特許第6166813号(P6166813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6166813
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/66 20060101AFI20170710BHJP
   B65D 5/22 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   B65D5/66 311D
   B65D5/22 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-79581(P2016-79581)
(22)【出願日】2016年4月12日
【審査請求日】2016年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木野本 弘樹
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平2−11018(JP,U)
【文献】 米国特許第3146934(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第769883(GB,A)
【文献】 特開2015−157637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/66
B65D 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部と、
底壁部を囲んでおり、前壁と、後壁と、左右側壁と、を有する周壁部と、
後壁に回動可能に連結されている蓋部と、を備え、
蓋部は、周壁部の開口を覆う蓋本体と、蓋本体の後壁側の端部から前壁に沿って周壁部の内側に延びる前端片と、を備え、
左右側壁は、それぞれ、上端から蓋本体の周壁部側の面に沿って延びる上端片を備え、
左右側壁は、それぞれ、上端から下端に向って、背面側から正面側に傾斜して延びる第1折曲線において外側に向けて折り曲げ可能であり、
左側の上端片には、左側壁と反対側の端から左側壁の第1折曲線の上端に向かって、正面側から背面側に傾斜して延びる第2折曲線と、第2折曲線の背面側に左右方向に延びる第3折曲線と、が配置されており、
右側の上端片には、右側壁と反対側の端から右側壁の第1折曲線の上端に向かって、正面側から背面側に傾斜して延びる第4折曲線と、第4折曲線の背面側に左右方向に延びる第5折曲線と、が配置されており、
左側の上端片は、左側壁が第1折曲線で外側に向けて折り曲げられると、第2折曲線と第3折曲線とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体側に突出し、
右側の上端片は、右側壁が第1折曲線で外側に向けて折り曲げられると、第4折曲線と第5折曲線とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体側に突出する、包装容器。
【請求項2】
左右側壁は、それぞれ、第1折曲線の上端近傍から上方に突出する突起片を備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
蓋本体の左右端縁は、それぞれ、突起片のそれぞれから離間する逃げ形状を有する、請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
第1折曲線の下端は、左右側壁の上下方向の中間位置に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項5】
前端片は、その上端側の左右両端辺に、左右側壁に接触する接触部分と、接触部分の下方に左右側壁から離間する非接触部分と、を備え、
接触部分の上下方向の長さが、非接触部分の上下方向の長さよりも短い、請求項1から4のいずれか一項に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋部を有する包装容器は、搬送時や保管時に蓋部が容易に開かないように構成されている。このため、開封時にスムーズに蓋部を開くことができない場合がある。特許文献1には、包装容器の開封時に、蓋部を容易に開けるための技術が開示されている。この包装容器は、正面部の上端に、搖動片を有する。搖動片は、正面部の左右方向中央に配置されており、左右方向の両端において、正面部本体から切り離されている。また、搖動片は、下端において、正面部と折れ線を介して搖動可能に接続されている。搖動片の下端には、搖動した時に、包装容器の内側に突出する搖動片突起部を有する。
【0003】
蓋部は、背面部に折れ線を介して連設された蓋板部と、蓋板部の正面側の端部に折れ線を介して連設された折曲片と、を備える。蓋部が閉じられている状態では、折曲片は、正面部の内面に接している。蓋部を掛ける際には、蓋部が閉じられている状態から、搖動片を包装容器の外側に搖動させて、搖動片突起部を包装容器の内部に突出させる。これにより、正面部の内面に接する折曲片が搖動片突起部によって持ち上げられる。この結果、蓋部が持ち上がるため、蓋部を容易に開封することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3157427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した技術では、正面部に搖動片を配置する必要がある。本明細書では、蓋部を開く際に、蓋部及び正面部以外を操作することによって、蓋部を開封し易くする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される技術は、包装容器に関する。包装容器は、底壁部と、底壁部を囲んでおり、前壁と、後壁と、左右側壁と、を有する周壁部と、後壁に回動可能に連結されている蓋部と、を備える。蓋部は、周壁部の開口を覆う蓋本体と、蓋本体の後壁側の端部から前壁に沿って周壁部の内側に延びる前端片と、を備える。左右側壁は、それぞれ、上端から蓋本体の周壁部側の面に沿って延びる上端片を備える。左右側壁は、それぞれ、上端から下端に向って、背面側から正面側に傾斜して延びる第1折曲線において外側に向けて折り曲げ可能である。左側の上端片には、左側壁と反対側の端から左側壁の第1折曲線の上端に向かって、正面側から背面側に傾斜して延びる第2折曲線と、第2折曲線の背面側に左右方向に延びる第3折曲線と、が配置されている。右側の上端片には、右側壁と反対側の端から右側壁の第1折曲線の上端に向かって、正面側から背面側に傾斜して延びる第4折曲線と、第4折曲線の背面側に左右方向に延びる第5折曲線と、が配置されている。左側の上端片は、左側壁が第1折曲線で外側に向けて折り曲げられると、第2折曲線と第3折曲線とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体側に突出する。右側の上端片は、右側壁が第1折曲線で外側に向けて折り曲げられると、第4折曲線と第5折曲線とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体側に突出する。
【0007】
上記の構成では、蓋部の前端片が前壁の内側に挿入されて、蓋部が閉じられる。蓋部が閉じられている状態で、左右側壁の第1折曲線の上端にそれぞれ指等を引掛けて、左右側壁を左右に広がるように引っ張る。これにより、左右側壁は、それぞれ、第1折曲線で外側に折り曲げられる。この結果、左右の上端片が周壁部から蓋本体側に突出し、蓋本体を上方に押し上げて、蓋部と周壁部との隙間を大きくすることができる。この結果、蓋部を開封し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】蓋が閉じられている状態の包装容器の斜視図を示す。
図2】包装容器の展開図を示す。
図3】蓋が開かれている状態の包装容器の斜視図を示す。
図4】蓋が開かれている状態の折曲線周辺を拡大した拡大斜視図を示す。
図5】蓋が閉じられている状態の包装容器の正面側の斜視図を示す。
図6】蓋を開く際に指を引掛けて、左右側壁を広げた場合の斜視図を示す。
図7】左右側壁が広げられた状態で蓋部が開く場合の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
(特徴1)本明細書で開示される包装容器では、左右側壁は、それぞれ、第1折曲線の上端近傍から上方に突出する突起片を備えていてもよい。この構成によれば、使用者は、突起片に指等を掛けて、左右側壁を開くことができる。このため、左右側壁を容易に折り曲げることができる。
【0011】
(特徴2)本明細書で開示される包装容器では、蓋本体の左右端縁は、それぞれ、突起片のそれぞれから離間する逃げ形状を有してもよい。この構成によれば、突起片に指等を引掛け易くすることができる。
【0012】
(特徴3)本明細書で開示される包装容器では、第1折曲線の下端は、左右側壁の上下方向の中間位置に位置してもよい。この構成によれば、第1折曲線が左右側壁の上端から下端まで延びる構成と比較して、左右側壁の剛性の低下を抑制することができる。
【0013】
(特徴4)本明細書で開示される包装容器では、前端片は、その上端側の左右両端辺に、左右側壁に接触する接触部分と、接触部分の下方に左右側壁から離間する非接触部分と、を備え、接触部分の上下方向の長さが、非接触部分の上下方向の長さよりも短くてもよい。前端片の接触部分を短くすることによって、蓋部の持ち上がりが小さくても、前端片と左右側壁とを非接触にすることができる。前端片と左右側壁とを非接触にすることによって、蓋部を容易に開封することができる。
【実施例】
【0014】
図1は、蓋部40が閉じられている状態の包装容器10の斜視図を示す。図2は、包装容器10が展開されたブランクBLを示す。図3は、蓋部40が開かれた状態の包装容器10の斜視図を示す。包装容器10は、1枚のブランクBLを組み立てることによって、作製される。包装容器10は、厚紙等の丈夫な紙で作製されている。なお、包装容器10の材料は、紙に限定されず、樹脂等の紙以外の材料であってもよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、包装容器10は、直方体形状を有する。包装容器10は、周壁部20と、底壁30と、蓋部40と、を備える。底壁30は、矩形の平板形状を有する。底壁30の4辺のそれぞれには、周壁部20の各壁22,24,26,28が回動可能に連結されている。周壁部20は、左右側壁22,24と、前後壁26,28の4枚の壁面を備える。前壁26は、それぞれに矩形状の平板を有する内壁面26aと外壁面26bとの2重構造を有する。内壁面26aと外壁面26bとは、互いにその上端で連結されている。
【0016】
前壁26の左右両端には、左右側壁22,24が連結されている。左右側壁22,24は、それぞれ矩形の平板形状を有する。右側壁24の上端には、上端片24aが配置されている。上端片24aは、右側壁24の前後方向の全長に亘って、右側壁24の上端から回動可能に連結されている。上端片24aは、後述する蓋部40の蓋本体42の下面に沿って配置されている。図4に示すように、右側壁24には、折曲線50が配置されている。折曲線50は、右側壁24の上端から下方に向かって延びている。折曲線50は、右側壁24の上下方向の中間位置まで延びている。折曲線50は、上端から下方に向かって前側に傾斜する直線状を有する。折曲線50は、右側壁24を内面から加圧して凹溝を形付けることによって形成されている。なお、折曲線50は、断続的なスリット(いわゆるミシン目)を配置することによって形成されていてもよい。一般的には、折曲線50は、右側壁24の剛性を低下させることによって形成されていればよい。
【0017】
上端片24aには、折曲線52が配置されている。折曲線52は、折曲線50の上端から左側に向かって延びている。折曲線52は、右端から左端に向かって前側に傾斜する直線状を有する。折曲線52の右端は、上端片24aの右端(即ち右側壁24側の端)に位置しており、折曲線52の左端は、上端片24aの左端に位置している。折曲線52は、折曲線50と同様に、上端片24aを内面から加圧して凹溝を形付けることによって形成されている。
【0018】
折曲線50と折曲線52との接続位置の後方には、右側壁24の上端から上方に突出する突起片56が配置されている。突起片56は、ブランクBLにおいて右側壁24と上端片24aとの境界部分を切り込むことによって形成される。このため、突起片56の上端片24a側には、切込みが形成されている。
【0019】
上端片24aには、さらに、折曲線54が配置されている。折曲線54は、突起片56の前後方向の中央から左右方向の平行に延びている。折曲線54の右端は、上端片24aの右端(即ち右側壁24側の端)に位置しており、折曲線54の左端は、上端片24aの左端に位置している。折曲線54は、折曲線52と同様に、上端片24aを内面から加圧して凹溝を形付けることによって形成されている。
【0020】
左側壁22の上端には、上端片24aと同一形状の上端片22aが配置されている。上端片22aを含む左側壁22は、上端片24aを含む右側壁24と左右方向の中央を通過する左右方向に垂直な平面に対して面対称(以下、単に「面対称」と呼ぶ)に形成されている。即ち、左側壁22は、右側壁24の折曲線50に対して面対称に配置された折曲線60を有しており、上端片22aは、折曲線52に対して面対称に配置された折曲線62と、折曲線54に対して面対称に配置された折曲線64と、を有する。また、左側壁22の上端には、突起片56に対して面対称に配置された突起片66が配置されている。
【0021】
左側壁22は、その後端において、右側壁24に向かって延びる係合片22bを備える。係合片22bは、右側壁24の後端において、左側壁22に向かって延びる係合片24bと係合することによって、左右側壁22,24が倒れることを防止することができる。
【0022】
係合片22b,24bの後方には、後壁28が配置されている。後壁28は、矩形の平板形状を有する。後壁28の上端には、蓋部40が配置されている。蓋部40は、蓋本体42と、前端片44と、を備える。蓋本体42は、後壁28の上端に回動可能に連結されている。蓋本体42は、矩形の平板形状を有する。蓋本体42は、周壁部20の上端の開口を覆う。蓋本体42の左右両辺のそれぞれには、逃げ部42aが配置されている。右端辺の逃げ部42aは、突起片56の左側に配置されている。逃げ部42aは、右端辺が突起片56から離間するように、蓋本体42を半円形状に切り抜いて形成されている。左端辺の逃げ部42aは、右端辺の逃げ部42aに対して面対称に配置されており、左端辺が突起片66から離間するように、蓋本体42を半円形状に切り抜いて形成されている。
【0023】
蓋本体42の前端辺には、前端片44が回動可能に連結されている。前端片44は、蓋本体42の左右方向の全長に亘って連結されている。前端片44は、上端部44aと下端部44bとを有する。上端部44aは、蓋本体42の前端辺に連結されている。上端部44aは、左右方向において、左右側壁22,24の内面の間隔と略同一の長さの矩形状の平板形状を有する。上端部44aの下方(即ち蓋本体42と反対側の端辺)には、下端部44bが配置されている。下端部44bは、その左右端辺が上下方向に対して傾斜している。言い換えると、前端片44のうち、左右端辺が上下方向に平行に延びている部分が、上端部44aであり、左右端辺が上下方向に対して傾斜している部分が下端部44bである。左右方向において、下端部44bの長さは、上端部44aよりも短い。
【0024】
前端片44は、蓋部40が閉じられた状態では、前壁26の内壁面26aの内側に配置されている。前端片44は、左右両端において、内壁面26aと上端片22a,24aとの間に挟持されている。さらに、前端片44は、上端部44aの左右端辺である接触部分44cにおいて、左右側壁22,24と接触している。これにより、蓋部40が意図せずに開封されることを防止することができる。なお、下端部44bの左右端辺である非接触部分44dは、左右側壁22,24と接触せず、離間している。上下方向において、接触部分44cの長さは、非接触部分44dの長さよりも短い。
【0025】
一方で、蓋部40を開封すべき状況では、例えば、前壁26と蓋部40との間や、蓋部40と左右側壁22,24との間に指等を押し入れて開封することも考えられるが、包装容器10の剛性によってスムーズに開くことができない場合がある。
【0026】
次に、包装容器10の蓋部40を開封する方法を説明する。図1図3図5に示すように、蓋部40が閉じている状態では、逃げ部42aにおいて、突起片56,66と折曲線54,64の一部が露出している。この状態から、図6に示すように、使用者は、親指を突起片56,66に引掛けて、左右側壁22,24のそれぞれを、左右方向に引っ張る。なお、図6では、見易さを優先して、既に蓋部40が開いた状態で図示している。この結果、左右側壁22,24は、それぞれ、折曲線50,60に沿って、包装容器10の外側に折れ曲がる。これにより、左右側壁22,24の上端辺は、折曲線50,60の上端において屈曲する。それに伴って、左右の上端片22a,24aは、それぞれ、折曲線54,64と折曲線52,62とで折れ曲がる。左右の上端片22a,24aは、折曲線52,62が配置されている箇所で、周壁部20の上端から上方に持ち上げられる。これにより、図7に示すように、左右の上端片22a,24aの上方に配置されている蓋本体42が持ち上げられる。この結果、前端片44の接触部分44cが左右側壁22,24よりも上方に移動されて、前端片44と左右側壁22,24とが離間する。さらに、左右の上端片22a,24aが折り曲げられることによって、左右の上端片22a,24aと内壁面26aとの隙間が広がる。この結果、前端片44が左右の上端片22a,24aと内壁面26aとによって挟持された状態から解除される。この構成によれば、蓋部40を容易に開封することができる。
【0027】
包装容器10では、突起片56,66が配置されているために、使用者は、容易に左右側壁22,24のそれぞれを、折曲線50,60に沿って折り曲げることができる。さらに、蓋本体42に逃げ部42aが配置されているために、突起片56,66に指を掛け易い。
【0028】
折曲線50は、右側壁24の上下方向の中間位置まで延びている。折曲線50の下端は、右側壁24の上端から上下方向の中央位置から3分の2の位置の間に位置していることが好ましい。この構成によれば、折曲線50によって右側壁24の剛性が低下することを抑制することができる。なお、折曲線50の長さは、包装容器10の材質や使用用途に応じて、設定することができる。例えば、折曲線50の下端が右側壁24の下端に位置していてもよい。折曲線60も同様である。また、折曲線50の右側壁24の上端辺に対する角度は55度であり、折曲線52の右側壁24の上端辺に対する角度は45度であるが、角度はこれに限られない。折曲線60,62も同様である。
【0029】
さらに、前端片44では、上下方向において、接触部分44cの長さが、非接触部分44dの長さよりも短い。この構成によれば、左右の上端片22a,24aが折り曲げられたときに、接触部分44cと左右側壁22,24の接触を容易に解除することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0031】
(1)上記した実施例の包装容器10は、直方体形状を有する。しかしながら、包装容器10の形状は、直方体形状に限られず、立方体形状であってもよいし、左右側壁22,24が平行に配置されていなくてもよい。
【0032】
(2)逃げ部42aの形状は、半円形状に限られず、四角形、三角形等の他の形状であってもよい。即ち、突起片56,66に指等が容易に引掛けられるように、蓋本体42が突起片56,66から離間する形状であればよい。
【0033】
(3)折曲線50の上端は、折曲線52の右端に接触している。しかしながら、折曲線50の上端と折曲線52の右端とは、前後方向にずれていてもよい。この場合、左右側壁22,24が左右方向に引っ張られて、右側壁24が折曲線50で折れ曲がる際に、上端片24aが折曲線52で折れ曲がる位置に配置されていればよい。折曲線60,62も同様である。
【0034】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0035】
10 :包装容器
20 :周壁部
22 :左側壁
22a :上端片
24 :右側壁
24a :上端片
26 :前壁
30 :底壁
40 :蓋部
42 :蓋本体
42a :逃げ部
44 :前端片
44c :接触部分
44d :非接触部分
50,52,54:折曲線
56 :突起片
60,62,64:折曲線
66 :突起片
【要約】      (修正有)
【課題】蓋部を開く際に、蓋部及び正面部以外を操作することによって、蓋部を開封し易くする技術を提供する。
【解決手段】包装容器の左右側壁22,24は、それぞれ、上端から蓋本体42に沿って延びる上端片22a,24aを備える。上端片22aは、左側壁22が折曲線60で外側に向けて折り曲げられると、折曲線62と折曲線64とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体42側に突出する。上端片24aは、上端片22aと同様に、右側壁24が折曲線50で外側に向けて折り曲げられると、折曲線52と折曲線54とで折り曲げられることによって、周壁部から蓋本体42側に突出する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7