(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらなる変形可能基板を含み、前記さらなる変形可能基板は、前記導電部分の前記変形可能基板とは反対側に配置される、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置。
前記導電部分は支持の上に設けられ、前記支持は、前記導電部分が前記基板から間隔を置かれるように前記導電部分を前記基板に結合するように構成される、請求項29から30のいずれか1項に記載の装置。
支持の上に前記導電部分を設けるステップを含み、前記支持は、前記導電部分が前記基板から間隔を置かれるように前記導電部分を前記基板に結合するように構成される、請求項39から40のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の、必ずしもすべてではないがさまざまな実施形態に従うと、装置が提供され、その装置は、変形可能基板と、導電部分と、導電部分が変形可能基板から間隔を置かれるように導電部分を変形可能基板に結合するように構成された少なくとも1つの支持とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、導電部分は湾曲していてもよい。導電部分の曲率半径は、変形可能基板の面に平行であってもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、導電部分は少なくとも1つの変形可能部分を含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、導電部分は少なくとも1つの剛性部分を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、導電部分はワイヤを含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、導電部分は複数のワイヤを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、導電部分は柔軟なプリント回路基板を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、変形可能基板は、ユーザによって加えられる力に応答して変形されるように構成されてもよい。変形可能基板を変形させることは、変形可能基板の少なくとも一部を曲げることを含んでもよい。変形可能基板を変形させることは、変形可能基板の少なくとも一部を引き伸ばすことを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、この装置はさらなる変形可能基板を含んでもよく、このさらなる変形可能基板は、導電部分の変形可能基板とは反対側に配置されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、この装置は複数の支持を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、導電部分は、複数の異なる箇所にて少なくとも1つの支持に結合されてもよい。
【0015】
本開示の、必ずしもすべてではないがさまざまな実施形態に従うと、方法が提供され、その方法は、少なくとも1つの支持を用いて、導電部分が変形可能基板から間隔を置かれるように導電部分を変形可能基板に結合するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、導電部分は湾曲していてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、導電部分の曲率半径が変形可能基板の面に平行になるように導電部分を変形可能基板に結合するステップを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、導電部分は少なくとも1つの変形可能部分を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、導電部分は少なくとも1つの剛性部分を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、導電部分はワイヤを含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、導電部分は複数のワイヤを含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、導電部分は柔軟なプリント回路基板を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、変形可能基板は、ユーザによって加えられる力に応答して変形されるように構成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、変形可能基板を変形させることは、変形可能基板の少なくとも一部を曲げることを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、変形可能基板を変形させることは、変形可能基板の少なくとも一部を引き伸ばすことを含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、導電部分の変形可能基板とは反対側にさらなる変形可能基板を構成するステップを含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、導電部分に結合されるべき複数の支持を構成するステップを含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、導電部分は、複数の異なる箇所にて少なくとも1つの支持に結合されてもよい。
【0028】
本開示の、必ずしもすべてではないがさまざまな例に従うと、装置が提供されてもよく、その装置は、変形可能部分および剛性部分を含む基板と、基板の変形可能部分および剛性部分に結合された、湾曲した導電部分とを含み、変形可能部分が剛性部分と接する(interfaces)基板の領域においては、湾曲した導電部分が変形可能部分に結合されない。
【0029】
いくつかの例において、変形可能部分が剛性部分と接する基板の領域においては、導電部分が基板に接触しなくてもよい。
【0030】
いくつかの例において、導電部分は支持の上に設けられてもよく、この支持は、導電部分が基板から間隔を置かれるように導電部分を基板に結合するように構成される。支持はビームを含んでもよい。剛性部分と導電部分との間の界面に隣接したビーム内に間隙が設けられてもよい。
【0031】
いくつかの例において、湾曲した導電部分は変形可能であってもよい。湾曲した導電部分は、ユーザによって変形されるように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの例において、導電部分は複数のワイヤを含んでもよい。
【0033】
いくつかの例において、基板のユーザ変形可能部分は、装置のユーザによって変形されるように構成されてもよい。
【0034】
いくつかの例において、基板の剛性部分は、電子部品を支持するように構成されてもよい。
【0035】
本開示の、必ずしもすべてではないがさまざまな例に従うと、方法が提供されてもよく、その方法は、湾曲した導電部分を基板に結合するステップを含み、この基板は変形可能部分および剛性部分を含み、湾曲した導電部分は、変形可能部分が剛性部分と接する基板の領域においては、変形可能部分に結合されない。
【0036】
いくつかの例において、変形可能部分が剛性部分と接する基板の領域においては、導電部分が基板に接触しなくてもよい。
【0037】
いくつかの例において、この方法は、支持の上に導電部分を設けるステップを含んでもよく、この支持は、導電部分が基板から間隔を置かれるように導電部分を基板に結合するように構成される。支持はビームを含む。この方法はさらに、剛性部分と導電部分との間の界面に隣接したビーム内に間隙を設けるステップを含んでもよい。
【0038】
いくつかの例において、湾曲した導電部分は変形可能であってもよい。いくつかの例において、湾曲した導電部分は、ユーザによって変形されるように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの例において、導電部分は複数のワイヤを含んでもよい。
【0040】
いくつかの例において、基板のユーザ変形可能部分は、装置のユーザによって変形されるように構成されてもよい。
【0041】
いくつかの例において、基板の剛性部分は、電子部品を支持するように構成されてもよい。
【0042】
この装置は、たとえば携帯電話またはその他の無線通信デバイスなどの電子装置において用いるためのものであってもよい。
【0043】
本開示の実施形態のさまざまな例をより良く理解するために、単なる例として添付の図面が参照される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図面は、変形可能基板3と、導電部分7と、導電部分7が変形可能基板3から間隔を置かれるように導電部分7を変形可能基板3に結合するように構成された少なくとも1つの支持5とを含む、装置1を示す。
【0046】
図1は、本開示の例示的実施形態に従う装置1を概略的に示す。
図1に示される装置1は、変形可能基板3と、少なくとも1つの支持5と、導電部分7とを含む。
図1には、以下の説明に関係する特徴のみが示されている。本開示の他の実施形態には他の特徴が含まれてもよいことが認識されるべきである。たとえば装置1は、たとえば携帯セルラ電話またはゲーム機などのより大きな電子装置1内に置かれるように構成されてもよい。こうした実施形態において、装置1は、
図1に示される装置1を残りの電子装置に結合するための手段を含んでもよい。
【0047】
図1に示される例示的実施形態において、変形可能基板3は平面状の表面9を含む。
図1の実施形態において、平面状の表面9は平坦または実質的に平坦である。本開示の他の実施形態において、変形可能基板3は異なる形状を有してもよい。たとえば、変形可能基板3は湾曲していてもよいし、および/または変形可能基板3の表面9は平坦である必要はない。
【0048】
変形可能基板の平衡形(equilibrium shape)は、
図1に示される平坦な構成であってもよい。平衡形とは、装置1のユーザによって外力が加えられていないときに変形可能基板3が取る位置および形状である。本開示の他の実施形態において、変形可能基板3は異なる平衡形を有してもよく、たとえば平衡形は、変形可能基板3の少なくとも一部が屈曲または湾曲されることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、変形可能基板3は平坦部分および湾曲部分の両方を含んでもよい。
【0049】
変形可能基板3は、装置1のユーザによって加えられる物理的な力に応答して形状を変えるように構成されてもよい少なくとも1つのユーザ変形可能部分を含んでもよい。形状の変化は、屈曲、折り畳み、ひねり、引き伸ばし、圧縮、剪断、または変形可能基板3の一部のあらゆるその他の好適な変形を含んでもよい。変形可能基板3は、ユーザによって加えられる力が除去されたときに、自動的にその平衡形に戻るように構成されてもよい。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態において、変形可能基板3は、ユーザによって曲げられたりひねられたりされ得る柔軟な基板を含んでもよい。変形可能基板3は、ポリマー材料、エラストマー材料、または装置1のユーザによって加えられる力に応答して変形し得るあらゆるその他の材料を含んでもよい。
【0051】
他の実施形態において、変形可能基板3は、ヒンジまたはジョイントでつながれた複数のセグメントを含んでもよい。ヒンジまたはジョイントでつながれたセグメントは、互いに対して動かされるように構成されることによって、変形可能基板3の一部が折り畳まれるか、曲げられるか、または引き伸ばされることを可能にしてもよい。変形可能基板3は、装置1のユーザによって加えられる力に応答して折り畳まれるか、曲げられるか、または引き伸ばされてもよい。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態において、変形可能基板3の上に1つまたはそれ以上の電子部品が装着されてもよい。
【0053】
図1に示される装置1はさらに、少なくとも1つの支持5を含む。この支持は、導電部分7を変形可能基板3から間隔を置いた位置にて支持するように構成され得るあらゆる手段を含んでもよい。
図1の例示的実施形態において、少なくとも1つの支持5は、変形可能基板3の平面状の表面9に対して垂直な方向に延在する。
【0054】
図1に示される例示的実施形態において、少なくとも1つの支持5は、変形可能基板3の平面状の表面9の一部に沿って延在するビーム6を含む。本開示の他の実施形態においては、他のタイプの支持が用いられてもよいことが認識されるべきである。たとえば他の実施形態において、少なくとも1つの支持5は、変形可能基板3の表面9上に互いに分離して置かれる複数の個々の支持を含んでもよい。この複数の個々の支持はあらゆる好適なサイズまたは形状であってもよく、たとえば個々の支持は、正方形または矩形または円筒形またはあらゆるその他の好適な形状であってもよい。本開示のいくつかの実施形態において、異なる個々の支持は異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの支持5は、ユーザによって加えられる力に応答して変形可能であるように構成されてもよい。たとえば、少なくとも1つの支持5は、ユーザによって加えられる力に応答して曲がるか、伸びるか、圧縮されるか、またはあらゆるその他の好適な変形を起こすように構成されてもよい。本開示の他の実施形態において、少なくとも1つの支持は、ユーザによって加えられる力に応答して変形可能ではないように構成されてもよい。たとえば、少なくとも1つの支持5は剛性の材料を含むことによって、ユーザによって力が加えられても少なくとも1つの支持5が圧縮されないようにしてもよい。
【0056】
少なくとも1つの支持5は変形可能基板3に結合されることによって、変形可能基板3が変形するときに、それによって少なくとも1つの支持5もその平衡位置から移動するようにされてもよい。たとえば
図1に示される例示的実施形態において、支持5は、変形可能基板3の平面状の表面9の一部に沿って延在するように変形可能基板3に装着されたビーム6を含む。ビーム6が装着された変形可能基板3の部分が変形するとき、ビーム6も変形する。変形可能基板3は、たとえば引き伸ばされたり、ひねられたり、曲げられたりすることなどによって変形してもよく、したがってビーム6も引き伸ばされたり、ひねられたり、曲げられたりしてもよい。こうした実施形態において、ビーム6は、たとえばポリマー材料、エラストマー材料、または装置1のユーザによって加えられる力に応答して変形し得るが、導電部分7を支持するために十分に剛性であるようなあらゆるその他の材料などの柔軟な材料を含んでもよい。
【0057】
上述のとおり、他の例示的実施形態において、少なくとも1つの支持5は連続的なビームを含む代わりに、変形可能基板3の表面9上に互いに分離して置かれる複数の個々の支持を含んでもよい。こうした実施形態においては、変形可能基板3の一部を変形することによって、それぞれの支持5の位置または相対的な向きが変わり、個々の支持の変形をもたらす必要はない。本開示のこうした実施形態において、支持5は、導電部分7を支持するように構成され得るあらゆる好適な材料で作られてもよい。
【0058】
図1に示される装置1はさらに、導電部分7を含む。いくつかの例において、導電部分7は単数または複数のトラックを含んでもよい。導電部分7は単数または複数のワイヤを含んでもよい。本開示のいくつかの実施形態において、導電部分7は柔軟なプリント回路基板を含んでもよい。柔軟なプリント回路基板は、多層の柔軟なプリント回路基板を含んでもよい。
【0059】
例示的実施形態において、導電部分7は、少なくとも1つの支持5を介して変形可能基板3に結合されてもよい。
図1に示される例示的実施形態において、少なくとも1つの支持5は、導電部分7と変形可能基板3との間に位置決めされる。少なくとも1つの支持5は、導電部分7を変形可能基板3から間隔を置かれた位置に維持することによって、導電部分7と変形可能基板3とが互いに分離されるようにしてもよい。導電部分7と変形可能基板3との間の分離の距離は、少なくとも1つの支持5の高さによって決まってもよい。
図1の例示的実施形態において、導電部分7と変形可能基板3との間の分離の距離は、ビーム6の高さと同じである。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態においては、導電部分7が変形可能基板3に直接接触しないように、導電部分7および少なくとも1つの支持5が構成されてもよい。本開示のいくつかの実施形態においては、装置1が変形されない平衡状態にあるときに、導電部分7が変形可能基板3に直接接触しないように、導電部分7および少なくとも1つの支持5が構成されてもよい。本開示のいくつかの実施形態においては、装置1が変形状態にあるときに、導電部分7が変形可能基板3に直接接触しないように、導電部分7および少なくとも1つの支持5が構成されてもよい。
【0061】
図1の例示的実施形態において、導電部分7は伸長部材11を含み、伸長部材11はその長さに沿った複数の異なる箇所において、少なくとも1つの支持5に結合される。
【0062】
図1の例示的実施形態において、伸長部材11は湾曲している。伸長部材11の全長は、上に伸長部材11が延在している変形可能基板3の長さよりも大きい。伸長部材11の湾曲部分は180度よりも大きい曲率角を有することによって、伸長部材11は自身の方に引き返してループ12を形成する。ループ12は開口部14を含み、よってループ12は閉じていない。
図1の例示的実施形態において、伸長部材11は複数のループ12を含む。複数のループ12は蛇行する形状を形成し、この蛇行形状においては、ビーム6の左手側に延在するループ12の後に、ビーム6の右手側に延在するループ12が続く。導電部分7がビーム6の両側に分散されるように、伸長部材11が構成される。
【0063】
導電部分7は、伸長部材11の長さに沿った複数の異なる箇所において、少なくとも1つの支持5に結合されてもよい。
図1の例示的実施形態において、導電部分7は、各ループ12内の2箇所においてビーム6に結合される。
【0064】
図1に示される導電部分7の形状は一例であり、本開示の他の実施形態においては他の形状が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0065】
たとえば、
図2には、導電部分7が柔軟なプリント回路基板を含む例示的実施形態が示される。柔軟なプリント回路基板は、柔軟な基板4に装着された少なくとも1つの導電構成要素2を含んでもよい。柔軟な基板4上に複数の導電構成要素2が設けられてもよい。
図2に示される例示的実施形態において、柔軟なプリント回路基板は3つの導電構成要素2を含む。複数の導電構成要素2は、柔軟なプリント回路基板の長さに沿って延在してもよい。
図2に示される本開示の実施形態において、複数の導電構成要素2は、柔軟なプリント回路基板の長さに沿って互いに平行に延在することによって、それぞれの導電構成要素2間の距離は一定に保たれる。本開示の実施形態の他の実施においては、導電構成要素2の他の配置が用いられてもよいことが認識されるべきである。たとえば、本開示のいくつかの実施形態においては、柔軟な回路基板は、互いの頂部に積層された複数の導電部分を含む多層の柔軟な回路基板であってもよい。
【0066】
導電構成要素2は、導電構成要素2が電気信号を伝導することを可能にするあらゆる好適な材料を含んでもよい。たとえば、導電構成要素2はたとえば銅もしくは金もしくは銀などの金属、またはあらゆるその他の好適な材料を含んでもよい。他の例において、導電構成要素はたとえばカーボンナノチューブ(carbon nanotubes:CNT)、グラフェンもしくは酸化インジウムスズ(indium tin oxide:ITO)などの材料、またはあらゆるその他の好適な材料を含んでもよい。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態において、柔軟な基板4は絶縁材料を含んでもよい。絶縁材料は、導電構成要素2の間で電気信号が伝達されることを防ぐように構成されてもよい。たとえば、柔軟な基板4はたとえばポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate:PEN)、またはあらゆるその他の好適な材料などのエラストマーを含んでもよい。
【0068】
別の例として、
図3は、本開示の他の例示的実施形態において用いられ得る導電部分7を示す。この例示的実施形態において、導電部分7はやはり伸長部材11を含む。伸長部材11は複数の湾曲部分13を含み、各湾曲部分13は180度よりも大きい角度にわたって湾曲することによって、伸長部材11は自身の方に引き返してループ12を形成する。
図3の導電部分7の複数のループ12はさらに蛇行する形状を形成し、この蛇行形状においては、左手側に延在するループ12の後に、右手側に延在するループ12が続く。しかし、
図3に示される例示的実施形態において、導電部分7のループ12は、複数のより小さいループ15を含む。
図3の特定の実施形態において、より小さいループ15も蛇行形状を形成するように構成されており、ここでは左手側に延在する小ループ15の後に、右手側に延在する小ループ15が続く。本開示の他の実施形態においては、導電部分7の他の形状または構成が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0069】
さらなる例として、
図4は、本開示の他の例示的実施形態において用いられ得る別の導電部分7を示す。この例示的実施形態において、導電部分7はやはり伸長部材11を含む。伸長部材11は複数の湾曲部分13を含み、各湾曲部分13は180度よりも大きい角度にわたって湾曲することによって、伸長部材11は自身の方に引き返してループ12を形成する。
図4に示される実施形態における複数のループ12はトリプルループ構成を含み、ここでは左手側に延在する大ループ12の後に、右手側に延在するより小さなループ12が続き、次いで左手側に延在する別の大ループ12が続く。次いでこの後に、他方側に対するトリプルループ構成が続き、ここでは右手側に延在する大ループ12の後に、左手側に延在するより小さなループ12が続き、次いで右手側に延在する別の大ループ12が続く。
図4に示される例示的実施形態においては、伸長部材11の長さに沿ってこのパターンが繰り返される。
図4に示される例示的実施形態において、ループは3つ目ごとのループの後にのみ少なくとも1つの支持5に取付けられることによって、3ループセグメント内に2つの装着点のみを有する複数の3ループセグメントが存在するようにする。本開示の他の実施形態においては、導電部分7の他の形状または構成が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0070】
図1の例示的実施形態において、導電部分7は少なくとも1つの支持5の上に装着されることによって、導電部分7の伸長部材11が変形可能基板3の平面状の表面9に平行な面に延在するようにされる。装置1が平衡状態にあるとき、導電部分の湾曲部分13の曲率半径は、変形可能基板3に平行な方向に延在する。装置1が
図1に示される平衡形から変形されるとき、変形可能基板3はもはや平坦ではないかもしれず、こうした構成にあるときの変形可能基板3と導電部分7とは平行でなくてもよいことが認識されるべきである。
【0071】
上述の本開示の実施形態は、変形可能な装置1を提供する。導電部分7が少なくとも1つの支持5を介して変形可能基板3に結合されているため、導電部分7が変形可能基板3から間隔を置いて位置決めされることが可能になる。ユーザが変形可能基板3に力を加えるとき、それによって変形可能基板3のサイズまたは形状が変化してもよい。導電部分7は変形可能基板3に直接結合されていないため、変形可能基板に加えられた力が導電部分7にも加えられることはない。このことは、導電部分が変形可能基板と同じ態様で曲がったりサイズまたは形状を変えたりしないことを意味する。このことによって導電部分7内の応力の量が低減され、疲労による故障の可能性が低減されてもよい。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態においては、変形可能基板3が変形されるときに導電部分7のいくらかの変形が起こってもよい。たとえば変形可能基板3が引き伸ばされるとき、それによってビームも引き伸ばされ、ビーム6内の2点間の距離が増加する。したがってそのために、ビーム6に結合された導電部分7の箇所の間の距離が増加する。導電部分7の形状および構成は、導電部分7内の応力の量を低減させるように選択されてもよい。選択される形状は、装置1に加えられ得る力の大きさおよび方向、導電部分7のたとえばヤング率および引っ張り強度などの物理的特性、疲労寿命、変形可能基板3の予測される変形、少なくとも1つの支持5の高さ、およびあらゆるその他の好適な要素を含む複数の異なる要素に依存してもよい。導電部分7の幅は、導電部分7の長さに沿って変動してもよい。幅の変動は、導電部分7内の応力の局在化を低減し、かつ導電部分7内の歪みのより均一な分布を可能にするように選択されてもよい。
【0073】
図示される実施形態において、ループ12および湾曲部分13は、円の区画を形成してもよい。これらの区画の曲率半径、およびこれらの区画の高さ、またはそれらがビーム6から延在する距離を選択することによって、変形可能基板3が変形されるときの導電部分7内の応力を低減し、かつ導電部分7内の歪みを低くすることを可能にしてもよい。本開示の他の実施形態においては、他の形状および構成が用いられてもよい。
【0074】
本開示の実施形態は、たとえばアンテナまたは伝送線路などの無線周波数デバイスにおいて用いられてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、たとえばタッチパネルなどのデバイスにおいて用いられてもよい。
【0075】
図5は、本開示のさらなる実施形態に従う装置1の平面図を示す。この実施形態の装置1は、
図1に関して上述したとおり、変形可能基板3と、ビーム6を含む少なくとも1つの支持5とを含む。装置1はさらに、
図1の装置1と類似の態様でビーム6を介して変形可能基板に結合された導電部分7を含む。
【0076】
図5に示される導電部分7は、より大きいループ12の中に複数の小ループ15を含むことによって、蛇行構成内に蛇行構成を生成しているという点において、
図3に示される導電部分と類似している。
【0077】
図5に示される導電部分7は、ユーザ変形可能部分23を含む。ユーザ変形可能部分23は、ユーザが装置1に力を加えたときに変形され得る導電部分7の部分を含んでもよい。たとえば、ユーザが装置1に力を加えるときに、ユーザ変形可能部分23は引き伸ばされるか、曲げられるか、ひねられるか、またはあらゆるその他の好適な形状変化を起こしてもよい。
【0078】
図5の例示的実施形態において、ユーザ変形可能部分23は、導電部分7の湾曲部分13を含む。装置1に力が加えられるとき、それによって湾曲部分の形状変化がもたらされてもよく、たとえば曲率半径の変化がもたらされてもよい。
【0079】
ユーザ変形可能部分23は、力が加えられたときにユーザ変形可能部分23の形状変化を可能にするために十分に柔軟である材料を含んでもよい。本開示のいくつかの実施形態において、導電部分7は銅、金、銀、グラフェン、カーボンナノチューブ、またはあらゆるその他の好適な導電材料を含んでもよい。
【0080】
図5に示される導電部分7は、剛性部分21も含む。
図5の特定の例においては、複数の剛性部分21が設けられる。剛性部分21は、装置1に力が加えられるときにも形状を変えない導電部分7の部分を含んでもよい。剛性部分21は導電部分の一部を含んでもよく、少なくとも1つの支持5または変形可能基板3に直接結合される必要はない。
【0081】
剛性部分21は、剛性部分21の上に電子部品を装着することを可能にするように構成されてもよい。剛性部分21の上に装着される電子部品は、敏感な部品または変形を受けると損傷するおそれのある部品を含んでもよい。たとえば、この部品はトランジスタ、集積回路もしくはセンサ、またはあらゆるその他のタイプの部品を含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、剛性部分21は、たとえば銅またはその他の金属材料などの材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、剛性部分21は、たとえばシリコン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PEN、ポリイミドまたはあらゆるその他の好適な材料などの非金属材料を含んでもよい。本開示のいくつかの実施形態において、剛性部分はプリント回路基板内の部分であってもよい。
【0083】
図5に示され、かつ上述された本開示の実施形態は、導電部分7の剛性部分21によって、敏感な部品を導電部分7に装着できるようになるという点において、さらなる利点を提供する。剛性部分21は、剛性部分21の上に装着された部品を保護する働きをする。装置1が変形されるとき、導電部分7の剛性部分21は変形可能基板3に直接結合されておらず、変形可能基板3とともに変形しない。導電部分7は変形可能部分23を含むため、導電部分7の変形をもたらすような態様で変形可能基板3が変形されるときに、導電部分7の剛性部分21ではなく変形可能部分23が変形されることによって、剛性部分21に装着された部品のさらなる保護が提供される。
【0084】
図6は、本開示のさらなる実施形態に従う装置1の平面図を示す。この実施形態の装置1も、
図1および
図5に関して上述されたとおりの変形可能基板3を含む。
【0085】
図6に示される実施形態において、装置1は2つの支持5を含む。各々の支持5はビーム6を含む。
図6の例示的実施形態において、2つのビーム6は、互いに平行に延在するように変形可能基板3の表面9上に位置決めされる。ビーム6は、
図6において矢印xによって示される第1の方向に延在する。
図6において矢印yによって示される、x方向に対して垂直な方向において、ビーム6は互いに分離される。
【0086】
図6に示される実施形態において、装置1はさらに導電部分7を含む。導電部分7は、
図1から
図5に関して上述されたとおりの導電部分7であってもよい。導電部分7は、
図1に示される装置1と類似の態様で、両方のビーム6を介して変形可能基板3に結合される。
【0087】
図6の実施形態において、導電部分7は、第1のビーム6に沿ってx方向に延在する第1の蛇行部分31を含む。加えて導電部分7は、第2のビーム6に沿ってやはりx方向に延在する第2の蛇行部分33を含む。
【0088】
2つの蛇行部分31、33は、2つのビーム6の間にy方向に延在する中間部分35によってともに接続される。
図6の例示的実施形態において、中間部分35も湾曲部分37を含み、湾曲部分37は自身の方に引き返してループ39を形成する。
【0089】
図6に示される導電部分の形状は例示的なものであり、本開示の他の実施形態においては他の形状および構成が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0090】
図6に示され、かつ上述された本開示の実施形態は、表面を横切る2つの方向に延在するように構成された導電部分7を有する変形可能な装置1を提供するという点において、さらなる利点を提供する。このことによって、導電部分7に過剰な歪みをもたらすことなく変形可能基板3を異なる方向に変形させることが可能になる。
【0091】
図7Aおよび
図7Bは、本開示のさらなる例示的実施形態に従う装置1の断面を示す。
図7Aは、平衡状態にある装置1を示しており、ここでは装置1に外力は加えられていない。
図7Bは、変形状態にある同じ装置1を示しており、ここではユーザによって装置1に力が加えられている。
【0092】
図7Aおよび
図7Bにおいて、装置1は
図1に関して上述されたとおりの変形可能な第1の基板3を含む。
【0093】
図7Aおよび
図7Bの例示的装置1はさらに、変形可能基板3の表面に沿って間隔を置かれた複数の支持5を含む。
図7Aおよび
図7Bの例示的実施形態において、複数の支持5は複数のビームを含んでもよく、これらのビームは頁内に延在するために断面が示されている。本開示の他の実施形態においては、1つまたはそれ以上のビームではなく、複数の個々の支持5が設けられてもよい。
【0094】
図7Aおよび
図7Bの例示的装置はさらに、導電部分7を含む。導電部分7は、
図1に関して上述されたとおりの蛇行形状を含んでもよい。
図7Aおよび
図7Bにおいては装置1の断面が示されているため、支持5に結合された導電部分7の部分のみが示されている。
【0095】
図7Aおよび
図7Bに示される装置1はさらに、さらなる基板43を含む。さらなる基板43は、導電部分7の変形可能な第1の基板3とは反対側に配置される。さらなる基板43も、平面状の表面49を含んでもよい。装置1が
図7Aに示される平衡位置にあるときに、第1の基板3の表面9とさらなる基板43の表面49とが互いに平行になるように、さらなる基板43が第1の基板3に関して位置決めされてもよい。本開示の他の実施形態においては、平衡位置に対して他の構成が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0096】
図7Aおよび
図7Bに示される例示的実施形態において、さらなる基板43は、導電部分7から間隔を置かれるように装置1内に位置決めされる。
図7Aおよび
図7Bの特定の例示的実施形態において、さらなる基板43は、さらなる支持45によって変形可能基板3から間隔を置かれた位置に維持される。さらなる支持45は、さらなる基板43の表面49から外向きに延在する。さらなる支持45は、さらなる基板43の表面49に対して垂直な方向に延在してもよい。さらなる支持45は、第1の基板3に向かう方向に延在してもよい。
【0097】
さらなる支持45は、導電部分7をさらなる基板43に結合するための手段を提供してもよい。
【0098】
さらなる基板43も変形可能であってもよく、よってさらなる基板43は、装置1のユーザによって加えられる物理的な力に応答して形状を変えるように構成されてもよい少なくとも1つのユーザ変形可能部分を含んでもよい。形状の変化は、屈曲、折り畳み、ひねり、引き伸ばし、圧縮、剪断、または変形可能基板3の一部のあらゆるその他の好適な変形を含んでもよい。さらなる基板45は、ユーザによって加えられる力が除去されたときに、自動的にその平衡形に戻るように構成されてもよい。
【0099】
図7Bにおいて、ユーザはさらなる基板43に力を加えている。ユーザはその指51で、さらなる基板43の表面49に対して垂直な方向に押している。このことによって、さらなる基板43は幾分変形している。特に、このことによってさらなる基板43は曲げられている。
【0100】
図7Bの例示的実施形態において、ユーザによって加えられた力は、さらなる支持45の変形ももたらしている。特に、さらなる支持45は圧縮され、それによって導電部分7とさらなる基板49との間の分離が低減されている。
図7Bに示される例示的実施形態においては、支持5も圧縮されている。
【0101】
図7Aおよび
図7Bに示される本開示の実施形態は、ユーザが装置1に力を加えるときに、さらなる基板43が導電部分を保護するというさらなる利点を提供する。
【0102】
図8Aおよび
図8Bは、本開示のさらなる例示的実施形態に従う装置1の断面を示す。
図8Aは、
図7Aに示されるのと同様に平衡状態にある装置1を示しており、ここでは装置1に外力は加えられていない。
図8Bは、変形状態にある同じ装置1を示しており、ここではユーザによって装置1に力が加えられている。
図8Bに示される変形状態は、
図7Bに示される変形状態とは異なっている。
【0103】
図8Aおよび
図8Bにおいて、装置1は、
図7Aおよび
図7Bに関して上述されたとおりの変形可能な第1の基板3と、変形可能基板3の表面に沿って間隔を置かれた複数の支持5と、導電部分7とを含む。
図8Aおよび
図8Bの例示的装置1はさらに、
図7Aおよび
図7Bに関して上述されたとおりの表面49を有するさらなる基板43と、さらなる支持45とを含む。
【0104】
図8Aにおいて、装置1は平衡状態にある。この例示的実施形態において、装置1は平衡状態にあるときは平坦である。
【0105】
図8Bにおいて、ユーザは装置1に力を加えている。
図8Bの例において、ユーザは矢印81で示されるとおりに装置1の各端部に対して上向きの方向に延在する力を加えることによって、装置1を曲げている。下向きの方向の力も存在してもよい。この力は、装置1の重量によって、および/またはユーザが装置1を押し下げることによって提供されてもよい。このことによって、さらなる基板43および基板3が幾分変形している。特に、このことによってさらなる基板43は表面49が凸形になるように曲げられ、基板3は表面9が凹形になるように曲げられている。本開示の他の実施形態においては、装置1のその他の変形をもたらし得るその他の力が加えられてもよいことが認識されるべきである。たとえば、ユーザは装置1の各端部に対して下向きの方向に延在する力を加えてもよく、それによってさらなる基板43は表面49が凹形になるように曲げられ、基板3は表面9が凸形になるように曲げられてもよい。
【0106】
図8Bの例示的実施形態において、ユーザによって加えられた力は、支持5またはさらなる支持45の変形をもたらしていない。特に、支持5およびさらなる支持45は圧縮されておらず、導電部分7と基板3およびさらなる基板49との間の分離を低減していない。このことによって、
図8Bに示されるとおりに装置1が曲げられるときに、導電部分7が基板3またはさらなる基板43と直接接触することを避けることが可能になってもよい。
【0107】
図8Cは、装置1が曲げられるときに導電部分7が基板3またはさらなる基板43と直接接触することを避けるために用いられ得る、装置のそれぞれの構成要素の相対的寸法を示す。明瞭にするために、
図8Cは基板3、1つの支持および導電部分7のみを示している。
【0108】
支持5は高さh
bおよび幅w
bを有する。支持は均一な断面を有することによって、支持5の全長にわたって支持が同じ高さおよび幅を有してもよい。
【0109】
導電部分は幅2hにわたって延在し、ここでhはループ12の1つの深さである。導電部分7の実際の幅は2hの大きさでなくてもよいことが認識されるべきである。2hという値は、支持5の左手側の導電部分の最も遠い点の間の距離と、支持5の右手側の導電部分の最も遠い点の間の距離との合計を表してもよい。たとえば
図1に示されるように導電部分が蛇行構造を有するときなどは、支持5の左手側の導電部分の最も遠い点と、支持5の右手側の導電部分の最も遠い点とが互いに直接対向していないことがある。
【0110】
装置1が平坦な平衡状態にあるとき、導電部分7は支持5の高さh
bだけ変形可能基板から間隔を置かれている。
【0111】
図8Bにおいて、基板3は変形されて、R
sで与えられる曲率半径を有する。R
sが臨界曲率半径R
cよりも小さければ、導電部分7は基板3に接触しない。
【0112】
図9Aから
図9Dは、本開示の実施形態に従う装置1を製造する方法を示す。
【0113】
図9Aにおいて、マウンティング61の上に導電材料63の層が設けられる。
図9Aの例示的実施形態において、導電材料63は銅を含む。本開示の他の実施形態においては、たとえば金または銀など、他の導電材料63が用いられてもよいことが認識されるべきである。いくつかの例においては、たとえばCNT、グラフェンまたはITOなどの材料が用いられてもよい。
【0114】
導電材料の層の頂部に、フォトレジスト65の層が設けられる。フォトレジスト65の層は、たとえばPMMA(ポリ(メタクリル酸メチル)(Poly(methyl methacrylate)))またはあらゆるその他の好適なフォトレジスト材料など、あらゆる好適な材料を含んでもよい。フォトレジスト65はパターン形成されて現像されてもよい。
【0115】
図9Bにおいて、フォトレジスト65の層内にエラストマー67のストリップを作製することによって、少なくとも1つの支持5が形成される。本開示のいくつかの実施形態において、エラストマーのストリップは、液体ポリマーを鋳造することによって形成されるか、またはたとえばポリウレタン(polyurethane:PU)などのエラストマーのフィルムを熱間圧延することによって形成されてもよい。エラストマー67の層を設けることによって、変形可能基板3が形成される。エラストマーは、たとえばPDMS(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane))またはその他の好適なシリコーン化合物、ポリウレタン(PU)またはエラストマーなどのあらゆる好適な材料を含んでもよい。
【0116】
図9Cにおいて、マウンティング61は除去され、フォトレジスト69のさらなる層が設けられる。フォトレジスト69のさらなる層は、導電材料63の層の、フォトレジスト65の第1の層に対して反対側に設けられる。フォトレジスト69のさらなる層は、パターン形成されて現像されてもよい。フォトレジスト69のさらなる層は、導電材料63の層のパターン形成を可能にする。
【0117】
図9Dにおいて、フォトレジスト65、69の層は除去され、複数の支持5を介してエラストマー基板3上に装着された導電部分7が残ることによって、上述の装置1が提供される。
【0118】
図9Aから
図9Dに示される装置1を製造する方法は例示的なものであり、本開示の他の実施形態においては他の方法が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0120】
図10Aおよび
図10Bに示される例において、基板3は変形可能部分101および剛性部分103の両方を含んでもよい。基板101の変形可能部分101は、装置1のユーザによって加えられる物理的な力に応答して形状を変えるように構成されてもよい。形状の変化は、屈曲、折り畳み、ひねり、引き伸ばし、圧縮、剪断、または変形可能基板3の一部のあらゆるその他の好適な変形を含んでもよい。基板3の変形可能部分101は、ユーザによって加えられる力が除去されたときに、自動的にその平衡形に戻るように構成されてもよい。
【0121】
基板3の剛性部分103は、装置1のユーザが容易に変形できない部分を含んでもよい。基板3の剛性部分103は、装置1および/または基板3に力が加えられても形状を変えない基板3の部分を含んでもよい。いくつかの例において、剛性部分103は力が加えられたときに形状を変えてもよいが、この形状変化は変形可能部分101の形状変化よりもかなり小さいものであってもよい。剛性部分の形状変化は、装置のユーザが知覚できないものであってもよい。
【0122】
基板3の剛性部分103は、剛性部分103の上に電子部品105を装着することを可能にするように構成されてもよい。剛性部分103の上に装着される電子部品105は、敏感な部品または変形を受けると損傷するおそれのある部品を含んでもよい。たとえば、電子部品105はトランジスタ、集積回路もしくはセンサ、またはあらゆるその他のタイプの部品を含んでもよい。
【0123】
図10Aおよび
図10Bの例において、剛性部分103は、補剛層(stiff layer)107によって支持された基板3の部分を含む。
図10Aおよび
図10Bの例において、補剛層107は基板3の下に設けられる。補剛層107は
図10Aの側面図にはみられるが、
図10Bの平面図にはみられない。補剛層107は基板3を剛性に保つ働きをし、基板3の剛性部分103が変形され得る量を低減させる。
【0124】
基板3の変形可能部分101および剛性部分103は、互いに隣接して設けられることによって、変形可能部分101が剛性部分103に接するようにされてもよい。変形可能部分101と剛性部分103との間に境界109が設けられてもよい。
【0125】
図10Aおよび
図10Bの例において、導電部分7は湾曲した導電部分を含む。湾曲した導電部分7は、前の例のいずれかにおいて上述されたとおりに構成されてもよい。湾曲した導電部分7は、基板3の変形可能部分101および剛性部分103に結合される。湾曲した導電部分7は、基板3の剛性部分103と変形可能部分101との間の界面を越えて延在してもよい。湾曲した導電部分7は、基板3の剛性部分103の上に装着され得る電子部品107に接続するように構成されてもよい。
【0126】
図10Aおよび
図10Bの例において、湾曲した導電部分7は、変形可能部分101が剛性部分103と接する領域においては、基板3に結合されない。湾曲した導電部分7は、剛性部分103および変形可能部分101の両方において基板3に固定されてもよいが、固定される部分は剛性部分103と変形可能部分101との間の界面から間隔を置かれて位置してもよい。このことによって、湾曲した導電部分7が、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面において基板3とは独立して動くことが可能にされてもよい。それによって、変形可能部分101と剛性部分103との間の界面における応力の集中が低減されてもよい。
【0127】
図10Aおよび
図10Bの例において、湾曲した導電部分7は支持の上に設けられ、この支持は、導電部分7が基板3から間隔を置いて設けられるように導電部分7を基板3に結合するように構成される。
図10Aおよび
図10Bの例において、支持はビーム111を含む。導電部分7は、ビーム111を介して基板3に結合される。導電部分7はビーム111の部分に固定されてもよい。
【0128】
図10Aおよび
図10Bの例において、ビームは間隙113を含む。間隙113は、除去されたビーム111の区画を含んでもよい。ビーム111の区画は、たとえばレーザーアブレーションなどのあらゆる好適な技術を用いて除去されてもよい。間隙113は、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面に隣接して位置してもよい。いくつかの例において、間隙113は剛性部分103と変形可能部分101との間の界面を越えて延在してもよい。
【0129】
導電部分7は間隙113の上に延在してもよい。間隙113が設けられる領域において、導電部分7は基板3に直接接触しない。間隙113は、導電部分7が基板3から機械的に分断されることを可能にしてもよい。このことによって、基板3が変形されるときの導電部分7における応力集中が低減され得る。剛性部分103が変形可能部分101に接する領域においては応力集中が高くなり得るため、この領域に間隙113を設けることがより有益であり得る。
【0130】
いくつかの例において、間隙113はさらに、導電部分7が剛性部分103のある位置に接続されることを可能にしてもよく、その位置は導電部分7の応力を低減するように選択されてもよい。たとえば導電部分7は、ビーム111に合わせた剛性部分103上の位置に接続されてもよい。このことによって、導電部分7のより大きなループの形成が可能になってもよい。間隙113は、導電部分が剛性部分103に接続される場所の制約を低減させるように構成されてもよい。
【0131】
いくつかの例において、ビーム111は軟化部分を含んでもよい。軟化部分は間隙113の代わりに設けられてもよい。ビームの軟化部分は、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面に隣接して位置してもよい。いくつかの例において、ビーム111の軟化部分は、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面を越えて延在してもよい。ビーム111の軟化部分は、導電部分7がビーム111の軟化部分によって支持されないように構成されてもよい。ビームの軟化部分は、たとえばフォト軟化(photo softening)などのあらゆる好適な技術を用いて提供されてもよい。
【0132】
図示される例においては、ビーム111が設けられる。他の例においては、上述のとおりに複数の支持の上に導電部分7が装着されてもよいことが認識されるべきである。こうした例においては、支持と剛性部分103との間に間隙113が設けられてもよい。支持は、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面において導電部分7が支持に接触しないように構成されてもよい。
【0133】
図10Aおよび
図10Bの例において、剛性部分103、および剛性部分103上に装着された電子部品105にはただ1つの導電部分が接続される。他の例においては、同じ装置1内に複数の導電部分7が設けられてもよいことが認識されるべきである。
【0134】
図10Aおよび
図10Bの例においては、基板3の下に補剛層107が設けられる。他の例においては、基板3と導電部分7との間に補剛層107が設けられてもよい。
図11Aおよび
図11Bは、基板3と導電部分7との間に補剛層107が設けられた装置1を示す。
図11Aおよび
図11Bの装置は、
図10Aおよび
図10Bに関して上述されたとおりの湾曲した導電部分7と、剛性部分103および変形可能部分101を含む基板3とを含む。
【0135】
補剛層107は、厚さが減少する断面形状を有するように構成されてもよい。補剛層107の最も薄い部分は、基板3の変形可能部分101に隣接して設けられてもよい。
図11Aおよび
図11Bの例において、補剛層107は、補剛層の厚さが段階的に減少する階段状部分を含む。
【0136】
導電部分7は、剛性部分103および変形可能部分101において基板3に結合される。しかし、剛性部分103と変形可能部分101との間の界面に向かって補剛層107の厚さが低減しているため、このことによって導電部分7と基板3との間に間隙が生じ、そのために変形可能部分101が剛性部分103に接する基板3の領域において、導電部分7は基板に結合されない。湾曲した導電部分7を基板3から分断することによって、湾曲した導電部分7内の応力が低減されてもよい。
【0137】
いくつかの例において、階段状の部分はより大きな表面積を提供してもよく、それが変形可能部分101と補剛層107とをともに接合するために用いられてもよい。このことによって、装置が変形されたときにそれぞれの層が剥離する可能性が低減されてもよい。
【0138】
図12Aおよび
図12Bは、複数の導電部分7を含む装置1を示す。
図12Aにおいて、剛性部分103および電子部品105は装置1の左手側に設けられており、導電部分7はすべて右手側に向かって延在する。
図12Bの例において、剛性部分103および電子部品105は装置1の中央に設けられており、導電部分7は装置1の右手側および左手側の両方に向かって延在する。
図12Bの例においては、基板3の変形可能部分101が2つ以上設けられる。本開示の他の例においては他の構成が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0139】
図13Aから
図13Hは、基板3が剛性部分103および変形可能部分101を含む装置1を製造する方法を示す。
【0140】
図13Aにおいて、基板131の上にフォトレジスト133の層がスピンコートされる。他の例においては、フォトレジスト以外の材料が用いられてもよい。
図13Aの例において、基板はシリコンウェハを含む。本開示の他の例においては、あらゆる好適な材料が用いられてもよい。フォトレジスト133は、たとえばPMMA(ポリ(メタクリル酸メチル))またはあらゆるその他の好適なフォトレジスト材料など、あらゆる好適な材料を含んでもよい。
【0141】
図13Bにおいて、フォトレジスト133の上に導電シード層135が蒸着される。この例において、導電材料は銅を含んでもよい。本開示の他の例においては、他の導電材料が用いられてもよい。
【0142】
図13Cにおいて、導電材料135のシード層の頂部に、フォトレジスト133のさらなる層が設けられる。
図13の例において、フォトレジスト133のさらなる層はパターン形成される。フォトレジスト133のパターンは、導電トレース7の形状を定めてもよい。
【0143】
図13Dにおいて、パターン形成されたフォトレジスト層を通じて導電材料135が電気めっきされる。
図13Eにおいて、導電材料135の上にフォトレジスト133のさらなるパターン形成層が設けられることによって、フォトレジスト133のより厚いパターン形成層が提供される。
【0144】
図13Fにおいて、エラストマー層137が形成される。エラストマー層137は、基板3の変形可能部分を形成してもよい。エラストマー層137は、液体ポリマーを鋳造することによって形成されるか、またはたとえばポリウレタン(PU)などのエラストマーのフィルムを熱間圧延することによって形成されてもよい。エラストマーの層を設けることによって、変形可能基板3が形成されてもよい。エラストマーは、たとえばPDMS(ポリジメチルシロキサン)またはその他の好適なシリコーン化合物、ポリウレタン(PU)またはエラストマーなどのあらゆる好適な材料を含んでもよい。
【0145】
図13Gにおいて、フォトレジスト133およびシリコン層131は除去されて、エラストマー137の層の上に装着された導電層135が残る。
図13Hにおいて、エラストマー137の層の下側に補剛材139が付着されることにより、補剛層107が提供され、かつ基板3の剛性部分103が作製される。補剛材137は、あらゆる好適な材料を含んでもよい。電子部品は、あらゆる好適な技術を用いて導電層に接合されてもよい。
【0146】
図14Aから
図14Hは、基板3が剛性部分103および変形可能部分101を含む装置1を製造する別の方法を示す。この例において、補剛層107は基板3と導電部分17との間に設けられる。
【0148】
図14Eにおいて、補剛材139またはPCBが導電材料135に接合される。PCBは、たとえば異方性導電膜接合(anisotropic conductive film bonding:ACF接合)など、あらゆる好適な技術を用いて導電材料135に接合されてもよい。
【0149】
図14Fにおいて、導電材料135の上に補剛材139と隣接して、フォトレジスト133のさらなるパターン形成層が設けられることによって、フォトレジスト133のより厚いパターン形成層が提供される。
【0150】
図14Gにおいて、上述と同様にエラストマー層137が形成される。
図14Hにおいて、フォトレジスト133およびシリコン層131は除去されて、エラストマー137の層と、導電層およびエラストマー137の間に設けられた補剛材139との上に装着された導電層135が残る。
【0151】
上述の実施形態において、「結合される(coupled)」という用語は動作的に結合されることを意味し、結合される構成要素間にあらゆる数または組み合わせの介在素子が存在してもよい(介在素子がない場合を含む)。
【0152】
先行する段落においては、さまざまな例を参照して本開示の実施形態を説明したが、請求されるとおりの本開示の範囲から逸脱することなく、提供される例に対する修正が行われ得ることが認識されるべきである。
【0153】
先行する記載において説明された特徴は、明示的に記載された組み合わせ以外の組み合わせで用いられてもよい。
【0154】
たとえば、本開示の異なる実施においては異なる形状の導電部分7が用いられてもよいことが認識されるべきである。用いられる導電部分の形状は、装置のサイズ、導電部分の厚さまたはその他の寸法、および導電部分のたとえばヤング率などの特性を含むいくつかの要素に依存してもよい。
【0155】
特定の特徴を参照して機能を説明したが、それらの機能は、説明されたかまたは説明されていない他の特徴によって実行可能であってもよい。
【0156】
特定の実施形態を参照して特徴を説明したが、それらの特徴は、説明されたかまたは説明されていない他の実施形態にも存在してもよい。
【0157】
前述の明細書においては、特に重要であると考えられる本開示の特徴に注目するよう努力しているが、出願人は、そこに特定の強調がなされたか否かにかかわらず、前述において言及されるか、および/または図面に示されたあらゆる特許可能な特徴または特徴の組み合わせに関して保護を請求することが理解されるべきである。