(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
ところで、カテーテル組立体において、患者の血管内にカテーテルを確実に挿入するためには、内針の先端側をカテーテルから所定長だけ突出させておく必要がある。
【0006】
しかしながら、内針とカテーテルとの間の軸線方向の相対移動は、基本的に、内針とカテーテルの摩擦力によって制限されているだけなので、例えば、カテーテル組立体の輸送時や滅菌時等に内針とカテーテルとが軸線方向に相対移動して内針のカテーテルに対する突出長が変化してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、使用前の初期状態において、内針のカテーテルからの突出量を一定に保持することができるカテーテル組立体を提供することを目的とする。
【0008】
本発明に係るカテーテル組立体は、先端に鋭利な針先を有する内針と、前記内針が挿通されるカテーテルと、前記カテーテルの基端側に設けられて前記内針が挿通されるカテーテルハブと、前記内針の基端側に設けられた内針ハブと、前記内針ハブに着脱可能に装着されて少なくとも前記針先を覆うプロテクタと、を備え、前記プロテクタには、前記内針の先端側を前記カテーテルから所定長だけ突出させた状態で、前記カテーテルの前記内針に対する前記針先側への移動を阻止する移動阻止手段が設けられ
、前記プロテクタは、前記内針ハブに着脱可能に外嵌される中空の装着部を有し、前記内針ハブには、前記内針の径方向外方に向けて突出した突出部が形成され、前記装着部の内面には、前記内針ハブに接触する嵌合突起と、前記装着部が前記内針ハブに外嵌された状態で、前記突出部に係合して前記内針ハブの前記プロテクタに対する基端側への移動を規制する移動規制部と、が形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るカテーテル組立体によれば、内針の先端側をカテーテルから所定長だけ突出させた状態で、カテーテルの内針に対する針先側への移動を阻止する移動阻止手段をプロテクタに設けているので、使用前の初期状態(プロテクタを内針ハブに装着した状態)において、カテーテル組立体の輸送時や滅菌時等に内針とカテーテルとが軸線方向に相対移動することを抑制することができる。これにより、初期状態において、内針のカテーテルからの突出長を一定に保持することができる。
また、プロテクタを構成する装着部の内面に内針ハブに接触する嵌合突起を突出形成しているので、装着部を内針ハブに対して適度な嵌合力で外嵌することができる。これにより、初期状態において、プロテクタが内針ハブに対して内針の軸線方向に沿ってずれることを抑制することができるので、内針のカテーテルからの突出長を確実に一定に保持することができる。さらに、使用時にはプロテクタを内針ハブから適度な力で取り外すことができる。
さらにまた、装着部が内針ハブに外嵌された状態で、内針ハブの突出部に係合して内針ハブのプロテクタに対する基端側への移動を規制する移動規制部が形成されているので、初期状態において、内針のカテーテルに対する突出長が変化することを好適に抑えることができる。
【0010】
上記のカテーテル組立体において、前記移動阻止手段は、前記カテーテルハブの外面から突出したタブのうち前記針先側に指向する面に当接するタブ当接部を有していてもよい。
【0011】
このような構成によれば、カテーテルハブのタブのうち針先側に指向する面にタブ当接部を当接させるという簡素な構成で、カテーテルの内針に対する針先側への移動を阻止することができる。
【0014】
上記のカテーテル組立体において、前記嵌合突起は、当該嵌合突起の突出方向に向かって幅狭に形成されていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、嵌合突起をその突出方向に向かって幅狭に形成しているので、内針ハブに対する嵌合力を適度に抑えることができる。
【0016】
上記のカテーテル組立体において、前記嵌合突起は、断面円弧状の外面を有していてもよい。
【0017】
このような構成によれば、嵌合突起が断面円弧状の外面を有しているので、内針ハブに対する嵌合力を適度に抑えつつ嵌合突起の剛性を好適に高めることができる。これにより、嵌合突起を破損し難く構成することができる。
【0018】
上記のカテーテル組立体において、前記嵌合突起は、前記内針の軸線方向に沿って延在していてもよい。
【0019】
このような構成によれば、嵌合突起が内針の軸線方向に沿って延在しているので、装着部を内針ハブに外嵌する初期段階において、嵌合突起と内針ハブとの間の摩擦力を比較的小さくすることができる。これにより、装着部を内針ハブに外嵌し易くすることができると共に、装着部を内針ハブに完全に外嵌した状態で適度な嵌合力を生じさせることができる。
【0020】
上記のカテーテル組立体において、前記嵌合突起は、複数設けられると共に前記内針ハブを挟むようにして互いに対向して配設されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、複数の嵌合突起が内針ハブを挟むようにして互いに対向して配設されているので、これら嵌合突起によって内針ハブを挟持することができる。これにより、簡易な構成で装着部と内針ハブとの間に適度な嵌合力を発生させることができる。
【0022】
上記のカテーテル組立体において、前記内針ハブには、前記装着部を前記内針の軸線方向に沿って案内するための第1係合部が形成され、前記装着部の内面には、前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、第1係合部と第2係合部とを係合させた状態で装着部と内針ハブを内針の軸線方向に沿って移動させることにより、装着部を内針ハブに対して容易に着脱することができる。
【0024】
上記のカテーテル組立体において、前記第1係合部及び前記第2係合部のいずれか一方が、前記嵌合突起の突出方向に対して略直交する方向に突出した凸部であり、前記第1係合部及び前記第2係合部のいずれか他方が、凸部又は凹部であってもよい。
【0025】
このような構成によれば、第1係合部及び第2係合部のいずれか一方が嵌合突起の突出方向に対して略直交する方向に突出した凸部であり、第1係合部及び第2係合部のいずれか他方が凸部又は凹部であるので、嵌合突起と第2係合部とで内針ハブを挟持することができる。これにより、簡易な構成で装着部と内針ハブとの間に適度な嵌合力を発生させることができる。
【0028】
上記のカテーテル組立体において、前記針先を覆うように先端側に向かって伸長可能な状態で前記内針ハブに収容された針カバー部材をさらに備え、前記カテーテルハブは、前記針カバー部材に対して着脱可能に設けられていてもよい。
【0029】
このような構成によれば、カテーテルを血管内に留置した後、内針を引き抜く際に、針先を針カバー部材で覆うことができるので、ユーザが不用意に内針に触れることを防止することができる。また、このような針カバー部材を備えたカテーテル組立体であっても、初期状態において、内針のカテーテルからの突出量を一定に保持することができる。
【0030】
上記のカテーテル組立体において、前記移動阻止手段は、前記針カバー部材のうち前記針先側に指向する面に当接する針カバー部材当接部を有していてもよい。
【0031】
このような構成によれば、針カバー部材のうち針先側に指向する面に針カバー部材当接部を当接させるという簡素な構成でカテーテルの内針に対する針先側への移動を確実に阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図1に示すように、カテーテル組立体10Aは、本体であるカテーテル留置具12と、カテーテル留置具12に着脱可能に装着されるプロテクタ14とを備える。
【0035】
図2に示すように、カテーテル留置具12は、外針として機能する管状のカテーテル16と、カテーテル16の基端側に接続されるカテーテルハブ18と、先端に鋭利な針先20を有しカテーテル16及びカテーテルハブ18の内部に挿通可能な管状の内針22と、内針22の基端側に接続される内針ハブ24と、内針22の抜去時に内針22を覆う針カバー部材26とを備える。カテーテル留置具12は、概略、以下のように使用される。
【0036】
カテーテル留置具12は、ユーザ(医師や看護師等)により内針ハブ24が把持操作されて、その先端部が患者の血管に穿刺される。カテーテル留置具12は、患者に穿刺される前の状態(穿刺可能状態)では、カテーテル16内に内針22が挿通された2重管構造となり、且つ内針22がカテーテル16の先端から所定長Lだけ突出している(
図4参照)。また、カテーテル留置具12の穿刺可能状態では、内針ハブ24の先端側に突出した針カバー部材26の先端部にカテーテルハブ18の基端側が装着されている。
【0037】
カテーテル留置具12は、2重管構造を構成するカテーテル16及び内針22が共に患者の血管内に挿入される。患者への穿刺後、カテーテル16の位置を保持した状態で、内針ハブ24を基端方向に後退移動させることで、カテーテルハブ18から針カバー部材26を離脱させると、内針ハブ24に接続された内針22も一体的に引き抜かれ、カテーテル16及びカテーテルハブ18から離脱される。この結果、カテーテル留置具12のうちカテーテル16とカテーテルハブ18だけが患者側に留置された状態となる。
【0038】
カテーテル16から内針22を抜去する際、内針ハブ24に対して針カバー部材26が先端側に伸長することで、内針22は針カバー部材26内に収容される。これにより、内針22の外部への露出が防止される。カテーテル16から内針22を引き抜いた後、カテーテルハブ18の基端側に図示しない輸液チューブのコネクタを接続することで、輸液チューブから患者への輸液剤(薬液)の供給が実施される。
【0039】
次に、このカテーテル留置具12の構成について説明する。穿刺可能状態におけるカテーテル留置具12は、カテーテル16と内針22の2重管構造、カテーテルハブ18、針カバー部材26及び内針ハブ24が組み合わされて一つの組立体を構成し、一体的に取扱い可能となっている。
【0040】
図2及び
図4に示すように、カテーテル留置具12における外針として構成されたカテーテル16は、所定の長さに形成された可撓性を有する細径の管状部材である。カテーテル16の内部には、内腔28が軸線方向に延在して貫通形成される。この内腔28の内径(孔径)は、内針22を挿通可能な大きさに設定されている。
【0041】
カテーテル16の構成材料としては、樹脂材料、特に、軟質樹脂材料が好適である。この場合、例えば、ポリテトラフルオロエテレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエテレン共重合体(ETFE)、ベルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。カテーテル16は、全部又は一部の内部を視認できるように、透明性を有する樹脂で構成されてもよい。
【0042】
カテーテル16の基端には、カテーテルハブ18が接続固定される。カテーテルハブ18は、先細りとなる筒状(円筒状)に形成される。カテーテルハブ18の外周面には、外方に向けて突出した板状のタブ30が一体的に設けられている。タブ30は、カテーテル16から内針22を抜去する際にユーザが手指により押さえることができる程度の大きさに形成されている。カテーテルハブ18の基端には、外方に突出し且つ周方向に延在するフランジ部32が設けられる。カテーテルハブ18は、穿刺可能状態において、針カバー部材26の先端部に着脱可能に装着されている。
【0043】
カテーテル留置具12の使用に際し、カテーテルハブ18は、カテーテル16が血管に穿刺された状態で患者の皮膚上に露呈され、テープ等により皮膚上に貼り付けられて留置される。このようなカテーテルハブ18は、カテーテル16よりも硬質の材料によって構成されることが好ましい。カテーテルハブ18の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
【0044】
カテーテルハブ18の内部には、カテーテル16の基端部とカテーテルハブ18の先端部を液密に相互固定するための加締めピン34と、カテーテルハブ18の基端側への血液の流入を阻止する止血弁36と、気体の流通を許容し且つ液体の流通を遮断する材料(例えば、多孔質体)によって構成されたシール部材38と、輸液チューブのコネクタの接続時に止血弁36を開放するプラグ40とが配設される。
【0045】
内針22は、患者の皮膚を穿刺可能な剛性を有する管状部材である。内針22は、カテーテル16に比べて十分に長く形成され、カテーテル留置具12の穿刺可能状態において、その針先20がカテーテル16の先端開口から所定長Lだけ突出する。また、穿刺可能状態において、内針22は、その長手方向の途中部位がカテーテルハブ18の内部に挿通され、その基端側が内針ハブ24の内部で保持される。内針22の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料が挙げられる。
【0046】
内針ハブ24は、所定の容積からなる中空部を有する細長状に形成された筒状部材であり、カテーテル留置具12の使用に際してユーザが把持して操作し易いように適度の大きさ(太さ、長さ)に形成される。
図5に示すように、内針ハブ24の先端部は、互いに対向する第1平板部42及び第2平板部44と、第1平板部42と第2平板部44を連結し、且つ外方に円弧状に湾曲した第1側壁部46及び第2側壁部48とを有している。
【0047】
第1側壁部46には、その厚み方向外側(内針22の径方向外側)に突出した板状の第1突出部50が一体的に形成されている。第1突出部50は、円弧状に湾曲しており、その延在方向の略中央には、内針22の軸線方向に沿った第1ガイド溝(第1係合部)52が形成されている。第2側壁部48には、その厚み方向外側(内針22の径方向外側)に突出した板状の第2突出部54が一体的に形成されている。第2突出部54は、円弧状に湾曲しており、その延在方向の略中央には、内針22の軸線方向に沿った第2ガイド溝(第1係合部)56が形成されている。第1ガイド溝52及び第2ガイド溝56は、装着部72を内針22の軸線方向に沿って案内するためのものであって、第2ガイド溝56の溝幅は、第1ガイド溝52の溝幅よりも大きく設定されている。
【0048】
内針ハブ24の構成材料は、特に限定されるものではなく、例えば、カテーテルハブ18の説明で挙げたものを適用することができる。針カバー部材26及びプロテクタ14についても同様である。この場合、これら部材の全てを同じ材料により構成してもよく、部材毎に異なる材料により構成してもよい。
【0049】
図4及び
図5に示すように、針カバー部材26は、カテーテル留置具12の穿刺可能状態において、先端側に向けて伸長可能な状態(収縮状態)で内針ハブ24に収容されると共に固定されている。針カバー部材26の先端部には、カテーテル16から内針22を抜去した際に針先20を収容する空間が形成された針先収容部58と、針先収容部58に設けられてカテーテルハブ18のフランジ部32に解除可能に係合する一対のアーム60、62と、一対のアーム60、62を収容するアーム収容部64とが設けられている。
【0050】
一対のアーム60、62は、何らの外力も作用しない自然状態では、先端方向に向かって外側に広がるように形成されている。すなわち、穿刺可能状態において、一対のアーム60、62は、アーム収容部64によって外側への広がりが押さえられた状態でカテーテルハブ18のフランジ部32に係合している。
【0051】
一方、カテーテル16から内針22を抜去するに際してカテーテルハブ18を押さえながら内針ハブ24を基端方向に後退させると、カテーテルハブ18に係合している一対のアーム60、62がアーム収容部64よりも先端側にスライドして外側に広がるため、一対のアーム60、62とフランジ部32との係合が解除されることとなる。これにより、カテーテルハブ18が針カバー部材26から離脱されることとなる。
【0052】
次に、カテーテル組立体10Aを構成するプロテクタ14について説明する。
図1に示すように、プロテクタ14は、一体成型品であって、初期状態(カテーテル組立体10Aの使用前であって、穿刺可能状態のカテーテル留置具12にプロテクタ14を装着した状態)において、カテーテル留置具12の先端側を保護するためのものであって、先端が閉じられた保護筒70と、保護筒70の基端に設けられてプロテクタ14の基端側を構成する中空の装着部72とを有している。
【0053】
図3及び
図4に示すように、保護筒70には、内針22とカテーテル16の2重管構造が収容される内腔74が形成されており、装着部72には、カテーテルハブ18が収容されると共に内針ハブ24の先端部が挿入される内腔76が形成されている。
【0054】
装着部72は、カテーテル留置具12の内針ハブ24の先端側に装着されるものであって、保護筒70の基端から径方向外側に延在した壁部78と、壁部78から保護筒70とは反対側に向けて延出した互いに対向する第1平板部80及び第2平板部82と、第1平板部80と第2平板部82とを連結して外方に円弧状に湾曲した第1側壁部84及び第2側壁部86とを含んでいる。
【0055】
第1平板部80の内面には、カテーテル留置具12の針カバー部材26に当接する複数(本実施形態では3つ)の針カバー部材当接部88、90、92(第1針カバー部材当接部88、90、92とも言う。)と、内針ハブ24の第1平板部42に接触する一対の嵌合突起94、96(第1嵌合突起94、96とも言う。)とが突出形成されている。
【0056】
第1針カバー部材当接部88、90、92は、第1平板部80の幅方向(
図3の左右方向)に等間隔に配設されると共に、壁部78の内面から基端側に向けて所定長だけ延出している。各第1針カバー部材当接部88、90、92は、保護筒70の基端側の開口縁部まで突出している。真ん中に位置する第1針カバー部材当接部90は、両側に位置する第1針カバー部材当接部88、92よりも分厚く形成されている。
【0057】
各第1嵌合突起94、96は、保護筒70の延在方向(内針22の軸線方向)に沿って延在している。具体的には、第1嵌合突起94は、第1針カバー部材当接部88の基端から第1平板部80の基端まで延出し、第1嵌合突起96は、第1針カバー部材当接部92の基端から第1平板部80の基端まで延出している。各第1嵌合突起94、96の突出量は、各第1針カバー部材当接部88、90、92の突出量に比べて十分に小さく設定されている。各第1嵌合突起94、96は、突出方向に向かって幅狭に形成されている。すなわち、各第1嵌合突起94、96は、断面略半円形状に形成されており、断面円弧状の外面を有している。
【0058】
第2平板部82の内面には、その両側に位置する分厚い一対のリブ98、100と、第2平板部82の幅方向略中央に位置してカテーテル留置具12のタブ30に当接するタブ当接部102と、リブ98とタブ当接部102の間に位置する板リブ104と、リブ100とタブ当接部102との間に位置する板リブ106と、内針ハブ24の第2平板部44に接触する一対の嵌合突起108、110(第2嵌合突起108、110とも言う。)が突出形成されている。
【0059】
リブ98は、第1側壁部84の内面に連なると共に壁部78の内面から基端側に向けて所定長だけ延出している。リブ100は、第2側壁部86の内面に連なると共に壁部78の内面から基端側に向けて所定長だけ延出している。本実施形態において、各リブ98、100の全長は、第2平板部82の全長の略半分の長さに設定されている。
【0060】
タブ当接部102は、壁部78の内面から基端側に向けて所定長だけ延出している。タブ当接部102の全長は、各第1針カバー部材当接部88、90、92の全長に比べて短く設定されている。カテーテル留置具12の穿刺可能状態において、タブ30がアーム収容部64よりも先端側に位置しているからである。タブ当接部102は、保護筒70の基端側の開口縁に達しない程度に突出している。
【0061】
各板リブ104、106は、壁部78の内面から基端側に向けて所定長だけ延出している。各板リブ104、106の全長は、タブ当接部102の全長に比べて短く設定されている(
図6参照)。各板リブ104、106は、保護筒70の基端側の開口縁まで突出している。
【0062】
各第2嵌合突起108、110は、保護筒70の延在方向(内針22の軸線方向)に沿って延在している。第2嵌合突起108は、リブ98の先端から第2平板部82の基端まで延出した状態で第1平板部80の第1嵌合突起94に対向しており、第2嵌合突起110は、リブ100の先端から第2平板部82の基端まで延出した状態で第1平板部80の第1嵌合突起96に対向している。第2嵌合突起108、110は、第1嵌合突起94、96と同一の断面形状を有している。
【0063】
第1側壁部84の内面には、カテーテル留置具12の針カバー部材26に当接する複数(本実施形態では2つ)の針カバー部材当接部112、114(第2針カバー部材当接部112、114とも言う。)と、第1側壁部84の幅方向(
図3の上下方向に沿った方向)の略中央に位置する第1ガイド部(第2係合部)116と、カテーテル留置具12の第1突出部50のプロテクタ14に対する先端側への移動を規制する一対の第1先端側移動規制部118、120と、第1突出部50の基端側への移動を規制する一対の第1基端側移動規制部122、124とが突出形成されている。
【0064】
各第2針カバー部材当接部112、114は、壁部78の内面から基端側に向けて第1平板部80に形成された第1針カバー部材当接部88、90、92の全長と同じ長さだけ延出している。各第2針カバー部材当接部112、114は、保護筒70の軸線に向かって保護筒70の基端側の開口縁部まで突出している。
【0065】
第1ガイド部116は、壁部78の内面から第1側壁部84の基端まで延出している。第1ガイド部116は、各第1嵌合突起94、96の突出方向に対して略直交する方向に突出し、その突出量は、第1嵌合突起94、96の突出量と同じ程度に設定されている。また、第1ガイド部116の幅寸法は、第1突出部50に形成された第1ガイド溝52の溝幅に対応した寸法に設定されている。
【0066】
各第1先端側移動規制部118、120は、各第2針カバー部材当接部112、114の基端から基端側に向けて所定長だけ延出している。各第1先端側移動規制部118、120の突出量は、各第2針カバー部材当接部112、114の突出量に比べて十分に小さく設定されている。
【0067】
第1基端側移動規制部122は、第1先端側移動規制部118の基端側に位置すると共に第1ガイド部116から第1側壁部84の幅方向に沿って第1平板部80に向けて延出し、第1基端側移動規制部124は、第1先端側移動規制部120の基端側に位置すると共に第1ガイド部116から第1側壁部84の幅方向に沿って第2平板部82に向けて延出している。各第1基端側移動規制部122、124の突出量は、各第1先端側移動規制部118、120の突出量に比べて十分に小さく、プロテクタ14をカテーテル留置具12に対して着脱する際に、カテーテル留置具12の第1突出部50が一対の第1基端側移動規制部122、124を乗り越えられる程度の寸法に設定されている。
【0068】
第2側壁部86の内面には、カテーテル留置具12の針カバー部材26に当接する複数(本実施形態では2つ)の針カバー部材当接部126、128(第3針カバー部材当接部126、128とも言う。)と、第2側壁部86の幅方向の略中央に位置する第2ガイド部(第2係合部)130と、カテーテル留置具12の第2突出部54のプロテクタ14に対する先端側への移動を規制する一対の第2先端側移動規制部132、134と、第2突出部54の基端側への移動を規制する一対の第2基端側移動規制部136、138とが突出形成されている。
図3から諒解されるように、各第3針カバー部材当接部126、128は、各第2針カバー部材当接部112、114と同一構成となっている。
【0069】
第2ガイド部130は、壁部78の内面から第2側壁部86の基端まで延出している。第2ガイド部130の突出量は、第1ガイド部116の突出量と同一に設定されている。また、第2ガイド部130は、各第2嵌合突起108、110の突出方向に対して略直交する方向に突出し、その幅寸法は、第2突出部54に形成された第2ガイド溝56の溝幅に対応した寸法に設定されている。
【0070】
各第2先端側移動規制部132、134は、各第3針カバー部材当接部126、128の基端から基端側に向けて所定長だけ延出している。各第2先端側移動規制部132、134の突出量は、各第1先端側移動規制部118、120の突出量と同一に設定されている。
【0071】
第2基端側移動規制部136は、第2先端側移動規制部132の基端側に位置すると共に第2ガイド部130から第2側壁部86の幅方向に沿って第1平板部80に向けて延出し、第2基端側移動規制部138は、第2先端側移動規制部134の基端側に位置すると共に第2ガイド部130から第2側壁部86の幅方向に沿って第2平板部82に向けて延出している。各第2基端側移動規制部136、138の突出量は、各第2先端側移動規制部132、134の突出量よりも十分に小さく、プロテクタ14をカテーテル留置具12に対して着脱する際に、第2突出部54が一対の第2基端側移動規制部136、138を乗り越えられる程度の寸法に設定されている。
【0072】
本実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、基本的に以上のように構成されるものであって、次に、作用効果について説明する。
【0073】
ところで、カテーテル組立体10Aを製造段階において、穿刺可能状態のカテーテル留置具12の先端側にプロテクタ14を装着することにより、初期状態のカテーテル組立体10Aとなる。この際、カテーテル留置具12の先端側をプロテクタ14内に挿入すると、プロテクタ14の第1ガイド部116と第2ガイド部130の各々がカテーテル留置具12の第1ガイド溝52と第2ガイド溝56の各々に入り込む。
【0074】
そして、カテーテル留置具12をプロテクタ14の先端側にさらに押し進めると、第1ガイド部116が第1ガイド溝52を構成する壁面を摺動(スライド)すると共に第2ガイド部130が第2ガイド溝56を構成する壁面を摺動し、カテーテル留置具12の第1突出部50と第2突出部54の各々がプロテクタ14の第1基端側移動規制部122、124と第2基端側移動規制部136、138の各々を乗り越えてプロテクタ14がカテーテル留置具12の先端側に完全に装着され、カテーテル組立体10Aが初期状態となる。
【0075】
図4〜
図8に示すように、カテーテル組立体10Aの初期状態では、プロテクタ14のタブ当接部102の基端面がカテーテル留置具12のタブ30の先端面に当接すると共に(
図4及び
図6参照)、針カバー部材当接部88、90、92、112、114、126、128の各々の基端面が針カバー部材26のアーム収容部64の先端面に当接する(
図4、
図7及び
図8参照)。このとき、カテーテルハブ18は、針カバー部材26を介して内針ハブ24に固定されているため、基端側への移動が規制されている。
【0076】
また、プロテクタ14の装着部72が、カテーテル留置具12の内針ハブ24の先端部に外嵌されている(
図5参照)。すなわち、一対の第1嵌合突起94、96が内針ハブ24の第1平板部42の外面に当接すると共に一対の第2嵌合突起108、110が内針ハブ24の第2平板部44の外面に当接することによって、これら第1嵌合突起94、96と第2嵌合突起108、110によって内針ハブ24が挟持される。
【0077】
さらに、プロテクタ14の第1先端側移動規制部118、120及び第2先端側移動規制部132、134の各々の基端面がカテーテル留置具12の第1突出部50及び第2突出部54の各々の先端面に近接すると共に、プロテクタ14の第1基端側移動規制部122、124及び第2基端側移動規制部136、138の各々の先端面がカテーテル留置具12の第1突出部50及び第2突出部54の各々の基端面に当接する(
図7参照)。
【0078】
以上のように構成されるカテーテル組立体10Aでは、タブ当接部102、針カバー部材当接部88、90、92、112、114、126、128が、初期状態における内針22に対するカテーテル16の先端側への移動を阻止する移動阻止手段140(
図3参照)として機能する。
【0079】
ところで、カテーテル組立体において、患者の血管内にカテーテルを確実に挿入するためには、内針のカテーテルに対する突出長を一定に保持しておく必要があるが、カテーテル組立体の輸送時や滅菌時等に内針とカテーテルとが軸線方向に相対移動して内針のカテーテルに対する突出長が変化する懸念がある。
【0080】
しかしながら、本実施形態に係るカテーテル組立体10Aによれば、内針22の先端側をカテーテル16から所定長Lだけ突出させた状態で、カテーテル16の内針22に対する針先20側への移動を阻止する移動阻止手段140を設けているので、使用前の初期状態において、カテーテル組立体10Aの輸送時や滅菌時等に内針22とカテーテル16とが軸線方向に相対移動することを抑制することができる。これにより、初期状態において、内針22のカテーテル16からの突出長を一定(所定長L)に保持することができる。
【0081】
また、初期状態において、移動阻止手段140としてのタブ当接部102の基端面をカテーテルハブ18に形成されたタブ30の先端面(針先20が位置する側に指向する面)に当接させているので、簡易な構成でカテーテル16の内針22に対する針先20側への移動を阻止することができる。
【0082】
さらに、移動阻止手段140としての針カバー部材当接部88、90、92、112、114、126、128の各基端面を針カバー部材26を構成するアーム収容部64の先端面(針先20側に指向する面)に当接させているので、簡易な構成でカテーテル16の内針22に対する針先20側への移動を確実に阻止することができる。
【0083】
本実施形態では、プロテクタ14を構成する装着部72の第1平板部80の内面に一対の第1嵌合突起94、96を突出形成すると共に装着部72の第2平板部82の内面に一対の第2嵌合突起108、110を突出形成し、且つこれら第1嵌合突起94、96及び第2嵌合突起108、110の各々を突出方向に向かって幅狭に形成しているので、装着部72を内針ハブ24に対して適度な嵌合力で外嵌することができる。これにより、初期状態において、プロテクタ14が内針ハブ24に対して内針22の軸線方向に沿ってずれることを抑制することができるので、内針22のカテーテル16からの突出長を確実に一定に保持することができる。なお、カテーテル留置具12を使用する際には、プロテクタ14を内針ハブ24から適度な力で取り外すことができる。
【0084】
また、嵌合突起94、96、108、110の各々が断面円弧状の外面を有しているので、換言すれば、断面略半円形状に形成されているので、内針ハブ24に対する嵌合力を適度に抑えつつ嵌合突起94、96、108、110の各々の剛性を好適に高めることができる。これにより、嵌合突起94、96、108、110を破損し難くするこができる。
【0085】
さらに、嵌合突起94、96、108、110の各々が保護筒70の延在方向(内針22の軸線方向)に沿って延在しているので、装着部72を内針ハブ24に外嵌する初期段階において、嵌合突起94、96、108、110と内針ハブ24との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。これにより、プロテクタ14の装着部72を内針ハブ24に外嵌し易くすることができると共に、装着部72を内針ハブ24に対して完全に外嵌した状態で適度な嵌合力を生じさせることができる。
【0086】
さらにまた、第1嵌合突起94と第2嵌合突起108とが内針ハブ24を挟むようにして対向すると共に第1嵌合突起96と第2嵌合突起110とが内針ハブ24を挟むようにして対向しているため、第1嵌合突起94、96及び第2嵌合突起108、110によって内針ハブ24を確実に挟持することができる。これにより、簡易な構成で装着部72と内針ハブ24との間に適度な嵌合力を発生させることができる。
【0087】
本実施形態では、内針ハブ24の第1突出部50に第1ガイド溝52を形成すると共に第2突出部54に第2ガイド溝56を形成し、装着部72の第1側壁部84の内面に第1ガイド溝52に対応する形状の第1ガイド部116を突出形成すると共に第2側壁部86の内面に第2ガイド溝56に対応する形状の第2ガイド部130を突出形成している。そのため、第1ガイド溝52を構成する壁面に第1ガイド部116を摺動(スライド)させると共に第2ガイド溝56を構成する壁面に第2ガイド部130を摺動させながら、装着部72を内針ハブ24に外嵌することができる。これにより、プロテクタ14を内針ハブ24に対して容易に装着することができる。
【0088】
また、初期状態において、内針ハブ24の第1突出部50の基端面にプロテクタ14の一対の第1基端側移動規制部122、124の先端面を当接させると共に内針ハブ24の第2突出部54の基端面にプロテクタ14の一対の第2基端側移動規制部136、138の先端面を当接させているので、カテーテル留置具12がプロテクタ14に対して基端側に後退移動することを抑制することができる。これにより、カテーテルハブ18に形成されたタブ30がタブ当接部102から離間し、且つ針カバー部材26のアーム収容部64が針カバー部材当接部88、90、92、112、114、126、128から離間することを好適に抑えることができる。よって、内針22のカテーテル16に対する突出長が変化することを好適に抑えることができる。
【0089】
さらに、初期状態において、プロテクタ14の第1先端側移動規制部118、120及び第2先端側移動規制部132、134の各々の基端面がカテーテル留置具12の第1突出部50及び第2突出部54の各々の先端面に近接しているので、カテーテル留置具12がプロテクタ14に対して先端側に過剰に押圧された場合に、第1突出部50及び第2突出部54の各々の先端面を第1先端側移動規制部118、120及び第2先端側移動規制部132、134の各々の基端面に当接させてカテーテル留置具12がプロテクタ14に対して先端側に過度に入り込むことを防止することができる。これにより、カテーテルハブ18に形成されたタブ30やプロテクタ14に形成されたタブ当接部102等が破損することを抑制することができる。
【0090】
本実施形態に係るカテーテル留置具12は、針先20を覆うように先端側に向かって伸長可能な状態で内針ハブ24に収容された針カバー部材26を備え、カテーテルハブ18を針カバー部材26の先端部に対して着脱可能に設けているので、カテーテル16を血管内に留置した後、内針22を引き抜く際に、針カバー部材26を伸長させて針先20を針先収容部58に収容することができる。これにより、ユーザが不用意に内針に触れることを防止することができる。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bについて
図9〜
図15を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係るカテーテル組立体10Bにおいて、上述したカテーテル組立体10Aと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0092】
図9に示すように、本実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、カテーテル留置具12aとプロテクタ14aとを備えている。
図10に示すように、カテーテル留置具12aは、カテーテル16が血管に穿刺された状態で患者の皮膚上に露呈されたカテーテルハブ18を皮膚にテープ等で貼着(固定)し易くするためのウイング部150を有している。ウイング部150は、カテーテルハブ18のうちタブ30が位置する側の反対側に一体的に設けられて左右両側に張り出した翼状部材である。すなわち、ウイング部150は、カテーテルハブ18からタブ30が位置する側とは反対側に突出した支持部152と、支持部152から左右両側に張り出した板状の一対の固定翼154、156とを含む。
【0093】
図11に示すように、プロテクタ14aは、保護筒70と、装着部72aと、装着部72aの基端から外方に突出し且つ周方向に延在する鍔部158とを有している。装着部72aの第1平板部80aには、プロテクタ14aをカテーテル留置具12aの先端側に装着した際にウイング部150を避けるための切欠部160が形成されている。つまり、第1平板部80aには、第1実施形態の針カバー部材当接部88、90、92と嵌合突起94、96が設けられていない。
【0094】
図9及び
図11から諒解されるように、鍔部158は、第2平板部82からの突出量が第1側壁部84及び第2側壁部86からの突出量よりも大きくなっている。鍔部158は、第2平板部82から突出している部分(幅広部162)をユーザが手指で押し引きすることができる程度の大きさに設定されている。
【0095】
これにより、ユーザは、鍔部158の幅広部162を手指で押圧する又は引き寄せることによってカテーテル留置具12aに対してプロテクタ14aの着脱を容易に行うことができる。すなわち、このような鍔部158がないと、ユーザは、カテーテル留置具12aに対してプロテクタ14aを着脱する際に、手指がウイング部150に干渉してしまうおそれがあるが、本実施形態では、プロテクタ14aに鍔部158を設けているのでカテーテル留置具12aに対するプロテクタ14aの着脱をスムーズに行うことが可能となるのである。
【0096】
図12〜
図15に示すように、本実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、初期状態において、プロテクタ14aのタブ当接部102の基端面がカテーテル留置具12aのタブ30の先端面に当接すると共に(
図12及び
図14参照)、針カバー部材当接部112、114、126、128の各々の基端面が針カバー部材26のアーム収容部64の先端面に当接する(
図15参照)。このとき、カテーテルハブ18は、針カバー部材26を介して内針ハブ24に固定されているため、基端側への移動が規制されている。
【0097】
また、プロテクタ14aの装着部72aが、カテーテル留置具12aの内針ハブ24の先端部に外嵌されている(
図13参照)。すなわち、一対の嵌合突起108、110が内針ハブ24の第2平板部44の外面に当接し、且つ第1ガイド部116が第1ガイド溝52を構成する壁面に当接すると共に第2ガイド部130が第2ガイド溝56を構成する壁面に当接することによって、これら嵌合突起108、110、第1ガイド部116及び第2ガイド部130によって内針ハブ24が挟持される。
【0098】
さらに、プロテクタ14aの第1先端側移動規制部118、120及び第2先端側移動規制部132、134の各々の基端面がカテーテル留置具12aの第1突出部50及び第2突出部54の各々の先端面に近接すると共に、プロテクタ14aの第1基端側移動規制部122、124及び第2基端側移動規制部136、138の各々の先端面がカテーテル留置具12aの第1突出部50及び第2突出部54の各々の基端面に当接する(
図15参照)。
【0099】
以上のように構成されるカテーテル組立体10Bでは、タブ当接部102、針カバー部材当接部112、114、126、128が、初期状態における内針22に対するカテーテル16の先端側への移動を阻止する移動阻止手段140a(
図11参照)として機能する。
【0100】
本実施形態に係るカテーテル組立体10Bでは、カテーテルハブ18にウイング部150を設けているが、第1ガイド部116及び第2ガイド部130の各々を各嵌合突起108、110の突出方向に対して略直交する方向に突出させているので、嵌合突起108、110、第1ガイド部116及び第2ガイド部130によって内針ハブ24を挟持することができる。これにより、簡易な構成で装着部72aと内針ハブ24との間に適度な嵌合力を発生させることができる。また、本実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、上述した第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aと同様の効果を奏する。
【0101】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
【0102】
本発明に係るカテーテル組立体では、カテーテル留置具の第1突出部及び第2突出部に形成される各々の第1係合部を凸部とすると共に、プロテクタの第1側壁部及び第2側壁部に形成される各々の第2係合部を凹部としても構わない。また、各前記第1係合部及び各前記第2係合部を共に凸部としてもよい。この場合、カテーテル留置具の各第1係合部とプロテクタの各第2係合部とを係合させた状態で装着部と内針ハブとを内針の軸線方向に沿って移動させることにより、簡単に装着部を内針ハブに外嵌することができる。
【0103】
さらに、本発明に係るカテーテル組立体では、移動阻止手段としてタブ当接部及び針カバー部材当接部の少なくともいずれか一方を有していればよい。