(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筒状のペン本体を有する筆記部と前記ペン本体の上側の基端部に配設された駆動伝達部と前記駆動伝達部の上方に配設されたキャラクタとを備え、前記ペン本体の側面に配設されたノック部の、ホームポジションと押下位置との間での昇降に対応して、前記ペン本体の下側の先端部から芯を出し入れするとともに前記駆動伝達部を介して前記キャラクタにアクションを発生させるアクションペンにおいて、
前記キャラクタは、
胴部と、
前記胴部によってそれぞれ個別に前後方向に揺動可能に支持された第1脚部と第2脚部と、を有し、
前記駆動伝達部は、
前記ノック部に連結されて前記ノック部の下降・上昇により下降・上昇する昇降部材と、
前記昇降部材と前記第1脚部とに係合されて前記昇降部材の昇降動作を前記第1脚部の前後方向の揺動動作に変換する第1変換部材と、
前記昇降部材と前記第2脚部とに係合されて前記昇降部材の昇降動作を前記第2脚部の前後方向の揺動動作に変換する第2変換部材と、を有し、
前記第1変換部材と前記第2変換部材とは、前記昇降部材の昇降に伴って、前記第1脚部と前記第2脚部とのうちの一方を前向きに、他方を後向きに揺動させ、
前記駆動伝達部は、
前記昇降部材と前記第1変換部材と前記第2変換部材とを収納するハウジングと、
前記ハウジングによって左右方向に支持されて前記第1変換部材と前記第2変換部材とを揺動自在に支持する下揺動軸と、を有し、
前記第1変換部材は、
前記下揺動軸の前側で前記昇降部材に係合されるとともに前記昇降部材の下降・上昇に対応して下向き・上向きに揺動する第1前側連結部と、前記下揺動軸の上側で前記第1脚部に係合されるとともに前記第1前側連結部の下向き・上向きの揺動に対応して前向き・後向きに揺動する第1上側連結部と、を有し、
前記第2変換部材は、
前記下揺動軸の後側で前記昇降部材に係合されるとともに前記昇降部材の下降・上昇に対応して下向き・上向きに揺動する第2後側連結部と、前記下揺動軸の上側で前記第2脚部に係合されるとともに前記第2後側連結部の下向き・上向きの揺動に対応して後向き・前向きに揺動する第2上側連結部と、を有する、
ことを特徴とするアクションペン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1によると、ノック部の押下動作に連動して、キャラクタが回転するものの、キャラクタ自体の形状が変化したり、姿勢が変化したりするものではないので、興趣性や意外性に欠けるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、構造が簡単で、しかもキャラクタが興趣性や意外性の高い動きをするアクションペンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、筒状のペン本体を有する筆記部と前記ペン本体の上側の基端部に配設された駆動伝達部と前記駆動伝達部の上方に配設されたキャラクタとを備え、前記ペン本体の側面に配設されたノック部の、ホームポジションと押下位置との間での昇降に対応して、前記ペン本体の下側の先端部から芯を出し入れするとともに前記駆動伝達部を介して前記キャラクタにアクションを発生させるアクションペンにおいて、前記キャラクタは、胴部と、前記胴部によってそれぞれ個別に前後方向に揺動可能に支持された第1脚部と第2脚部と、を有し、前記駆動伝達部は、前記ノック部に連結されて前記ノック部の下降・上昇により下降・上昇する昇降部材と、前記昇降部材と前記第1脚部とに係合されて前記昇降部材の昇降動作を前記第1脚部の前後方向の揺動動作に変換する第1変換部材と、前記昇降部材と前記第2脚部とに係合されて前記昇降部材の昇降動作を前記第2脚部の前後方向の揺動動作に変換する第2変換部材と、を有する、ことを特徴とする。
また、前記第1変換部材と前記第2変換部材とは、前記昇降部材の昇降に伴って、前記第1脚部と前記第2脚部とのうちの一方を前向きに、他方を後向きに揺動させる、ことを特徴とする。
さらに、前記駆動伝達部は、前記昇降部材と前記第1変換部材と前記第2変換部材とを収納するハウジングと、前記ハ
ウジングによって左右方向に支持されて前記第1変換部材と前記第2変換部材とを揺動自在に支持する下揺動軸と、を有し、前記第1変換部材は、前記下揺動軸の前側で前記昇降部材に係合されるとともに前記昇降部材の下降・上昇に対応して下向き・上向きに揺動する第1前側連結部と、前記下揺動軸の上側で前記第1脚部に係合されるとともに前記第1前側連結部の下向き・上向きの揺動に対応して前向き・後向きに揺動する第1上側連結部と、を有し、前記第2変換部材は、前記下揺動軸の後側で前記昇降部材に係合されるとともに前記昇降部材の下降・上昇に対応して下向き・上向きに揺動する第2後側連結部と、前記下揺動軸の上側で前記第2脚部に係合されるとともに前記第2後側連結部の下向き・上向きの揺動に対応して後向き・前向きに揺動する第2上側連結部と、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、
請求項1に係るアクションペンにおいて、前記ノック部の前記ホームポジションに対応して、前記第1脚部は揺動範囲中の最後端に配置され、第2脚部は前記揺動範囲中の最前端に配置され、前記ノック部の前記押下位置に対応して、前記第1脚部は前記揺動範囲中の最前端に配置され、第2脚部は前記揺動範囲中の最後端に配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、使用者によるノック部の昇降に対応して、昇降部材、第1変換部材、第2変換部材を介して、第1脚部、第2脚部が前後方向に揺動されて歩行動作を行う。すなわち、簡単な構成でありながら、使用者にとって、ノック部の上下方向の昇降からは連想し難い、第1脚部、第2脚部の前後方向の歩行動作を実現できるので、趣向性、意外性の高いものとなる。
また、昇降部材の昇降に伴って、第1脚部(例えば、左脚部)と第2脚部(例えば、右脚部)のうちの一方を前向きに、また他方を後ろ向きに揺動させることができるので、実際の人の歩行により近い歩行動作をさせることができる。
さらに、ノック部の昇降を第1脚部、第2脚部の前後方向の揺動に変換するメカニズムである昇降部材と第1変換部材と第2変換部材とがハウジングに収納されていて、使用者はこれを外部から視認することができないため、一層、興趣性、意外性を増す。
また、ノック部の昇降に伴う昇降部材の昇降を、簡単な構成の第1変換部材と第2変換部材の揺動により、第1脚部、第2脚部の反対方向の揺動として伝達することができる。
さらに、第1変換部材と第2変換部材とは、それぞれの第1前側連結部と第2後側連結部とが下揺動軸に対して前後の反対方向に配置されているため、例えば、第1変換部材と第2変換部材のうちの一方の左右方向を反転して配置することにより、同一の部材で構成することが可能である。このため、別構成である場合と比較して、部品点数を少なくすることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、ノック部のホームポジションから押下位置への下降により、第1脚部は最後端から最前端に揺動するとともに第2脚部は最前端から最後端に揺動し、また、ノック部の押下位置からホームポジションへの上昇により、第1脚部は最前端から最後端に揺動するとともに第2脚部は最後端から最前端に揺動する。すなわち、キャラクタは、使用者によるノック部の下降により1歩、歩を進め、ノック部の上昇により次の1歩を進める。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
【0026】
図1〜
図4を参照して本発明を適用した実施形態1に係るアクションペン1について説明する。
このうち、
図1(A)〜(C)はアクションペン1を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は(A)中のX−X線矢視図、(C)は(A)中のY−Y線矢視図である。また、
図2はアクションペン1の右側面図である。また、
図3アクションペン1を正面側の右斜め上方から見た斜視図である。また、
図4は、駆動伝達部20及びキャラクタ40の分解斜視図である。
【0027】
なお、以下の説明では、
図1(A),(C)、及び
図4の上部に矢印で示す上下左右前後が、アクションペン1の上下左右前後に対応するものとして説明する。また、第1脚部41が左脚部、第2脚部42が右脚部であるものとして説明するが、これは、逆に、第1脚部が右脚部、第2脚部が左脚部であってもいいのはもちろんである。
【0028】
アクションペン1は、軸心Cに沿って上下方向に長い筆記部10と、この筆記部10の基端部(上端部)に配設された駆動伝達部20と、駆動伝達部20の上方に歩行姿勢で配設されたキャラクタ40とを備えて構成されている。
【0029】
筆記部10は、
図1に示すように、上下に延びる筒状のペン本体11と、ペン本体11の内側に収納されて筆記に供される芯12と、芯12を出し入れするために使用者が指で操作するノック部(操作レバー)13と、ノック部13の動作に連動して芯12を出し入れする回転芯出し機構14と、を有している。
【0030】
ペン本体11は、上下方向に延びる筒状(円筒状)に形成されており、下端(先端)には下キャップ15が螺合されている。下キャップ15の中心には、芯12の下端側がスライドして出入り可能な透孔15aが形成されていて、芯12は、その下端を、この透孔15aの下端から出入りさせる。また、芯12の下端側には凸部12aが形成されていて、芯12は、この凸部12aと下キャップ15との間に介装された圧縮ばね16によって上方に付勢されている。芯12の上端には、後述する回転芯出し機構14の回転体14bが係合されている。
【0031】
ペン本体11の内側の上端部(基端部)には、ほぼ円筒状の筒状部材17が昇降可能に配設されている。筒状部材17は、上半部17aが上向きに開口する円筒状に形成され、下半部17bは下向きに開口する円筒状に形成されている。上半部17aには後述する、駆動伝達部20の昇降部材23が嵌合されている。筒状部材17の下半部17bには、後述する回転芯出し機構14の昇降体14aが下方から挿入されている。
【0032】
ノック部13は、ペン本体11の上端側の側面に設けられている。ペン本体11の上端側の側面には、上下方向に長いガイド溝11aが形成されている。ノック部13は、例えば、使用者の衣類のポケット等に引っ掛ける際に使用されるクリップを兼用していて、上端の裏面側(後側)から後方に延びる連結部13aがガイド溝11aを貫通して、筒状部材17に固定されている。
【0033】
ノック部13は、上述の圧縮ばね16により、芯12、後述する回転芯出し機構14の回転体14b、昇降体14a、筒状部材17を介して、上方に付勢された状態で、
図1(C),
図3等に示すホームポジションP1に配置されている。また、ノック部13は、使用者の指による押下動作(ノックダウン)によって、
図1(C)中に二点鎖線で示す押下位置P2に下降する。また、指を離すと、圧縮ばね16により、上方に付勢されて押下位置P2からホームポジションP1に復帰動作(ノックアップ)する。
【0034】
回転芯出し機構14は、昇降体14aと、回転体14bと、ペン本体11の内周面に形成されて昇降体14aの昇降動作をガイドするガイド溝14cとを有している。ガイド溝14cは、深い溝と浅い溝とが周方向に沿って交互に形成されている。なお、回転芯出し機構14は、一般的なボールペン等に使用されている周知の機構であるのでその詳細についての説明は省略する。
【0035】
回転芯出し機構14は、使用者の指によるノック部13の押下動作に伴い、ノック部13と一体の筒状部材17が下降し、圧縮ばね16が短縮されて昇降体14aが下降する。さらに、昇降体14aは、回転体14bに回転力を付与しながら下降させるが、回転体14bはガイド溝14cにガイドされている間は回転しない。そして、回転体14bは、ガイド溝14cに沿って下降し、ガイド溝14cの下端から外れると「カチッ」という音とともに回転し、芯12を介して圧縮ばね16により上方に付勢されてガイド溝14cに引っかかる。これにより、芯12は、下キャップ15の透孔15aから下端(先端)を突出させる。
【0036】
その後、使用者がノック部13から指を離すと芯12は突出状態を維持し、また、ノック部13はホームポジションP1に復帰する。回転芯出し機構14は、同様に、使用者によるノック部13の次の押下動作により、上述の回転体14bが回転して深いガイド溝14cに入り込むことで芯12を引っ込めることができる。
【0037】
なお、筆記部10としては、上述の回転芯出し機構14を有するものに限定されるものではなく、ノック部13の押下動作によって筒状部材17が下降し、ノック部13の復帰動作によって筒状部材17が上昇するものであれば、他の構成のものを使用することが可能である。例えば、ノック部13を押下動作させると、ノック部13は下降位置で停止されて、芯12を出し、その後、ノッチ(不図示)を押すことで、ノック部13がばねの付勢力でホームポジションに復帰し、同時に筒状部材17が上昇するような構成のものを採用することもできる。
【0038】
なお、筆記部10としては、ボールペン、シャープペンシル、万年筆等を使用することができる。
【0039】
図1(C)、
図3に示すように、駆動伝達部20は、筆記部10のペン本体11の基端部(上端部)に配設されている。駆動伝達部20は、ハウジング21と、下揺動軸22と、昇降部材23と、付勢部材としての圧縮ばね24と、第1変換部材(左変換部材)31と、第2変換部材(右変換部材)32とを備えて構成されている。
【0040】
ハウジング21は、左右に2つに縦割りされたパーツ21A,21Bを嵌合させることで構成されている。ハウジング21は、上から順に箱状のボックス部21a、その下面から下方に延びる大筒状部21b、この大筒状部21bの下端から下方に延びる小筒状部21cを有している。このうち、ボックス部21aは、左右の側壁21d,21dのそれぞれの内面のほぼ中央に、軸受部21e,21eが形成されている。また、大筒状部21bと小筒状部21cとの境界における内側には、環状の台座21fが形成されている。この台座21fの上面には、圧縮ばね24が載せられている。
【0041】
下揺動軸22は、水平でかつ左右方向に向けて配設され、その左端と右端とが、上述のボックス部21aの軸受部21e,21eによって支持されている。
【0042】
昇降部材23は、上下方向に長い、ほぼ棒状に形成されている。昇降部材23の下端は上下に長い柱状部23aとなっていて、その下端部は、上述の筆記部10の筒状部材17の上半部17aに上方から嵌合されている。
【0043】
昇降部材23の上部には、前後方向の中央に、上下に長く、左右方向に貫通されたガイド孔23bが形成されている。また、ガイド孔23bの前側と後側とには、左右方向に貫通された係合孔23c,23dが形成されている。これら係合孔23c,23dは、上下方向寸法に対して、前後方向寸法が少し大きくなるように穿設されている。
【0044】
昇降部材23は、下側の柱状部23aがハウジング21の台座21fを上下方向に貫通して、ハウジング21によって昇降可能に支持され、また、柱状部23aの下端部が筆記部10の筒状部材17の上半部17aに嵌合され、さらに、ガイド孔23bに下揺動軸22が貫通されている。
【0045】
付勢部材としての圧縮ばね24は、昇降部材23の柱状部23aが上方から挿入された状態で、下端がハウジング21の台座21fに載せられ、上端が昇降部材23のフランジ部23eに下方から係合されている。圧縮ばね24は、この状態で、昇降部材23を上方に付勢している。昇降部材23は、ガイド孔23bの下端がストッパとして作用する下揺動軸22に当接することで、上昇限度(最上位の位置)が規制される。
【0046】
第1変換部材31は、円板部31aとその周縁から外側に向かって延びる棒状部31bとを有している。円板部31aの中心には、下揺動軸22が貫通されていて、第1変換部材31全体は、この下揺動軸22を中心にして揺動することができる。円板部31aの左面における下揺動軸22の前側には、第1前側連結部として柱状の凸部31cが突設されている。この凸部31cは、昇降部材23の前側の係合孔23cに係合されている。また、棒状部31bの先端部には、第1上側連結部としての長孔31dが左右方向に貫通されている。この長孔31dは、下揺動軸22に対して上側に位置している。この長孔31dには、ピン48が貫通されている。上述の凸部31cと下揺動軸22と長孔31dとは、「L」字形に配置されている。このため、下揺動軸22を中心として、凸部31cが上下方向に揺動すると、長孔31dは、前後方向に揺動するようになっている。
【0047】
第2変換部材32は、円板部32aとその周縁から外側に向かって延びる棒状部32bとを有している。円板部32aの中心には、下揺動軸22が貫通されていて、第2変換部材32全体は、この下揺動軸22を中心にして揺動することができる。円板部32aの右面における下揺動軸22の後側には、第2後側連結部として柱状の凸部32cが突設されている。この凸部32cは、昇降部材23の後側の係合孔23dに係合されている。また、棒状部32bの先端部には、第2上側連結部としての長孔32dが左右方向に貫通されている。この長孔32dは、下揺動軸22に対して上側に位置している。この長孔32dには、ピン49が貫通されている。上述の凸部32cと下揺動軸22と長孔32dとは、「L」字形に配置されている。このため、下揺動軸22を中心として、凸部32cが上下方向に揺動すると、長孔32dは、前後方向に揺動するようになっている。
【0048】
キャラクタ40は、第1脚部(左脚部)41と、第2脚部(右脚部)42と、胴部43とを有している。
【0049】
このうち胴部43は、前後に2つに縦割りされたパーツ43A,43Bを嵌合させることで形成されている。胴部43の上端には頭部44が一体に形成されている。胴部43の左端側と右端側における上部には、透孔43a,43bが穿設されていて、ここには、左腕部45、右腕部46が揺動可能に係合されている。また、胴部43における下端の左側と右側には、第1脚部41,42の上端側が貫通する、前後方向に長い長孔43c,43dが設けられている。
【0050】
胴部43には、支持部材47が一体的に設けられている。支持部材47は、上下に延びる柱状部47cを有している。柱状部47cの下端には、左右に延びる上揺動軸としての小径部47a,47aが形成され、この小径部47a,47aの左右両端には大径部47b,47bが形成されている。柱状部47cの上端には、前後に貫通する透孔47dを有する環状部47eが形成されている。透孔47dには、パーツ43Aの嵌合凸部(不図示)が貫通された後、パーツ43Bの嵌合凹部43eに嵌合されている。支持部材47は、これにより、胴部43によって支持されている。
【0051】
支持部材47は、小径部47a,47aを介して、次に説明する第1脚部41、第2脚部42を揺動自在に支持している。
【0052】
第1脚部41は、前後に2つに縦割りされたパーツ41A,41Bによって構成されている。第1脚部41は、上端の前後方向の中心に透孔41aを有している。第1脚部41は、この透孔41aに上述の支持部材47の小径部47aが貫通されることで、前後方向に揺動可能に支持されている。また、パーツ41A,41Bの合わせ面における下部には、左右に一対のピン受41b,41bが形成されていて、左右方向に向けてピン48を支持している。このピン48は、上述の第1変換部材31の長孔31dを左右方向に貫通している。
【0053】
第2脚部42は、前後に2つに縦割りされたパーツ42A,42Bによって構成されている。第2脚部42は、上端の前後方向の中心に透孔42aを有している。第2脚部42は、この透孔42aに上述の支持部材47の小径部47aが貫通されることで、前後方向に揺動可能に支持されている。また、パーツ42A,42Bの合わせ面における下部には、左右に一対のピン受42b,42bが形成されていて、左右方向に向けてピン49を支持している。このピン49は、上述の第2変換部材32の長孔32dを左右方向に貫通している。
【0054】
なお、以上説明したキャラクタ40において、支持部材47は、筆記部10のペン本体11や駆動伝達部20のハウジング21に対して、位置が固定されているものではなく、第1脚部41及び第2脚部42によって小径部47aが下方から支持される構造となっている。
【0055】
上述のアクションペン1は、
図1(A)〜(C)に示すように、ノック部13がホームポジションP1に配置された状態では、昇降部材23は、圧縮ばね24によって上方に付勢され、ガイド孔23bの下端を下揺動軸22に当接された状態で停止されている。
【0056】
このとき第1変換部材31は、昇降部材23の前側の係合孔23cに係合されている凸部31cが下揺動軸22の前側の斜め上方に位置している。これに伴い、第1変換部材31の長孔31dは、下揺動軸22に対して後側の斜め上方に位置している。これにより、第1脚部41は、揺動範囲中の最後端に配置されている。
【0057】
同じく、このとき、第2変換部材32は、昇降部材23の後側の係合孔23dに係合されている凸部32cが下揺動軸22の後側の斜め上方に位置している。これに伴い、第2変換部材32の長孔32dは、下揺動軸22に対して前側の斜め上方に位置している。これにより、第2脚部42は、揺動範囲中の最前端に配置されている。
【0058】
なお、以下で説明するように、ノック部13の下降・上昇に対応して、昇降部材23が下降・上昇し、これにより、
図1(C)に示す第1変換部材31の凸部31cと第2変換部材32の凸部32cとは、下揺動軸22を中心にほぼ上下方向に揺動するが、上述のように、これら凸部31c,32cが係合している相手の昇降部材23の係合孔23c,23dが前後方向に長く形成されているので、この揺動動作が許容されるようになっている。
【0059】
また、第1変換部材31、第2変換部材32は、凸部31c、32cの上下方向の揺動に伴って、長孔31d,32dがほぼ前後方向に揺動して、第1脚部41、第2脚部42をほぼ前後方向に揺動させることになるが、これら上下に長く形成された長孔31d,32dに第1脚部41、第2脚部42のピン48,49が係合されているので、これら第1脚部41、第2脚部42の前後方向の揺動動作が支障なく行われることになる
【0060】
次に、上述構成のアクションペン1の動作(作用)について説明する。
使用者は、アクションペン1を筆記に供する際、ホームポジションP1に配置されているノック部13を押下し、その後、ノック部13から指を離す。この一連の動作により、ノック部13は、ホームポジションP1から押下位置P2に下降し、その後、押下位置P2からホームポジションP1に上昇する。このノック部13の下降・上昇により、ペン本体11の先端から芯12が突出されて、筆記が可能となる。なお、筆記後には、使用者によるノック部13の次の下降・上昇により、芯12は引っ込んでペン本体11内に収納される。
【0061】
アクション部40では、上述のノック部13のホームポジションP1から押圧位置P2への下降に対応して、第1脚部41が最後端から前方に揺動して最前端に至り、同時に、第2脚部42が最前端から後方に揺動して最後端に至る。
【0062】
すなわち、ノック部13の下降に伴い、昇降部材23が圧縮ばね24の付勢力に抗して下降し、これにより、第1変換部材31の長孔31dが前方に揺動して、第1脚部41を前方に揺動させる。同時に、第2変換部材32の長孔32dが後方に揺動して、第2脚部41を後方に揺動させる。
【0063】
また、アクション部40では、上述のノック部13の押圧位置P2からホームポジションP1への上昇に対応して、第1脚部41が最前端から後方に揺動して最後端に至り、同時に、第2脚部42が最後端から前方に揺動して最前端に至る。
【0064】
すなわち、ノック部13の上昇に伴い、昇降部材23が上昇し、これにより、第1変換部材31の長孔31dが後方に揺動して、第1脚部41を後方に揺動させる。同時に、第2変換部材32の長孔32dが前方に揺動して、第2脚部41を前方に揺動させる。
【0065】
以上説明したように、アクションペン1は、ノック部13の下降に連動して、第1脚部41、第2脚部42がそれぞれ前方、後方へと逆方向に揺動する。また、ノック部13の上昇に連動して、第1脚部41、第2脚部42がそれぞれ後方、前方へと逆方向に揺動する。こうして、使用者によるノック部13の昇降により、キャラクタ40の歩行動作を発生させることができる。
【0066】
以上説明したアクションペン1によると、以下のような効果を奏することができる。
(1)簡単な構成でありながら、使用者にとって、ノック部13の上下方向の昇降からは連想し難い、第1脚部41、第2脚部42の前後方向の歩行動作を実現できるので、趣向性、意外性の高いものとなる。
(2)昇降部材13の昇降に伴って、第1脚部41と第2脚部42のうちの一方を前向きに、また他方を後ろ向きに揺動させることができるので、実際の人の歩行に、より近い歩行動作をさせることができる。
(3)ノック部13の昇降を第1脚部41、第2脚部42の前後方向の揺動に変換するメカニズムである昇降部材23と第1変換部材31と第2変換部材32とがハウジング21に収納されていて、使用者はこれを外部から視認することができないため、使用者にはキャラクタ40が歩行動作をするからくりが分からない。このため、一層、興趣性、意外性を増す。
(4)ノック部13の昇降に伴う昇降部材23の昇降を、簡単な構成の第1変換部材31と第2変換部材32の揺動により、第1脚部41、第2脚部42の反対方向の揺動として伝達することができる。
(5)第1変換部材31と第2変換部材32とは、それぞれの凸部31c,32cとが下揺動軸22に対して前後の反対方向に配置されているため、例えば、第1変換部材31と第2変換部材32のうちの一方の左右方向を反転して(軸心Cに対して180度回転させて)配置することにより、同一の部材で構成することが可能である。このため、別構成である場合と比較して、部品点数を少なくすることができる。
(6)ノック部13のホームポジションP1から押下位置P2への下降により、第1脚部41は最後端から最前端に揺動するとともに第2脚部42は最前端から最後端に揺動し、また、ノック部13の押下位置P2からホームポジションP1への上昇により、第1脚部41は最前端から最後端に揺動するとともに第2脚部42は最後端から最前端に揺動する。すなわち、キャラクタ40は、使用者によるノック部13の下降により1歩、歩を進め、ノック部13の上昇により次の1歩を進める。つまり、歩行動作が、使用者が力を入れたり抜いたりする動作に対応するため、使用者にとっては、自分がキャラクタ40を歩行させているという感触を得ることができるので興趣性を増す。
(7)支持部材47は、配設位置が固定されているのではなく、第1脚部41と第2脚部42とによって小径部47a,47aを介して支持されているため、上下方向に移動することが可能である。このため、例えば、第1変換部材31、第2変換部材32の長孔31d,32dの長手方向の長さを短く設定することにより、これら長孔31d,32dが前後方向に揺動して支持部材47の下方を通過する際に、支持部材47を上方に押し上げるようにすることが可能である。この場合には、人が実際に歩行する際の、胴部の上下動をまねることができるので、一層、興趣を高めることができる。さらに、胴部43がこの支持部材47によって揺動可能に支持されているので、胴部43に前傾姿勢や後傾姿勢をとらせることも可能である。