特許第6166386号(P6166386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166386制御可能な気流修正装置の周期的荷重制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166386
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】制御可能な気流修正装置の周期的荷重制御
(51)【国際特許分類】
   B64C 13/16 20060101AFI20170710BHJP
   B64C 3/10 20060101ALI20170710BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20170710BHJP
   B64C 9/06 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   B64C13/16 A
   B64C3/10
   B64D47/00
   B64C9/06
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-557039(P2015-557039)
(86)(22)【出願日】2014年2月5日
(65)【公表番号】特表2016-510283(P2016-510283A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】US2014014956
(87)【国際公開番号】WO2014204524
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】61/761,187
(32)【優先日】2013年2月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512144793
【氏名又は名称】タマラック エアロスペース グループ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス アール.グイダ
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−240353(JP,A)
【文献】 特開平10−205579(JP,A)
【文献】 特開平7−205894(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0187251(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0114327(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0049307(US,A1)
【文献】 米国特許第5039032(US,A)
【文献】 米国特許第4245804(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2650212(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/16
B64C 3/00− 3/58
B64C 9/06
B64D 47/00−47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機であって、
胴体と、
基準翼であって、前記胴体に該基準翼の第1の端部において結合され、および、エルロンを有する基準翼と、
翼拡張部であって、
前記基準翼の第2の端部に結合された水平部分であって、そのために、該水平部分が前記基準翼の外側寄りにある水平部分と、
前記翼拡張部の前記水平部分に直接的に結合された制御可能空気流修正装置(CAMD)であって、該CAMDの構成における変位の変化に少なくとも部分的に基づいて翼上のねじり荷重を軽減するように構成され、前記変位の変化が、本航空機のフラッタ状態の検出に少なくとも部分的に基づいており、該フラッタ状態の検出が、本航空機上に位置する1つまたはもっと多いセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいていCAMDと
を含む翼拡張部と
を備える航空機。
【請求項2】
前記CAMDが、
前記翼拡張部の後縁部に配置された制御面であって、そのために、前記基準翼に対して実質的に平行である制御面と、
前記制御面の動きを飛行中の荷重データに少なくとも部分的に基づいて制御するための制御システムと
を備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記制御面は、前記航空機のために、少なくとも部分的に飛行履歴データに基づいて構成される、請求項2に記載の航空機。
【請求項4】
前記制御システムは、前記航空機上に位置する1つまたはもっと多いセンサに通信で結合され、および、信号を、前記航空機上に位置する前記1つまたはもっと多いセンサから受信するように構成される、請求項2に記載の航空機。
【請求項5】
実質同一
前記1つまたはもっと多いセンサは、第1のセンサを前記翼拡張部のねじり軸の前方に、および、第2のセンサを前記基準翼の前記ねじり軸の後方に含む、請求項4に記載の航空機。
【請求項6】
前記1つまたはもっと多いセンサは回転センサを含む、請求項4に記載の航空機。
【請求項7】
航空機の基準翼に固定して取り付け可能な翼拡張部であって、
前記航空機に取り付けられるときに、前記航空機の前記基準翼に対して実質的に平行である水平部分であって、前記航空機の前記基準翼の外側寄りの部分に固定して取り付けるように構成される水平部分と、
前記翼拡張部の前記水平部分に結合された制御可能空気流修正装置(CAMD)であって、該CAMDの制御面の位置における変位の変化に少なくとも部分的に基づいて前記基準翼上のフラッタ状態を軽減するように構成され、前記変位の変化が、1つまたはもっと多いセンサから受信した信号に少なくとも部分的に基づいており、該受信した信号はフラッタ誘発飛行状態を示す、CAMDと
を備える、翼拡張部。
【請求項8】
前記CAMDが、前記CAMDの制御面を制御するための制御システムに結合される、請求項7に記載の翼拡張部。
【請求項9】
前記制御システムは、前記CAMDを、前記航空機のオートパイロットシステムおよびフライバイワイヤシステムのうち1つまたはもっと多くと独立して制御するように構成される、請求項8に記載の翼拡張部。
【請求項10】
前記制御システムは制御ロジックを持つ制御装置を備え、前記制御装置は、前記航空機上に位置する1つまたはもっと多いセンサと通信で結合するように構成される、請求項8に記載の翼拡張部。
【請求項11】
前記制御装置は、前記1つまたはもっと多いセンサと結合したときに、前記航空機のフラッタ誘発飛行状態を示す信号を、前記航空機上に位置する前記1つまたはもっと多いセンサから受信するように構成される、請求項10に記載の翼拡張部。
【請求項12】
方法であって、
飛行状態データを、航空機上に位置する2つまたはもっと多いセンサから受信すること、および、
なくとも部分的に前記受信した飛行状態データに基づいて前記航空機の翼拡張部上に位置する複数の制御可能空気流修正装置(CAMD)を調整することに、少なくとも部分的に基づいてフラッタ状態を軽減することであって
前記複数のCAMDは、前記航空機の基準翼に実質的に平行である、前記翼拡張部の水平部分に位置しており、前記複数のCAMDは、前記基準翼の制御面と独立して制御可能であり、前記複数のCAMDを調整することが
フラッタを誘発する飛行状態を検出すること、および、
前記CAMDの制御面を高調波で変位させること、前記CAMDの制御面を静的に
変位させること、または、それらの組み合わせ
を含んでいる方法。
【請求項13】
前記変位の変化が、前記CAMDの構成における高調波の変位の変化、前記CAMDの構成における周期的変位の変化、前記CAMDの構成における静的変化、または、それらの組み合わせを含む、請求項1に記載の航空機。
【請求項14】
前記変位の変化が、前記CAMDの構成における高調波の変位の変化、前記CAMDの構成における周期的変位の変化、前記CAMDの構成における静的変化、または、それらの組み合わせを含む、請求項7に記載の翼拡張部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月5日に「制御可能な気流修正装置の周期的荷重制御」と題して出願された、本明細書中にその全体が参照により組み込まれる米国特許出願第61/761,187号の優先権を主張するものであり、その非仮特許出願である。
【背景技術】
【0002】
航空機業界には、航空機の効率を向上し、化石燃料の消費量を削減するという高まり続けるニーズが存在す。効率、性能および美観を向上するために小翼が設計され、大型の大量旅客航空機を含む多くの航空機に設置されている。このような小翼は、通常、翼の端部に取り付けることがある水平本体部分、および、水平本体部分から上方に、鉛直に拡張することがある傾斜部分から成る。例えば、小翼は、飛行効率、航空機の性能を向上するため、また航空機の美観を改善するために、航空機の既存の翼に取り付けることができる。同様に、シンプルな翼拡張部が使用されて、同様の目標に対処してきた。
【0003】
しかしながら、小翼または翼拡張部を設置する費用は、小翼または拡張部を設置した後に翼を再製作し、認証するための要件のために、多くの場合、法外に高価である。したがって、小翼および翼拡張部のアフターマーケット据え付けは、大航空会社が所有し運用している大型航空機のために、一般に確保されている。
【0004】
既存の小翼および翼拡張部は、各小翼および翼拡張部が、特定の航空機の型の特定の翼用に設計され、認証されなければならない点で、限られた実用性を有している。さらに、小翼または翼拡張部を航空機に追加することは、通常、翼上の荷重を増大し、それによって翼の耐用期間を減少させ、および/または、翼に対する多大な構造補強の追加を必要とする。そもそも、この構造補強の重量は小翼の追加によって得られるあらゆる効率を損ねる。さらに、既存の固定した小翼および翼拡張部は、飛行中の状態変化に適応できない。したがって、当技術においては、航空機の小翼および翼拡張部の改良へのニーズが残っている。
【発明の概要】
【0005】
本概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明する、簡略化された形の概念の抽出を紹介するために提供される。本概要は、主張される主題の重要な特長または本質的な特長を特定することを目的とするものでも、主張される主題の範囲を限定するために使用されることを目的とするものでもない。
【0006】
本開示は、複数の制御可能空気流修正装置を使用することのできるアクティブ型空気流修正システムについて説明する。例えば、航空機は、アクティブ型翼拡張部に結合される基準翼を持った胴体を備える。アクティブ型翼拡張部は複数の制御可能空気流修正装置(CAMD)を備えることができる。CAMDは、制御面、および、飛行中の荷重データおよび/または荷重履歴データに少なくとも部分的に基づいて制御面の動きを制御する制御システムを備えることができる。制御システムは、独立してまたは互いに連携して複数のCAMDを制御するように構成することができる。
【0007】
様々な実施形態は、航空機の基準翼に固定して取り付けることができる翼拡張部を提供する。ここで、翼拡張部は複数のCAMDを備えることができる。CAMDは、CAMDの制御面を制御するための制御システムに結合することができる。様々な実施形態では、制御システムは、航空機のオートパイロットシステムおよび/またはフライバイワイヤシステムと独立に、複数のCAMDを制御するように構成することができる。制御システムは、制御ロジックを含む制御装置を備えることができる。制御装置は、航空機上に位置するセンサおよび/または複数のセンサに通信で結合され、航空機の飛行状態を示す信号を受信することができる。制御装置は、航空機上に位置するセンサからの信号に少なくとも部分的に基づいて、CAMDを調整するように構成することができる。
【0008】
様々な実施形態は、複数のCAMDを含むアクティブ空気流修正システムの使用を提供する。例えば、システムは、航空機上に位置するセンサから飛行状態データを受信することができる。システムは、受信した飛行状態データに少なくとも部分的に基づいて、航空機の翼拡張部上に位置する複数のCAMDを調整することができる。CAMDは、例えば、翼に作用する空気力に起因し、空気力と関連付けられた翼の圧力の中心を機内に移動させることによって航空機の翼の翼面荷重を削減し、および/または、航空機の翼の疲労寿命に対する翼拡張部の影響を削減するように制御面を回転させることによって調整することができる。追加でまたは別のものとして、CAMDを使用して、ねじり荷重はもとより、例えば周期的荷重、空気力学的フラッタを検出、および/また、反応することができる。CAMDは、互いに独立して、または互いに連携して調整することができる。
【0009】
発明を実施するための形態について、添付図面に関し説明する。図において、参照番号の最も大きな位の数字(複数も可)は、その参照番号が最初に表わされる図を特定する。異なる図における同一参照番号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】航空機の翼に取り付け可能な鉛直に拡張する翼端装置を持った、実例的な翼拡張部を示す図である。
図2】航空機の翼に取り付け可能な、別の実例的な翼拡張部を示す図である。
図3】各翼拡張部が複数の空気流修正装置を有する、実例的な翼拡張部が取り付けられた航空機を示す図である。
図4】実例的な翼拡張部および翼端装置を示す図である。
図5】航空機の実例的な翼に取り付けられる、実例的な翼拡張部を示す図である。
図6図1の翼端装置を持った実例的な翼拡張部を示す図であり、および、翼端装置の翼拡張部の、線A−Aに沿った図面図である。
図7図1の翼端装置を持った翼拡張部であって、機械的な制御システムを持った翼拡張部の実例的な図面図である。
図8図1の翼端装置を持った翼拡張部であって、コンピュータ制御された制御システムを持った翼拡張部の実例的な図面図である。
図9】設計荷重の比較グラフを示す図である。
図10】設計応力およびモーメント荷重の比較グラフを示す図である。
図11図11A−Dは、鉛直に拡張する翼端装置を持つ実例的な翼拡張部の図、図11Aに示された翼端装置を持つ該翼拡張部の後縁部からの図、および、翼端装置を持つ該翼拡張部の、図11Bの線C−Cに沿った図面図である。
図12】一実施形態に従った実例的な翼拡張部が取り付けられた航空機を示す図である。
図13】制御可能な空気流修正装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概観
本願は、航空機の効率、性能、および/または美観を改善するためのアクティブ型翼拡張部で使用することのできる制御可能空気流修正装置(CAMD)について説明する。本願に従ったCAMDは、航空機の翼の疲労も削減し、航空機の翼の耐用期間を延ばし、および/または航空機に翼拡張部を追加することに関わる認証の費用および時間を短縮することができる。また、翼拡張部は、航空機の効率、性能、および美観をさらに改善し得る翼端装置を含むことができる。CAMDを有するおかげで、そのようなアクティブ型翼拡張部は、飛行状態データに応答してCAMDの制御面の端縁および/または部分を調整できることがある。
【0012】
上述したように、既存の翼に翼拡張部を追加すると、揚力を上げ、抗力を下げることによって航空機の効率および性能が改善される。この性能の利点は、元の飛行機製造業者によって説明されていなかった、翼に対する追加の応力を追加するという代償を払って実現することができる。その結果、翼が小翼の追加に対応する構造上の能力を有するかどうかを判断するために、翼を完全に解析し、リバースエンジニアリングし、試験を行う必要がある場合があるため、飛行機に従来のパッシブ型翼拡張部または小翼を設置することは高価である。大部分の場合、従来の小翼または翼拡張部を設置するとき、翼の構造上の改良が必要とされる。さらに、翼の耐用期間(疲労寿命)は、小翼または翼拡張部の追加によって短縮され、それによって顧客にとっての飛行機所有の総費用を増やす。
【0013】
さらに、翼の動的荷重に影響が及ぼされる可能性がある。例えば、翼は、他のねじり荷重に加えて、フラッタと通常は呼ばれる周期的荷重または振動を受ける可能性がある。多くの場合、小翼の組み込みにより、飛行機の翼のスパンにわたる揚力分布を変更する。これは多くの場合、翼における構造的な荷重の変化を巡航の間にもたらす。いくつかの翼では、これが翼のねじれの増大をもたらすことがあり、構造的な観点から望ましくなく、または許容できないことがある。増大したねじり荷重に対する応答は翼の強化であり、これは、多くの場合、例えば、追加の構造に大いに起因する。
【0014】
対照的に、本明細書で説明するアクティブ型翼拡張部は、正の空気力学的効果を維持しつつ、最小の(おそらく有益でさえある)構造上の影響を有するため、翼拡張部の追加に関わるエンジニアリングおよび認証の費用を削減する。換言すると、本明細書で説明するアクティブ型翼拡張部は、揚力を上げ、抗力を下げることによって、従来の固定された小翼および翼拡張部に関連する欠点(例えば、応力の追加、翼の疲労、および/または設計し直し)なしに、飛行機の効率および性能を改善する。上述したように、本開示に従ったアクティブ型翼拡張部は、翼拡張部上に位置する1つまたはもっと多いCAMDの形をとる空気流制御システムを有することがある。翼拡張部上に位置するCAMDは調整することができ、それが(例えば、突風、操縦、および/または乱気流の間に翼上の応力を削減する、または相殺するために)航空機翼上の空気力学的な力を変更することができる。
【0015】
追加でまたは別のものとして、翼拡張部上に位置するCAMDは調整することができ、これは、航空機の翼上の空気力学的な力を(例えば、フラッタを限定ではなく含む異なる飛行レジメの間に翼上のねじれ応力を緩和または相殺するように)変更することができる。例えば、CAMDシステムはねじれの増大を検出することができ、および、それを補償するために、ねじれを誘発した翼の荷重を、強化された構造的完全性のせいで軽減する。フラッタは、構造特性と飛行状態の相互作用に起因する空気力学的構造の周期的、動的変形と云うことができる。構造の変形が特定の周波数で発生した場合に故障するまで指数関数的に増大することがあるために、フラッタはしばしば壊滅的である。小翼の組み込みは、翼の構造特性を潜在的に変更することができ、これは、翼の固有振動数を変更し、したがってフラッタのリスクを高める可能性がある。しばしば、重いバランスウェイトを小翼に追加して、フラッタを受動的に減衰することができる。CAMDを使用して、フラッタの発現を検出すること、および、それを翼構造への損傷が発生する前に減衰するよう反応することができる。
【0016】
動的および/またはねじり荷重を検出して反応することにより、CAMDは、構造的な保護を少量の追加の組み込みで提供することができる。また、フラッタの減衰は、飛行機を設計する際、特に高速で巡航するように飛行機を設計する際に考慮すべき事項である。フラッタをCAMDでアクティブに減衰することで、パッシブ型小翼または翼延長部よりも少ない重量での組み込みを提供することができ、航空機がより高速で飛行することを潜在的に可能にする。さらに、翼のねじれを巡航中にアクティブに調整することで、翼の疲労のための長期的な利益だけでなく、翼の完全性に有意な正の影響を有することができる。
【0017】
航空機上のアクティブ型翼拡張部は、翼拡張部がない所与の翼のために最初に設計された値、または値以下にスパン方向図面荷重を保つように設計されることがある。したがって、アクティブ型翼拡張部は、翼拡張部の追加のために補強された翼を有するという要件を排除することができる。さらに、アクティブ型翼拡張部のCAMDは、翼の圧力の中心を機内に移動させることによって翼の曲げモーメントを削減し、および/または、翼の疲労寿命に与える翼拡張部の影響を削減するように構成することができる。したがって、アクティブ型翼拡張部の追加が仮にあっても、翼および/または翼が取り付けられている航空機の耐用年数が大幅に減少することはない。いくつかの例では、アクティブ型翼拡張部の追加は、翼および/または翼が取り付けられている航空機の疲労を削減し、全体的な耐用年数を増やすことさえある。さらに、同じ例または他の例では、アクティブ型翼拡張部を追加すると、航空機の翼積載能力の総容量も増大し、このようにして航空機の総重量の可能性を高めることがある。
【0018】
多くの場合、1−gの飛行レジメを限定ではなく含む種々の飛行状態が、ねじり荷重を翼上に生じさせることがあり、そのため、ねじり荷重の構造的完全性への影響並びに翼における変形または動きを低減するために、ある量の構造的補強が翼に追加される。例えば、航空機が1−gの飛行レジメ中である場合があるが、他の要因の中でも航空機の対気速度および重量が、翼に対する効果的な空気力学的ねじり上げおよび/またはねじり下げフローを変化させるのに十分なねじり荷重を翼上に生じさせる可能性がある。ねじり荷重により生じるこの変化は、航空機の効率にその飛行状態において悪影響を及ぼすことがある。追加でまたは別のものとして、ねじり荷重は、その適切なアライメントから偏向するように存在する任意の翼端装置を生じさせる可能性がある。例えば、翼端装置はしばしば、特定の飛行状態に対して、例えば最適化された対気速度および高度に対して設計されている。多くの場合、最適化された対気速度および/または高度からの逸脱は、翼端装置を設計よりも非効率的に機能させることがある。これらの効率の損失のいくつかは、翼端装置のアライメントの変化から、ねじり荷重に由来する翼におけるねじれに起因する対向流と一緒に生じることがある。
【0019】
様々な実施形態は、これらの問題のいくつかまたはすべてを軽減または解消するために、様々な飛行状態においてCAMDを複数の位置に展開することを企図している。例えば、CAMDは、第1の飛行状態において第1の量だけ第1の位置に偏ることができ、ここでは、例えば、第1の飛行状態によってねじり荷重を翼上に引き起こす。CAMDの第1の位置への偏向は、翼上のねじり荷重に逆らって作用する空気力学的な力を引き起こす流れを、翼上に生じさせることができる。様々な実施形態は、第1の飛行状態において翼のねじり荷重に逆らって作用することが、以前に追加された構造的補強の除去、および/または、構造的補強を第1の場所に追加することの回避を可能にすることを企図している。様々な実施形態は、このやり方または別のやり方でのCAMDの使用が、アフターマーケット交換、またはそれらの組み合わせとして、航空機の元の設計に組み入れられ得ることを企図している。例えば、航空機を、該航空機にCAMDが組み入れられない所定のフライトエンベロープのために設計することができる。しかしながら、別のフライトエンベロープにおいて機能するように航空機を改変することが望ましい。新しいフライトエンベロープは、追加のおよび/または種々の翼端装置、翼拡張部、軽量化、それらの組み合わせ、または他の改変を必要とする場合がある。様々な実施形態は、CAMDの装備により、航空機が異なるフライトエンベロープを、例えば必要な構造的補強の量を減少させることによって増大した効率で実行することを可能にし得ることを企図している。追加でまたは別のものとして、CAMDの組み入れは、航空機が、従来の方法および既存の技術では達成できない可能性があるフライトエンベロープの部分に到達できるようになることを可能にする。
【0020】
追加でまたは別のものとして、様々な実施形態は、翼端装置を適切なアライメントにまたは該アライメントのより近くに維持する位置にCAMDを展開することを企図している。例えば、所与の飛行状態において、翼上に働く空気力学的負荷がねじり荷重を引き起こして、翼をねじれさせることができる。このねじれは、翼および対向流に対する好適なアライメントから翼端装置を逸脱させることがある。様々な実施形態は、ある位置にCAMDを展開することで、ねじり荷重を打ち消す空気力学的な力を引き起こし得ることを企図している。この反作用力は、いくらかのまたは全部のねじり荷重を相殺することができ、並びに、翼が翼内の効果的なねじれを軽減または排除することができ、および、翼端装置が翼および対向流に対する好適なアライメントにより近づくまたは戻ることができるようにする。
【0021】
多くの場合、航空機は、フライトエンベロープの特定の領域におけるフラッタを回避するように設計されている。しかし、多くの場合、フラッタは、特定の飛行状態および燃料荷重においてクリティカルであることがある。フラッタ状態の発症は、他の要因の中で、多くの場合、高度、真対気速度に対し敏感である。これらの要因の多くの場合の結果は、フライトエンベロープの限られた領域においてフラッタを回避するように、航空機が設計されることである。また、フラッタを軽減する従来の方法は、多くの場合、バラストを翼の部分に追加することを含む。追加のバラストがフライトエンベロープの特定の部分においてフラッタを制限するのに有効であり得る一方で、追加のバラストは、航空機の総重量にしばしば追加され、および、航空機の全体的な効率を低下させる場合がある。さらに、バラストから追加された重量は、バラストによって全フライトエンベロープにわたって引き起こされる応力の増大を支持するように、翼の部分に追加の構造的補強を引き起こす可能性がある。これにより、さらに、全体の効率を低下させることができる。
【0022】
様々な実施形態は、様々な飛行状態において位置(複数)にCAMDを展開して、これらの問題の一部またはすべてを軽減または解消することを企図している。例えば、フラッタ状態に入ることを回避するのに十分な翼の高調波応答を変化させることがある、特定の飛行状態における翼上の荷重を変更するために、CAMDを実質的に静止位置に展開することができる。これはまた、任意のバラストおよび支持構造の、航空機からの減少、除去、および/または回避を可能にして、クリティカルなフラッタ状態を回避する。追加でまたは別のものとして、これは、複数の可能なフラッタ状態、そうでなければ、フライトエンベロープの対処されていない領域に対処することを可能にすることができる。
【0023】
追加でまたは別のものとして、様々な実施形態は、特定の飛行状態において複数の位置に周期的なやり方でCAMDを展開することを企図している。様々な実施形態は、フラッタ状態の強化モードを部分的にまたは完全に相殺する、および/または、中断することがある空気力学的な力を、周期的な位置の変化により引き起こすことができることを企図している。これは、航空機が特定のフラッタ状態に入ることを回避することを可能にする。これはまた、任意のバラストおよび支持構造の、航空機からの減少、除去、および/または回避を可能にして、クリティカルなフラッタ状態を回避する。追加でまたは別のものとして、これは、複数の可能なフラッタ状態、そうでなければ、フライトエンベロープの対処されていない領域に対処することを可能にすることができる。
【0024】
様々な実施形態は、このやり方または別のやり方でのCAMDの使用が、アフターマーケット交換、またはそれらの組み合わせとして、航空機の元の設計に組み入れられ得ることを企図している。例えば、航空機を、該航空機にCAMDが組み入れられない所定のフライトエンベロープのために設計することができる。しかしながら、別のフライトエンベロープにおいて機能するように航空機を改変することが望ましい。新しいフライトエンベロープは、追加のおよび/または種々の翼端装置、翼拡張部、軽量化、それらの組み合わせ、または他の改変を必要とする場合がある。様々な実施形態は、CAMDの装備により、航空機が異なるフライトエンベロープを、例えば必要な構造的補強の量を減少させることによって増大した効率で実行することを可能にし得ることを企図している。追加でまたは別のものとして、CAMDの組み入れは、航空機が、従来の方法および既存の技術では達成できない可能性があるフライトエンベロープの部分に到達できるようになることを可能にする。追加でまたは別のものとして、様々な実施形態は、CAMDが、航空機の他の制御面と独立して、または連動して動作し得ることを企図している。
【0025】
追加でまたは別のものとして、航空機の空気力学的特性に影響を与える可能性がある様々な追加の外部構造を、航空機に追加してもよい。例えば、外部構造の追加。例示のために、外部構造は、外部燃料タンク、外部ポッドを備えていてよい。例えば、軍用機はしばしば、外部兵器、防衛武器、銃器ポッド、標的ポッド、および/または投下タンクを翼に取り付けることができる。様々な実施形態は、翼への様々な外部構造体の追加が、飛行状態における望ましくない周期的な荷重を生じさせる可能性があることを企図している。追加でまたは別のものとして、翼への様々な外部構造の除去が、飛行状態における望ましくない周期的な荷重を生じさせる可能性がある。追加でまたは別のものとして、翼への様々な外部構造体の追加が第1の望ましくない周期的な荷重を第1の飛行状態において生じさせる可能性があり、および、様々な外部構造の翼からの除去が第2の望ましくない周期的な荷重を第2の飛行状態において生じさせる可能性がある。様々な実施形態は、第1の望ましくない周期的な荷重が、第2の望ましくない周期的な荷重と同一でも、類似していても、または異なっていてもよいことを企図している。追加でまたは別のものとして、様々な実施形態は、第1の飛行状態が、第2の飛行状態と同一でも、類似していても、または異なっていてもよいことを企図している。
【0026】
様々な実施形態は、動的および/またはねじり荷重を検出して反応することにより、CAMDが、周期的荷重による翼上の悪影響を軽減または除去することができる有利な空気力学的荷重を発生させる制御面を偏向させることによる構造的な保護を提供し得ることを企図している。
【0027】
上述したように、本開示は、単一のまたは複数の制御可能空気流修正装置を使用し得るアクティブ型空気流修正システムについて説明する。例えば、航空機は、基準翼を持った胴体を備えることができ、基準翼は、該基準翼の第1の端部において胴体に結合される。追加でまたは別のものとして、様々な実施形態では、翼は、限定はされないが、エルロン、フラップ、フラッペロン、スポイラー、スポイレロン(spoilerons)、スピードブレーキ、前縁装置、反り可能部、タブ、エレベータ、エレボン、制御可能な気流修正装置、またはそれらの組み合わせを含む制御面を備え得ることを企図している。例えば基準翼は、例えばエルロンを含む制御面を有することができる。航空機は翼拡張部も含むことができる。翼拡張部は第2の端部において基準翼に結合される水平部分を備えることができ、そのため、水平部分は基準翼の外側寄りにある。水平部分は実質的には基準翼と同一平面上にあってよく、例えば基準翼が上反角構成または下反角構成を有する場合、水平部分が上反角構成または下反角構成を続ける同じ角度で基準翼から外向きに続くことができることを意味する。追加でまたは別のものとして、水平部分は基準翼に対して斜めに設定されてよく、例えば基準翼に対して翼拡張部で上反角または下反角を提供する。また、翼拡張部は、翼拡張部の水平部分に直接的に結合される単一のまたは複数の制御可能空気流修正装置(CAMD)も備えることができる。水平部分は、第1の水平セグメントと、第1の水平セグメントが基準翼と第2の水平セグメントとの間に配置される第2の水平セグメントを備えることができる。ここで、第1の水平セグメントは、複数のCAMDのうちの第1のCAMDに直接的に結合されてよく、第2の水平セグメントは、複数のCAMDのうちの第2のCAMDに直接的に結合することができる。別の言い方をすると、第1のCAMDを含む第1の水平セグメントは、基準翼の外側寄りに、且つ、第2のCAMDを含む第2の水平セグメントの中心寄りに位置することができる。
【0028】
CAMDは、基準翼の縁部に配置された制御面を含むことができる。例えば、縁部は前縁部(leading edge)でも後縁部(trailing edge)でもよい。例えば、制御面を基準翼に実質的に平行になるように、基準翼の後縁部に配置することができる。CAMDは、制御面の動きを少なくとも部分的に飛行中の荷重データに基づいて制御するための制御システムも備えることができる。制御面は、航空機のために、少なくとも部分的に飛行履歴データに基づいて構成することができる。制御システムは、航空機上に位置するセンサに通信で結合され、センサから信号を受信するように構成することができる。さらに、制御システムは、別のCAMDの制御面とは独立の、CAMDの制御面を制御するように構成することができる。追加でまたは別のものとして、制御システムは、第2のCAMDと同期している第1のCAMDの制御面を制御するように構成することができる。
【0029】
様々な実施形態は、航空機の基準翼に固定して取り付け可能である翼拡張部を提供する。ここでは、翼拡張部は、航空機の基準翼に実質的に平行な水平部分を備えることができ、航空機の基準翼の外側寄りの部分に固定して取り付けるように、水平部分を構成することができる。翼拡張部はまた、翼拡張部の水平部分に結合される複数のCAMDを備えることができる。翼拡張部は、水平部分の外側寄りの部分に直接的に結合され得る翼端装置をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、翼端装置は鉛直に拡張する部分も備えることができる。鉛直に拡張する部分は鉛直方向に少なくともいくらかは拡張するが、水平部分に対してまたは水平面に対して垂直である必要はない。言い換えると、鉛直に拡張する部分は、鉛直成分を含む角度で水平部分から拡張する。
【0030】
CAMDは、CAMDの制御面を制御するための制御システムに結合することができる。様々な実施形態では、制御システムは、航空機のオートパイロットシステムおよび/またはフライバイワイヤシステムとは独立にCAMDを制御するように構成することができる。制御システムは、制御ロジックを持った制御装置を備えていてよく、制御装置は航空機上に位置するセンサと通信で結合するように構成することができる。制御装置は、センサに結合されるときに、航空機上に位置するセンサから航空機の飛行状態に対する信号を受信するように構成することができる。制御装置は、航空機上に位置するセンサからの信号に少なくとも部分的に基づいてCAMDを調整するようにさらに構成されている。
【0031】
様々な実施形態は、アクティブ型空気流修正システムの使用を提供する。例えば、システムは航空機上に位置するセンサから飛行状態データを受信することができる。システムは、受信した飛行状態データに少なくとも部分的に基づいて、航空機の翼拡張部上に位置する単一または複数のCAMDを調整することができる。いくつかの実施形態では、CAMDは、航空機の基準翼に実質的に平行であり得る翼拡張部の水平部分上に位置することができる。CAMDは、ヒンジに結合される1つの端縁以外の制御面の端縁が翼拡張部の水平部分に関して上または下に移動するように、制御面を水平軸に沿ったヒンジにおいて回転させることによって調整することができる。CAMDの調整は、翼の圧力の中心を機内に移動させることによって航空機の翼の翼面荷重を削減し、および/または航空機の翼の疲労寿命に与える翼拡張部の影響を削減するように構成することができる。ここでは、例えば、翼面荷重は、翼の曲げモーメントおよび/または捻りモーメントを含むことがある。追加でまたは別のものとして、CAMD(複数)の調整は、フラッタに関連する動的および/または高調波荷重を低減または抑制することができる。この荷重は、翼の長手方向の軸に沿ったねじり荷重である可能性がある。例えば、この長手方向の荷重は、翼の第1の局所部分にピッチアップおよび/またはピッチダウンする傾向を引き起こし、一方では、翼の第2の局所部分に、第1の局所部分よりも大きなまたは小さな程度で、位相が合って、位相がずれて、または異なる周波数で、ピッチアップおよび/またはピッチダウンする傾向を引き起こす可能性がある。
【0032】
CAMDは、互いとは独立して、または互いに連携して調整することができる。例えば、第1のCAMDは、第2のCAMDとは独立にすることができる。追加でまたは別のものとして、第1のCAMDは第2のCAMDと連携して調整することができる。例えば、第1のCAMDを、第1の制御反応を提供することによって調整してよく、第2のCAMDを、第2の制御反応を提供することによって調整することができる。様々な実施形態は、第2の制御反応の大きさを、第1の制御反応の大きさよりも大きくなるように規定する。様々な実施形態は、第1の制御反応のタイミングを第2の制御反応のタイミングよりも遅くなるように規定する。様々な実施形態は、同一の翼拡張部に存在する第1のCAMDおよび第2のCAMDを提供する。
【0033】
様々な実施形態は、複数のCAMDを用いた実施形態を企図しており、ここでは、第1のCAMDが第1のタイプの荷重に対処することができ、第2のCAMDが第2のタイプの荷重に対処することができる。例えば、機内CAMDが突風荷重に対する荷重軽減に対処することができる一方で、機外CAMDは、フラッタ誘発飛行レジメへのねじり荷重または遷移に対する荷重軽減に対処することができ、或いは、その逆である。追加でまたは別のものとして、単一のCAMDは、突風荷重、および、フラッタ誘発飛行レジメへのねじり荷重または遷移に対する、一部のまたはすべての負荷軽減に、CAMDの応答運動を重ね合わせることで対処することができる。
【0034】
追加でまたは別のものとして、フラッタ状態に対するCAMDの応答は、フラッタ誘発飛行状態が検出され、予想され、または疑われ、またはそれらの組み合わせの間、CAMDの高調波または周期的な動きまたは変位、CAMDの静的変位(または中立バイアス)であってよい。
【0035】
実例的なアクティブ型翼拡張部
図1は、航空機(図示せず)の翼102に取り付け可能である実例的なアクティブ型翼拡張部100を示す。一実施形態では、アクティブ型翼拡張部100は、水平面および/または航空機の翼に実質的に平行であり得る本体部分104を備えることができる。例示のために、限定ではなく、アクティブ型翼拡張部100はまた、例えば本体部分104の外側の傾斜部分106および本体部分104の内側の取付け可能部分108等の翼端装置を含むことができる。この例では、翼102に関して本体部分104の外側および内側は、外側が内側よりも、翼102からより遠くであるように説明される。さらに、傾斜部分106は、傾斜部分が本体部分104から垂直に突出するように、本体部分104に対して実質的に鉛直であってよい。しかし、他の実施形態では、傾斜部分106は90度以外の角度で本体部分104から突出するように構成することができる。さらに他の実施形態では、傾斜部分106は、(航空機に対して)下方に突出することを含む角度で本体部分104から突出するように構成することができる。さらに、傾斜部分106は本体部分104の外側から突出するとして上述したが、アクティブ型翼拡張部100を、傾斜部分106が本体部分104の中間または任意の他の場所から突出し得るように設計してもよい(つまり、傾斜部分106が本体部分104の内側と外側との間の任意の位置に位置し得る)。さらに、傾斜部分106は、本体部分104から傾斜部分106へ実質的に円滑に遷移する融合した構成で本体部分104の外側から突出するように図1に示されているが、本体部分104と傾斜部分106との間の遷移は、融合するおよび/または円滑となる必要はない。追加でまたは別のものとして、傾斜部分106は、垂直または移動可能な複数の表面であって、特定の構成においては実質的に垂直であってもよい複数の表面を有していてよい。追加でまたは別のものとして、傾斜部分106は、翼102の下方に、翼102の上方に、またはそれらの組み合わせで延びていてもよい。追加でまたは別のものとして、傾斜部分106は、翼102の端部から、例えばらせん状翼端装置の外側部分の一部としてオフセットしていてよい。追加でまたは別のものとして、本体部分104および傾斜部分106は、単独でまたは組み合わせて、小翼、エンドプレート、らせん、スプリット小翼、フェンス、傾斜、スワロー、またはテールの少なくとも一部、またはそれらの組み合わせを備えていてよい。
【0036】
アクティブ型翼拡張部100は、本体部分104および/または傾斜部分106上に位置する1つまたはもっと多い制御面112の形をとる制御可能空気流修正装置(CAMD)110を含むことができる。さらに例として、一実施形態では、CAMD110は、アクティブ型翼拡張部100の本体部分104上に位置することができる。別の実施形態では、CAMD110は、アクティブ型翼拡張部100の傾斜部分106上に位置することができる。さらに別の実施形態では、CAMD110は、アクティブ型翼拡張部100の本体部分104と傾斜部分106の両方の上に位置することができる。さらに、例示のために図1に示す実施形態では、CAMD110は、アクティブ型翼拡張部100の後部(つまり、航空機の前部に対して、アクティブ型翼拡張部100の裏側または後縁部)上に位置して示される。このようにして、CAMD110の調整は、制御面112が位置するアクティブ型翼拡張部100の後部分(本体部分104または傾斜部分106)に対して、制御面112の角度を変更することができる。さらに、図1に示されるように、アクティブ型翼拡張部100は、2つのCAMD110を含むことができる。ただし、他の実施形態では、航空機の大きさおよび所望される性能特性等の様々な要因に応じて、より多くのまたはより少ないCAMD110を使用することができる。
【0037】
さらに、図1に例示のために示すように、傾斜部分106は、基本的な台形形状として示されている。しかし、傾斜部分106は、矩形、三角形、楕円形、または任意の他の幾何学形状であってよい。さらに、傾斜部分106上に位置する空気流制御面112は、アクティブ型翼拡張部100の本体部分104上に位置する空気流制御面112と類似の形状または同一形状であってよい。
【0038】
さらに、図1のアクティブ型翼拡張部100は、一例として、また限定でなく、アクティブ型翼拡張部100上の本体部分104内に位置する1つまたはもっと多いセンサ114を示す。ただし、1つまたはもっと多いセンサ114は、アクティブ型翼拡張部100の、または航空機の他の場所に配置してもよい。例えば、1つまたはもっと多いセンサは、傾斜部分106の上に、(航空機に対して)本体部分104の前部つまり前縁部に、(航空機に対して)本体部分104の後部に、翼拡張部100の表面に、翼拡張部100の内側に(つまり翼拡張部100の表面内に位置する)、例えば基準翼、胴体、尾部等を含む航空機内の何処に位置していてもよい。
【0039】
また、図1に例示のために示すのは、上述したアクティブ型翼拡張部100の取り付け前の航空機(図示せず)の実例的な翼102である。翼102は、エルロン116およびフラップ118を含むことができる。エルロン116およびフラップ118は航空機の飛行制御に使用されてよく、いくつかの実施形態では、航空機の1人または複数のパイロットによって制御することができる。翼102は、航空機(図示せず)の基準翼として説明することができる。基準翼は、翼拡張部100によって置換することができる、または翼拡張部100によって外向きに拡張することができる翼端部、および/または、翼端装置を含むことも、含まないこともある。
【0040】
また、図1はまた、アクティブ型翼拡張部100に結合される実例的な翼102を含み得る実例的な改良された翼120を示す。改良された翼120は、(例えば、その最初の製造中に航空機中に統合されるアクティブ型翼拡張部を備えた)新しい航空機用に設計され、作られ得る、または、事後にアクティブ型翼拡張部100を既存の翼102に取り付けることができる。改良された翼120のアクティブ型翼拡張部100は、既存の翼102と類似した形状で構成することができる。さらに、また例示のために、翼拡張部100は、既存の翼102の端部の一部がアクティブ型翼拡張部100の取付け可能部分108の内部に常駐するように、既存の翼102の一部の上に収まっていてよい。その場合、取付け可能部分108は、既存の翼102の端部の少なくとも一部の上に収まるスリーブまたはカラーを含むことができる。他の実施形態では、追加でまたは別のものとして、アクティブ型翼拡張部100は、当接面を介しておよび/または内部構造サポートを介して、既存の翼102の端部を取付け可能部分108に留めることによって、既存の翼102に取り付けることができる。さらに、翼拡張部100は、既存の翼102と同一のまたは類似の材料から製作することができる。
【0041】
図2は、航空機の翼102に取り付けられ得る実例的なアクティブ型翼拡張部200を示す。一実施形態では、アクティブ型翼拡張部200は、水平面および/または航空機の翼に実質的に平行であり得る本体部分202を含むことができる。例示のために、また限定でなく、アクティブ型翼拡張部200はまた、翼端装置(図示せず)および本体部分202の内側の取付け可能部分204を含むことができる。この例では、本体部分202の外側および内側は、外側が内側よりも、翼102からより遠くなるように翼102に関して説明される。
【0042】
アクティブ型翼拡張部200は、本体部分202上に位置する1つまたはもっと多い制御面208の形をとるCAMD206を含むことができる。例示のために図2に示す実施形態では、CAMD206は、アクティブ型翼拡張部200の後部(つまり、航空機の前部に対して、アクティブ型翼拡張部200の裏側または後縁部)上に位置して示される。このようにして、CAMD206の調整は、アクティブ型翼拡張部200の後部分(本体部分202)に対して制御面208の角度を変更することができる。さらに、以下で説明するように、アクティブ型翼拡張部200は、2つ以上のCAMD206を含むことができる。しかし、他の実施形態では、航空機の大きさおよび所望される性能特性等の様々な要因に応じて、より多くのまたはより少ないCAMD206を使用してもよい。
【0043】
さらに、図2のアクティブ型翼拡張部200は、例示のために、また限定でなく、アクティブ型翼拡張部200上の本体部分202内に位置する1つまたはもっと多いセンサ210を示す。ただし、1つまたはもっと多いセンサ210は、アクティブ型翼拡張部200または航空機の他の位置に配置してもよい。例えば、1つまたはもっと多いセンサは、(航空機に対して)本体部分202の前部すなわち前縁部上に、(航空機に対して)本体部分202の後部上に、(航空機に対して)本体部分202の後部と前縁部の間に、翼拡張部200の表面上に、翼拡張部200の内側に(つまり、翼拡張部の表面内に位置する)、例えば基準翼、胴体、尾部等、またはこれらの組み合わせを含む航空機内の何処に位置してもよい。
【0044】
図2にまた、例示のために示されるのは、上述したアクティブ型翼拡張部200の取付け前の航空機(図示せず)の実例的な翼102である。翼102は、エルロン116およびフラップ118を含むことができる。エルロン116およびフラップ118を、航空機の飛行制御に使用してもよく、いくつかの例では、航空機の1人または複数のパイロットによって制御することができる。翼102は、航空機(図示せず)の基準翼として説明することができる。基準翼は、翼拡張部200によって置換され得る、または翼拡張部200によって外向きに拡張され得る、翼端部および/または翼端装置を含むことも含まないこともある。さらに、翼拡張部200は、基準翼の構造に結合するように構成されてよく、例えば、翼拡張部200は、基準翼内の1つまたはもっと多い翼桁に結合する1つまたはもっと多い翼桁拡張部(図示せず)を有することができる。
【0045】
図2または、アクティブ型翼拡張部200に結合される実例的な翼102を含むことができる、実例的な改良された翼212を示す。改良された翼212は、(例えば、アクティブ型翼拡張部がその最初の製造中に航空機中に統合された)新しい航空機用に設計され、作られ得る、または事後にアクティブ型翼拡張部200を既存の翼102に取り付けることができる。改良された翼212のアクティブ型翼拡張部200は、既存の翼102と類似した形状で構成することができる。さらに、また例示のために、翼拡張部200は、既存の翼102の端部の部分がアクティブ型翼拡張部200の取付け可能部分204の内部に常駐するように、既存の翼102の一部の上に収まっていてよい。その場合、取付け可能部分204は、既存の翼102の端部の少なくとも一部の上に収まるスリーブまたはカラーを含むことができる。他の実施形態では、追加でまたは別のものとして、アクティブ型翼拡張部200は、当接面を介しておよび/または内部構造サポートを介して、既存の翼102の端部を取付け可能部分204に留めることによって、既存の翼102に取り付けることができる。さらに、翼拡張部200は、既存の翼102と同一のまたは類似の材料から製作することができる。
【0046】
アクティブ型翼拡張部を備えた実例的な航空機
図3は、少なくとも1つの取り付けられたアクティブ型翼拡張部304を含む航空機302に実装される実例的な荷重軽減システム300を示す。荷重軽減システム300の構成部品は、センサ314、アクティブ型翼拡張部(複数も可)304、制御システム306、CAMD(複数も可)318、および制御面(複数も可)312を含むことができる。例示のために、また限定でなく、図3は、航空機302の各翼上のアクティブ型翼拡張部304を示す。しかし、アクティブ型翼拡張部304は、航空機302の他の面に設置されてもよい。例えば、アクティブ型翼拡張部304は、図示されるように翼上に位置することもあれば、アクティブ型翼拡張部302は、尾翼または胴体を含む航空機の任意の他の水平面または鉛直面上に位置してもよい。
【0047】
上述したように、荷重軽減システム300は制御システム306を含むことができる。制御システム306は、航空機302のアクティブ型翼拡張部304を制御するように構成することができる。例示のために、また限定でなく、制御システム306は飛行状態データを含むが、これには限定されないシステムデータを受信し、処理するための1台またはもっと多いプロセッサ308を含むことができる。一実施形態では、プロセッサ(複数も可)308は、センサ314から飛行中のデータを受信することができる。図1およびセンサ114に関して上述したように、センサ314は、翼、胴体、翼拡張部、および/または、翼端装置を含む航空機の何処にでも位置することができる。制御システム306はさらに、飛行状態データ記憶用のメモリ310から構成することができる。メモリ310に記憶されるデータは、以前に受信した飛行状態データ、現在記録している(つまり、現在の飛行中の)飛行状態データ、または現在の飛行中のデータ、および/または、以前に記録された飛行中のデータの編集物を含むことができる。例示のために、制御システム306のメモリ310は、オペレーティングシステム312および制御ロジック316を含むことができる。
【0048】
オペレーティングシステム312は、データをプロセッサ(複数も可)308にインタフェースして、および、ユーザインタフェース(図示せず)を航空機302の1人または複数のパイロットとの対話のために提供して、制御システム306の操作を担うことができる。追加でまたは別のものとして、オペレーティングシステム312は、ユーザインタフェースを備えずにデータをプロセッサ(複数も可)308にインタフェースして、制御システム306の操作を担うことがあり、ユーザには、例えばパイロットには実際上見えない場合がある。制御システム306の制御ロジック316は、アクティブ型翼拡張部304のCAMD(複数も可)318の制御面(複数も可)312を操作するように構成することができる。一実施形態では、制御ロジック316は、センサ(複数も可)314から受信される飛行状態データに基づいて、制御面(複数も可)312を制御することができる。さらに、パラメータ320をメモリ310に記憶することができる。パラメータは所定のパラメータであってよく、制御ロジック316が、制御面(複数も可)312の動作を判定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、制御システム306は、同時にまたは独立して、制御面312を操作することができる。例示のために、図3の制御システム306は、航空機302の胴体および/または艇体内に示されている。しかし、制御システム306は、コックピット、尾部、翼、翼拡張部、翼端装置等を含むが、これに限定されるものではない航空機の何処にでも位置することができる。
【0049】
上述したように、荷重軽減システム300は、CAMD(複数も可)318および制御面(複数も可)312を含むアクティブ型翼拡張部(複数も可)304を含むことができる。様々な実施形態では、アクティブ型翼拡張部304は、複数の制御面312を持つ複数のCAMD318を含むことができる。例えば、図3は、2つのCAMD318を含むアクティブ型翼拡張部304を備えた航空機302を示し、各CAMD318は制御面312と関連付けられている。
【0050】
実例的な空気流修正装置の構成
図4A乃至図4Hは、翼拡張部および/または翼端部代替物、CAMD、翼端装置の様々な実例的な実施形態を示す。例えば、図4Aは、翼または別の拡張部に対する翼拡張部としても作動し得る水平部分402を含むことのできるCAMD400を示す。CAMD400は、例えば小翼等の翼端装置404を含むことができる。翼端装置404は、CAMD400の中に統合されることも、CAMD400から別個であることもある。CAMD400は、飛行データを制御システム408に提供するためにセンサ406を含むことができる。制御システム408は、コントローラ(複数も可)(図示せず)および制御面410を制御するように構成されたアクチュエータ(複数も可)(図示せず)を含むことができる。制御面112に関して上述した制御面410は、水平部分402の後部分に対して動くことができる。CAMD400は、本体部分104に関して上述したように、水平部分402の機内側の取付け可能部分412を含むことができる。
【0051】
図4B乃至図4Eは、CAMDが翼拡張部中に統合された、翼拡張部の様々な実例的な実施形態を示す。例えば、図4Bは、CAMD416を含み得る翼拡張部414を示す。CAMD416は、制御システム408および制御面410を含むことができる。制御面410は多様な形をとり、翼拡張部の多様な距離に及ぶことができる。翼拡張部414、418、420、および422は、制御面410の考えられる構成のうちのいくつかを示している。例えば、翼拡張部414は、翼拡張部414の全長未満の長さに及ぶ制御面410を含み、翼拡張部414の図面は、制御面410の各端部にある。制御面410の各端部にある翼拡張部414の図面は、等しい大きさでよいが、等しい必要かあるわけではない。様々な実施形態は、制御面410の種々のサイズを企図している。例えば、ねじり荷重および/またはフラッタ低減に対処するために用いられる制御面410は、突風荷重軽減に対処するために使用される制御面410よりも小さいまたは大きい表面積を有していてよい。
【0052】
図4Cは、翼拡張部418の全長未満の長さに及ぶ制御面410を含み、翼拡張部418の図面は、例えば翼拡張部418の中心寄りの端部上等、制御面410の1つの端部にある。図4Dは、翼拡張部420の全長に及ぶ制御面410を含む翼拡張部420を示している。図4Eは、翼拡張部422の全長未満の長さに及ぶ制御面410を含み、翼拡張部422の図面は、例えば翼拡張部422の外側寄りの端部上等、制御面410の1つの端部にある。
【0053】
図4Dは、制御面410をおおよそくさび形として示しているが、制御面はエアフォイルの輪郭に従う必要はない。例えば、制御面は実質的に平面的であってよい。
【0054】
図4F乃至図4Gは、拡張部中に統合された複数のCAMDを含み得る翼拡張部を示す。例えば、図4Fは、2つのCAMD416を含み得る翼拡張部424を示す。図4Gは、3つのCAMD416を含み得る翼拡張部426を示す。翼拡張部の中に統合されるCAMDの数は必ずしも3つに限られない。CAMDの数は、特に航空機、航空機の構成、特務飛行、操作環境、所望される性能パラメータ、製造技法および製造材料、並びにハードウェアに左右されることがある。さらに、後述するように、1つまたはもっと多いCAMDを備えた複数の翼拡張部は、モジュラリティの度合を維持しつつ、所望される構成を達成するために互いに連携して使用することができる。
【0055】
図4Hはまた、小翼428および翼端部430を含む多様な翼端装置を示す。翼端装置は、小翼、フェンス、スピロイド、傾斜した翼端部、四角に削った先端、アルミ管湾曲部、曲線的、ヘレナースタイル、垂下先端、先端タンク、セイル、およびエンドプレートを含むことができるが、これらに限定されない。翼端装置は、アクティブ型翼拡張部と連動して使用することができる。いくつかの場合、アクティブ型翼拡張部の使用により、例えば小翼等、元の航空機が最初は使用できなかった翼端装置の使用を可能にすることができる。追加でまたは別のものとして、翼端装置は制御面を含むことも、含まないこともあり、制御面がアクティブ制御面であることも、ないこともある。
【0056】
航空機用のCAMDのサイジングは多様な要因に依存する可能性がある。例えば、CAMDまたはCAMDを収容する翼拡張部の輪郭は、実質的にはエアフォイル形状432および取付け点での翼弦線434と一致し得る。様々な実施形態では、これは基準翼から翼拡張部への実質的に円滑な遷移を実現することができる。しかし、様々な実施形態は、基準翼とCAMDまたはCAMDを収容する翼拡張部との間に分離性の交差を企図する。さらに、CAMDまたはCAMDを収容する翼拡張部は、CAMDまたはCAMDを収容する翼拡張部を横切る効果的な翼の捻りを支持するように構成することができる。
【0057】
さらに、翼拡張部のスパン方向の長さは、航空機、サイズ、構造、構成、速度、特務飛行、性能、所望される性能、および所望される特務飛行に部分的に基づくことができる。
【0058】
システムの中に統合され得るCAMDの数は、上述した要因だけではなく、翼拡張部のスパン方向長に基づくことができる。また、所望されるCAMDの数は航空機の総重量にも依存する可能性がある。例えば、1セットのCAMDが、約150ノットの比較的に低速で動作する10,000ポンドの比較的に軽量な航空機には十分である場合がある。さらに、10,000ポンドを超える航空機には、2セット以上のCAMDが好ましいことがある。
【0059】
CAMDの数に影響を与えることがある他の要因は、制御面サイズ、偏向角度、結果として生じる航空機の動作速度でのヒンジモーメントおよび偏向角度、並びに、モータ/アクチュエータ動力および認可を含むが、これに限定されるわけではない、CAMDのサイジングであってよい。
【0060】
CAMDの制御面のサイズは、翼拡張部の翼弦のパーセンテージで測定し得る翼弦方向長を含むことができる。この値は、(翼拡張部の翼弦長全体が制御面の一部として動く)翼拡張部の翼弦の100%から、翼拡張部の翼弦の1%未満という低いパーセンテージに及ぶことがある。様々な実施形態では、制御面は、例えばエルロン等、基準翼の隣接するまたは近傍の制御面に対して類似した割合の翼弦長を有するように構成することができる。
【0061】
CAMDのスパン方向の長さまたは幅は、上述した要因に基づいてもよい。さらに、CAMDのスパン方向の長さまたは幅は、製造およびモジュラリティの関連性に基づくこともできる。例えば、CAMDは設定された幅で構成することができる。これは、上述した要因のバランスを表すことがある。例えば、所望される反応または動きを達成するほど十分に速く制御面を動かすために十分な動力および反応時間のモータを選択することが可能な場合がある。
【0062】
実例的な複数の制御可能空気流修正装置の構成
図5A乃至図5Fは、翼、翼拡張部、および/または翼端部代替物、CAMD、並びに翼端装置の様々な実例的な実施形態を示す。例えば、図5Aは、翼形502および翼端装置504を含む基準翼500を示す。基準翼500は、翼拡張部によって置換される、または翼拡張部によって外向きに拡張され得る翼端部および/または翼端装置を含むことも、含まないこともある。
【0063】
アクティブ型翼拡張部の様々な実施形態は、初期の構成から、複数のCAMD(複数も可)を組み込み得る改良された構成に基準翼500を変更することを企図する。例えば、図5Bは、翼形502および翼拡張部424を含む改良された翼506を示す。図4に関して説明したように、翼拡張部424は、例えば2つのような複数のCAMDを含む。改良された翼506は、翼端装置を統合することも、統合しないこともある。例えば、改良された翼506は、四角に削った、または丸みを付けられた翼端部構成を統合することができる。
【0064】
図5Cは、翼形502および翼拡張部414を含む改良された翼508を示す。本実施形態では、2つの翼拡張部414が互いに隣接して、一緒に結合している。この手法では、それ以外の場合モジュラー式となる翼拡張部414から構築された単一の効果的な翼拡張部を作成することができる。図4に関して上述したように、翼拡張部414はCAMDを含む。さらに、改良された翼508は、翼端部造作を含むことができる。この場合、既存の翼端部造作504を使用することができる。
【0065】
図5Dは、翼形502および互いに隣接する翼拡張部414を含む、改良された翼510を示す。ここで、改良された翼510は、例えば小翼512等の翼端部造作を含むことができる。
【0066】
図5Eは、翼形502および互いに隣接する翼拡張部414を含む、改良された翼514を示す。ここで、改良された翼514は、例えばCAMD400等の翼端部造作を含むことができる。図4に関して上述したように、CAMD400は翼端装置だけでなく、翼拡張部も含むことができる。この場合、CAMD400は、小翼だけではなく翼拡張部も提供する。この構成は、改良された翼514ごとに、3つのCAMDを提供することができる。
【0067】
図5Fは、翼形502並びに互いに隣接する翼拡張部518および520を含む、改良された翼516を示す。ここで、存在する場合、例えば根元から先端までのテーパーがついた基準翼のプラットホーム幾何学形状を、翼拡張部518および520を通って広げることができる。例えば翼拡張部520は、翼拡張部520が基準翼502に対して翼拡張部518の外側寄りにあることから、翼拡張部518と比較するとプラットホーム面積がより小さくてよい。
【0068】
上述したように、CAMDの数およびCAMDの構成の広い範囲が考えられる。これにより、システムの柔軟性およびモジュラリティを可能とすることができる。また、これにより、モジュラリティを提供せずに新しい構成ごとにカスタムシステムを作成したシステムよりも、より少ない数の基部パーツ、構成、および、必要とされ得る認証を招来することができる。
【0069】
実例的な空気流修正装置
図6は、図1のアクティブ型翼拡張部100を示し、アクティブ型翼拡張部100の、線A−Aに沿ってとった端面図600を含む。端面図600は、翼拡張部100の本体部分104を横切って通る。さらに、翼拡張部100の本体部分104の端面図600は、アクティブ型翼拡張部100に位置する図3の制御システム306の構成部品の一実施形態を示す。図6に示すように、制御システム306は、翼拡張部100の本体部分104内に位置することができる。しかし、制御システム306は、翼拡張部100の図1の傾斜部分106に、アクティブ型翼拡張部100の他の部分に、または例えば胴体を含む航空機の任意の場所に位置することができる。制御システム306は、CAMD、翼拡張部、および/または、航空機の多様な部分に分散されていてよい。
【0070】
一実施形態では、例示のために、制御システム306は、接続部602を介して、通信でおよび/または機械的に制御面112と結合され得る。図3は、制御システム306から制御面112への1つの実質的にまっすぐな連結器としての接続部602を示している。しかし、接続部602は、曲がり、回転し、枢動することができ、または、接続部602を作るための一連の複数の接続部であってよい。制御システム306と制御面112の間の接続部602は、制御面112を制御システム306に結合するための電子的なリソース、機械的なリソース、または任意の他のリソースによって操作可能とすることができる。制御面112は、制御面112がアクティブ型翼拡張部100の本体に対して、上におよび/または下に、後部端部を回転できるように、ヒンジ、ピボットまたは他の旋回装置604によってアクティブ型翼拡張部100に結合することができる。上述したように、制御システム306によって与えられる、アクティブ型翼拡張部器の制御面112を操作するためのコマンドは、制御システム306が航空機302のセンサ114から受信した飛行状態データに基づくことができる。
【0071】
図7は、アクティブ型翼拡張部100の端面図600を通して見た制御システム306の一実施形態700を示す。図3および図6に関して説明したように、制御システム306は、飛行状態データに基づいてアクティブ型翼拡張部100の制御面112を制御することができる。制御システム306は制御面112に結合することができ、これは、図1に示した空気流修正装置110を表すことがある。制御面112は、制御面112が制御システム306によって与えられるコマンドに関して動くことができるようにするために、ヒンジ、ピボットまたは他の旋回装置304によってアクティブ型翼拡張部100と結合することができる。
【0072】
さらに、例示のために、図7は機械的な制御システム702の実例的な実施形態を示す。機械的な制御システム702は、ばね706に結合されるボブウェイト704を含むことができる。ボブウェイト704は、鉛または機械的な制御システム702を起動し得る他の錘から製作できる。ばね706は、コイルばね、弓形ばね、またはボブウェイト704のために抵抗を生じさせるために使用される任意の他の装置から作ることができる。一実施形態では、例示のために、ボブウェイト704は、結合システム708を介して制御面112に結合されてもよい。例示のために、結合システム708は、剛性の物体、ベルト、鎖、またはボブウェイト704を制御面112に結合するための他のリソースであってもよい。結合システム708は、例示のために、2つの接続点710および712、並びに1つの固定点716とともに示される。結合システム708は、一連の枢動点、角度、または他の接続部を含むことができる。結合システム708は、点714においてばね706と接続するように構成してもよい。
【0073】
一実施形態では、機械システム702は、突風等の飛行中の状態、1人または複数のパイロットによって生じる操縦、または航空機の翼での任意の他の状態に反応するように構成することができる。飛行中の状態に基づいて、ボブウェイト704はばね706を基準に機械システム702内の位置を変更してもよい。例えば、ボブウェイト704は、飛行中の状態に応じて落下、上昇またはそれ以外の場合位置を変更することができる。ボブウェイト704が位置を変更するとき、ボブウェイトは、結合システム708にばね706上の抵抗力を生じせ、接続点710を動かす。その結果、接続点710の動きによって、結合システム708が接続部604に制御面112を調整させるように、接続点712を調整することができる。
【0074】
図8は、アクティブ型翼拡張部100の端面図600を通して見たロジックコントロールシステム802の追加の実施形態800を示す。図3図6、および、図7に関して説明したように、図7の制御システム306に酷似したロジックコントロールシステム802は、アクティブ型翼拡張部100の制御面112を、飛行状態データに基づいて制御できる。例として、また限定でなく、図8の実施形態800は、1つまたはもっと多いセンサ114、ロジックコントローラ804、および、アクチュエータ、例えばモータ806を含むことができる。センサ114は、図1に示されるセンサが代表することができる。センサ114は、ロジックコントローラ804に電子的に結合することができる。ロジックコントローラ804はモータ806と結合することができる。例示のために、モータ806は、電気モータとすることができる。一例では、モータ806は制御面112と結合することができる。モータ806は、受信した飛行中の状態、および、ロジックコントローラ802の中にプログラミングされている所定の飛行状態に応じて制御面112の後部分を。上または下に回転させることができる。さらに、モータ806は、制御面112を作動させる電子リソース、空気圧リソース、油圧リソース、または他のリソースを介して、制御面112と結合することができる。少なくとも一実施形態では、例示のために、モータ806は、制御面112を軸上で枢動させ、後部分を上または下に動かし、ロジックコントローラ802が計算したように、制御面112を調整することができる。
【0075】
ロジックコントローラ804は、アクティブ型翼拡張部100、コックピット(図示せず)、航空機(図示せず)の主胴体、または、航空機内もしくは航空機上に位置する何処に位置していてもよい。飛行状態データは、最初に航空機302上に位置するセンサ114によって受信することができる。情報は、パイロットによる慎重な飛行中の操縦、突風、または航空機に対する条件の変化の他の原因から生じることがある。センサ114が収集した情報をロジックコントローラ804によって受信することができ、データは、分析され、またはそれ以外の場合は処理することができる。1つの例では、ロジックコントローラ804を、航空機の特定の作り、または、型を表することができる所定の飛行状態でプログラミングすることができる。さらに、ロジックコントローラ804は、翼に対するモーメント荷重を最小限に抑えるために、制御面112の位置を飛行中の状態に基づいて計算することができる。換言すると、ロジックコントローラ804は、飛行中の状態を受信し、制御面112の必要とされる位置を判定することができる。さらに、ロジックコントローラ804は、制御面112の制御を達成するために制御コントローラを結合できるモータ806に、信号を送信することができる。例示のために、モータ806は、電子、空気圧、油圧、または任意の他のタイプのモータであってよい。
【0076】
実例的な比較グラフ
図9は、航空機の翼上の位置に対して、航空機の翼での局所的な正規化された揚力係数または揚力分散を比較するグラフ900を示す。図9の翼は、翼の一般的な表示であり、航空機翼の特定の作りまたは型を表すように作られていない。グラフのX軸は翼上の位置を示す。それは翼のセミスパンのパーセンテージ(%)で表されている。翼の長さは表示にすぎず、アクティブ型翼拡張部100を設置し得る翼のサイズを限定するものではない。Y軸は翼上での揚力分散を表す。荷重は、航空機の中心に近づくほど高くなる。グラフ900は単に説明のためであり、航空機が経験することがある荷重分散の一例を示している。グラフ900は、分散された荷重がグラフ上の任意の点でより多くなることがあるのか、それともより少なくなることがあるのかを限定するものではない。グラフ900は、翼が遭遇することがある。分散された荷重の基本的な形状を表している。
【0077】
グラフ900は、1つのダッシュおよび2つの点を用いてグラフ900上の線によって表される、従来の製造翼上での揚力分散を示す。グラフ900はまた、破線で表される、例えば小翼等の翼端装置を持つ従来の翼拡張部が設置されるときの翼上の揚力分散を示す。さらに、グラフ900は、翼端装置を持つアクティブ型翼拡張部100が翼上に組み込まれるときの翼での揚力分散も示す。
【0078】
比較は、例えば小翼等の翼端装置を持った従来の翼拡張部によって生じる揚力分散が翼端部においてより大きくなり得ることを示している。これにより、翼の揚力の中心が外側寄りに移動することがあり、そのために翼の曲げ荷重が増大する場合がある。しかし、翼が荷重軽減システム300を活用するアクティブ型翼拡張部100を有するときは、翼端部での揚力分散は従来の小翼の揚力分散よりも著しく低く低下することがある。グラフ900は、荷重が翼端部の位置(航空機から最も遠く離れた点)でゼロ以下まで低下することがあることを示す。これらの荷重は、航空機が遭遇することがある最大の荷重である、航空機上の設計荷重を表す。
【0079】
アクティブ型翼拡張部制御可能面112が展開されていないとき、アクティブ型翼拡張部100はパッシブ型小翼または固定小翼の同じ効率利点を生じさせる。局所的な正規化された揚力係数が上昇し、翼上の荷重が増大するとき、翼拡張部100での制御面112は翼上の荷重を削減するために調整することができる。一実施形態では、大半の時間は、空気流制御面112が未展開または未偏向である可能性がうる。しかし、別の実施形態では、制御面を、翼上の荷重が元の設計荷重に近づいたときだけ展開することができる。
【0080】
図10は、アクティブ型翼拡張部システム、アクティブ型システムを備えていない小翼を持つ翼、および標準的な翼の翼設計応力の比較を表すグラフ1000を示す。設計応力または設計荷重は、翼構造が負うように設計される臨界荷重である。X軸は、航空機の翼の長さに沿った位置を表す。単位は、翼のセミスパンのパーセンテージ(%)で示される。翼の長さは表示にすぎず、アクティブ型翼拡張部100が設置され得る翼の大きさの限定ではない。さらに、図10では、Y軸は翼に対する荷重を表す。この荷重は設計ルート曲げモーメント荷重を示す。比較は、翼が担う標準的な荷重を示す。グラフ1000は説明のためだけであり、決して限定的となることを企図されていない。ルート曲げモーメント荷重は、変化する翼の作りおよび型に対してより大きくなる、またはより小さくなることがある。グラフ1000は、翼拡張部および/または小翼がアクティブ型システムなしで追加されるときの翼の荷重も示す。さらに、グラフ1000は、翼拡張部および/または小翼が翼に追加されるときの翼に対する荷重も示す。
【0081】
荷重軽減システム300が翼拡張部100上で有効にされた状態では、設計モーメント荷重は、アクティブ型システムを備えない小翼を持つ翼上の設計荷重よりも低いことがある。さらに、荷重軽減システム300が翼拡張部100上で有効にされた状態では、モーメント荷重は、翼拡張部および/または小翼が設置されていない翼に対する荷重よりも低いことがある。従来の小翼および拡張部は、荷重倍数の関数として翼応力を増大し、翼の疲労寿命を実質的に短縮する。「g当たり応力」曲線の傾きは通常線形であり、パッシブ型小翼の追加は傾きを増し、翼の予想寿命および計算寿命を削減する。アクティブ型翼拡張部は、この曲線の傾きが元の曲線の傾きと同じ、または元の曲線の傾きよりも低くなるようにこの曲線の傾きを削減する。
【0082】
空気流修正装置の実例的な制御
上述したように、コントローラは、航空機が例えば突風操縦に遭遇している、または、フラッタが発生し得る飛行レジメに入っている可能性がある、現在の飛行状態を反映する飛行データを受信することができる。このデータは航空機内のセンサによって提供されてよく、飛行状態データに変換することができ、または飛行状態データの形でコントローラによって受信することができる。このデータに基づいて、コントローラは、所望される場合、現在の飛行状態に対応するために制御面を動かす。例えば、航空機が鉛直方向で突風に遭遇している場合、センサは、例えば加速度計からの電圧の変化を通じて突風を感知し、そのデータをコントローラに送信することができる。コントローラはこのデータを受信し、翼拡張部の1つまたはもっと多いCAMDを調整することができる。調整により、CAMDの制御面を偏向させ、翼拡張部によって生じる揚力を削減することができる。
【0083】
追加でまたは別のものとして、フラッタが発生する可能性のある飛行レジメに航空機が遭遇し始める場合、第1の方向において垂直な動きを示す加速度計または歪みゲージからの電圧の変化を第1のセンサが検出することができる一方で、第2のセンサは、第2の方向において垂直な動きを示す加速度計または歪みゲージからの電圧の変化を検出することができる。様々な状況において、これは、翼に沿ったトルクまたはねじれを示すことができる。この指示は、フラッタに固有の、ピッチングおよび/または急落する動きに関連している可能性がある。コントローラは、このデータを受信して、翼拡張部の1つまたはもっと多いCAMDを調整することができる。調整により、翼拡張部、翼、および/または飛行レジメによって発生されるトルクをCAMDの制御面が減少させることができる。
【0084】
追加でまたは別のものとして、様々な実施形態は、翼の構造に取り付けられたリニアおよび/または回転センサ、マイクロロードセル、および/または歪みゲージ、および/または、翼および/または翼拡張部内の複数のポイントに取り付けられた加速度計を使用してねじれを検出することを企図している。追加でまたは別のものとして、センサはまた、限定はされないが、翼の桁に組み込まれてモーメントおよびねじりの変化を検出するための歪みゲージ、翼の前方および後方部分に取り付けられてフラッタに固有の「ピッチングおよびプランジング」モーションを検出するための加速度計、航空機の飛行状態を検出するための圧力および温度センサ、および/または、翼の変形を検出するためのリニアおよび回転位置センサを含むことができる。
【0085】
システムは、小翼の水平または垂直部分上の空気力学的表面の前縁部および/または後縁部を使用して、増大したねじれを緩和するようにCAMD取り付け周囲の空気の流れを変更することができる。ねじれを緩和するために使用する面は、既存の荷重軽減面であってもよいし、または、ねじれに対処するように特別に設計された、より小さな独立した面であってもよい。
【0086】
追加でまたは別のものとして、これらの同一面を使用してフラッタを減衰させることができ、または、特定の力を生成するように設計された面を使用することができる。これらの面は、単純なフラップであってもよいし、スピードブレーキまたはドラッグラダーと類似していてよい。フラッタ減衰はまた、フラッタと位相がずれて振動し、および/または、フラッタ誘発状態に対し翼の応答を同調させるように位置を変更することができる小さな動く塊の物体を、翼または小翼の構造の内部に使用して達成することができる。
【0087】
アクティブなシステムを支援するために、追加の受動的特徴もまた含まれていてよい。例えば、これらの機能は、ガーニーフラップ、特定の翼領域における翼形部の修正、翼の翼弦線の下方または上方のいずれかの追加の垂直面、該垂直面(1つまたは複数)の部分または全部の前方スイープを、他の機能の中に含んでもよい。
【0088】
様々な実施形態および飛行レジメでは、突風操縦によって引き起こされる翼拡張部に対する荷重、および/または、フラッタ誘発飛行レジメを軽減するときのCAMDの効果に反応時間が影響を与えることがある。非限定的な例として、本願に従ったCAMDは、突風操縦および/またはトルクの検出から10ミリ秒(ms)以内にコントローラの初期応答を提供し、および、検出から500ms以内にCAMDの制御面の初期の動きを完了するように構成することができる。様々な実施形態では、本願に従ったコントローラは、制御面の動きを、外乱の検出から8ms以内に開始させ、および、100ms以内に制御面の初期の動きを完了させるように構成することができる。様々な実施形態は、より迅速なまたはより緩慢な反応時間および完了時間を企図することができる。
【0089】
翼拡張部なおける複数のCAMDの制御は互いに独立であってよく、または、CAMDの制御は連携することができる。例えば、翼拡張部における各CAMDの独立した制御は、各CAMDの同時反応および展開を提供することができる。その場合、同じ飛行中データに対応する1つの制御システムまたは複数の制御システムは、類似したCAMDに、類似したまたは同じ反応をさせることができる。翼拡張部が複数のCAMDを有する実施形態では、調整可能に制御因子を構成することができる。それらの制御因子は、個々のCAMDの数および反応性に対応するために、初期値、閾値、および初期反応設定値を含むことができる。
【0090】
様々な実施形態は、翼拡張部の複数のCAMDの連携した反応を提供する。連携した反応は、同時に複数のCAMDに反応させることを含むことができる。非限定的な例として、2つのCAMDを有する翼拡張部を、連携し、同期し反応でCAMDを展開するように構成してもよく、両方のCAMDとも、最初のうちは同時に展開する。その場合、CAMDは同じ偏向または異なる偏向によって展開することができる。様々な実施形態では、2つのCAMDを有する翼拡張部は、第2のCAMDの中心寄りに位置する第1のCAMDを、最初のうちは第2のCAMDよりも小さな偏向で展開させるように構成することができる。追加でまたは別のものとして、2つのCAMDを有する翼拡張部は、第2のCAMDの中心寄りに位置する第1のCAMDを、最初のうちは第2のCAMDよりも大きな偏向で展開させるように構成することができる。
【0091】
追加でまたは別のものとして、連携した反応は、複数のCAMDを段階的または交互のときに反応させることを含むことができる。例えば、第2のCAMDの中心寄りに位置する第1のCAMDは、最初は、第2の外側寄りのCAMDの後で展開することができる。第2のCAMDは、突風または操縦が第1の荷重倍数/応力閾値を超える場合/ときに、展開することができる。第1のCAMDは、突風または操縦が第2のより高い荷重倍数/応力閾値を超える場合/ときに、第2のCAMDの展開に続いて展開することができる。第1の荷重倍数/応力閾値および第2の荷重倍数/応力閾値は、スパン方向図面荷重および/またはねじり荷重を、翼拡張部のない所与の翼のための最初に設計された値以下に維持するように構成することができる。
【0092】
追加でまたは別のものとして、第2のCAMDの中心寄りに位置する第1のCAMDは、最初は、第2の外側寄りのCAMDより前に展開することができる。第1のCAMDは、突風または操縦が第1の荷重倍数/応力閾値を超える場合/ときに、展開することができる。この場合、第2のCAMDは、突風または操縦が第2のより高い荷重倍数/応力閾値を超える場合/ときに、第1のCAMDの展開に続いて展開することができる。第1の荷重倍数/応力閾値および第2の荷重倍数/応力閾値は、翼拡張部のない所与の翼のための最初に設計された値以下にスパン方向図面荷重および/またはねじり荷重を維持するように構成することができる。
【0093】
さらに、実例的かつ非制限的な例として、複数のCAMDの連携した展開を企図する様々な実施形態では、第1のCAMDと比べてより著しい第2のCAMDの展開は、より粗い反応と見なされることがある。さらに、第1のCAMDの展開は、細かいつまりバーニヤの調整として見なされ得る。
【0094】
さらに、例示的かつ非限定的な例として、様々な実施形態において複数のCAMDの連携した展開を企図し、ここでは、第1のCAMDの展開が第1のタイプの荷重、例えば、突風および/または操縦荷重に対処し、および、第2のCAMDの展開が第2のタイプの荷重、例えば、ねじり荷重に対処する。
【0095】
図11A乃至図11Dは、複数のCAMDがそれらの展開において連携する実例的な実施形態を示す。図11Aは、翼1102を有する航空機(図示せず)に実装することができるアクティブ型空気流修正システム1100を示す。アクティブ型空気流システムは、第1のCAMD1106および第2のCAMD1108を含む翼拡張部1104を備えることができる。第1のCAMD1106は、翼1102に対して第2のCAMD1108の外側寄りに位置することができる。第1のCAMD1106は、コントローラ(図示せず)および制御面1110を含むことができる。一方、第2のCAMD1108は、コントローラ(図示せず)および制御面1112を含むことができる。
【0096】
上述したように、様々な実施形態では、第2のCAMD1108の制御面1112と比べてより大きな程度/規模/偏向に、第1のCAMD1106が制御面1110を展開させるように、翼拡張部1104を構成することができる。
【0097】
図11B乃至図11Dは、アクティブ型空気流修正システム1100の3つの追加の図を示す。例えば、図11Bは、翼1102の後縁部および翼拡張部1104からのアクティブ型空気流システム1100の図を示す。図11Cは、図11Bに示されるC−C面に沿ったアクティブ型空気流修正システム1100の図を示す。図11Cはまた、制御面1112を展開させることができるCAMD1108のコントローラ1114を示す。図11Cは、図11Bに示されるC−C面に沿ったアクティブ型空気流修正システム1100の図を示し、制御面1112は、第1の位置1116に、未展開位置1118から測定された角度θ(シータ)で展開される。図11Cはまた、第2の位置1120に、未展開位置1118から測定された角度φ(ファイ)で展開された制御面1110を示す。
【0098】
実例的な翼およびアクティブ型翼拡張部上のセンサ配置
図12A−Fは、翼および翼拡張部の例示的な実施形態をセンサ位置について示す。例えば、図12Aは、なくとも2つのセンサ1210を例示的なねじり軸1212の前および後に含む、例示的なアクティブ型気流修正装置1200を示す。
【0099】
図12Bは、複数のセンサ1210が気流修正装置1200内および/または上に配置されている実施形態を示す。1つまたはもっと多いセンサを様々な場所に配置することができることが企図されている。追加でまたは別のものとして、センサ1210の示された位置の全てがセンサで占有されるわけではない。例えば、様々な実施形態は、センサ1210Aおよび1210Bだけが存在し、およびまたは使用されることを企図している。様々な実施形態は、追加のセンサが、存在する場合に、バックアップ、および/または、センサの主要セットの確認指示を提供することができることを企図している。
【0100】
図12Cは、センサ1210が同一スパン方向の位置に配置される必要がない実施形態を示す。例えば、センサ1210Aを、センサ1210Bより、航空機の中心線からより遠くに配置してもよい。
【0101】
図12Dは、センサ1210が種々のスパン方向の位置に配置される別の実施形態を示す。
【0102】
図12Eは、センサ1210を、翼および/または翼拡張部に沿った様々な位置に配置することができる実施形態を示す。図12Bと同じ様に、図12Eは、センサ1210の一部、全部、または種々の位置に存在することができる、センサ1210の例の位置を示す。
【0103】
図12Fは、第1のセンサ1210Aが第1の気流修正装置1218上に存在することができ、および、第2のセンサ1210Bが第2の気流修正装置1220上に位置することができる実施形態を示す。これらのセンサ1210の組み合わせを用いて、トルクおよびまたはフラッタ状態の開始を検出することができる。
【0104】
実例的な方法
図13は、制御可能空気流修正装置を操作する1つの実例的な方法1300のフローチャートである。上述したように、センサは航空機の飛行状態に基づいてデータを受信する。方法は、必ずしもではないが、本明細書において説明されるセンサおよび制御システムを使用することで実装することができる。理解を容易にするために、方法1300を、図3図11A乃至図11Dに示される構成との関連で説明する。しかし、方法1300はこのような構成を使用する性能に限定されず、他の航空機および他のタイプの羽根拡張部にも適用可能な場合がある。
【0105】
この特定の実装例では、方法1300は、制御システム306等の制御システムが、航空機302内または航空機302上に位置する、センサ314等の1つまたはもっと多いセンサからデータを受信するブロック1302において開始する。センサから受信されるデータは、飛行中荷重倍数データ、飛行速度データ、航空機重量データ、および/または、高度データを含むことができるが、限定ではなく飛行状態データを含むことができる。飛行状態データは、航空機302上で経験される様々な荷重をもたらす様々な飛行状態を表すことができる。例示のために、航空機上の種々の荷重は、突風荷重、ねじり荷重、および/または、フラッタ誘発飛行レジメへの遷移に関連することがある。
【0106】
ブロック1304で、1つまたはもっと多いCAMDを調整することができる。CAMD318の調整は、ブロック1302で受信したデータに部分的に基づくことができる。例えば、飛行状態データは信号として受信され、パラメータ320を使用して制御ロジック316によって解釈される。制御ロジック316は、制御面(複数も可)312を展開するための1つの位置または複数の位置を決定する等、制御面(複数も可)312の動作を決定することができる。例えば、制御ロジック316は、制御面1110が、図11Dに示されるように位置1120に展開される必要があると判断することができる。制御ロジック316は、制御面を動かすために信号を発生させることができる。
【0107】
ブロック1306で、制御ロジック316からの信号が、アクチュエータまたは図11Cに図示されるコントローラ1114等のコントローラによって、受信される。アクチュエータまたはコントローラは、次いで制御面を作動させ、および/または、制御面を展開することができる。様々な実施形態では、制御面は、ヒンジを回転軸に沿って回転させることによって展開される。例えば、コントローラ1114は、制御面1112を位置1116に展開することができる。制御面を、別の位置から位置1116に調整することができる。例えば、制御面1112は、初めはθ(シータ)より大きいかまたは少ない角度であり、そして、位置1116に展開することができる。
【0108】
様々な実施形態では、方法1400が繰り返されて、航空機の飛行状態および航空機上の荷重の変更の主な原因となる飛行コース上での複数のCAMDの調整が実現される。
【0109】
方法1300の様々な実施形態は、複数のCAMDのうちのCAMDを、他のCAMDとは独立して調整することを提供する。例えば、ブロック1304で、制御ロジック316を、複数のCAMDの第2のCAMDの制御面とは独立に、複数のCAMDのうちの第1のCAMDの制御面の位置を決定するように構成することができる。ブロック1306において、部分的に制御ロジック316に基づいて、複数のCAMDのうちの第1のCAMDが、複数のCAMDのうちの第2のCAMDと独立して調整される。各CAMDは同じ飛行状態データに独立して反応し得るため、いくつかの場合は、これにより、第1のCAMDおよび第2のCAMDを実質的に同じように反応させることができる。
【0110】
方法1300の様々な実施形態は、互いに連携して複数のCAMDを調整することを提供する。例えば、ブロック1304で、制御ロジック316は、複数のCAMDのうちの第2のCAMDの制御面と連携して複数のCAMDのうちの第1のCAMDの制御面の位置を決定するように構成することができる。ブロック1306で、制御ロジック316に部分的に基づいて、複数のCAMDのうちの第1のCAMDは、複数のCAMDのうちの第2のCAMDと連携して調整することができる。様々な実施形態では、複数のCAMDのうちのCAMD間の反応の大きさが異なり得る。例えば、複数のCAMDのうちの第1のCAMDを調整することは、第1の制御反応を提供する。複数のCAMDのうちの第2のCAMDを調整することは、第2の制御反応を提供する。
【0111】
いくつかの例では、第2の制御反応の大きさが第1の制御反応よりも大きくてよい。例えば、制御ロジック316は、第1のCAMD1106の制御面1110を、第1の制御反応を生じさせる未展開位置1118から、測定される角度φ(ファイ)にある位置1120まで動かす第1の信号を提供することができる。制御ロジック316は、第2のCAMD1108の制御面1112を、第2の制御反応を生じさせる未展開位置1118から、測定される角度θ(シータ)にある位置1116まで動かす第2の信号を提供することができる。様々な実施形態では、角度φ(ファイ)が角度θ(シータ)より大きいことも、未満であることもある。様々な実施形態では、角度φ(ファイ)がゼロより大きくてよい。一方、角度θ(シータ)は実質的にゼロに等しくてよい。追加でまたは別のものとして、角度φ(ファイ)およびθ(シータ)は同じまたは実質的に類似し、複数のCAMDの少なくともサブセットを同期して作動するように構成することができる。
【0112】
様々な実施形態および構成では、上述したような連携した制御を、外側寄りのCAMDがより大きな初期反応を含む可能性がある粗調整を提供するように構成することができる一方で、中心寄りのCAMDは、外側寄りのCAMDの初期反応と比べてより小さい初期反応を含む可能性がある微調整を提供する。この例は、図11A乃至図11Dで見ることができる。追加でまたは別のものとして、中心寄りのCAMDを粗調整を提供するように構成してもよいし、外側寄りのCAMDを、微調整を提供するように構成してもよい。
【0113】
結論
実施形態は構造上の特長および/または方法論的行為に特定の言語で説明されてきたが、本開示および添付特許請求の範囲が必ずしも説明された特定の特長または行為に限定されていないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特長および行為は、実施形態を実現する実例的な形として開示されている。例えば、方法論的行為は、本明細書に説明される順序または組合せで実行される必要はなく、1つまたはもっと多い行為の任意の組合せで実行することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13