特許第6166491号(P6166491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6166491
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】キックボード
(51)【国際特許分類】
   A63C 17/01 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   A63C17/01
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-4726(P2017-4726)
(22)【出願日】2017年1月13日
【審査請求日】2017年1月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305025795
【氏名又は名称】井手 昊基
(72)【発明者】
【氏名】井手 昊基
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3070291(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3179556(JP,U)
【文献】 国際公開第2004/093595(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0180169(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0085290(US,A1)
【文献】 特開平09−103534(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0068433(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 17/00−17/28
B62M 1/00− 1/38
B62K 17/00
A45C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立ち乗り式のキックボードにおいて、ハンドルポストあるいは前輪側フレームの下端に基台を設け、この基台の上に後輪側のメインフレームの先端部をのせ、この前輪側の基台と後輪側のメインフレームは面どうしで上下に重なり合う形状とし、走行状態においては締め付けねじ等による締め込みによって後輪側のメインフレームと前輪側の基台を上下方向に押圧して固定し、折りたたむ際は締め付けを緩め固定を解放して折りたためるようにしたキックボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、キックボードの前輪側フレームと後輪側フレームとの結合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キックボードには前輪部から後輪部まで一体フレーム構造のものもあるが、収納や携帯性を良くするために折りたたみ式のものが多種普及している。ただし、それらの折りたたみ方は各々1つの形態でしか折りたたむことはできない。以下に従来の事例を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3073082
【特許文献2】特開2013−215494
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【特許文献1】はデッキボードの前端部に左右方向に配したピン回りにハンドルを後方に折りたためるようにしたものであり、折りたたみ部の結合はピンの剪断力及びねじ締め付けによる面の摩擦力で保持されている。この構成に於いてはハンドルを後方に折りたたむ以外に他の展開は出来ない。
【特許文献2】はハンドル軸部を折りたたむものであり、ハンドル軸に円筒状の可動スリーブを挿入し、可動スリーブでハンドル軸の折りたたみ部を拘束してハンドル軸が倒れないようにしている。折りたたむ際は可動スリーブをハンドル軸の折りたたみ部から外れた位置にスライドしてハンドル軸を後方に折りたたむようになっている。この事例も折りたたみ方は一つの形態のみである。
【0005】
以上の事例のように、従来のキックボードの結合構造においては複数の形態に折りたためるものは無かった。
【発明の効果】
【0006】
一つのキックボードにおいて複数形態の折りたたみ方が可能で使用する状況に応じた折りたたみ方を選択でき、また形式の違うキックボード間においても部品の互換や共用化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願発明の第1の事例の側面図と平面図である。
図2図1を折りたたむ際の折りたたみ部の詳細図である。
図3図1を折りたたんだ状態の第1のパタンである。
図4図1を折りたたんだ状態の第2のパタンである。
図5】本願発明の第2の事例の側面図と平面図である。
図6図5を折りたたむ際の折りたたみ部の詳細図である。
図7図5を折りたたんだ状態の第1のパタンである。
図8図5を折りたたんだ状態の第2のパタンである。
図9】本願発明の第3の事例の側面図と平面図である。
図10図9を折りたたんだ状態である。
図11】前輪側と後輪側フレームの結合構造の別事例である。
図12図11の固定を解放した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照して説明する。
図1は本願発明の第1の事例の側面図と平面図である。
図2図1を折りたたむ際の折りたたみ部の詳細図である。
この事例は前輪を左右二輪としハンドルポスト4を左右に傾けることでキャスター機構によって転舵するものである。
ハンドルポスト4の下端には基台5が溶接あるいは圧入や締め付けによって剛結され、基台5には前輪1が保持されている。メインフレーム3は後端に後輪2を保持し、前端はハンドルポスト4にスライド自在に挿入されているクランプ8に軸ピン9で回転自在に係合されている。
走行状態においては締め付けネジ7で抑え具6を介してメインフレーム3を基台5に締付けて押圧固定し、折りたたむ際は締め付けネジ7を緩め抑え具6を回転して向きを変えメインフレーム3に掛からないようにして固定を解放するようになっている。メインフレーム3と基台5の固定は地面に略平行な面と面の間でなされており、また締め付けも上下向であるため、乗員の体重やブレーキ時に加わるハンドルへの前後方向の負荷で生じるモーメント力に対してはメインフレーム3と基台5の合わせ面の面直力および締め付けネジ7の軸力で受けるため接触面に滑り力が働くことも無く安定した結合状態が維持される。結合部の負荷モーメントに対しては締め付けネジ7からの前側および後側のメインフレーム3と基台5のラップ代が支持のモーメントスパンであり、負荷の大きさに見合うラップ代を適宜設定すればよい。
図3図1を折りたたんだ状態の第1のパタンである。
メインフレーム3を軸ピン9回りに回転し、後輪2を上方に持ち上げた状態に折りたたんでいる。折りたたんだ状態は紐等でメインフレーム3とハンドルポスト4を縛ることにより状態は維持される。
図4図1を折りたたんだ状態の第2のパタンである。
クランプ8をハンドルポスト4の上方にスライドし、メインフレーム3を軸ピン9回りに後輪2が下方になるように押し下げて折りたたんでいる。この折りたたみ状態は前輪1と後輪2が下方に近接して揃っており持ち運ぶときに車輪で服などを擦って汚すこともなく電車等への持ち込みもし易くなる。さらにはこの事例では前輪1の両輪を接地させ転がして楽に運ぶこともできる。この状態からさらにクランプ8をハンドルポスト4回りに回転して、メインフレーム3および後輪2がハンドルポスト4の前方となるようにすることも可能である。
【0009】
図5は本願発明の第2の事例の側面図と平面図である。
図6図5を折りたたむ際の折りたたみ部の詳細図である。
この事例は前輪1を比較的大きな径の一輪としたもので、ハンドルを回すことで転舵するものである。この事例のクランプ8から後ろは本願発明の第1の事例と同一であり部品の共用も可能である。
走行状態は締め付けネジ7で抑え具6を介してメインフレーム3を基台5に締め付けて押圧固定し、折りたたむ際は締め付けネジ7を緩め抑え具6を回転して向きを変えメインフレーム3に掛からないようにして固定を解放するようになっているのは第一の事例と同様である。
【0010】
図7図5を折りたたんだ状態の第1のパタンである。
メインフレーム3を軸ピン9回りに回転し、後輪2を上方に持ち上げた状態に折りたたんでいる。折りたたんだ状態は紐等でメインフレーム3と前輪側フレーム11を縛ることにより状態は保持される。
図8図5を折りたたんだ状態の第2のパタンである。
クランプ8を前輪側フレーム11回りに回転して、後輪2が前輪1の前方側にくるようにし同時に前輪1を若干斜めにして前輪1とメインフレーム3が添うように折りたたんでいる。
【0011】
図9は本願発明の第3の事例の側面図と平面図である。
図10図9を折りたたんだ状態である。
本願発明の第2の事例に対して、リンク15を設けたものであり、リンク15の一端を前輪側フレーム11に接合したブラケット14と、他端は軸ピン9を介してメインフレーム3の前端に回転自在に係合されている。
折りたたみは締め付けネジ7を緩めて固定を解放しリンク15を上下反転するように持ち上げメインフレーム3は後輪2が下方になるように押し下げて前輪側フレーム11に近づけている。
【0012】
図11は前輪側と後輪側フレームの結合構造の別事例である。
図12図11の固定を解放した状態である。
本願発明の第1の事例に対して、メインフレーム3の先端部分を左右つないだ形状とし、そのつないだ部分を締付ナット16で締め付けてメインフレーム3を基台5に直接固定するようになっている。基台5には支持ピン13を介して締め付けボルト12が前後方向に倒れるように係合され、またメインフレーム3の左右フレームをつないだ部分のボルト穴は後方が開放したスリットとなっており、締付ナット16を緩めて締め付けボルト12をメインフレーム3に掛からないように後方に倒して固定を開放し折りたためるようになっている。
【0013】
以上、本願発明の前輪側と後輪側のフレーム結合構造は、一つのキックボードにおいて複数の折りたたみ方が可能で状況に応じた折りたたみ方を選択でき、形式の違うキックボード間での部品の互換や共用も可能である。また結合部は安定した状態が維持される。
尚、メインフレーム3と基台5の合わせ面は平面に限らずテーパ状や曲面としてもよく、また接触は全面でなくとも凹凸を設けた部分的な面接触としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
キックボードの折りたたみ方のバリエーションの巾を広げ、また部品の共用化しやすい構成であり、各種形式のキックボードに活用できるものである。
【符号の説明】
【0015】
1 前輪
2 後輪
3 メインフレーム
4 ハンドルポスト
5 基台
6 抑え具
7 締め付けネジ
8 クランプ
9 軸ピン
10 ヘッドパイプ
11 前輪側フレーム
12 締め付けボルト
13 支持ピン
14 ブラケット
15 リンク
【要約】      (修正有)
【課題】一つのキックボードにおいて複数の折りたたみ方が可能で状況に応じた折りたたみ方を選択でき、また形式の違うキックボードとも部品の互換や共用が可能となる前輪側と後輪側フレームの結合構造を提供する。
【解決手段】ハンドルポストあるいは前輪側フレームの下端に基台を設け、この基台の上に後輪側のメインフレームの先端部をのせ、この前輪側の基台と後輪側のメインフレームは面どうしで上下に重なり合う形状とし、走行状態においては締め付けねじ等による締め込みによって後輪側のメインフレームと前輪側の基台を上下方向に押圧して固定し、折りたたむ際は締め付けを緩め固定を解放して折りたためるようにしたキックボードとした。
【選択図】なし
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12