特許第6166477号(P6166477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166477
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】機内持ち込み乗客シート
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20170710BHJP
   B60N 2/24 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   B64D11/06
   B60N2/24
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-534244(P2016-534244)
(86)(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公表番号】特表2016-539842(P2016-539842A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014067265
(87)【国際公開番号】WO2015081054
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】61/909,513
(32)【優先日】2013年11月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピュリフォイ マーク
(72)【発明者】
【氏名】ケニー サム
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05158337(US,A)
【文献】 特開2000−272597(JP,A)
【文献】 米国特許第05265828(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/06
B60N 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機内の支持台座上に取り付けるように適合された機内持ち込みの乗客シートであって、
座席底部に枢動可能に接続されることにより前記座席底部に対して折り畳まれるように構成された座席背もたれと、
前記座席底部の下側に形成された細長い溝と、を備え、
支持台座の細長い部材は、
前記細長い溝を通って受容されるように適合され、
前記座席底部が前記支持台座から引き離されないように前記細長い溝に対して回転されるように適合される、
機内持ち込みの乗客シート。
【請求項2】
前記乗客シートは、前記座席背もたれに対して枢動可能に取り付けられることにより前記座席背もたれに対して折り畳まれるように構成されたヘッドレストをさらに含む、請求項1に記載の機内持ち込みの乗客シート。
【請求項3】
前記座席背もたれは、その前側および後側の少なくとも一方に凹部を画定し、
前記凹部は、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれた収納位置にあるとき前記ヘッドレストを受容するように適合されている、請求項2に記載の機内持ち込みの乗客シート。
【請求項4】
前記乗客シートは、前記ヘッドレストおよび前記座席背もたれの枢動取付地点の近くに配置されたハンドルをさらに含み、
前記ハンドルは、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれているときに使用のためにアクセス可能である、請求項2又は3に記載の機内持ち込みの乗客シート。
【請求項5】
前記座席底部は、前記支持台座の前記細長い部材を受容するように中空である、請求項1から4のいずれか一項に記載の機内持ち込みの乗客シート。
【請求項6】
シートシステムであって、
航空機内に据え付けられるように適合された支持台座であって、固定された基部と、前記基部に対して垂直に移動するように構成された支柱と、前記支柱に対して水平方向に回転するように構成された前記支柱上の細長い部材とを含む支持台座と、
前記支持台座上に載るように適合された機内持ち込みの乗客シートであって、座席底部に枢動可能に接続されることにより前記座席底部に対して折り畳まれるように構成された座席背もたれと、前記座席底部の下側に形成された細長い溝と、を含む前記乗客シートと、
を備え、
前記支持台座の前記細長い部材は、
前記細長い溝を通って受容されるように適合され、
前記座席底部が前記支持台座から引き離されないように前記細長い溝に対して回転するように適合される、シートシステム。
【請求項7】
前記基部は、前記座席底部の下側と直接接触し、前記座席底部の下側の外形と相補的に形成される、請求項6に記載のシートシステム。
【請求項8】
前記基部は、前記支柱を取り囲み、
前記支柱は、前記基部から垂直に上昇し且つ前記基部の中に垂直に下降するように構成される、請求項6又は7に記載のシートシステム。
【請求項9】
前記機内持ち込みの乗客シートは、第1に前記支柱を前記基部から垂直に上昇させ、第2に前記細長い部材を前記細長い溝を通して挿入し、第3に前記細長い部材を前記支柱に対して水平方向に回転させ、最後に前記支柱を前記基部の中に垂直に下降させることによって、前記支持台座に取り付けられる、請求項6から8のいずれか一項に記載のシートシステム。
【請求項10】
前記細長い部材は、前記支柱に対して90度回転するように構成される、請求項9に記載のシートシステム。
【請求項11】
前記機内持ち込みの乗客シートは、前記座席背もたれに対して枢動可能に取り付けられることにより前記座席背もたれに対して折り畳まれるように構成されたヘッドレストをさらに備える、請求項6から10のいずれか一項に記載のシートシステム。
【請求項12】
前記座席背もたれは、その前側および後側の少なくとも一方に凹部を画定し、
前記凹部は、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれた収納位置にあるとき前記ヘッドレストを受容するように適合されている、請求項11に記載のシートシステム。
【請求項13】
前記シートシステムは、前記ヘッドレストおよび前記座席背もたれの枢動取付点の近くに配置されたハンドルをさらに備え、
前記ハンドルは、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれているときに使用のためにアクセス可能である、請求項11又は12に記載のシートシステム。
【請求項14】
前記座席底部は、前記支持台座の前記細長い部材を受容するように中空である、請求項6から13のいずれか一項に記載のシートシステム。
【請求項15】
前記細長い部材が前記座席底部内で回転された位置にあり且つ前記支柱が前記基部の中に後退されるとき、前記座席底部の一部は、前記基部と前記細長い部材の間に拘束される、請求項6から14のいずれか一項に記載のシートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、取外し可能な航空機乗客シートに関し、詳細には、航空機内に据え付けられた支持台座上に取り付けるように構成された機内持ち込み個人用乗客シートに関する。
【背景技術】
【0002】
旅客航空会社は、豪華な収容設備に対する旅行者の期待および欲求に応え、プレミアムクラスの乗客着席領域における豪華さのレベルを絶えず上げようとしている。これに関連して、プレミアムクラス着席区画は現在、個人用乗客スイート、フルフラットシート、レザー製の座面、最先端のメディア、電子機器およびインターネット接続等を含んでいる。今日まで、航空会社はブランド志向の旅行者をまだ満足させてはいない。
【0003】
プレミアムクラスの座席を購入できる手段を有する旅行客は、とりわけLouis Vuitton(登録商標)、Hermes(登録商標)およびGucci(登録商標)などの高級ブランドから入手可能な最高級の手荷物から明らかなように、通常は高級手荷物を購入できる手段も有する。典型的な機内持ち込みバッグの価格が2〜3百ドルである一方で、これらの高級ブランドから販売される高級な機内持ち込みバッグの価格は数千ドルを超える場合がある。航空会社は、従来の固定シートについて、そのような製造業者とブランド提携(co−brand)しカバーすることもできるだろうが、豪華なシートを求めるほとんどのブランド志向の旅行客は、他人に使用されない自分自身の個人用シートを持つことを好むだろう。
【0004】
従って本発明は、前述の高級品供給業者の1つと協同して製造できる可能性を有する機内持ち込みの個人用乗客シートを対象とする。そのようなシートは個人用であり、且つ一人の乗客の専用であり得る。機内持ち込みのシートは、他の利点の中でもとりわけ、航空機内のシート費用の一部を乗客へ移す、シート構成を単純化する、柔軟な/代替のシート構成を可能にする、高級ブランドおよび私有化に対する旅行者の要求を満たす、細菌の伝播を低減するのに役立つ、およびメンテナンスおよび清掃の必要性を低減する、という追加の利点を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、民間旅客航空機などの航空機内に据え付けられた支持台座上に取り付けるように構成された機内持ち込みの乗客シートを提供することが本発明の目的である。
【0006】
豪華なシートについてブランド提携するために、高級品供給業者と協同して開発された機内持ち込みの個人用乗客シートを提供することが本発明の別の目的である。
【0007】
乗客と一緒に移動するように構成され、且つ、航空機内での使用を承認された、機内持ち込みの乗客所有の乗客シートを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0008】
承認されたシャーシ、およびシャーシを航空機内に収容するための構造を開発するためにシート製造業者と、シートを布張りし、そうでなければシートをカスタマイズするために高級品供給業者と、の協同により開発された機内持ち込みの乗客用シートを提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述及び他の目的及び利点を達成するために、本明細書では、航空機内の支持台座上に取り付けるように適合された機内持ち込みの乗客シートであって、座席底部に枢動可能に接続されることにより前記座席底部に対して折り畳まれるように構成された座席背もたれと、前記座席底部の下側に形成された細長い溝と、を含み、前記支持台座の細長い部材は、前記細長い溝を通して受容されるように適合され、前記座席底部が前記支持台座から引き離されないように前記細長い溝に対して回転されるように適合される、機内持ち込みの乗客シートが提供される。
【0010】
さらなる他の態様では、前記シートは、前記座席背もたれに対して枢動可能に取り付けられることにより前記座席背もたれに対して折り畳まれるように構成されたヘッドレストを含んでいてもよい。
【0011】
さらなる他の態様では、前記座席背もたれは、その前側および後側の少なくとも一方に凹部を画定し、前記凹部は前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれた収納位置にあるときに前記ヘッドレストを受容するように適合されていてもよい。
【0012】
さらなる他の態様では、前記シートは、前記ヘッドレストおよび前記座席背もたれの枢動取付点の近くに配置されたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれているときに使用のためにアクセス可能であってもよい。
【0013】
さらなる他の態様では、前記座席底部は、前記支持台座の前記細長い部材を受容するように中空であってもよい。
【0014】
他の実施例では、本発明は、シートシステムであって、航空機内に据え付けられるように適合された支持台座であって、固定された基部と、前記基部に対して垂直に移動するように構成された支柱と、前記支柱に対して水平方向に回転するように構成された前記支柱の上の細長い部材と、を含む支持台座を含むシートシステムを提供する。システムは、さらに、前記支持台座上に取り付けられるように適合された機内持ち込みの乗客シートを含み、機内持ち込みの乗客シートは、座席底部に枢動可能に接続されることにより前記座席底部に対して折り畳まれるように構成された座席背もたれと、前記座席底部の下側に形成された細長い溝とを含み、前記支持台座の前記細長い部材は、前記細長い溝を通して受容されるように適合され、前記座席底部が前記支持台座から引き離されないように前記細長い溝に対して回転するように適合される。
【0015】
他の態様では、前記基部は、前記座席底部の下側と直接接触してもよく、前記座席底部の下側の外形と相補的に形成されていてもよい。
【0016】
さらなる態様では、前記基部は、前記支柱を取り囲んでもよく、前記支柱は、前記基部から垂直に上昇し且つ前記基部の中に垂直に下降するように構成されていてもよい。
【0017】
さらなる態様では、前記機内持ち込みの乗客シートは、第1に前記支柱を前記基部から垂直に上げ、第2に前記細長い部材を前記細長い溝に通して挿入し、第3に前記細長い部材を前記支柱に対して水平方向に回転させ、最後に前記支柱を前記基部の中に垂直に下げることによって、前記支持台座に取り付けられていてもよい。
【0018】
前記細長い部材は、前記支柱に対して90度回転するように構成されていてもよい。
【0019】
さらなる態様では、前記機内持ち込みの乗客シートは、前記座席背もたれに対して枢動可能に取り付けられることにより前記座席背もたれに対して折り畳まれるように構成されたヘッドレストをさらに備えていてもよい。
【0020】
さらなる態様では、前記座席背もたれは、その前側および後側の少なくとも一方に凹部を画定し、前記凹部は、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれた収納位置にあるときに前記ヘッドレストを受容するように適合されていてもよい。
【0021】
さらなる態様では、前記シートは、前記ヘッドレストおよび前記座席背もたれの枢動取付点の近くに配置されたハンドルをさらに備えていてもよく、前記ハンドルは、前記ヘッドレストが前記座席背もたれに対して折り畳まれているときに使用のためにアクセス可能であってもよい。
【0022】
さらなる態様では、前記座席底部は、前記支持台座の前記細長い部材を受容するように中空であってもよい。
【0023】
さらなる態様では、前記細長い部材が前記座席底部内で回転された位置にあり且つ前記支柱が前記基部の中に後退されるとき、前記座席底部の一部は、前記基部と前記細長い部材の間に拘束されてもよい。
【0024】
本発明の実施形態は、上記の特徴、態様および構成の1つ以上、あるいはいずれかの組合せを含むことができる。
【0025】
本発明のさらなる特徴、態様および利点は、後続の詳細な記載に記載され、および部分的にその記載から当業者に容易に明らかになるか、または本明細書に記載されるように本発明を実行することによって理解されるであろう。前述の概略的な記載および以下の詳細な記載の両方は、本発明の様々な実施形態を提示し、および特許請求される本発明の特性および特徴を理解するための概説または枠組みを提供することを目的としていることは理解されよう。添付の図面は、本発明のより深い理解を提供するために本明細書の一部に含められ、組み込まれ且つ本明細書の一部を構成する。
【0026】
本発明の特徴、態様および利点は、添付図面を参照して以下の本発明の詳細な記載を読むとき、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態による折り畳まれた構成の機内持ち込みの乗客シートを示す。
図2】シートとして使用するために展開された機内持ち込みの乗客シートを示す。
図3】機内持ち込みの乗客シートの下側の取付点、および航空機内に据え付けられた下に横たわる支持台座の詳細を示す。
図4a】機内持ち込みの乗客シートの、下に横たわる支持台座への据付けの詳細を示す連続図である。
図4b】機内持ち込みの乗客シートの、下に横たわる支持台座への据付けの詳細を示す連続図である。
図4c】機内持ち込みの乗客シートの、下に横たわる支持台座への据付けの詳細を示す連続図である。
図4d】機内持ち込みの乗客シートの、下に横たわる支持台座への据付けの詳細を示す連続図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に添付図面を参照してこれ以後本発明をより完全に記載する。添付図面には本発明の例示的実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、また、本明細書に記載された代表的な実施形態に限定されるように解釈されるべきでない。それら例示的実施形態は、本開示が徹底的および完全になるように、ならびに本発明の範囲を完全に伝え、および当業者が本発明を作製、使用かつ実行することを可能にするように提供される。様々な図面を通して同じ参照番号は同じ要素を指す。
【0029】
図を参照すると、本発明は、単一の一人用シートとして使用されるために展開または「開放」されるように構成された、機内持ち込みの乗客シートを提供する。従ってこのシートは、折り畳まれると手荷物の構成になることができ、展開されると単一の乗客シートになることができる。各シートは共通のシャーシの上にカスタマイズすることができる。シートは、以下で詳細に考察されるように、パレットを介して航空機の共通型アダプタプレートまたは支持台座に取付け可能である。シートは、とりわけHermes(登録商標)およびLouis Vuitton(登録商標)などの高級品供給業者によって作られ、ブランド提携することができる。シートは、高級品市場の顧客の旅行の提案または地位の象徴として見られる可能性がある。
【0030】
各シートは、美的に異なることができる一方、負荷経路構成および本質的な質量が同じであってもよい。各シート製造業者は、機内持ち込みおよび航空機での使用を承認されたシート製品を有することを要求されるかもしれない。一実施形態において、シートは、個人用シートおよび機内持ち込み手荷物として、すなわち二重機能デバイスとして機能する承認された人工物である。シートを取り付けることを可能にする構造物(例えばアダプタプレート、支持台座等)がシートを支持するために使用されないとき、当該構造物は、テーブルを支持するなど別の目的のために、または収納領域として使用することができる。
【0031】
図1を参照すると、機内持ち込みの乗客シートの好ましい実施形態が、全体的に参照番号20で示されている。シート20は座席底部22および座席背もたれ24を大まかに含み、それらは枢動接続によって接続され、枢動接続により座席背もたれ24を座席底部22の上にまたはそれに対して折り畳むことが可能になる。図1は、機内持ち込み手荷物のサイズ制限を満たすように寸法決めされた手荷物構成になるために座席底部22上に折り畳まれた座席背もたれ24を示す。折り畳まれた構成において、座席底部22と座席背もたれ24の間に形成された空洞を使用して、機内持ち込み手荷物としての役割を本質的に果たす枕、毛布、衣類、個人的な物品等などの物品を運ぶことができる。
【0032】
図2は乗客シートとして使用するために展開されたシート20を示す。シート構成にするために、適所でロック可能である座席背もたれ24を、ロック解除し、座席底部22から離すように枢動することができる。ロック機構は、座席底部22および座席背もたれ24の間の枢動点およびそれらの接続点のうちの1つ以上に配置された従来型のロック機構を含み得る。シート20はさらに、使用のために展開(例えば枢動)し、かつ、使用しない間は座席背もたれ24に対してフラットに折れるように構成された展開可能なヘッドレスト26を含み得る。ヘッドレスト26は座席背もたれ24に枢動可能に取り付けることができ、座席背もたれ24はその前側および後側の少なくとも一方に凹部を画定し得、この凹部は、使用しない間および手荷物構成のときにヘッドレストを受容するためのものである。図1に示されるように、凹部は、ヘッドレスト26が座席背もたれ24の後側に対して面一に収納されるように、座席背もたれ24の後側に形成される。ヘッドレストが収納されているときに、シートを運ぶために持ち運び用ハンドル3(例えばヘッドレストの底部)にアクセスしやすいように、間隙28をヘッドレスト26の底端部と座席背もたれ24の上部との間に設けることができる。
【0033】
図1に示される手荷物構成において、シート20の「クラムシェル」設計によって、揃いの手荷物または上で考察した物品などの物品を運ぶための空洞がもたらされる。従って、シート20は、独立型の物品として、または揃いの手荷物を含むセットとして提供することができる。シート20は、従来型シートベルト(例えば2点式シートベルトまたは3点式シートベルト)などの追加の機能的特徴および/またはリクライニング機構(例えば手動または自動式)、折り畳み式アームレスト等などの追加の豪華な特徴を含み得る。シートは、パッド、材料、レザー等に関して、高級品供給業者によってカスタマイズすることができ、また、ヘッドレストの形状など特定の部分も、承認を無効にせずに、カスタマイズすることができる。示されていないが、シートベルトは以下で考察される支持台座に固定可能であり、シートベルトは着席した乗客の膝の上に引き回され、反対側に固定された受容部に留められるように配置される。
【0034】
図3は、座席底部22と、下に横たわる支持台座30との全体的な係合を示す。支持台座30は航空機内に据え付けられ、基部32と、基部32に対して垂直移動するように構成された支柱34と、支柱の頂部に配置され、支柱に対して水平に回転するように構成された細長い部材36とを大まかに含む。示されるように、細長い部材36を受容するように寸法決めされ且つ成形された細長い溝38が、座席底部22の下側に形成される。細長い溝38は細長い部材36を「ロック」および「ロック解除」した構成で収容するために中空座席底部22内に画定された空洞への進入路を提供する。
【0035】
支持台座30は床に固定され、取り付けられたシート20を高い位置で支持するために垂直方向に上方に延在し、基部32および座席底部22の下側は、相補的に成形することができる。細長い部材36は、以下で考察するようにシート20を台座へ/からロック/解放するために、支柱34に対して概ね水平方向に回転する。基部3は支柱34を囲みまたは「覆い」、据え付けられたシート20に安定性を提供する。支持台座電子機器および関連ケーブルは、成形された基部32内に隠すことができる。
【0036】
図4a〜dは、下に横たわる支持台座30へシートを取り付ける連続ステップを示す。図4aを参照すると、支柱34は最初に、細長い部材36を露出するために周囲基部32から垂直に上げられ、それにより座席底部22の下側に画定された対応する細長い溝38の中へ収容されるようにする。図4bを参照すると、細長い溝38および細長い部材36が整列された状態で、座席底部22は、細長い部材36が細長い溝38を通して受容されるように、支持台座30の上に垂直に下げられる。図4cを参照すると、細長い部材36が座席底部22の内側の中に受け入れられた状態で、細長い部材は次に、細長い部材および細長い溝が整列されないように水平に回転される。示されるように、細長い部材36は、座席底部22が支持台座30から引き離されないように、細長い溝38に対して横方向に(例えば90度)回転される。図4dを参照すると、支柱34は最後に基部32の中へ垂直に下げられ、その結果、座席底部22は細長い部材36と基部の間に拘束され且つ圧縮され、それによりシート20を安定化する。シート20は図4a〜dに示されるステップを逆に行うことによって支持台座30から取り外される。
【0037】
座席底部22は細長い部材36と基部32の間に拘束され、特定の実施形態においては圧縮される。シート20を支持し且つそれに安定を提供するように、基部32は寸法を決められおよび成形され、細長い部材36は横方向に左右に延在するのに十分な長さを有する。特定の実施形態において、座席底部22および基部32に相補的な外形を付与し、それにより、取り付けられたシートにさらなる安定を提供しそれらの間の相対運動を防止することができる。
【0038】
台座の細長い部材36の回転はアクチュエータによって行うことができ、アクチュエータは、基部32内に収容され、乗客シート制御器によって乗員または乗客によって制御される。代替実施形態において、細長い溝はシートの長手方向軸に対して横方向に配置可能であり、および支持台座の上側は固定可能であり、その結果、シートが最初に支持台座上に置かれ、続いてシートを適所にロックするためにシートは台座に対して回転される。台座は続いて座席底部を拘束且つ圧縮するために上に記載したように下げることができる。支柱は使用しないとき基部の中に下がるように構成可能である。
【0039】
前述の記載は単に例として本発明の実施形態を提供する。他の実施形態が同様の機能を実行し得ることおよび/または同様の結果を達成し得ることが考えられる。ありとあらゆるそのような等価の実施形態および例が本発明の範囲内にあり、付随の請求項によって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d