特許6166540IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

自動車部品の排気系部材に代表されるような、高温強度と耐酸化性が必要とされる高温プレス成形に適する自動車排気系部材用のフェライト系ステンレス鋼板およびフェライト系ステンレス鋼成形部品の製造方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

従来、自動車の排気系部品を製造する際には、鋼材を冷間でプレス加工して複雑な部品形状に成形している。しかし、この成形方法では、成形された排気系部品の各部位における歪が不均一となって、排気系部品の熱疲労寿命の低下を招くという問題があった。
しかし、従来、この問題を解決する技術はなかった。 例えば、特許文献1では、常温における加工性が示されている様に、成形加工は常温を前提としており、冷間でプレス成形することによる熱疲労特性への影響について考慮されていない。
また、特許文献2に記載のステンレス鋼は、常温の加工性と高温強度の両立を意図しているように、常温でプレス加工を行うことを前提とした材料である。このため、特許文献2に記載のステンレス鋼では、熱疲労の局所的な進行による熱疲労特性の低下が推測される。 特許文献3に記載のステンレス鋼材は、JIS Z2241に規定される引張試験の伸び値で優劣を示している様に、常温での成形加工を前提としている。このため、特許文献3に記載のステンレス鋼材は、常温でプレス成形することによる熱疲労特性の低下が考えられる。 特許文献4では、自動車排気系部材で必要とされる熱疲労特性については、考慮されていない。
特許文献5は、プレス成形後のアルミめっき層の健全性を意図したものであり、耐食性や、成形前後の常温における強度を造りこんでいる。しかし、特許文献5においても、熱疲労特性については考慮されていない。 このように、これまでに開示されている技術を用い、自動車排気系部品を製造することは困難であり、常温における加工性の低下に起因する部品形状の制約を生じるほか、熱疲労寿命の低下を招いていた。
本発明は、課題を解決するためになされたものであり、加工性を向上し、部品形状の自由度を向上させると共に、熱疲労寿命の向上を成し得る事で、従来法では製造困難であった自動車排気系部品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者等は、課題を解決するために基礎的な検討を実施した。その結果、特にNb, Cu, Mo, W, Niを適切に添加した成分組成の鋼板を700〜1100℃に加熱して、高温プレス成形を行った後、冷却することにより自動車排気系部品を製造する事で、加工性を向上し、部品形状の自由度を向上させることができると共に、自動車排気系部品の熱疲労特性が大きく改善する事を見出した。
【発明の効果】
本発明のステンレス鋼板は、自動車排気系部品として必要とされる耐酸化性(耐食性)と、高温プレス成形性、熱延焼鈍板の靭性、高温強度、熱疲労特性を有し、熱間圧延に起因する疵がない表面品質の良好なものである。したがって、本発明のステンレス鋼板を高温プレス成形することにより、高い加工度で成形することが可能になり、自動車排気系部品のホットエンド部材の設計自由度の拡大をもたらすことができる。
また、本発明では、ステンレス鋼板を高温プレス成形するので、成形による熱疲労特性への影響を抑制することができ、優れた熱疲労特性を有する自動車排気系部品を提供できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】高温プレス成形高さに及ぼすステンレス鋼板の組成の影響を示したグラフである。

【図2】高温プレス成形高さに及ぼす高温成形温度の影響を示したグラフである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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