特許第6166782号(P6166782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6166782ワイヤレス伝送器用モジュール式端子組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166782
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】ワイヤレス伝送器用モジュール式端子組立体
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20170710BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   G08C17/00 Z
   G08C19/00 U
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-520282(P2015-520282)
(86)(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公表番号】特表2015-527645(P2015-527645A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】US2013046305
(87)【国際公開番号】WO2014004167
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年4月15日
(31)【優先権主張番号】13/532,947
(32)【優先日】2012年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】マクガイアー, チャド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モリソン, ブレット ロバート
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/082511(WO,A1)
【文献】 特表2011−524716(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0174570(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0157018(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/00
G08C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス変数を検出するプロセスセンサと、
検出された前記プロセス変数を示すプロセス信号を生成するプロセッサと、
前記プロセス信号を伝送するワイヤレストランシーバと、
前記プロセッサを取り囲んで保護するハウジングであって、内蔵電源を収容する収容部を有したハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、前記内蔵電源から前記プロセッサ及び前記ワイヤレストランシーバに直流電力を送る端子ブロックと、
電力調整用電子回路を有した端子モジュールであって、前記内蔵電源に代えて前記ハウジングの前記収容部に組み込まれて前記端子ブロックと接続され、外部電源との電線による接続を介して供給される電力を調整して前記端子ブロックに供給する端子モジュールと
を備えることを特徴とするワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項2】
前記端子ブロックは、取り外し可能に前記ハウジング内に固定される着脱式のモジュールであることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項3】
前記電力調整用電子回路は、整流回路を備えることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項4】
前記電力調整用電子回路は、前記端子ブロックに供給される電圧及び電流の少なくとも一方を制限することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項5】
前記電線による前記外部電源との接続は、少なくとも1つのねじ式端子によって行われることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記電線を通過させて前記収容部内に導入可能とする少なくとも1つの配線用のコンジットを備えることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項7】
前記ハウジングは、密封容器と、前記収容部を覆う着脱式カバーとを備えることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項8】
前記密封容器は、前記プロセッサの全体を覆っており、
更に、前記端子ブロックから供給される電力を、前記プロセッサ及び前記ワイヤレストランシーバに配分する電源制御部を備えることを特徴とする請求項7に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項9】
前記着脱カバーは、波形ばねを有し、
前記端子モジュールは、前記着脱式カバーを前記密封容器に取り付けたときに、前記波形ばねと接することにより、外部からの振動に抗して前記端子モジュールを保持する保持部を更に備える
ことを特徴とする請求項7に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス組立体。
【請求項10】
プロセスフィールドデバイス用の着脱式端子モジュールであって、
内蔵電源から電力を受け取る内蔵電源用端子と組み合わされるように構成されたフィールドデバイス接続部と、
外部電源から電力を受け取るように構成された電源配線接続部と、
前記フィールドデバイス接続部を介した伝送のために前記電源配線接続部から供給された電力を調整する電力調整用電子回路とを備え、
前記内蔵電源を収容して保持可能な大きさ及び形状に形成された前記プロセスフィールドデバイスの内側部分に嵌合するように構成される
ことを特徴とする着脱式端子モジュール。
【請求項11】
前記内蔵電源用端子は、単2型バッテリまたは単1型バッテリからの電力を受け取るように構成されることを特徴とする請求項10に記載の着脱式端子モジュール。
【請求項12】
前記電力調整用電子回路は、整流回路を備えることを特徴とする請求項10に記載の着脱式端子モジュール。
【請求項13】
前記電力調整用電子回路は、前記フィールドデバイス接続部を介して供給される電圧及び電流の少なくとも一方を制限することを特徴とする請求項10に記載の着脱式端子モジュール。
【請求項14】
前記電源配線接続部は、接続板に設けられた少なくとも1つのねじ式端子を備えることを特徴とする請求項10に記載の着脱式端子モジュール。
【請求項15】
前記フィールドデバイス接続部は、前記プロセスフィールドデバイスの前記内側部分に保持される着脱式端子ブロックに形成されることを特徴とする請求項10に記載の着脱式端子モジュール。
【請求項16】
トランスデューサとの間でトランスデューサ信号をやりとりするトランスデューサ接続部と、
遠隔配置されたデバイスとの間でプロセス情報をやりとりするワイヤレストランシーバと、
トランスデューサ信号及びプロセス情報を処理するプロセッサと、
前記プロセッサを収容して保護するハウジングと、
前記ハウジングと共に収容部を形成し、前記収容部が内蔵電源を収容するように構成されるカバーと、
電力調整用電子回路を有し、前記内蔵電源に代えて前記収容部に組み込まれる着脱式端子モジュールであって、電線により接続された外部電源から供給される電力を調整して、前記プロセッサ及び前記ワイヤレストランシーバに供給する着脱式端子モジュールと
を備えることを特徴とするワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項17】
前記トランスデューサ接続部は、プロセス変数を検出するプロセスセンサからのセンサ信号を受け取るセンサ接続部であることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項18】
前記トランスデューサ接続部は、アクチュエータとの間でアクチュエータ信号をやりとりするアクチュエータ接続部であることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項19】
前記着脱式端子モジュールは、電力を調整し、調整した電力を、バッテリまたはコンデンサと組み合わされるように構成された端子ブロックを介して前記プロセッサに供給することを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項20】
前記電力調整用電子回路は、整流回路を備えることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項21】
前記電力調整用電子回路は、前記フィールドデバイス接続部を介して供給される電圧及び電流の少なくとも一方を制限することを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項22】
前記ハウジング及び前記カバーのいずれかを通って前記収容部に連通する配線用の密封されたコンジットを更に備えることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【請求項23】
前記カバーは、前記内蔵電源及び前記端子モジュールの少なくとも一方を保持するように構成された波形ばねを備えることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレスプロセスフィールドデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね産業プロセスフィールドデバイスに関するものであり、具体的には、ワイヤレスプロセス変数伝送器用のモジュール式端子組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「フィールドデバイス」という用語は、圧力、温度、及び流量といった変数を計測したり制御したりする制御・監視デバイスを広範に包含するものである。多くのフィールドデバイスは、産業プロセス変数センサと、コンピュータなどの遠隔制御デバイスや遠隔監視デバイスとの間の通信中継装置として作動するトランシーバを備えている。例えば、センサの出力信号は、遠隔制御デバイスや遠隔監視デバイスと有効な通信を行うには不十分であるのが一般的である。フィールドデバイスは、センサからの信号を受け取り、この信号を長距離の通信に一層適した形式(例えば、調整された4−20mA電流ループ信号、またはワイヤレスプロトコル信号)に変換して、変換後の信号を遠隔制御デバイスや遠隔監視デバイスに送信することにより、このような問題を解消する。
【0003】
フィールドデバイスは、圧力、温度、粘度、及び流量を含む、産業プロセスにおける様々な変数を測定したり制御したりするために用いられる。別のフィールドデバイスは、バルブ、ポンプ、及びその他の産業プロセス用ハードウエアを作動させる。一般的に、それぞれのフィールドデバイスは、アクチュエータ及びセンサの少なくとも一方と、センサ信号や制御信号を受け取って処理する電子回路と、各フィールドデバイスや産業プロセス変数を遠隔地から監視できるように、処理したセンサ信号を送信する電子回路とを収容する密封容器を備えている。大規模な製造設備では、広い範囲にわたり分散配置された多くのフィールドデバイスを用いるのが一般的である。通常、これらのフィールドデバイスは、共通の制御デバイスや監視デバイスと通信を行うことにより、集中的に監視されたり、制御されたりすることができるようになっている。
【0004】
フィールドデバイスでは、集中制御システムや集中監視システムとの通信に、ワイヤレストランシーバを用いるようになりつつある。ワイヤレスデバイスにより、有線デバイスの適用範囲を超え、電線の敷設が困難であったり、安全でなかったり、または有線デバイスの設置には費用がかかったりするような場所にまで、プロセス制御システムやプロセス監視システムの適用範囲が拡大される。ワイヤレスデバイスは、交流120V商用電源といった電力設備に直接的に接続されて電力の供給を受けることがある。しかしながら、近くに電力設備がなかったり、機器やトランスデューサが作動する必要のある苛酷な場所には電力設備を容易に設置することができなかったりすることが多い。このため、フィールドデバイスは、長寿命バッテリの場合のように貯えられた電力、及びエネルギ回収装置の場合のように生成された電力のいずれかにより、容量が限られた電源から局所的に電力が供給されることが多い。例えばバッテリは、一般的に5年以上にわたる継続使用が予測され、フィールドデバイスの寿命程度まで継続して使用できることが好ましい。局所的に設けられた電源は、容量が限られているので、低電力の電子回路や高周波無線の使用が多くのワイヤレスフィールドデバイスにとって必須となる場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くのフィールドデバイスは、フィールドデバイスの密封容器の中に付属バッテリを収容している。別のフィールドデバイスでは、外部電源(例えば、近隣の電力供給網、或いは太陽電池パネル、振動発電装置、熱電発電装置といったエネルギ捕集装置)からの電力を利用する。ワイヤレスフィールドデバイスへの良好な電力供給方法は、それぞれで異なる配線用端子接続を必要とする。一部または全体がバッテリ電力で作動するフィールドデバイスは、付属バッテリとの接続点となる小型の端子ブロックを組み込むのが一般的である。この小型の端子ブロックは、フィールドデバイスの密封内部空間と、バッテリ装着箇所との間の僅かな隙間に収容される。これに対し、電力供給網を利用して作動するフィールドデバイスは、電力供給網との配線接続を行う端子ブロック(一般的にネジ止め端子を用いる)や、電力供給網からの電力をフィールドデバイスで使用できるように調整する端子ブロックを備えている。太陽電池パネルや振動エネルギ捕集装置など、別の種類の局所的な電源モジュールは、いずれも異なる端子ブロックを使用する可能性がある。更に、異なる型式のフィールドデバイスは、必ずしも互換性があるとはいえないような、異なる端子ブロックが必要となる可能性がある。例えば、第1の型式のフィールドデバイスが、バッテリの電力を受け取るための第1の端子ブロック、電力供給網からの電力を受け取るための第2の端子ブロック、及び太陽電池パネルからの電力を受け取るための第3の端子ブロックを必要とすることがありうる。また、第2の型式のフィールドデバイスが、同様のバッテリ、電力供給網、及び太陽電池パネルとの接続を行うために第4、第5、第6の端子ブロックを使用することがありうる。様々な種類の電源を利用して作動する多くの型式の異なるフィールドデバイスを介し、監視または作動が行われる複雑な産業プロセスは、種類の異なる多くの端子ブロックを用いる可能性があり、それぞれの交換用部品を備蓄しておくことは、非実用的で不便なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プロセスフィールドデバイスのバッテリ収容部分の内側に嵌合するように構成された端子モジュールに関するものである。端子モジュールは、電源配線接続部、電力調整用電子回路、及びフィールドデバイス接続部を備える。電源配線接続部は、外部電源から電力を受け取るように構成されている。電力調整用電子回路は、電源配線接続部からの電力を、プロセスフィールドデバイスで受け取ることができるように調整することができる。フィールドデバイス接続部は、バッテリを収容して当該バッテリと組み合わされるように構成された端子ブロックを介し、電力調整用電子回路が調整した電力をプロセスフィールドデバイスに供給するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ワイヤレスシステムのプロセス監視フィールドデバイスを示す斜視図である。
図2】内蔵電源で作動するように構成された、図1のプロセス監視フィールドデバイスの分解斜視図である。
図3図2のプロセス監視フィールドデバイスの端子ブロック及び内蔵電源を示す拡大分解図である。
図4図2及び図3のプロセス監視フィールドデバイスの概要を示すブロック図である。
図5】外部電源で作動するように構成された、図1のプロセス監視フィールドデバイスの分解斜視図である。
図6図5のプロセス監視フィールドデバイスの電源部分の断面図である。
図7図5及び図6のプロセス監視フィールドデバイスの概要を示すブロック図である。
図8図1のプロセス監視フィールドデバイスの代替例を示す斜視図である。
図9】内蔵電源で作動するように構成された、図8のプロセス監視フィールドデバイスの分解斜視図である。
図10】外部電源で作動するように構成された、図8のプロセス監視フィールドデバイスの分解斜視図である。
図11図10のプロセス監視フィールドデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ワイヤレスプロセス伝送器またはワイヤレスプロセスアクチュエータのためのモジュール式の端子ブロック組立体に関するものである。この端子ブロック組立体は、端子ブロック及び端子モジュールを備えており、これらはいずれも、ワイヤレス伝送器の密封容器の内側に嵌合するように構成されている。端子ブロックは、個々のワイヤレス伝送器の構成に合致するものが選択され、端子モジュールは、必要とされる電源に合致するものが選択される。端子ブロック及び端子モジュールは、フィールドデバイスで使用するために電源から電力を受け取って調整するように協働する。
【0009】
図1には、アンテナ12、プロセス接続部14、トランスデューサ16、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、及びバッテリ用カバー22を備えたフィールドデバイス10が示されている。フィールドデバイス10は、産業プロセスを監視し、アンテナ12を介して、集中制御システムまたは集中監視システム(以下、集中制御・監視システム)24にセンサ検出結果を伝送するように構成されたセンサ及びトランシーバデバイスである。集中制御・監視システム24は、例えば、現場にある設備制御室、または現場から離れたところにあるデータ保管システムに設けられたコンピュータとすることができる。フィールドデバイス10は、集中制御・監視システム24と直接、またはメッシュ型ネットワークやハブアンドスポーク型ネットワークといった、別のフィールドデバイスのワイヤレスネットワークを介して通信を行ってもよい。一部の実施形態として、フィールドデバイス10が、ワイヤレスHARTプロトコル(IEC62591)により、集中制御・監視システム24と通信を行ってもよい。これに代わる実施形態として、別のワイヤレス通信プロトコルを本発明と共に用いてもよい。
【0010】
プロセス接続部14は、バルブ、ポンプ、またはプロセス流体の流動を案内する配管などのプロセス装置との流体的な接続を行う。プロセス接続部14は、個々のプロセスへの適用や、フィールドデバイス10が計測する変数に応じ、プロセス流体の流動に対して、直列的に接続するものであってもよいし、並列的に接続するものであってもよい。プロセス接続部14は、プロセス接続部14においてプロセス流体の変数を計測する、圧力センサ、流量センサ、または粘度センサといった、プロセストランスデューサであるトランスデューサ16を収容している。図1に示すように、トランスデューサ16は、フィールドデバイス10の構成部分であり、プロセス接続部14がフィールドデバイス10を固定して支持するようになっている。これに代わる実施形態として、トランスデューサ16及びプロセス接続部14をフィールドデバイス10とは別体で設け、適切な配線または別の接続方法によりフィールドデバイス10に接続するようにしてもよい。一部の実施形態として、フィールドデバイス10が複数のトランスデューサ16を有していてもよい。
【0011】
フィールドデバイス10は、ハウジング本体18内に設けられた検出及び信号処理用電子回路を備えており、ハウジング本体18は、例えば成形樹脂からなる容器とすることができる。ハウジング本体18は、内部の電子回路を苛酷な環境から保護する。一部の実施形態として、ハウジング本体18を、2つの個別に密封された隔室を有する2室型容器としてもよい。この場合、これら2つの隔室は、信号処理及び信号調整用ハードウエアを収容して電子回路用カバー20により封止される電子回路用隔室と、電源を収容してバッテリ用カバー22により封止される電源用隔室とからなる。これに代えて、ハウジング本体18を、電源及び電子回路の両方が収容される単一の内部空間を有した単室式容器としてもよい。電子回路用カバー20及びバッテリ用カバー22も、成形樹脂の部材とすることが可能であり、ハウジング本体18と共に密封状態を形成し、収容している部品を、塵、ごみ、及び有害または危険な環境状態から保護する。
【0012】
フィールドデバイス10は、後に詳述するように、トランスデューサ16との間で信号の処理及び送受信を行う電子回路を有している。信号の処理及び送受信は、いずれもエネルギを必要とし、このエネルギは、ハウジング本体18の内部に設けられた内蔵電源(図2図4参照)、及びハウジング本体18の外部に設けられた外部電源(図5図7参照)のいずれかから供給される。適用可能な内蔵電源には、バッテリ及びコンデンサが含まれ、適用可能な外部電源には、太陽電池、商用電力供給網、及び振動発電装置または熱電発電装置といったエネルギ捕集装置が含まれる。
【0013】
図2は、内蔵電源100から電力を供給するように構成されたフィールドデバイス10の分解斜視図である。図2には、アンテナ12、プロセス接続部14、トランスデューサ16、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、バッテリ用カバー22、端子ブロック26、内壁28、電源コネクタ30、ねじ孔32、端子ブロック取付ねじ34、電源接続部36、コンジット38、フィールド配線接続部42、及び内蔵電源100が示されている。図2は、ハウジング本体18とバッテリ用カバー22とによって形成される電源用隔室の内部構成部品を示すための分解図である。別個に密封された電子回路用隔室は、後述するように、ハウジング本体18と電子回路用カバー20とによって形成され、図3に基づき後に詳述するように、信号の処理及び送受信を行う電子回路を収容する。内壁28は、電子回路用隔室を電源用隔室から隔離する不浸透性の隔壁である。
【0014】
端子ブロック26及び内蔵電源100は、ハウジング本体18とバッテリ用カバー22とによって形成される電源用隔室の中に配設される。端子ブロック26は、貫通型コネクタであり、内蔵電源100(または、図5図7に基づき後述するような別の電源)から供給される電力を、上述するように別個に密封された電子回路用隔室の中に設けられている電子回路へと中継する。内蔵電源100は、バッテリ、コンデンサ、または同等の電力貯蔵デバイスである。内蔵電源100は、信号の処理及び送受信を行う電子回路を作動させるための電力を供給する。組み付けられた状態において、バッテリ用カバー22は、内蔵電源100をぴったり覆うように装着され、内蔵電源100を端子ブロック26に押し付けて固定すると共に、端子ブロック26を内壁28に押し付けて固定する。このような押圧は、バッテリ用カバー22の内側に設けた板ばねまたは波形ばね(図6参照)によって行うようにしてもよく、フィールドデバイス10の振動により、端子ブロック26、内壁28、及び内蔵電源100が分離してしまうのを防止することができる。端子ブロック26と内蔵電源100との接続は、図3に基づき後に詳述する。
【0015】
内蔵電源100から供給される電力用の入力インターフェースに加え、端子ブロック26は、トランスデューサ16や、フィールドデバイス10内にはない別のフィールド機器からの電圧信号を受け取るためのインターフェースとして、フィールド配線接続部42を備えていてもよい。フィールド配線接続部42の詳細については、図3に基づいて後述するが、例えば、コンジット38を介し、ハウジング本体18とバッテリ用カバー22とによって形成される電源用隔室の内部に引き込まれた導電線のための、クランプ式接続端子またはねじ止め式接続端子を備えていてもよい。コンジット38は、ハウジング本体18を経由して電源用隔室内に電線を引き込むことが可能な密封通路である。
【0016】
本実施形態によれば、端子ブロック26により、内蔵電源100とフィールドデバイス10の電子回路との間の直接的な貫通接続が、電源コネクタ30及び電源接続部36を介して得られる。本実施形態において、電源コネクタ30は、内壁28から突設された導電性のピンであり、端子ブロック26から電子回路用隔室内の電子回路に電力を供給するように構成されている。電源コネクタ30は、図6に基づき後に詳述するように、端子ブロック26の裏側(図示されず)に形成された相補形状の凹部に受容されている。電源接続部36は、図3に基づき後に詳述するように、内蔵電源100から供給される電力を受け取るように構成された電気的接点を有する凹部またはスリーブである。端子ブロック26は、端子ブロック26を貫通してねじ孔32に締め付けられる端子ブロック取付ねじ34により、電源コネクタ30に接続された状態に保持される。端子ブロック26は、電力調整機能を一切有しておらず、内蔵電源100と電源コネクタ30との電気的接続のみを行うものである。別の型式のフィールドデバイス10は、異なる種類の端子ブロック26が必要となるような、別の構成または形状の電源コネクタ30を用いることができる。従って、それぞれ適切な端子ブロック26を採用することにより、様々な形態のフィールドデバイス10において、内蔵電源100を用いることが可能である。
【0017】
図3は、端子ブロック26及び内蔵電源100の一実施形態を示す分解斜視図である。図3には、電源接続部36(硬質スリーブ40を有する)、フィールド配線接続部42、仕切り壁44、接続差込部102(Oリング104、非対称体106、及び電気接続部108を有する)、及び保持リング110が示されている。上述したように、端子ブロック26は、端子ブロック取付ねじ34により内壁28に取り付けられている。内蔵電源100は、少なくとも1つのコンデンサ、バッテリ、または同等のエネルギ貯蔵デバイスを備えている。
【0018】
本実施形態に関して上述したように、端子ブロック26は、内蔵電源100から電源接続部36を介して電源コネクタ30(図2参照)に電力を導く貫通型接続部材となっている。内蔵電源100は、電源接続部36の硬質スリーブ40に嵌合する非対称体106を有した突設部材である接続差込部102を備えている。硬質スリーブ40は、非対称体106に適合する回転非対称形状のソケットとなっていることにより、端子ブロック26と内蔵電源100とが連結されているときの、端子ブロック26に対する内蔵電源100の相対回転を防止する。接続差込部102は、更に、硬質スリーブ40の内側部分に圧接するOリング104と、硬質スリーブ40内の導電性のプレートまたはピン(図示せず)に電気的に接続される電気接続部108とを備えている。
【0019】
本実施形態において、端子ブロック26は、更に、仕切り壁44によって区分された数個のフィールド配線接続部42を備えている。フィールド配線接続部42は、例えば、コンジット38(図2参照)を介し、トランスデューサ16と同等のトランスデューサといった、外部に設けられたフィールド機器まで延設される電線またはケーブルのための、クランプ式またはねじ止め式の接続端子とすることができる。このようなフィールド配線により、産業プロセス変数の検出値を示す信号が伝送される。仕切り壁44はフィールド配線接続部42を区分することにより、端子ブロック26でのフィールド配線の短絡を防止する。図4に基づき後に詳述するように、フィールド配線接続部42からの信号は、適応する電源コネクタ30を介して、信号処理用電子回路及び信号伝送用電子回路に伝送される。端子ブロック26の実施形態の全てにおいて、フィールド配線接続部42が必要となるわけではない。最も基本的な形態の場合、端子ブロック26は、内蔵電源100から供給される電力、または図5図7に基づき後述するようにして接続された外部電源から供給される電力を中継するだけの機能を有する。
【0020】
Oリング104による圧接に加え、内蔵電源100及び端子ブロック26の一部の実施形態として、内蔵電源100を端子ブロック26に固定するための、小片、差込ピン、またはその他の固定部材を備えていてもよい。図3に示すように、内蔵電源100は、バッテリ用カバー22で封止したときに、バッテリ用カバー22と結合することによって内蔵電源100を端子ブロック26と接した状態に保持するリング状隆起部である保持リング110を備えている。
【0021】
内蔵電源100は、図5図7に基づき後述するように、フィールドデバイス10を外部電源で作動させための端子モジュール300に置き換えることが可能である。端子モジュール300は、内蔵電源100に用いるのと同じ端子ブロック26に組み付け可能となっており、これにより、利用可能な電源形式の全てに対応する上で必要となる個別部品の数を低減することができる。
【0022】
図4は、内蔵電源によって作動するように構成されたフィールドデバイス10の一実施形態の概要を示すブロック図である。図4には、ハウジング内部HI、電子回路用隔室EC、電源用隔室PC、アンテナ12、トランスデューサ用のトランシーバ202、信号プロセッサ204、デジタル信号コンディショナ206、アナログ・デジタルコンバータ208、アナログ信号コンディショナ210、電源制御部212、端子ブロック26、及び内部電源100が示されている。
【0023】
ハウジング内部HIは、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、及びバッテリ用カバー22(図2参照)が形成する内部空間である。図2及び図3に示すように、ハウジング内部HIは、内壁28によって電子回路用隔室ECと電源用隔室PCとに区画されている。電子回路用隔室EC及び電源用隔室PCは、それぞれ別個に密封され、信号処理及び信号伝送のために割り当てられた容器(電子回路用隔室ECの場合)と、電力供給のために割り当てられた容器(電源用隔室PCの場合)とになる。
【0024】
本実施形態において、トランシーバ202は、アンテナ12を介して無線信号を送受信する信号送受信機である。信号プロセッサ204は、マイクロプロセッサなどの論理演算可能なデータプロセッサである。デジタル信号コンディショナ206は、デジタル化されたセンサ信号に対して作動するデジタルフィルタであり、診断プログラム、または集中制御・監視システム24からの指令に応答して、信号プロセッサ204により設定を行うことが可能なデジタルフィルタとしてもよい。デジタル信号コンディショナ206は、例えば、アナログ・デジタルコンバータ208が供給する加工前のデジタル化信号から、ノイズを除去し、即ち必要な信号を抽出するように作動することができる。アナログ・デジタルコンバータ208は、トランスデューサ16から供給されるアナログセンサ信号をデジタル化することが可能なアナログ・デジタルコンバータである。アナログ信号コンディショナ210は、例えば、トランスデューサ16から受け取った信号から、必要な1つ以上の帯域を分離するバンドパスフィルタとして機能するアナログ信号コンディショナとすることができる。電源制御部212は、電源コネクタ30を経由して端子ブロック26から電力を取り込む機能を有すると共に、電力品質や切迫した電源障害を監視するための手段として、端子ブロック26から得た電圧値を、(例えば、アナログ信号コンディショナ210を介して)信号プロセッサ204に通知する機能を有する電力伝送デバイスである。電源制御部212は、端子ブロック26を介して内蔵電源または外部電源から電力を受け取り、この電力を、必要に応じてトランシーバ202、信号プロセッサ204、デジタル信号コンディショナ206、アナログ・デジタルコンバータ208、及びアナログ信号コンディショナ210に供給するほか、フィールドデバイス10において電力で作動するあらゆる構成部品に供給する。トランスデューサ16は、図1に示すようにフィールドデバイス10の一体的部品としてもよいし、電線でアナログ信号コンディショナ210に接続される別個の外部部品としてもよい。また、トランスデューサ16も、電源制御部212から電力を受け取るようにしてもよいし、別個に電力が供給されるようにしてもよい。
【0025】
作動時には、検出した産業プロセス変数に対応してトランスデューサ16から供給されたプロセス信号を、アナログ信号コンディショナ210が受け取って濾過する。こうして濾過された信号は、アナログ・デジタルコンバータ208によってデジタル化された後、信号プロセッサ204による処理の前に、デジタル信号コンディショナ206によって更に濾過される。フィールドデバイス10の一部の実施形態として、特にトランスデューサ16からの信号が事前に整えられる場合には、デジタル信号コンディショナ206及びアナログ信号コンディショナ210のいずれか一方または両方を省略してもよい。同様に、トランスデューサ16がデジタル信号を供給する実施形態の場合、アナログ・デジタルコンバータ208は不要である。信号プロセッサ204は、整えられたデジタルプロセス信号に基づいてプロセス情報を収集し、トランシーバ202及びアンテナ12を介して、このプロセス情報を発信する。検出されたプロセス変数に加え、プロセス情報が、センサ精度、トランスデューサ16の故障状態、電源制御部212の電力状態または電圧状態、及び検出されたプロセス変数のデバイス側分析結果を示すようにしてもよい。トランシーバ202、信号プロセッサ204、デジタル信号コンディショナ206、アナログ・デジタルコンバータ208、及びアナログ信号コンディショナ210は、別個の構成部品として説明したが、一部の実施形態として、これらの部品の一部または全ての機能を、共用のマイクロプロセッサのような、共通のハードウエアで実行するようにしてもよい。また、フィールドデバイス10は、例えば、オペレータがフィールドデバイス10と直接やりとりすることができるような画面及び入力用キーの少なくとも一方を有した、ローカルオペレータ用インターフェース(図示せず)を備えていてもよい。フィールドデバイス10において電力で作動する部品と同様に、このようなローカルオペレータインターフェースも、電源制御部212から供給される電力を取り込むようにすることができる。
【0026】
フィールドデバイス10において電力で作動する部品はいずれも、電源制御部212から電力を受け取る。図4に示すように、電源制御部212は、内蔵電源100から端子ブロック26を介して電力を受け取る。これに代え、図5図7に基づき後述するように、フィールドデバイス10は、端子モジュール300を経由して外部電源から電力を受け取るように構成することが可能である。但し、いずれの場合においても、内蔵電源100との接続と同じように、端子モジュール300との接続にも同様の端子ブロック26が用いられる。このように、端子ブロック26は、内蔵式や外部のいずれの電源にも共通に使用可能であるが、フィールドデバイス10の型式毎に固有のものとしてもよい。例えば、端子ブロック26は、フィールドデバイス10の特定の型式に適合して装着されるような形状または構成を有するようにしてもよい。
【0027】
図5は、端子モジュール300を介して外部電源400から電力を取り込むように構成されたフィールドデバイス10の一実施形態を示す分解斜視図である。図5には、アンテナ12、プロセス接続部14、トランスデューサ16、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、バッテリ用カバー22、端子ブロック26、内壁28、電源コネクタ30、ねじ孔32、端子ブロック取付ねじ34、電源接続部36、コンジット38、硬質スリーブ40、端子モジュール300(ねじ式端子310及び保持リング312を有する)、及び外部電源400が示されている。外部電源400は、電力配線PWを介して端子モジュール300に接続されている。図5は、図2図4に基づき上述したような電源用隔室PCの内部構成部品を示すための分解図である。
【0028】
内蔵電源100から置き換えて用いる端子モジュール300を除き、図5に示されるいずれの構成部品も、図2に示される構成部品に一致する。アンテナ12、プロセス接続部14、トランスデューサ16、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、バッテリ用カバー22、端子ブロック26、内壁28、電源コネクタ30、ねじ孔32、端子ブロック取付ねじ34、電源接続部36、コンジット38、及び硬質スリーブ40は、いずれも図2及び図3に基づき上述したものと同じである。端子モジュール300は、内蔵電源100の代わりに、電源用隔室の内側に嵌合するように構成されたモジュール式の部品である。端子モジュール300は、外部電源400から供給される電力を受け取って調整し、外部電源400は、電力供給網、太陽電池パネル、または振動発電装置もしくは熱電発電装置といったエネルギ捕集装置など、端子モジュール300に直接的に接続可能な任意の外部電源とすることができる。
【0029】
内蔵電源100と同じく、端子モジュール300は、電源接続部36を介して端子ブロック26に取り付けられる。従って、(図3に基づき上述したように)内蔵電源100を保持して接続する場合と同様の取付機構を端子モジュール300に適用することが可能であり、これにより、フィールドデバイス10の更なる変形や構成の付加を必要とすることなく、外部から電力を受け取ることができる。内蔵電源100と同様に、端子モジュール300も、バッテリ用カバー22で端子ブロック26に押し付けて、補足的に保持するようにしてもよい。
【0030】
本実施形態では、端子モジュール300が、ねじ式端子310及び保持リング312を備えている。保持リング312は、内蔵電源100の保持リング110と同様に機能し、バッテリ用カバー22で封止したときに、バッテリカバー22に設けたばねまたはフランジと結合して、端子ブロック26への端子モジュール300の固定を補助する(図6に基づき後述)。ねじ式端子310は、電力配線PWの固定及び電気的接続を行う。電力配線PWは、外部電源400から端子モジュール300まで延設される電線またはケーブルからなる。例えば、電力配線PWは、端子モジュール300と端子ブロック26との間を通過させて、コンジット38内を通すようにしてもよい。ねじ式端子310は、電力配線PWの露出導電線を保持するように構成した導電性のねじとして示されているが、プラグ、クリップ、或いは締め金といった、本発明の主旨から逸脱することのない別の電気的接続手段に置き換えることが可能である。
【0031】
端子モジュール300は、図6に基づき後述するように、端子ブロック26で必要とされる電圧及び電流に適合させるための電力調整用電子回路を備えている。外部電源400が交流電力を供給する場合、端子ブロック26には、外部からの電力を整流する電力調整用電子回路を備えたものを選択してもよい。端子モジュール300は、その特性として、外部電源400から電力を受け取るための外部用インターフェース(ねじ式端子310の形で)と、ねじ式端子310において受け取った電力の品質を、内蔵電源100の出力に実質的に整合させることが可能な内部電力調整用電子回路との両方を提供する。このようにして、端子モジュール300により、電源制御部212や端子ブロック26の構成や作動に何ら変更を加えることなく、外部電源400をフィールドデバイス10に接続することが可能となる。端子モジュール300は外部電源400に固有のものである。種々の外部電源400は、それぞれ異なる電力調整及び異なる接続形態の少なくとも一方が必要となる場合があり、それらは端子モジュール300によって提供される。
【0032】
図6は、本実施形態による、フィールドデバイス10の6−6面(図5に示す)に沿った断面を示す断面図である。図6には、ハウジング本体18、端子ブロック26、バッテリ用カバー22、内壁28、電源コネクタ30、コンジット38、硬質スリーブ40、接触板46、接触端子48、波形ばね50、端子モジュール300、電子回路用隔室EC、及び電源用隔室PCが示されている。端子モジュール300は、上述したねじ式端子310及び保持リング312のほか、内蔵電源100の接続差込部102、Oリング104、非対称体106、及び電気接続部108とそれぞれ同様の、接続差込部302、Oリング304、非対称体306、及び電気接続部308を有している。更に、端子モジュール300は、回路基板314及びモジュール側端子316を備えている。
【0033】
端子モジュール300の接続差込部302は、内蔵電源100の接続差込部102と実質的に同じであって、同じようにして端子ブロック26と組み合わせることができるようになっている。図2図4に基づき上述したように、端子ブロック26は、内蔵電源100や端子モジュール300などの接続された部品から、電源コネクタ30へと電力を伝達する貫通型部材である。端子ブロック26は、電源コネクタ30を受け止めて、電源コネクタ30のそれぞれを、内蔵電源100または端子モジュール300といった、適切な電力供給源と、フィールド配線接続部42(図2及び図3参照)に接続されているフィールドデバイスとに接続する、回路基板またはプリント基板からなる接触板46を備える。更に、端子ブロック26は、電気接続部308を介して端子モジュール300と電気的に接続されるか、または電気接続部108を介して内蔵電源100と電気的に接続される接触端子48を備える。
【0034】
本実施形態において、非対称体306は、内蔵電源100の非対称体106と同様に硬質スリーブ40に嵌合し、Oリング304で圧接することより同様に保持される。バッテリ用カバー22と端子モジュール300との間には、波形ばね50が保持されており、このようなばねがないと端子モジュール300が端子ブロック26から離脱する可能性のあるような振動が生じても、端子モジュール300を端子ブロック26に結合した状態に保持するのを補助する。図3及び図4には波形ばね50が示されていないが、内蔵電源100を保持するために波形ばね50を同様に用いることが可能である。
【0035】
端子モジュール300のねじ式端子310は、回路基板314に取り付けられている。回路基板314は、ねじ式端子310に接続された電力配線PWから、モジュール側端子316を介し、電気接続部308に電力を伝達する。電力配線PWは、ねじ式端子310に取り付けられ、例えば、端子モジュール300の下方から、端子モジュール300と端子ブロック26との間を通って、コンジット38から外方に出して外部電源400まで延設するようにしてもよい。更に、回路基板314は、端子モジュール300の電気接続部308における電圧を、内蔵電源100の電気接続部108における電圧と合致させることが可能な電力調整用電子回路を備えている。従って、回路基板314は、外部電源400に適合するような、電流保護または過電圧保護回路、及び整流回路の少なくとも一方といった、電圧調整用の電子回路を備えていてもよい。回路基板314に設けられる個々の電圧調整用電子回路は、外部電源400の特性に対応したものとなる(例えば、外部電源400が交流電力を供給する場合、回路基板314は整流回路のみを有する)。このように、端子モジュール300は、個々の外部電源400、または外部電源400の等級に固有のものとするのが好ましい。所望の外部電源400に対し、これに対応する端子モジュール300を選択してフィールドデバイス10を構成することが可能である。一部の実施形態として、単一の端子モジュール300を異なる種類の複数の外部電源400に接続可能として、電力を得るようにしてもよい。
【0036】
図7は、外部電源によって作動するように構成されたフィールドデバイス10の概要を示すブロック図である。図7に示す構成は、内蔵電源100が端子モジュール300に置き換えられる点を除いて、図4に示した構成と同一である。図7には、ハウジング内部HI、電子回路用隔室EC、電源用隔室PC、アンテナ12、トランスデューサ用のトランシーバ202、信号プロセッサ204、デジタル信号コンディショナ206、アナログ・デジタルコンバータ208、アナログ信号コンディショナ210、電源制御部212、端子ブロック26、並びにねじ式端子310及び回路基板314を有した端子モジュール300が示されている。図6に基づいて上述したように、ねじ式端子310により、外部電源400から延設される電力配線PWの固定と電気的な接続が得られる。
【0037】
上述したように、外部電源400は、電力供給網、太陽電池パネル、及び振動発電装置または熱電発電装置といったエネルギ捕集装置を含む広範な種類の外部電源の中から選択することが可能である。端子モジュール300は、使用する外部電源400のそれぞれに対応し、内蔵電源100と実質的に同じ出力電圧を得て端子ブロック26で受け取るように、外部電源400から供給される電力を調整するべく選択される。
【0038】
端子モジュール300及び端子ブロック26が協働することにより、様々な電源が用いられる複数の型式のフィールドデバイスに電力を供給するためのシステムで使用される異なる種類の部品の数が低減する。フィールドデバイスと電源との組み合わせ毎に個別の端子ブロックを適用するような従来のシステムでは、Nを異なる型式のフィールドデバイスの数とし、Mを異なる種類の電源の数とすると、N×M個の異なる端子ブロックが必要となる。端子ブロック26と組み合わせて端子モジュール300を用いることにより、本発明では、その数をN+M個に低減することができる。例えば、4つの型式のフィールドデバイスが3種類の電源で作動するシステムの場合、従来は12個の異なる端子ブロックを用いることになるのに対し、本発明では7個の異なる部品のみ、即ち4個の端子ブロック26の交換と、3個の端子モジュール300の交換のみが必要となる。
【0039】
図8は、フィールドデバイス10(図1参照)の代替例であるフィールドデバイス10bを示す斜視図である。フィールドデバイス10bは、アンテナ12b、プロセス接続部14b、トランスデューサ16b、ハウジング本体18b、電子回路用カバー20b、及びバッテリ用カバー22bを備えており、これらはいずれも、図1に基づき上述したそれぞれの対応部品(アンテナ12、プロセス接続部14、トランスデューサ16、ハウジング本体18、電子回路用カバー20、及びバッテリ用カバー22)と同様に機能する。フィールドデバイス10とは異なり、フィールドデバイス10bは、ハウジング本体18を通過して電源用隔室内にケーブルを導入可能とするようなコンジット38に相当するものを備えていない。そこで、外部電源でフィールドデバイス10bを作動させるため、バッテリ用カバー22に代えて、図10及び図11に基づき後述するように、ケーブル用のコンジットを有した異形のバッテリ用カバー22cが用いられる。
【0040】
図9は、上述した図2と同じく、内蔵電源で作動するように構成されたフィールドデバイス10bの分解斜視図である。図9には、アンテナ12b、プロセス接続部14b、トランスデューサ16b、ハウジング本体18b、電子回路用カバー20b、バッテリ用カバー22b、及び内蔵電源100bが示されている。内蔵電源100bは、フィールドデバイス10bの専用に構成された部品とはせずに、例えば、単2型バッテリまたは単1型バッテリとしてもよい。ハウジング本体18bとバッテリ用カバー22bとにより、図示するような電源用隔室PCが形成される。電源用隔室PCは、内蔵電源100bを収容する大きさとなっている。フィールドデバイス10とは異なり、フィールドデバイス10bは、電源用隔室PC内に設ける別体の端子ブロック26を用いていない。内蔵電源100bは、電源用隔室PCの後部にある電気的接点(図9及び図11には示さず)に直接接している。一般的な単2型バッテリ及び単1型バッテリの限られた寿命により、フィールドデバイス10に比べ、フィールドデバイス10bの適用対象が、より低電力消費となるものに制限されたり、内蔵電源100bの交換が、より頻繁に必要となったりする可能性がある。
【0041】
図10は、上述した図5と同じく、外部電源により作動するように構成されたフィールドデバイス10bの分解斜視図である。図10には、アンテナ12b、プロセス接続部14b、トランスデューサ16b、ハウジング本体18b、電子回路用カバー20b、バッテリ用カバー22c、端子モジュール300b、コンジット38b、コンジット用アダプタ52、ねじ式端子310b、配線用通路318、外部電源400、電力配線PW、及び電源用隔室PCが示されている。アンテナ12b、プロセス接続部14b、トランスデューサ16b、ハウジング本体18b、及び電子回路用カバー20bは、図9に基づき上述したものと同じであり、フィールドデバイス10においてこれらに対応する部品(図2図7に基づき上述)と同様のものである。電源用隔室PC内の内蔵電源100bが端子モジュール300bに置き換えられ、従って、端子モジュール300bは、一般的な単2型バッテリまたは単1型バッテリと同様の大きさを有する。端子モジュール300bは、フィールドデバイス10における端子モジュール300のねじ式端子310と同様のねじ式端子310bを備えている。ねじ式端子310bにより、電力配線PWの固定及び電気的接続が行われる。電力配線PWは、ねじ式端子310bから、配線用通路318、コンジット38b、及びコンジット用アダプタ52を通り、外部電源400まで延設される。外部電源400には、図5図7に基づき上述したように、12Vまたは24V直流のローカル電力供給網、太陽電池パネル、または振動発電装置もしくは熱電発電装置といったエネルギ捕集装置のような、任意の適切なローカル電源を適用することが可能である。
【0042】
本実施形態において、バッテリ用カバー22cは、バッテリ用カバー22b(図8及び図9参照)と大部分が同じであるが、電源用隔室PCと外部とを連通する密封通路となるコンジット38bを備えている。端子モジュール300bは、電源用隔室PCから電力配線PWを引き出せるようにコンジット38bと同一軸線上に配設された開口である配線用通路318を備えている。配線用通路318及びコンジット38bにより、ねじ式端子310bと外部電源400との間に延設される電力配線PWのための経路が得られる。コンジット用アダプタ52は、バッテリ用カバー22cに係合すると共に、バッテリ用カバー22cに対して相対回転可能な電力配線PW用ケーブルガイドであって、バッテリ用カバー22cを締め付けたり緩めたりすることなく、外部のコンジット配管に固定することが可能となっている。
【0043】
上述したように、フィールドデバイス10bは、電源用隔室PC内に別体の端子ブロック26を収容していない。端子モジュール300bは、内蔵電源100bで使用するバッテリ接続機構と同じ接続機構との接続を行う(後述、図11参照)。端子モジュール300bにより、フィールドデバイス10bは、内蔵電源100b以外の電源から電力の供給を受けることが可能となる。例えば、端子モジュール300bが単2型バッテリに対応するように構成されている場合、端子モジュール300bにより、フィールドデバイス10bは、太陽電池パネルもしくは上述したようなエネルギ捕集装置から受け取ったり、単一の単2型バッテリを上回るバッテリ寿命を確保するための外部バッテリパックから電力を受け取ったりすることが可能となる。
【0044】
図11は、図10における11−11面に沿ったフィールドデバイス10bの断面を示す断面図である。図11には、アンテナ12b、プロセス接続部14b、トランスデューサ16b、ハウジング本体18b、電子回路用カバー20b、バッテリ用カバー22c、内壁28b、電力端子54、端子モジュール300b、コンジット38b、コンジット用アダプタ52、ねじ式端子310b、配線用通路318、電力配線PW、及び電源用隔室PCが示されている。
【0045】
内壁28bは、フィールドデバイス10の内壁28と同様の不浸透性の壁であり、電源用隔室PCを電子回路用隔室ECから隔離している。図9及び図10に基づき上述したように、電源用隔室PCは、それぞれ実質的に同じ大きさの内蔵電源100bや端子モジュール300bを収容可能な大きさとなっている。例えば、内蔵電源100bは、一般的な単2型バッテリまたは単1型バッテリであってもよく、これに対応して、電源用隔室PCは、使用するバッテリに相当する大きさを有している。電子回路用隔室ECは、図4図7に基づいて上述したものと実質的に同様に、信号の送受信及び処理を行う電子回路(図示せず)を収容する。
【0046】
上述したように、端子モジュール300bが内蔵電源100bに代えて用いられ、端子モジュール300bは、配線用通路318、バッテリ用カバー22cのコンジット38bと、コンジット用アダプタ52とを通って延設される電力配線PWのためのねじ式端子310bを有している。更に、端子モジュール300bは、外部からの電力を内蔵電源100の出力に整合させることが可能な、整流回路及び電流保護または過電圧保護回路といった電力調整用回路を備えている。端子モジュール300bは、電力端子54にて受け止められ、この電力端子54は、内壁28bを貫通して延設され、端子モジュール300bまたは内蔵電源100bから電子回路用隔室EC内の電子回路に電力を伝達する導電性の電極となっている。端子モジュール300bは、使用する外部電源400に対して適切な電力調整が行われるように選択され、これにより、内蔵電源100bのような内蔵電源によって電力が供給されるか、或いは端子モジュール300bを介して外部電源から電力が供給されるかにかかわらず、フィールドデバイス10bが同様に作動することが可能となる。
【0047】
本発明は、内蔵電源100及び100bの代替品として、端子モジュール300及び300bを備えている。端子モジュール300及び300bは、端子ブロック26または電力端子54で受け取ることができるように、外部電源400から供給される電力を受け取って調整する。このようにして、端子モジュール300及び300bにより、端子ブロックを甚だしく多様化することなく、必要に応じて内蔵電源及び外部電源のいずれかを適用できるように、迅速且つ容易にフィールドデバイス10及び10bを構成することが可能となる。端子ブロック26の接続形態が異なるN個のフィールドデバイス10と、電力調整の要件が異なるM個の外部電源とについて、本発明の端子組立体を適用した設備では、最大でN+M個の異なる部品、即ちN個の端子ブロック及びM個の端子モジュールが必要となる。適用対象のいくつかでは、単一の端子モジュールを複数の外部電源に適用することが可能であり、必要となる部品点数をN+M個より少なくすることができる。これに対し、フィールドデバイスと電源との組み合わせ毎に専用の端子ブロックを用いる従来のシステムでは、N×M個の異なる種類の端子ブロックが必要となることがある。また、本発明は、電力調整用のハードウエアを、コンパクトに端子モジュール300及び300b内にまとめることにより、これらの構成部品を電源用隔室内で保護することができる。端子モジュール300及び300bは、内蔵電源100及び100bに代えて、電源用隔室PCの中にぴったり収まるような大きさ及び形状を有している。
【0048】
具体的な実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であると共に、均等物で本発明の各構成要素を置き換えることが可能であることが当業者に理解されよう。また、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況やものを本発明の教示に適合させるためのさまざまな変形が可能である。従って、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての態様を含むものである。
図1
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図5
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図11