【文献】
新岡優哉(外1名),エースコンバットX▲2▼ジョイントアサルト パーフェクトガイドブック,株式会社エンターブレイン,2010年 9月22日,初版,P.036-037
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セッション形成手段は、前記クロスオーバーステージにおける前記ゲームオーバー処理の実行後、死亡したプレイヤキャラクタを操作するプレイヤが前記前のステージで参加していたセッションと同じセッションに参加していたすべてのプレイヤが参加可能な前記クロスオーバーステージにおけるリスタート用のセッションを形成し、
前記ゲーム制御手段は、前記リスタート用のセッションにおける前記クロスオーバーステージをリスタートさせた後のゲームにおいて、当該死亡したプレイヤキャラクタを操作するプレイヤが前記前のステージで参加していたセッションと異なるセッションに参加していたすべてのプレイヤが操作するプレイヤキャラクタに対応するキャラクタをノンプレイヤキャラクタとして前記仮想ゲーム空間に配置する、請求項1に記載のゲームプログラム。
前記第2のセッションは、前記第1のセッションに参加した前記第1プレイヤおよび前記第3プレイヤと、前記第3のセッションに参加した前記第2のプレイヤおよび第4のプレイヤとが参加するセッションとして形成される、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
[ゲーム概要]
以下の説明では、家庭用ゲーム装置において実行されるアクションゲームを例として説明する。本実施形態に係るアクションゲームは、仮想のゲーム空間内でプレイヤキャラクタを操作して、敵キャラクタと戦いながら、アイテムを探索したり、所定のイベントを攻略したりすることにより進行する。特に、複数のプレイヤに対応する複数のプレイヤキャラクタが、協同して敵キャラクタと戦いながらゲームを進行させるマルチプレイに基づいて説明する。
【0019】
本実施形態におけるゲームは、プレイヤがプレイヤキャラクタを操作して、所定の目標が設定されたシナリオ(ゲーム本編)を進行させるものである。このシナリオは、複数のステージで構成されており、シナリオの進行に伴ってプレイするステージが順次変更される。複数のステージには、それぞれクリア条件が設定されている。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「ステージ」とは、ゲーム本編の区切りを意味し、例えばストーリーの進行度や行動場所に応じて区切られる「チャプター」、ゲーム回数に応じて区切られる「ラウンド」など、ゲームの内容に応じた区切りだけに限られず、例えばゲーム本編の一部分をロードするためのローディングから次の一部分をロードするためのローディングまでの間の区間といったゲームの内容に応じていない区切りも含まれる。
【0020】
ゲーム本編の開始前や各ステージの開始前に、一のプレイヤ(ホストプレイヤ)が作成したセッションに他のプレイヤが参加するマッチング処理が行われる。他のプレイヤが参加した場合には、当該他のプレイヤはゲストプレイヤとしてホストプレイヤとともに協力してゲーム本編を進行させる。なお、シナリオの途中のステージの開始前に行われるマッチング処理においては、直前のステージをクリアしたプレイヤのみがセッションの作成または当該セッションへの参加を行えることとしてもよい。
【0021】
ゲーム本編を構成する各ステージには、プレイヤキャラクタの進行を妨げる敵キャラクタが登場する。マルチプレイでは、セッションに参加した各プレイヤキャラクタが協力して敵キャラクタを攻撃し、これを倒しながらシナリオを進行させる。
【0022】
[ハードウェア構成]
上述したゲームを実現するゲーム装置の構成について説明する。上述したゲームを実現するゲーム装置の構成について説明する。本実施形態におけるゲームシステムは、下記ゲーム装置2と、当該ゲーム装置2に接続されるモニタ19、スピーカ22およびコントローラ24などの外部装置とで構成され、下記ディスク型記憶媒体30から読み込んだゲームプログラム30aおよびゲームデータ30bに基づいてゲームを行い得るものである。ただし、以下では、説明を簡単にするため、単にゲーム装置2と称する場合がある。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置3との間で、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。このゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータであるCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介してディスクドライブ12、メモリカードスロット13、プログラム記憶部を成すHDD14、ROM15およびRAM16が接続されている。
【0023】
ディスクドライブ12には、DVD−ROM等のディスク型記録媒体30が装填可能であり、該ディスク型記録媒体30には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラム30aおよび本実施の形態で説明するゲームに登場するキャラクタならびにゲーム空間を形成するのに必要なオブジェクトおよびテクスチャ等のゲームデータ30bが記録されている。また、メモリカードスロット13にはカード型記録媒体31が装填でき、ゲームの途中経過等のプレイ状況を示すセーブデータを、CPU10からの指示に応じて記録可能である。
【0024】
HDD14はゲーム装置2に内蔵される大容量記録媒体であって、ディスク型記録媒体30から読み込んだゲームプログラム30aおよびゲームデータ30bならびにセーブデータなどを記録する。ROM15は、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラムや、ディスク型記録媒体30が装填されたときの動作を制御するプログラムなどを記録している。RAM16は、DRAMまたはSRAMなどからなり、CPU10が実行すべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要になるゲームデータ30bなどを、ゲームのプレイ状況に応じてディスク型記録媒体30またはHDD14から読み込んで一時的に記録する。
【0025】
また、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、無線通信制御部23およびネットワークインタフェース25が接続されている。
【0026】
このうちグラフィック処理部17は、CPU10の指示に従ってゲーム空間や各キャラクタなどを含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介して外部のモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0027】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。従って、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、更にスピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0028】
無線通信制御部23は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを有し、ゲーム装置2に付属するコントローラ24との間で無線により接続され、データの送受信が可能となっている。ユーザは、このコントローラ24に設けられたボタン等の操作子(図示せず)を操作することにより、ゲーム装置2へ信号を入力することができ、モニタ19に表示されるプレイヤキャラクタの動作を制御可能になっている。また、ネットワークインタフェース25は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するものであり、他のゲーム装置2またはサーバ装置3との間で通信可能である。そして、ゲーム装置2を、通信ネットワークNWを介して他のゲーム装置2と接続し、互いにデータを送受信することにより、同一のゲーム空間100内で同期して複数のプレイヤキャラクタを表示させることができる。したがって、複数人が共同してゲームを進行させるマルチプレイが可能になっている。
【0029】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、
図1に示すゲーム装置2の機能的な構成を示すブロック図である。
図1に示すようにゲーム装置2は、CPU10、HDD14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、ビデオ変換部18、オーディオ合成部20、オーディオ変換部21、ネットワークインタフェース25などを含む制御部4を備えたコンピュータとして動作する。そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部4は、本発明のゲームプログラム30aを実行することで、ゲーム制御手段41、通信手段42、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43、セッション形成手段44などの機能を発揮する。
【0030】
このうち、ゲーム制御手段41は、複数のプレイヤが参加可能なゲームの仮想ゲーム空間を生成するとともに、少なくとも当該コンピュータを操作するプレイヤに対応するキャラクタを、当該プレイヤによるコンピュータへの操作入力に応じて前記仮想ゲーム空間にて行動させ、ゲームを進行させる。この際、ゲーム制御手段41は、キャラクタが動作する仮想のゲーム空間および当該ゲーム空間内で動作する各キャラクタを生成し、モニタ19に表示させる。例えば、ゲーム空間生成手段41は、プレイヤキャラクタの移動に伴って、ゲームデータ30bに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し、三次元の仮想ゲーム空間を生成する。さらに、ゲーム制御手段41は、ゲーム装置2のモニタ19にゲーム空間を表示するために、生成したゲーム空間を所定の仮想カメラで撮影したときの二次元画像を生成する。そして、ゲーム制御手段41は、プレイヤによるコントローラ24の操作やゲームの進行状況に応じて、ゲーム空間におけるキャラクタの動作を制御する。
【0031】
通信手段42は、ゲームに参加する他のプレイヤにより操作される他のコンピュータとの間で、ゲームを同期して進行させるべくデータの送受信を行う。なお、複数のゲーム装置2のコンピュータ同士で通信を行う際、各コンピュータが所定のサーバに接続し、当該サーバにおいてゲーム進行を管理するオンラインゲームとして構成されてもよいし、各コンピュータからの所定のマッチングサーバへのリクエストに応じてマッチングサーバが複数のコンピュータをマッチングし、マッチングされた複数のコンピュータ同士で相互通信を行ってゲームを進行するP2P(ピアツーピア)方式の通信ゲームとして構成されてもよい。
【0032】
ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、各プレイヤのキャラクタに対して仮想ゲーム空間にて行動するノンプレイヤキャラクタの動作を制御する。本実施形態において、ノンプレイヤキャラクタには、各プレイヤのキャラクタに対して攻撃を行う敵キャラクタが含まれる。また、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、他のプレイヤと同期していないときに、当該他のプレイヤに対応するキャラクタをノンプレイヤキャラクタとしてその動作を制御する。
【0033】
セッション形成手段44は、複数のステージのそれぞれにおいて、複数のプレイヤが参加可能なセッションを形成する。セッション形成手段44は、他のコンピュータを操作する他のプレイヤのゲームへの参加を受け付ける。通信手段42は、セッション形成の際の各プレイヤのコンピュータ間の通信を行う。なお、セッションは、複数のステージのそれぞれで新規に形成されてもよいし、クロスオーバーステージを除き、同じ一のシナリオの開始前にセッションを形成した後は、参加するプレイヤキャラクタが離脱したり、通信不良によりセッションの維持が不可能になったりしない限り、当該セッションを維持することとしてもよい。
【0034】
例えば、P2P通信方式のゲームにおいては、まず、一のプレイヤ(ホストプレイヤとなる)のコンピュータがマッチングサーバにセッション作成要求信号を送信する。このセッション作成要求信号に基づいてホストプレイヤが操作するコンピュータまたはマッチングサーバがセッションを形成する。形成されたセッションの情報は、マッチングサーバにおいて、セッションのリストに組み込まれ、一時記憶される。一方、他のプレイヤ(ゲストプレイヤとなる)は、他のプレイヤにより形成されたセッションに参加したい場合、当該他のプレイヤの所定の操作に基づいて当該ゲストプレイヤのコンピュータがマッチングサーバにセッション情報要求信号を送信する。マッチングサーバは、記憶しているセッションのリストをゲストプレイヤのコンピュータへ送信し、ゲストプレイヤのコンピュータは、それをゲーム画面上に表示させる。ゲストプレイヤがセッションのリストの中から1つのセッションを選択すると、ゲストプレイヤのコンピュータは、マッチングサーバにセッション参加信号を送信する。マッチングサーバは、当該セッションに参加するプレイヤの各コンピュータにP2P通信に必要な情報(例えば相手プレイヤのゲームデータ、キャラクタデータなど)を送信する。その後、セッションに参加するプレイヤのコンピュータ同士でP2P通信を行い、セッションが確立される。
【0035】
セッションが確立された後は、他のプレイヤに対応するキャラクタは、他のコンピュータのゲーム制御手段41により制御され、当該制御情報が通信手段42を通じてプレイヤのコンピュータに送られ、当該コンピュータが当該制御情報に基づいて同一のゲーム空間内で他のプレイヤに対応するキャラクタを動作させる。
【0036】
セッションは、一のプレイヤのコンピュータと他のプレイヤのコンピュータとの間の通信経路に設けられたネットワークサーバ(例えば上記マッチングサーバ)などに形成されてもよいし、一のプレイヤのコンピュータおよび他のプレイヤのコンピュータの何れかに形成されてもよい。本実施形態においては、複数のプレイヤのうちの一のプレイヤ(ホストプレイヤ)が作成したセッションにその他のプレイヤ(ゲストプレイヤ)が参加することにより、当該セッションが形成されたステージにおいて、複数のプレイヤが同じゲーム空間内でゲームを進行させることができる。
【0037】
本実施形態において、上記ゲームは、一のプレイヤが複数のプレイヤキャラクタの中から自らが操作する一のプレイヤキャラクタを選択するように構成されている。また、上記ゲームは、それぞれが複数のステージを組み合わせて構成される複数のシナリオを含んでいる。複数のシナリオは、そのシナリオに沿って行動するように設定されているプレイヤキャラクタが予め決定されており、それぞれのシナリオに沿って複数のステージを所定の順番にクリアしていくように構成されている。同一のシナリオにおいて設定される各ステージは、プレイヤキャラクタによらず舞台設定(プレイヤキャラクタが配置されるゲーム空間)が同じで、かつ、同じ目的(クリア条件)を有する。そして、複数の異なるシナリオは、各シナリオを構成するステージのうち少なくとも1つのステージの舞台または目的が他のシナリオと異なっている。このように、シナリオによって、使用可能なプレイヤキャラクタ、ステージの内容またはクリア条件、クリアする順番などが異なるように設定されている。なお、プレイヤによる選択や、所定の条件を満たすかどうかなどによって次に進むステージが異なる(シナリオが分岐する)ように構成されてもよい。
【0038】
本実施形態において、複数のシナリオは、互いに交錯する(クロスオーバーする)ように構成されている。具体的には、複数のシナリオは、互いに共通するステージ(以下、クロスオーバーステージ)を有し、各シナリオの主人公となるプレイヤキャラクタ同士が遭遇するように構成されている。なお、クロスオーバーステージにおいては、シナリオによらず共通するクリア条件を有する(例えば敵キャラクタEを倒すことによってクリアする)こととしてもよいが、それぞれのシナリオに対して互いに異なるクリア条件を有することとしてもよい。例えば一方のシナリオのプレイヤキャラクタは敵キャラクタEを倒すことによってクリアするが、他方のシナリオのプレイヤキャラクタはアイテムFを見つけることによってクリアする(敵キャラクタEは倒さなくても次のステージに進める)こととしてもよい。
【0039】
通信手段42は、一のシナリオに設定されるプレイヤキャラクタを操作する第1プレイヤおよび第1プレイヤが操作するプレイヤキャラクタとは異なるシナリオに設定される他のプレイヤキャラクタを操作する第2プレイヤのゲームの進行状況が、ともにクロスオーバーステージの開始前の所定期間にある場合に、第1プレイヤが操作する当該コンピュータと第2プレイヤが操作する他のコンピュータとの間でゲームを同期する。
【0040】
[クロスオーバー処理]
以下、クロスオーバーが生じるステージにおけるプレイヤのセッションへの参加処理について例示する。
図3は、本実施形態におけるクロスオーバー処理の流れを示すフローチャートである。
図3においては、一のシナリオが設定されたプレイヤキャラクタAを操作するプレイヤPAが操作するコンピュータを基準に説明する。また、
図4は、本実施形態におけるクロスオーバー処理において形成されるセッションに参加するプレイヤの変遷を示す模式図である。
図4の例においては、2つのシナリオ(シナリオ1,2)を有するゲームにおいて、各シナリオにつき2つのプレイヤキャラクタが設定されている場合について説明する。
【0041】
具体的には、シナリオ1にはプレイヤキャラクタA,Bが対応付けられ、一のプレイヤはプレイヤキャラクタA,Bの何れか一方を操作可能である。したがって、シナリオ1は原則的に最大2名のプレイヤ(第1プレイヤ)がマルチプレイ可能である。すなわち、シナリオ1は、最大2名のプレイヤがプレイヤキャラクタA,Bを操作して、シナリオ1に設定されたクリア条件の達成を目的にプレイすることができる。シナリオ2も同様にプレイヤキャラクタC,Dが対応付けられ、原則的に最大2名のプレイヤ(第2プレイヤ)がマルチプレイ可能である。
【0042】
図4の例では、シナリオ1,2は何れも3つのステージで構成されている。シナリオ1は、ステージSt1(例:地下街)、ステージSt2(例:地下鉄構内)、およびステージSt3(例:ゴーストタウン)を順に進む構成であり、シナリオ2は、ステージSt1(例:雑居ビル)、ステージSt2(例:地下鉄構内)、およびステージSt3(例:地下鉄操車場)を順に進む構成になっている。
【0043】
このように、シナリオ1,2は、それぞれのステージSt1,St3が互いに異なる舞台設定になっているが、ステージSt2については共通の舞台設定(例:地下鉄構内)となっており、当該ステージSt2がクロスオーバーステージに設定されている。そして、ステージSt1,St3では、何れのシナリオにおいても原則通り最大2名でのマルチプレイが可能であるのに対し、クロスオーバーステージSt2では、各シナリオに対応付けられた合計4名でのマルチプレイが可能である。
【0044】
まず、クロスオーバーが生じない通常のステージSt1(クロスオーバーステージの前のステージ)において、プレイヤキャラクタAを使用するプレイヤPAがゲーム開始操作を行った際、セッション(第1のセッション)SN11を新たに形成する(ステップS1)。この際、セッション形成手段44は、プレイヤPA(第1プレイヤ)が参加している第1のセッションSN11に参加しているシナリオに参加可能かつプレイヤPAが操作するプレイヤキャラクタPAとは異なる他のプレイヤキャラクタPBを操作するプレイヤPB(第3プレイヤ)が参加可能な第1のセッションを形成する。すなわち、同じシナリオ1でプレイヤキャラクタAと異なるプレイヤキャラクタBを使用している他のプレイヤPBは、プレイヤキャラクタAを使用するプレイヤ(ホストプレイヤ)PAが形成したセッションにゲストプレイヤとして参加することができる。なお、プレイヤPAのゲーム開始操作時にすでにプレイヤキャラクタBを使用する他のプレイヤPBによりセッションが形成されている場合(プレイヤPBがホストプレイヤとなる場合)には、プレイヤPAが当該セッションに参加する(プレイヤPAがゲストプレイヤとなる)こととしてもよい。
【0045】
プレイヤPAの形成したセッションSN11に参加するプレイヤPBの操作するコンピュータの通信手段42は、プレイヤPAの操作するコンピュータにプレイヤPBに対応するプレイヤキャラクタBの各種パラメータなどの情報を送信する。パラメータは、キャラクタの能力を決定する数値であり、例えば、当該キャラクタの攻撃力、防御力、回避力などを含む。プレイヤPAの操作するコンピュータにおけるゲーム制御手段41は、プレイヤPBに対応するプレイヤキャラクタBの各種情報を受信し、自己のコンピュータに登録する。その後、通信手段42は、形成されたセッションSN11に参加しているプレイヤPA,PBが操作するそれぞれのコンピュータ間でゲームを同期する。さらに、プレイヤPAの操作するコンピュータのゲーム制御手段41は、形成されたセッションSN1に参加する複数のプレイヤPA,PBの使用するプレイヤキャラクタA,Bを1つの仮想ゲーム空間に配置し、当該シナリオ1のステージSt1におけるゲームを開始する(ステップS2)。各プレイヤPA,PBの操作する各コンピュータのゲーム制御手段41は、各プレイヤPA,PBの操作入力に応じて、対応するキャラクタA,Bの行動を制御する。
【0046】
プレイヤPAが形成したセッションSN11に参加するプレイヤPBが現れない場合、プレイヤPAのみで当該ステージにおけるゲームを開始する。適宜、行動をともにするキャラクタBとして、プレイヤPBが操作する代わりにノンプレイヤキャラクタ(B)を仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタAとともに配置して、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43が当該ノンプレイヤキャラクタ(B)の行動を制御することとしてもよい。
【0047】
なお、シナリオ1とは異なるシナリオ2が設定されているプレイヤキャラクタC,Dについても、同様に、例えばプレイヤPCの操作するコンピュータのセッション形成手段44がセッション(プレイヤPCのコンピュータから見て第1のセッション)SN21を形成し、これらのキャラクタC,Dを操作するプレイヤPC,PDの操作に基づいて、シナリオ2の通常のステージSt1(クロスオーバーステージの前のステージ)におけるゲームが進行される。
【0048】
プレイヤPAの操作するコンピュータのゲーム制御手段41は、上記シナリオ1のステージSt1が終了したかどうかを判定し(ステップS3)、上記ステージの終了後(ステップS3でYes)、次のステージSt2が2つのシナリオのクロスオーバーが生じるクロスオーバーステージであるか否かを判定する(ステップS4)。
【0049】
図4に示すように、次のステージSt2がクロスオーバーステージである場合(ステップS4でYes)、通信手段42は、プレイヤPA(第1プレイヤ)およびプレイヤPB(第3プレイヤ)が参加しているシナリオ1において当該ステージSt1の終了時から次のステージSt2に移行するまでの間における所定の期間内に、当該シナリオ1とは異なる所定のシナリオ2に参加しているプレイヤPC,PDが前のステージSt1から次のステージSt2に移行する場合に、プレイヤPAが操作するコンピュータ(第1コンピュータ)とプレイヤPBが操作するコンピュータ(第3コンピュータ)との同期を維持した状態で、プレイヤPC,PD(第2プレイヤ)が操作する他のコンピュータ(第2コンピュータ)との同期を行う。なお、本実施形態においては、各シナリオ1,2のステージSt2同士がクロスオーバーステージとなるように設定されているが、本発明はこれに限られず、例えばシナリオ1のステージSt3とシナリオ2のステージSt5とが共通するクロスオーバーステージとなるように設定されてもよい。
【0050】
まず、プレイヤPA,PBのうちホストプレイヤ(
図4においてはプレイヤPA)が操作するコンピュータの通信手段42は、ステージSt1の終了時に、同期可能な第2プレイヤ(プレイヤPC,PD)を検索する。具体的には、通信手段42は、他のコンピュータまたはネットワークサーバにアクセスし、プレイヤキャラクタA,Bに設定されたシナリオ1とは異なるシナリオ2が設定されているプレイヤキャラクタC,Dを操作するプレイヤPC,PDが当該クロスオーバーステージに入るために形成したセッションがあるかどうかを検索する(ステップS5)。同期可能な第2プレイヤが存在せず、該当するセッションが存在しない場合(ステップS5でNo)、ホストプレイヤであるプレイヤPAが操作するコンピュータのセッション形成手段44は、当該プレイヤPAをホストとするセッションSNC2を形成し、プレイヤPAをホストプレイヤとして登録する(ステップS6)。
【0051】
この際、プレイヤPAが操作するコンピュータのセッション形成手段44は、プレイヤPB,PC,PDが操作する他のコンピュータとの間でゲームを同期する際、第1プレイヤであるプレイヤPAおよび第3プレイヤであるプレイヤPBが前のステージSt1において参加していた第1のセッションSN11を引き継いで、プレイヤPC,PDを当該第1のセッションに参加させることとしてもよい。これに代えて、セッション形成手段44は、別途新たにセッションを形成することとしてもよい。
【0052】
そして、セッション形成手段44は、所定の期間、形成したセッションSNC2に他のプレイヤPC,PDが参加可能である状態で待ち受ける(ステップS7)。通信手段42は、他のプレイヤPC,PDが操作するコンピュータから当該セッションSNC2に参加する旨の信号が送信されたか否かを判定する。なお、P2P通信方式のゲームのクロスオーバーステージにおいては、例えばプレイヤPC,PDが操作するコンピュータから当該セッションSNC2に参加する旨の信号としてセッション情報要求信号がマッチングサーバに送信された場合、マッチングサーバは、上述のようにセッションのリストを提供することなく、該当するセッションSNC2に強制的に参加させる処理を行う。ただし、クロスオーバーステージにおいても通常のステージと同様に、プレイヤPC,PDが操作するコンピュータから当該セッションSNC2に参加する旨の信号としてセッション情報要求信号がマッチングサーバに送信された場合、マッチングサーバは、セッションのリストを送信し、そのリストの中からプレイヤPC,PDがセッションを選択することとしてもよい。
【0053】
所定の期間内に、他のプレイヤPC,PDからの参加があった場合(ステップS7でYes)、通信手段42は、当該セッションSNC2に参加する他のプレイヤPC,PD(ゲストプレイヤ)が操作するコンピュータから送られてくる各種情報を受信し、当該ゲストプレイヤの情報をホストプレイヤPAのコンピュータに登録して記憶する(ステップS8)。各種情報には、当該他のプレイヤPC,PDに対応するプレイヤキャラクタC,Dに設定されているパラメータなどが含まれる。プレイヤPAが形成したセッションに参加するプレイヤPC,PDが複数ある場合は、上記ステップS7およびS8を繰り返す。この際、プレイヤPC,PDがともにゲストプレイヤとなる。また、他のシナリオ(シナリオ2)においてプレイヤPC,PDが1つのセッションSN21を形成していた場合には、当該セッションSN21をプレイヤPAが形成したセッションSNC2に統合することとしてもよい。
【0054】
プレイヤPAが形成したセッションSNC2に参加するプレイヤPC,PDの登録後、通信手段42は、形成されたセッションSNC2に参加しているプレイヤPA〜PDが操作するそれぞれのコンピュータ間でゲームを同期する。さらに、プレイヤPAの操作するコンピュータのゲーム制御手段41は、形成されたセッションSNC2に参加する複数のプレイヤPA〜PDに対応するプレイヤキャラクタA〜Dを1つの仮想ゲーム空間に配置し、当該クロスオーバーステージ(ステージSt2)におけるゲームを開始する(ステップS9)。各プレイヤPA〜PDの操作する各コンピュータのゲーム制御手段41は、各プレイヤPA〜PDの操作入力に応じて、対応するキャラクタA〜Dの行動を制御する。
【0055】
クロスオーバーステージにおいては、シナリオ1が設定されたプレイヤキャラクタA,Bとシナリオ2が設定されたプレイヤキャラクタC,Dとが互いに協同してゲームを進行させる(共通のクリア条件を設定する)こととしてもよいが、互いに別行動を取ることとしてもよい。例えば、プレイヤキャラクタA,Bは、所定の敵キャラクタを討伐することが目的である一方、プレイヤキャラクタC,Dは、所定のアイテムを発見することが目的であってもよい。さらに、プレイヤキャラクタC,Dが当該アイテムを探索している途中でプレイヤキャラクタA,Bが敵キャラクタと戦っているところに遭遇し、その結果、プレイヤキャラクタA,Bを援護するようなシナリオに設定されてもよい。このようにクロスオーバーステージにおけるクリア条件がシナリオによって異なっていても、それぞれのプレイヤキャラクタA〜Dを交錯させるようにすることで、ゲーム性が多様化する。
【0056】
上述した所定の期間内に、プレイヤPAが形成したセッションに参加するプレイヤPC,PDが現れない場合(ステップS7でNo)、プレイヤPAの操作するコンピュータのノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、キャラクタC,Dをノンプレイヤキャラクタとして読み出し、登録する(ステップS10)。この後、プレイヤPAの操作するコンピュータのゲーム制御手段41は、形成されたセッションSNC2に参加する複数のプレイヤPA,PBに対応するプレイヤキャラクタA,Bとノンプレイヤキャラクタとして登録されたキャラクタC,Dとを1つの仮想ゲーム空間に配置し、当該クロスオーバーステージにおけるゲームを開始する(ステップS9)。ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、プレイヤキャラクタC,Dの行動を、プレイヤPC,PDが操作する代わりに、制御する。
【0057】
一方、ステップS5において、他のプレイヤPC,PDが形成したセッションが存在する(同期可能な第2プレイヤが存在する)場合(ステップS5でYes)、通信手段42は、第2プレイヤにより操作される他のコンピュータとの間で、ゲームを同期する。具体的には、通信手段42は、当該セッションが形成されている他のコンピュータまたはネットワークサーバにアクセスし、当該セッションへの参加を申請する。その上で、通信手段42は、セッションを形成している他のコンピュータに、第1プレイヤであるプレイヤPA,PBに対応するプレイヤキャラクタA,Bに設定されているパラメータなどを含む各種情報を送信し、当該他のコンピュータにゲストプレイヤとして登録させる(ステップS11)。この際、当該セッションが形成されている元のホストプレイヤ(例えばプレイヤPC)がホストプレイヤとなり、その他のプレイヤ(例えばPA,PB,PD)がゲストプレイヤとなる。
【0058】
第2プレイヤが形成したセッションに参加する第1プレイヤの登録後、第2プレイヤの操作するコンピュータのゲーム制御手段41は、形成されたセッションSNC2に参加する複数のプレイヤPA〜PDを1つの仮想ゲーム空間に配置し、当該クロスオーバーステージにおけるゲームを開始する(ステップS9)。
【0059】
セッション形成手段44は、クロスオーバーステージにおけるゲームが終了したかどうかを判定する(ステップS12)。クロスオーバーステージにおけるゲームが終了した場合(ステップS12でYes)、セッション形成手段44は、セッション終了処理を行う(ステップS13)。
【0060】
図4に示すように、プレイヤPA〜PDが何れもクロスオーバーステージをクリアした場合、次のステージSt3では、プレイヤPAの操作するコンピュータのセッション形成手段44は、シナリオ1が設定されているプレイヤキャラクタA,Bを操作するプレイヤPA,PBが参加するセッションSN13を形成する。通信手段42は、次のステージSt3において、前のステージでセッションSN11に参加していたプレイヤPAが操作するコンピュータとプレイヤPBが操作するコンピュータ(第3コンピュータ)との間でゲームを同期する。同様に、プレイヤPCの操作するコンピュータ(第2コンピュータ)のセッション形成手段44は、シナリオ2が設定されているプレイヤキャラクタC,Dを操作するプレイヤPC,PDが参加するセッションSN23を形成する。この際、
図4の例においては、元々各シナリオのステージSt1でホストプレイヤであったプレイヤPA,PCが再びホストプレイヤとしてセッションSN13を形成しているが、他のプレイヤPB,PDがセッションSN13を形成してもよい。
【0061】
なお、本実施形態においては、プレイヤキャラクタA,Bはシナリオ1を通じて一緒に行動するように設定されているが、これに限られない。例えば、クロスオーバーステージ終了後の次のステージで、プレイヤキャラクタAは、プレイヤキャラクタDと一緒に行動し、プレイヤキャラクタBは、プレイヤキャラクタCと一緒に行動するように設定されてもよい。すなわち、プレイヤキャラクタA,Bに、それぞれ異なる複数(2つ)のシナリオが設定され、当該2つのシナリオの一部が重複する(舞台設定およびクリア条件が同一のステージを有する)ように構成されてもよい。プレイヤキャラクタC,Dについても同様である。このような場合において、クロスオーバーステージにおいて異なるシナリオに沿って行動する各プレイヤキャラクタをプレイヤが操作可能とすることにより、次のステージにおいて形成されるセッションのマッチングを同時に行うことができる。
【0062】
一方、
図5は、本実施形態のクロスオーバーステージにおいて第1プレイヤが操作するプレイヤキャラクタA,Bがゲームオーバーになった場合のセッションに参加するプレイヤの変遷を示す模式図である。例えばシナリオ1においては、プレイヤキャラクタA,Bの何れか一方でも死亡すると、プレイヤキャラクタA,Bを操作するプレイヤPA,PBの何れのゲームにおいてもゲームオーバーとなる。このため、クロスオーバーステージにおいてプレイヤキャラクタA,Bの何れかが死亡する(
図5においてはプレイヤキャラクタBが死亡する)と、プレイヤPA,PBのゲームにおいてはゲームオーバーとなる。一方で、シナリオ2においても、プレイヤキャラクタC,Dの何れか一方でも死亡すると、プレイヤキャラクタC,Dを操作するプレイヤPC,PDの何れのゲームにおいてもゲームオーバーとなるが、クロスオーバーステージにおいてプレイヤキャラクタA,Bの何れかが死亡してもプレイヤPC,PDのゲームにおいてはゲームオーバーとはならない。
【0063】
この場合において、同一のセッションSNC2に参加しているプレイヤPA〜PDに対応するプレイヤキャラクタA〜Dの何れかがゲームオーバーとなる際に、セッションSNC2を解消することとすると、本来ゲームオーバーとはならないプレイヤ(
図5の例においてはプレイヤPC,PD)のゲームも中断されてしまう。
【0064】
そこで、本実施形態においては、ホストプレイヤの操作するコンピュータのセッション形成手段44は、ゲームオーバーとなるプレイヤPA,PBのみを当該セッションSNC2から離脱させ、残りのプレイヤPC,PDはセッションSNC2に参加したままの状態でゲームを継続させる。この際、ホストプレイヤであるプレイヤPAが離脱してしまうため、残りのプレイヤPC,PDのうちの何れかがセッションSNC2のホストプレイヤとして再登録される。
図5の例においては、シナリオ2のステージSt1におけるセッションSN21で元々ホストプレイヤであったプレイヤPCがクロスオーバーステージにおけるセッションSNC2のホストプレイヤとして再登録される。
【0065】
さらに、セッションSNC2から離脱したプレイヤPA,PBの代わりに、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、プレイヤキャラクタA,Bをノンプレイヤキャラクタとして設定し、その動作を制御する。このように、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、シナリオ1のプレイヤPA,PB(第1プレイヤ)が操作するコンピュータとシナリオ2のプレイヤPC,PD(第2プレイヤ)が操作する他のコンピュータとが同期してクロスオーバーステージが進行している途中で、第2プレイヤが操作する他のコンピュータとの同期がとれなくなった場合、当該コンピュータにおける仮想ゲーム空間にて第2プレイヤに対応するキャラクタをノンプレイヤキャラクタとして設定し、その動作を制御する。これにより、プレイヤPC,PDのゲームにおいてはプレイヤキャラクタA,Bは、ゲーム上死亡しないこととなる。なお、プレイヤキャラクタA,BについてプレイヤPA,PBの操作によるものからノンプレイヤキャラクタとしてノンプレイヤキャラクタ制御手段43に制御されるものに変化したことは、プレイヤPC,PDのゲーム画面に「プレイヤキャラクタA,Bが離脱しました」などといった表示を行うことにより報知することも可能である。
【0066】
本実施形態においては、ゲームオーバーとなったプレイヤPA,PBは、所定のリスタート地点からゲームをリスタートさせることが可能である。この際、プレイヤPA,PBの何れかが操作するコンピュータ(ここではプレイヤPAの操作するコンピュータ)は、
図5に示すように、新たなセッションSN12を形成する。さらに、プレイヤPC,PDが継続して参加しているセッションSNC2とは進行度が変わってしまうため、プレイヤPC,PDの代わりに、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、プレイヤキャラクタC,Dをノンプレイヤキャラクタとしてその動作を制御する。
【0067】
なお、一のシナリオが設定されたプレイヤキャラクタA,Bの何れかのキャラクタ死亡などといったゲームオーバー条件に基づいて、他のシナリオが設定されたプレイヤキャラクタC,Dもゲームオーバーとすることとしてもよい。プレイヤキャラクタA,Bのゲームオーバー条件に応じてプレイヤキャラクタC,Dをゲームオーバーとさせるか、ゲームを継続させるかを変えることとしてもよい。
【0068】
また、
図6は、本実施形態のクロスオーバーステージにおいてプレイヤPAが操作するプレイヤキャラクタAが離脱した場合のセッションに参加するプレイヤの変遷を示す模式図である。プレイヤがセッションから離脱するのは、上記のようにプレイヤキャラクタが死亡するなどによりゲームオーバーとなる場合だけに限られず、例えば、通信不良や一のプレイヤの操作に基づくゲームのシャットダウンなどによっても、当該プレイヤはセッションから離脱することとなる。
【0069】
図6においては、同一のセッションSNC2を形成しているプレイヤPA〜PDのうちプレイヤPAのみが通信不良などによりセッションSNC2から離脱したとする。このような場合においても、同一のセッションSNC2に参加しているプレイヤPA〜PDの何れかが離脱した際に、セッションSNC2を解消することとすると、本来ゲームを中断する必要のないプレイヤ(
図6の例においてはプレイヤPB,PC,PD)のゲームも中断されてしまう。
【0070】
そこで、本実施形態においては、セッションSNC2に参加している何れかのプレイヤが操作するコンピュータのセッション形成手段44は、通信不良などが生じたコンピュータのプレイヤPAのみを当該セッションSNC2から離脱させ、残りのプレイヤPB,PC,PDはセッションSNC2に参加したままの状態でゲームを継続させる。この際、ホストプレイヤであるプレイヤPAが離脱してしまうため、残りのプレイヤPB,PC,PDのうちの何れかがホストプレイヤとして再登録される。
図5の例においては、シナリオ1の残りのプレイヤPBがクロスオーバーステージにおけるセッションSNC2のホストプレイヤとして再登録される。さらに、セッションSNC2から離脱したプレイヤPAの代わりに、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、プレイヤキャラクタAをノンプレイヤキャラクタとして設定し、その動作を制御する。
【0071】
この場合においても、本実施形態において、セッションSNC2から離脱したプレイヤPAは、所定のリスタート地点からゲームをリスタートさせることが可能である。この際、プレイヤPAが操作するコンピュータは、
図6に示すように、新たなセッションSN12を形成する。さらに、プレイヤPB,PC,PDが継続して参加しているセッションSNC2とは進行度が変わってしまうため、プレイヤPB,PC,PDの代わりに、ノンプレイヤキャラクタ制御手段43は、プレイヤキャラクタB,C,Dをノンプレイヤキャラクタとして設定し、その動作を制御する。
【0072】
このように、クロスオーバーステージのセッションSNC2が参加しているプレイヤPA〜PDのうち、少なくとも一のプレイヤがセッションSNC2から離脱した場合には、それ以降は複数のセッションSNC2,SN21に分かれて、クロスオーバーステージのゲームが進行することとなる。これにより、一度形成したセッションSNC2から離脱するプレイヤが現れても、これによってシナリオ上影響のない他のプレイヤに対してはゲームを継続させるように、セッションSNC2が維持されるため、他のプレイヤにストレスを感じさせることなくゲームを続けさせることができる。
【0073】
本実施形態によれば、マルチプレイにおいて、同じステージであれば、一のプレイヤが形成したセッションに、途中から他のセッションに参加しているプレイヤが参加することが可能となる。特に、複数の異なるシナリオにそれぞれ設定されたプレイヤキャラクタに対応するプレイヤ同士であっても1つのセッションに参加することができる。このため、複数のプレイヤキャラクタのそれぞれに設定された複数のシナリオが交錯するようなステージにおいて、それぞれのキャラクタを各プレイヤが操作することにより、毎回異なるゲーム性を創出することができる。このように、プレイヤキャラクタの参加態様を多様化することにより、ゲーム性の多様化を効果的に実現することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0075】
例えば、上記実施形態では、複数のシナリオが互いに共通するステージをクロスオーバーステージとして、当該クロスオーバーステージにおいて異なるシナリオで操作可能に設定されているプレイヤキャラクタを操作するプレイヤ同士が1つのセッションに参加できる構成について説明したが、クロスオーバーステージは複数のシナリオにおいて設定されるものに限られない。例えば、1つのシナリオ内において、操作可能な2つのプレイヤキャラクタA,Bが存在し、所定のステージ(クロスオーバーステージ)以外のステージでは、当該各プレイヤキャラクタA,Bが同じステージにおいて別々にゲームを進行させる(例えばプレイヤキャラクタA,Bは、それぞれ同じ舞台設定において同じ目的を持ってゲームを進行させるものの、両者は出会わない)が、クロスオーバーステージではプレイヤキャラクタA,Bを操作するプレイヤ同士が互いに協力してゲームを進行させることができることとしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、各シナリオの途中(前のステージの後)にクロスオーバーステージが設けられている構成について説明したが、クロスオーバーステージは、ゲーム(またはシナリオ)の最初のステージに設けられることとしてもよい。この場合、クロスオーバーステージの開始前の所定期間は、例えばゲーム開始操作を行ってから開始される期間となる。また、シナリオの途中にクロスオーバーステージが設けられている構成においても、クロスオーバーステージの直前でゲームデータをセーブ可能な場合には、当該セーブデータに基づいてゲームを再開すると、クロスオーバーステージが当該ゲームの最初のステージとなり得る。
【0077】
また、上記実施形態では据え置き型のゲーム装置について説明したが、携帯型のゲーム装置、携帯電話機、およびパーソナルコンピュータなどのコンピュータについても、本発明を好適に適用することができる。