特許第6166633号(P6166633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6166633照明用モジュール、無線通信用モジュール、照明装置、および、照明制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166633
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】照明用モジュール、無線通信用モジュール、照明装置、および、照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20170710BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20170710BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20170710BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170710BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170710BHJP
【FI】
   F21V23/00 150
   H05B37/02 J
   F21V23/04 500
   F21S2/00 231
   F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-201881(P2013-201881)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-69774(P2015-69774A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】奈良 裕介
(72)【発明者】
【氏名】浅川 晃次
(72)【発明者】
【氏名】浅見 友順
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−96608(JP,A)
【文献】 特表2012−529143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 2/00
F21V 23/04
H05B 37/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が空洞である照明用管と、前記照明用管の端部に固着され、電源供給用の端子を含む照明用管端子部とを含む筐体と、
前記照明用管内に配置され、発光素子を含む照明部と、
前記照明用管内に配置され、光の透過性の高いフィルム基板と、前記フィルム基板上に導体パターンを形成することで構成されたパターンアンテナ素子部と、を含む第1アンテナ部と、
前記照明用管端子部内に配置され、無線通信用モジュールを接続するための照明側接続部と、
を備える照明用モジュール。
【請求項2】
前記第1アンテナ部の前記フィルム基板は、湾曲させた状態で配置させることができる程度の厚さである、
請求項1に記載の照明用モジュール。
【請求項3】
前記第1アンテナ部の前記パターンアンテナ素子部は、格子状の導体パターンにより形成されている、
請求項1又は2に記載の照明用モジュール。
【請求項4】
前記照明部から照射される光の波長をλ_Lとし、前記第1アンテナ部で送受信される電磁波の波長をλ_Rとすると、
前記第1アンテナ部の前記パターンアンテナ素子部は、
w<λ_R
w>λ_L
の両方を満たす格子幅wの格子状の導体パターンにより形成されている、
請求項3に記載の照明用モジュール。
【請求項5】
照明用モジュールから照射される光を反射させるための反射板とともに用いられる照明用モジュールであって、
前記照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、前記反射板の設置面と平行な平面であって、前記照明用管の中心点を通る平面を第1平面とし、
前記照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、前記第1平面と前記反射板との交点における、前記反射板の接線と平行な線であって、前記照明用管の中心点を通る線を第1線としたとき、
前記照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、前記第1平面と、前記第1線と、前記照明用管の内壁とに囲まれる領域に、前記第1アンテナ部の前記パターンアンテナ素子部の少なくとも一部が配置されている、
請求項1から4のいずれかに記載の照明用モジュール。
【請求項6】
前記照明用管内に配置され、光の透過性の高いフィルム基板と、前記フィルム基板上に導体パターンを形成することで構成されたパターンアンテナ素子部と、を含む第2アンテナ部をさらに備える、
請求項1から5のいずれかに記載の照明用モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の照明用モジュールと脱着可能な無線通信モジュールであって、
前記照明用モジュールの前記照明側接続部と接続可能な無線通信側接続部と、
前記無線通信側接続部を前記照明用モジュールの前記照明側接続部に接続することで、前記照明用モジュールの前記パターンアンテナ素子部と電気的に接続され、無線通信を行う無線通信部と、
を備える無線通信用モジュール。
【請求項8】
前記無線通信側接続部は、接点部に弾性部材を含むバネ式接点構造を有する、
請求項7に記載の無線通信用モジュール。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の照明用モジュールと、
請求項7または8に記載の無線通信用モジュールと、
を備える照明装置。
【請求項10】
マスター装置と、
請求項1から6のいずれかに記載の照明用モジュールと、
請求項7または8に記載の無線通信用モジュールと、
無線通信ネットワークを介して前記照明用モジュールに装着された前記無線通信用モジュールと通信するとともに、有線ネットワークを介して、前記マスター装置と通信するスレーブ装置と、
を備える照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用モジュール、無線通信用モジュール、照明装置、および、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
EMS(エネルギー・マネージメント・システム)は、電力を抑制し省エネの環境を実現することができるので、近年、ビル、商業施設、住宅など様々な建造物にEMSが導入されることが多くなってきている。EMSでは、管理対象の機器を制御する必要があるので、管理対象の機器の情報の取得や管理対象の機器への通知を行うことが不可欠である。そのため、EMSでは、管理対象の機器に通信機能を搭載させる必要がある。
【0003】
EMSを導入するに際し、特に、(管理対象となる)照明機器に、より安価で、より信頼性の高い通信を行うことができる手段を搭載したいというニーズが高まっている。
【0004】
従来、照明機器を専用線等に接続し、有線通信により、当該照明機器に制御情報を送信することで、当該照明機器を制御するという手法が採用されていた。しかし、この手法では、照明機器を1台1台制御できるようにするために、膨大な配線工事費用がかかるという問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されている技術を用いて、照明機器に配線工事不要の無線通信用モジュールおよび無線通信用アンテナを搭載させ、当該照明機器に対して、無線通信により、制御情報等を送信するというシステムを採用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−153831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記システムでは、無線通信機能を実現するために、照明機器の外部に、無線通信用アンテナを設置する必要がある。このため、上記システムでは、無線通信用アンテナを設置するためのスペースを、照明機器を設置するスペース以外に別途設ける必要があり、照明機器の設置スペースに制限がある場合、上記システムのように、無線通信用アンテナを設置するためのスペースを確保することが困難である場合がある。また、上記システムでは、照明機器外に大きな無線通信用アンテナが設置されるため、外観も損ねる。
【0008】
一般に、照明機器の設置スペースは制限を受けることが多いので、照明機器の照明性能を確保しつつ、かつ、照明機器の外観を損ねることなく、照明機器に、信頼性の高い無線通信を実現する無線通信用モジュールや無線通信用アンテナを取り付けることは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行する照明用モジュール、無線通信用モジュール、照明装置、および、照明制御システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、第1の発明は、筐体と、照明部と、第1アンテナ部と、照明側接続部と、を備える照明用モジュールである。
【0011】
筐体は、内部が空洞である照明用管と、照明用管の端部に固着され、電源供給用の端子を含む照明用管端子部とを含む。
【0012】
照明部は、照明用管内に配置され、発光素子を含む。
【0013】
第1アンテナ部は、照明用管内に配置され、光の透過性の高いフィルム基板と、フィルム基板上に導体パターンを形成することで構成されたパターンアンテナ素子部と、を含む。
【0014】
照明側接続部は、照明用管端子部内に配置され、無線通信用モジュールを接続するための接続部である。
【0015】
この照明用モジュールでは、照明用管内に、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナであるパターンアンテナ素子部と、照明部とを収納した構成を有しているので、照明機器の外観を損ねることがない。
【0016】
また、この照明用モジュールでは、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナであるパターンアンテナ素子部を、例えば、照明用管内の端部に設置することで、照明部から照射される光をほとんど遮蔽・妨害することがないようにすることができる。
【0017】
したがって、この照明用モジュールでは、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保することができる。さらに、この照明用モジュールでは、無線通信用モジュールを接続するための接続部を有しているので、当該接続部に無線通信用モジュールを接続することで、容易に、無線通信機能を付加することができる。
【0018】
なお、第1の発明である照明用モジュールは、照明部に電源を供給する電源部を備えるものであってもよい。
【0019】
第2の発明は、第1の発明であって、第1アンテナ部のフィルム基板は、湾曲させた状態で配置させることができる程度の厚さである。
【0020】
これにより、この照明用モジュールでは、照明用管内の湾曲した位置(例えば、照明用管内の内壁に沿った位置)にも、第1アンテナ部のフィルム基板を容易に配置することができる。
【0021】
なお、「湾曲させた状態で配置させることができる程度の厚さ」とは、例えば、第1アンテナ部のフィルム基板をPETで構成した場合、100μm以下の厚さである。
【0022】
第3の発明は、第1または第2の発明であって、第1アンテナ部のパターンアンテナ素子部は、格子状の導体パターンにより形成されている。
【0023】
これにより、この照明用モジュールでは、照明部からの照明光の透過性を高い状態で維持させることができる。
【0024】
第4の発明は、第3の発明であって、照明部から照射される光の波長をλ_Lとし、第1アンテナ部で送受信される電磁波の波長をλ_Rとすると、第1アンテナ部のパターンアンテナ素子部は、
w<λ_R
w>λ_L
の両方を満たす格子幅wの格子状の導体パターンにより形成されている。
【0025】
これにより、照明部から照射される光(照明光)は、上記格子パターンを回折し、遮断されないので、照明光がパターンアンテナ素子部を通過することによる透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。また、格子幅wは、第1アンテナ部で送受信される電磁波の波長λ_Rよりも小さいので、第1アンテナ部のパターンアンテナ素子部で送受信される電磁波のアンテナ感度を維持することができる。
【0026】
なお、「格子状の導体パターン」とは、その単位パターンが長方形の形状となる導体パターンに限定されるものではなく、その単位パターンが、例えば、菱形の形状となる導体パターンや、他の形状となる導体パターンを含む概念である。
【0027】
さらに、「格子状の導体パターン」とは、例えば、複数の金属細線(導体パターン)により形成されるものを含む概念であり、この場合、隣接する金属細線間の距離(あるいは平均距離)をwaとすると、
wa<λ_R
wa>λ_L
を満たすように、複数の金属細線(導体パターン)が形成されることで、第1アンテナ部のパターンアンテナ素子部が形成されるものであってもよい。
【0028】
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明であって、照明用モジュールから照射される光を反射させるための反射板とともに用いられる照明用モジュールである。
【0029】
照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、反射板の設置面と平行な平面であって、照明用管の中心点を通る平面を第1平面とし、
照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、第1平面と反射板との交点における、反射板の接線と平行な線であって、照明用管の中心点を通る線を第1線としたとき、
照明用管の長手方向に垂直な断面による断面視において、第1平面と、第1線と、照明用管の内壁とに囲まれる領域に、第1アンテナ部のパターンアンテナ素子部の少なくとも一部が配置されている。
【0030】
これにより、この照明用モジュールでは、受信すべき電磁波が、直接、あるいは、反射板により反射され、効率良く、第1アンテナ部に届く位置に、第1アンテナ部を配置することができる。なお、送信すべき電磁波についても同様に、効率良く、電磁波を送信することができる位置に、第1アンテナ部を配置することができる。
【0031】
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明であって、照明用管内に配置され、光の透過性の高いフィルム基板と、フィルム基板上に導体パターンを形成することで構成されたパターンアンテナ素子部と、を含む第2アンテナ部をさらに備える。
【0032】
これにより、この照明用モジュールでは、複数のアンテナ(パターンアンテナ)を用いて、例えば、ダイバーシティ・アンテナを構成することができる。したがって、この照明用モジュールでは、さらに、アンテナ送受信感度を向上させることができる。
【0033】
また、第2アンテナ部は、上記第1から第5のいずれかの発明の第1アンテナと同様のものとしてもよい。
【0034】
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明である照明用モジュールと脱着可能な無線通信モジュールであって、無線通信側接続部と、無線通信部と、を備える。
【0035】
無線通信側接続部は、照明用モジュールの照明側接続部と接続可能な接続部である。
【0036】
無線通信部は、無線通信側接続部を照明用モジュールの照明側接続部に接続することで、照明用モジュールのパターンアンテナ素子部と電気的に接続され、無線通信を行う。
【0037】
これにより、この無線通信モジュールでは、照明用モジュールに接続して用いることで、無線通信機能付き照明モジュールを容易に実現することができる。
【0038】
第8の発明は、第7の発明であって、無線通信側接続部は、接点部に弾性部材を含むバネ式接点構造を有する。
【0039】
これにより、照明用モジュールに容易に着脱可能な無線通信モジュールを実現することができる。さらに、照明用モジュールの第1アンテナ部の接点等が湾曲した状態で配置されていた場合であっても、無線通信モジュールの接点部の弾性部材の弾性力により、確実に接点を接触させることができる。
【0040】
第9の発明は、第1から第6のいずれかの発明である照明用モジュールと、第7または第8の発明である無線通信用モジュールと、を備える照明装置である。
【0041】
これにより、第1から第6のいずれかの発明である照明用モジュールと、第7または第8の発明である無線通信用モジュールと、を備える照明装置を実現することができる。
【0042】
第10の発明は、マスター装置と、第1から第6のいずれかの発明である照明用モジュールと、第7または第8の発明である無線通信用モジュールと、スレーブ装置とを備える照明制御システムである。
【0043】
スレーブ装置は、無線通信ネットワークを介して照明用モジュールに装着された無線通信用モジュールと通信するとともに、有線ネットワークを介して、マスター装置と通信する。
【0044】
これにより、第1から第6のいずれかの発明である照明用モジュールと、第7または第8の発明である無線通信用モジュールと、を用いた照明制御システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行する照明用モジュール、無線通信用モジュール、照明装置、および、照明制御システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1実施形態に係る照明装置100の概略構成図。
図2】第1実施形態に係るアンテナ部11の概略構成図。
図3】第1実施形態に係る照明装置100の平面図および側面図。
図4】第1実施形態に係る照明装置100の一部の拡大図。
図5】無線通信用モジュール2の概略構成図。
図6】無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24について説明するための図。
図7】第2実施形態に係る照明装置200の概略構成図。
図8】第2実施形態に係る照明装置200の平面図、側面図、および、C−C線による断面図。
図9】第2実施形態に係る照明装置200の一部の拡大図。
図10】第2実施形態の変形例の照明装置200Aと、照明用反射板RF1との概略断面図。
図11図10に、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18を重ねて示した図。
図12】第3実施形態に係る照明制御システム3000の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0048】
<1.1:照明装置の論理構成>
図1は、第1実施形態に係る照明装置100の概略構成図である。
【0049】
図2は、第1実施形態に係るアンテナ部11の概略構成図である。
【0050】
照明装置100は、図1に示すように、照明用モジュール1と、無線通信用モジュール2と、電源部3とを備える。なお、電源部3は、照明用モジュール1に含まれるものであってもよい。
【0051】
照明用モジュール1は、アンテナ部11と、照明部12と、を備える。
【0052】
アンテナ部11は、図2に示すように、例えば、アンテナ用基板111と、アンテナエレメント部112とを備える。
【0053】
アンテナ用基板111は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明な材質の薄膜(フィルム)として形成されている基板であり、高い光の透過性を有する。なお、アンテナ用基板111の厚みは、材質を考慮し、光(特に可視光)が十分透過するような厚みとすることが好ましい。また、アンテナ用基板111の厚みは、折り曲げ可能、あるいは、湾曲させることが可能な程度の厚さとすることが好ましい。例えば、アンテナ用基板111の材質をPETとする場合、その厚さを100μm以下とするのが好ましい。
【0054】
アンテナエレメント部112は、アンテナ用基板111上に導体パターン(金属パターン)を形成することにより構成される。アンテナエレメント部112は、アンテナ用基板111上に、所定の導体パターンを形成することで、パターンアンテナとして機能する。
【0055】
なお、アンテナ部11は、アンテナ用基板111上に導体パターンを保護する保護層(例えば、保護フィルム)を有するものであってもよい。
【0056】
アンテナエレメント部112は、例えば、図2に示すように、無線通信用モジュール2に電気的に接続するための接続端子部112a、112iと、ループアンテナを構成するためのアンテナ素子部112b、112c、112d、112e、112f、112g、および、112hと、を備える。アンテナ素子部112b〜112hの長さは、送受信しようとする電磁波の波長(アンテナ送受信感度を最も高くしたい電磁波の波長)と略同一にすることが好ましい。なお、アンテナエレメント部112は、図2の形状(パターン)に限定されることはなく、実現したいアンテナ特性(送受信特性)に応じて、他の形状(例えば、ダイポールアンテナを構成するような形状や、メアンダ状のパターンを有する形状等)としてもよい。アンテナ部11は、例えば、蛍光灯と同様の細長い形状の管であって、その内部が空洞の管内に設置される。
【0057】
また、アンテナエレメント部112の導体パターンは、例えば、格子状パターンにより形成されるものであってもよい。つまり、図2に示した領域R1の拡大図のように、格子幅wの格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板111上に形成するようにしてもよい。
【0058】
この場合、照明用モジュール1の照明部12から照射される光の波長をλ_Lとし、アンテナ部11で送受信される電磁波の波長をλ_Rとすると、
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板111上に形成するようにすることが好ましい。
【0059】
これにより、照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されないので、照明光がアンテナエレメント部112を通過することによる透過率の低下を適切に抑制することができる。
【0060】
なお、格子パターンは、縦幅と横幅とが略同一であってもよいし、縦幅と横幅とが異なるものであってもよい。格子パターンの縦幅(これを幅w1とする)と横幅(これを幅w2とする)とが異なる場合、格子パターンの縦幅w1と横幅w2とが、
w1<λ_R
w1>λ_L
w2<λ_R
w2>λ_L
を満たす格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板111上に形成するようにすればよい。
【0061】
また、格子パターンは、上記のように、互いに直交する金属細線(導体パターン)により形成されるもの(格子パターンの単位パターンが正方形や長方形の形状となるパターン)に限定されることはない。アンテナ用基板111上に、複数の金属細線(導体パターン)を斜めに交差するように形成するようにしてもよい。つまり、格子パターンの単位パターンが菱形の形状となるように複数の金属細線(導体パターン)をアンテナ用基板111上に形成するようにしてもよい。さらに、格子パターンの単位パターンの単位パターンの形状が他の形状(例えば、六角形の形状やランダム形状)となるように、複数の金属細線(導体パターン)をアンテナ用基板111上に形成するようにしてもよい。
【0062】
そして、複数の金属細線(導体パターン)において、隣接する金属細線間の距離をwaとすると、
wa<λ_R
wa>λ_L
を満たすように、複数の金属細線(導体パターン)をアンテナ用基板111上に形成するようにしてもよい。
【0063】
また、上記距離waは、複数の金属細線(導体パターン)において、隣接する金属細線間の平均値であってもよい。
【0064】
照明部12は、図1に示すように、個(:自然数)のLED素子L1、L2、・・・、Lnを備える。個のLED素子L1〜Lnは、例えば、プリント基板上で、直列接続されており、照明部12に電源部3から供給される直流電圧DC_Lにより、個のLED素子L1〜Lnの発光制御が実行される。照明部12は、例えば、蛍光灯と同様の細長い形状の管であって、その内部が空洞の管内に設置される。
【0065】
また、照明部12は、電源部3に接続され、電源部3から電圧DC_Lが供給される。照明部12の個のLED素子は、電源部3からの電圧DC_Lにより駆動される。
【0066】
無線通信用モジュール2は、図1に示すように、マッチング部21と、RF部22と、通信制御部23とを備える。
【0067】
マッチング部21は、インピーダンス調整を行う回路(インピーダンス調整回路)等を備える。マッチング部21のインピーダンス調整回路は、アンテナ部11のアンテナエレメント部112と接続され、インピーダンス調整を行う。アンテナ部11を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを備えてもよい。なお、アンテナ部11を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを共通化した回路を備えるものであってもよい。
【0068】
マッチング部21は、アンテナ部11が受信アンテナとして機能している場合、インピーダンス調整後の信号をRF部22に出力する。一方、マッチング部21は、アンテナ部11が送信アンテナとして機能している場合、RF部22からの信号を入力し、入力された信号に対してインピーダンス調整を行い、インピーダンス調整後の信号をアンテナ部11に出力する。
【0069】
RF部22は、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)と、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)と、備える。RF部22は、通信制御部23からの指令信号(制御信号)を入力し、当該指令信号(制御信号)に基づいた処理を実行する。
【0070】
RF部22は、アンテナ部11が受信アンテナとして機能している場合、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)を動作させ、マッチング部21から出力されるインピーダンス調整後の信号に対して、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理を含む処理)を実行する。そして、RF部22は、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理)により取得した信号(情報)を通信制御部23に出力する。
【0071】
一方、RF部22は、アンテナ部11が送信アンテナとして機能している場合、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)を動作させる。例えば、通信制御部23から出力される信号(情報)をRF変調し、RF変調した信号をマッチング部21に出力する。
【0072】
通信制御部23は、無線通信用モジュールの各機能部を制御する。通信制御部23は、例えば、マイクロプロセッサ等により実現される。通信制御部23は、RF部22と接続されており、RF部22に制御信号、RF変調させてアンテナ送信するための情報(信号)等を出力する。
【0073】
また、通信制御部23は、RF部22からの信号により、自装置以外の他の照明装置から電波が送信されている状態であることを検出した場合、混信、コリジョン発生等を防止するために、自装置のRF変調処理を停止させるための制御信号をRF部22に出力するようにしてもよい。
【0074】
また、通信制御部23は、RF部22からの信号に基づいて、電源制御信号Ctlを生成し、生成した電源制御信号Ctlを電源部3に出力する。
【0075】
電源部3は、交流電源(不図示)に接続され、交流電流(あるいは交流電圧)を直流電流(あるいは交流電圧)に変換することで、外部に対して、定電圧源として機能する。電源部3は、無線通信用モジュール2に接続され、無線通信用モジュール2に対して、定電圧DC_Wを供給する直流電源として機能する。
【0076】
また、電源部3は、照明用モジュール1の照明部12に接続され、照明部12に対して、電圧DC_Lを供給する直流電源として機能する。
【0077】
また、電源部3は、通信制御部23から出力される電源制御信号Ctlを入力する。電源部3は、電源制御信号Ctlに基づいて、照明用モジュール1の照明部12に供給(出力)する電圧DC_Lの値を調整する。
【0078】
<1.2:照明装置の物理構成>
次に、照明装置100の物理構成の一例について、説明する。
【0079】
図3は、第1実施形態に係る照明装置100の平面図および側面図である。
【0080】
図4は、第1実施形態に係る照明装置100の一部の拡大図である。具体的には、図4は、照明装置100の照明用管13および照明用管端子部14aを含む部分の拡大図であり、図4の上図は、平面図であり、図4の下左図は、A−A線による断面図であり、図4の下右図は、B−B線による断面図である。
【0081】
図3に示すように、照明装置100は、内部が空洞の照明用管13と、照明用管13の両端に設けられた照明用管端子部14aおよび14bと、照明用管端子部14aに設けられた電極15a、15bと、照明用管端子部14bに設けられた電極16a、16bと、を備える。そして、図3に示すように、照明用管13の内部に、アンテナ部11および照明部12が設置されている。
【0082】
無線通信用モジュール2および電源部3は、図4に示すように、照明用管端子部14aの内部に設けられている。なお、無線通信用モジュール2は、照明用モジュール1に脱着可能なモジュールである。照明用管端子部14aには、例えば、図4に示すように、無線通信用モジュール2を収納するためのスペースが設けられており、無線通信用モジュール2は、図4に示すように、照明用モジュール1の照明用管端子部14a内に装着される。
【0083】
図5に、無線通信用モジュール2の概略構成図を示す。
【0084】
無線通信用モジュール2は、バネ式接続端子24を有しており、図5に示す場合、無線通信用モジュール2は、5つのバネ式接続端子24a〜24eを有している。
【0085】
無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24aは、電源供給用端子であり、電源部3から直流電圧DC_Wの供給を受けるための端子である。
【0086】
無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24bは、GND端子であり、電源部3のGNDと接続するための端子である。
【0087】
無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24eは、制御信号用端子であり、無線通信用モジュール2から電源部3へ電源制御信号Ctlを送信するための接続端子である。
【0088】
また、無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24c、24dは、アンテナ部11と接続するための端子であり、図4に示すように、バネ式接続端子24c、24dを、それぞれ、アンテナ部11のアンテナエレメント部112の接続端子部112a、112iに、接続するための端子である。
【0089】
ここで、無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24について、図6を用いて、説明する。
【0090】
図6は、無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24について説明するための図である。具体的には、図6は、図4の下左図に対応する図において、照明用管端子部14aの一部と、アンテナ部11と、無線通信用モジュール2とを抽出して示した図であり、無線通信用モジュール2を照明用管端子部14aに装着する状況を模式的に示した図である。なお、図6では、無線通信用モジュール2を左から右へ移動させることで、無線通信用モジュール2を照明用管端子部14a内に装着する様子を示している。
【0091】
無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24は、導体の接点部および導体の弾性部材(例えば、バネ)から構成されている。
【0092】
照明用管端子部14aには、図6に示すように、断面において、三角状の突起部が設けられており、無線通信用モジュール2を左から右へ移動させると、無線通信用モジュール2が照明用管端子部14aの斜面を通過するときに、無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24の弾性部材が収縮する(例えば、図6の中段の図を参照)。そして、無線通信用モジュール2が照明用管端子部14aの斜面を通過した後、図6の下図に示すように、無線通信用モジュール2のバネ式接続端子24の弾性部材が伸張し、アンテナ部11の接続端子部と、電気的に接続された状態となる。
【0093】
このように、バネ式接続端子24(24a〜24e)を設けた無線通信用モジュール2を、照明用管端子部14a内の無線通信用モジュール2を収納するスペースに挿入することで、
(1)電源供給用端子であるバネ式接続端子24aを、直接または配線を介して、電源部3から直流電圧DC_Wの供給するための端子に接続し、
(2)GND端子であるバネ式接続端子24bを、直接または配線を介して、電源部3のGND端子に接続し、
(3)バネ式接続端子24cを、アンテナ部11のアンテナエレメント部112の接続端子部112aに接続し、
(4)バネ式接続端子24dを、アンテナ部11のアンテナエレメント部112の接続端子部112iに接続し、
(5)制御信号用端子であるバネ式接続端子24eを、直接または配線を介して、電源部3の電源制御信号Ctlの受信用接続端子に接続する、
ことができる。
【0094】
アンテナ部11の接続端子部112a、112iは、柔軟性の高いシート状のアンテナ用基板111上に設けられているので、通常、脱着可能な無線通信用モジュールの接続端子を確実に電気的に接続させるのは、困難である。
【0095】
無線通信用モジュール2は、上記のように、バネ式接続端子24を有するので、バネ式接続端子24の弾性力を利用することで、柔軟性の高いシート状のアンテナ用基板111上に設けられているアンテナ部11の接続端子部112a、112iに対しても確実に電気的に接続させることができる。
【0096】
以上のように、照明装置100は、照明用モジュール1の照明用管13内に、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナであるアンテナ部11と、照明部12とを収納した構成を有しているので、照明機器の外観を損ねることがない。
【0097】
また、照明装置100では、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナであるアンテナ部11を、照明用モジュール1の照明用管13内の端部に設置しているので、照明部12から照射される光をほとんど遮蔽・妨害することがない。
【0098】
さらに、アンテナ部11において、
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板111上に形成したパターンアンテナを採用した場合、照明部12からの照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されないので、照明光がアンテナエレメント部112を通過することによる透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。
【0099】
また、上記の通り、照明用モジュール1は、脱着可能な無線通信用モジュール2を装着することができる構造を有しているので、照明用モジュール1に、無線通信用モジュール2を装着することで、無線通信機能付き照明装置に容易に拡張することができる。
【0100】
通常、無線通信用モジュールは高価であるため、全ての照明用モジュール1に、最初から、無線通信用モジュールを搭載させると、コストが高くなり、好ましくない。そこで、照明用モジュール1には、アンテナ部11と照明部12とを搭載しておき、無線通信機能を付加したいときに、脱着可能な無線通信用モジュール2を装着することで、容易に、照明用モジュール1に無線通信機能を付加することができる。
【0101】
また、照明用モジュール1では、アンテナ部11を、送受信する電磁波を送受信しやすい位置に配置することができる。例えば、図3に示すように、アンテナ部11を、照明部12の下側に配置させた照明用モジュール1を、例えば、天井等に設置することで、アンテナ部11が電磁波を送受信できる範囲を広くすることができる。これにより、アンテナ送受信感度が高くなり、その結果、照明装置100では、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
【0102】
このように、照明装置100では、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
【0103】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、説明する。
【0104】
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0105】
<2.1:照明装置の論理構成>
図7は、第2実施形態に係る照明装置200の概略構成図である。
【0106】
第1実施形態の照明装置100の照明用モジュール1では、1つのアンテナ(アンテナ部11)を有する構成であったが、第2実施形態の照明装置200の照明用モジュール1Aでは、2つのアンテナ(第1アンテナ部17および第2アンテナ部18)を有する構造である。
【0107】
また、第2実施形態の照明装置200では、図7に示すように、第1実施形態の無線通信用モジュール2を、無線通信用モジュール2Aに置換した構成を有している。
【0108】
照明用モジュール1Aの2つのアンテナである、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18は、基本的には、第1実施形態のアンテナ部11と同様のものである。ただし、送受信しようとする電磁波の周波数により、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の大きさ、形状等を変更するようにしてもよい。
【0109】
また、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18のアンテナエレメント部において、第1実施形態と同様に、照明用モジュール1Aの照明部12から照射される光の波長をλ_Lとし、アンテナ部11で送受信される電磁波の波長をλ_Rとすると、
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板上に形成するようにしてもよい。
【0110】
本実施形態では、2つの同一形状のアンテナを用いる場合(空間ダイバーシティ・アンテナを構成する場合)を一例として説明する。
【0111】
無線通信用モジュール2Aは、図7に示すように、スイッチ部26と、マッチング部21Aと、RF部22Aと、通信制御部23Aと、を備える。
【0112】
スイッチ部26は、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18に接続されている。また、スイッチ部26は、通信制御部23Aからの制御信号を入力する。スイッチ部26は、アンテナ受信する場合、通信制御部23Aからの制御信号に基づいて、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18のうちのアンテナ感度の高い方のアンテナを選択し、選択されたアンテナがマッチング部21Aに接続されるようにする。また、スイッチ部26は、アンテナ送信する場合、通信制御部23Aからの制御信号に基づいて、マッチング部21Aの出力が、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18のうちのアンテナ感度の高い方のアンテナに入力されるようにする。
【0113】
なお、スイッチ部26は、アンテナ受信する場合、通信制御部23Aからの制御信号により指定される比率(例えば、内分比)により、第1アンテナ部17からの出力と、第2アンテナ部18からの出力とを合成し(例えば、内分比による合成を行い)、合成した出力をマッチング21Aに出力するようにしてもよい。また、スイッチ部26は、アンテナ送信する場合、通信制御部23Aからの制御信号により指定される比率(例えば、内分比)により、マッチング21Aからの出力が、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18に、分散して入力されるようにしてもよい。
【0114】
マッチング部21Aは、第1実施形態のマッチング21と同様の構成・機能を有している。マッチング部21Aは、スイッチ部26を介して、第1アンテナ部17および/または第2アンテナ部18に接続されたときのインピーダンス調整を行う。
【0115】
RF部22Aは、基本的には、第1実施形態のRF部22と同様の機能を有する。
【0116】
通信制御部23Aは、基本的には、第1実施形態の通信制御部23と同様の機能を有する。通信制御部23Aは、例えば、RF部22Aからの出力に基づいて、スイッチ部26を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号をスイッチ部26に出力する。
【0117】
<2.2:照明装置の物理構成>
次に、照明装置200の物理構成の一例について、説明する。
【0118】
図8は、第2実施形態に係る照明装置200の平面図、側面図、および、C−C線による断面図である。
【0119】
図9は、第2実施形態に係る照明装置200の一部の拡大図である。具体的には、図9は、照明装置200の照明用管13および照明用管端子部14aを含む部分の拡大図であり、図9の上図は、平面図であり、図9の下左図は、側面図であり、図9の下右図は、D−D線による断面図である。
【0120】
図8に示すように、照明装置200は、内部が空洞の照明用管13と、照明用管13の両端に設けられた照明用管端子部14aおよび14bと、照明用管端子部14aに設けられた電極15a、15bと、照明用管端子部14bに設けられた電極16a、16bと、を備える。そして、図8に示すように、照明用管13の内部に、第1アンテナ部17、第2アンテナ部18および照明部12が設置されている。なお、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18は、湾曲させることができるので、図8に示すように、照明用管13の内壁に沿って設置されている。図8に示すように、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18は、照明部12からの照明光を遮りにくい位置に配置されているので、照明部12からの照明光の高い透過性を維持することができる。
【0121】
無線通信用モジュール2Aおよび電源部3は、照明用管端子部14aの内部に設けられている。なお、無線通信用モジュール2Aは、第1実施形態と同様に、照明用モジュール1に脱着可能なモジュールである。照明用管端子部14aには、無線通信用モジュール2Aを収納するためのスペースが設けられており、無線通信用モジュール2Aは、照明用モジュール1Aの照明用管端子部14a内に装着される。
【0122】
図9に示すように、無線通信用モジュール2Aは、7つのバネ式接続端子25(25a〜25g)を有している。なお、無線通信用モジュール2Aは、照明用モジュール1Aに脱着可能であり、第1実施形態と同様に、図9の下右図の断面に対応するように、照明用管端子部14aには、無線通信用モジュール2Aを収納するためのスペースが設けられている。そして、第1実施形態において、図6に示したのと同様の機構により、無線通信用モジュール2Aの各接続端子が、それぞれ、第1アンテナ部17、第2アンテナ部18、および、電源部3の対応する接続端子に電気的に接続される。
【0123】
具体的には、バネ式接続端子25(25a〜25g)を設けた無線通信用モジュール2Aを、照明用管端子部14a内の無線通信用モジュール2Aを収納するスペースに挿入することで、
(1)バネ式接続端子25a、25bを、それぞれ、第1アンテナ部17のアンテナエレメント部の2つの接続端子部に接続し、
(2)バネ式接続端子25c、25dを、それぞれ、第2アンテナ部18のアンテナエレメント部の2つの接続端子部に接続し、
(3)電源供給用端子であるバネ式接続端子25eを、直接または配線を介して、電源部3から直流電圧DC_Wの供給するための端子に接続し、
(4)GND端子であるバネ式接続端子25fを、直接または配線を介して、電源部3のGND端子に接続し、
(5)制御信号用端子であるバネ式接続端子25gを、直接または配線を介して、電源部3の電源制御信号Ctlの受信用接続端子に接続する、
ことができる(例えば、図9の下右図の状態を参照)。
【0124】
図9に示すように、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18は、照明用管13の内壁に沿って設置されているので、図9の下右図から分かるように、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の接続端子部も湾曲した状態で配置されている。
【0125】
無線通信用モジュール2Aは、バネ式接続端子25(25a〜25g)を有するので、バネ式接続端子25の弾性力を利用することで、柔軟性の高いシート状のアンテナ用基板上に設けられている第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の接続端子部が、上記のように、湾曲した状態であっても、確実に電気的に接続させることができる。
【0126】
これにより、照明装置200では、照明用管13の様々な位置に、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18を配置させることができるともに、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の接続端子部と、脱着可能な無線通信用モジュール2Aのバネ式接続端子25(25a〜25g)とを確実に接続することができる。
【0127】
以上のように、照明装置200は、照明用モジュール1Aの照明用管13内に、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナである第1アンテナ部17と、第2アンテナ部18と、照明部12とを収納した構成を有しているので、照明機器の外観を損ねることがない。
【0128】
また、照明装置100では、光の透過性の高いフィルム基板上に形成されたパターンアンテナである第1アンテナ部17と第2アンテナ部18とを、照明用モジュール1Aの照明用管13内の端部に設置しているので、照明部12から照射される光をほとんど遮蔽・妨害することがない。
【0129】
さらに、第1アンテナ部17と第2アンテナ部18とにおいて、
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンが形成されるように、導体パターンを、アンテナ用基板上に形成したパターンアンテナを採用した場合、照明部12からの照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されないので、照明光が、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18のアンテナエレメント部を通過することによる透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。
【0130】
また、上記の通り、照明用モジュール1Aは、脱着可能な無線通信用モジュール2Aを装着することができる構造を有しているので、照明用モジュール1Aに、無線通信用モジュール2Aを装着することで、無線通信機能付き照明装置に容易に拡張することができる。
【0131】
通常、無線通信用モジュールは高価であるため、全ての照明用モジュール1Aに、最初から、無線通信用モジュールを搭載させると、コストが高くなり、好ましくない。そこで、照明用モジュール1Aには、第1アンテナ部17と、第2アンテナ部18と、照明部12と、を搭載しておき、無線通信機能を付加したいときに、脱着可能な無線通信用モジュール2Aを装着することで、容易に、照明用モジュール1Aに無線通信機能を付加することができる。
【0132】
また、照明用モジュール1Aでは、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18を、送受信する電磁波を送受信しやすい位置に配置することができる。例えば、図8に示すように、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18を、照明部12の下側において、照明用管13の内壁の側面に沿って配置させた照明用モジュール1Aを、例えば、天井等に設置することで、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18が電磁波を送受信できる範囲を広くすることができる。また、照明装置200では、2つ(複数)のアンテナを用いているので、アンテナ・ダイバーシティにより、さらに、アンテナ送受信感度を向上させることができる。これにより、照明装置200では、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
【0133】
このように、照明装置200では、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
【0134】
≪変形例≫
次に、第2実施形態の変形例について、説明する。
【0135】
なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0136】
本変形例の照明装置は、第2実施形態の照明装置200と同様の構成を有している。本変形例の照明装置では、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の設置位置を、照明装置の反射板を考慮した位置に配置する点に特徴がある。
【0137】
図10は、本変形例の照明装置200Aと、照明用反射板RF1との概略断面図である。具体的には、図10は、照明装置200Aおよび照明用反射板RF1を、図9のD−D線に相当する線により切断した場合の概略断面図である。なお、図10では、説明便宜のため、電源部3、無線通信用モジュール2A等は、省略して図示している。また、図10において、平面P1は、照明用反射板RF1を取り付ける平面(例えば、天井や側壁に相当する平面)である。
【0138】
図10に示すように、照明用反射板RF1は、照明用管13の中心点C0を点光源とみなした場合に、照明用反射板RF1を取り付ける平面と反対側の広い範囲に、照明光が照射されるような形状に設定される場合が多い。
【0139】
照明装置200Aでは、受信すべき電磁波が、直接、あるいは、照明用反射板RF1により反射され、効率良く、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18に届く位置に、配置することが好ましい(電磁波を、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18から送信する場合も同様)。
【0140】
つまり、照明装置200Aにおいて、第1アンテナ部17は、少なくともその一部が、図10の領域R2に含まれるように配置され、かつ、第2アンテナ部18は、少なくともその一部が、図10の領域R3に含まれるように配置されることが好ましい。
【0141】
なお、領域R2およびR3は、以下のように、規定される。
【0142】
つまり、領域R2は、図10に示すように、断面視において、(1)照明用管13の中心点C0を通り、照明用反射板RF1が取り付けられる平面P1と平行な平面P2と、(2)照明用管13の中心点C0を通り、照明用反射板RF1の辺A1−A2と平行な線C0−C1と、(3)照明用管13の内壁とにより規定される空間(領域)である。
【0143】
領域R3は、図10に示すように、断面視において、(1)照明用管13の中心点C0を通り、照明用反射板RF1が取り付けられる平面P1と平行な平面P2と、(2)照明用管13の中心点C0を通り、照明用反射板RF1の辺A4−A5と平行な線C0−C2と、(3)照明用管13の内壁とにより規定される空間(領域)である。
【0144】
なお、領域R2規定するための線C0−C1は、図10の点A3(平面P2と辺A1−A2との交点)における照明用反射板RF1の接線と平行な線であって、中心点C0を通る線としてもよい。また、領域R3規定するための線C0−C2は、図10の点A6(平面P2と辺A4−A5との交点)における照明用反射板RF1の接線と平行な線であって、中心点C0を通る線としてもよい。
【0145】
また、照明用反射板RF1が取り付けられる平面P1は、照明用反射板RF1が取り付けられる面が平面でない場合、近似した平面(例えば、照明用反射板RF1が取り付けられる位置を中心とした所定の領域を平均化して求めた仮想平面)であってもよい。
【0146】
図11は、図10に、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18を重ねて示した図である。図11に示すように、第1アンテナ部17の大部分が、領域R2に含まれ、第2アンテナ部18の大部分が、領域R3に含まれるように配置されている。これにより、照明装置200Aでは、受信すべき電磁波が、直接、あるいは、照明用反射板RF1により反射され、効率良く、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18に届く。その結果、照明装置200Aにおいてアンテナ感度をより向上させることができる。
【0147】
なお、上記は、一例であり、所定の方向から電磁波を受信することが分かっている場合、当該方向の感度が高くなるように、照明用反射板との位置関係を考慮して、第1アンテナ部17および第2アンテナ部18の配置を決定することが好ましい。
【0148】
また、電磁波を送信する場合も、同様である。
【0149】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、説明する。
【0150】
なお、本実施形態において、上記実施形態(変形例を含む)と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0151】
図12は、第3実施形態に係る照明制御システム3000の概略構成図である。
【0152】
照明制御システム3000は、図12に示すように、ネットワークN1(有線ネットワークN1)に接続されたマスター装置M1と、第1スレーブ装置S1と、第2スレーブ装置S2と、第3スレーブ装置S3とを備える。有線ネットワークN1は、例えば、専用線による有線ネットワークや、電力線に信号を変調して重畳させて通信するネットワーク(例えば、電力線搬送通信ネットワーク(PLCネットワーク))等である。
【0153】
また、照明制御システム3000は、図12に示すように、第1スレーブ装置S1に無線通信ネットワークW1により接続される脱着式無線通信用モジュールWM11と、脱着式無線通信用モジュールWM12に接続されている照明用モジュールLM12とを備える。
【0154】
また、照明制御システム3000は、図12に示すように、第2スレーブ装置S2に無線通信ネットワークW2により接続される脱着式無線通信用モジュールWM21と、脱着式無線通信用モジュールWM22に接続されている照明用モジュールLM22とを備える。
【0155】
また、照明制御システム3000は、図12に示すように、第3スレーブ装置S3に無線通信ネットワークW3により接続される照度センサSS31と、人感センサSS32とを備える。
【0156】
なお、図12の場合、照明制御システム3000は、1つのマスター装置と、3つのスレーブ装置とを備えているが、照明制御システム3000は、この構成に限定されることはなく、複数のマスター装置と、複数のスレーブ装置とを備えるものであってもよい。
【0157】
脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、上記実施形態で説明した無線通信用モジュール2または2Aと同様のものである。
【0158】
照明用モジュールLM11、LM12は、上記実施形態で説明した照明用モジュール1または1Aと同様のものである。なお、電源部3については、図示を省略している。
【0159】
例えば、照明制御システム3000において、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)状態であり、人感センサSS32により、人を検知し、消灯している照明用モジュールLM11の照明部12を点灯させる場合の制御について、以下、説明する。
【0160】
まず、照度センサSS31は、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)ことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
【0161】
第3スレーブ装置S3は、無線通信ネットワークW3を介して、照度センサSS1から取得した情報を含む信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
【0162】
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した照度センサSS31が検知した照度についての情報を取得し、当該情報を保持する。
【0163】
次に、人感センサSS32が、人を検知すると、人感センサSS32は、人を感知したことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
【0164】
第3スレーブ装置S3は、人感センサSS32から、無線通信ネットワークW3を介して受信した情報(人を検知したことを示す情報)を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
【0165】
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した信号により、人感センサSS32により、人が検知されたという情報を取得する。そして、マスター装置M1は、照明用モジュールLM11の照明部12の点灯を指示する信号を、有線ネットワークN1を介して、第1スレーブ装置S1に送信する。
【0166】
第1スレーブ装置S1は、マスター装置M1から、有線ネットワークN1を介して送信された信号を受信し、受信した信号を、無線通信ネットワークW1を介して、脱着式無線通信用モジュールWM11に送信する。
【0167】
脱着式無線通信用モジュールWM11は、第1スレーブ装置S1からの信号を、無線通信ネットワークW1を介して受信する。具体的には、第1スレーブ装置S1からの無線信号を、照明用モジュールLM11のアンテナ部11(あるいは、第1アンテナ部17および/または第2アンテナ部18)により受信する。そして、受信した信号に対して、脱着式無線通信用モジュールWM11のマッチング部21(または21A)、および、RF部22(または22A)による処理を実行する。これにより、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A)は、照明用モジュールLM11の照明部12の点灯を指示する信号を取得する。そして、通信制御部23(または23A)は、電源部3が、照明部12に供給する電圧を、照明部12のLED素子L1〜Lnを点灯させることができる所定の電圧(所定の調光率を実現するための電圧)とするよう指示する電源制御信号Ctlを、電源部3に出力する。
【0168】
これにより、照明用モジュールLM11の照明部12が点灯する。
【0169】
なお、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A)は、照明用モジュールLM11の照明部12が点灯することで消費される電力の情報を含む信号を、照明用モジュールLM11のアンテナ部11(あるいは、第1アンテナ部17および/または第2アンテナ部18)により、無線通信ネットワークW1を介して、第1スレーブ装置S1に送信されるように、制御するようにしてもよい。
【0170】
この場合、第1スレーブ装置S1は、脱着式無線通信用モジュールWM11から送信された信号を受信し、受信した信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1へ送信する。
【0171】
そして、マスター装置M1は、第1スレーブ装置S1から、有線ネットワークN1を介して受信した信号より、照明用モジュールLM11が点灯していることで消費されている電力量を把握することができる。
【0172】
照明制御システム3000では、このような処理を行うことで、各スレーブ装置から取得した電力消費量を把握し、省エネを実現させるために、不要な点灯を消灯させる等の制御を行うこともできる。
【0173】
さらに、図12に示すように、マスター装置M1を、ネットワークN2を介して、ホストシステムH1に接続するようにし、マスター装置M1で収集した情報を、ホストシステムH1に送信するようにしてもよい。ホストシステムH1では、収集した情報に基づいて、マスター装置M1に対して、所定の制御を行うように指示するようにしてもよい。
【0174】
なお、上記では、照明制御システム3000での通信方式の詳細については、説明しなかったが、通信方式としては、例えば、特開2011−233995号に開示されている通信方式を採用するようにしてもよい。
【0175】
また、上記では、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、スレーブ装置とのみ無線通信する場合について、説明したが、これに限定されることはなく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュール同士で、無線通信するようにしてもよい。この場合、無線マルチホップ通信方式により、無線通信を行うようにしてもよい。
【0176】
以上のように、照明制御システム3000では、第1〜第2実施形態の照明装置100、200に相当する、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールを用いて、照明制御システムを構成することができる。照明制御システム3000では、スレーブ装置のみが有線ネットワークおよび無線通信ネットワークの両方の通信機能を備えていればよく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、無線通信機能のみを備えていればよい。これにより、照明制御システム3000では、システムを構築するときにトータルコストを安くすることができる。
【0177】
さらに、無線通信用モジュールは、照明用モジュールに脱着可能であるので、照明用モジュールのコストを安くすることができる。そして、無線通信機能を付加したい照明用モジュールに対してのみ、脱着可能な無線通信用モジュールを装填すればよいので、柔軟、かつ、高い拡張性を有する照明制御システム3000を、容易に構築することができる。
【0178】
[他の実施形態]
上記実施形態では、電源部3が、照明用管端子部14aの内部に配置されている場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、電源部3は、照明部12の裏側(例えば、図3図4において、アンテナ部11が配置されている側と反対側)に配置されるものであってもよい。また、電源部3は、上記以外の部分に配置されるものであってもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、無線通信用モジュール2(または2A)は、バネ式接続端子24(または25)により、アンテナ部11(または第1アンテナ部17、第2アンテナ部18)および電源部3に接続される場合について説明した。しかし、これに限定されることなく、コネクタにより、無線通信用モジュール2(または2A)の各端子が、アンテナ部11(または第1アンテナ部17、第2アンテナ部18)および電源部3の対応する端子に接続されるものであってもよい。この場合も、接続用のコネクタは、照明用管端子部14aに設けるのが好ましい。
【0180】
また、第2実施形態では、2つのアンテナを用いて、空間ダイバーシティ・アンテナを構成する場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、複数のアンテナを用いて、周波数ダイバーシティ・アンテナを構成するようにしてもよい。
【0181】
また、アンテナの数は、2つに限定されることはなく、さらに多くのアンテナを用いるようにしてもよい。
【0182】
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、必ずしも実際の寸法および寸法比率等を忠実に表しているわけではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
【0183】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0184】
100 照明装置
1 照明用モジュール
11 アンテナ部
12 照明部
13 照明用管
14 照明用管端子部
17 第1アンテナ部
18 第2アンテナ部
2 無線通信用モジュール
21、21A マッチング部
22、22A RF部
23、23A 通信制御部
24、25 バネ式接続端子
3 電源部
RF1 照明用反射板
3000 照明制御システム
WM11、WM12、WM21、WM22 脱着式無線通信用モジュール
LM11、LM12、LM21、LM22 照明用モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12