の電気通信を、導電コネクタ92を用いた任意の適切な方法で実現してもよい。述べたように、導電コネクタ92は、ダイ88の回路上の端子を対応するリード導体98に電気的に接続するボンド・ワイヤを備えてもよい。例えば、導体またはリード98が、リード・フレーム基板100の上面に形成しためっきリード102、当該基板を通って延伸するビア104、図示していないがPCBのような、ICパッケージ82をベース基板の回路にマウントするフリップ・マウント突起106を備えてもよい。ベース基板上の回路が、外部導体84のような外部導体を備えてもよい。例えば、当該外部導体が、ベース基板を通って延伸するビア110に突起106をさらに接続するストリップ導体108を備えてもよい。他のビア112が、リード・フレーム基板100を通って延伸してもよく、ベース基板を通って延伸する追加のビア11があってもよい。
【0024】
別の例では、ダイ88を反転してもよく、導電コネクタ92が、前述のように、突起またはダイ半田ボールを備えてもよい。これらを、「フリップ・チップ」配置構成として一般に知られるものにおいて、ダイ88の回路上の点を対応するリード98に直接電気的に接続するように構成してもよい。
【0025】
第1のICパッケージ10と第2のICパッケージ10を単一のPCBに共存させてもよく、第1のICパッケージ10と第2のICパッケージ10が内部PCB通信を提供してもよい。他の例では、第1のICパッケージ10を第1のPCBに配置し、第2のICパッケージ10を第2のPCBに配置して、PCB間通信を提供してもよい。
【0026】
図5図6に移り、例示的な可搬型装置を説明する。可搬型装置120は、誘導電力システムを用いて無線で給電され、1つまたは複数のICパッケージ10を用いて無線で通信するように構成された任意の装置であってもよい。可搬型装置120は、EHF通信回路122、データ格納ユニット124、局所蓄電装置126、および/または誘導電力受信器128を備えてもよい。可搬型装置120の構成要素をケース(図示せず)に含めてもよい。図5図6は、様々な構成要素の可能な位置を示す可搬型装置120の1例を示す。図6は、図5に示す装置を部分的に拡大した版である。可搬型装置は可搬型媒体装置(pmd)であってもよく、携帯電話、携帯情報端末(pda)、MP3プレイヤ、ノートブック・コンピュータ、またはタブレットの形を取ってもよい。
【0027】
EHF通信回路122は、1つまたは複数のICパッケージ10を用いて無線で通信するように構成された任意の回路であってもよい。例えば、EHF通信回路122は、図5図6に示したように一方が送信器として構成され他方が受信器として構成される、2つのICパッケージ130と132を備えてもよい。ICパッケージ130と132を、同一の装置内の他のかかるチップではなく他の装置内の他のICパッケージと通信するように構成してもよい。幾つかの例では、送受信器として構成した、1つのICパッケージのみを含めてもよい。
【0028】
EHF通信回路122が、デジタル・データ格納ユニット124と電気通信してもよい。データ格納ユニット124は、データを読み書きできる任意の適切なデータ格納ユニットであってもよい。例えば、データ格納ユニット124が、ICチップ、カード、ディスク、またはSSDであってもよい。典型的な動作では、EHF通信回路122が、データ格納ユニット124と外部装置の間でデータを転送してもよい。
【0029】
EHF通信回路122が局所蓄電装置126から電力を受電してもよい。蓄電装置126が、将来使用するための電気エネルギを格納するように構成された任意の適切な装置であってもよい。例えば、蓄電装置126が、リチウム・イオン・バッテリ、燃料セル、ウルトラ・キャパシタ、または充電と放電が可能な他の任意のバッテリ風の装置であってもよい。一般に、かかる装置により供給された電圧を、EHF通信回路122内の適切な回路を用いて低下させて、電圧を回路とICパッケージが使用できるようにする必要がある場合がある。ICパッケージ130と132のようなICパッケージは一般に、ほぼ1.2から3.3Vの範囲で動作する。
【0030】
誘導電力受信器128が、局所蓄電装置126と電気通信してもよく、蓄電装置126を充電するように機能してもよい。誘導電力受信器128は、電源から無線エネルギ伝送を受信できる任意の適切な装置であってもよい。例えば、誘導電力受信器128が、別々の充電装置内に配置した一次コイルにより電流を誘導できる二次コイル129を備えてもよい。この種の誘導充電に関する世界的な標準が開発されている。例えば、無線電力コンソーシアムにより開発された「Qi」標準が市販製品で利用され始めている。
【0031】
図5図6に示した例示的な可搬型装置120が、さらに、導電抑制器134、誘電絶縁壁136、および誘電配向部138を備えてもよい。導電抑制器134は、スプリアスEHF放射の流入と流出を抑制するように構成された任意の適切な構造であってもよい。例えば抑制器134を、誘電絶縁壁136の周囲に水平に配置した導電材料の拡張として構成してもよい。誘電絶縁壁136は、誘電配向部138を抑制器134から絶縁するように構成された任意の適切な構造またはギャップであってもよい。例えば、誘電絶縁壁136が、泡のような低Er誘電、または、誘電配向部138を水平に囲む空気ギャップであってもよい。誘電配向部138が、EHF放射を強化および/または配向するように構成された任意の適切な誘電構造であってもよい。例えば、誘電配向部138が、プラスチックのような高Er材料のブロックであってもよい。
【0032】
可搬型装置120のような可搬型装置が、(例えば、可搬型媒体装置として)独立に機能してもよく、他の装置と対話し、かつ/または、他の装置から電力を受電してもよい。例えば、基本ユニットがかかる装置の1つであってもよい。図7および図8に示すように、基本ユニット140は、可搬型装置120と無線で通信し、可搬型装置120に無線で電力を提供するように構成された任意の適切な装置であってもよい。例えば、基本ユニット140が、誘導電源142および/またはEHF通信回路144を包含する筐体(図示せず)を備えてもよい。
【0033】
幾つかの例では、基本ユニット140が、ホスト・コントローラ(図示せず)を備えるか、または、ホスト・コントローラ(図示せず)と通信してもよい。当該ホスト・コントローラは、可搬型装置120と基本ユニット140を含む全体システムの電子的活動を制御するように構成された任意の適切な装置または構成要素であってもよい。例えば、ホスト・コントローラが、可搬型装置120とパーソナル・コンピュータの間でデータの同期を調整するソフトウェアおよび/またはファームウェアを介して構成されたパーソナル・コンピューティング装置であってもよい。他の例では、ホスト・コントローラが、ビデオ・プレイヤ、オーディオ・プレイヤ、セキュリティ・システム、表示システム、音楽、ビデオ、および/またはオーディオ・ブック・オーガナイザ、データ・バックアップ記憶システム、可搬型電話帳等のうち何れかまたは全部を備えてもよい。
【0034】
幾つかの例では、2つの装置の少なくとも幾つかの役割を反転してもよいことに留意されたい。したがって、ホスト・コントローラを可搬型装置120に配置してもよく、基本ユニット140が格納ユニット124のような格納ユニットを備えてもよい。他の例では、両方の装置がホスト・コントローラおよび/または格納ユニット124を備えて、装置間のデータ・コピーのような機能を可能としてもよい。他の例では、可搬型装置120がトランザクションを制御してもよい。当該トランザクションでは、可搬型装置120で再生されているかまたは利用可能であるビデオを、ビデオ・ディスプレイを備える基本ユニット140で表示してもよい。当該トランザクションを、専ら可搬型装置から制御してもよい。
【0035】
誘導電源142は、誘導電力受信器128に無線で電力を提供するように構成された任意の適切な装置であってもよい。上述のように、誘導電源142が一次コイル146を備えてもよい。
【0036】
EHF通信回路144が、可搬型装置120内のICパッケージ(複数可)に情報を送受信するように構成された、ICパッケージ148および150のような1つまたは複数のICパッケージ10を備えてもよい。可搬型装置120内の送信器ICパッケージごとに、対応する受信器ICパッケージを基本ユニット140において提供してもよい。同様に、可搬型装置120における受信器が、基本ユニット140における対応する送信器を有してもよい。幾つかの例では、ICパッケージを送受信器として構成してもよく、装置ごとに1つのICパッケージを用いて双方向リンクを確立してもよい。データ転送を容易にするために、結果の送信器と受信器の対または送受信器と送受信器の対を、装置を適切に汎用的に配置することでICパッケージの全ての対が整列するように配置してもよい。
【0037】
あるいは、装置が第1の構成で配置されているときに一部の送信器と受信器の対または送受信器と送受信器の対を整列してもよく、装置が第2の構成で配置されているときにその他を整列してもよい。例えば、基本ユニット140が、2組のマーキングをインタフェース面に提供してもよい。1組のマーキングは、データ同期を可能とするために可搬型装置120をどこに配置すべきかを示し、他の組のマーキングは、音楽再生または他の何らかの機能を可能とするために可搬型装置120をどこに配置すべきかを示してもよく、両方の位置が同時のバッテリ充電を可能としてもよい。
【0038】
図7図8は、可搬型装置120と基本ユニット140を示す。図7に示すように、誘導電源142とICパッケージ148および150を、可搬型装置120内の対応する構成要素を補完する空間配置構成で配置し構成してもよい。図8はさらに、この補完的な配置構成を示し、基本ユニット140とドッキングする配置の可搬型装置120を示す。上述のように、各装置は、それぞれ送信器および受信器として構成された2つのICパッケージではなく送受信器として構成された単一のICパッケージを備えてもよい。
【0039】
可搬型装置120と基本ユニット140のような装置間で送受信できるEHF信号に関して、支配的な放射限界が所与の許可放射帯域に対して存在してもよい。未変調信号が、より狭い放射帯域を提供し、それにより、一部の適用事例における放射限界の違反を回避してもよいことに留意されたい。他方、変調信号が、一部の適用事例において許可帯域外に伸びる広範囲な放射帯域を生成してもよい。
【0040】
図9図10は、所与の帯域の外部に伸びる放射の発生を制限するように構成された2つの例示的な装置を示すブロック図である。第1の電子装置160の一部が、ベースバンド変調回路169に電気的に接続された、ICパッケージ10の2つの例、具体的には、送信器162および受信器164を備えてもよい。不連続遮蔽体168が、ICパッケージ162と164を部分的に囲んでもよい。例えば、第1の電子装置160の一部が、EHF信号を禁止またはブロックするように動作する材料から成る層または部分を備えてもよい。遮蔽体168は、EHF周波数を有する電磁信号を禁止またはブロックするように構成された任意の適切な材料を備えてもよい。例えば、アースした電磁導電材料がEHF信号をアースし、放電材料がEHF信号を吸収し、当該EHF信号を当該材料内部の熱に変換してもよい。当該遮蔽層または部分は、全ての方向に連続的な遮蔽体を形成せず、1つまたは複数の方向に1つまたは複数の開口部を含むという意味で、不連続であってもよい。当該部分的な遮蔽構成を図9図10においてU型の断面として表す。以下でさらに説明するように、遮蔽体168を、別の装置の対応する遮蔽体との係合関係を促進するように構成してもよい。
【0041】
送信器チップ162が、前述のICパッケージ10の1例であってもよく、送信器チップ162を、上流にベースバンド変調回路169を設けた装置160内の1つまたは複数の回路により提供されるEHF信号を送信するように適合させてもよい。例えば、送信器チップ162が、実質的に一定の信号、変調信号、間欠信号、これらの組合せ、またはEHF帯域で送信できる他の任意の信号を送信してもよい。受信器チップ164が、前述のICパッケージ10の1例であってもよく、受信器チップ164を、EHF信号を受信し、ベースバンド変調回路169を含めて第1の装置160の1つまたは複数の回路に電子的な形態で信号を提供するように適合させてもよい。幾つかの例では、送信器パッケージ162と受信器パッケージ164を、送信と受信の両方を行うように構成した単一の送受信パッケージにより置き換えてもよいことに留意されたい。
【0042】
ベースバンド変調回路169は、1つまたは複数の入力に基づいて複数の信号の間で選択するように構成された任意の適切な回路であってもよい。図9図10に示す実施形態では、ベースバンド変調回路169は、送信器チップ162、受信器チップ164、変調信号生成器、および復調信号生成器のような1つまたは複数の信号生成回路からの入力を受信するように適合されたマルチプレクサ回路を備えてもよい。
【0043】
引き続き図9図10を参照すると、第2の電子装置176が、第1の装置160と同様であってもよく、送信器チップ178、受信器チップ180、ベースバンド変調回路185、および第1の装置160の対応する構成要素と同様な機能と接続を有する遮蔽体184を備えてもよい。
【0044】
図9図10に示すように、装置160および176を誤整列関係から整列関係へと物理的に移動してもよい。この状況では、整列とは、送信器/受信器の組、即ち、送信器162と受信器180ならびに送信器178と受信器164の軸方向および近位の整列を指す。他の例では、これらを適切な送受信器と送受信器の対により置き換えてもよい。これらの対の正しい整列により、当該対の少なくとも1つの間のEHF信号通信を可能とすることができ、第1の装置と第2の装置の間の通信を可能とすることができる。装置160および176の遮蔽体を、送信器と受信器の対または送受信器と送受信器の対が正しく整列しているときに遮蔽体が整列することを保証するように構成してもよい。前述したように、不連続遮蔽体168と不連続遮蔽体184を係合するように構成してもよく、遮蔽体が整列し係合位置に配置されているときにICパッケージの対の周囲に単一の連続遮蔽体を形成することができる。
【0045】
次に、図11図12を参照すると、1つまたは複数のICパッケージ10を組み込んだ例示的なコネクタ200が示されている。コネクタ200は、別の装置またはシステム上の対応するコネクタ・コンポーネントに非挿入EHF接続インタフェースまたは低挿入EHF接続インタフェースを提供するように構成された任意の適切なコネクタ・コンポーネントであってもよい。コネクタ200は、2つの磁石、即ち、202および204と、コネクタPCB206、208および210と符号を付した2つのICパッケージ10、コネクタ本体212、および/またはコネクタ整列部214を備えてもよい。さらに、コネクタ200をケーブル216に対して電気的かつ物理的に接続してもよい。
【0046】
コネクタ本体212は、コネクタ200の他の構成要素に対する筐体またはコンテナとしての役割を果たしてもよい。幾つかの例では、コネクタ本体212が、1つまたは複数の適切な誘電材料を用いてPCB206ならびにICパッケージ208および210を包含してもよい。コネクタ本体212を、ユーザの操作の都合が良いように大きさを決め構成してもよい。磁石202および204を、少なくとも部分的にコネクタ本体212に収めてもよく、両方の磁石がコネクタ本体212の係合面218と実質的に同一平面にあるようにマウントしてもよい。
【0047】
係合面218を、対応する装置上の対応するコネクタを適切な物理結合面に提供するように構成してもよい。幾つかの例では係合面218は平坦である。他の例では係合面218は曲がっている。さらに他の例では、係合面218が整列部214を備える。整列部214は、図13に示すように、物理的な整列のフィードバックをユーザに提供するための、凸部、尾根部、ノブ、先端面取り部、ピン、凹部、または外部装置222の対応する対象接続領域220の対応する部分と係合するように構成された他の部材であってもよい。
【0048】
磁石202および204は、外部装置222の対象接続領域220に対して整列し近接した状態で解放可能にコネクタ200を保持するように構成された任意の適切な磁気構成要素であってもよい。この状況では、整列および近接とは、対応するICパッケージの整列と近接を指してもよい。当該ICパッケージを、所与の対のパッケージの間の通信を可能とするのに十分に整列させ近接させる必要があってもよい。幾つかの例では、磁石202および204は永久磁石である。他の例では、磁石202および204は電磁石である。さらに他の例では、磁石202および204は、対象接続領域220上またはその近くの磁石に磁気的に引き付けることができる鉄材料から構成される。
【0049】
ICパッケージ208および210をコネクタPCB206にマウントしてもよい。幾つかの例では、それより多くのまたは少ないパッケージ、アセンブリ、またはチップを提供してもよい。ICパッケージ208のアンテナがICパッケージ210のアンテナに直角に配向されるようにICパッケージ208および210をマウントして、分極効果を利用してもよい。換言すれば、直角の方位によりパッケージを互いに近接してマウントすることができる。なぜならば、直角なEHF信号は互いに実質的に干渉しないからである。
【0050】
コネクタPCB206および関連する回路をケーブル216に電気的に接続して、コネクタ200が電力信号および/または情報信号をコネクタ200外部のソースから取得できるようにしてもよい。例えば、ケーブル216が、コネクタ200に電力を提供してもよく、データ信号経路をパーソナル・コンピュータまたは他のホスト装置へ提供しかつ/またはデータ信号経路をパーソナル・コンピュータまたは他のホスト装置から提供してもよい。
【0051】
図13は、例示的な外部装置222に近接するコネクタ200を示す。図13に示すように、外部装置222が、外部装置の端230の近くに配置した2つのICパッケージ226および228を有する外部装置PCB224を備えてもよい。幾つかの例では、各々が1つまたは複数のチップを有する、より多くのまたは少ないICパッケージを提供してもよい。端230にある対象接続領域220が、鉄材料、または、磁石202および204が引き付けることができる磁気的に引き付け可能な面を提供する他の任意の材料から構成された部分を備えてもよい。例えば、コネクタ200を外部装置222の対象接続領域220の近くに配置することにより、磁石202および204を対象接続領域220に引き付けることができ、コネクタ200を正しい位置および配置に引き付けて、ICパッケージ208および210をICパッケージ226および228と整列して通信させることができる。
【0052】
図14に示すように、コネクタ本体212が、ICパッケージ208および/または210(図14では、便宜上、ICパッケージ208として示してある)を少なくとも部分的に囲む第1の誘電材料232と、第1の誘電材料232を少なくとも部分的に囲む第2の誘電材料234を備えてもよい。第1の誘電材料232が、第2の誘電材料234と比較して相対的に高い誘電定数を有してもよい。例えば、誘電材料232が、誘電定数がぼぼ2からぼぼ5のプラスチックを備えてもよく、誘電材料234が、比較的非常に小さい定数を有する物質を備えてもよい。幾つかの例では、誘電材料234が、泡または空気ギャップを備えてもよい。
【0053】
第1の誘電材料232を、ICパッケージ208からコネクタ200の係合面218への領域に跨る大量の材料として構成してもよい。このアーキテクチャは、より高い誘電定数の材料が低い誘電定数の材料により囲まれ、誘電材料232を介して送信されるEHF信号の集束と整形を促進することができる。幾つかの例では、外部装置222の1つの面にある対象接続領域220から外部装置内部の1つまたは複数のICパッケージ238に跨る、対応する高誘電材料236を含めてもよい。本例では、コネクタ200を対象接続領域220と近接して整列することにより、EHF信号がそれを通ってパッケージ208からパッケージ238へと伝播できる十分に連続した誘電材料の経路を生成する。
【0054】
図15図16は、コネクタ250の2つの図を示す。これらは、図9図10に関して説明したものと同様な部分的な遮蔽を組み込んだコネクタ200の1例であってもよい。図16は、図15の線16−16に沿う断面である。コネクタ200と同様に、コネクタ250は、2つの磁石252および254、PCB256、2つのICパッケージ258および260、本体262を備えてもよい。第1の誘電材料264は当該ICパッケージに近接し、第2の誘電材料266は、第1の誘電材料264より低い誘電定数を有し、第1の誘電材料264を囲む。
【0055】
本例では、遮蔽材料268をコネクタ本体262の少なくとも一部において提供してもよい。遮蔽材料268は、EHF放射に流入しEHF放射から流出するスプリアスを吸収するかまたはブロックするように構成された任意の散逸材料もしくは散逸層または導電材料もしくは導電層を備えてもよい。例えば、遮蔽材料268が、ICパッケージを包み係合面270の少なくとも一部を遮蔽しない、銅の膜または層を備えてもよい。EHF放射に関して吸収的遮蔽体および/または散逸的遮蔽体として動作するのに加えて、遮蔽材料268が、コネクタ250内の1つまたは複数の回路に電気接地回路を提供してもよい。
【0056】
図17は、上述の構成要素の一部を取り込んだ例示的なアダプタ280の側面切断図を示す簡略化した図である。アダプタ280は、ICパッケージ可能な外部装置282を標準機械コネクタまたは物理プラグ・タイプ・コネクタとともに使用されるように適合するように構成された任意の適切なシステムであってもよい。アダプタ280は、アダプタ・スリーブ284、メス・コネクタ要素286、ICパッケージ288、および誘電遮蔽アーキテクチャ290を備えてもよい。
【0057】
アダプタ・スリーブ284は、アダプタ向けの筐体であってもよく、外部装置282の少なくとも一部の周囲に密接に適合して、外部装置のICパッケージ292をICパッケージ288と整列してもよい。例えば、アダプタ・スリーブ284を、装置に対する部分的なケースとして構成してもよい。ICパッケージ288が、スリープ284を装置282に取り付けたときに外部装置内のICパッケージ292と整列し通信してもよい。ICパッケージ288が、メス・コネクタ要素286と電気通信してもよい。メス・コネクタ要素286が、標準プラグイン・コネクタ・インタフェースを物理プラグ・タイプ・コネクタの対応するオス・コネクタ要素294に提供してもよい。
【0058】
ICパッケージ288を、上述のアーキテクチャと同様な誘電遮蔽アーキテクチャ290に埋め込むかまたはそれらにより囲んでもよい。図17に示すように、アーキテクチャ290が、ICパッケージ288を囲む高誘電定数材料296を備えてもよく、高誘電定数材料296は低誘電定数材料298ならびに遮蔽材料または遮蔽層300により少なくとも部分的に囲まれる。ICパッケージ288と292の間のEHF信号の通信を、アーキテクチャ290により促進してもよい。上述のように、信号を、メス・コネクタ要素286を通じてICパッケージ288とオス・コネクタ要素294の間で送信してもよい。したがって、アダプタ280を、物理コネクタ・システムとICパッケージ可能で物理コネクタ不要な外部装置282との間で適合させてもよい。
【0059】
したがって、無線電力とデータ伝送を提供するための上述のシステム、装置、または方法が、以下の例のうち1つまたは複数を備えてもよい。
【0060】
第1の例では、電子装置が、第1の誘電基板と、データを処理するための、当該基板により支持される少なくとも第1の電子回路と、および第1のアンテナを有する少なくとも第1の通信ユニットとを備えてもよい。当該第1の通信ユニットを、デジタル情報を含む第1のEHF電磁信号と当該少なくとも第1の電子回路により伝導される第1のデータ信号の間で変換するために、当該少なくとも第1の電子回路と通信するように当該基板にマウントしてもよい。当該第1の電磁信号を当該第1のアンテナにより第1の信号経路に沿って送信または受信してもよい。第1の電磁(EM)信号誘導部品が、当該第1の信号経路において当該第1のアンテナの近傍に配置された第1の誘電材料から構成された第1の誘電要素を備えてもよい。当該第1のEM信号誘導経路が、第1の信号経路に沿って延伸する辺を有してもよい。第1のスリーブ要素が、当該第1の誘電要素の辺の少なくとも一部に沿って当該第1の誘電要素の周囲で延伸してもよい。当該第1のスリーブ要素が、当該第1の誘電要素の辺を通る第1の電磁信号の送信を妨げてもよい。
【0061】
当該第1のスリーブ要素が、導電材料、電磁吸収材料、電磁放電材料、および当該第1の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第2の誘電材料のうち1つまたは複数で構成されてもよい。
【0062】
第1のスリーブ要素が、当該第2の誘電材料から構成されてもよく、当該第1の誘電要素の辺に対応する信号経路に沿って延伸する辺を有してもよい。当該信号誘導部品は、当該第1のスリーブ要素の辺の周囲に配置され当該電磁放電材料で構成された第2のスリーブ要素を含んでもよい。当該第1の通信ユニットが送受信器であってもよい。
【0063】
当該少なくとも第1の通信ユニットが、第2のアンテナを有する第2の通信ユニットを備えてもよい。第2の通信ユニットを、デジタル情報を含む第2のEHF電磁信号と当該少なくとも第1の電子回路により伝導される第2のデータ信号の間で変換するために、当該少なくとも第1の電子回路と通信して基板にマウントしてもよい。第2の電磁信号を、第2のアンテナにより第2の信号経路に沿って送信または受信してもよい。当該電磁信号誘導部品はさらに、当該第2の信号経路において当該第2のアンテナの近傍に配置され、当該第2の信号経路に沿って延伸する辺を有する第3の誘電材料から構成された第2の誘電要素を備えてもよい。第2のスリーブ要素が、当該第2の誘電要素の辺の少なくとも一部に沿って当該第2の誘電要素の周囲に延伸してもよい。当該第2のスリーブ要素が、当該第2の誘電要素の辺を通る当該第2の電磁信号の送信を妨げてもよい。
【0064】
当該第2のスリーブ要素が、当該第2の誘電要素の誘電定数より小さい誘電定数を有する第4の誘電材料から構成されてもよい。当該第2のスリーブ要素が、当該第2の誘電要素の辺に対応する当該第2の信号経路に沿って延伸する辺を有してもよい。当該信号誘導部品はさらに、当該第1のスリーブ要素と当該第2のスリーブ要素の辺の周囲に配置され、当該第1のスリーブ要素と当該第2のスリーブ要素の間で連続的に延伸し、導電材料から構成されるスリーブ・アセンブリを備えてもよい。当該第1の通信ユニットは送信器であり、当該第2の通信ユニットは受信器であってもよい。
【0065】
電子システムが、第1の電子装置と、第2の誘電基板を備えた第2の電子装置と、データを処理するための、当該第2の基板により支持される少なくとも第2の電子回路と、第2のアンテナを有する少なくとも第2の通信ユニットとを備えてもよい。第2の通信ユニットを、デジタル情報を含む第2のEHF電磁信号と当該少なくとも第2の電子回路により伝導される第2のデータ信号の間で変換するために、当該少なくとも第2の電子回路と通信して当該基板にマウントしてもよい。当該第2のEM信号を、当該第2のアンテナにより第2の信号経路に沿って送信または受信してもよい。第2のEM信号誘導部品が、第2の信号経路において当該第2のアンテナの近傍に配置され、当該第2の信号経路に沿って延伸する辺を有する第2の誘電材料から構成された第2の誘電要素を備えてもよい。第2のスリーブ要素が、第2の誘電要素の辺の少なくとも一部に沿って当該第2の誘電要素の周囲に延伸してもよい。当該第2のスリーブ要素が、第2の誘電要素の辺を通る当該第2の電磁信号の送信を妨げてもよい。
【0066】
当該第1の通信ユニットは送信器であり、当該第2の通信ユニットは当該第1の誘導部品が当該第2の誘導部品の近傍に配置され当該第2の誘導部品と面するときに当該第1の通信ユニットと通信するように構成された受信器であってもよい。
【0067】
当該第1の誘電要素および当該第2の誘電要素は、当該第1の信号経路と当該第2の信号経路を横断する対応する寸法を有してもよい。当該第1の誘導部品が当該第2の誘導部品の近傍に配置され当該第2の誘導部品に面し当該第2の信号経路が当該第1の信号経路と整列するとき、当該第1のスリーブ要素は当該第2のスリーブ要素と整列し、当該第1のスリーブ要素と当該第2のスリーブ要素は一体となって当該第1の誘電要素と当該第2の誘電要素の辺を通る当該第1の電磁信号の送信を妨げてもよい。
【0068】
当該第1のスリーブ要素と当該第2のスリーブ要素は、当該第1のスリーブ要素が当該第2のスリーブ要素に対向して配置されているとき、当該第1の誘電要素と当該第2の誘電要素に沿って延伸する電気遮蔽、磁気遮蔽、または電磁遮蔽を一体となって形成する材料から構成されてもよい。
【0069】
2つの誘導部品の当該第1の誘電要素と当該第2の誘電要素は同一の断面寸法を有し、当該第1のスリーブ要素と当該第2のスリーブ要素は当該第1の通信ユニットと当該第2の通信ユニットの背後で延伸してもよい。
【0070】
第2の例では、第1の電子コネクタ要素が、第1のEHF通信リンク・チップと、当該第1の通信リンク・チップを包含し当該第1の通信リンク・チップから離間した第1のインタフェース面に向かって当該第1のチップから延伸する第1の誘電材料とを備えてもよい。第1の通信リンク・チップは、当該誘電材料と当該第1のインタフェース面を通って延伸する第1の信号経路を有する電磁信号を送信または受信するように構成されてもよい。遮蔽材料は、当該誘電材料により支持され、当該第1のインタフェース面に対向する当該第1の通信リンク・チップ周囲の当該第1のインタフェース面の第1の辺から当該第1のインタフェース面の当該第1の辺から離間する当該第1のインタフェース面の第2の辺に延伸してもよい。当該遮蔽材料は、導電材料、電磁吸収材料、および電磁放電材料のうち1つまたは複数から構成されてもよい。当該遮蔽材料が、インタフェース面周りに連続的なループを形成してもよい。当該遮蔽材料を、第1の通信リンク・チップの接地回路に接続してもよい。
【0071】
当該遮蔽材料を、電磁信号から当該遮蔽材料に到達したEHF放射から十分に吸収し消失させるように構成してもよい。
【0072】
システムが、第1の電子コネクタ要素と第2の電子コネクタ要素を備えてもよい。当該第1の電子コネクタ要素はさらに、第1のインタフェース面の少なくとも一部を形成する第1の係合要素を備えてもよい。当該第2の電子コネクタ要素は、第2のEHF通信リンク・チップと、第2の通信リンク・チップから離間した第2の係合面と、第2のインタフェース面の少なくとも一部を形成する第2の係合要素とを備えてもよい。当該第2の通信リンク・チップは、当該第2のインタフェース面を通って延伸する第2の信号経路を有する電磁信号を送信または受信するように構成されてもよい。当該第1の係合要素と当該第2の係合要素は補完的であって、当該第1のインタフェース面と当該第2のインタフェース面の一方に形成された凹部と当該第1のインタフェース面と当該第2のインタフェース面の他方に形成された凸部の組合せを含み、当該凸部は、当該第1のインタフェース面と当該第2のインタフェース面が互いに対してごく近くに配置されているときに凹部で受けるように構成されている。当該第1の通信リンク・チップと当該第2の通信リンク・チップは、当該第1の電子コネクタ要素と当該第2の電子コネクタ要素の間でEHF信号を通信するように構成されてもよい。
【0073】
当該第1の電子コネクタ要素はさらに、当該第1の信号経路を横断する当該第1の誘電材料を少なくとも部分的に囲む第2の誘電材料をさらに備えてもよい。当該第1の誘電材料は、当該第2の誘電材料の誘電定数よりも十分に大きい誘電定数を有してもよい。
【0074】
当該第1の電子コネクタの第1の通信リンク・チップは、集積回路(IC)、当該ICと通信するアンテナ、および当該ICと当該アンテナを固定位置に保持する絶縁材料を備えてもよい。
【0075】
当該第1の電子コネクタ要素の第1の誘電材料は、ほほ2とほぼ5の間の誘電定数を有してもよい。
【0076】
第3の例では、システムが第1の装置と第2の装置を備えてもよい。当該第1の装置は、第1の電気回路と、第1の誘電材料を有する第1の電子コネクタ・コンポーネントを備えてもよい。第1のEHF通信リンク・チップを、当該第1の誘電材料を通る第1の信号経路に沿って伝播する第1の電磁信号を通信するために、当該第1の誘電材料に組み込み、当該第1の電気回路に接続してもよい。電気伝導性遮蔽層が、当該第1の誘電材料の中の当該第1の信号経路の少なくとも一部の周囲で延伸してもよい。当該第2の装置が、第2の電気回路と、第2の誘電材料を有する第2の電子コネクタ・コンポーネントと、当該第2の誘電材料を通る第2の信号経路に沿って伝播する第2の電磁信号を通信するための、当該第2の誘電材料に組み込まれ当該第2の電気回路に接続された第2のEHF通信リンク・チップとを備えてもよい。当該第1のEHF通信リンク・チップと当該第2のEHF通信リンク・チップを、当該第1の電子コネクタ・コンポーネントと当該第2の電子コネクタ・コンポーネントが、当該第1の誘電材料が当該第2の誘電材料と接触し当該第1の信号経路が当該第2の信号経路と整列するように配置されるときに、互いに通信するように構成してもよい。当該第1の信号経路と当該第2の信号経路に沿った通信を、当該第1の誘電材料と当該第2の誘電材料を実質的に完全に通って行ってもよい。
【0077】
電気伝導性遮蔽層が電気的に導電性であってもよく、電気伝導性遮蔽層を第1の電気回路に対する接地回路に接続してもよい。電気伝導性遮蔽層を、EHF電磁放射を十分に吸収および消失させるように構成してもよい。
【0078】
第4の例は、第1の電気伝導性コネクタ要素を有する第1の電子装置を、EHF電磁信号コネクタ要素を有する第2の電子装置と相互接続するためのアダプタである。当該アダプタは、誘電材料と、当該誘電材料に埋め込まれ当該電磁信号を当該電磁信号コネクタ要素と通信させるように構成したEHF通信リンク・チップと、当該通信リンク・チップに電気的に接続され当該第1の電気伝導性コネクタ要素に電気的に接続するように構成された、第2の電気伝導性コネクタ要素とを備えてもよい。
【0079】
当該アダプタはチャネルを形成するスリーブをさらに備えてもよい。当該通信リンク・チップを、当該チャネルの第1の末端に配置してもよい。当該スリーブを、当該電磁信号コネクタ要素を受信するように大きさを決め、構成してもよい。
【0080】
第5の例では、システムが第1の装置と第2の装置を備えてもよい。当該第1の装置が、第1のEHF電磁信号を送信するように構成された第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリを部分的に囲む第1の遮蔽体と、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと通信する第1の回路を備えてもよい。当該第2の装置が、第1のEHF電磁信号を受信するように構成された第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと、当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリを部分的に囲む第2の遮蔽体とを備えてもよい。当該第1の遮蔽体と当該第2の遮蔽体は、当該第1の装置と当該第2の装置が整列するとき、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリの周囲に実質的に連続な遮蔽体を生成するように相互に構成されてもよい。
【0081】
当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリは、当該第1の装置と当該第2の装置が整列するときに、当該第1の回路と通信し、第2のEHF電磁信号を受信するように構成されてもよい。当該第2の装置はさらに、第2の回路を備え、当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリは、当該第2の回路と通信し、当該第2のEHF電磁信号を送信するように構成されてもよい。
【0082】
当該第1の装置と当該第2の装置は、当該第1の装置と当該第2の装置が整列した結果、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリが十分に整列するように構成されてもよく、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリの実質的な整列は、当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリと当該第2のEHF通信リンク・チップ・アセンブリの間の十分な信号通信が可能であるほどに十分に水平かつ近接した配置を含む。
【0083】
当該第1のEHF通信リンク・チップ・アセンブリは、絶縁材料、集積回路(IC)、および当該ICと通信し当該絶縁材料により前記ICに関する位置に固定されたアンテナとを備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本明細書で説明した発明は、他の装置と通信する装置または装置内の構成要素間の通信を有する装置を使用する電子通信業界のような、産業および民間業界に関する。
【0085】
本明細書で説明した開示内容は、独立な実用性を有する複数の相違なる発明を包含すると考えられる。これらの発明の各々を好適な形態で開示したが、多数の変形が可能であるので、本明細書で開示し説明したその具体的な実施形態を限定的な意味で捉えるべきではない。各例は、上述の開示で開示した実施形態を定義するが、どの例も、最終的に特許請求できる全ての機能または組合せを必ずしも包含しない。詳細な説明において「1つの」または「第1の」要素またはその均等物に言及する場合には、かかる記載は1つまたは複数のかかる要素を含み、複数のかかる要素を要求も排除もするものではない。さらに、第1、第2、または第3のような、特定の要素に対する順序指標は、当該要素を区別するために使用され、必要な数または限られた数のかかる要素を示すものではなく、特に明記しない限りかかる要素の特定の位置または順序を示すものではない。
【0086】
本発明を上述の動作原理と好適な実施形態を参照して図示し説明したが、本発明の趣旨と範囲から逸脱しない様々な変更を形態および細部において行ってもよいことは当業者には明らかである。本発明は、特許請求の範囲内に入る全てのかかる代替物、修正物、および変形物を包含するものである。
【符号の説明】
【0087】
162 EHF送信器
164 EFH受信器
169 ベースバンド変調
178 EHF送信器
180 EHF受信器
185 ベースバンド変調
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