特許第6166492号(P6166492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6166492
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】電気メッキ装置と電気メッキ方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 5/02 20060101AFI20170710BHJP
   C25D 19/00 20060101ALI20170710BHJP
   C25D 17/06 20060101ALI20170710BHJP
   C25D 17/08 20060101ALI20170710BHJP
   C25D 7/04 20060101ALI20170710BHJP
   C25D 17/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   C25D5/02 A
   C25D19/00 A
   C25D17/06 H
   C25D17/08 A
   C25D7/04
   C25D17/00 L
   C25D17/08 Q
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-5494(P2017-5494)
(22)【出願日】2017年1月17日
【審査請求日】2017年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511049347
【氏名又は名称】株式会社 大塚金属
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】大塚 啓央
【審査官】 内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−141072(JP,U)
【文献】 特開2006−307299(JP,A)
【文献】 特開昭51−088439(JP,A)
【文献】 特開2012−172246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D9/00−9/12
C25D13/00−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔を有する被処理物に対して、所定の高さ範囲までに対してメッキを行う電気メッキ装置であって、
一方のメッキ電極と、水平な絶縁性のレールとがメッキ液中に配置されたメッキ槽と、
前記レールに搭載された前記被処理物が前記所定の高さに相当する深さに浸かるように前記メッキ槽内のメッキ液の液面高さを設定する堰と、
前記レール上に搭載された前記被処理物の孔に対して、メッキ液の水面上から挿入された状態で、前記レールに沿って移動する導電性のピンと、
前記導電性のピンが前記レールに沿って移動する経路中において、メッキ液の水面上から当該ピンに電位を与える他方のメッキ電極とを備えたことを特徴とする電気メッキ装置。
【請求項2】
請求項1の電気メッキ装置において、
前記メッキ槽のメッキ液の上を水平に移動する軌道を有する無端状チェーンと、
前記無端状チェーンの夫々のリンクに対して、互いに電気的に絶縁された状態で固定された導電性の取付治具と、
前記取付治具が水平の軌道を移動する際に、当該取付治具に接触するブラシとを有し、
前記ピンは前記取付治具に対して取り付けられていることを特徴とする電気メッキ装置。
【請求項3】
請求項2の電気メッキ装置において、
前記無端状チェーンの周回軌道の途中に、前記ピンに付着したメッキを剥がす洗浄剤が入った洗浄剤槽を配置されていることを特徴とする電気メッキ装置。
【請求項4】
孔を有する被処理物に対して、所定の高さ範囲までに対してメッキを行う電気メッキ方法であって、
一方のメッキ電極と長さ方向に水平な絶縁性のレールとが配置されたメッキ槽のメッキ液が、前記レールに搭載された前記被処理物が前記所定の高さに相当する深さに浸かる液面高さを維持するように制御し、
前記レール上に搭載された前記被処理物の孔に対して、メッキ液の水面上から導電性のピンを挿入された状態で前記レールに沿って移動させ、
前記導電性のピンが前記レールに沿って移動する経路中において、メッキ液の水面上から当該ピンに電位を与えることを特徴とする電気メッキ方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物に対して一部範囲に部分的にメッキ金属を析出させる電気メッキ装置と電気メッキ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気メッキにおいて、一部範囲にメッキ金属を析出させる部分メッキに関する技術が、例えば特許文献1、2及び3に開示されている。特許文献1においては、陰極であるバー電極には同時に複数個の被処理部材が引っ掛けられてそれぞれのメッキ範囲のみを電解溶液中に浸漬されるように位置保持される。
特許文献2においては、メッキ処理の対象となる導電性基材を絶縁層で被覆し、所望部分の被覆を除去し、電解溶液中で被覆を除去した範囲のみをメッキ処理する。特許文献3においては、電極板が配置されたメッキ槽の液面の上に電極が接続された一対のレールを配し、被メッキ物の頭部を一対のレール上に挟まれるように載せ、被メッキ物の下側がメッキ槽の液面に浸った状態で、被メッキ物を押してレール上を摺動させることにより、被メッキ物の下側に対して部分メッキを行っている。
【0003】
特許文献4には、部分メッキではないが、筒状の被メッキ物をレール上に載せ、エンドレス軌道を移動するピンを被メッキ物に上から差し込み、電解液の中で引き回す電気メッキ装置が開示されている。レール上には、被メッキ物が接触する電極が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−93292号公報
【特許文献2】特開2010−43292号公報
【特許文献3】特許第4755729号公報
【特許文献4】実開昭62−141072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、メッキ液の中で被処理部材の位置が固定されているので、メッキ液中における被処理物の位置によって固定電極からの電解強度が異なるため、メッキ品質にバラツキが生じ易い。また、多数の被処理部材をバッチ処理するものであり、連続処理ができない。
特許文献2によれば、被メッキ対象となる導電性基材が、メッキ液の中を移動するので、電極の位置によるメッキ品質のバラツキを抑制できるが、導電性基材に自己組織化膜を形成する手間が必要となって作業能率が低下する。特許文献3によれば、部分メッキの連続処理が可能であるが、メッキ液面上の一対のレールが挟むことができるような頭部を被メッキ物が有している必要がある。
【0006】
特許文献4によれば、被メッキ物が接触する電極はメッキ液に浸かっており、電極上を摺動する位置におけるメッキの析出面が荒れる要因となるうえ、電極上に付着するメッキにより電極の表面高さが次第に高くなり、電極上を摺動する被メッキ物のメッキ範囲が次第に狭くなってしまうという品質バラツキの問題がある。一方、レールの電極自体へのメッキ付着を避けるためにはその材料が限定される。
本発明は、品質のバラツキを抑制し、連続的に部分メッキすることのできる電気メッキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため本発明の電気メッキ装置は、孔を有する被処理物に対して、所定の高さ範囲までに対してメッキを行う電気メッキ装置であって、
一方のメッキ電極と、水平な絶縁性のレールとがメッキ液中に配置されたメッキ槽と、
前記レールに搭載された前記被処理物が前記所定の高さに相当する深さに浸かるように前記メッキ槽内のメッキ液の液面高さを設定する堰と、
前記レール上に搭載された前記被処理物の孔に対して、メッキ液の水面上から挿入された状態で、前記レールに沿って移動する導電性のピンと、
前記導電性のピンが前記レールに沿って移動する経路中において、メッキ液の水面上から当該ピンに電位を与える他方のメッキ電極とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電気メッキ方法は、孔を有する被処理物に対して、所定の高さ範囲までに対してメッキを行う電気メッキ方法であって、
一方のメッキ電極と長さ方向に水平な絶縁性のレールとが配置されたメッキ槽のメッキ液が、前記レールに搭載された前記被処理物が前記所定の高さに相当する深さに浸かる液面高さを維持するように制御し、
前記レール上に搭載された前記被処理物の孔に対して、メッキ液の水面上から導電性のピンを挿入された状態で前記レールに沿って移動させ、
前記導電性のピンが前記レールに沿って移動する経路中において、メッキ液の水面上から当該ピンに電位を与えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被処理物を安定した高さ姿勢でメッキ液の中を移動させ、メッキ範囲以外の表面を絶縁層で被わなくても、メッキ液の浸かっていない部分を除いて、連続的に部分メッキを行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電気メッキ装置の実施例を示す図であり、図1Aは側面図、図1Bは斜視分解図である。
図2】電気メッキ装置の部分を拡大して示す図であり、図2Aは従動スプロケットの周辺の側面図、図2Bは平面図、図2DはX−X断面図である。
図3】電気メッキ装置の作用を示す図であり、図3Aは被処理物を示す図、図3Bは動作側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1において本実施例の電気メッキ装置1は、メッキ槽5と、搬送装置2と、洗浄剤槽6と、レール3とを備えている。搬送装置2は、駆動スプロケット8、従動スプロケット9a〜9d及び無端状チェーン10を具備している。無端状チェーン10の各リンクには、多数のピン14を外向きに配置された取付治具15が結合されている。無端状チェーン10は駆動スプロケット8及び従動スプロケット9a〜9dに掛け回されて周回軌道を構成している。
【0012】
図1Aにおいて、無端状チェーン10は図面上において時計回りに上下に周回する。上側の軌道では、無端状チェーン10の各リンク17に結合した取付治具15はピン14を上に向けた状態で移動する。その移動する途中には被処理物の供給領域Fが設けられている。供給領域Fの範囲には、無端状チェーン10のバックアップとして、チェーン案内枠12が無端状チェーン10の下に配置されており、無端状チェーン10の挙動を安定させて水平の軌道を維持している。
【0013】
尚、電気メッキ装置1が処理するのは、例えば図3Aに示す上下に貫通する孔thを有する筒形状の被処理物wである。被処理物wの所定のメッキ高さh1までをメッキし、メッキ高さh1より上はメッキを行わない。メッキを行わない部分は、機械的摺動部や、電気端子として利用が想定される部分である。孔thは、必ずしも上下に貫通しなくても良く、有底の孔でもよい。
【0014】
図1に戻り、供給領域Fにおいては被処理物wを上から落とし、被処理物wの孔h1にピン14差し込むことにより、電気メッキ装置1にセットする。図1Bにおいて、18は被処理物wを電気メッキ装置1にセットする供給装置である。
【0015】
供給領域Fを通過すると取付治具15は、従動スプロケット9aにより反転されピン14が下向きになり、メッキ槽5のメッキ液水面の直上に到る。無端状チェーン10のバックアップとして、チェーン案内枠13が無端状チェーン10の下に配置されており、無端状チェーン10の挙動を安定させている。チェーン案内枠13は、メッキ領域Pの枠部13aと、引き上げ領域Eの枠部13bとを有している。枠部13aは、水平を保った状態で無端状チェーン10を案内する部分である。枠部13aにより無端状チェーン10が案内される間、取付治具15は、メッキ液水面上を水平の軌道に移動する。枠部13bは、斜めに上向き勾配により無端状チェーン10を案内する部分である。無端状チェーン10は、駆動スプロケット8に向けて移動するが、その途中で枠部13bは回収箱26(図1A)若しくは回収シュート25(図1B)の上を通過する。
【0016】
一方、従動スプロケット9aにより反転されピン14が下向きに反転する途中で被処理物wがピン14から脱落しないように、被処理物wを取付治具15との間に保つレール3が設けられている。レール3の先端は、従動スプロケット9aによりピン14が下向きになる直前の位置から始まり、従動スプロケット9aと同心円を描きながら、メッキ槽5の液中に没する。レール3は、その後、メッキ領域Pに存在する水平部3a及び引き上げ領域Eに存在する傾斜部3bに続いている。水平部3aは、メッキ槽5の液中で長さ方向に水平を保った状態で延びている部分である。ピン14は、水平部3aに沿って移動する。このメッキ領域Pにおいては、取付治具15と水平部3aとの間の被処理物wは、水平部3aの上を摺動することにより、メッキ槽5の中を水平に移動する。
【0017】
一方、傾斜部3bは、枠部13bによる上向き勾配の傾斜軌道に沿って、上向きに延びている。従って、取付治具15と傾斜部3bとの間の被処理物wは、上向きに傾斜部3bの上を摺動することにより、メッキ槽5のメッキ液中から離脱する。
【0018】
傾斜部3bはメッキ槽5を離脱した後、回収箱26(若しくは回収シュート25)に到ったところで終端する。この時点においてはピン14が下向きであり、取付治具15と傾斜部3bの間で搬送されてきた被処理物wは、傾斜部3bが終端した位置で落下して、回収箱26(若しくは回収シュート25)により回収される。
【0019】
無端状チェーン10はその後、従動スプロケット9d、9cにより、洗浄剤槽6へピン14を導く。洗浄剤槽6では、ピン14に付着したメッキを剥がす処理が行われる。具体的には、洗浄剤槽6には希塩酸が洗浄剤として保持されている。そして、無端状チェーン10は、従動スプロケット9bを経由して、ピン14は再び上を向いた状態で、供給領域Fへと向かう。
【0020】
メッキ槽5は、図1Bの図面においてメッキ液を手前から奥へ向けて流し、ポンプ16により循環させている。5aは堰であり、メッキ液の水位を一定に保つものである。メッキ槽5の中には、堰5aよりも低い位置にメッキ電極19が配置されている。
【0021】
図2は、従動スプロケット9aの周辺のメッキ槽5と、レール3と、無端状チェーン10および、無端状チェーン10の取付治具15等を拡大して示している。図2Aにおいて、無端状チェーン10の各リンク17には、多数のピン14を上向きに配置された取付治具15が固定されている。図2Bにおいて、リンク17と取付治具15との間には、電気的絶縁性のプラスチックの絶縁板20が絶縁体として配置されている。21は、絶縁板20とリンク17をつなぐL字金具である。ピン14と取付治具15は導電性であり、絶縁板20によりリンク17とピン14若しくは取付治具15は絶縁されている。隣同士の取付治具15の間の接続関係は無く、かつ導体で結ばれていない。従って、各取付治具15は、互いに電気的に孤立した状態である。
【0022】
一方、メッキ領域Pのメッキ液の水面上には、他方のメッキ電極24が設置されている。メッキ電極24からブラシ22が接続されており、メッキ領域Pに位置する取付治具15に対して電位を与えている。ブラシ22は、銅製の網筒状であり、サポート23によりブラシ22の下側を通過する取付治具15に対して押しつけられて導通するようになっている。ブラシ22に接触した取付治具15に対して設けられたピン14が導通状態になることにより、当該ピン14にセットされた被処理物wは、ピン14と接触して受電しメッキ槽5においてメッキされる。
【0023】
メッキ槽5のメッキ液の水位は、堰5aによって設定する。メッキ槽5のメッキ液の水位は、水平部3aに支持されピン14により水平部3a上を引き回される被処理物wの高さh1(図3A参照)までが浸かるように設定されているのである。
【0024】
レール3は、電気的に絶縁性であり、被処理物wの滑りを良くするためにベークライト製の表面30を有することが望ましい。レール3と被処理物wが接触するレール3の断面は曲面で有り、レール3自体を丸棒で作成するのが望ましい。レール3が絶縁性であるので、メッキ槽5のメッキ液に浸かっていても、レール3の表面にメッキが析出することがない。このため、被処理物wが摺動するレール3の高さが一定に保たれる。被処理物wに対する部分メッキのメッキ高さh1が一定となり、被処理物wの品質は維持される。実施例では、ベークライトを被覆した金属の丸棒を用いた。一方で、メッキ液に部分的に浸かってしまうピン14については、メッキが析出してしまい、このまま放置すると径が次第に膨大して、被処理物wの孔thに入らなくなってしまう。そのため、後に続く工程の洗浄剤槽6では、ピン14に付着したメッキを剥がす処理が行われるのである。
【0025】
次に上記した本実施例の電気メッキ装置の作用について説明する。
メッキ槽5内のメッキ液面はメッキ領域Pにおけるレール3を水平に摺動する被処理物wの高さh1まで浸漬されるように堰5aを調整する。この状態で、各無端状チェーン10を一定移動軌跡上で周回させる。
【0026】
この状態の下で、供給領域Fにおいて、上向き状態のピン14に対して供給装置18により被処理物wをセットする。図3Bに示すように、被処理物wの孔thにピン14が差し込まれる。ピン14と孔thの間に若干の遊びを設けて置くのが望ましい。
【0027】
供給領域Fを通過すると取付治具15は、従動スプロケット9aにより反転される。レール3は、下向きとなったピン14から脱落しようとする被処理物wを受け止める。ピン14は、孔thに差し込まれたままの状態である。メッキ領域Pにおいては、被処理物wは水平部3aの上を、メッキ領域Pに案内され水平を保った状態で、メッキ液面から高さh1よりも上の部分を出して移動する。ブラシ22が水平に移動を保たれた被処理物wに対して、ピン14を介して電位を与えてメッキを析出させる。被処理物wの孔thとピン14の間には遊びがあるため、被処理物wがレール3上を摺動する際に、回転動作をするためメッキ液が行き渡り、被処理物wの底や孔thの内側についても同様にメッキされる。ブラシ22は、取付治具15を介して水平に移動を保たれた状態の被処理物wに電位を与えるため、被処理物wのメッキ厚が均等化する。ブラシ22の配置をメッキ領域Pのみに限定すれば、従動スプロケット9aにより反転される過程あるいは、傾斜部3bで上向き勾配を上昇する過程でのブラシ22による受電がなくなるため、被処理物wの高さh1の範囲に同時にメッキが開始されるため、メッキ厚の均等化にはより望ましい。
【0028】
メッキ領域Pを通過した被処理物wは、引き上げ領域Eの傾斜部3bの上を斜めに上向き勾配に摺動する。傾斜部3bはその途中で回収箱26(若しくは回収シュート25)の上で終端しており、傾斜部3bの支えが無くなった。被処理物wは回収箱26(若しくは回収シュート25)に落下する。
【0029】
被処理物wが脱落したピン14は、洗浄剤槽6へ導かれ、ピン14に付着したメッキを剥がす処理が行われ、ピン14は再び上を向いた状態で、供給領域Fへと向かう。以後、電気メッキ装置1は、このような動作の繰り返す。このように、本実施例においては、被処理物wに対して何ら被覆をすることなく、連続的に部分メッキ処理を安定的に行うことが出来るという効果がある。
【符号の説明】
【0030】
1 電気メッキ装置
2 搬送装置
3 レール
5 メッキ槽
8 駆動スプロケット
9a〜9d 従動スプロケット
10 無端状チェーン
12、13 チェーン案内枠
13a、13b 枠部
14 ピン
15 取付治具
17 リンク
18 供給装置
19 メッキ電極
20 絶縁板
22 ブラシ
23 サポート
24 メッキ電極
25 回収シュート
26 回収箱



【要約】
【課題】被処理物に対して部分メッキを、被覆の必要なく連続的に行うこと。
【解決手段】
孔thを有する被処理物wに対して、所定の高さh1までの範囲にメッキを行う電気メッキ装置1である。水平に配置された絶縁性のレール3と、一方のメッキ電極19がメッキ槽5内のメッキ液中に配置されている。メッキ槽5のメッキ液は、レール3に搭載された被処理物wが所定の高さh1に相当する深さに浸かるように液面高さが設定されている。電気メッキ装置1には、さらに、レール3上に搭載された被処理物wの孔thに対して、メッキ液の水面上から挿入された状態で、レールに沿って移動する導電性のピン14と、ピン14がレール3に沿って移動する経路中において、メッキ液の水面上から電位を与える他方のメッキ電極24が設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3