(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6166807
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】管理帳
(51)【国際特許分類】
B42D 3/14 20060101AFI20170710BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
B42D3/14 B
B42D15/00 301D
B42D15/00 301A
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-17774(P2016-17774)
(22)【出願日】2016年2月2日
【審査請求日】2017年2月28日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物名]2016年度版『ダブルスケジュ−ルダイアリ−』発売 [掲載年月日]2015年8月4日 [掲載アドレス] http://www.designphil.co.jp/press/web2015/150804_dsdiary.html
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591046179
【氏名又は名称】株式会社デザインフィル
(74)【代理人】
【識別番号】100162961
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100146927
【弁理士】
【氏名又は名称】船越 巧子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木繁幸
【審査官】
櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−043179(JP,U)
【文献】
特開平08−131665(JP,A)
【文献】
特開2000−310941(JP,A)
【文献】
実開昭58−155250(JP,U)
【文献】
実開昭56−110963(JP,U)
【文献】
実開昭49−116213(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0147178(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 3/14
15/00
B42F21/02
21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に書込み用の罫線またはマス目が印刷された見開き2ページを一葉とする管理帳であって、当該一葉の左右側縁部に切欠き区画を有し、前葉の切欠き区画と後葉の切欠き区画は点対称に配置された配列をなし、当該配列が繰り返されてつづられた本体を有する、差し替え不能または可能な管理帳において、前葉の当該切欠き区画は、上端または下端のいずれか一方から切り取られた長方形状または直角台形状をなし、その上辺の長さは当該側縁部の全長の半分よりも短く、前葉の当該切欠き区画に対応する後葉の側縁部には、前葉の当該切欠き区画を覆い隠す長方形状または直角台形状のパターンが印刷され、その上辺の長さは当該側縁部の全長の半分よりも短くした彩色区画が設けられ、かつ、前葉の当該彩色区画と後葉の当該彩色区画の色彩が異なり、しかも、当該切欠き区画と当該彩色区画とから残された当該側縁部の中央部分に地色インデックスを形成した
ことを特徴とする管理帳。
【請求項2】
管理帳のおもて表紙の幅が前記本体の幅よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項3】
前葉および後葉の前記彩色区画が暖色または寒色および寒色または暖色であることを特徴とする請求項1に記載の管理帳
【請求項4】
各葉の前記彩色区画が点対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項5】
前記地色インデックスの先端箇所が等脚台形状であることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項6】
前記地色インデックスが当該彩色区画の色彩よりも淡い同系統の色彩によって印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項7】
前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項8】
前記側縁部の左側と前記本体部が縦書きの連続算用数字によって区分けされていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項9】
前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされ、かつ、管理帳のおもて表紙の幅が前記本体の幅よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項10】
前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされ、かつ、前記側縁部の左側と前記本体部が縦書きの連続算用数字によって区分けされていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【請求項11】
前記本体部に月間カレンダーとメモ欄が印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の管理帳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類の予定を1冊に書き込むことができる薄型の管理帳、特にスケジュール管理に適した管理帳に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、項目欄を色分けしたり、黒色で下地模様を付けたり、ページごとに切り欠いたり、あるいは、これらを組み合わせて地図や案内書や辞書などを見やすくしたり、めくりやすくしたりすることが行われていた。例えば、「表紙面の一端部に表題を表示した項目欄を設けてそのそれぞれのすべてを異なった色に着色してなるカード版と、一端部に表題を表示した項目欄を設けてその特定の表題が表示された一つの頃目欄のみを前記の表紙の特定の表題を表示した項目欄の色とそれぞれ一致させて着色した複数のカード版とからなり、前記のそれぞれのカード版を抜き差し自在に綴じ込みができるようにしたことを特徴とする色別索引旅行案内カード版」が知られている(実開昭50−113532号公報(後述する特許文献1))。
【0003】
また、「見聞き毎に一週間単位の日付欄と、それに見合う公務及び私用欄を設けるとともに、上記各見聞きベージの少なくとも一側の小口側縁部に月別の色見出しを着色・印刷したことを特徴とする携帯用日記帳」が知られている(実開昭60−105172号公報)。これは、見聞き毎に一週間単位の日付欄と、それに見合う業務その他仕事上の予定等を記入する公務欄と仕事以外の事項を記入する私用欄とを区別するとともに、上記各見聞きベージの少なくとも−側の小口側縁部に月別の色見出しを着色したことによって、日記帳の小口全面を月別に色分けし、一回で所望の月が検索出来るようにしたものである。
【0004】
同様に、「ページの縁に印となる検索窪みまたは、検索色付けを設け,かつ、ページ毎にページ間の指標を設けた地図帳」が知られ(実開平6−36072号公報(後述する特許文献2))、また、特開2006―297884号公報の
図4には、5音の占める頁幅を黒色と無色とで区別した実施例が図示されている。
【0005】
また、「複数枚重ねられた同形状の紙などを、1枚づつ順次めくったり、分断したりするために、各葉の一端に切り込みを設け、しかも、それらの切り込みが、それぞれ、前葉と後葉において重複しないよう特に配慮された一連の切り込み」を設けた本が開示されている(特開昭59−227496号公報(後述する特許文献3))。同様に、紙面のふちを異なる位置で切り抜いた2種類の紙を交互に配列してページをめくりやすくした本も知られている(実開昭60−41270号公報)。
【0006】
また、特開平8−131665号公報(後述する特許文献4)には、「製本用紙片における小口側に位置されることとなる側縁部分が一部残るように不要な側縁の一定幅部分を切欠してなる第1の側縁残有紙片と、不要な側縁の一定幅部分を切欠することにより形成される側縁残有部が該第1の側縁残有紙片の側縁残有部より順次段階的に長く全部残るまで形成されるようにした第2、3、・・・の各側縁残有紙片とを順次綴り合わせたものを一組とし、これらを数組併せるとともに各組の同一紙片毎に関連性の有する絵等を記し、さらに各組の間に側縁部分が全部切欠されてなる組間紙片を挿置してなることを特徴とする一定頁毎めくり多作品収集絵本」が開示され、一頁毎順番どおりに紙片をめくることからもたらされる静的な視覚的変化だけでなく、一定頁毎とばしてめくることにより動的な視覚的変化をも楽しむことが出来、従来の絵本にはない新たな感覚に働きかける興味深いものとすることができるものも知られている。
【0007】
上記の従来技術を勘案すると、これまでの切り込みによる表示は、切り込み箇所のページと切込みによって見える次のページを表示することが可能であった。すなわち、交互切欠きを設けた冊子において最初の切欠き箇所を押さえて各葉のページをめくった場合と次の切欠き箇所を押さえて各葉のページをめくった場合とで異なる色分け表示をすることが可能である。
【0008】
しかしながら、上記の従来技術から、交互切欠きを設けた冊子においては視覚的に二色の色使いしか表現できなかった。このため、交互切欠きを設けた冊子において非切込み箇所を押さえてページをめくった場合、機能的には連続してページをめくることは可能である。しかし、これまでの手帳等は連続的にページをめくる第3のインデックスがないため、境界部があいまいとなっていた。特に、連続してページをめくりたい場合には、記憶または手の間隔に頼って連続的にページをめくっていた。このため視覚的に異なる色彩が交互に表れ、視覚イメージと記憶イメージまたは触覚イメージとが頭の中でうまく整理できず、使い勝手が悪いという課題があった。
【0009】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭50−113532号公報
【特許文献2】実開平6−36072号公報
【特許文献3】特開昭59−227496号公報
【特許文献4】特開平8−131665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたものであり、連続的にページをめくる第3のインデックスを管理帳の中央部に設けることにより、手の触覚イメージと視覚イメージを統一させて違和感を解消させた管理帳を提供することを目的とする。また、本発明は、中央部の第3のインデックスにより上部のインデックスと下部のインデックスが分断した管理帳を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ページをめくらなくても3種類のインデックスの場所を視認することができる管理帳を提供することを目的とする。特に、本発明は、管理帳の左右側縁部の中央部分の地色インデックスに両側が切り取られた第3のインデックスがあるかのように視覚的に認知させることによって、公私のスケジュールやお金の収支のスケジュールや下書きと清書、計算と結果等のスケジュールが月別・週別に分別管理できる管理帳を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の管理帳は、本体部に書込み用の罫線またはマス目が印刷された見開き2ページを一葉とする管理帳であって、当該一葉の左右側縁部に切欠き区画を有し、前葉の切欠き区画と後葉の切欠き区画は点対称に配置された配列をなし、当該配列が繰り返されてつづられた本体を有する、差し替え不能または可能な管理帳において、前葉の当該切欠き区画は、上端または下端のいずれか一方から切り取られた長方形状または直角台形状をなし、その上辺の長さは当該側縁部の全長の半分よりも短く、前葉の当該切欠き区画に対応する後葉の側縁部には、前葉の当該切欠き区画を覆い隠す長方形状または直角台形状のパターンが印刷され、その上辺の長さは当該側縁部の全長の半分よりも短くした彩色区画が設けられ、かつ、前葉の当該彩色区画と後葉の当該彩色区画の色彩が異なり、しかも、当該切欠き区画と当該彩色区画とから残された当該側縁部の中央部分に地色インデックスを形成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の好ましい実施態様は以下のとおりである。
管理帳のおもて表紙の幅が前記本体の幅よりも短いことが好ましい。また、前葉および後葉の前記彩色区画が暖色または寒色および寒色または暖色であることが好ましい。また、各葉の前記彩色区画が点対称に配置されていることが好ましい。また、前記地色インデックスの先端箇所が等脚台形状であることが好ましい。また、前記地色インデックスが当該彩色区画の色彩よりも淡い同系統の色彩によって印刷されていることが好ましい。
【0014】
また、前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされていることが好ましい。また、前記側縁部の左側と前記本体部が縦書きの連続算用数字によって区分けされていることが好ましい。さらに、前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされ、かつ、管理帳のおもて表紙の幅が前記本体の幅よりも短いことがより好ましい。さらに、前記本体部の右端部分が前記彩色区画よりも薄い色で印刷された薄色パターンによって区分けされ、かつ、前記側縁部の左側と前記本体部が縦書きの連続算用数字によって区分けされていることがより好ましい。
【0015】
また、前記本体部に月間カレンダーとメモ欄が印刷されていることが好ましい。さらに、前記本体部に月間カレンダーとメモ欄が印刷されていることと上記実施態様を単数または複数で組み合わせることがより好ましい。
【0016】
本発明において、側縁部の地色インデックスは切欠き区画と彩色区画とから構成される。地色インデックスの先端面は、切欠き区画の底辺の長さと彩色区画の底辺の長さの和を側縁部の長さから引き算したものになる。この引き算が正の場合、地色インデックスの先端面は側縁部の外周面と一致するので好ましい。また、地色インデックスの先端面の長さは10〜40mmの範囲がより好ましい。右親指などでめくりやすくするためである。
【0017】
他方、切欠き区画と彩色区画のパターンは直角台形状が好ましい。地色インデックスの先端面を上下対称の末広がり形状にして第3のインデックスの領域を明瞭にするためである。なお、ここで、直角台形状というのは数学的な直角台形をいうのではなく、辺と辺の交点に丸みを持たしたり、辺が1mm前後の範囲で湾曲したり、1mm以下の範囲で平行線からずれたりなどして変形したものまでも含める趣旨である。すなわち、地色インデックスの先端箇所が等脚台形状であるように見せるため、直角台形状というのは一見して直角台形状と認識される範囲をいう。
【0018】
たとえば、切欠き区画の直角台形状が彩色区画の直角台形状パターンの半分の高さであっても、半透明性の薄紙を用いると、切欠き区画の直角台形状の高さが透けてみえる後葉の彩色区画の直角台形状パターンの高さと認識するからである。このため地色インデックスが当該彩色区画の色彩よりも淡い同系統の色彩によって印刷されていることが好ましい。すなわち、地色インデックスも当該彩色区画の色彩と異なる色彩を付すことができる。
【0019】
このような側縁部の地色インデックスを形成すると、管理帳本体の腹表紙は上下部の切欠き区画の色彩と地色インデックスの色彩の3種類で構成される。また、本発明において、前葉および後葉の前記彩色区画が暖色または寒色および寒色または暖色であることとしたのは、例えば、上部の切欠き区画の色彩を暖色とした場合は下部の切欠き区画の色彩を寒色にするという意味である。
【0020】
本発明において、管理帳のおもて表紙の幅が前記本体の幅よりも短いこととするのは、手帳を開かなくても3種類のインデックスを視認できるようにするためである。特に中央部分に地色インデックスを等脚台形状に形成すると、説明が無くても全ページを開くことができることがわかる。表紙には透明のプラスチックカバーをかけることにより手帳全体を所定サイズの外形にすることができる。おもて表紙の幅は本体の幅よりも通常は0.5ミリから2.3ミリ程度短いことが好ましい。
【0021】
また、本発明において、各葉の前記彩色区画が点対称に配置されていることとしたのは、おもて表紙からも3種類の色彩がみえるようにするほか、2ページを開いたときの両側縁部に点対称の3種類の色彩が配置されているようにするためである。より好ましくは、書込み用の罫線またはマス目が印刷された本体部の色彩が前記彩色区画の色彩と同系統の薄い色彩で構成されていることが望ましい。例えば、彩色区画の色彩が青い海色の場合、本体部の月間カレンダーの日曜日および祝日欄の色彩を淡い空色にしたり、彩色区画の色彩が濃い小豆色の場合、本体部の月間カレンダーの日曜日および祝日欄の色彩を淡い桜色にしたりすることがより好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、1冊の管理帳本体の腹表紙に3種類の色彩が施されているので、手の触覚イメージと視覚イメージとが統一されて3種類の箇所がきちんと区分けされる効果がある。特に使用頻度が多い2種類の箇所のいずれかを指ですぐに抑えることができ、素早い検索ができる効果がある。よって、公私のスケジュールやお金の収支のスケジュールや下書きと清書、計算と結果等のスケジュールが月別・週別・日別の目的に合わせて簡単に分別管理できる。また、おもて表紙から3種類の色彩を識別することができるとともに、腹表紙からも3種類の色彩を識別することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る閉じた状態の管理帳である。
【
図2】本発明の実施形態に係る開いた状態の前葉の管理帳である。
【
図3】本発明の実施形態に係る開いた状態の後葉の管理帳である。
【
図4】本発明の他の実施形態に係る開いた状態の後葉の家計簿である
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1〜
図4は、本発明の実施形態の一つに係る見開き2ページをA4サイズの一葉とする手帳である。
図1は閉じた状態の手帳(100)からおもて表紙(101)がずれて中身が見えるようにした状態を示し、
図2、
図3および
図4は開いた状態の前葉の公的予定表(200)、後葉の私的予定表(300)および後葉の家計簿(400)を示す。
【0025】
図1に示す手帳(100)のおもて表紙(101)は、以下の予定表の幅よりも幅が2mm短くなっている。このためおもて表紙(101)をめくらなくても、
図1に示すように、上部には上部彩色区画(102)が見え、下部切欠き区画(103)から下部彩色区画(104)が見え、紙が透けて次葉の印刷パターン(105)が見える。さらに手帳(100)の中央部には両彩色区画(102、104)から浮き上がった地色インデックス(106)を視認することができる。
【0026】
図2に示すように、見開き2ページが開かれた状態にある前葉の公的予定表(200)は、その本体部分にメモ書き可能な7列5段の週別のカレンダー(201)、メモ書き不能な週別のカレンダー(202)およびメモ書き可能な縦書きのカレンダー(203)が所定位置に配列されている。メモ書き不能な週別のカレンダー(202)は、翌月のカレンダーを印刷したものである。
【0027】
この連続数字が縦に並んだ縦書きのカレンダー(203)は左側縁部(204)を区画している。また、週別のカレンダー(201)およびメモ書き可能な縦書きのカレンダー(203)の日曜日欄(205)と祝日欄(206)は薄い桃色で配色され、この見開き2ページは暖色で表現されている。週別のカレンダー(201)の日曜日欄(205)は右端列に配置されるので、右側縁部(207)を区画している。
【0028】
なお、左下切欠き区画(209)は、前々ページの彩色区画に印刷された濃い青色が直接視認されるとともに、紙の地色を透かして濃い青色の直角台形状のパターンがうっすら透けてみえる。このため桃色の直角台形パターンと同一面積の青色の直角台形パターンがあるかのようにみえて落ち着きを与える。
【0029】
左側縁部(204)には、上方に桃色の直角台形パターンが印刷された左上彩色区画(208)があり、下方に直角台形が切り取られた左下切欠き区画(209)がある。左下切欠き区画(209)の直角台形は左上彩色区画(208)の直角台形よりも小さくなっている。左側縁部(204)から左上彩色区画(208)と左下切欠き区画(209)を除いた中央部分が左地色インデックス(210)となる。
【0030】
右側縁部(207)は、左側縁部(204)と点対象に配置されており、左側縁部(204)と同様にして、右上切欠き区画(211)、右下彩色区画(212)および右地色インデックス(213)から構成される。よって、左地色インデックス(210)と右地色インデックス(213)とは中央部分の同じ位置にある
【0031】
図3に示すように、見開き2ページが開かれた状態にある後葉の私的予定表(300)は、前葉の公的予定表(200)の続面となり、青色系統の色彩で彩色される。すなわち、その本体部分にメモ書き可能な週別のカレンダー(301)、メモ書き不能な週別のカレンダー(302)およびメモ書き可能な縦書きのカレンダー(303)が所定位置に配列されている。また、週別のカレンダー(301)の日曜日欄(304)と祝日欄(305)は両彩色区画の色彩と同系統の薄い青色の色彩で配色されている。
【0032】
左側縁部(306)には、下方に青色の直角台形パターンが印刷された左下彩色区画(307)があり、上方に直角台形が切り取られた左上切欠き区画(308)がある。左側縁部(306)から左下彩色区画(307)と左上切欠き区画(308)を除いた中央部分が左地色インデックス(309)となる。
【0033】
右側縁部(310)は、左側縁部(306)と点対象に配置されており、右下切欠き区画(311)、右上彩色区画(312)および右地色インデックス(313)から構成される。よって、左地色インデックス(309)と右地色インデックス(313)とは、前葉の左地色インデックス(210)と右地色インデックス(213)と同様に、いつも中央部分の同じ位置にある。
【0034】
本発明の他の実施形態は、見開き2ページをA5サイズの一葉とする家計簿(400)である。おもて表紙は、
図1に示すおもて表紙(101)と同様であり、以下の予定表の幅よりも幅が1mm短くなっている。見開き2ページが開かれた状態にある前葉の公的予定表は、
図2に示すものと同様であるが、
図3に示す後葉の私的予定表(300)が
図4に示す家計簿(400)となる。これを
図4に基づいて以下に説明する。
【0035】
図4に示すように、見開き2ページが開かれた状態にある後葉の家計簿(400)は、
図2に示す前葉の公的予定表(200)の続面となり、青色系統の色彩で彩色される。その本体部分には、メモ横書き可能な数字が縦に並んだ縦書きカレンダー(401)およびひと月の収支欄(402)が所定位置に配列されている。この収支欄(402)の日曜日欄(403〜406)と祝日欄(407)は両彩色区画の色彩と同系統の薄い青色の色彩で配色されている。
【0036】
左側縁部(408)には、下方に青色の直角台形パターンが印刷された左下彩色区画(409)があり、上方に直角台形が切り取られた左上切欠き区画(410)がある。左側縁部(408)から左下彩色区画(409)と左上切欠き区画(410)を除いた中央部分が左地色インデックス(411)となる。
【0037】
右側縁部(412)は、左側縁部(408)と点対象に配置されており、右下切欠き区画(413)、右上彩色区画(414)および右地色インデックス(415)から構成される。よって、左地色インデックス(411)と右地色インデックス(415)とは、
図2の前葉の左地色インデックス(210)と右地色インデックス(213)と同様に、いつも中央部分の同じ位置にある。
【0038】
左地色インデックス(411)と右地色インデックス(415)は、
図3の左地色インデックス(309)と右地色インデックス(313)と異なり、極薄の青色で配色されている。同様に、本体部分の縦書きカレンダー(401)およびひと月の収支欄(402)の周囲も同色の極薄の青色で配色されている。よって、左上切欠き区画(410)と右下切欠き区画(413)から覗かれる桃色直角台形の高さは左下彩色区画(409)と右上彩色区画(414)の青色直角台形の高さより短くなり、前々ページと次々ページの桃色直角台形が透けてみえることはない。このため
図4に示す見開き2ページの後葉の家計簿は、家計を引き締める心理的効果が働くようになっている。
【0039】
上記の実施態様の説明から明らかなように、1冊の管理帳または家計簿の本体の腹表紙(背表紙と反対側の部分)に3種類の色彩が施されているので、3種類の箇所がきちんと区分けできることがわかる。また、地色インデックスは中央部分に固定されるので、目移りがせず、手の触覚イメージと視覚イメージとが統一されることがわかる。このためページを開かなくても、上下の色彩が明瞭に識別できるので、指ですぐに抑えることができ、だれでも間違えることなく、素早い検索ができることがわかる。また、通常の手帳や日記帳や出納帳のように公私のスケジュールやお金の収支のスケジュールや下書きと清書、計算と結果等のスケジュールが月別・週別・日別の目的に合わせて簡単に分別管理できることもわかる。
【0040】
本発明における管理帳は、月別または週別の手帳、スケジュール帳、日替わり日記帳、家計簿などの用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100:閉じた状態の手帳
101:おもて表紙
200:前葉の公的予定表
204:前葉の左側縁部
207:前葉の右側縁部
208:前葉の左上彩色区画
209:前葉の左下切欠き区画
210:前葉の左地色インデックス
211:前葉の右上切欠き区画
212:前葉の右下彩色区画
213:前葉の右地色インデックス
300:後葉の私的予定表
306:後葉の左側縁部
307:後葉の左下彩色区画
308:後葉の左上切欠き区画
309:後葉の左地色インデックス
310:後葉の右側縁部
311:後葉の右下切欠き区画
312:後葉の右上彩色区画
313:後葉の右地色インデックス
400:後葉の家計簿
408:家計簿の左側縁部
409:家計簿の左下彩色区画
410:家計簿の左上切欠き区画
411:家計簿の左地色インデックス
412:家計簿の右側縁部
413:家計簿の右下切欠き区画
414:家計簿の右上彩色区画
415:家計簿の右地色インデックス
【要約】 (修正有)
【課題】手の触覚イメージと視覚イメージを統一させて違和感を解消させた管理帳を提供する。
【解決手段】見開き2ページを一葉とする管理帳であって、一葉の左右側縁部に切欠き区画を有し、前葉の切欠き区画と後葉の切欠き区画は点対称に配置された配列をなし、当該配列が繰り返されてつづられた本体を有する、前葉の当該切欠き区画に対応する後葉の側縁部には、前葉の当該切欠き区画を覆い隠す長方形状または直角台形状のパターンが印刷され、その上辺の長さは当該側縁部の全長の半分よりも短くした彩色区画が設けられ、かつ、前葉の当該彩色区画と後葉の当該彩色区画の色彩が異なり、しかも、当該切欠き区画と当該彩色区画とから残された当該側縁部の中央部分に地色インデックスを形成した。
【選択図】
図1