特許第6166369号(P6166369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166369接続された消費者装置のホームネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166369
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】接続された消費者装置のホームネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/00 20090101AFI20170710BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20170710BHJP
   H04W 40/32 20090101ALI20170710BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20170710BHJP
【FI】
   H04W24/00
   H04W16/18
   H04W40/32
   H04W84/10 110
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-523205(P2015-523205)
(86)(22)【出願日】2013年7月17日
(65)【公表番号】特表2015-532795(P2015-532795A)
(43)【公表日】2015年11月12日
(86)【国際出願番号】US2013050820
(87)【国際公開番号】WO2014014993
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】13/551,551
(32)【優先日】2012年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジ ビー.アプテ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジョン ハーゼノエール
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ポールソン
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0069008(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0250980(US,A1)
【文献】 特開2006−101399(JP,A)
【文献】 特開2010−197050(JP,A)
【文献】 特表2008−537855(JP,A)
【文献】 特表2008−533660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの部屋を有する構造物内の部屋リストを作製する方法であって、
メッシュネットワークを構成する少なくとも2つのノードを提供する工程であって、前記ノードはそれぞれ部屋制限信号を提供する部屋制限通信モジュールおよび部屋透過信号を提供する部屋透過通信モジュールを有しており、少なくとも1つの前記ノードは前記部屋の一つの中に位置する消費者製品に関連付けられている、提供する工程と、
前記ノードの間の前記部屋制限信号および前記部屋透過信号を測定する工程であって、前記測定は前記部屋制限信号の飛行時間と前記部屋透過信号の信号強度の両方を測定することを含む信号を測定する工程と、
前記信号を分析する工程と、
前記分析に基づいて、各前記ノードを前記部屋の一つに関連付ける工程と、
前記構造物内における前記消費者製品の位置を決定する工程と、
前記構造物内の前記部屋リストを作製する工程であって、前記部屋リストは前記消費者製品が位置する部屋の目的を含み、該目的は前記消費者製品が関連付けられた前記ノードから前記メッシュネットワークに提供された前記消費者製品に関する情報に基づいている、部屋リストを作製する工程とを含む
方法。
【請求項2】
前記信号を測定する工程および前記信号を分析する工程が少なくとも一度繰り返される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記信号を測定する工程、前記信号を分析する工程、前記関連付ける工程および前記部屋リストを作製する工程を定期的に反復する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ノードが、消費者製品に取り付けられたアダプタを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記部屋制限信号が、光信号または音響信号のいずれかである、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記信号を分析する工程は、飛行時間を分析することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記関連付ける工程は、
前記飛行時間のデータを用いてノード間の距離を計算する工程と、
前記ノード間の部屋透過信号およびノード間の見通し内信号の交換の不在に基いて、ノード間の壁及び床を特定する工程とを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記信号を分析する工程は、前記信号の強度に基いて、部屋のおよその大きさを判定することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ノードの1つがマスターノードを含み、前記マスターノードは、不揮発性メモリを有する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ノード及び部屋のリストを不揮発性メモリ内に保存する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記信号を分析する工程は、前記部屋透過通信モジュールからの信号の信号強度を分析することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記信号を分析する工程は、前記ノード、マスターノード、前記メッシュネットワーク、及びクラウドネットワークの少なくとも1つにより信号の分析が行われることを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ZigBee、Z−Wave、Insteon、JenNet−IP、X10などの、低出力のパーソナルエリアネットワークがますます普及している。家電、照明、加熱及び冷却、セキュリティ、並びにモニタリングシステム、娯楽システム、通信、芝生用スプリンクラーなどは現在、ホームネットワークへの無線接続を可能にする制御マイクロプロセッサ及び無線通信装置を含む。これは、これらの装置の制御装置が、スマートフォン、PDA、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又はユーザーフレンドリーなソフトウェア制御インターフェースが存在する他の装置内に位置することを可能にし、又は制御装置がネットワーククラウド内に位置して、インターフェースだけがローカルであってもよい。
【0002】
これらのネットワークを組織及び構成するために、いくつかの異なる方法が存在する。既存の技術は、ホームデバイスを、可視光、超音波、赤外線、無線周波、及び他の通信技術を使用して通信する能力に基いて分類され、装置が、これらが位置する空間内に画定される空間、加えてこれらのデバイスの種類に基いてクラスタへと編成されることを可能にする。マイクロプロセッサを個別の装置に統合することにより、装置はユーザーに対する高度の自由度を可能にする、プログラミングを受け取ることを可能にする。しかしながら、典型的なユーザーは大量の利用可能な構成に戸惑うことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで使用されるネットワーク技術の殆どが比較的複雑で、消費者にとって使用が困難である。新しい装置及びタイプを追加し、認証することは、導入を行うために訓練を受けた技術者を雇うことを必要とする場合がある。マイクロプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、無線送受信機、及び見通し線通信の費用が低減すると、安価かつ使い捨ての消費者製品にこれらの機能を追加するための費用が可能なものとなる。これは、消費者及びネットワークに対する一連の課題をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】消費者製品装置の実施形態を示す。
図2】ネットワーク装置の通信部分の実施形態のブロック図を示す。
図3】照明装置の実施形態を示す。
図4】照明装置の別の実施形態を示す。
図5】アドホック無線ネットワークにおける多数の潜在的なノードを有する、構造の実施形態の図を示す。
図6】部屋リストを形成する方法の実施形態のフローチャートを示す。
図7】部屋に機能を割り当てる方法の実施形態のフローチャートを示す。
図8】アドホック無線ネットワークの構成に基いて機能を決定及び実行する方法の実施形態のフローチャートを示す。
図9】三次元表現を構成する方法の実施形態のフローチャートを示す。
図10】構造内のノードの三次元表現の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一般的なノード及び非照明装置
図1は、ネットワーク機能を有する、消費者製品装置の実施形態を示す。装置10は、消費者製品を含む、受信機又はアダプタ12を有する。消費者製品は、多くのもののうちの1つであり得る。例えば、消費者製品は、剃毛クリーム、空気清浄剤、歯磨き粉、ローション、シャンプー、綿スワブ、カミソリ刃、ティシューなどの、ある種の消費可能な製品を分配又は送達する消費可能な製品ディスペンサからなる場合がある。消費者製品は、刃、歯ブラシ、ヘアブラシ、はたき、ほうき、モップ、スクラブブラシ、トイレ用清掃用具など、非駆動式用具からなる場合がある。消費者製品は、電気駆動式装置、例えば、コーヒーメーカー、又は他の台所用装置、例えば、トースターオーブン(toaster over)、テレビ、ヘアドライヤー、掃除機、空気清浄機、加湿器などからなってもよい。これらは非駆動式製品及び駆動式製品の双方の例でしかなく、いずれの特定の製品又は構成に対する制限も意図されず、そのように判断されるべきでない。本明細書において定義されるように、消費者製品は、いずれのネットワーク通信機能を有さない。これらの装置における通信は、ユーザーインターフェース、警告灯などの、ローカル通信の形態のみをとる。
【0006】
受信機12は、消費者製品装置10にスナップ嵌めされるか、又は消費者装置が別様にこれに機械的に、及び場合により電気的に接続することを可能にする。駆動式装置において、受信機12は、コンセントに見られる標準的な二叉又は三叉の突出受信機を含み得る。
【0007】
消費者製品装置はまた、少なくとも1つの通信モジュール又はハブ14を含む。通信ハブは、1つの通信モジュール、又はそれぞれ異なる種類の通信技術を使用する、いくつかの通信モジュールを含むことがある。例えば、通信モジュールは、部屋に限定された通信モジュールからなり得る。「部屋に限定された」とは、この装置の通信媒体が、壁、床、及び天井などの障壁を一般的に通過しない、信号を使用することを意味する。例としては、光学及び音響信号などの、見通し内信号が挙げられる。通信モジュールはまた、部屋透過通信モジュールからなるか、又はこれを含んでもよい。「部屋透過」とは、装置の通信媒体が、壁及び床によって制限されないことを意味する。これらの障壁は、信号を弱めることがあるが、一般的に遮断することはない。通信ハブ14は、これらの種類のモジュールの一方又は両方を含んでもよく、例えば、2つの部屋制限モジュール、及び1つの部屋透過モジュールなど、各種類を2つ以上含んでもよく、それぞれが、アドホックメッシュネットワークにより他の装置と接続する独自の機能を有する。
【0008】
ネットワーク機能により、元来その能力を有さない装置が、アドホックメッシュネットワークと結合及び分離し、やはり元来この能力を有し得ない他の装置と通信できるようになる。これらの装置及び製品に、他の装置と通信及び協調する能力を与えることにより、ユーザーは、その家における様々な態様を管理できるようになる。
【0009】
消費者製品装置はまた、通信モジュールと電気的に連結した電源コネクタ16を含み得る。電源コネクタは、多くの形態を取り得るが、典型的には標準的な二叉又は三叉プラグからなる。電源コネクタは、通信モジュールに電力を供給し、かつまた装置の消費者製品部分に電力を供給し得る。
【0010】
消費者製品装置の他のバリエーション、及び修正も可能である。例えば、センサー18は、ユーザーが受信機12内の消費可能な製品の残量を追跡することを可能にし得る。例えば、消費者製品がある種のディスペンサからなる場合、センサーは、光センサーであってもよい。光センサーは、センサーへの光が消費可能な製品により遮蔽されるように位置付けられ得る。消費可能な製品を使い切ると、光がセンサーに達し、ディスペンサがほぼ空であることを示す。他の種類のセンサーとしては、熱センサー、重量センサー、アクセロメータ、診断センサー、空気質センサー、VOC(揮発性有機化合物)センサーなどが挙げられる。装置のネットワーク機能を使用し、消費可能な製品の状態の検出が、以下でより詳細に記載される機能をトリガすることができる。
【0011】
図2は、ネットワーク機能をもたらす、通信モジュール14の実施形態を示す。モジュールは、部屋透過モジュール26を含み得る。部屋透過モジュールは無線機であってもよく、この場合これは関連するアンテナ22を有し得る。ラジオは、様々な種類のプロトコルの1つにより通信してもよいが、多くの場合、インターネット・プロトコルなどのパケットベースのプロトコルを使用する。より具体的に、プロトコルは、例えば、低出力無線パーソナルエリアネットワーク上のIPバージョン6(IPv6)(6LoWPAN)、又は近隣交換プロトコル(Neighborhood Exchange Protocol)の1つであってもよい。
【0012】
図2は、部屋透過、及び部屋制限通信モジュールの両方を示し、ネットワーキング機能をもたらすために一方のみが必要であることが理解される。先に記載したように部屋制限通信モジュールは一般的に赤外線光、可視光、及び超音波、又は他の音響信号など、見通し内通信モジュールからなる。受信機が送信機の視野内にないとき、受信機は信号を受信しない。見通し内通信モジュールは、これに連結された24などの放射装置を有し得る。
【0013】
通信モジュール14は典型的には、コンセント、又は電池から、電源コネクタ16を介して電力を受け取る。しかしながら、電源コネクタ16はまた、無線受電器からなる場合がある。いくつかの場合において、ベース装置が受信機に信号を送り、受信機が信号を受信機のための電力に変換することができる。現在これらの種類の受信機は、これが受け取る電力量が限定されていること、及び電力を搬送する信号の損失により範囲が限定されていることにより、機能が非常に限定されている。しかしながら、これらの問題に対する将来的に可能な解決法が想到され得、本実施形態は直接的な電気接続に限定されない。加えて、装置は、これらの種類の電気接続の両方を含み得る。装置は、電源に接続されるときに、通信モジュールがより広い範囲を有するように、構成されてもよい。
【0014】
他の任意の構成要素も当然可能である。例えば、メモリ20は、通信ハブ内、各通信モジュール内、装置内の別の場所に位置してもよく、又はネットワーク化されるか、もしくはクラウドコンピュータにおいて一般的であるように遠隔メモリであってもよい。通信モジュールから分離したコントローラ20も存在してよく、各モジュールはその独自のコントローラを有し、これらとは別個の中央装置コントローラ、又はネットワークコントローラを備える。
【0015】
消費可能な製品の状態を感知するように構成されたセンサーに加えて、他の種類のセンサーが装置上に存在してもよく、又はセンサーがその独自のノード上に位置してもよい。センサーは、セキュリティセンサー、無線周波数識別タグ、バーコードリーダー、又は環境センサー、動きセンサー、音センサー、臭気センサー、煙アラーム、空中微粒子センサー、花粉及び埃センサー、空気清浄化システム、メトロロジー、空中の生物学的因子センサー、微生物及びウイルスセンサー、表面汚染センサー、衛生センサー、水質センサー、湿度センサーなどであり得る。環境センサーは、空気の質、光レベル、温度及び空気の流れを感知し得る。例えば、空気の質を感知するセンサーは、部屋の換気が必要であることを判断し、ネットワークを通じて空気清浄機に信号を送信し空気を清浄化させ得る。照明用途において、センサーは1つ以上の照明装置をオンにするために、照明レベルに関する情報を送信し得る。ノードとしての照明装置が、以下でより詳細に記載される。
【0016】
図1に戻り、通信モジュールはまた、USB又はIEEE 1394(Firewire)ポート17などの、任意の直接接続通信ポートを有し得る。これは、ユーザーが、ファームウェア又はソフトウェアの初期設定、又はプログラミング、更新のために、装置をコンピューティングデバイスに接続する能力をもたらし、更に装置がテレビ又は音楽システムなどの、同様のポートを有する消費者装置に直接接続できるようにする。ポート17はまた、インターネットなどの外部ネットワークとの接続をもたらすために、ネットワークアクセスポイント、又はゲートウェイへの接続を可能にし得る。
【0017】
照明製品
この点に関する記載は、スイッチを入れたときに電力を受け取るためにソケットにねじ入れられるいずれかの種類の照明用具であり、従来的な白熱灯、LED電球、コンパクト蛍光灯(CFL)などを含み得る電球を含む照明製品、及びランプなどのその他の照明製品以外の消費者製品に焦点を当ててきた。電池、静電誘導、音波などの別の手段による電力を得ることができる、新しい形態のライトがある。図3は、電灯と共に使用されるアダプタ30の実施形態を示す。通信モジュール14は、ハウジングの一部であり、ハウジングは、電灯を受容するように構成された、発光レセプタクル32を有する。これは、本明細書では完全に一体化した電球と称される、既に内部に高価なアダプタを有する電球、又は中央で制御可能なプロセッサを有する専用ソケット、及び他のアダプタではなく、典型的な家庭用電球の使用を可能にする。部屋リスト、及びIDを有する完全に一体化した電球。
【0018】
あるいは、発光レセプタクル32は、図4に示される、コンセントと同様のアダプタのプラグの形態を取り得る。この実施形態において、アダプタの裏側は、図1で16として示されたアダプタの裏側と同様になる。通信モジュール14は、先に詳述した、部屋制限通信モジュール、及び部屋透過通信モジュールの一方又は両方を有する。発光レセプタクルは、電球、電源コードを有するライト若しくはランプ、又は非常用照明に見られる一体型電源コネクタを有するライトを受容することができる。
【0019】
上記の非照明アダプタと同様に、照明デバイスはまた、センサーを含み得る。センサーは典型的には、光センサーからなるが、また温度センサー、煙検出器などからなってもよい。センサーは、アダプタ30内に位置するコントローラと通信することができるか、又はこれは照明装置又は非照明装置と、アドホックネットワークで通信してもよい。コントローラは電力接続を制御してもよく、センサーからの入力(場合により、特定の時刻又は活動に関して所望される照明レベルへのユーザーの入力と組み合わされる)による指示で、発光装置への電力をオン又はオフに切り替える。
【0020】
照明装置は、アドホックメッシュネットワークを形成してもよく、ここで装置は自由にネットワークに入りかつ出て、ネットワークにおける全ての装置が、その範囲内におけるいずれかの、及び全ての装置と通信し得る。中央コントローラが存在してもよいが、各装置はまた、その独自のコントローラを有してもよい。中央コントローラの代わりに、1つの装置が、それ自体をマスターノードとして指定し、他のノードに制御信号を供給してもよい。既知のアドホックメッシュネットワークプロトコルにより、ノードは、典型的には他のネットワークにアドホックメッシュネットワークを掛ける能力に基いて、それ自体をマスターノードとして指定する。このようなノードの不在下において、ノードは、どれがマスターとなるか仲裁する(arbitrate)する。これらのプロセスの詳細は、議論の焦点ではない。
【0021】
この点に関する議論は、アドホックのワイヤレスメッシュネットワークを形成する能力を消費者製品に与えることに焦点を当てている。消費者製品は、電球、掃除機、空気清浄機などの比較的「低知能(dumb)」なものから、消費者様電子機器及びコンピューティング装置などの高機能なものにまで及ぶ、知能を有し得る。これらの機能を有する装置のネットワークを有することにより、ユーザーは、間取りに関する予備知識なしに、ネットワークのノードを家又は構造物の部屋へとセグメント化することができる場合がある。
【0022】
部屋リスト/部屋ID
図5は、家の間取りの例を示す。ここで利用される技術は、1つ以上の部屋を有するオフィスビル、病院などのいずれかの構造物に適用することができる。消費者製品に焦点を当てたこの記載は、家を代表的な構造物として使用する。この選択は、限定を意図せず、示唆するものではない。このネットワークのノードは、部屋の中に位置するが、ユーザーは間取りを必要とせず、又は有さない。技術及び実施形態のユーザーは、必ずしも人間の消費者ではないことに留意すべきである。「ユーザー」は、人間が行わなくてもよいように、この情報を収集するために、人間の消費者により利用されるコンピューティング装置であり得る。
【0023】
図6は、どのノードが部屋の中に位置するのかを判定する方法の実施形態のフローチャートを示す。40において、アドホックメッシュネットワークが形成される。これは、ノードを展開することと、その後これらの信号をブロードキャストさせて、これらが存在する領域内のいずれかのノードに通知することとを含み得る。ノードは先に記載されたもののような照明製品、又は消費者製品であり得る。ネットワーク形成の一部として、ノードは、その信号を送信し、他のノードの存在を判断し得る。
【0024】
42において、ノードの間の信号が分析され、ここで分析は、ネットワーク内、ノード内、クラウド内などのいくつかの位置において生じ得る。図5の間取りを参照し、いくつかのノードは、他のノードが「見る」ことのできないノードを見、ここでノードを「見る」とは、ノードの存在の検出を意味する。例えば、ノードIは、ノードJ、A、及びHを見ることができる。しかしながら、ノードJはまた、ノードL及びノードKを見ることができる。ノードKは、ノードMを見ることができる。信号を分析することにより、ノードJはノードMを見られないことが判定され、よってノードJとMとの間には壁が存在するはずである。同様に、ノードIは、戸口を通じてノードHを見ることができるもののノードIはGが見えないが、ノードIはノードHからの情報により、ノードGの存在を認識している。
【0025】
この分析により、ノードはまたこれらの間の距離を判定することができる。受信ノードは、別のノードからの送信時間を判定することができ、これにより、ノード間の距離を判定するが、必ずしも方向を判定しない。例えば、これら2種類の分析を使用して、構造内の部屋を判定することができる。見通し内データに基づき、ノードを部屋にセグメント化することができる。更に、受信される信号強度に基づき、ネットワークは部屋のおよその大きさを判定することができる場合がある。ノードは、例えば、センサーなどを使用して、例えば光学的に、電気的に、互いを検出するための多数の方法を有する。
【0026】
上記の分析は、部屋制限通信モジュールの使用のみを想定している。いくつかの実施形態において、ノードはまた、部屋透過通信モジュールを使用してもよい。この例において、ノードはそれ自体を、部屋制限通信に基いて識別し得る。このデータを見通し内データと結合することにより、ネットワークは、ノードの間の壁及び開口部を特定し、44においてノードを部屋にセグメント化することができる。例えば、図5を参照し、ノードIは、部屋透過通信モジュールに基いてノードCの存在を認識し得る。しかしながら、部屋制限信号を見ると、ノードIはノードCの存在を検出することができず、これらの間に壁又は他の障壁が存在することを示す。
【0027】
一度ノードが部屋にセグメント化されると、ノード情報が更新されて、46においてこのノードをその部屋と関連付ける。ネットワーク上におけるノードの1つが、不揮発性メモリを含むことがあり、又は不揮発性メモリはネットワークの外側に位置に位置するが、ノードの1つと通信していることがある。部屋リスト、及び部屋と関連するノードは、このメモリに保存され得る。不揮発性メモリを有するか、又は不揮発性メモリへのリンクを有するノードは、先に記載されたようにマスターノードであり得る。これらのノードは、ユーザーにより動かされるか、又はそれ自体が可動であり得る消費者製品に取り付けられるか、又はこれを含み得るため、このプロセスは更新された情報を得るために周期的に反復され得る。
【0028】
上記のプロセスは、ノードを部屋にセグメント化することに向けられているが、例えば、ユーザー、装置の種類などにより、これらをセグメント化するなど、装置を他の種類のセグメントにセグメント化することも可能であることを留意すべきである。この議論は部屋によるセグメント化に焦点を当てているが、他の種類のセグメントの使用もまた、本明細書において提示される実施形態の範囲内であるとみなされるべきである。
【0029】
部屋の目的
一度ノードが部屋にセグメント化され、ノードがこれらの部屋と関連付けられると、ネットワークは各部屋の目的を決定し得る。図7は、部屋に目的を割り当てる方法の実施形態のフローチャートを示す。プロセッサ50〜56は図6のものと類似であり、同じではないにしろ、同様の信号でノードを部屋にセグメント化する。50において、ノードがネットワークを形成し、ノードの間の信号が分析される。先に記載されたように、分析は、各個別のノード、マスターノード(指定されている場合)、ネットワーク、クラウドなどにおいて、生じ得る。ノードを部屋にセグメント化すると、ネットワークはその後58において、部屋の中のノードの1つとしてのアイデンティティを獲得する。
【0030】
部屋の中のノードの1つのアイデンティティの獲得は多くの形態をとり得る。ノード自体が、装置識別子、名前など、これが送信する信号へとエンコードする情報を有し得る。ユーザーは、ノードをアクティブ化するときに、USBポート、又はノードの常駐インターフェース(resident interface)を使用して、これらの情報をノードにインストールし得る。ノードは本明細書において、「ノードデータ」と称されるこの情報を有する。ノードデータは、ノードにおける装置の種類、フル又はほぼ空など装置の状態、その電力の状態、他のどのノードに接続されているかなど、ノードに関するなんらかの情報を含む。
【0031】
一実施形態において、ノードデータは、少なくともノードに位置する装置の識別子からなる。このノード、又はネットワーク上の別のノードは、識別子のデータベースにアクセスし、データベースへのインデックスとして装置識別子を使用する。生じる情報は、ネットワークにノードに関するより多くの情報を提供する。例えば、装置は、識別子として、在庫商品識別番号(SKU)番号を有し得る。データベースの結果へのアクセスすることにより、SKUが歯ブラシとして識別される。他の種類の識別子もまた存在し得る。識別子はバーコード、ネットワークアドレス、周辺装置の分析に基づいて想定されるアイデンティティ、又は環境に関する情報などであり得る。この情報に基づき、ネットワークは60において、部屋に部屋機能を割り当てることができる(この実施例においては歯ブラシが存在する部屋を浴室として)。
【0032】
データベースもまた様々な形態を取り得る。完全にデータを投入されたデータでもよく、又は単に小さなルックアップ表、及び両極端のこれらの中間として想到し得るいずれかの選択肢であってもよい。データベースは、ネットワーク内のノード上の不揮発性メモリ内に位置してもよく、又はこれは、ネットワークの外部にありながら、リンクを通じて外部ネットワークにアクセス可能であってもよい。
【0033】
データベースへのアクセスはまた層状に生じてもよい。第1データベースは、歯ブラシとして特定の装置を識別し、これにより第2データベースのアクセスが生じて、これがモデル番号、又はブランド名などの歯ブラシに関する更なる情報を提供する。一実施形態において、アクセスされるデータベースは、同様のネットワークを有する消費者によりデータを投入されたデータベースからなってもよく、機能を部屋に割り当てるための、より高度な洞察を有し得る。
【0034】
データベースは、多くの異なる方法で編成され得る。一実施形態において、ノードの表、部屋の表、及びノードの表と部屋の表との間の関連である。あるいは、無線ネットワークにおけるノードの表、家の中の部屋の表、部屋機能の表、及び部屋機能と、部屋と、ノードとの間の関連である。
【0035】
一実施形態において、部屋リストに含まれる情報は、部屋に機能を割り当てるのに有用であることがわかることがある。部屋に機能を割り当てるためにこのアイデンティティを使用して部屋リストが保存される場合、これは、現在の部屋リストに基づき得る。あるいは、部屋機能は、前の部屋リスト又はその履歴、現在のノード機能リスト、ノード機能リストの履歴、現在のノード位置データ、ノード位置データの履歴、現在のセンサーデータ、センサーデータの履歴、ユーザープリファレンスデータ、部屋機能の外部データベース、家の青写真、及び家に関する外部データに基いて割り当てることができる。
【0036】
動作
部屋の目的を識別すると、ネットワークは、部屋の目的及び部屋の中のノードに基いて動作する機能を有し得る。このプロセスの実施形態は図8に示される。一実施形態において、62において、ネットワークは空気清浄剤ディスペンサなどの消費者製品と関連するノードを有し、ノードが図1に関連して記載されたいずれかの消費者製品装置と関連し得ることが理解される。加えて、ネットワークは、ノードAなどのコンピューティング装置を備えるノードを有し、内部又は外部ネットワークのいずれかへのリンクを有する。
【0037】
62において、消費者製品ノードは、コンピューティング装置ノードにデータを送信する。このデータは上記のノードデータであり、ノードの識別子、消費者製品の状態、電力状態などが含まれ得る。コンピューティング装置はその後64においてデータベースにアクセスして、ノードに関する更なる情報を収集し、このデータをノードデータと関連付ける。コンピューティング装置はその後、66において、ノードにおいて装置に関連して取られる動作の決定を行い、68においてこの動作を実行することができる。動作は、ネットワークの内部又は外部であり得る。
【0038】
内部動作は、ノードの機能を変更すること、例えばこれをシャットダウンする、速度を落とす、使用を減らすことなどを含み得る。これは動作状態が変更した現在のノードに対するパートナーデバイスを含む場合があり、例えば、装置内の補給品の量が低下している場合に別の装置をアクティブ化する。これはまた、特定のノードにおいて必要とされる供給品を特定する買い物リストをユーザーに提供するなど、内部データベースを更新するか、又はネットワーク内でユーザーにメッセージを送信することを含み得る。
【0039】
外部動作は、携帯電話ネットワークへのリンクを介してユーザーにテキストメッセージを送信すること、インターネットゲートウェイ、及びメールクライアントを通じてEメールを送信すること、更なる供給品を注文するために電子商取引ゲートウェイにアクセスすること、又は外部データベースからノードに位置する装置の情報にアクセスすることを含み得る。
【0040】
例えば、ノードは空気清浄剤ディスペンサを有するものと想定する。ノードデータは、空気清浄剤として装置を識別する識別子、及びリザーバ内に残っている清浄剤の量を示す状態とを含む。ノードは、コンピューティング装置にこのデータを送信する。コンピューティング装置はデータベースにアクセス(内部又は外部)、この量に基いてリザーバがほぼ空であることを判定する。この例におけるデータベースは、単にメモリ内に保存されたリストであり得る。コンピューティング装置はその後、ほぼ空であるリザーバに基いて異なる動作を特定する。装置は、ユーザーと通信して状態を通知することができる。装置は、電子商取引ゲートウェイにアクセスして、より多くの空気清浄剤を注文することができる。装置はまた、空気清浄機が使い果たされるのを避けるために、これをシャットダウンすることができる。
【0041】
実行する動作の選択は、センサーからの入力、ユーザー入力、ユーザーにより設定された前の状態などを含み得る。例えば、センサーは空気フィルターを通る空気の流れが特定の閾値以下まで低下したことを検出し、フィルターの清浄化又は交換が必要であることを示し得る。この情報は、ネットワークが採るべき動作を選択するのを支援する。
【0042】
このように、ネットワークは、ネットワークのノードにおける装置に関する様々な情報を得て、ネットワークがユーザーに自動的にサービスを提供するのを可能にする。ネットワークが処理できるタスク及びサービスが多いほど、ユーザーにとって製品及びネットワークの使用が容易になる。構造内に存在するこのようなネットワークを有することにより、他の利益もまた生じ得る。
【0043】
ホームディスカバリ
構造の設計に関して先に記載したように、ユーザーはネットワークに入力する青写真又は間取りを有さないことがある。しかしながら、ネットワークのノードは、構造を異なる方法で「見る」ことができる。ネットワークの1つの利益は、構造の三次元表示を構成するその能力にある。
【0044】
図9は、装置のネットワークが、家の三次元表現を生成する「ホームディスカバリ」を行う方法の一実施形態を示す。80において、少なくとも3つのノードを有するネットワークが提供される。3つのノードの使用により、1つのノードが他の2つのノードに対して三角形を形成するようにして位置することができる。一般的に、これらのノードにおける通信モジュールは、部屋透過モジュールである。3つのノードを有することにより、信号分析に十分な情報が提供され、ノードの1つの別のフロアに位置し得ると、部屋制限モジュールでは別のノードはこのノードを見えることができない。
【0045】
図10に示されるように、3つのノードの間の信号の飛行時間(time of flight)を使用して、信号分析は、構造内のノードの一般的な設計を生成することができる。信号分析に加えて、他の情報が存在し得る。ノードの種類、及びノードが移動性であるかどうかもまた有用であり得る。
【0046】
例えば、ノードの1つが、Swiffer(登録商標)ダストモップなどの、フロア掃除機に取り付けられてもよい。使用されるとき、フロア掃除機の動きにより、カーペットのないフロアがどこに存在するかという情報がもたらされ、加えて他の2つのノードの位置に関する更なる三角法データをもたらす。別の例において、ノードは、Roomba(登録商標)などの、ロボット掃除機に取り付けられてもよい。これはカーペットのある表面、加えて場合により部屋の中の家具の位置に関する情報の特定を可能にする。他の移動性ノードも当然可能である。ユーザーは更にダスター又は他の種類の「ワンド」構造を使用して、ネットワークの構造をマッピングし得る。更に別の代替は、ペットへのノードの取り付けを含む。
【0047】
更なる情報は、家のより正確な画像を生じる。上記の記載は、ノードの配置の手段として、部屋透過通信モジュールの使用に焦点を当ててきた。しかしながら、上記の記載はまた、部屋制限モジュールの使用の可能性、加えて先に特定された部屋のセグメント化及び部屋の目的を含む。家の三次元表現、加えて信号分析を生成するために、この情報の全てが使用され得る。情報は、ネットワーク内、又はその外部に保存されるが、少なくとも1つのノードによりアクセス可能である。
【0048】
上記の実施形態は、ユーザーが家の中の消費者製品のノードのネットワークを構成するために、便利で、単純かつ容易な使用方法をもたらす。ネットワークは、ユーザーのための情報を収集し、より自律的に動作してもよい。最終的な結果は、ユーザーがその家を維持し、楽しむのを補助する、装置のネットワークである。
【0049】
上記の及び他の特徴及び機能、又はその代替のいくつかが、所望により他のいくつかのシステム又は用途に組み合わされ得ることが認識される。また、本明細書において予測されない、又は予期されない代替、修正、バリエーション、又は改善が当業者により以降行われる場合があり、これはまた、以下の請求項に包含されることが意図される。
図1
図2
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図4
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図6
図7
図8
図9
図10