(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166756
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20060101AFI20170710BHJP
G02B 7/04 20060101ALI20170710BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20170710BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
H04N5/225
H04N5/232
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-180981(P2015-180981)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2016-110072(P2016-110072A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年9月14日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0173426
(32)【優先日】2014年12月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(73)【特許権者】
【識別番号】515256235
【氏名又は名称】株式会社エーエーシー テクノロジーズ ジャパン アールアンドディー センター
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スゥー,ヒュンヒー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ディアユー
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤンジン
【審査官】
高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−083692(JP,A)
【文献】
特開2014−126668(JP,A)
【文献】
特開2013−120248(JP,A)
【文献】
特開2013−190654(JP,A)
【文献】
特開2013−072892(JP,A)
【文献】
特開2014−160196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/04
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと前記ベースに組み付けられて収容空間を形成する蓋体とを含むハウジングと、
レンズが設けられており、前記ハウジング内に装着され、前記レンズの光軸方向に沿って移動可能なレンズ鏡筒と、
前記ハウジング内に装着され、前記光軸方向と垂直に移動可能であって、前記レンズ鏡筒を支持して、前記レンズ鏡筒が光軸方向に沿って移動できるように前記レンズ鏡筒に位置決めガイドを提供するためのぶれ補正載置部と、
前記ハウジングの内部に装着され、一端が前記ハウジングに固定され、他端が前記ぶれ補正載置部に固定されたぶれ補正バネと、
ベースとぶれ補正載置部との間に設けられ、前記ぶれ補正載置部が光軸方向と垂直に移動する際に受けられる摩擦力を減少させる数個の軸受鋼球とを備えるレンズ駆動装置において、
前記ぶれ補正載置部が前記光軸方向と垂直に移動して、その初期位置から離れたときに、前記ぶれ補正バネによる弾性力により、前記ぶれ補正載置部がその初期位置に戻り、
前記レンズ駆動装置は、前記ベースとぶれ補正載置部との間に装着されており、前記レンズ鏡筒の上下方向に沿って降りる場合の下り範囲を制限する下部ガスケットをさらに備え、
前記下部ガスケットの下面における前記複数個の軸受鋼球に対応する位置において、前記複数個の軸受鋼球と同じ個数の上側取付溝が設けられ、前記複数個の軸受鋼球の上側部分は各々が該上側取付溝内に装着され、
前記ぶれ補正バネは、前記光軸方向に沿って対向配列され、互に間隔を置いて設けられた第1の板バネ及び第2の板バネを備え、
前記第1及び第2の板バネは、それぞれ前記ハウジングに固定接続され、互に間隔を置いて設けられた第1及び第2の外端と、
第1の及び第2の外端を連結する第1の横ビームと、
前記ぶれ補正載置部に固定接続され、互に間隔を置いて設けられた第1及び第2の内端と、
第1及び第2の内端を連結する第2の横ビームと、
第1の外端及び第1の内端を連結する第1の連結部と、
第2の外端及び第2の内端を連結する第2の連結部とを備え、
前記ぶれ補正載置部がその初期位置から離れたとき、前記第1の連結部及び第2の連結部は弾性力により前記ぶれ補正載置部をその初期位置に戻すことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記ベースの前記下部ガスケットに対向する表面が前記複数個の軸受鋼球に対応する位置において、前記数個の軸受鋼球と同数の下側取付溝が設けられ、前記複数個の軸受鋼球の下側部分は各々が該下側取付溝内に装着され、
前記軸受鋼球が下側取付溝内において光軸方向と垂直に転がることができるように、前記下側取付溝の内径を前記軸受鋼球の直径よりも大きくし、
前記下側取付溝と上側取付溝とは同時に光軸方向と垂直に延びることができないことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の外端が前記ベースの上側に固定され、前記第1及び第2の内端が前記ぶれ補正載置部の上側に固定されることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記蓋体の上側壁と前記レンズ鏡筒の上側との間に設けられた上部バネ及び前記下部ガスケットと前記レンズ鏡筒の下側との間に設けられた下部バネをさらに備え、
前記レンズ鏡筒が光軸方向に沿って移動して、その初期位置から離れたとき、前記上部バネ及び下部バネの弾性力により前記レンズ鏡筒をその初期位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ぶれ補正載置部に装着された永久磁石と、前記レンズ鏡筒の外側に巻き付けられたフォーカスコイルと、前記ハウジングの内側面に固定され、前記永久磁石に対向して設けられたぶれ補正コイルとをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記フォーカスコイル及びぶれ補正コイルに供電するフレキシブル回路基板をさらに含み、
前記ぶれ補正コイルは、前記上部バネの上側に装着され、
前記フレキシブル回路基板、前記ぶれ補正バネ、前記上部バネ及び前記フォーカスコイルは電気的に接続され、フレキシブルプリント基板からフォーカスコイルにより前記レンズ駆動装置に供電することを特徴とする請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記ぶれ補正バネは前記蓋体の上側壁と前記ぶれ補正載置部の下側との間に装着されることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記ぶれ補正バネは前記ベースとぶれ補正載置部の上側との間に装着されることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はぶれによる画像のボケを光学的に補正する光学補正機能を有するカメラのレンズ駆動装置に関している。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用カメラの他、スマートフォンやタブレットPCのような携帯端末においても、高性能のレンズモジュールが配置されている。携帯端末に配置された高性能のレンズモジュールは一般的にオートフォーカス機能(auto focusing)及び光学式ぶれ補正機能(OIS:optical image stabilization)を備えている。光学式ぶれ補正機能は外部の振動や使用者の手ぶれによる写真の揺れを軽減することができる。光学式ぶれ補正機能は「レンズをレンズ光軸に垂直な方向に沿って移動させる」レンズシフト式及び「イメージセンサをレンズ光軸に垂直な方向に沿って移動させる」イメージセンサーシフト式に分かれている。一般的に、携帯端末において、「レンズシフト式」光学式ぶれ補正機能を備えるレンズモジュールがよく用いられる。
【0003】
「レンズシフト式」の光学式ぶれ補正機能を備えるレンズモジュールは、写真を撮った後に、レンズが迅速に基準支点(即ち、元の位置)に戻るようにしなければならない。関連技術における光学式ぶれ補正レンズモジュールは、ホールセンサ(hall sensor)によりレンズの位置ずれ量を測定するとともに、ぶれ補正コイルに適当な電流を供給し、レンズが元の位置に戻るようにする。それに伴う問題は、ホールセンサはレンズモジュールのコストの増大を招き、且つ、このようなレンズモジュールの構造は通常、複雑であるため、レンズモジュールの小型化を実現するのは難しい。なお、レンズが元の位置に戻るのは回路制御により実現されるため、リセットは遅延するおそれがあり、信頼性も低い。
【0004】
さらに、関連技術における光学式ぶれ補正レンズモジュールは、オートフォーカス機能を実現するために、レンズを昇降移動させるように自動フォーカスコイルに適当な電流を供給しなければならない。レンズモジュールの外部から自動フォーカスコイルに供電するために、サスペンションワイヤ(suspension wire)のような部材が必要である。しかしながら、多くの部材を順次に直列接続して、積層するように組み合わせる工程において、サスペンションワイヤを加えることは非常に困難である。したがって、レンズモジュールを組み立てることは一層難しくなり、生産効率を低下させる。
【0005】
これにより、新型のレンズ駆動装置を提供すること要望がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はぶれ補正機能が優れ、組立が簡単で、コストが安価なレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるレンズ駆動装置は、ベースと前記ベースに組み付けられて収容空間を形成する蓋体とを含むハウジングと、レンズが設けられており、前記ハウジング内に装着され、前記レンズの光軸方向に沿って移動可能なレンズ鏡筒と、前記ハウジング内に装着され、前記光軸方向と垂直に移動可能であって、前記レンズ鏡筒を支持して、前記レンズ鏡筒が光軸方向に沿って移動できるように前記レンズ鏡筒に位置決めガイドを提供するためのぶれ補正載置部と、前記ハウジングの内部に装着され、一端が前記ハウジングに固定され、他端が前記ぶれ補正載置部に固定されたぶれ補正バネと、ベースとぶれ補正載置部との間に設けられ、前記ぶれ補正載置部が光軸方向と垂直に移動する際に受けられる摩擦力を減少させる数個の軸受鋼球とを備えるレンズ駆動装置において、前記ぶれ補正載置部が前記光軸方向と垂直に移動して、その初期位置から離れたときに、前記ぶれ補正バネによる弾性力により、前記ぶれ補正載置部がその初期位置に戻る。
【0008】
好ましくは、前記レンズ駆動装置は、前記ベースとぶれ補正載置部との間に装着されており、前記レンズ鏡筒の下り範囲を制限する下部ガスケットをさらに備え、前記下部ガスケットの下面における前記複数個の軸受鋼球に対応する位置において、前記複数個の軸受鋼球と同じ個数の上側取付溝が設けられ、前記複数個の軸受鋼球の上側部分は各々が該上側取付溝内に装着される。
【0009】
好ましくは、前記ベースの前記下部ガスケットに対向する表面が前記複数個の軸受鋼球に対応する位置において、前記数個の軸受鋼球と同数の下側取付溝が設けられ、前記複数個の軸受鋼球の下側部分は各々が該下側取付溝内に装着され、前記軸受鋼球が下側取付溝内において光軸方向と垂直に転がることができるように、前記下側取付溝の内径を前記軸受鋼球の直径よりも大きくし、前記下側取付溝と上側取付溝とは同時に光軸方向と垂直に延びることができない。
【0010】
好ましくは、前記ぶれ補正バネは、前記光軸方向に沿って対向配列され、互に間隔を置いて設けられた第1の板バネ及び第2の板バネを備え、
【0011】
好ましくは、前記第1及び第2の板バネは、それぞれ前記ハウジングに固定接続され、互に間隔を置いて設けられた第1及び第2の外端と、第1の及び第2の外端を連結する第1の横ビームと、前記ぶれ補正載置部に固定接続され、互に間隔を置いて設けられた第1及び第2の内端と、第1及び第2の内端を連結する第2の横ビームと、第1の外端及び第1の内端を連結する第1の連結部と、第2の外端及び第2の内端を連結する第2の連結部とを備え、前記ぶれ補正載置部がその初期位置から離れたとき、前記第1の連結部及び第2の連結部は弾性力により前記ぶれ補正載置部をその初期位置に戻す。
【0012】
好ましくは、前記第1及び第2の外端が前記ベースの上側に固定され、前記第1及び第2の内端が前記ぶれ補正載置部の上側に固定される。
【0013】
好ましくは、前記レンズ駆動装置は、前記蓋体の上側壁と前記レンズ鏡筒の上側との間に設けられた上部バネ及び前記下部ガスケットと前記レンズ鏡筒の下側との間に設けられた下部バネをさらに備え、前記レンズ鏡筒が光軸方向に沿って移動して、その初期位置から離れたとき、前記上部バネ及び下部バネの弾性力により前記レンズ鏡筒をその初期位置に戻す。
【0014】
好ましくは、前記レンズ駆動装置は、前記ぶれ補正載置部に装着された永久磁石と、前記レンズ鏡筒の外側に巻き付けられたフォーカスコイルと、前記ハウジングの内側面に固定され、前記永久磁石に対向して設けられたぶれ補正コイルとをさらに備える。
【0015】
好ましくは、前記レンズ駆動装置は、前記フォーカスコイル及びぶれ補正コイルに供電するフレキシブル回路基板をさらに含み、前記ぶれ補正コイルは、前記上部バネの上側に装着され、前記フレキシブル回路基板、前記ぶれ補正バネ、前記上部バネ及び前記フォーカスコイルは電気的に接続され、フレキシブルプリント基板からフォーカスコイルにより前記レンズ駆動装置に供電する。
【0016】
好ましくは、前記ぶれ補正バネは前記蓋体の上側壁と前記ぶれ補正載置部の下側との間に装着される。
【0017】
好ましくは、前記ぶれ補正バネは前記ベースとぶれ補正載置部の上側との間に装着される。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の有益な効果を有する。本発明によるレンズ駆動装置は、ハウジングの内部にぶれ補正載置部が装着され、ぶれ補正バネにより前記ぶれ補正載置部に位置決めガイドを提供し、且つ、レンズの位置を検知するホールセンサ及びホールセンサに関する配線を設置することが不要であり、従って、レンズ駆動装置のコンパクト化及び小型化をより容易に実現することができ、製造コストを低下させる。
【0019】
なお、光学式ぶれ補正を図るために、レンズが移動した後に、ぶれ補正バネの機械的構成の弾性復元力によりレンズを初期位置に戻し、従って、レンズが快速に初期位置に戻ることができ、信頼性が高い。
【0020】
また、ぶれ補正載置部が移動する際に受けられる摩擦力を減少させる軸受鋼球が装着され、且つ、当該軸受鋼球の取付溝は特定の方向に沿って延びることができない。このようにすると、ぶれ補正載置部は折れ曲がって目標位置に到達することがなく、最短の経路で迅速に目標位置へ移動することができる。そのため、正確且つ迅速にぶれ補正機能を図ることができる。
【0021】
また、本発明が提供するレンズ駆動装置は、順次にレンズ鏡筒、ぶれ補正載置部、上部バネ及びぶれ補正バネを積載・装着することができ、ぶれ補正バネ及び上部バネを利用してフォーカスコイルに供電し、このような構成により、フォーカス遅延を招くサスペンションワイヤなどの部品を省略するだけではなく、組立が一層簡単になり、生産効率がより高くなることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明におけるレンズ駆動装置の斜視図である。
【
図2】本発明におけるレンズ駆動装置の第1の視角における爆発図である。
【
図3】本発明におけるレンズ駆動装置の第2の視角における爆発図である。
【
図4】本発明におけるレンズ駆動装置の一部の素子を隠した第1の視角における爆発図である。
【
図5】本発明におけるレンズ駆動装置の一部の素子を隠した第2の視角における爆発図である。
【
図6】本発明におけるレンズ駆動装置におけるぶれ補正載置部がX軸の負方向に沿って移動する際の、ぶれ補正バネの弾性変形図である。
【
図7】本発明におけるレンズ駆動装置におけるぶれ補正載置部がX軸の正方向において移動する際の、ぶれ補正バネの弾性変形図である。
【
図8】本発明におけるレンズ駆動装置におけるぶれ補正載置部がY軸の負方向において移動する際の、ぶれ補正バネの弾性変形図である。
【
図9】本発明におけるレンズ駆動装置におけるぶれ補正載置部がY軸の正方向ににおいて移動する際の、ぶれ補正バネの弾性変形図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態についてさらに説明を行う。
【0024】
図1乃至5を参照すれば、本発明が提供するレンズ駆動装置10はスマートフォン、ノートPCなどのような携帯端末に適用することができ、それはオートフォーカス(AF:auto focusing)及び光学式ぶれ補正(OIS: optical image stabilization)機能を有する。該レンズ駆動装置10はハウジング11、レンズ鏡筒30、ぶれ補正載置部40、永久磁石47、ヨーク48、フォーカスコイル39、ぶれ補正コイル49、フレキシブル回路基板50、上側ガスケット110、下側ガスケット115、下部バネ53、上部バネ60、ぶれ補正バネ70及び軸受鋼球125を含む。
【0025】
前記ハウジング11はベース12と前記ベース12に組み付けられて一つの収容空間を形成する蓋体20とを含む。前記ベース12は矩形枠体構造であり、それは中央において第1の開口13を有する矩形枠体形状の底面17及び該底面17の四つの隅から上に突出するように形成された四つの第1の柱体15を含む。当該四つの第1の柱体15の上側において、前記上側ガスケット110に接続された第1の接続突起16が突出するように形成されている。
【0026】
前記蓋体20は矩形の上壁25及び上壁25の四隅から下へ折り曲げるように伸びた四つの側壁23を含む。前記上壁25の中間部分は第2の開口(表示せず)を形成する。光線は前記第1の開口13及び第2の開口の中心を通過して、レンズの光軸方向に沿ってイメージセンサ(図示せず)に照射する。
【0027】
前記レンズ鏡筒30は、中央にレンズの光軸方向に沿って貫通された貫通孔31を有する筒状部材であり、前記レンズ鏡筒30の内側面において、少なくとも一つのレンズ(図示せず)が固定され、前記レンズ鏡筒30はハウジング11内に収容され、レンズの光軸方向に沿って昇降することができる。前記レンズ鏡筒30の外部32に前記フォーカスコイル39が巻き付けられている。
【0028】
前記ぶれ補正載置部40はレンズ鏡筒30を取り囲んで設けられた矩形枠状の部材であり、それはハウジング11の収容空間内において光軸方向と垂直に、即ち、XY平面に平行な方向において移動することができる。前記ぶれ補正載置部40は、それぞれ、その四隅から光軸方向に延びた四つの第2の柱体41を含み、隣接する第2の柱体41間には、永久磁石47を収容する取付溝43が形成されている。前記ぶれ補正載置部40は前記レンズ鏡筒30を支持し、前記レンズ鏡筒30に位置決めガイドを提供し、前記レンズ鏡筒30が光軸方向に沿って昇降移動することができるようにする。
【0029】
前記永久磁石47は四つがあり、且つ、それぞれ前記ぶれ補正載置部40の四つの取付溝43内に嵌設固定されている。当該四つの永久磁石47は前記ハウジング11の内部に装着され、且つ、前記蓋体20の四つの側壁23の内側面に対向設置されている。前記ぶれ補正載置部40の下において、磁性体を形成する四つのヨーク48が装着されている。前記四つのぶれ補正コイル49はそれぞれ前記蓋体20の四つの側壁23の内側面に固定され、且つ、前記四つの永久磁石47に対向設置されている。具体的に、前記フレキシブル回路基板50は前記側壁23の内側面に固定され、前記四つのぶれ補正コイル49は前記フレキシブル回路基板50に巻き付けられ、前記フレキシブル回路基板50に支持されている。
【0030】
前記ぶれ補正コイル49は前記フレキシブル回路基板50に電気的に接続されている。前記フレキシブル回路基板50の一方の下側は前記ハウジング11の外部に突出し、外部に電気的に接続されている。前記ぶれ補正バネ70は金属導電材料からなってもよいし、内部において導電可能な電極及び導電層が形成され、又は内部にワイヤが配置された非金属弾性材料からなってもよい。前記ぶれ補正バネ70は上部バネ60に接続されて通電することができ、前記上部バネ60は前記フォーカスコイル39の端末に接続されて通電することができる。このような構成によれば、前記レンズ駆動装置10はハウジング11の外部からフレキシブル回路基板50によりぶれ補正コイル49に供電することができ、前記フレキシブル回路基板50、ぶれ補正バネ70及び上部バネ60より前記フォーカスコイル39に供電することもできる。
【0031】
また、前記レンズ駆動装置10は、レンズ鏡筒30、ぶれ補正載置部40、上部バネ60及びぶれ補正バネ70が順に積層するように構成され、ぶれ補正バネ70及び上部バネ60によって前記フォーカスコイル39に供電することができる。レンズ駆動装置10の組立遅延を招くサスペンションワイヤなどの配線用部品を省略することもできる。したがって、組み立てることが容易になり、生産効率を向上することができる。
【0032】
本発明は上述した実施形態に限定されなく、例えば、前記下部バネ53は、導電体により構成され、フォーカスコイル39の端末及びフレキシブル回路基板50に接触して通電することができ、従って、ハウジング11の外部からフレキシブル回路基板50によりぶれ補正コイル49に供電することもでき、フレキシブル回路基板50及び下部バネ53によりフォーカスコイル39に電力を伝送し、ぶれ補正コイル49及びフォーカスコイル39に供電する構成が形成される。
【0033】
前記下部ガスケット115は、中央に光軸方向に沿って貫通して第3開口116を形成する矩形枠状の部材であり、それはベース12の底面17とぶれ補正載置部40との間に装着されてろい、レンズ鏡筒30がZ軸方向に沿って降りる際にその下り範囲を制限するためのものである。前記ぶれ補正載置部40の四つの第2の柱体41の下側は下に突出することで、前記第2の第1接続突起16を形成し、当該第2の第1接続突起16は前記下側ガスケット115の四つの隅において像側面に形成された第1の接続溝118内に挿入・接続されることで、前記下側ガスケット115をぶれ補正載置部40に組み合わせる。
【0034】
前記軸受鋼球125の数は四つであり、且つ、前記ベース12の底面17と下側ガスケット115との間に装着され、前記ぶれ補正載置部40が光軸方向と垂直に移動する際に受けられる摩擦力を減少させる。前記四つの軸受鋼球125が所定位置から離れないように、下側ガスケット115の四つの隅における下側面に、前記四つの軸受鋼球125の上側部分を一つずつ装着する四つの上側取付溝120が設けられている。また、前記ベース12の底面17の四つの隅における前記下側ガスケット115に向いた像側面において、前記四つの軸受鋼球125の下側部分を一つずつ装着する四つの下側取付溝18が設けられ、その詳細は
図2に示されている。前記軸受鋼球125が下側取付溝18から外れずに光軸と垂直な方向へ転がることができるようにするために、前記下側取付溝18の内径は軸受鋼球125の直径よりも大きくする必要がある。
【0035】
前記下側取付溝18と上側取付溝120とは同時に光軸方向と垂直に延びることができない。従って、前記ぶれ補正コイル49が通電された後に、ぶれ補正載置部40の磁界において、電磁力が生成され、前記ぶれ補正載置部40は光軸方向と垂直に移動し、前記ぶれ補正載置部40は特定の方向にに沿って折れ曲がって目標位置に到達することがなく、最短の距離で迅速に目標位置へ到達する。
【0036】
前記上側ガスケット110は中央にレンズ光軸方向に沿って第4の開口111が設けられた矩形枠状の部材であり、且つ、前記蓋体20の上壁25の内側面とぶれ補正載置部40との間に装着されている。前記上側ガスケット110の四隅の下側面に第2の接続溝113が設けられ、前記ベース12の四つの第1の柱体15の上側における第1の接続突起16は前記四つの第2の接続溝113内に嵌め込まれ、これにより、前記上側ガスケット110は前記ベース12に固定される。
【0037】
前記下部バネ53及び上部バネ60は、ハウジング11内において不慮の衝撃又は振動による前記レンズ鏡筒30の上下震動を制限するためのものであり、前記レンズ鏡筒30が光軸方向において移動したときに、即ち、Z軸方向において移動し、デフォルトの初期位置から離れたときに、前記下部バネ53及び上部バネ60は弾性による加圧によって、前記レンズ鏡筒30をその初期位置に戻すことができる。前記下部バネ53は前記下部ガスケット115とレンズ鏡筒30の下側との間に装着され、前記上部バネ60は前記上側ガスケット110とレンズ鏡筒30の上側との間に装着されている。
【0038】
具体的に、前記下部バネ53は板状バネであり、それは下側ガスケット115の上側の矩形形状に対応する矩形枠54、レンズ鏡筒30の下側の円形形状に対応する円形枠56、及び前記矩形枠54と円形枠56とを連結する下部連結ビーム58を有する。前記ぶれ補正載置部40の第2の接続突起45は前記矩形枠54の四隅における第1の接続貫通孔55を通して、前記下側ガスケット115の第1の接続溝118に挿入される。このような連結形態により、前記矩形枠54を下側ガスケット115に連結させる。また、前記レンズ鏡筒30の下側は下に突出することで四つの第3接続突起34を形成し、当該四つの第3接続突起34は前記円形枠56の四つの第2の接続貫通孔57の中に嵌め込まれて、前記円形枠56を前記レンズ鏡筒30に連結させる。
【0039】
前記上部バネ60は四つの板バネ61を有する。前記板バネ61はそれぞれぶれ補正載置部40の上側に接続された第1の端部62、前記レンズ鏡筒30の上側に接続された第2の端部65、及び第1の端部62と第2の端部65とを連結する上部連結ビーム67を有する。具体的に、前記ぶれ補正載置部40の四つの第2の柱体41の上側はそれぞれ上に突出することで第4の接続突起42を形成し、前記第1の端部62において、前記第4の接続突起42を嵌め込む第3の接続貫通孔63が形成され、前記第4の接続突起42は前記第3の接続貫通孔63内に嵌め込まれ、ぶれ補正載置部40の上側において前記上部バネ60の第1の端部62に接続されている。また、前記レンズ鏡筒30の上側は上に突起することで、四つの第5の接続突起33が形成され、該四つの板バネ61の第2の端部65は各々が前記第5の接続突起33に嵌め込まれ、このようにして、弾性による加圧によって、前記第2の端部65が前記第5の接続突起33の周りに押圧される。
【0040】
前記ぶれ補正バネ70は前記ハウジング11内に装着され、前記上側ガスケット110と上部バネ60との間に位置し、且つ、その一側はベース12に接続され、他側はぶれ補正載置部40の上側に接続されている。前記ぶれ補正バネ70は、前記ぶれ補正載置部40が光軸方向と垂直に移動する際に、ガイドするように機能して、その移動範囲を制限する。なお、上述したように、前記ぶれ補正載置部40が光軸方向と垂直に移動し、そのデフォルトの初期位置から離れたときに、前記ぶれ補正バネ70はその弾性力により前記ぶれ補正載置部40をその初期位置に戻す。
【0041】
前記ぶれ補正バネ70は、前記光軸方向に沿って対向配列され、相互に間隔を置いて設けられた第1の板バネ71及び第2の板バネ91を含み、前記第1の板バネ71及び第2の板バネ91はそれぞれ前記ハウジング11に固定接続され、それぞれ相互に間隔を置いて設けられた第1の外端72,92及び第2の外端74,94、第1の外端72,92と第2の外端74,94とを連結する第1の横ビーム76,96、前記ぶれ補正載置部40の上側に固定接続され、相互に間隔を置いて設けられた第1の内端77,97及び第2の内端81,101、第1の内端77,97と第2の内端81,101とを連結する第2の横ビーム83,103、第1の外端72,92と第1の内端77,97とを連結する第1の連結部84,104、及び第2の外端74,94と第2の内端81,101とを連結する第2の連結部85,105を含み、具体的には、
図6を参照することができる。ここで、前記ぶれ補正載置部40がその初期位置から離れたときに、前記第1の連結部84,104及び第2の連結部85,105はその弾性力により、前記ぶれ補正載置部40をその初期位置に戻す。
【0042】
具体的に、前記第1の外端72、92及び第2の外端74、94に接続貫通孔73,75,93,95が形成され、前記ベース12上の第1の柱体15の上側の第1の接続突起16は前記接続貫通孔73、75、93、95の中に嵌め込まれ、前記上側ガスケット110の第2の接続溝113内に挿入されることで、前記第1の外端72,92及び第2の外端74,94を前記ベース12に固定接続させる。具体的には、
図2に示されている。また、前記第1の内端77,97及び第2の内端81,101において、接続貫通孔78、82、98、102が形成され、前記ぶれ補正載置部40の四つの第2の柱体41の上側に形成された四つの第4の接続突起42は上部バネ60の第3の接続貫通孔63とともに前記ぶれ補正バネ70の接続貫通孔78,82,98,102に嵌め込まれ、前記ぶれ補正バネ70の第1の内端77,97及び第2の内端81,101は前記ぶれ補正載置部40の上側に固定接続されている。
【0043】
一方、前記
図2乃至
図5には前記ぶれ補正バネ70が蓋体20の上壁25とぶれ補正載置部40との間に装着されていることが示されている。具体的に、前記上部ガスケット110と上部バネ60との間に装着されている。但し、本発明はこれに限定されなく、前記ぶれ補正バネ70は前記ベース12の底面17とぶれ補正載置部40との間に装着されることもできる。例えば、前記ぶれ補正バネ70の一側は前記ベース12の底面17に接続され、他側は前記下部ガスケット115に接続されている。このように、前記ぶれ補正バネ70は当然前記軸受鋼球125に対応する貫通孔を形成する。
【0044】
オートフォーカス機能を実現するために、前記レンズ駆動装置10の操作方法は以下のとおりであり、電流がフォーカスコイル39に流れるときに、前記フォーカスコイル39は永久磁石50の磁界において電磁力を生成し、当該電磁力により、前記レンズ鏡筒30は前記ハウジング11内におけるデフォルトの移動範囲内に移動することができ、前記ぶれ補正載置部40は支持された状態で上昇又は下降することによって、レンズの焦点に合う高度へ移動する。レンズの焦点に合うレンズ鏡筒30の高度は、フォーカスコイル39が巻き掛けられたレンズ鏡筒30において生成した電磁力と上部バネ60及び下部バネ53の弾性力とのバランスを取った位置である。また、フォーカスコイル39に流れる電流が止まったときに、前記ぶれ補正載置部40は上部バネ60及び下部バネ53の弾力によりその初期位置に戻る。
【0045】
ぶれ補正機能を実現するために、前記レンズ駆動装置10は以下の動作を有し、本発明におけるこのようなレンズ駆動装置が装着された携帯端末におけるジャイロセンサにより、手ぶれによる携帯端末の揺れを検知し、電流がぶれ補正コイル49に流れて、永久磁石47とぶれ補正コイル49との間の電磁力により、前記ぶれ補正載置部40及びレンズ鏡筒30は前記ハウジング11内において初期位置から光軸方向と垂直に、即ち、XY平面と平行に移動し、イメージセンサ(図示せず)における、結像が減少する位置を移動させる。このように変更した後の場所は、ぶれ補正載置部40上の電磁力とぶれ補正バネ70の弾性力とのバランスを取った位置である。一方、ぶれ補正コイル49を流す電流を切断すると、ぶれ補正載置部40及びそれを支持するレンズ鏡筒30はぶれ補正バネ70の弾性力により初期位置に戻る。
【0046】
図6乃至
図9を参照すれば、これらの図に示すように、上述したぶれ補正の動作によれば、前記ぶれ補正載置部40がそのデフォルトの初期位置から離れれば、ぶれ補正載置部40に接続された第1の内端77,97及び第2の内端81,101はXY平面に平行な方向に沿って移動し、且つ、第1の連結部84,104及び第2の連結部85,105による弾性変形によって初期位置に戻すことができる。そして、手ぶれを徐々に減少させ、又は撮像が完了した後、ぶれ補正コイル49の電流を切断すれば、変形した第1の連結部84,104及び第2の連結部85,105は元の形状に弾性復元し、且つ、第1の内端77,97及び第2の内端81,101は初期位置に戻り、これにより、ぶれ補正バネ70に接続されたぶれ補正載置部40が初期位置に戻るようにする。
【0047】
具体的に、
図6に示すように、一つの実施例では、前記ぶれ補正載置部40が初期位置においてX軸の負方向に沿って移動するときに、第1の内端77,97及び第2の内端81,101の変形状況及び変化位置を示す。開いたときに、第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第1の内端77,97及び第2の内端81,101はすべてX軸の負方向へ移動し、第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第1の内端77,97は少し第1の外端72、92へ偏り、第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第2の内端81,101は少し第2の外端74,94からずれる。
【0048】
図7に示すように、もう一つの実施例では、前記ぶれ補正載置部40が初期位置からX軸の正方向まで移動しているときに、前記第1の内端77,97及び第2の内端81,101の位置は変更している。前記第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第1の内端77,97と第2の内端81,101はすべてX軸の正方向へ移動し、第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第1の内端77,97は少し第1の外端72、92からずれ、第1の板バネ71及び第2の板バネ91の第2の内端81,101は少し第2の外端74、94へ偏る。
【0049】
図8に示すように、もう一つの実施例では、前記ぶれ補正載置部40が初期位置からY軸の負方向まで移動しているときに、前記第1の内端77,97及び第2の内端81,101の位置は変更している。前記第1の板バネ71の第1の内端77、第2の内端81及び第2の横ビーム83はY軸の負方向と平行に移動し、且つ、少し第1の板バネ71の第1の横ビーム76からずれ、第2の板バネ91の第1の内端97、第2の内端101及び第2の横ビーム103もY軸の負方向と平行に移動し、且つ、少し第2の板バネ91の第1の横ビーム96へ偏る。
【0050】
図9に示すように、もう一つの実施例では、前記ぶれ補正載置部40が初期位置からY軸の正方向まで移動しているときに、前記第1の内端77,97及び第2の内端81,101の位置は変更している。前記第1の板バネ71の第1の内端77、第2の内端81及び第2の横ビーム83はY軸の正方向と平行に移動し、且つ、少し第1の板バネ71の第1の横ビーム76へ偏り、第2の板バネ91の第1の内端97、第2の内端101及び第2の横ビーム103もY軸の正方向と平行に移動し、且つ、少し第2の板バネ91の第1の横ビーム96からずれる。
【0051】
また、本発明のレンズ駆動装置はそのレンズ位置においてホールイメージセンサを設ける必要がない。補助として、レンズの位置を測定する必要があるときに、ホールイメージセンサを設けてもよい。
【0052】
上記の説明は本発明の実施形態に過ぎず、ここで、明確すべきことは、当業者にとって、本発明の進歩性の発想を逸脱しない前提で、改進することもできるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれるということである。