(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に説明する種々の実施形態は、とりわけ電解槽の動作及び健全状態をモニタすることができ、そして電解槽が十分なオゾンを発生させていない場合又は電解槽がその有効寿命の終わりに近づいていて交換用電解槽がオーダーされ又は設置されるべきである場合にユーザに警告を出すことができるオゾンスプレーボトルを提供する。かかる特徴により、事実ボトルが十分なオゾンを発生させていない場合又はことによるとオゾン化水を全く発生させていない場合にボトルがオゾン化水を発生させているとユーザが誤認する恐れが減少する。
【0020】
幾つかの実施形態では、種々の動作モードを備えたスプレーボトルが提供される。例えば、幾つかの実施形態では、この噴霧器は、オゾン化水又は非オゾン化水を発生させるよう制御される場合がある。他の実施形態では、噴霧器は、スプレーを一方向に生じさせるよう制御され、次にスプレーを別の方向に生じさせるよう制御される場合がある。幾つかの実施形態は、本明細書において説明する種々の特徴のうちの2つ又は3つ以上を含む場合がある。
【0022】
オゾンスプレーボトル100の一実施形態が
図1Aに概略的に示され、
図1Bに断面図で示されている。
【0023】
スプレーボトル100は、とりわけ、オゾン化水の流れを規定された仕方で送り出すヘッド部分102及び好ましくは掴みを容易にするよう形作られた中央部分104を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲の記載で用いられている「オゾンスプレー」又は「オゾン化水の流れ」という用語は、ボトルから出されるオゾンを含む水の流体流を意味している。
【0024】
中央部分104は、ユーザにとって確実且つ容易な掴みを提供するよう容易に掴むことができる外面、例えば二個取り射出成形ゴムを備えた細めのプロフィールを有するのが良い。ボトル100は、源水を収容するベース部分106を更に有する。これら部分102,104,106の各々の中に設けられたコンポーネントについて以下に詳細に説明する。
【0025】
トリガ118により、ユーザは、オゾン化水をボトル100から噴出させることができる。この目的のため、ユーザがトリガ118を作動させると、ポンプ110は、タンク107から源水を引き込み、そして源水を電解槽202中に圧送する。トリガ118は又、電解槽202を作動させ、それにより回路が電位を電解槽に印加して源水をオゾン化する。かくして、電解槽202は、オゾンを発生させ、このオゾンは、事実上即座に源水中に溶解される。任意の数の種々の電解槽設計は、この用途にとって十分であると言える。ポンプ110は、積極的な力を生じさせ、この力は、オゾン化水をノズル116を通ってスプレーボトル100から噴出させる。
【0026】
例示の実施形態は、トリガの機能を制御するためにマイクロコントローラを備えた回路板126を更に含む。センサ(例えば、
図4に符号490で概略的に示されている圧力変換器及び/又は機械的スイッチ)は、トリガ118が作動された時点を検出し(例えば、圧力変換器及び/又は機械的スイッチ)、そして適当な内部コンポーネントを付勢する。具体的に言えば、センサは、エレクトロニクスと情報のやり取りをし、このエレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202と情報のやり取りをする。ユーザがトリガ118を動かし、かくしてセンサが作動されると、エレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202を作動させ、それによりオゾン化水を発生させ、そしてこれをノズル116から噴出させる。
【0028】
ベース部分106は、水を貯蔵したり源水を電解槽202に供給したりするタンク107を有する。源水を受け入れるため、タンク107は、ねじ山付きプラグ108と結合する水入口109を有する。ねじ山付きプラグ108は、水入口109に結合されると、水密シールとなり、それにより水がタンク107から逃げ出るのを阻止する。プラグ108は、ユーザがプラグを水入口109中に容易にねじ込むことができるようノブ又はダイヤルを更に有するのが良い。
【0029】
中央部分104内に設けられたポンプ110(例えば、電子ポンプ)がボトル100内の流体経路全体を駆動する。具体的に説明すると、ポンプ110は、源水をタンク107からポンプ入口112とタンク107との間に設けられたホース180を介して電解槽202に向かって引く。かくして、第2のホース181が水をポンプ出口114から電解槽202に差し向ける。したがって、この単純な流体経路を用いて、ポンプ110は、源水をタンク107から電解槽202中に引き込み、そして最終的に、これがオゾン化された後、ヘッド部分102に設けられた出口(即ち、ノズル116)を通ってボトル100から引き出す。
【0030】
源水中の不純物が望ましくないことに、電解槽202内で堆積し、その結果、電解槽効率を低下させる場合がある。したがって、スプレーノズル100は、スケール及び他の不純物を源水から除去する内部フィルタ182を更に有するのが良い。このフィルタは、好ましくは、源水が電解槽202に入る前に源水を濾過するよう位置決めされている。例えば、フィルタ182は、タンク107内に配置されるのが良く、その結果、源水がポンプ110に流れる前に源水を濾過する。変形例として、フィルタ182は、ポンプ110の出口と電解槽202との間に配置されても良い。
【0031】
ベース部分106は、エレクトロニクスチャンバ170を更に有する。エレクトロニクスチャンバは、とりわけ、電解槽202及びボトルの他のエレクトロニクスに電力を供給する電源並びに本明細書において説明する回路の部分を支持した回路板126を収容するのが良い。
【0032】
多種多様な電源がボトル100を付勢することができる。例えば、ハードワイヤードACコンバータが従来型壁プラグから電力を受け取ることができる。しかしながら、
図1Bに示されている実施形態では、タンク107の下に設けられたチャンバ170内の6個の1.2ボルトバッテリ124がスプレーボトル100のための電力を提供する。幾つかの実施形態は、単に非充電式バッテリを用いる。しかしながら、他の実施形態は、ハードワイヤ接続部、例えば電力コードを介して直接充電可能な充電式バッテリを用いる。この実施形態では、誘導性コンポーネントが充電式バッテリ124を充電する。例えば、スプレーボトル100は、バッテリ124を充電する誘電コイルを備えた充電ベースステーション内に配置されるのが良い。
【0034】
図1Bに概略的に示されているように、幾つかの実施形態では、ヘッド部分102、中央部分104及びベース部分106は、ロッド134を用いて互いに結合される。ロッド134及びハウジング136は、スプレーボトル100のための構造健全性をもたらす。幾つかの実施形態では、ロッド134は、ロッドがヘッド部分102、中央部分104及び/又はベース部分106に取り外し可能に結合可能であるようにねじ山付き特徴部(例えば、134T)を有する。このように、ロッド134をスプレーボトル組立体100から取り外すことができ、そしてスプレーボトル100のコンポーネントを分解することができる。ロッドの内部は、電線又は他のコンポーネントのための導管として役立ち得る。
【0036】
上述したように、スプレーボトル100は、ノズル116(以下に詳細に説明する)を介して送られるべき源水をオゾン化する電解槽202を有する。ノズル116と電解槽202の両方は、ヘッド部分102内に設けられるのが良い。ただし、いずれか一方は、他の領域に設けられても良い。例えば、電解槽202は、中央部分104又はベース部分106内に設けられても良い。
【0037】
電解槽202の一実施形態が
図2Aに概略的に示されている。電解槽202は、2つの電極、即ち、アノード202A及びカソード202Cを有するのが良い。
【0038】
オゾンを生じさせるため、付勢回路が正の電位をアノードに印加し、負の電位をカソードに印加する。当業者によって知られているように、これら2つの電極相互間の電位の差は、水分子を分解して水素陽イオンと酸素にする。酸素は、オゾンになり、オゾンは、源水中に溶ける。しかしながら、カソードに印加された負の電位は、水素陽イオンを電解槽のアノード側からカソード側に引き付ける。水素陽イオンは、電解槽のカソード側にいったん到達すると、水素の泡を生じる場合がある。
【0039】
アノード202A及びカソード202Cは、形態のうちでとりわけ平面形態を有するのが良い。アノード202A及びカソード202Cは、種々の材料で形成できる。例えば、カソード202Cは、チタン又は別の導電性材料で作られるのが良い。ただし、これら材料は、カソード202Cを構成できる材料の排他的なリストを作成するものではない。
【0040】
アノード202Aは、ダイヤモンド材料であるのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、アノード202Aは、硼素ドープダイヤモンド材料で作られるのが良い。幾つかの実施形態では、アノード202Aは、被覆ダイヤモンド材料(例えば、ダイヤモンド材料で被覆された基体)を含み、他の実施形態では、アノードは、自立型ダイヤモンド材料から成る。本発明の種々の実施形態では、自立型ダイヤモンド材料の厚さは、0.2mm〜1.0mmである。
【0041】
変形実施形態では、電解槽202の両方の電極は、
図2Bの電解槽201に概略的に示されているように硼素ドープダイヤモンド材料を含む。例えば、一方又は両方の電極(202D,202E)は、自立型ダイヤモンド材料又は被覆ダイヤモンド材料を含むのが良い。かかる実施形態では、電解槽202は、第1の電極にかかる正の電位と次に第2の電極にかかる正の電位との間でサイクル動作するのが良い。かかるサイクルは、周期的である必要はない。
【0042】
正の電位が第1のダイヤモンド電極に印加されると、この第1のダイヤモンド電極は、アノードとして働き、第2のダイヤモンド電極は、カソードとして働く。極性を逆にし、正の電位を第2のダイヤモンド電極に印加すると、第1のダイヤモンド電極は、カソードとして働き、第2のダイヤモンド電極は、アノードとして働く。このように、電解槽202は、互いに異なる極性をサイクル動作しながらオゾンを連続的に発生させる。電解槽202の両端に現れる極性を逆にすることにより、メンブレン及び他の電解槽コンポーネント上へのスケールの堆積を阻止することができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、メンブレン202Mが
図2Aと
図2Bの両方に概略的に示されているようにアノードとカソードとの間にサンドイッチされている。メンブレン202Mは、固体電解質として用いられ、アノード202Aとカソード202Cとの間の陽子の移動を容易にするよう2つの電極202A,202C相互間に配置されている(例えば、陽子交換メンブレン(PEM)、例えばNafion(登録商標))。メンブレン202Mは、その構造健全性を高めるために、支持マトリックスを更に有するのが良い。
【0044】
加うるに、幾つかの場合において、メンブレン202Mは、電解槽300のカソード側の水の流れを電解槽のアノード側の水から分離するバリヤとして用いられる。例えば、
図2Aの電解槽202では、メンブレン202Mは、2つの別々の水路を構成するのに役立つ。電解槽202に入った水は、電解槽202のアノード側205かカソード側206かのいずれかに逸らされる。アノード側205の水は、電気分解され、酸素原子は、オゾンを形成して水の中に溶ける。水素原子は、メンブレン202Mを通ってカソード側206に至る。
【0045】
幾つかの実施形態では、電解槽202のアノード側205中を流れる水は、電解槽202から出て、最終的には、ノズル116を通ってボトル100を出るが、その際、電解槽202のカソード側206の水と再結合することはない。
【0046】
幾つかの実施形態では、カソード側206の水は、電気分解によって生じた水素と一緒に、オゾン化水の取る経路207とは別の経路208を経てタンク107に戻される。かかる実施形態は、電解槽202のアノード側からの水と再結合するスプレー又は流れの場合よりも高いオゾン濃度を有するオゾン化水のスプレー又は流れを生じさせる。
【0048】
電解槽202は、これを通って流れる水を電気分解するための電力を必要とする。先行技術の電解槽は、電圧源によって電力供給されていた。しかしながら、本発明者は、電解槽のオゾン発生能力が経時的に劣化する場合があり、その結果、電解槽が古くなるにつれて電解槽に供給される駆動電力が生じさせるオゾン発生量が次第に少なくなるということを発見した。
【0049】
この現象は、例えば、電解槽202内におけるスケールの堆積に起因している場合がある。先行技術の駆動回路は、電解槽に印加される電圧の極性を定期的に逆にすることによってスケール堆積の問題に取り組んだ。一方の極性では、電解槽内の第1の電極は、アノードとして働き、第2の電極は、カソードとして働くが、駆動電圧の極性を逆にすると、第1の電極は、カソードとして働き、第2の電極は、アノードとして働く。かかる方式により電解槽の寿命が延びるが、この方式は、スケール堆積を完全には阻止せず、したがって、電圧源により駆動される電解槽のオゾン発生能力は、使用につれて必然的に低下する。
【0050】
これとは対照的に、幾つかの実施形態は、所望の電流をアノード202Aに供給する電流源を用いて電解槽202を駆動する。したがって、電流を制御すると、電圧は、所望の電流の流れを維持し、かくして所望のオゾン発生量を維持するよう必要に応じて変化する。
【0051】
かかる電解槽の動作特性が
図3A及び
図3Bに概略的に示されている。一定の電流源によって駆動される新型電解槽では、電流源によって電解槽202に供給される電圧は、公称値では実質的に一定のままである。
図3Aのグラフ図中の電圧軸線は、電流源によって供給される電圧をこの電圧と公称電圧の比として表している。
図3A及び
図3B中の時間軸線は、電解槽の「有効寿命」の百分率として表されている。
【0052】
図3Aに示されているように、オゾン発生量311を維持するのに必要な電圧301は、電解槽が古くなるにつれて上昇する。しかしながら、一定の電流駆動の場合、オゾン発生量311は、
図3Bに示されているように電解槽の寿命の大部分にわたって実質的に一定のままである。
【0053】
本発明者は、駆動電圧を上げると、電解槽の動作に関する情報が生じることを発見した。事実、上昇している駆動電圧は、電解槽がその有効寿命の終わりに近づいていることを信号で知らせる。この用途の目的のため、電解槽の「有効寿命の終わり」は、規定された駆動電流及び最大駆動電圧が所与の場合、電解槽がもはや所望量のオゾンを発生させることができない時点として定義される。最大駆動電圧は、駆動電流源がもたらすことができる最大電圧として定義される場合があり、この最大駆動電圧は、現実の回路における真の制限を表している。電解槽のオゾン発生量は、その有効寿命の終わりのところで、
図3Bに示されているように低下する(311D)。
【0054】
かくして、本発明者は、駆動電圧をモニタすると電解槽の健全状態を評価することができるということを発見した。例えば、公称駆動電圧(301W)の2倍である駆動電圧は、電解槽がその有効寿命の97パーセントに達したことを支持していると言える。この時点でも、電解槽は、引き続き所望量のオゾンを発生させているが、電解槽がその寿命の終わりに近づいていることをユーザに警告することが賢明であると言える。
【0055】
同様に、公称駆動電圧(301R)の2.5倍である駆動電圧301は、電解槽がその有効寿命の終わりに達したことを表示していると言える。この時点でも、電解槽は、幾分かのオゾンを発生させることができるが、その発生量は、オゾンの所望の量よりも少ない。したがって、電解槽がその寿命の終わりに達したことをユーザに警告することが賢明であると言える。
【0056】
図3A及び
図3Bに示された実施例は、例示に過ぎない。実際の電圧、電圧比及びオゾン発生量に関する特性は、用いられる特定の電解槽及び電解槽が用いられているシステムの特性、例えば最大有効駆動電圧で決まるであろう。
【0057】
電解槽を駆動したりモニタしたりするための回路の実施形態が
図4に概略的に示されている。この実施形態の肝は、例えばマイクロチップ・テクノロジー・インコーポレイテッド(Microchip Technology Inc.)から入手できるマイクロコントローラ401、例えばPIC16F1829である。ただし、他のマイクロコントローラ又は回路を使用することも可能である。マイクロコントローラ401は、プログラム可能CPUを有し、このマイクロコントローラは、とりわけ、ディジタルメモリ、比較器、アナログ−ディジタル(A/D)コンバータ、通信インターフェース(例えば、I/Cバスインターフェース又はRS232インターフェース)並びに種々の入力及び出力端子を含む。
【0058】
動作原理を説明すると、電流源431は、一定の電流を1組のリレー回路432,433を介して電解槽202に出力する。リレー回路433中の2つのリレーは、制御ライン435を介してマイクロコントローラ401の制御下で電解槽202への電流の印加を制御する。
図4に示されている構成では、電流源431からの電流は、電解槽端子402Bに結合され、他方、電解槽端子402Aは、アースに接続されている。リレー回路433のリレーがこれらの他の位置に切り換えられた場合、端子402A,402Bは、電流源又はアースに接続されない。したがって、リレー回路433は、電解槽202を動作可能にし又は動作不能にするよう働く。
【0059】
リレー回路432は、制御ライン434を介してマイクロコントローラ401の制御下で電解槽202への電流の印加の極性を制御する。
図4に示された構成では、電流源431からの電流は、電解槽端子402Bに結合され、他方、電解槽端子402Aは、アースに結合される。リレー回路432のリレーがこれらの他の位置に切り換えられた場合、電流源からの電流は、電解槽端子402Aに結合され、他方、電解槽端子402Bは、アースに結合される。このように、電解槽202への駆動電力の極性を上述した理由で制御可能に逆にすることができる。
【0060】
電流の振幅は、電解槽202内で所望量のオゾンを発生させる電流の量として規定される。したがって、所望量の電流は、特定の電解槽及び所望のオゾン発生量の関数である。
【0061】
電解槽202に入力される電流が一定なので、電解槽202の入力のところの電圧は、例えば電解槽のインピーダンスに応じて可変である。電解槽のインピーダンスは、例えば電極上へのスケールの堆積に起因して経時的に変化する場合がある。幾つかの実施形態では、電流源431は、バッテリ電圧を一定の電流で電解槽202を駆動するのに必要な電圧までブーストする切り換え式電源である。
【0062】
電解槽電圧及びオプションとして電解槽電流は、電解槽の動作及び/又は健全状態を評価するためにモニタされる。幾つかの実施形態では、電解槽に供給され又は電解槽によって消費される電力の電気的パラメータのうちの1つ又は2つ以上をモニタして(例えば、電圧分割器450及び分路抵抗器440と関連して以下に説明する回路及び方法を用いて)電解槽がオゾンを発生させているかどうか(例えば、電解槽への電流及び/又は電圧が例えば
図3A及び
図3Bに示されているように公称範囲内にあるかどうか)を評価することができる。もしそうであれば、モニタ回路は、状態表示器(例えば、灯459)を作動させることによって電解槽の動作状態を表示することができる。変形例として、評価により電解槽がオゾンを発生させていないことが分かった場合、状態表示器を作動させても良い。
【0063】
幾つかの実施形態では、電解槽202に供給される電圧を電圧分割器450によりモニタするのが良い。ただし、他の回路を用いても良い。ノード451のところの電圧は、電解槽202に供給される電圧の何分の一かであり、これに比例し、かかる電圧をマイクロコントローラ401によって用いると、上述したように電解槽の動作を評価することができる。例えば、ノード451のところの電圧をマイクロコントローラ401内のA/Dコンバータに供給するのが良い。
【0064】
幾つかの実施形態では、マイクロコントローラ401は、
図5に示されているプロセス500の一部として測定された駆動電圧を評価するようプログラムされている。プロセス500は、一定の駆動電流を電解槽に供給することによって始まる(ステップ501)。例えば、プログラムされたマイクロコントローラ401は、ソフトウェアの制御下において、リレー回路432,433のリレーを閉成して
図4に示されているように電流源431を電解槽202に結合することができる。
【0065】
プロセス500は、次に、電解槽両端間の電圧を測定し(ステップ502)、測定した電圧を「交換しきい値」と呼ばれる場合のある第1のしきい電圧と比較する(ステップ503)。交換しきい値は、電解槽が交換されるべきことを表示する電圧である。例えば、これは、電解槽がその有効寿命の終わりに達したときの電圧であるのが良いが、いずれの場合においても、電解槽がその有効寿命の終わりに達したときの電圧よりも高くはない電圧であるべきである。測定電圧が交換しきい値に適合し又はこれを超えた場合、マイクロコントローラ401は、状態表示器を作動させるのが良く且つ/或いは電解槽202を動作停止させるのが良い(例えば、電解槽の入力端子への電流の流れを中断し又は切ることによる例えば電解槽から電力を除くことによって)例えば、マイクロコントローラ401は、ステップ504において適当な電圧又は電流を出力端子405に出力することによって「交換」灯455を点灯させるのが良い。状態表示器の他の形態としては、ちょっと挙げてみただけでも、電子ブザー又は電磁石ブザーにより生じさせることができる可聴信号又は例えば振動要素によって生じさせることができる触覚信号が挙げられる。
【0066】
測定電圧が交換しきい値よりも低い場合、プロセス500は、ステップ505において測定電圧を「警告しきい値」と比較する。警告しきい値は、電解槽がその有効寿命の終わりに近づいていること及びユーザが交換用電解槽の注文を考慮すべきことを表示する電圧である。測定電圧が警告しきい値に適合し又はこれを超えた場合、マイクロコントローラ401は、ステップ506において適当な電圧又は電流を出力端子406に出力することによって「注文」灯456を点灯させる。
【0067】
駆動電流は、一定であるが、幾つかの実施形態は又、駆動電流をモニタして電解槽202又は駆動回路の他のコンポーネントの考えられる誤作動をキャッチする。分路抵抗器440両端の電圧を測定し、バッファ441によりバッファリングし又は増幅し、その後信号ライン442を介して電圧をマイクロコントローラ401内のA/Dコンバータによってディジタル化することによってモニタ可能である。
【0068】
分路抵抗器は、電解槽202とアースとの間に大きな電圧降下を生じさせないよう小さな抵抗を有するべきである。幾つかの実施形態では、分路抵抗器は、例えば0.1オームの抵抗を有するのが良い。この実施形態では、電流は、電解槽202のアース端子のところで測定される(例えば、リレー回路432,433を介して)。ただし、他の実施形態は、電流供給ライン403内に分路抵抗器440を有しても良い。
【0070】
本発明者は又、幾つかの実施形態において、スプレーボトル100の作動をポンプ110の電気的作動によって特徴付けることができるということを発見した。例えば、ポンプ110は、このポンプが水をタンク107から電解槽202に圧送しているときに公称電流を消費する。しかしながら、ポンプにより消費される電流は、タンクが空になった場合に実質的に増大する場合があり、その結果、ポンプが空になる。
【0071】
ポンプをかかる条件で作動させることは、ポンプ110を損傷させる場合があり、しかも場合によって、電解槽202が電力下にあるときに電解槽202を通って流れる水が不十分である場合には電解槽202を損傷させる場合があるので望ましくない。具体的に言えば、電解槽202が十分な水なしで動作した場合、その温度が上昇し、それによりその内部への潜在的な損傷が生じる。具体的に言えば、電解槽内の温度上昇は、電極相互間のメンブレンを損傷させる場合がある。例えば、PEMメンブレンの中には、100℃という低い融解温度を有するものがある。
【0072】
したがって、実施形態は、ボトル100内の流体回路が電解槽202を適当な動作範囲内に維持するのに適当な水をもはや備えていない時点を突き止めるエレクトロニクスを更に含む。本発明者は、タンク107が電解槽202に適当に給水するのに足ほどの水を有していない場合にポンプ110の一実施形態がその通常の動作電流のほぼ3倍を消費するということを発見した。これは、タンク107が空であるとき又は水レベルがポンプ入力と結合された管にとって低すぎるので水を吸い上げることができない場合に起こることがある。かくして、本発明者は、この現象を利用して水がタンク107から引き出されていない時点を検出した。
【0073】
この目的のため、幾つかの実施形態は、ポンプに電力供給してポンプの作動をモニタする回路を含む。一実施形態としてのかかる回路460が
図4に概略的に示されており、この場合、ポンプ110は、端子462からの信号ライン461を経てマイクロコントローラ401によって制御される。回路460の動作を
図6に示されたプロセスによって説明する。
【0074】
この実施形態では、マイクロコントローラ401からの信号は、ポンプ110を通ってバッテリ124から電流を引いているトランジスタ463を作動させる(ステップ601)。
【0075】
通常の動作下において、回路は、電力をポンプに供給し(ステップ601)、ポンプは、公称量の電流又は公称範囲内の電流を消費するはずである。電流のこの量は、例えば、システムの設計者によって定められた特定のポンプの作動特性及び所望の水の流れの量で決まることになる。
【0076】
回路461は、低抵抗分路抵抗器470(例えば、0.1オーム)に加わる電圧を測定し(ステップ602)、バッファ464によりバッファリングし又は増幅しその後電圧を信号ライン465を経てマイクロコントローラ401内のA/Dコンバータによってディジタル化することによってポンプを通る電流をモニタする。マイクロコントローラは、次に、この電圧を公称レベルを表す「ポンプしきい」電圧と比較する(ステップ603)。
【0077】
測定されたポンプ電流が公称レベルにある場合又は予想範囲内にある場合、ポンプは、正常に機能しているものと見なされて良く、タンク107は、依然として水を供給していることが推定できる。したがって、プロセスは、再び開始する。
【0078】
しかしながら、測定ポンプ電流が公称レベルにはなく又は予想範囲内にない場合、これにより、問題が起きていることが分かり、かかる問題としては、例えば、タンクが十分な水をタンクに供給していないことが挙げられる。かかる場合、ポンプへの電力及び/又は電解槽202への電力は、止められるのが良く(ステップ604)又はポンプ又は電解槽は、違ったやり方で動作停止されるのが良い。オプションとして、プロセスは、マイクロコントローラが警告灯(458)を点灯させてオペレータに検出状態を知らせるステップ604を更に含むのが良い。
【0079】
幾つかの実施形態では、ポンプ及び/又は電解槽が両方共正しく機能していると判定された場合、マイクロコントローラは、状態表示器がユーザに警告を出すことができるようにするのが良い(例えば、灯459)。
【0081】
流体をタンク107から出して電解槽202中に送ることに加えて、ポンプ110は又、ノズル116を通ってオゾン化水を噴出させる圧力を発生させる。ノズル116は、多くの形態を有することができるが、オゾン化水のその送り出しには、気体オゾンに関する環境上の懸念に起因して多くの制約が存在する。一実施形態では、ノズル116は、オゾン化水がノズルを通って流れているときにオゾン化水の速度を増大させる少なくとも1つの絞り直径部を有する。このように、ノズル116は、オゾン化水の利用範囲を拡大する。
【0082】
しかしながら、本発明者は、ノズル116の直径が小さすぎる場合、結果として生じるオゾン化水の流れも又、小さな直径を有することを発見した。その結果、オゾンは、望ましくないことに、水の流れから逃げ出て大気中に逃げる。この問題に対処するため、図示の実施形態では、ノズル116は、複数個の極めて小さい穴701(例えば、直径が0.25mm)を有する。例えば、ノズル116は、「シャワーヘッド」効果を生じさせるよう多数の穴を有するのが良い(例えば、ノズル116は、各々直径が0.5mmの6個の穴を有する)。変形例として、幾つかの実施形態では、オゾン化水の単一の流れだけを生じさせるよう単一の穴702を備えたノズル116が構成される。さらに別の実施形態では、ノズル116は、ユーザが種々のスプレーパターン(例えば、単一の穴702又は多数の穴)を選択することができるよう構成される。
【0084】
本発明者は、長期間にわたる非使用後、既にプライミングされ又は使用されたスプレーノズル100内の水が電解槽202から流出してタンク107内に向かって戻ることを発見した。メンブレンが設けられている実施形態では、これは、望ましくないことに、電解槽202内のメンブレンを乾燥させてしまい、それにより、メンブレンの損傷が生じる場合があり、最終的には、時期尚早な製品の破損が生じる場合がある。具体的に説明すると、陽イオンは、不純な水を用いて電解槽202を動作させた場合、メンブレン内に捕捉状態になる場合がある。これら陽イオンは、メンブレンが乾燥した場合であっても捕捉状態のままである場合が多く、それによりメンブレンの再湿潤を妨げて性能を低下させる。この問題を軽減するため、スプレーノズル100は、ヘッド部分102内に逆止弁154を更に有するのが良い。具体的に説明すると、
図1Cに示されているように、ボトル100は、電解槽202が動作状態にないときに水が電解槽202から流出してタンク107内に入る恐れを最小限に抑えるための逆止弁を有する。逆止弁154は、好ましくは、ポンプが動作状態にないときに水を電解槽202内に保持するようノズル116とタンク107との間(例えば、電解槽202とノズル116との間)の箇所に配置される。幾つかの実施形態では、逆止弁155がタンク107と電解槽202との間の流体経路内に配置される。
【0085】
逆止弁は、タンク内部と外部環境との間の選択された気体交換を可能にするようタンクに設けられても良い。具体的に説明すると、
図1Bに示されているように、ポンプ110が水をタンク107から引き出しているとき、逆止弁120により、空気がタンク107に入ってその内部の中の圧力を等しくすることができる。この弁が設けられていない場合、タンク107内に負圧が生じる場合があり、それにより応力がポンプ及びシステム全体に加わる。したがって、逆止弁120は、タンク107からの水の流れ及びボトル100内の流体経路を通る水の流れを容易にする。
【0086】
幾つかの実施形態では、別の逆止弁122がタンク107内に堆積する場合のあるガスを排出するよう位置決めされる。例えば、逆止弁122は、水素の泡をタンクの内部から外部環境に自由に通す。上述したように、或る特定の実施形態では、電解槽202のカソード側からの水素副生物を含む水がタンク107に入る。この水素副生物は、泡及び対応のガスを生じ、かかる泡及び対応のガスは、逆止弁122を通ってタンク107から出る。他の多くの理由でタンク107内の圧力が増大する場合がある。例えば、タンク圧力は、タンク107内の水が蒸発すると共に/或いはタンク内の空気が応力を上昇により膨張した場合に増大することがある。かくして、この逆止弁122は、過剰のガスを外部環境に放出し、かくしてボトル100の動作が容易になる。例示の実施形態では、逆止弁120,122は、水素ガスが上昇して逆止弁を通って流れることができるようタンクの頂部の近くに位置決めされる。
図1Bの実施形態では、逆止弁120,122は、ねじ山付きプラグ208中に組み込まれる。
【0088】
スプレーボトルは、オゾンスプレーボトルとしてのみ動作するのではなく、単に水ボトル100として動作するよう選択的に制御可能である。かくして、図示の実施形態は、ボトル100が種々のモードのうちの任意のモードで機能することができるようにする機能性を含む。一実施形態では、ボトル100は、一モードではスプレーノズルとして働き、別のモードではオゾンスプレーディスペンサ(即ち、水石鹸入れのように)として働く。この目的のため、ボトル100は、ボトル100を「トリガ」モードか「小出し」モードかのいずれかに設定する回路を有する。トリガモードでは、ボトル100は、トリガ118の作動に応答してオゾン化水を噴出させる−このボトルは、スプレーノズルとして働く。小出しモードでは、ボトル100は、小出しセンサ128の作動に応答してオゾン化水を噴出させる−ボトルは、水石鹸入れとして働く(但し、このボトルは、オゾン化水を小出しする)。小出しセンサ128は、とりわけ、ボトル100のヘッド部分102の下面に設けられるのが良い。
図1Cに示された実施形態では、小出しセンサ128は、非接触センサ、例えば赤外線センサ、電気光学センサ及び/又は運動センサである。しかしながら、他の例示の実施形態では、センサ128は、触覚センサ、例えばスイッチ、圧力センサ及び/又は圧電センサであっても良い。
【0089】
さらに、幾つかの実施形態では、ノズル116は、オゾン化水をタンク107に対して少なくとも2つの互いに異なる方向で選択的に送り出すよう構成可能であるのが良い。例えば、トリガモードでは、ノズル116は、水を全体として
図1Bの矢印130で示されているように前方方向に噴出させるよう構成されている。しかしながら、小出しモードでは、ボトル100は、ノズル116を改良させることによって水を全体として矢印132で示されているように下方方向に(又は角度をなして)小出しするよう構成されている。いずれのモードにおいても、流れは、互いに平行な又は互いに広がる経路中の多数の流れ(例えば、シャワーヘッドのような)の形態をしているのが良い。
【0090】
例示の一実施形態では、ノズル116は、回動するよう構成され、ユーザは、ノズルの方向を手動で調整する。しかしながら、例示の他の実施形態では、ボトル100は、例えば電気モータ及び/又は電子アクチュエータを用いてノズル116を自動的に回動させる。
【0091】
しかしながら、小出しモードとトリガモードを選択する性能を持たせることにより、ボトル100の機能性が高められる。上述したように、ボトル100は、トリガモードにあるとき、スプレーボトルとほぼ同じように働き、オゾン化水を遠隔の表面(例えば、カウンタートップ、ストーブトップ及びシンク及びテーブル)に塗布し、他方、ボトル100は、小出しモードでは、水石鹸入れと同様に働く。小出しモードでは、ユーザが自分の手をボトル100のヘッド部分102の下面に当てたとき、小出しセンサ128は、ユーザの手の存在を検出し、オゾン化水を下方に噴出させてこれをユーザの手に塗布する。このように、ユーザは、自分の手を消毒することができると共に/或いはオゾン化水を洗浄用品(例えば、スポンジ、ぼろ切れ及び/又はペーパータオル)に塗布することができる。
【0092】
幾つかの実施形態では、ボトル100は、ユーザが小出しモードとトリガモードを切り換えることができるようモードスイッチ156を更に有する。
図1Cに示された実施形態では、スイッチ156は、ボトル100のヘッド部分102の頂部上に配置されている。種々の例示の実施形態では、ボトル100は、ボトル100が設定されているモードを表示するための視覚標識(例えば、LED灯、例えば符号457で示されている)を有する。
【0093】
かくして、ボトル100は、小出しモードとトリガモードを選択するためのエレクトロニクス/回路(例えば、回路板152)を有する。
図8は、本発明の一実施形態に従って小出しモードかトリガモードかのいずれかを設定するためのプロセス800を示している。当初、スプレーボトルの回路は、モードスイッチ156がユーザによって小出しモードに設定されているかトリガモードに設定されているかどうかを判定する(ステップ802)。換言すると、モードスイッチ156と通信状態にある回路は、ユーザによるモードスイッチの選択に応動する。ユーザがスイッチ156を小出しモードに設定した場合、回路は、小出しセンサ128を作動させ、トリガ118を作動停止させる(ステップ804)。かくして、小出しモードでは、回路は、オゾン化水の噴出を開始させるために小出しセンサ128の作動を待ち、他方、トリガ118は、不作動状態になり、オゾン化水の噴出を開始させるためにトリガ118を用いることができない。ユーザによる小出しセンサ128の作動時、エレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202を作動させ、その結果、ボトル100がオゾン化水を既定の方向に噴出させることができるようにする(ステップ806)。幾つかの実施形態では、所定の期間後且つ/或いは所定量のオゾン化水がノズル116から噴出された後、エレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202を作動停止させる(ステップ808)。しかしながら、他の実施形態では、エレクトロニクスは、小出しセンサ128がユーザによってもはや作動されない後にのみポンプ110及び電解槽202を作動停止させる。
【0094】
スイッチ156をトリガモードに設定した場合、エレクトロニクスは、トリガ118を作動させ、小出しセンサ128を作動停止させる(ステップ810)。かくして、トリガモードでは、エレクトロニクスは、オゾン化水の噴出を開始させるためにトリガ118の作動を待ち、他方、小出しセンサ128は、不作動状態であり、オゾン化水の噴出を開始させるために小出しセンサ128を用いることができない。ユーザによるトリガ118の作動時、エレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202を作動させ、その結果、ボトル100がオゾン化水を噴出させることができるようになる(ステップ812)。ユーザがトリガ118をいったん解除すると、エレクトロニクスは、ポンプ110及び電解槽202を作動停止させる(ステップ814)。
【0095】
別の例示の実施形態では、エレクトロニクスは又、ノズル116を回動させるために電気モータ及び/又は電子アクチュエータと通信するよう構成されているのが良い。上述したように、小出しモードでは、ノズル116は、これがオゾン化水を下向きの方向に噴出させるよう回される。
【0097】
オゾン化水を生じさせることに加えて、幾つかの実施形態では、水をオゾン化する前に界面活性剤を水に加えることができ、それによりオゾンと界面活性剤の両方を含む水が得られる。水への界面活性剤の添加により、幾つかの利点が得られる。例えば、水中のオゾンの寿命を延ばすための幾つかの界面活性剤が知られている。また、オゾンは、消毒特性を備えていることが知られているが、界面活性剤、例えば硫酸ドデシルナトリウム(「SDS」)を混入することによって水の洗浄効果を高めることができる。
【0098】
定義:本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられている以下の用語は、別段の必要がなければ、以下に示す意味を有するものとする。
水又は水を含む流体を「オゾン化(オゾン処理)する」ことは、水の分子のうちの少なくとも何割かを分解して酸素原子がオゾンを生じさせ、このオゾンが水中に存在したままであるようにすることである。
【0099】
電解槽に印加される電力の「パラメータ」としては、電解槽に印加される電圧及び電解槽により消費させる電流が挙げられる。電圧及び電流は、それぞれ、「パラメータ」である。
【0100】
電解槽の「動作状態」は、電解槽がオゾンを発生させているかどうかを表示する。
【0101】
電解槽の「寿命状態」は、電解槽がその有効寿命の終わりに近づいているかこれに達したかどうかを表示する。例えば、第1の所定のしきい値を超える電圧がかかっている電解槽は、その有効寿命の終わりに近づいていると見なすことができ、これよりも高い第2の所定の電圧に等しい又は超える電圧がかかっている電解槽は、その有効寿命の終わりに達し又はこれを超えていると見なすことができる。
【0102】
電解槽の「有効寿命」は、電源から所定量未満の電力を供給されながら電解槽がオゾンを発生させることができる時間である。幾つかの実施形態では、電解槽に供給される電力を電解槽によって供給される電力のプロキシとして使用でき、所定の電圧は、電解槽に供給される所定の電力のプロキシとして使用できる。所定の電力又は電圧は、要因、例えばちょっと挙げてみただけでも、最大有効電力若しくは電圧、電解槽若しくは電解槽を収容した装置若しくはシステムの有効放熱特性又は電解槽のオゾン発生能力に基づいてシステム設計者によって指定できる。したがって、「有効寿命」という用語は、絶対的な用語であるというわけではない。これとは異なり、有効寿命は、少なくとも部分的に電解槽を用いる技術背景又はシステム及び/又は電解槽の使用の仕方で左右される場合がある。
【0103】
本発明の種々の実施形態では、この段落(及び本願の最後に添付されている現在の特許請求の範囲の記載の前)に続く段落に記載された潜在的に提示可能な請求項によって特徴付け可能である。これら潜在的な請求項は、本願の明細書の一部をなす。したがって、以下の潜在的な請求項の内容は、本願又は本願に基づく優先権を主張した出願を含む後の手続きにおいて現在の請求項として提示される場合がある。かかる潜在的な請求項の提示は、現在の請求項が潜在的な請求項の内容をカバーしていないことを意味するものと解されてはならない。かくして、以下の潜在的な請求項を後の手続きで提示しないという決定は、公衆へのかかる請求項の内容の贈与と解されてはならない。
【0104】
現在の請求項との混乱を避けるために請求項の番号の前には文字“P”が付けられている潜在的な請求項の内容は、次の通りである。
【0105】
P1.オゾン化水を表面に塗布するボトルであって、前記ボトルは、水を収容するための内部を備えたタンクを有し、オゾン化水を前記スプレーボトルから外へ差し向けるノズルを含み、前記ノズルは、電解槽と流体連通状態にある複数個の孔を有し、各孔の直径は、0.25mm以上であり、前記電解槽は、前記ノズルと前記タンクとの間に配置され、前記電解槽は、水が前記タンクから前記ノズルに流れているときに該水をオゾン化するよう構成されていることを特徴とするボトル。
【0106】
P2.前記孔は、中央箇所周りに円形のパターンをなして配列されていることを特徴とする潜在的な請求項P1記載のボトル。
【0107】
本発明の種々の実施形態は、少なくとも部分的に任意の従来のコンピュータプログラミング言語で実施できる。例えば、幾つかの実施形態は、手続き的プログラミング言語(例えば、“C”)又はオブジェクト指向プログラミング言語(例えば、“C++”)で具体化できる。本発明の他の実施形態は、事前プログラム式ハードウェア要素(例えば、特定用途向け集積回路、FPGA及びディジタル信号プロセッサ)又は他の関連コンポーネントとして具体化できる。
【0108】
変形実施形態では、開示した装置及び方法は、コンピュータシステム用のコンピュータプログラム製品として具体化できる。かかる具体化例としては、有形的表現媒体、例えば非過渡的コンピュータ可読媒体(例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM又は固定ディスク)上に記録された一連のコンピュータ命令が挙げられる。一連のコンピュータ命令は、本発明のシステムと関連して本明細書において上述した機能の全て又は一部を具体化することができる。
【0109】
当業者であれば理解されるべきこととして、かかるコンピュータ命令は、多くのコンピュータアーキテクチャ又はオペレーティングシステム用の多数のプログラミング言語で書き込み可能である。さらに、かかる命令は、任意の記憶装置、例えば半導体デバイス、磁気デバイス、光デバイス又は他のメモリ素子に記憶可能であり、そして任意の通信技術、例えば光技術、赤外線技術、マイクロ波技術又は他の送信技術を用いて送信可能である。
【0110】
とりわけ、かかるコンピュータプログラム製品は、添付の印刷又は電子文書(例えば、収縮包装ソフトウェア)付きの取り外し可能な媒体として配布でき、コンピュータシステムにあらかじめプレローディングされ(例えば、システムROM又は固定ディスク上に)又はネットワーク(例えば、the Internet又はWorld Wide Web)によりサーバ又は電子掲示板から配布可能である。当然のことながら、本発明の幾つかの実施形態は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)とハードウェアの両方の組み合わせとして具体化できる。本発明の更に別の実施形態は、全てハードウェアとして又は全てソフトウェアとして具体化される。
【0111】
コンピュータ、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ上で全体として又は部分的に実施されるプロセス(即ち、「コンピュータプロセス」)は、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意のものの組み合わせの制御下で動作することができ又は上述の手段の任意のものの制御外で動作することができるコンピュータハードウェア(例えば、プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の電子組み合わせ論理又は同様なデバイス)を用いたコンピュータにおける記述機能の性能である。記載された機能の全て又は一部は、能動的又は受動的電子コンポーネント、例えばトランジスタ又は抵抗器によって実施できる。「コンピュータプロセス」という用語を用いる際、コンピュータプログラム又はその一部のスケジュール設定可能なエンティティ又は動作が必ずしも必要とされるわけではない。ただし、幾つかの実施形態では、コンピュータプロセスは、コンピュータプログラム又はその一部のかかるスケジュール設定可能なエンティティ又は操作によって実施可能である。さらに、別段の必要がなければ、「プロセス」は、2つ以上のプロセッサ又は2つ以上の(シングルプロセッサ又はマルチプロセッサ)コンピュータを用いて実施できる。
【0112】
上述の本発明の実施形態は、例示に過ぎず、当業者には多くの変形例及び改造例が明らかであろう。かかる変形例及び改造例は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。
なお、好ましい構成態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. オゾン化水を小出しするシステムであって、前記システムは、
水を収容するための内部を備えたタンクを含み、
オゾン化水を前記システムから放出するノズルを含み、
電流出力を備えた電流源を含み、
前記ノズルと前記タンクとの間に配置された電解槽を含み、前記電解槽は、前記電流出力に電気的に結合されていて、水が前記タンクから前記ノズルに流れるときに水をオゾン化するよう構成されており、
前記電解槽が水をオゾン化しているとき、前記電流源により前記電解槽に印加される電圧をモニタするよう構成されていると共に該電圧に基づいて前記電解槽の動作についての動作状態を判定するよう構成された電解槽モニタ回路を含み、
前記電解槽の動作に関する動作状態をユーザに表示するよう構成された状態表示器を含む、オゾン化水小出しシステム。
2. 前記電解槽モニタ回路は、更に、電解槽の寿命状態を判定するよう構成され、前記状態表示器は、更に、前記電解槽がその有効寿命の終わりに近づいていることを前記ユーザに条件付きで表示するよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
3. 前記状態表示器は、オゾン発生灯から成り、前記モニタ回路は、前記モニタ回路により前記電解槽が水をオゾン化するよう動作していることが判定されると、前記オゾン発生灯を点灯させるよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
4. 前記状態表示器は、警告灯から成り、前記モニタ回路は、前記モニタ回路により前記電解槽がその有効寿命の終わりに近づいていることが判定されると、前記警告灯を点灯させるよう構成されている、上記2記載のオゾン化水小出しシステム。
5. 前記状態表示器は、寿命末期灯から成り、前記モニタ回路は、前記モニタ回路により前記電解槽がその有効寿命の終わりに達したことが判定されると、前記寿命末期灯を点灯させるよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
6. 前記モニタ回路は、前記モニタ回路により前記電解槽がその有効寿命の終わりに達したことが判定されると、前記電解槽への電流の供給を停止するよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
7. 前記モニタ回路は、前記モニタ回路により前記電解槽がその有効寿命の終わりに達したことが判定されると、前記ポンプへの電力の供給を停止するよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
8. 前記システムは、前記電解槽に供給される電流の極性を第1の極性から第2の極性に制御可能に逆にするよう構成されたスイッチング回路を更に含み、前記電解槽モニタ回路は、前記第1の極性及び第2の極性形態の各々において前記電流源により印加される電圧をモニタするよう構成されている、上記1記載のオゾン化水小出しシステム。
9. 水を複数のモードで選択的に小出しする装置であって、前記装置は、
水を収容するための内部を備えたタンクを有し、
水を前記装置から外へ差し向けるノズルを有し、
前記ノズルと前記タンクとの間に配置された電解槽を有し、前記電解槽は、水が前記タンクから前記ノズルに流れているときに水をオゾン化するよう構成され、
小出しセンサを有し、
トリガを有し、前記装置を小出しモードかトリガモードかのいずれかに設定するための選択論理を有し、
前記装置は、前記小出しモードにあるときに前記小出しセンサの作動に応答してオゾン化水を出力するよう構成され、
前記装置は、前記トリガモードにあるときに前記トリガの作動に応答してオゾン化水を出力するよう構成されている、装置。
10. 前記ノズルは、前記タンクに対する少なくとも2つの互いに異なる方向にオゾン化水を送り出すよう構成可能である、上記9記載の装置。
11. 前記小出しセンサは、触覚センサ及び非接触センサのうちの少なくとも一方を含む、上記9記載の装置。
12. 前記トリガは、前記小出しモードにあるときには不作動である、上記9記載の装置。
13. 前記小出しセンサは、前記トリガモードにあるときには不作動である、上記9記載の装置。
14. 前記選択論理は、モードを切り換えるためのスイッチを含む、上記9記載の装置。
15. オゾン化水を表面に塗布するためのボトルであって、前記ボトルは、
水を収容するための内部を備えたタンクを有し、
オゾン化水を前記スプレーボトルから外へ差し向けるノズルを有し、
前記ノズルと前記タンクとの間に配置された電解槽を有し、前記電解槽は、水が前記タンクから前記ノズルに流れているときに該水をオゾン化するよう構成され、
水を前記タンクから、そして前記電解槽及び前記ノズルを通って差し向けるポンプを有し、
前記ポンプの電力消費量をモニタするよう構成された少なくとも1つの電子コンポーネントを有し、前記少なくとも1つの電子コンポーネントは、更に、前記ポンプの前記電力消費量が既定のしきい値を満たし又はこれを超えた場合、前記電解槽への電力を切るよう構成されている、ボトル。
16. システム内の電解槽を動作させる方法であって、前記方法は、
一定の電流を前記電解槽の電流入力端子に供給するステップと、
前記電流入力端子のところの電解槽電圧をモニタするステップと、
前記電解槽電圧を所定のしきい値と比較して前記電解槽の健全状態を評価するステップと、
状態表示器を作動させて前記電解槽の前記健全状態を伝えるステップとを含む、電解槽の動作方法。
17. 前記既定のしきい値は、前記電解槽が前記システム内においてその有効寿命の終わりに近づいているが、これにまだ達していないことを表示する所定の電圧を含む、上記16記載の電解槽の動作方法。
18. 前記既定のしきい値は、前記電解槽が前記システム内においてその有効寿命の終わりに達したことを表示する所定の電圧を含む、上記16記載の電解槽の動作方法。
19. 前記方法は、前記電解槽電圧の前記比較の結果が、前記電解槽が前記システム内でその有効寿命の終わりに達したことを表示する所定の電圧を超えた場合、前記電解槽を動作停止させるステップを更に含む、上記18記載の電解槽の動作方法。
20. 前記システムは、水を前記電解槽に供給するよう構成されたポンプを含み、前記方法は、前記電解槽電圧の前記比較の結果が、前記電解槽が前記システム内でその有効寿命の終わりに達したことを表示する所定の電圧を超えた場合、前記ポンプを作動停止させるステップを更に含む、上記18記載の電解槽の動作方法。