(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6166449
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】空気弁付きバルブを連結した配管装置
(51)【国際特許分類】
F16L 55/07 20060101AFI20170710BHJP
F16L 1/028 20060101ALI20170710BHJP
F16K 5/06 20060101ALI20170710BHJP
F16K 24/00 20060101ALI20170710BHJP
E03B 7/07 20060101ALI20170710BHJP
F16K 31/60 20060101ALN20170710BHJP
F16K 43/00 20060101ALN20170710BHJP
【FI】
F16L55/07 D
F16L1/028 Z
F16K5/06 E
F16K24/00 E
E03B7/07 Z
!F16K31/60 B
!F16K43/00
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-222264(P2016-222264)
(22)【出願日】2016年11月15日
【審査請求日】2016年11月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598154752
【氏名又は名称】山川 裕朗
(72)【発明者】
【氏名】山川 裕朗
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−236871(JP,A)
【文献】
特開平07−185525(JP,A)
【文献】
実公昭55−020970(JP,Y2)
【文献】
特開昭49−043202(JP,A)
【文献】
特許第5991607(JP,B1)
【文献】
特開2015−203437(JP,A)
【文献】
特開2013−170604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 51/00−55/48
E03B 1/00−11/16
F16K 5/06
F16K 21/00−24/00
F16K 31/60
F16K 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された配管の中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた一対の分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結したことを特徴とする空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【請求項2】
前記配管は、高低差の大きな場所に配設された上部水平管と下部水平管と前記上部水平管と前記下部水平管とを連結する傾斜管とで構成されており、前記上部水平管の中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口と前記傾斜管又は下部水平管の中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記配管に沿って配設された副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結した請求項1に記載の空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【請求項3】
前記副流管と前記空気弁付きバルブとの間には内視鏡を装着可能な切替弁を介在させた請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【請求項4】
前記空気弁付きバルブは、前記副流管に連通する少なくとも二方向の開口部を有し、内部に弁体収納室と前記弁体収納室に達する貫通孔とが形成され、前記配管に接続する接続部が形成されたバルブ本体と、前記弁体収納室に回動可能に配設され前記開口部と連通する水路と前記水路に連通する貫通孔が形成された弁体と、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体に取り付けられて前記弁体を回動する駆動手段と、前記駆動手段に取付けられ駆動手段の水路に内部が連通される空気弁とからなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体の貫通孔に取り付けられて前記弁体を回動するものである請求項4に記載の空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【請求項6】
前記弁体は球状に形成されており、前記貫通孔と前記水路とは直交して形成されている請求項4乃至請求項5のいずれか1項に記載の空気弁付きバルブを連結した配管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気弁付きバルブを連結した配管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気弁は、水道管路内に溜まった空気を自動的に出し入れするためのものであり、水道管路内に空気が溜まると、水の流れを邪魔したり水が白くなることがあるため、空気を適切に取り除く必要がある。
【0003】
上記問題点を解消するために、例えば、特許文献1に示す空気弁、特許文献2に示す空気弁装置が提案されたが、空気弁は、故障したり寿命がくると交換することになるが、水漏れが発生するため、水道管などの配管の空気弁への複数の水路を閉じた後でなければ空気弁を外すことができず、空気弁の周囲に配置された複数個の仕切弁を閉塞するとともに、圧力計測機器を用いて補修する空気弁に圧力が加わっていないことを確認して補修する必要があり、手間がかかり交換に時間がかかるという問題点があった。
【0004】
本発明の発明者は、上記問題点を解消するために、特許文献3に示す空気弁付きバルブ装置を提案したが、配管内に溜まった空気を効率良く空気弁に移送することができないという問題点があった。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−203437号公報
【特許文献2】特開2013−170604号公報
【特許文献3】特許第5991607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、配管内に溜まった空気を効率良く空気弁に移送することができる空気弁付きバルブを連結した配管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置は、地中に埋設された配管の中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた一対の分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結したことを特徴とする。
又、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置にあっては、前記配管は、高低差の大きな場所に配設された上部水平管と下部水平管と前記上部水平管と前記下部水平管とを連結する傾斜管とで構成されており、前記上部水平管の中心を通る断面の周囲における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口と前記傾斜管又は下部水平管の中心を通る断面の周囲における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記配管に沿って配設された前記副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結することが望ましい。
又、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置にあっては、前記副流管と前記空気弁付きバルブとの間には内視鏡を装着可能な切替弁を介在させることが望ましい。
又、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置にあっては、前記空気弁付きバルブは、前記
副流管に連通する少なくとも二方向の開口部を有し、内部に弁体収納室と前記弁体収納室に達する貫通孔とが形成され、前記配管に接続する接続部が形成されたバルブ本体と、前記弁体収納室に回動可能に配設され前記開口部と連通する水路と前記水路に連通する貫通孔が形成された弁体と、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体に取り付けられて前記弁体を回動する駆動手段と、前記駆動手段に取付けられ駆動手段の水路に内部が連通される空気弁とからなることが望ましい。
又、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置にあっては、前記駆動手段は、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体の貫通孔に取り付けられて前記弁体を回動するものであることが望ましい。
又、本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置にあっては、前記弁体は球状に形成されており、前記貫通孔と前記水路とは直交して形成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置は、地中に埋設された配管の中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた一対の分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結したことを特徴とするものであるから、配管内に溜まった空気は、分岐栓及び副流管を通って空気弁付きバルブの空気弁にスムーズに導入され、配管内に溜まった空気を効率良く空気弁に移送することができるという効果がある。
又、請求項2のように、前記配管は、高低差の大きな場所に配設された上部水平管と下部水平管と前記上部水平管と前記下部水平管とを連結する傾斜管とで構成されており、前記上部水平管の中心を通る断面の周囲における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口と前記傾斜管又は下部水平管の中心を通る断面の周囲における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓の連結口に副流管をそれぞれ連結し、前記配管に沿って配設された副流管の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブを連結したものは、前記傾斜管の高低差が原因で発生する圧力差を副流管で吸収することができ、前記配管に高圧が加わったり低圧が加わったりすることが原因で発生する配管の破損を防止することができるという効果がある。
又、請求項3のように、前記副流管と前記空気弁付きバルブとの間には内視鏡を装着可能な切替弁を介在させたものは、水道管などの配管内の映像確認ができるものであり、例えば、昭和に埋設された水道管内の老朽化状態や破損状況が目視でき、長時間にわたる漏水が原因の道路陥没による事故を事前に察知して大惨事を防止することが出来るという効果がある。
又、請求項4のように、前記空気弁付きバルブは、前記副流管に連通する少なくとも二方向の開口部を有し、内部に弁体収納室と前記弁体収納室に達する貫通孔とが形成され、前記配管に接続する接続部が形成されたバルブ本体と、前記弁体収納室に回動可能に配設され前記開口部と連通する水路と前記水路に連通する貫通孔が形成された弁体と、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体に取り付けられて前記弁体を回動する駆動手段と、前記駆動手段に取付けられ駆動手段の水路に内部が連通される空気弁とからなるものは、駆動手段を操作して水道管などの配管の空気弁への水路を閉じた後に空気弁を外すことができ、空気弁の周囲に配置された複数個の仕切弁を閉塞する必要が無く、圧力計測機器を用いて補修する空気弁に圧力が加わっていないことを確認して補修する必要もなく、簡単に短時間で施工又は交換することができるという効果があり、更に、市販されているバルブ装置の一部を改良することで空気弁付きバルブ装置を製造することも可能であり、簡単に製造できるという効果がある。
又、請求項5のように、前記駆動手段は、前記弁体に形成された貫通孔に連通する水路が内部に形成されるとともに前記弁体の貫通孔に取り付けられて前記弁体を回動するものは、構造が簡単であり、小型が可能であるという効果がある。
又、請求項6のように、前記弁体は球状に形成されており、前記貫通孔と前記水路とは直交して形成されているものは、球面となった弁体で貫通孔を確実に閉塞することができ、水漏れを起こし難いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置の概略図。
【
図2】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置を傾斜面に配設した概略図。
【
図3】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置に使用する分岐栓の断面図。
【
図4】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置に使用する空気弁付きバルブの概略図。
【
図5】同上の空気弁付きバルブ装置の弁体を開けた状態の断面図
【
図6】同上の空気弁付きバルブ装置の弁体を閉じた状態の断面図
【
図7】同上の空気弁付きバルブ装置の空気弁を外した状態の断面図
【
図9】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置に使用する切替弁の外側弁体の概略図。
【
図10】本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置に使用する切替弁の内側弁体の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第一実施の形態を
図1乃至
図10に基づいて詳述すると、地中Tに埋設された配管Hの中心を通る断面における垂直方向の頂点Haに形成された開口部Hbに取付けられた一対の分水栓1の連結口に副流管2をそれぞれ連結し、副流管2の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブ3を連結している。分水栓1の上部に設けられた連結口に副流管2をそれぞれ連結すると、内視鏡Nの挿入時に内視鏡Nが直角に曲がるようなことは無くスムーズに挿入可能となる。
【0012】
分水栓1は、配管Hに取り付けるサドル部4が設けられたサドル分水栓を用いると、サドル部4に設けられたシーリング材5が分水栓1と配管Hとの間から漏水するのを防止することができ望ましい。分水栓1の配管Hの開口部Hbへの挿入部6は、配管Hの内面から内方に突出しない寸法に形成されており、開口部Hbから導入された空気がスムーズに分水栓1内に導入されるようになっている。
【0013】
副流管2は、可撓性を有する合成樹脂でできたものが望ましく、実施例は内径が20ミリメートルのポリプロピレン製でできている。副流管2は、ねじ、接着により分水栓1の取り付け位置に強固に取り付けられている。
【0014】
図2は、ゴルフ場や住宅などの傾斜地に本発明の空気弁付きバルブを連結した配管装置を設けた実施例であり、高低差の大きな場所に配設された上部水平管Hcと下部水平管Hdと上部水平管Hcと下部水平管Hdとを連結する傾斜管Heとで構成されており、上部水平管Hcの中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓1の連結口と傾斜管He又は下部水平管Hdの中心を通る断面における垂直方向の頂点に取付けられた分水栓1の連結口に副流管2をそれぞれ連結し、配管Hに沿って配設された副流管2の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブ3を連結し,傾斜した配管Hの高低差が原因で発生する圧力差を副流管2で吸収することができ、配管Hに高圧が加わったり低圧が加わったりすることが原因で発生する配管Hの破損を防止することができるものである。
【0015】
空気弁付きバルブ3は、副流管2、2の間に介在されている。空気弁付きバルブ3は、配管Hに連通する第1の開口部7a及び第2の開口部7bを有し、内部に弁体収納室8と弁体収納室8に達する貫通孔9とが形成され、配管Hに接続する接続部10が形成されたバルブ本体11と、弁体収納室8に回動可能に配設され開口部7a、7bと連通する水路12と水路12に連通する貫通孔13が形成された弁体14と、弁体14に形成された水路12に連通する水路15が内部に形成されるとともに弁体14の貫通孔13に取り付けられて弁体14を回動する駆動手段16と、駆動手段16に着脱自在に連結され駆動手段16の水路15に内部が連通される空気弁17とからなっている。
【0016】
バルブ本体11は合成樹脂で第1のバルブ本体11aと、第2のバルブ本体11bの2分割に形成されている。第1のバルブ本体11aは、塩化ビニールでできた配管Hの内径(75ミリメートル)に対応して直径75ミリメートルの断面円形状の開口部7aを構成するフランジ部18の内側に第1の開口部7aよりも径大(例えば、100ミリメートル)の防水用のゴムのような弾性材でできた第1のシーリング材19aが設けられており、環状の合成樹脂でできた第1の取付具20aで保持されている。弁体14の第1の開口部7a側の面が摺接する環状のゴムのような弾性材でできた第2のシーリング材19bが第1の取付具20aに保持されている。弁体14の第2の開口部7b側の面は、第2のシーリング材19bと同径のゴムのような弾性材でできた第4のシーリング材19dが摺接している。第4のシーリング材19dは、第1の取付具20aと同形状の合成樹脂でできた第2の取付具20bに保持されている。第2の取付具20bは、先端が弁体14の側面を保持する断面形状略コ字型の合成樹脂でできたリング21により保持されている。第2の取付具20bとリング21との間には第1のシーリング材19aと同径のゴムのような弾性材でできた第3のシーリング材19cが設けられている。第1のバルブ本体21aの開口部11cにはゴムのような弾性材でできた第5のシーリング材19eを介して第2のバルブ本体21bが螺着されている。第1のバルブ本体11aの開口部11cの内面には雌ねじ11dが形成されており、配管Hの外面には雌ねじ11dに螺着される雄ねじ11eが形成されているので、バルブ本体11を水道管等の配管Hに着脱自在に取り付けることが出来る。
【0017】
第1のバルブ本体11aの内部に形成された弁体収納室8は、空気を溜まる空気溜まり部22が上方に偏心して形成されており、空気が溜まり易くなっている。空気溜まり部22が形成されていると、空気溜まり部22に空気が溜まり易くなって分離できるので、配管Hに空気が混入した水が流れるのを防止でき、ウオーターハンマーの要因になることを防止できるという効果と、空気を効率よく除去することができるという効果がある。開口部7a、7bの上面は水がスムーズに流れるようにテーパー状に形成されており、テーパー部23が形成されている。
【0018】
バルブ本体11の弁体収納室8の所定位置に収納される弁体14は、合成樹脂で直径が略120ミリメートルの略球状に形成されており、断面形状円形で直径が75ミリメートルの水路12が弁体14の中央部に貫通した状態に形成されており、水路12の中央位置には水路12の軸心方向に対し直交する方向に断面形状円形で弁体14の厚みよりも狭い直径(例えば、50ミリメートル)の貫通孔13が形成されている。
【0019】
バルブ本体11の略中心位置には弁体14から離れる方向であって、水路7a、7bを結ぶ軸心に対し直交する方向に突出する断面形状円形の突出部24が弁体14の貫通孔13と同軸上に形成されている。突出部24には駆動手段16の先端に形成された円筒部25が挿入される断面形状円形の貫通孔9が弁体14の貫通孔13と同軸上に形成されている。
【0020】
駆動手段16は、合成樹脂でできており、上方に行くに従って径大となるラッパ状に形成されており、径が小さくなった中央部にはバルブ本体11の貫通孔9に挿入される円筒部25が弁体14の貫通孔13と同軸上に形成されており、貫通孔9には駆動手段16の円筒部25が第6のシーリング材19f及び第7のシーリング材19gを介して挿入されている。円筒部25の先端には円筒部25よりも幅が狭く弁体14の貫通孔13に係合する係合部26が形成されている。係合部26は、断面形状が貫通孔13と同じ円形の場合は、接着により弁体14に固定され、多角形の場合は、挿入されていても構わないものである。係合部26を円筒部25の先端に円筒部25よりも幅を狭く形成することにより、弁体14に開ける孔を小さくすることが可能となり、コンパクトにすることが可能となる。駆動手段16の径大となった先端部には駆動手段16を回動するハンドル27が着脱自在に取り付けられる取付部28が形成されている。
【0021】
駆動手段16は、バルブ本体11の突出部24の外周胴に螺着される固定ねじ29によりバルブ本体11の突出部24に強固に取り付けられている。駆動手段16の円筒部25の内面に形成された雌ねじ30に螺着する雄ねじ31が形成されたカプラーワンタッチジョイント32が弁体14の貫通孔13と同軸上に取り付けられている。
【0022】
空気弁17は、カプラーワンタッチジョイント32に着脱自在に取り付けられる取付部33と、水を貯める合成樹脂からなる貯水部34と、水に浮く合成樹脂からなるフロート35と、弁座36とで構成されており、通常時は貯水部に水が充たされている。弁座36とフロート35が密着することで密封されている。空気弁17の内部に空気がある程度溜まるとフロート35が水に浮きながら水面位置まで下がるため、弁座36とフロート35との接触が解かれて外部に空気が流出する。空気の流出によって水面が上がるとフロート35も上昇し、弁座36とフロート35が密着することで再び気密が保たれるのである。配管Hが破損すると破損部から空気が配管H内に入り込み、弁座36とフロート36との接触が解かれて外部に空気が流出するのであり、例えば、風船やベルなどの報知手段を設けることにより配管Hの破損を検知することが出来るものである。空気弁17は、水道用、下水道用のものなど種々提案及び販売されているが、使用可能である。空気弁17の取付部33は、凹溝状に形成されており、カプラーワンタッチジョイント32に設けられた係合手段37が空気弁17の取付部33に係合又は離脱することで、空気弁17はカプラーワンタッチジョイント32に着脱自在に取り付けられている。係合手段37は、カプラーワンタッチジョイント32の外周胴に上下動自在に設けられたカプラ脱着レバー38にスリットを介して内方に付勢するように一体的に形成されており、係合手段37は空気弁17の取付部33に係合するようになっている。カプラ脱着レバー38は、合成樹脂材でカップ状に形成されており、ばね体39により上方に付勢された状態に設けられている。実施例は、カプラーワンタッチジョイント32を用いたが、ねじを介して駆動手段16と空気弁17とを連結し、空気弁17を手で回転させることで着脱しても構わないものである。又、実施例は、駆動手段16に空気弁17を着脱自在にしたが、駆動手段16に空気弁17を固定しても構わないものである。
【0023】
ハンドル27は、中空の筒部40と、筒部40の先端に形成されて駆動手段16の取付部28に係合する係合部41と、筒部41に上下動自在に収納された軸部42と、軸部42の先端に形成されてカプラーワンタッチジョイント32に設けられたカプラ脱着レバー38を押圧して空気弁17を脱着する空気弁脱着レバー部43と、空気弁脱着レバー部43の内面位置に設けられた磁石44と、筒部40の上端に形成された把持部45とで構成されており、駆動手段16の取付部28に係合部41を係合してハンドル27を90度回動することで弁体14を90度回動して開口部7a、7b間を閉塞し、例え、空気弁17を外してもカプラーワンタッチジョイント32により空気弁17を外した位置から水が噴出することを防止することができるのである。その後、軸部42を押し下げることで、カプラーワンタッチジョイント42に設けられたばね体により空気弁17を上方に押し上げて、空気弁17をカプラーワンタッチジョイント32から開放するのであり、その後、磁石44に空気弁17の磁性体部材46を吸着させてバルブ設置円柱桝Mから空気弁17を取り出し、その後、補修用の新しい空気弁17の磁性体部材46に磁石44を吸着させて補修用の新しい空気弁17を所定の位置も配置し、軸部42をカプラーワンタッチジョイント32側に押し付けることで空気弁17をカプラーワンタッチジョイント32にワンタッチで取り付けることが出来るのである。Kは、コンクリート製の底板である。
【0024】
カプラーワンタッチジョイント32は、駆動手段16に空気弁17を簡単に着脱できるとともに、駆動手段16に空気弁17を装着した時は駆動手段16の水路15と空気弁17とを連通させ、駆動手段16から空気弁17を外した時は駆動手段16の水路15を閉じるようにしたものであり、カプラーとして例えば日東工器株式会社から種々発売されており、選択して使用することができるものである。
【0025】
バルブ装置は、バルブ本体内にボール状の弁体が回動自在に配設されたボールバルブと呼称されたバルブ装置と、バルブ本体内に円柱状の弁体が回動自在に配設された円筒バルブと呼称されたバルブ装置が知られている。このバルブ装置は、少なくとも二方向の開口を形成したバルブ本体に回動可能に配設された弁体を回動させてバルブの開閉を行うものであるとともに、弁体に間接的に空気弁が取り付け可能であり、請求項3はこれらのバルブ装置を含むものである。
【0026】
副流管2と空気弁付きバルブ3との間には内視鏡Nを装着可能な切替弁47を介在させている。切替弁47は、円筒形の外側弁体48と外側弁体48の内側に収納された内側弁体49とで構成されている。
【0027】
外側弁体48は、合成樹脂で形成されており、円筒形の軸心と直交する軸心を有する第1の開口部50が外側弁体48の下部に外側弁体48を貫通して形成されている。外側弁体48の上部に第1の開口部50と直交して第2の開口部51が外側弁体48の側壁を貫通して形成されている。一方の第1の開口部50aには副流管2が接続され、
他方の第1の開口部
50bには空気弁付きバルブ3が接続されている。実施例にあっては、第2の開口部51は、外側弁体48の手前側の側壁に位置されている。外側弁体48は、複数の部品を組み立てることで形成すれば良い。
【0028】
内側弁体49は、合成樹脂で形成されており、円筒形の軸心と直交する軸心を有する第1の開口部52が内側弁体49の下部に内側弁体49を貫通して形成されている。第1の開口部52の軸心に対し29度左側に寄った第1の開口部52の上方位置には第2の開口部53が形成され、第2の開口部53の軸心に対し90度左側に寄った第1の開口部52の軸心と同一高さ位置には第3の開口部54が形成されている。第1の開口部52と第2の開口部53と第3の開口部54は内部で連通している。内側弁体49は、複数の部品を組み立てることで形成すれば良い。
【0029】
外側弁体48の第1の開口部50と、内側弁体49の第1の開口部52とを一致させた状態では
副流管2と空気弁付きバルブ3とが連通し、外側弁体48の第2の開口部51が内側弁体49の側壁で閉塞しており、配管H内の空気を分水栓1、副流管2を介して空気弁に導入することができるのであり、この状態で内側弁体49を29度回転させることで、外側弁体48の第2の開口部51と内側弁体49の第2の開口部53を連通させるとともに、外側弁体48の副流管2が接続された第1の開口部50aと内側弁体49の第3の開口部54を連通させることができるのであり、この時に、外側弁体48の第2の開口部51から内視鏡Nを挿入するとともに、外側弁体48の第1の開口部50aから抜き出し、副流管2、分水栓1を介して配管Hの内壁の状態をチェックすることができる。
【0030】
外側弁体48の第1の開口部50と、第2の開口部51には雌ねじが夫々形成されており、外側弁体48の第1の開口部50と、第2の開口部51の内側には先端に内側弁体49の外周胴に密着して防水する環状のシーリング材が設けられたシール手段を螺着し、第1の開口部51の外側に副流管2と空気弁付きバルブ3を螺着している。
【0031】
内側弁体49の操作は、外側弁体48の開口部55から突出する軸56に操作手段57を設けて回動するようにすれば良い。
【0032】
実施例は、切替弁47を空気弁付きバルブ3の両側に取り付けているが、内視鏡Nが流れに逆らわない側に設ければ良いものである。外側弁体48の第2の開口部51と内視鏡Nとの隙間から水が漏れないように軟質のゴムパッキンを設ければ良い。
【0033】
空気弁付きバルブ3及び切替弁47を地面Gに形成した穴Aに配設し、蓋体58を設けており、空気弁の着脱や内視鏡Nの使用勝手の向上を図っている。
【符号の説明】
【0034】
1 分水栓
2 副流管
3 空気弁付きバルブ
7a 第1の開口部
7b 第2の開口部
8 弁体収納室
9 貫通孔
10 接続部
11 バルブ本体
12 水路
13 貫通孔
14 弁体
15 水路
16 駆動手段
17 空気弁
【要約】 (修正有)
【課題】配管内に溜まった空気を効率良く空気弁に移送することができる空気弁付きバルブを連結した配管装置を提供する。
【解決手段】地中に埋設された配管Hの中心を通る断面における垂直方向の頂点Haに取付けられた一対の分水栓1の連結口に副流管2をそれぞれ連結し、前記副流管2の地上方向に延設した端部に空気弁付きバルブ3を連結した。配管内に溜まった空気は、分岐栓及び副流管2を通って空気弁付きバルブ3の空気弁にスムーズに導入され、配管内に溜まった空気を効率良く空気弁に移送することができる。
【選択図】
図1