(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記壁部は、前記居住空間と屋外とを仕切る外壁部であり、前記一対の壁面材のうち一方は前記居住空間側に配置された内壁面材とされ、他方は屋外側に配置された外壁面材とされており、
前記外壁部には壁開口部が前記天井面材よりも低い位置に設けられており、該壁開口部に対してサッシ枠が取り付けられており、
前記サッシ枠は、前記外壁部に沿って並べられた柱同士の間に設けられており、
前記外壁部は、
前記一対の壁面材の間に設けられた壁断熱部と、
前記壁断熱部と前記外壁面材との間に設けられた壁内空間と、
前記壁内空間において前記柱同士に掛け渡された状態で前記サッシ枠の上方に設けられ、前記外壁面材を支持する上方下地材と、
を有しており、
前記配線孔は、壁厚み方向において前記上方下地材と前記内壁面材との間の位置に設けられていることを特徴とする請求項3及至7のいずれか一項に記載の建物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、天井面材の孔が壁部の上方に配置されている場合、電気配線はその孔を通じて天井裏空間から壁部の内部に直接引き込まれることになり、その電気配線が下方に引っ張られた場合に、孔の周辺において電気配線が天井面材の上面に擦れてその天井面材が傷付いたり破損したりすることが懸念される。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天井面材について、電気配線が貫通している部分及びその周辺を好適な状態で維持することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0008】
第1の発明の建物の天井構造は、居住空間と天井裏空間とを上下に仕切る天井面材を備え、前記天井面材には、前記天井裏空間に敷設された電気配線を下方に引き出すための配線孔が設けられており、前記天井裏空間には、前記天井面材における前記配線孔が形成された部分を保護する保護板部が、該天井面材に重ねて設けられており、前記保護板部には、前記配線孔に通じる連通孔が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、天井面材の上側に保護板部が設けられているため、天井面材の配線孔を通じて天井裏空間から下方に引き出されている電気配線が天井面材の上面に接触しにくくなっている。この場合、天井面材の配線孔に通された電気配線が下方に向けて引っ張られたとしても、配線孔の周辺において電気配線が天井面材の上面に擦れてその天井面材が傷付いたり破損したりすることを抑制できる。したがって、天井面材について、電気配線が貫通している部分及びその周辺を好適な状態で維持することができる。
【0010】
なお、前記連通孔は、前記配線孔と上下に重なる位置に含まれていることが好ましい。この場合、天井面材が保護板部の連通孔の内側にはみ出していないため、天井面材の配線孔の内周面に電気配線が接触することを保護板部により規制できる。したがって、天井面材の上面に加えて配線孔の内周面を電気配線から好適に保護することができる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、梁材に取り付けられ、前記天井面材を支持する天井下地を備え、前記保護板部は、前記天井下地に横並びに配置され、該天井下地に固定されている。
【0012】
第2の発明によれば、保護板部と天井面材とが天井下地を介して連結されているため、保護板部の位置が天井面材の配線孔に対してずれることを防止できる。また、保護板部の荷重が天井面材と天井下地に分散されるため、保護板部から天井面材にかかる荷重負担を低減できる。
【0013】
第3の発明では、第2の発明において、前記天井下地は、前記天井面材と前記梁材との間の隙間に沿って延びている野縁を有しており、前記野縁は前記梁材の下面に固定され、前記保護板部は前記野縁の側面に固定されている。
【0014】
第3の発明によれば、野縁が梁材の直下に設けられている構成において、保護板部が野縁に固定されているため、保護板部を梁材に対して強固に固定できる。この場合、保護板部により天井面材の配線孔部分を好適に補強できる。
【0015】
第4の発明では、第3の発明において、前記天井面材は、互いに直交している2つの梁材の下方に設けられており、前記天井下地は、前記2つの梁材のうち一方の梁材と前記天井面材との間に設けられ該梁材に沿って延びている第1野縁と、他方の梁材と前記天井面材との間に設けられ該梁材に沿って延びている第2野縁とを有しており、前記保護板部は、前記第1野縁及び前記第2野縁の両方と横並びになっており、それら第1野縁及び第2野縁の各側面に固定されている。
【0016】
第4の発明によれば、保護板部の2辺部が野縁にそれぞれ固定されるため、野縁により保護板部を好適に支持できる。また、この場合、保護板部は天井面材における隅角部分に対して設けられていることになる。ここで、天井面材の隅角部分に配線孔が形成されている構成では、天井面材における配線孔の周辺部分が欠けやすいと考えられるが、その隅角部分に対して保護板部が設けられていることで、配線孔の周辺部分が欠けることを保護板部により抑制できる。
【0017】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記保護板部の下面と前記天井面材の上面とは互いに接合されている。
【0018】
第5の発明によれば、配線孔の周辺において天井面材が保護板部により補強された状態になっているため、仮に、電気配線が天井面材に接触したとしても、天井面材における配線孔の周辺部分が欠けることを抑制できる。
【0019】
第6の発明の建物は、第1乃至第5のいずれかに記載の天井構造を備えている建物であって、互いに離間して設けられた一対の壁面材を有する壁部を備え、前記天井面材は、前記一対の壁面材のうち少なくとも一方の上方に配置されており、前記天井裏空間は、前記配線孔及び連通孔を介して前記一対の壁面材の離間部分に通じており、前記壁面材には、前記配線孔及び前記連通孔に通されている前記電気配線を前記一対の壁面材の間から引き出すことが可能な配線引き出し部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
第6の発明のように、壁部に配線引き出し部が設けられている構成では、電気配線を天井面材の配線孔から下方に引き出す際に、電気配線を下方に引っ張る力が天井面材に加えられないようにすることが困難になっており、壁部の配線引き出し部から電気配線を引き出すことで、天井面材における配線孔の周辺部分の傷付きや破損が生じやすいと考えられる。
【0021】
これに対して、天井面材の上側には保護板部が設けられているため、壁部の配線引き出し部から電気配線が引き出される場合でも、天井面材における配線孔の周辺部分について天井面材の傷付きや破損が生じることを保護板部により抑制できる。
【0022】
第7の発明では、第6の発明において、前記天井裏空間の周縁部に沿って延びている屋外側梁材を備え、前記壁部は、前記居住空間と屋外とを仕切る外壁部であり、前記一対の壁面材のうち一方は前記居住空間側に配置された内壁面材とされ、他方は屋外側に配置された外壁面材とされており、前記天井面材は、前記内壁面材の上方に配置され、前記屋外側梁材の下面と対向した状態で該屋外側梁材に固定されており、前記配線孔は、壁厚み方向において前記屋外側梁材と前記内壁面材との間の位置に配置されている。
【0023】
外壁部の上方に屋外側梁材が設置されている構成では、屋外側梁材に孔を形成してその孔を通じて天井裏空間から外壁部の内部に電気配線を引き出すことが考えられるが、この場合、屋外側梁材に孔を形成するための作業工程が増えることが懸念される。また、一般的に、天井面材は野縁等の天井下地を介して屋外側梁材の下面に取り付けられており、天井面材と屋外側梁材との間の隙間に電気配線を通すことも難しいと考えられる。
【0024】
これに対して、第7の発明によれば、天井面材の配線孔が屋外側梁材よりも屋内側に配置されているため、電気配線を通すための孔を屋外側梁材に形成する必要がない。ここで、天井面材及び保護板部に配線孔及び連通孔を形成する作業は、構造体である屋外側梁材に孔を形成する作業に比べて容易であり、電気配線を通すための孔を形成する工程を容易化できる。
【0025】
しかも、保護板部を屋外側梁材よりも屋内側に配置することが可能になるため、例えば、保護板部を屋外側梁材と上下に重なる位置に配置する場合に比べて、保護板部の設置作業や連通孔の形成作業を容易化できる。
【0026】
第8の発明では、第6又は第7の発明において、前記壁部は、前記居住空間と屋外とを仕切る外壁部であり、前記一対の壁面材のうち一方は前記居住空間側に配置された内壁面材とされ、他方は屋外側に配置された外壁面材とされており、前記外壁部には壁開口部が前記天井面材よりも低い位置に設けられており、該壁開口部に対してサッシ枠が取り付けられており、前記サッシ枠は、前記外壁部に沿って並べられた柱同士の間に設けられており、前記外壁部は、前記一対の壁面材の間に設けられた壁断熱部と、前記壁断熱部と前記外壁面材との間に設けられた壁内空間と、前記壁内空間において前記柱同士に掛け渡された状態で前記サッシ枠の上方に設けられ、前記外壁面材を支持する上方下地材と、を有しており、前記配線孔は、壁厚み方向において前記上方下地材と前記内壁面材との間の位置に設けられている。
【0027】
外壁部において、サッシ枠の上方において上方下地材が柱同士に掛け渡されている構成では、上方下地材に孔を形成してその孔を通じて天井裏空間から外壁部の内部に電気配線を引き出すことが考えられるが、孔を形成することで上方下地材の強度が低下することが懸念される。
【0028】
これに対して、第8の発明によれば、天井面材の配線孔が上方下地材よりも屋内側に配置されているため、電気配線を通すための孔を上方下地材に形成する必要がなく、その孔によって上方下地材の強度が低下するということを回避できる。
【0029】
しかも、保護板部を上方下地材よりも屋内側に配置することが可能になるため、例えば、保護板部を上方下地材と上下に重なる位置に配置する場合に比べて、保護板部の設置作業や連通孔の形成作業を容易化できる。
【0030】
なお、柱、天井大梁、床大梁を有する建物ユニットが複数組み合わされて構築されたユニット式建物であって、前記建物ユニットにおいて隣り合う柱の間に前記サッシ枠が配置され、前記天井面材の上方には、前記建物ユニットにおいて一の柱に接続された一対の天井大梁がそれぞれ設けられており、それら天井大梁のうち少なくとも一方が前記屋外側梁材であり、前記天井下地は、前記一対の天井大梁のそれぞれに沿って延びる状態で、それら天井大梁と前記天井面材との間に設けられており、前記保護板部は、前記天井下地における前記一対の天井大梁に沿って延びている各部分のそれぞれに対して固定されていることが好ましい。
【0031】
この場合、保護板部の2辺部が天井下地にそれぞれ固定されるため、天井下地により保護板部を好適に支持できる。
【0032】
第9の発明では、第8の発明において、前記天井面材は、当該天井面材と前記天井裏空間の周縁部に沿って延びている屋外側梁材との間に設けられた天井下地を介して前記屋外側梁材に固定されており、前記上方下地材は、前記天井面材の下面に重なり且つ該天井面材を介して前記天井下地に固定された天井側固定部を有しており、前記天井側固定部は、前記上方下地材に沿って延びている。
【0033】
第9の発明では、上方下地材と天井面材との間の隙間が天井側固定部により塞がれているため、上方下地材と天井面材との間の隙間に電気配線を通すことが難しいと考えられる。このため、天井面材の配線孔が上方下地材よりも屋内側に配置されていることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、鉄骨ラーメン構造を有する2階建てのユニット式建物において、本発明の天井構造を具体化している。ユニット式建物は、複数の建物ユニットを組み合わせることで構築されており、まず、建物ユニットの構成について、
図1を参照しつつ説明する。
図1は建物ユニット20の構成を示す斜視図である。
【0036】
図1に示すように、建物ユニット20は、四隅に配置された柱21と、柱21の上端部(上仕口)に連結された天井大梁22と、柱21の下端部(下仕口)に連結された床大梁23とを有しており、これら柱21、天井大梁22、床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、溝部開放側を互いに向き合わせるようにユニット内側に向けて配置されている。
【0037】
建物ユニット20において長辺部(桁面)に沿って延び且つ相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく長辺部に沿って延び且つ相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25及び床小梁26は、それぞれ同一の間隔で且つ短辺側(妻側)の天井大梁22及び床大梁23と平行に延びている。天井小梁25及び床小梁26はそれぞれリップ溝形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材28が支持され、床小梁26によって床面材29が支持されている。
【0038】
建物ユニット20には、建物内空間と屋外とを仕切る外壁部31が取り付けられている。外壁部31は、建物ユニット20における屋外側の側面部に配置されており、柱21、天井大梁22及び床大梁23に固定されている。外壁部31には、壁開口部としての窓部32が形成されており、その窓部32にはサッシ枠33が設けられている。サッシ枠33は、合成樹脂材料や金属材料などにより矩形枠状に形成されており、外壁部31に取り付けられている。
【0039】
サッシ枠33は、建物ユニット20の短辺部に設けられており、天井面材28寄りの高さ位置に配置されたハイサッシとされている。サッシ枠33は、高さ寸法よりも幅寸法が大きい横長形状になっている。サッシ枠33は、隣り合う柱21の間に配置され、それら柱21の離間距離よりも小さい幅寸法を有しており、サッシ枠33の幅方向において各柱21からは離間している。サッシ枠33は、その側辺部を形成する一対の縦枠部33aと、上辺部を形成する上枠部33bと、下辺部を形成する下枠部33cとを有しており、上枠部33b及び下枠部33cは一対の縦枠部33aを連結している。
【0040】
なお、建物ユニット20においては、柱21、天井大梁22及び床大梁23を含んでユニット躯体が形成されており、外壁部31及びサッシ枠33はユニット躯体に対して取り付けられている。この場合、ユニット躯体は建物の構造体に相当する。
【0041】
外壁部31の内部には電気配線が敷設されており、ここでは、建物における電気配線の敷設構造について、
図2〜
図4を参照しつつ説明する。
図2は外壁部31の屋内側正面図、
図3は外壁部31の縦断面図、
図4は外壁部31の横断面図である。なお、
図2においては、天井面材28よりも上方に配置された天井大梁22等の図示を省略している。また、
図3においては、(a)に
図2のA−A線断面図を示し、(b)に
図2のB−B線断面図を示す。
図4においては、
図2のC−C線断面図を示す。
【0042】
図2に示すように、外壁部31には、サッシ枠33に加えて窓枠34が設けられている。窓枠34は、サッシ枠33の屋内側に配置されており、窓枠34とサッシ枠33とは壁厚み方向において重なった状態になっている。窓枠34は、木材や合成樹脂材料などによりサッシ枠33とほぼ同じ大きさ及び形状の矩形枠状に形成されており、ビス等によりサッシ枠33に固定されている。また、窓枠34は、サッシ枠33と同様に、一対の縦枠部34a、上枠部34b及び下枠部34cを有している。
【0043】
なお、窓部32は、居間等の居住空間41(
図3参照)に設けられている。天井面材28は、石膏ボード等により形成されており、居住空間41と、その居住空間41の上方に設けられた天井裏空間42とを上下に仕切っている。また、居住空間41の下方には床下空間43が設けられている。
【0044】
図3(a)に示すように、外壁部31は、屋外側に配置された外壁パネル45と、居住空間41側に配置された内壁パネル46とを有している。外壁パネル45は、外壁面を形成する外壁面材51と、その外壁面材51を支持する外壁下地としての外壁フレーム52とを有している。外壁面材51は、サイディングボード等の外装材により形成されており、外壁フレーム52を介して天井大梁22や床大梁23に固定されている。外壁フレーム52は、外壁面材51の幅方向に沿って延びている横フレーム材53と、上下方向に沿って延びている縦フレーム材54とを有している。横フレーム材53は、所定の間隔で上下に複数並べて設けられている。
【0045】
内壁パネル46は、内壁面を形成する内壁面材55と、その内壁面材55を支持する内壁下地56とを有している。内壁面材55は、石膏ボード等の内装材により形成されており、内壁下地56を介して外壁フレーム52や天井大梁22、床大梁23に固定されている。内壁下地56は、内壁面材55の幅方向に沿って延びている下地横材57と、上下方向に沿って延びている下地縦材58(
図4参照)とを有している。下地横材57は、所定の間隔で上下に複数並べて設けられており、下地縦材58は、所定の間隔で横並びに設けられている。
【0046】
外壁部31においては、外壁面材51と内壁面材55とが互いに離間して設けられた一対の壁面材に相当する。外壁面材51と内壁面材55との間にはグラスウール等の壁断熱部61が設けられており、壁断熱部61は、内壁面材55の屋外側面に沿って延びている。壁断熱部61は、外壁面材51から屋内側に離間しており、その離間部分が壁内空間62になっている。この場合、外壁フレーム52は壁内空間62に設置されていることになる。
【0047】
なお、サッシ枠33や窓枠34を挟まずに隣り合っている柱21の間においては、壁内空間62が、天井裏空間42と床下空間43とを通気可能に連通する通気部になっている。一方、詳細は後述するが、サッシ枠33や窓枠34を挟んで隣り合っている柱21の間においては、壁内空間62が外壁面材51と壁断熱部61との通気を可能にする通気部にはなっていない。
【0048】
居住空間41の上方には、天井面材28を含んで構成された天井部65が設けられている。天井部65においては、天井面材28が野縁66を介して天井大梁22に固定されている。野縁66は、天井面材28と天井大梁22との間に配置されており、天井大梁22の長手方向に沿って延びている。この場合、野縁66は、天井面材28と天井大梁22とで挟まれた状態になっている。ここで、天井面材28は内壁面材55の上方に配置されており、天井面材28と内壁面材55との関係については天井勝ちの状態になっている。なお、野縁66は天井下地を構成しており、天井大梁22が梁材に相当する。
【0049】
図3(b)に示すように、外壁パネル45において複数の横フレーム材53には、サッシ枠33の上方に設けられた上方下地材としての上方横フレーム材53aが含まれている。上方横フレーム材53aは、サッシ枠33の上枠部33bに沿って延びており、その上枠部33bと上下に重なる位置に配置されている。上方横フレーム材53aは、サッシ枠33を挟んで隣り合う柱21に掛け渡されており、それら柱21を連結している。この場合、上方横フレーム材53aは、外壁面材51と壁断熱部61との離間部分を上下に仕切っており、それによって、壁内空間62が天井裏空間42と床下空間43とを連通しない構成になっている。
【0050】
外壁部31においては、窓枠34が天井面材28から下方に離間しており、その離間部分にも内壁面材55が設けられている。ここで、複数の下地横材57には、天井面材28の下面に沿って延びる下地横材57aと、窓枠34の上枠部34bの上面に沿って延びる下地横材57bとが含まれており、窓枠34の上枠部34bは下地横材57bにビス等により固定されている。下地横材57a,57bのうち上側の下地横材57aは、壁幅方向において窓枠34の側方に突出している。
【0051】
建物ユニット20の各天井大梁22には、屋外側に配置された屋外側大梁22aが含まれている。屋外側大梁22aは、外壁部31に沿って延びており、内壁面材55よりも屋外側に配置されている。この場合、屋外側大梁22aは、天井裏空間42の周縁部に沿って延びていることになる。また、壁厚み方向において、屋外側大梁22aと内壁面材55とは互いに離間している。なお、屋外側大梁22aにおいては、その下面が天井面材28の上面と対向した状態になっている。
【0052】
屋外側大梁22aには、上方横フレーム材53aが天井面材28及び野縁66を介して固定されている。上方横フレーム材53aには、その上方横フレーム材53aと天井面材28とを連結する連結ブラケット68が取り付けられている。連結ブラケット68は、断面L字状の長尺部材とされており、上方横フレーム材53aに沿って延びている。連結ブラケット68は、上方横フレーム材53aの屋内側面に重なる縦部分と、天井面材28の下面に重なる横部分とを有しており、横部分がビス等により天井面材28を介して野縁66に固定されている。この場合、連結ブラケット68は、上方横フレーム材53aと天井面材28とに掛け渡されており、それら上方横フレーム材53aと天井面材28との間の隙間を塞いだ状態になっている。なお、外壁パネル45においては、連結ブラケット68が天井側固定部に相当する。
【0053】
図2の説明に戻り、外壁部31には電気配線Eを居住空間41側に引き出すことが可能な配線引き出し部71が設けられている。配線引き出し部71は、内壁面材55に設けられた孔であり、配線引き出し部71には、コンセント等の壁付き機器72が取り付けられている。電気配線Eは、天井裏空間42から外壁部31の内部に引き込まれており、その先端部分が壁付き機器72に接続されている。なお、配線引き出し部71は、窓部32の下方に配置されている。
【0054】
電気配線Eは、柱21と窓部32との間の隙間を通って、天井裏空間42と配線引き出し部71とに掛け渡された状態になっている。ここで、天井裏空間42から外壁部31の内部に電気配線Eを引き込む場合、天井大梁22のウェブに孔を形成し、その孔を通すことで電気配線Eを天井裏空間42から壁内空間62に引き出すことが考えられるが、サッシ枠33の上方においては上方横フレーム材53aにより壁内空間62が上下に仕切られているため、電気配線Eをサッシ枠33の側方領域に引き込むことができない。
【0055】
そこで、本実施形態では、
図3(a)に示すように、天井面材28に配線孔75が形成されており、その配線孔75を通じて電気配線Eが天井裏空間42から外壁部31の内部に引き込まれている。配線孔75は、壁厚み方向において屋外側大梁22aと内壁面材55との間に配置されている。このため、電気配線Eを通すための孔を屋外側大梁22aや上方横フレーム材53aに形成する必要がない。また、配線孔75は壁断熱部61と上下に重なる位置に配置されており、壁断熱部61は配線孔75を屋外側及び下方から覆った状態になっている。ちなみに、配線孔75は円形状になっている。
【0056】
図4に示すように、電気配線Eは、窓部32と柱21との間の隙間を上下方向に延びた状態で敷設されている。窓部32と柱21との間の隙間のうち、サッシ枠33と柱21との間の隙間においては、縦フレーム材54が配置されており、電気配線Eを通すスペースを確保することが困難に成っている。
【0057】
一方、窓枠34と柱21との間の隙間においては、下地縦材58及び壁断熱部61が配置されているものの、電気配線Eを通すことが可能になっている。窓枠34の縦枠部34aは、ビス等により下地縦材58に固定されており、その下地縦材58と柱21との間に壁断熱部61が設けられている。電気配線Eは、壁断熱部61と内壁面材55との間に通されており、壁断熱部61により屋外側から覆われた状態になっている。
【0058】
配線孔75は、窓部32と柱21との間の隙間の上方位置、すなわち、建物ユニット20の柱21寄りの位置に配置されている。この場合、配線孔75は、天井面材28の隅角部分に対して設けられていることになる。
【0059】
ここで、配線孔75に通された電気配線Eが、外壁部31の配線引き出し部71から引き出されることなどにより下方に向けて引っ張られた場合、電気配線Eが天井面材28における配線孔75の周辺部分に接触することで、天井面材28の上面が傷付いたり破損したりすることが懸念される。しかも、配線孔75が天井面材28の隅角部分に配置されているため、天井面材28の隅角部分が欠けやすいことも懸念される。
【0060】
これに対して、本実施形態では、天井面材28を保護する保護板部76が配線孔75に対して設けられている。ここでは、天井面材28の保護構造について、
図3、
図5を参照しつつ説明する。
図5は保護板部76周辺の斜視図である。
【0061】
図3、
図5に示すように、保護板部76は天井面材28の上に載せられている。保護板部76の下面は天井面材28の上面に重ねられており、それら下面と上面とは接着剤や両面テープ等により互いに接合されている。この場合、天井面材28の上面に対しては保護板部76の下面全体が接合部分になっている。保護板部76は、配線孔75を上方から覆う状態で設けられており、配線孔75に通じる連通孔77を有している。連通孔77は、配線孔75の上方に配置されており、配線孔75と同じ大きさ及び形状を有している。連通孔77は、その中心軸が配線孔75の中心軸に一致する位置に配置されている。この場合、連通孔77と配線孔75とは上下に重なっており、連通孔77の全ての部分が配線孔75に含まれている。なお、電気配線Eは、配線孔75に加えて連通孔77に通されている。
【0062】
保護板部76は、木材により矩形状に形成されており、天井面材28の上において野縁66と横並びに配置されている。この場合、保護板部76は、屋外側大梁22aよりも居住空間41側に配置されていることになる。保護板部76は、その側端面が野縁66の側端面に重なる位置に配置されており、保護板部76と野縁66との境界部分を跨ぐように釘78が打ち込まれている。釘78は、保護板部76の上面から野縁66の側端面に向けて斜めに打ち込まれており、それら保護板部76を野縁66に対して固定している。また、保護板部76は野縁66と同じ厚み寸法を有している。さらに、保護板部76は、長辺と短辺とを有しており、長辺が屋外側大梁22aに沿って延びる向きで設置されている。
【0063】
建物ユニット20においては、屋外側大梁22aに加えて、その屋外側大梁22aに直交している直交大梁22bが複数の天井大梁22に含まれており、それら屋外側大梁22a及び直交大梁22bは1つの柱21に接続されている。なお、屋外側大梁22aが屋外側梁材に相当し、直交大梁22bが直交梁材に相当する。
【0064】
野縁66には、屋外側大梁22aの下側に設けられた第1野縁66aと、直交大梁22bの下側に設けられた第2野縁66bとが含まれている。第1野縁66aは、屋外側大梁22aの長手方向に沿って延びており、第2野縁66bは、直交大梁22bの長手方向に沿って延びている。
【0065】
保護板部76は、屋外側大梁22aと直交大梁22bとの入隅部分に配置されており、第1野縁66a及び第2野縁66bの両方と横並びに配置されている。保護板部76においては、互いに直交する側端面のうち一方の側端面が第1野縁66aの側端面に重ねられており、他方の側端面が第2野縁66bの側端面に重ねられている。釘78は、保護板部76と第1野縁66aとの境界部分、及び保護板部76と第2野縁66bとの境界部分のそれぞれに対して打ち込まれている。なお、屋外側大梁22aの下側に設けられた野縁66を第2野縁と称してもよく、直交大梁22bの下側に設けられた野縁66を第1野縁と称してもよい。
【0066】
保護板部76は、壁厚み方向において内壁面材55を跨いだ状態になっている。保護板部76においては、その一端が内壁面材55よりも居住空間41側に配置され、他端が内壁面材55よりも屋外側に配置されている。ここで、保護板部76の全体が内壁面材55よりも屋外側に配置されている構成では、天井面材28における内壁面材55よりも屋外側の部分に、内壁面材55の上端を支点として下向きの荷重が保護板部76から加えられることなどにより、天井面材28が破損しやすくなることが懸念される。これに対して、本実施形態のように、保護板部76が内壁面材55を屋内外方向に跨いでいる構成では、保護板部76からの荷重を内壁面材55を跨いで屋内外両側に分散させることができる。
【0067】
天井面材28及び保護板部76に配線孔75及び連通孔77を形成する手順について、簡単に説明する。まず、天井面材28に配線孔75を形成するよりも前に天井面材28の上に保護板部76を載置し、その保護板部76を天井面材28及び野縁66に対して固定する。その後、天井裏空間42において電動工具等を用いて上方から保護板部76及び天井面材28に孔をまとめて形成する。この場合、保護板部76に形成された孔が連通孔77であり、天井面材28に形成された孔が配線孔75である。
【0068】
ここで、天井面材28の下側において、配線孔75を形成する位置の下方に下地横材57aが存在していることがあるが、その下地横材57aについては、保護板部76及び天井面材28に孔を形成する際にその孔(配線孔75及び連通孔77)に重なる部分を切り取る。これにより、下地横材57aが支障となって電気配線Eを天井裏空間42から外壁部31内に引き込むことができないということを回避できる。
【0069】
なお、配線孔75及び連通孔77をまとめて形成するのではなく、保護板部76を天井面材28の上に設置する前に、天井面材28に配線孔75を形成する作業と、保護板部76に連通孔77を形成する作業とを別々に行っておき、天井面材28の上において、連通孔77が配線孔75に上下に重なる位置に保護板部76を設置するという作業手順であってもよい。
【0070】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0071】
天井面材28の配線孔75と、天井面材28の上に重ねられた保護板部76の連通孔77とが上下に連通しているため、配線孔75を通じて天井裏空間42から下方に引き出されている電気配線Eが、配線孔75の周辺において天井面材28の上面に接触することを保護板部76により抑制できる。したがって、天井面材28について、電気配線Eが貫通してる部分及びその周辺を好適な状態で維持することができる。
【0072】
連通孔77及び配線孔75は、連通孔77と上下に重なる位置に天井面材28がはみ出さないように設けられているため、配線孔75の内周面に電気配線Eが接触することを抑制できる。
【0073】
保護板部76の下面と天井面材28の上面とが接着剤等により接合されているため、天井面材28における配線孔75の周辺部分の一部が電気配線Eとの接触などにより欠けるということを抑制できる。
【0074】
保護板部76が野縁66に固定されていることで、保護板部76と天井面材28とが野縁66を介して連結されているため、保護板部76の位置が天井面材28の配線孔75に対して水平方向にずれることを防止でキス。また、保護板部76の荷重が天井面材28と野縁66とに分散されるため、保護板部76から天井面材28にかかる荷重負担を低減できる。
【0075】
天井面材28と天井大梁22との間に挟まれた状態になっている野縁66に保護板部76が固定されているため、保護板部76を天井大梁22に対して強固に固定できる。これにより、保護板部76による天井面材28の配線孔75に対する補強状態を好適なものにできる。
【0076】
天井面材28の隅角部分に対して設けられた保護板部76が、第1野縁66a及び第2野縁66bの両方に固定されているため、天井面材28の隅角部分に配線孔75が配置された構成において、その隅角部分が書けるということを保護板部76により抑制できる。
【0077】
天井面材28の配線孔75から引き出された電気配線Eが外壁部31の内部に引き込まれている構成において、その外壁部31に配線引き出し部71が形成されている場合、配線引き出し部71から電気配線Eが引き出されることで、その電気配線Eから天井面材28における配線孔75の周辺部分に荷重がかかることになるが、保護板部76がその荷重から天井面材28を好適に保護することができる。
【0078】
壁厚み方向において、天井面材28の配線孔75が屋外側大梁22aと内壁面材55との間に配置されているため、電気配線Eを通すための孔を屋外側大梁22aに形成する必要がない。この場合、電気配線Eを屋外側大梁22a(天井裏空間42)よりも屋外側に引き出す必要がないため、天井裏空間42に天井断熱材が設置されている構成において、電気配線Eが天井断熱材を屋内外に貫通してその天井断熱材による断熱効果が低下するということを抑制できる。また、保護板部76を屋外側大梁22aよりも屋内側に配置することが可能になるため、例えば、保護板部76を屋外側大梁22aと上下に重なる位置に配置する場合に比べて、保護板部76の設置作業や連通孔77の形成作業を容易化できる。
【0079】
壁厚み方向において、サッシ枠33の上方に配置された上方横フレーム材53aと内壁面材55との間に配線孔75が配置されているため、電気配線Eを通すための孔を上方横フレーム材53aに形成する必要がない。したがって、その孔によって上方横フレーム材53aの強度が低下するということを回避できる。また、上方横フレーム材53aに固定された連結ブラケット68が、天井面材28を介して屋外側大梁22aの下面に固定されている構成であっても、連結ブラケット68よりも屋内側に配線孔75が配置されていることで、その配線孔75を通して電気配線Eを天井裏空間42から下方に引き出すことができる。
【0080】
配線孔75が壁断熱部61の上方に配置されているため、電気配線Eを、壁内空間62に露出させることなく壁断熱部61よりも居住空間41側に回し込むことができる。この場合、電気配線Eが壁断熱部61を壁厚み方向に横断することがないため、電気配線Eにより壁断熱部61の断熱性能が低下するということを抑制できる。
【0081】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0082】
(1)上記実施形態では、保護板部76の連通孔77が天井面材28の配線孔75と同じ大きさ及び形状とされていたが、連通孔77は配線孔75より小さくてもよい。この場合でも、連通孔77は、その連通孔77の全ての部分が配線孔75に含まれる位置に配置されることが好ましい。
【0083】
(2)上記実施形態では、連通孔77の全ての部分が配線孔75に含まれていたが、配線孔75が連通孔77よりも内側にはみ出していてもよい。配線孔75が連通孔77よりも内側にはみ出している構成としては、連通孔77と配線孔75とがそれぞれの中心軸が一致しない位置に配置された構成や、連通孔77の形状や大きさが配線孔75とは異なっている構成が挙げられる。これらの構成では、配線孔75の内周面のうち上端部分に電気配線が接触することは懸念されるが、保護板部76により配線孔75の周辺において天井面材28の上面を電気配線Eから保護することはできる。
【0084】
(3)上記実施形態では、保護板部76の下面と天井面材28の上面とが接合されていたが、保護板部76は天井面材28に対してビス等の固定具により固定されていてもよい。ただし、この場合は、固定具が打ち込まれている部分が保護板部76の面に沿って点在することになり、天井面材28において、保護板部76が重ねられている部分の全体がその保護板部76により補強された状態にはならない。
【0085】
(4)保護板部76と野縁66とは互いの側端面同士が接着剤等により接合されていてもよい。また、保護板部76は、天井面が延びている方向において、野縁66から離間した位置に配置されていてもよい。この場合は、保護板部76を野縁66に固定することはできないが、保護板部76の設置位置において天井面材28をその保護板部76により保護することにはなる。
【0086】
(5)上記実施形態では、保護板部76が天井大梁22よりも屋内側に配置されていたが、保護板部76は、その少なくとも一部が天井大梁22と上下に重なる位置に配置されていてもよい。つまり、保護板部76が、天井大梁22と天井面材28との間に入り込んだ状態になっていてもよい。
【0087】
また、野縁66が保護板部とされていてもよい。例えば、野縁66が屋外側大梁22aよりも屋内側にはみ出しており、そのはみ出した部分が配線孔75と上下に重なる位置に配置された構成とする。この場合、野縁66における配線孔75と重なる位置に連通孔77が設けられていることにより、配線孔75の周辺において天井面材28の上面を保護するという保護板部の役割を野縁66が果たすことになる。
【0088】
(6)保護板部76は、第1野縁66aに沿って延びる辺と、第2野縁66bに沿って延びる辺とを有していれば、矩形状でなくてもよい。また、保護板部76の厚み寸法は、野縁66の厚み寸法と同じでなくてもよい。
【0089】
(7)上記実施形態では、天井大梁22の下側に設けられた野縁66a,66bに横並びに保護板部76が配置されていたが、保護板部76は、天井小梁25の下側に設けられた野縁66に横並びに配置されていてもよく、この野縁66に固定されていてもよい。
【0090】
(8)上記実施形態では、野縁66が天井面材28と梁材としての天井大梁22との間に挟まれた状態になっていたが、野縁66は、梁材から下方に離間した位置に設けられていてもよい。例えば、野縁66が吊木などにより吊り下げられた状態で上方から支持されており、保護板部76が野縁66に横並びに配置された構成とする。また、野縁66が野縁受けを介して吊木に固定されている場合、保護板部76が野縁受けに横並びに配置された構成とする。いずれの構成でも、保護板部76が天井下地に横並びに配置されていることになる。
【0091】
(9)上記実施形態では、第1野縁66a及び第2野縁66bが天井大梁22に沿って延びる位置に設けられていたが、これら野縁66a,66bのうち少なくとも一方が、天井小梁25に沿って延びる位置に設けられていてもよい。例えば、互いに直交する2つの梁材が、1つの天井大梁22及びその天井大梁22に連結された天井小梁25とされており、それら天井大梁22及び天井小梁25のうち一方に沿って延びるように第1野縁66aが設けられ、他方に沿って延びるように第2野縁66bが設けられた構成とする。この構成でも、天井大梁22と天井小梁25との入隅部分に配線孔75及び保護板部76が配置されている場合、その保護板部76は、第1野縁66a及び第2野縁66bの両方と横並びに配置されていることになる。
【0092】
(10)上記実施形態では、サッシ枠33と柱21との間の隙間の上方位置に配線孔75が配置されていたが、配線孔75は、前記隙間とは上下に重ならない位置に配置されていてもよい。例えば、配線孔75が、サッシ枠33の上方に配置された構成とする。この場合でも、配線孔75を通して下方に引き出した電気配線Eをサッシ枠33の側方位置に回し込むように敷設することで、その電気配線Eをサッシ枠33と柱21との間に通すことができる。
【0093】
この場合、保護板部76は、配線孔75の位置に合わせて、柱21から離間した位置に配置されることになる。また、保護板部76は、配線孔75の位置に合わせて、屋外側大梁22a等の天井大梁22から屋内側に離間した位置に配置されていてもよい。
【0094】
(11)上記実施形態では、外壁部31において、配線引き出し部71が内壁面材55に設けられていたが、配線引き出し部71は、外壁面材51に設けられていてもよい。
【0095】
(12)上記実施形態では、天井面材28の配線孔75が外壁部31の上方に配置されていたが、間仕切壁の上方に配置されていてもよい。要は、配線孔75が壁体の上方に配置されていてればよい。これにより、電気配線Eを天井裏空間42から配線孔75を通じて壁部の内部に引き込むことが可能になる。
【0096】
(13)上記実施形態では、天井面材28の配線孔75が外壁部31等の壁部の上方に配置されていたが、配線孔75は、壁部の外側に配置されていてもよい。例えば、配線孔75が内壁面材55よりも居住空間41側に配置された構成とする。この構成では、配線孔75を通じて天井裏空間42から居住空間41に引き出された電気配線Eを覆う配線ダクト等のカバー部材が、配線孔75の下方に設けられていることが好ましい。
【0097】
(14)上記実施形態では、窓部32を壁開口部としたが、玄関口等の出入口を壁開口部としてもよい。この場合、壁開口部が出入口とされている場合、出入口に設けられたドア枠等がサッシ枠に相当することになる。