(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記着脱操作部は、前記第1位置と前記第2位置とに回動可能に前記軸支持部に装着され、かつバヨネット構造により前記開口部に着脱可能に連結される、請求項3に記載の両軸受リール。
前記ロック部材は、前記係合溝を有し、前記第1側板に揺動自在に連結される本体部と、前記本体部から径方向に突出する操作部と、を有する、請求項2から5のいずれか1項に記載の両軸受リール。
前記半円の中心の位置は、前記ロック部材が前記ロック解除位置から前記ロック位置に揺動操作されたときに前記着脱操作部を、少なくとも前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に押圧するように前記揺動中心に対してずれる、請求項10に記載の両軸受リール。
前記第2位置に配置された前記着脱操作部に接触可能に設けられ、前記第1側板に対して前記着脱操作部が回動するのを規制する回動規制部をさらに備える、請求項11に記載の両軸受リール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の両軸受リールは、第1側カバー又は第1側カバーの操作具を操作することによって、第1側カバーを第1側板に固定したり、第1側カバーを第1側板から離脱させている。しかし、釣り人が操作具を誤操作する、又は操作具が誤動作することによって、第1側カバーが第1側板から不意に離脱してしまうおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、両軸受リールにおいて、第1側カバーが第1側板から不意に離脱するのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る両軸受リールは、釣り糸を前方に繰り出すものである。両軸受リールは、リール本体と、糸巻用のスプールと、スプール軸と、ハンドルと、着脱操作部と、ロック部材と、を備える。リール本体は、フレームと、第1側カバーと、第2側カバーと、を有する。フレームは、第1側板及び第1側板と対向して配置される第2側板を有する。第1側カバーは、第1側板に着脱可能に装着され第1側板の外側を覆う。第2側カバーは、第2側板の外側を覆う。スプールは、第1側板と第2側板との間に設けられ、リール本体に回転自在に支持される。スプール軸は、スプールが装着されるものである。ハンドルは、スプールを回転駆動するために第2側カバー側に回転自在に設けられる。着脱操作部は、スプール軸の軸芯から離れ位置で第1側板に向けて突出する突起部を有する。着脱操作部、第1側板に対して着脱可能な第1位置と着脱不能な第2位置とにスプール軸回りに回動可能に設けられ、第1側カバーを着脱操作するためのものである。ロック部材は、突起部に係合可能な係合溝を有する。係合溝は、開いた第1端及び第1端と反対側の閉じた第2端を有する。ロック部材は、ロック位置とロック解除位置とに移動可能にリール本体に設けられる。ロック位置は、着脱操作部が第2位置にあるとき、突起部に係合した状態で係合溝がスプール軸回りの方向と異なる第1方向に向いた位置である。ロック解除位置は、ロック位置から移動して、着脱操作部が回動可能になる位置である。
【0009】
この両軸受リールでは、着脱操作部が第2位置にあるとき、ロック部材をロック位置に操作すると、着脱操作部に設けられる突起部が着脱操作部の回動方向であるスプール軸回りの方向と異なる方向に突起部に係合する係合溝が向く。このため、着脱操作部の回動操作が行えなくなる。また、ロック部材をロック解除位置に操作すると、着脱操作部が回動可能になり、着脱操作部を第2位置から第1位置に回動操作でき、第1側カバーを第1側板から外すことができる。ここでは、第1側板に対して着脱不能な第2位置に着脱操作部が配置された状態でロック部材をロック位置に配置することによって、着脱操作部の回動を阻止することができる。このため、第1側カバーが第1側板から不意に離脱するのを防止することができる。
【0010】
ロック部材は、スプール軸と平行な軸回りにロック位置とロック解除位置とに揺動可能に第1側板に設けられてもよい。ロック部材がロック位置に配置されると、係合溝が第1方向に向く。ロック部材がロック解除位置に配置される、係合溝がスプール軸回りに沿う第2方向を向く。これによって、ロック部材を揺動させることによって着脱部材をロック及びロック解除できるので、ロック部材の構成を小型化できるとともに簡素化できる。
【0011】
第1側板は、スプールが通過可能にスプール軸の軸芯を中心として円形に形成された開口部を有してもよい。リール本体は、開口部に着脱可能に設けられ、かつ第1側カバーと一体回動可能に連結され、スプール軸の一端を回転自在に支持する軸受を収納可能な軸支持部を有する。この場合には、リール本体が開口部に着脱可能に設けられる軸支持部を有するので、軸支持部を着脱可能に、着脱操作部を構成することによって、軸支持部に一体回動可能に連結された第1側カバーを着脱することができる。
【0012】
軸支持部は、バヨネット構造により開口部に着脱可能に連結されてもよい。着脱操作部は、第1側カバーに設けられる。この場合には、第1側カバーを第1位置と第2位置とに回動させることによって、自身を着脱するための着脱操作部として機能させることができる。このため、着脱操作部の構成が簡素化する。また、バヨネット構造を採用することによって第1側カバーを回動操作するときの回動操作量が少なくなる。
【0013】
着脱操作部は、第1位置と第2位置とに回動可能に軸支持部に装着され、かつバヨネット構造により開口部に着脱可能に連結されてもよい。この場合には、第1側カバー自体を回動させるのではなく、着脱操作部だけを第1位置と第2位置とに回動させればよいので、着脱操作が容易になる。また、バヨネット構造を採用することによって着脱操作部を回動操作するときの回動操作量が少なくなる。
【0014】
ロック部材は、係合溝を有し、第1側板に揺動自在に連結される本体部と、本体部から径方向に突出する操作部と、を有してもよい。この場合には、本体部から径方向突出する操作部によって揺動操作を行いやすい。
【0015】
本体部は、ロック部材の揺動中心を中心とする円形の外周部が形成された突出部を有してもよい。両軸受リールは、第1側板に固定され外周部が嵌合可能な嵌合面を有する支持部材をさらに備える。この場合には、第1側板に固定され、外周部に嵌合する支持部材によって、ロック部材の本体部を揺動可能に装着するため、ロック部材を第1側板に直接揺動可能に装着するよりも、揺動するロック部材を精度良く第1側板に固定できる。
【0016】
係合溝の第2端は半円に形成され、第1端は、第2端から直線状に形成されてもよい。この場合には、係合溝がU字状に形成されるので、ロック部材を揺動させることによって突起部のロックとロック解除を行いやすい。また、ロック部材を直線移動させてロック及びロック解除を行うこともできる。
【0017】
係合溝の第2端の半円の中心の位置は、揺動中心と一致してもよい。この場合には、ロック部材の揺動中心である外周部の中心が半円の中心と一致するので、ロック部材が揺動しても、半円の中心の位置が変化しない。このため、精度良く突起部をロックできる。
【0018】
係合溝の第2端の半円の中心の位置は、揺動中心に対してずれていてもよい。この場合には、ロック部材を揺動させると、係合溝の半円を偏芯分だけ移動させて突起部を移動させることができるので、着脱操作部を緩みにくくすることができる。
【0019】
半円の中心の位置は、ロック部材がロック解除位置からロック位置に揺動操作されたときに着脱操作部を、少なくとも第1位置から第2位置に向かう回動方向に押圧するように揺動中心に対してずれていてもよい。この場合には、ロック部材がロック解除位置からロック位置に揺動操作されると、ロック部材によって第2位置にある着脱操作部の突起部をさらに押圧するので、着脱操作部が緩みにくくなる。
【0020】
両軸受リールは、第2位置にある着脱操作部に接触可能に設けられ、第1側板に対して着脱操作部が回動するのを規制する回動規制部をさらに備えてもよい。この場合には、回動規制部とロック部材との間に着脱操作部が挟まれるので、着脱操作部ががたつきにくくなる。
【0021】
両軸受リールは、クラッチ機構と、クラッチ操作部材と、ガイド軸と、をさらに備えてもよい。クラッチ機構は、ハンドルとスプールとを連結するクラッチオン状態と、ハンドルとスプールとの連結を解除するクラッチオフ状態とを取り得る。クラッチ操作部材は、クラッチ機構を操作するためにリール本体の後部において、第1側板と第2側板との間に移動可能に設けられ、クラッチ機構をクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換え可能である。ガイド軸は
、第1側板を貫通して第1側カバーに向かって延び、クラッチ操作部材の移動をガイドする。回動規制部は、ガイド軸によって構成される。
【0022】
この場合には、クラッチ操作部材をガイドするガイド軸を回動規制部に流用できるので、両軸受リールの構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1側板に対して着脱不能な第2位置に着脱操作部が配置された状態で、ロック部材をロック位置に配置することによって、着脱操作部の回動を阻止することができる。このため、第1側カバーが第1側板から不意に離脱するのを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
<リールの構成>
本発明の第1実施形態による両軸受リール10は、
図1、
図2、
図3、
図4、及び
図5に示すように、ベイトキャスト用のロープロフィル形の両軸受リールである。このリールは、リール本体11と、リール本体
11の側方に配置されたスプール回転駆動用ハンドル12と、ハンドル12のリール本体11側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ13と、糸巻用のスプール14と、スプール14が装着されるスプール軸20と、を備えている。
【0026】
ハンドル12は、アーム部12aと、アーム部12aの両端に回転自在に装着された把手12bとを有するダブルハンドル形のものである。アーム部12aは、
図5に示すように、駆動軸30の先端に回転不能に装着されており、ナット28により駆動軸30に締結されている。ハンドル12は後述する第2側カバー16b側に配置される。
【0027】
<リール本体の構成>
リール本体11は、たとえばマグネシウム合金などの軽金属製の部材であり、フレーム15と、フレーム15の両側方に装着された第1側カバー16a及び第2側カバー16bと、軸支持部35と、を有している。リール本体11の内部にはスプール14がスプール軸20(
図4及び
図5参照)を介して回転自在に装着されている。第1側カバー16aは、第1側板15aに着脱可能に装着され、第1側板15aの外側を覆う。第2側カバー16bは、第
2側板15
bにネジ止め固定され、第2側板15bの外側を覆う。
【0028】
また、両軸受リール10は、第1側カバー16aを着脱操作するための着脱操作部33と、着脱操作部33をロックするロック部材34と、をさらに備える。第1実施形態では、第1側カバー16a自体が着脱操作部33として機能する。すなわち、着脱操作部33は、第1側カバー16aに設けられる。
【0029】
フレーム15内には、図
5に示すように、スプール14と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチ操作部材17(
図1参照)と、スプール14内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが配置されている。またフレーム15と第2側カバー16bとの間には、ギア機構19と、クラッチ機構21と、クラッチ制御機構22と、ドラグ機構23と、キャスティングコントロール機構24と、が配置されている。ギア機構19は、ハンドル12からの回転力をスプール14及びレベルワインド機構18に伝えるために設けられる。クラッチ機構21は、スプール14とハンドル12とを連結及び遮断するために設けられる。クラッチ制御機構22は、クラッチ操作部材17の操作に応じてクラッチ機構21を制御するために設けられる。ドラグ機構23は、スプール14の糸繰り出し方向の回転を制動するために設けられる。キャスティングコントロール機構24は、スプール14の回転時の抵抗力を調整するために設けられる。また、フレーム15と第1側カバー16aとの間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心力を用いたスプール制動
装置25が配置されている。
【0030】
フレーム15は、
図4、
図5及び
図6に示すように、第1側板15aと、第1側板15aと所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第2側板15bと、第1側板15a及び第2側板15bを前後及び下部で一体に連結する複数(例えば、3つ)の連結部15cとを有している。下側の連結部15cには、釣り竿を装着するための釣り竿装着部15dが一体で形成される。
【0031】
第1側板15aは、中央部にスプール軸20の軸芯Cを中心として円形に形成された開口部15eを有する。開口部15eに軸支持部35がバヨネット構造36によって着脱可能に連結される。
【0032】
<軸支持部の構成>
軸支持部35は、
図5、
図7、
図8及び
図9に示すように、例えばアルミニウム合金などの金属製の有底筒状の部材である。なお、
図8及び
図9では、軸支持部35を見やすくするために、第1側カバー16a、すなわち着脱操作部33を二点鎖線で描いている。軸支持部35は、スプール軸20の一端を支持するための軸受38aが収納される小径の軸受収納部35aと、開口部15eに嵌合する大径の装着部35bと、軸受収納部35aと装着部35bと、を連結する段付き円板状の底部35cと、を有している。軸受
収納部35aの内周部35dには、軸受38aが収納され、外周部35eには、スプール制動装置25の後述する移動機構68のブレーキカム71が回転不能かつ軸方向移動不能に連結される。また、外周部35eには、スプール制動装置25のブレーキドラム66が回転自在かつ軸方向移動自在に支持される。装着部35bの外周面35fには、開口部15eに嵌合する嵌合部35gと、嵌合部35gよりも小径の筒部35hと、が形成されている。軸支持部35は、複数本(例えば3本)のねじ部材80によって、第1側カバー16aに固定される。軸支持部35には、スプール制動装置25の後述する操作部材60が回動可能に装着される。
【0033】
<バヨネット構造の構成>
バヨネット構造36は、
図5、
図7、
図8及び
図9に示すように、開口部15eの周囲において、第1側板15aの外側面に周方向に間隔をあけて複数箇所(例えば4箇所)に形成されたカム受け36aと、軸支持部35の装着部35bの筒部35hに一体形成され、径方向に突出する複数(例えば4つ)のカム突起36bと、を有する。カム受け36aは、カム突起36bと弾性的に係合可能な係合溝36cを有している。カム突起36bは、カム受け36aと対向可能な位置に周方向に間隔を隔てて配置される。カム突起36bは、周方向の両端側に両端部に向かって厚みが薄くなるように傾斜したテーパ面36dを第1側カバー16a側の面に有している。
【0034】
<着脱操作部の構成>
着脱操作部33は、第1側板15aに対して着脱可能な
図8に示す第1位置と、着脱不能な
図9に示す第2位置と、にスプール軸20の軸芯C回りに回動可能に設けられる。着脱操作部33は、バヨネット構造36によって第1側板15aに連結される。着脱操作部33は、スプール軸20の軸芯から離れた位置で第1側板15aに向けて突出する突起部33aを有する。突起部33aは、着脱操作部33が第2位置にあるとき、ロック部材34によってロックされる。
図8及び
図9では、第1位置と第2位置との揺動範囲を角度αで便宜上描いている。しかし、第2位置は、第1側カバー16aと第1側板15aとの姿合わせのために位置決めする必要があるが、第1位置は、バヨネット構造36のカム突起36bとカム受け36aとの係合が解除可能な位置であればどのよう位置でもよい。このため、第1位置に関して位置決めは必要ない。なお、第2位置の位置決めは、突起部33aとロック部材34との係合によって行ってもよい。しかし、別に第1側カバー16aと第1側板との間で位置決め用の回動規制部を設けてもよい。
【0035】
<ロック部材の構成>
ロック部材34は、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等合成樹脂製の部材である。ロック部材34は、
図3、
図6及び
図8から
図11に示すように、着脱操作部33を第2位置でロック及びロック解除するために設けられる。ロック部材は、
図10に示すロック位置と、
図11に示すロック解除位置と、に揺動可能に第1側板15aの外側面に装着される。ロック位置は、ロック解除位置と角度β離れて配置される。角度βは、第1実施形態では、概ね90度である。しかし、角度βは、90度に限定されず、60度から120の範囲であればどのような角度でもよい。
【0036】
ロック部材34は、突起部33aに係合可能な係合溝34aを有する本体部34bと、操作用のレバー形状の操作部34cと、を有する。本体部34bの第1側板15aに対向する裏面の中心には、第1側板15aにスプール軸20と平行に形成された装着孔(図示せず)に嵌合する軸部34dが突出して形成される。軸部34dは、スプール軸20と平行に配置される。本体部34bは、第1側板15aと対向しない表面に係合溝34aが形成され、揺動中心C1を中心とする円形の外周部が形成された突出部34eを有する。突出部34eは他の部分よりも小径に形成される。係合溝34aは、突出部34eの外周部に開いた第1端34f及び第1端34fと反対側の閉じた第2端34gを有する。第1端34fは、第2端34gから直線状に形成される。このため、第1実施形態では、係合溝34aは、U字状に形成される。第2端34gは、突起部33aの外周面に係合可能にロック部材34の揺動中心C1と同芯に配置された半円形に形成される。ここで、ロック位置では、第1端34fがスプール軸20の軸芯Cを中心とし、揺動中心C1を通る円弧
Rと概ね直交する方向、すなわち、スプール軸20の軸芯C回りの方向と異なる第1方向に係合溝34aが向くようにロック部材34が配置される。これにより、着脱操作部33(第1側カバー16a)を
図10反時計回りに回動させようとしても、突起部33aがロック部材34によりロックされ、ロック部材34により着脱操作部33の第1位置への回動が阻止される。一方、ロック解除位置では、係合溝34aが円弧Rに沿ったスプール軸20の軸芯C回りに沿う方向、すなわち第2方向を向くようにロック部材34が配置される。これにより、ロック部材34による突起部33aのロックが解除され、着脱操作部33を第1位置に向けて回動させることができる。
【0037】
本体部34bの裏面には、ロック位置及びロック解除位置にロック部材34を位置決めするための位置決め部材44が係合する2つの凹部34hが形成されている。2つの凹部34hは、揺動範囲と同じ間隔をあけて形成される。したがって、第1実施形態では、2つの凹部34hは、90度間隔をあけて配置される。位置決め部材44は、
図6に示すように、第1側板15aの外側面に進退自在に収納される位置決めピン44aと、位置決めピン44aを凹部34hに向けて付勢するコイルばねからなる付勢部材44bと、を有する。この位置決め部材44は、ロック部材34を位置決めするとともに、ロック位置及びロック解除位置において、発音などによってクリック感を得ることができる。このため、釣り人がロック部材34を操作するときに、いずれかの位置に操作したことを確実に認識できる。
【0038】
操作部34cは、本体部34bから径方向外方に延びる。操作部34cの第1側板15a側の面には、ロック部材34がロック位置及びロック解除位置にあるとき、第1側板15aの縁部15fに接触可能な係止突起34iが形成されている。これにより、ロック部材34がロック位置とロック解除位置との間に揺動範囲が規制される。操作部34cは、ロック位置にあるとき、斜め後方に向いて配置される。これにより、釣りを行っているときに、釣り糸が操作部34cに引っ掛かりにくい。
【0039】
ロック部材34は、第1側板15aの外側面に固定ボルト40によって固定される支持部材42と第1側板15aとによって揺動自在に支持される。支持部材42は、概ね雨滴形状に形成された、例えばステンレス合金等の金属製の板状部材である。支持部材42は、ロック部材34を支持するとともに、ロック部材34を押さえるために設けられる。支持部材42は、一端に設けられ固定ボルト40が貫通する小径の固定部42aと、固定部42aから突出する回り止め突起42bと、他端に設けられる大径の支持部42cと、を有する。回り止め突起42bは、第1側板15aの外側面に形成された回り止め部15gに挟まれる。これによって支持部材42が回り止めされる。支持部42cは、ロック部材34の突出部34eの外周部に接触するとともに、本体部34bに突出部34eによって形成される段差面34j(
図6参照)に接触する。これにより、ロック部材34が押さえられ、第1側板15aからロック部材34が離反しなくなる。支持部42cは、突出部34eの外周部に嵌合可能な円弧状の嵌合面42dを有する。嵌合面42dは、揺動中心C1と実質的に同じ中心を有する。これにより、ロック部材34が支持部材42によって揺動自在に支持される。したがって、ロック部材34は揺動軸方向において、第1側板15aと支持部材42とによって、両端支持される。
【0040】
このような構成のロック部材34では、着脱操作部33が第2位置に配置された状態でロック部材34をロック位置に操作しておけば、着脱操作部33の突起部33aのスプール軸20の軸芯C回りの移動がロック部材34によってできなくなる。このため、第1側カバー16aが第1側板15aから不意に離脱するのを防止することができる。
【0041】
<両軸受リールのその他の構成>
スプール14は、図
5に示すように、第1側板15aと第2側板15bとの間に設けられる。スプール14はリール本体11に回転自在に支持される。両側部に皿状のフランジ部14aを有しており、両フランジ部14aの間に筒状の糸巻胴部14bを有している。スプール14は、糸巻胴部14bの内周側を貫通するスプール軸20にたとえばセレーション結合により一体回転可能に固定されている。
【0042】
スプール軸20は、
図5に示すように、たとえばSUS304等の非磁性金属製であり、第2側板15bを貫通して第2側カバー16bの外方に延びている。スプール軸20の一端(
図5左端)は、軸受収納部35aに軸受38aを介して回転自在に支持される。スプール軸20の第2側カバー16bの外方に延びる他端(
図5右端)は、第2側カバー16bに形成されたボス部16dに軸受38bにより回転自在に支持されている。スプール軸20の軸方向の中間部には、大径部20aが形成されており、大径部20aの第2側板15bの貫通部分に、クラッチ機構21を構成するクラッチピン21aが径方向に沿って貫通して設けられる。クラッチピン21aは、両端がスプール軸20の外周面に突出する。
【0043】
クラッチ操作部材17は、
図1に示すように、第1側板15a及び第2側板15bの間の後部でスプール14後方に配置されている。クラッチ操作部材17はクラッチ制御機構22に連結されており、第1側板15a及び第2側板15bの間で上下方向にスライドして、クラッチ機構21を連結状態と遮断状態とに切り換える。クラッチ操作部材17は、
図6に示すガイド軸17aによって釣り竿装着部15dと接近及び離反する上下方向に案内される。
【0044】
ギア機構19は、
図5に示すように、駆動軸30と、駆動軸30に固定された駆動ギア31と、駆動ギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32とを有している。駆動軸30は、第2側板15b及び第2側カバー16bに回転自在に装着されており、ローラ型のワンウェイクラッチ50及び爪式のワンウェイクラッチにより糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。ローラ型のワンウェイクラッチ50は、第2側カバー16bと駆動軸30との間に装着されている。駆動ギア31は、駆動軸30に回転自在に装着されており、駆動軸30とドラグ機構23を介して連結されている。
【0045】
ピニオンギア32は、第2側板15bを貫通してスプール軸20方向に延びる。ピニオンギア32は、中心にスプール軸20が貫通する筒状部材である。ピニオンギア32は、第2側板15b及び第2側カバー16bに、軸受52及び軸受54によって回転自在かつ軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、一端(
図5左端)にクラッチピン21aに係合する係合溝32aが形成されている。このピニオンギア32とクラッチピン21aによってクラッチ機構21が構成される。ピニオンギア32は、クラッチ制御機構22によって
図5のスプール軸20の軸芯Cの上側に示すクラッチオン位置と、軸芯Cの下側に示すクラッチオフ位置と、に移動させられる。
【0046】
クラッチ制御機構22は、
図4に示すように、ピニオンギア32をスプール軸20方向に沿って移動させるクラッチヨーク45を有している。クラッチヨーク45は、クラッチ操作部材17がクラッチオフ位置に操作されると、ピニオンギアをクラッチオフ位置に移動させる。また、クラッチ制御機構22は、スプール14の糸巻き取り方向の回転に連動してクラッチ機構21をクラッチオンさせる図示しないクラッチ戻し機構を有している。
【0047】
スプール制動機構25は、遠心力によってスプール14を制動するものである。スプール制動機構25は、
図4,
図5及び
図7に示すように、回転部材62と、複数(例えば6つ)のブレーキシュー64と、ブレーキドラム66と、移動機構68と、を備えている。スプール制動機構25は、スプール軸20及び軸支持部35に装着されている。複数のブレーキシュー64は、回転部材62にスプール軸20と食い違う軸回りに揺動可能かつ着脱自在に弾性係合されている。ブレーキドラム66は、ブレーキシュー64の径方向内方に配置され、揺動するブレーキシュー64に接触可能であり、スプール14に向かって傾斜したテーパ形状の外周面66aを有している。
【0048】
移動機構68は、ブレーキシュー64とブレーキドラム66とをスプール軸20の軸方向に相対移動可能かつ位置決め可能である。移動機構68は、
図4及び
図7に示すように、操作部材60と、ブレーキカム71(
図4参照)と、第1ギア部材73(
図7参照)と、第1ギア部材73に噛み合う第2ギア部材74と、を有している。操作部材60は、例えば合成樹脂製の円形のつまみであり、
図3に示すように、第1側カバー16aに形成された開口部16cによって第1側カバー16aから外部に露出する。操作部材60は、軸支持部35の底部35cの外側面にねじ込まれるねじ軸78によって回動自在に支持される。
【0049】
操作部材60は、位置決め機構76によって複数
段階(例えば40段階程度)に位置決めされる。第1ギア部材73は、操作部材60と一体形成される。第2ギア部材74は、ブレーキドラム66に一体回動可能に連結される。
【0050】
ブレーキドラム66は、軸支持部35にブレーキカム71を介して係合する。ブレーキカム71は、半円形に二分割された部材である。ブレーキカム71は、軸支持部35の外周面に回転不能に固定されている。ブレーキカム71は、螺旋状のカム溝71aを有し、ブレーキドラム66の内周面に突出して形成された、例えば複数のカム突起66bに係合する。これにより、操作部材60が一方向に回動操作されると、ブレーキドラム66がスプール14に接近する方向に移動して制動力が徐々に強くなる。また、操作部材が他方向に回動操作されると、ブレーキドラム66がスプール14から離反する方向に移動し、制動力が徐々に弱くなる。
【0051】
<実釣時のリールの操作及び動作>
キャスティングを行うときには、クラッチ操作部材17を下方に押圧してクラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。このクラッチオフ状態では、スプール14が自由回転状態になり、キャスティングを行うと仕掛けの重さにより釣り糸がスプール14から勢いよく繰り出される。このキャスティングによりスプール14が回転すると、スプール制動装置25によってスプール14が制動される。
【0052】
仕掛けが着水すると、ハンドル12を糸巻き取り方向に回転させて図示しないクラッチ戻し機構によりクラッチ機構21をクラッチオン状態にし、リール本体11をパーミングして魚のアタリを待つ。
【0053】
このような両軸受リールでは、着脱操作部33が第2位置にあるときにロック部材34をロック位置に操作すると、ロック部材34によって着脱操作部33がロックされるので、釣り人が誤って着脱操作部33を第1位置に向けて回動させたり、着脱操作部33が勝手に第2位置に回動したりするのを防止できる。このため、第1側カバー16aがリール本体11から不意に離脱するのを防止できる。
【0054】
<第2実施形態>
第1実施形態の両軸受リール10では、第1側カバー16aが着脱操作部33の機能を有していたが、
図12に示す第2実施形態の両軸受リール110では、着脱操作部133が第1側カバー116aと別に独立して設けられる。なお、以降の説明では、第1実施形態と異なる構成及び動作のみを説明し、第1実施形態と同じ構成及び動作の説明を省略する。なお、
図12において、第1実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、異なる構成については、それぞれ、下位2桁の数字が第1実施形態に対応する3桁の数字で付す。
【0055】
図12において、軸支持部135は、第1実施形態の軸支持部35からバヨネット構造36を構成するカム突起36bを取り除いた構成であり、第1実施形態の軸支持部35と同様な構造の軸受収納部35aと装着部35bと底部35cとを有している。装着部35bの外周面35fには、開口部15eに嵌合する嵌合部35gと、嵌合部35gよりも小径の筒部35hと、が形成されている。
【0056】
バヨネット構造136は、開口部15eの周囲において、第1側板15aの外側面に周方向に間隔をあけて複数箇所(例えば3箇所)に形成されたカム受け(図示せず)と、着脱操作部133に一体形成され、径方向に突出する複数(例えば3つ)のカム突起136bと、を有する。
【0057】
着脱操作部133は、概ねリング状の部材であり、軸支持部135の筒部35hに回動可能に嵌合する。着脱操作部133の外周面にカム突起136bが形成される。着脱操作部133の第1側板15a側の裏面には、ロック部材34に係合する突起部133aが第1側板15aに向けて突出して形成される。着脱操作部133の外周面には、着脱操作部133を第1位置と第2位置とに操作するための操作部133bが形成される。操作部133bは、リール本体11の後部で第1側カバー116aに設けられた凹部116eから第1側カバー116aの外部に延びる。着脱操作部133と嵌合部35gとの間には、シート状の環状のワッシャ部材154が配置される。ワッシャ部材154は、摺動性能が高い合成樹脂製の部材であり、着脱操作部133を滑らかに回動させるために設けられる。着脱操作部133は、第1側板15aに設けられる図示しない回動規制部によって回動範囲が第1位置と第2位置との間に制限される。着脱操作部133は、軸支持部135と第1側カバー116aとに挟まれて軸方向の移動が規制される。ロック部材34は、第1実施形態と同様な構成であるので説明を省略する。
【0058】
このような構成の第2実施形態による両軸受リール110では、着脱操作部133が第2位置に操作されると、ロック部材34をロック位置に操作することによって、突起部133aのスプール軸20の軸芯C回りの回動を規制し、着脱操作部133がロックされる。ロック部材34がロック解除位置に操作されると、着脱操作部133の第2位置から第1位置への回動が許容される。この状態で操作部133bを操作して着脱操作部133を第2位置から第1位置に回すと、第
1側カバー116aが着脱操作部133及び軸支持部135とともに第1側板15aから取り外すことができる。
【0059】
このような第2実施形の両軸受リール110においても、第1実施形態の両軸受リール10と同様な作用効果を得ることができる。
【0060】
<第3実施形態>
第3実施形態の両軸受リール210では、
図13に示すように、ロック部材234の半円形の第2端234gの中心の位置C2は、揺動中心C1に対してずれて配置される。したがって、係合溝234aは、全体として揺動中心C1に対して偏芯している。位置C2は、ロック部材234が
図13に示すロック位置に操作されたとき、例えば、スプール軸20の軸芯Cを中心として揺動中心C1を通る円弧R上の揺動中心C1から時計回りの方向に離れた位置が好ましい。これにより、
図14に示すロック解除位置から
図13に示すロック位置にロック部材234が操作されると、着脱操作部33の突起部33aを係合溝234aによって円弧Rの時計回りの方向に押圧できる。この押圧によって着脱操作部33が緩みにくくなるとともに、着脱操作部33を介して第1側カバー16aのガタツキを止めることができる。
【0061】
特に、
図15に示すように、第1側カバー216aに設けられる着脱操作部233に径方向に延びる被規制部233cを設け、第2位置で被規制部233cに接触する
回動規制部256を第1側板215aに設けると、さらにガタツキを止めることができる。すなわち、第1側板215aに
回動規制部256を設けた場合、ロック部材234によって第1側カバー216aが
図15時計回りの方向に押圧されると、着脱操作部233がロック部材234と回動規制部256とに挟まれるため、ガタツキが生じにくくなる。
【0062】
なお、揺動中心C1と位置C2とを偏芯させる構成は、
図13及び
図14に限定されない。例えば、第1実施形態と同様な構造で係合溝を形成し、軸を係合溝に対して偏芯した位置に配置してもよい。
【0063】
また、
図15では、回転規制部256は、クラッチ操作部材17を案内するガイド軸217aを流用したものである。具体的には第1実施形態のガイド軸17aの長さを長くし、第1側板215aを貫通させて第1側板215aの外側面から突出させた部材である。これにより、不要なボスを第1側カバー216aに設ける必要がなくなり、両軸受リールの構成を簡素化できる。
【0064】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0065】
(A)両軸受リール10は、釣り糸を前方に繰り出すものである。両軸受リール10は、リール本体11と、糸巻用のスプール14と、スプール軸20と、ハンドル12と、着脱操作部33と、ロック部材34と、を備える。リール本体11は、フレーム15と、第1側カバーと、第2側カバーとを有する。フレー値は、第1側板15a及び第1側板15aと対向して配置される第2側板15bを有する。第1側カバー16aは、第1側板15aに着脱可能に装着され第1側板15aの外側を覆う。第2側カバー16bは、第2側板の外側を覆う。スプール14は、第1側板15aと第2側板15bとの間に設けられ、リール本体11に回転自在に支持される。スプール軸20は、スプール14が装着されるものである。ハンドル12は、スプール14を回転駆動するために第2側カバー16b側に回転自在に設けられる。着脱操作部33は、スプール軸20の軸芯Cから離れ位置で第1側板15aに向けて突出する突起部33aを有する。着脱操作部33、第1側板15aに対して着脱可能な第1位置と着脱不能な第2位置とにスプール軸20の軸芯C回りに回動可能に設けられ、第1側カバー16aを着脱操作するためのものである。ロック部材34は、突起部33aに係合可能な係合溝34aを有する。係合溝34aは、開いた第1端34f及び第1端34fと反対側の閉じた第2端34gを有する。ロック部材34は、ロック位置とロック解除位置とに移動可能にリール本体11に設けられる。ロック位置は、着脱操作部33が第2位置にあるとき、突起部33aに係合した状態で係合溝34aがスプール軸20の軸芯C回りの方向と異なる第1方向に向いた位置である。ロック解除位置は、ロック位置から移動して、着脱操作部33が回動可能になる位置である。
【0066】
この両軸受リール10では、着脱操作部33が第2位置にあるとき、ロック部材34をロック位置に操作すると、着脱操作部33に設けられる突起部33aが着脱操作部33の回動方向であるスプール軸20の軸芯
C回りの方向と異なる方向に突起部33aに係合する係合溝34aが向く。このため、着脱操作部33の回動操作が行えなくなる。また、ロック部材34をロック解除位置に操作すると、着脱操作部33が回動可能になり、着脱操作部33を第2位置から第1位置に回動操作でき、第1側カバー16aを第1側板15aから外すことができる。ここでは、第1側板15aに対して着脱不能な第2位置に着脱操作部33が配置された状態でロック部材34をロック位置に配置することによって、着脱操作部33の回動を阻止することができる。このため、第1側カバー16aが第1側板15aから不意に離脱するのを防止することができる。
【0067】
(B)ロック部材34は、スプール軸20と平行な軸回りにロック位置とロック解除位置とに揺動可能に第1側板15aに設けられてもよい。ロック部材34がロック位置に配置されると、係合溝34aが第1方向に向く。ロック部材34がロック解除位置に配置される、係合溝34aがスプール軸20の軸芯C回りに沿う第2方向を向く。これによって、ロック部材34を揺動させることによって着脱操作部33をロック及びロック解除できるので、ロック部材34の構成を小型化できるとともに簡素化できる。
【0068】
(C)第1側板15aは、スプール14が通過可能にスプール軸20の軸芯Cを中心として円形に形成された開口部15eを有してもよい。リール本体11は、開口部15eに着脱可能に設けられ、
かつ第1側カバー16aと一体回動可能に連結され、スプール軸20の一端を回転自在に支持する軸受38aを収納可能な軸支持部35を有する。この場合には、リール本体11が開口部15eに着脱可能に設けられる軸支持部35を有するので、軸支持部35を着脱可能に、着脱操作部33を構成することによって、第1側カバーを着脱することができる。
【0069】
(D)軸支持部35は、バヨネット構造36により開口部15eに着脱可能に連結されてもよい。着脱操作部33は、第1側カバー16aに設けられる。この場合には、第1側カバー16aを第1位置と第2位置とに回動させることによって、自身を着脱するための着脱操作部33として機能させることができる。このため、着脱操作部33の構成が簡素化する。また、バヨネット構造36を採用することによって第1側カバー16aを回動操作するときの回動操作量が少なくなる。
【0070】
(E)着脱操作部33は、第1位置と第2位置とに回動可能に軸支持部35に装着され、かつバヨネット構造36により開口部15eに着脱可能に連結されてもよい。この場合には、第1側カバー16a自体を回動させるのではなく、着脱操作部33だけを第1位置と第2位置とに回動させればよいので、着脱操作が容易になる。また、バヨネット構造36を採用することによって着脱操作部33を回動操作するときの回動操作量が少なくなる。
【0071】
(F)ロック部材34は、係合溝34aを有し、第1側板15aに揺動自在に連結される本体部34bと、本体部34bから径方向に突出する操作部34cと、を有してもよい。この場合には、本体部34bから径方向突出する操作部34cによって揺動操作を行いやすい。
【0072】
(G)本体部34bは、揺動中心C1を中心とする円形の外周部が形成された突出部34eを有してもよい。両軸受リール10は、第1側板15aに固定され外周部が嵌合可能な嵌合面42dを有する支持部材42をさらに備える。この場合には、第1側板15aに固定され、外周部に嵌合する支持部材42によって、ロック部材34の本体部34bを揺動可能に装着するため、ロック部材34を第1側板15aに直接揺動可能に装着するよりも、揺動するロック部材34を精度良く第1側板15aに固定できる。
【0073】
(H)係合溝34aの第2端34gは半円に形成され、第1端34fは、第2端34gから直線状に形成されてもよい。この場合には、係合溝34aがU字状に形成されるので、ロック部材34を揺動させることによって突起部33aのロックとロック解除を行いやすい。また、ロック部材34を直線移動させてロック及びロック解除を行うこともできる。
【0074】
(I)係合溝34aの第2端34gの半円の中心の位置C2は、揺動中心C1と一致してもよい。この場合には、ロック部材34の揺動中心C1が半円の中心の位置C2と一致するので、ロック部材34が揺動しても、半円の中心の位置C2が変化しない。このため、精度良く突起部33aをロックできる。
【0075】
(J)係合溝234aの第2端234gの半円の中心の位置C2は、揺動中心C1に対してずれていてもよい。この場合には、ロック部材234を揺動させると、係合溝234aの半円の第2
端234gが偏芯分だけ移動して突起部33aを移動させることができるので、着脱操作部233を緩みにくくすることができる。
【0076】
(K)半円の中心の位置C2は、ロック部材234がロック解除位置からロック位置に揺動操作されたときに着脱操作部233を、少なくとも第1位置から第2位置に向かう回動方向に押圧するように揺動中心C1に対してずれていてもよい。この場合には、ロック部材がロック解除位置からロック位置に揺動操作されると、ロック部材によって第2位置にある着脱操作部233の突起部33aをさらに押圧するので、着脱操作部233が緩みにくくなる。
【0077】
(L)両軸受リール10は、第2位置にある着脱操作部233に接触可能に設けられ、第1側板215aに対して着脱操作部233が回動するのを規制する回動規制部256をさらに備えてもよい。この場合には、回動規制部256とロック部材234との間に着脱操作部233が挟まれるので、着脱操作部233ががたつきにくくなる。
【0078】
(M)両軸受リール210は、クラッチ機構21と、クラッチ操作部材17と、ガイド軸217aと、をさらに備えてもよい。クラッチ機構21は、ハンドル12とスプール14とを連結するクラッチオン状態と、ハンドル12とスプール14との連結を解除するクラッチオフ状態とを取り得る。クラッチ操作部材17は、クラッチ機構21を操作するためにリール本体11の後部において、第1側板15aと第2側板15bとの間に移動可能に設けられ、クラッチ機構21をクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換え可能である。ガイド軸217aは、第1側板215aを貫通して第1側カバー216aに向かって延び、クラッチ操作部材17の移動をガイドする。回動規制部256は、ガイド軸217aによって構成される。
【0079】
この場合には、クラッチ操作部材17をガイドするガイド軸217aと回動規制部256と兼用できるので、両軸受リール210の構成を簡素化できる。
【0080】
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、ベイトキャスト用のロープロフィル形の両軸受リールを例にあげて説明したが、丸形の両軸受リールをであってもよい。
【0081】
(b)前記実施形態では、遠心力によってスプールを制動する両軸受リールを例に本発明を説明したが、スプール制動機構は機械式、電気式等のどのような構造であってもよい。
【0082】
(c)前記実施形態では、係合溝34aの第2端34gを半円形に形成したが、本発明はこれに限定されない。第2端は、突起部に係合する形状であればどのような形状でもよい。たとえば、第2端を直線で形成してもよいし、曲線で形成してもよい。
【0083】
(d)前記実施形態では、ロック部材34をレバー形状に形成したが、ロック部材をダイヤル形状に形成してもよい。