【実施例1】
【0023】
図1は、実施例1に係る温度計の外観図である。温度計の本体1001、第1の測定場所1002、第1の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード1003、第2の測定場所1004、第2の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード1005、第3の測定場所1006、第3の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード1007という構成である。各測定場所における機器の構成は、同様である。すなわち、第3の場所に示すように3つのデジタルプローブ1008a、1008b、1008c、デジタルプローブを温度計本体の通信線に接続する回線終端装置1009、そして終端装置に接続したRFIDリーダ1010という構成である。ここで各測定場所について、3つのデジタルプローブを有する構成としているが、本発明に係る温度計はこれに限られるものではなく、温度測定の対象や温度計設置現場に応じて適宜変更可能である。また、各測定場所に係るデジタルプローブは、終端装置とは着脱自在に電気的に接続されている。RFIDカードは、校正データや校正実行コマンドが格納される携帯型記憶装置である。
【0024】
図2は、温度計本体1001の内部構成を示したブロック図である。
表示温度生成手段2001、本体メモリ2002、校正結果取込手段2003、表示手段2004という構成である。
【0025】
表示温度生成手段2001は、終端装置を介して接続されたデジタルプローブからのデジタル出力を受信して、本体メモリ2002に格納された校正テーブルを参照して表示温度を生成する。受信した出力がテーブルに記載された記録点に一致しない場合、受信した出力を挟む記録点を結んだ直線を参照し、表示温度を設定する。
校正テーブルについては、後で説明する。
【0026】
校正結果取込手段2003は、デジタルプローブに対応するRFIDカードが所定のRFIDリーダに近接されたとき、格納された校正実行コマンドの指令に従って校正データによって、本体メモリの格納された校正テーブルの書き換えが実行される。
ここで、書き換え前の校正テーブルは、消去せず過去データとして本体メモリ内に保持する方式とする。過去から現在に至る校正値の時系列データから、温度計の時系列的劣化を算出して、校正値が一定範囲を超えて大きくなった場合に該当するデジタルプローブを破棄して、新品に交換するなどの品質管理を行う。
【0027】
表示手段2004は、液晶等のディスプレー装置で構成され、第1から第3の測定場所からの出力を受信して生成した表示温度を表示する。
また、第1から第3の測定場所に対応する各記憶装置に格納された校正テーブルや校正に使われた標準器のレガシーなどを証明する書類を表示してもよい。従来は、校正作業に付随して紙で発行されていた書類を電子化して格納し、現場で確認することにより、温度計の精度管理を容易に確認することができる。
【0028】
ここで示す各手段は、予め組み込まれたファームウエア等の制御プログラムをコントロール回路のプロセッサーで実行し、実装された各種デバイスと協働することにより実現される。また、これらのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該プロセッサーによって記録媒体から読み出され、ユーザが操作すること又はコントローラを構成するデバイスからの信号を受信することによって実行される。
【0029】
図3は、デジタルプローブ1008の構成を示したものである。
回線終端装置に接続するデジタルアナログ変換部3001、測定対象の温度を感じて信号を送出するプローブ3002という構成である。
デジタルアナログ変換部3001は、プローブからのアナログ信号をデジタル変換してデジタル出力として送出する。
【0030】
図4は、校正施設の概念図である。ここでは、第3の測定場所に設置していた3つのデジタルプローブを校正対象としている。
恒温槽4001、恒温槽の温度制御をコントロールするサーマルコントローラ4002、校正対象の標準器となるサーマルコントローラに接続した標準温度計4003及び4004、サーマルコントローラと接続したサーバ4005、校正対象である第3の測定場所のデジタルプローブ1008a、1008b、1008c、ディジーチェーン接続した3つのデジタルプローブに接続した回線終端装置4006、サーバに通信接続したRFIDリーダ/ライタ4007という構成である。ここで第3の測定場所に対応したRFIDカード1007は、校正作業が終了した後でRFIDリーダ/ライタ4007に近接させて校正データの書き込みが行われる。
【0031】
ここで示すサーマルコントローラやサーバの動作は、予め組み込まれたファームウエア等の制御プログラムをコントロール回路のプロセッサーで実行し、実装されたヒーター、冷却機等の各種デバイスと協働することにより実現される。また、これらのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該プロセッサーによって記録媒体から読み出され、ユーザが操作すること又はコントローラを構成するデバイスからの信号を受信することによって実行される。
【0032】
図5は、校正に係る作業/動作を示したフローチャートである。
ステップ5001において、ユーザによるセンサ部の取り外し及び校正施設への搬出が行われる。ここで搬出する物は、校正対象となっている第3の測定場所のデジタルプローブ1008a、1008b、1008cとこれらに対応したRFIDカード1007のみである。
他のセンサ部や本体は、測定場所に残しておくことができるので、搬出の煩雑さが大幅に軽減される効果がある。また、校正に係る測定点以外では測定を継続できるので測定作業の継続性にも貢献する。
【0033】
ステップ5002において、校正担当者が3つのデジタルプローブを恒温槽の所定の測定位置に収納する。
図4では2つの標準温度計の間にセットする態様で収納しているが、本発明の測定位置はこれに限られるものではなく、デジタルプローブと標準温度計とが近い温度環境となるように配慮した位置であれば、適宜採用可能である。
【0034】
ステップ5003において、サーマルコントローラのプログラムによる温度制御と、制御温度となる標準温度計からの出力とデジタルプローブからのデジタル出力の値と関連付けての記録がおこなわれる。
図6は、温度制御と記録の手順を示したフローチャートである。
スタートすると、恒温槽の温度制御が行われ、前述のプログラムに従って所定の温度カーブを描くように恒温槽内が制御される。
ステップ6001において、測定点1の記録がおこなわれる。続いて、ステップ6002において、測定点2の記録がおこなわれる。以後、6003に示すように設定された測定点xの数n回の記録が行われ、6004に示す測定区間nにおける記録まで繰り返し、記録が行われる。
【0035】
図7は、ここで採用した温度カーブを時間と制御目標温度との関係で示したものである。
ここでは、記録対象の温度を45℃から90℃としている。この測定区間を7002で示す小区間1、7002で示す小区間2、7004で示す複数の小区間x、7005で示す小区間nというようにn個に分割している。
P1は、7002で示す小区間に設けられた測定点1である。P2は、7003で示す小区間に設けられた測定点2である。Pxで示す複数の測定点xが続き、n番目の測定点Pnまで設定されている。
【0036】
ここで
図8に示すように、小区間において少なくとも1回記録するレベルの連続性がえられるように周期を設定してサンプリングをさせる方式も採用可能である。温度カーブ8001において、記録対象の温度範囲45度から90度に相当する温度制御の実行時間8002において、十分に小さな周期8003で記録を連続的に行えば、測定点Pxは、温度範囲を小区間に分割したのと同様に温度特性を細かくプロットしたデータとなる。
【0037】
ステップ6005において、サーバ4005の動作により、所定の標準温度計と校正対象のデジタルプローブとの温度追従性の差を基に標準温度計出力とデジタル出力との対応を補正する計算を行われる。ここで 温度追従性の差は、その製品の仕様やテストで確認済みの値を使えばよい。
温度を正しく測定するためには標準温度計の温度とデジタルプローブの温度とが平衡になるのを待つ必要があるのが通常であるが、ここでの計算は、記録を連続的に行うために、両者の温度が平衡に達するまでの温度変化の態様を所定の式に当てはめて平衡点を予測する。この予測に基づいて、標準温度計の出力に対応するデジタルプローブの出力を高速に推測する。そして、その推定によるデジタルプローブの出力を記録に係るデジタル出力とするのである。
さらにステップ6006において、サーバ4005の動作により各測定点における測定温度・不確かさ計算が行われる。
測定温度は2つの標準温度計からの出力の算術平均を計算する。
不確かさは、標準温度計の分解能力及び複数の標準温度計からの出力の差分が示す恒温槽の温度制御の不確かさを合計した値で示される。
また、ここで計算はすべての記録が終わってから、バッジ処理的にまとめて実行する方式を採用したが、記録毎に順次計算する方式も採用可能である。
【0038】
ここで、測定点毎の測定温度は、推測によるデジタルプローブのデジタル出力と関連付けて記録される。
尚、
図7で示した温度パターン7001は、一例にすぎず、恒温槽の熱容量に十分な余裕がある場合、急な勾配の温度パターンとして測定区間を設定し、この間をより短い間隔で標準器の出力とデジタル出力のサンプリングをして、デジタル出力と測定温度を関連付けたデータを取得する方式であってもよい。
【0039】
図5に戻る。ステップ5004において、サーバの動作によって、取得したデータから校正結果データを生成する。
図9は、
図7の温度制御における記録を使った校正テーブルの内容を示したものである。9001で示す小区間1における測定点P1の校正結果、9002で示す測定点P2の校正結果、9003で示す測定点Pxの校正結果、そして9004で示す測定点Pnの校正結果という構成である。測定点毎にデジタル出力9005、測定温度9006、校正値9007、不確かさ9008が格納される。
【0040】
測定点毎に関連付けたデジタル出力9005と測定温度9006で示される記録点(デジタル出力,測定温度)は、十分に短い小区間で連続的に取得されることで校正後の表示温度生成のためのデジタル出力/温度特性曲線として、校正対象の温度計における表示温度生成に用いることができる。
図10は、デジタル出力10001をx軸に、測定温度10002をy軸にして、
図7で示した測定点における記録の座標を丸で示したものである。測定間隔が十分に狭ければ、デジタルプローブの温度特性カーブそのものを表していることが明らかである。
あるデジタル出力に該当する記録が存在しない場合、その値の両側の記録の測定温度の平均を取るか、両側の点を結んだ直線上に参照点を取って、当該デジタル出力の記録に代用すればよい。
3つ以上の小区間でサンプリングされている場合、従来の2点を記録して生成した近似曲線よりも精度の高い表示温度を生成できる効果がある。特に標準器となる温度計の分解能レベルの十分に短い長さの小区間を設定した場合、実施例の校正設備で可能な最大限度の精度の校正をすることができる。
所定の周期で温度測定する方式を採用した場合にあっては、隣り合う測定点の温度差が標準器となる温度計の分解能レベルになるほどに短い周期に設定すれば、実施例の校正設備で可能な最大限度の精度の校正をすることができる。
【0041】
ここで校正データとして、校正テーブルに加えて、標準温度計の国際標準等からのレガシーを証明する証明書を格納してもよい。
【0042】
ステップ5005は、サーバ4005による校正テーブルをメモリへ格納するステップである。ここでは、校正担当者がサーバ4005を操作して、サーバからの書込み指示を送信し、RFIDリーダ/ライタ4007に書き込み動作をさせることによって、校正担当者が近接させたRFIDカード1007の校正データの構成として校正テーブルが格納される。
【0043】
ステップ5006において、校正担当者によりデジタルプローブとRFIDカードの返送が行われる。
ステップ5007において、ユーザによってデジタルプローブの取付けが行われる。
ステップ5008において、校正場所から返送されたRFIDカードを測定場所のRFIDリーダに近接させると、予めRFIDカードに格納されていた校正実行コマンドが温度計本体1001に送信され、校正結果取込手段2003の動作によって、本体メモリ2002に格納された校正テーブルに対してRFIDタグに格納された校正テーブルへの書き換えが実行される。
【0044】
図11は、校正テーブルを参照先として、温度計本体が表示温度を生成する動作のフローチャートである。
ステップ11001において、測定対象のデジタルプローブからのデジタル出力を取得する。
次に、ステップ11002において、本体メモリに格納された校正テーブルの参照が行われる。すなわち、校正テーブルに登録されたデジタル出力とデジタルプローブからの出力の値を比較し、一致する記録点を検索する。
ここで一致する記録点があれば、ステップ11003に移動し、記録点を構成する測定温度を測定対象の温度、すなわち表示温度として、終了する。
一方、一致する記録点がない場合、ステップ11004に移動し、デジタルプローブからの出力を挟む上下の値を示す記録点を抽出する。
そして、ステップ11005において、抽出した2つの記録点に対応する測定温度の平均を表示温度として生成して、終了する。
【0045】
ここで、デジタル出力に一致する記録点を校正テーブルから抽出できない場合、デジタルプローブの出力を挟む上下の値を示す記録点に対応する測定温度の平均を表示温度とする方式を採用したが、本発明に係る表示温度生成はこれに限られず、記録点を結ぶ曲線上にデジタルプローブからの出力と一致する測定温度を探索する方式を採用するなど適宜採用可能である。
【実施例2】
【0046】
実施例2について、実施例1と異なるところを中心に説明する。
図12は、実施例2に係る温度計の外観図である。温度計の本体12001、第1の測定場所12002、第1の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード12003、第2の測定場所12004、第2の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード12005、第3の測定場所12006、第3の測定場所に対応する記憶装置であるRFIDカード12007という構成である。各測定場所における機器の構成は、同様である。すなわち、第3の場所に示すように3つのデジタルプローブ12008a、12008b、12008c、デジタルプローブを温度計本体の通信線に接続する回線終端装置12009、そして終端装置に接続したRFIDリーダ12010という構成である。ここで各測定場所について、3つのデジタルプローブを有する構成としているが、本発明に係る温度計はこれに限られるものではなく、温度測定の対象や温度計設置現場に応じて適宜変更可能である。また、各測定場所に係るデジタルプローブは、終端装置とは着脱自在に電気的に接続されている。RFIDカードは、校正データや校正実行コマンドが格納される携帯型記憶装置である。
【0047】
温度計本体、デジタルプローブの構成は実施例1と同様である。
【0048】
図13は、校正施設の概念図である。ここでは、第3の測定場所に設置していた3つのデジタルプローブを校正対象としている。
恒温槽13001、恒温槽の温度制御をコントロールするサーマルコントローラ13002、校正対象の標準器となるサーマルコントローラに接続した標準温度計13003及び13004、サーマルコントローラと接続したサーバ13005、校正対象である第3の測定場所のデジタルプローブ12008a、12008b、12008c、ディジーチェーン接続した3つのデジタルプローブに接続した回線終端装置13006、サーバに通信接続したRFIDリーダ/ライタ13007という構成である。ここで第3の測定場所に対応したRFIDカード12007は、校正作業が終了した後でRFIDリーダ/ライタ13007に近接させて校正データの書き込みが行われる。
【0049】
ここで示すサーマルコントローラやサーバの動作は、予め組み込まれたファームウエア等の制御プログラムをコントロール回路のプロセッサーで実行し、実装されたヒーター、冷却機等の各種デバイスと協働することにより実現される。また、これらのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該プロセッサーによって記録媒体から読み出され、ユーザが操作すること又はコントローラを構成するデバイスからの信号を受信することによって実行される。
【0050】
図14は、校正に係る作業/動作を示したフローチャートである。
ステップ14001において、ユーザによるセンサ部の取り外し及び校正施設への搬出が行われる。ここで搬出する物は、校正対象となっている第3の測定場所のデジタルプローブ12008a、12008b、12008cとこれらに対応したRFIDカード12007のみである。
【0051】
ステップ14002において、実施例1と同様に校正担当者が3つのデジタルプローブを恒温槽の所定の測定位置に収納する。
【0052】
ステップ14003において、サーマルコントローラのプログラムによる温度制御と、制御温度となる標準温度計からの出力とデジタルプローブからのデジタル出力の推定値と関連付けての記録がおこなわれる。
図15は、温度制御と記録の手順を示したフローチャートである。
スタートすると、恒温槽の温度制御が行われ、前述のプログラムに従って所定の温度カーブを描くように恒温槽内が制御される。
【0053】
ステップ15001において、測定点1の記録がおこなわれる。
続いて、ステップ15002において、測定点2の記録がおこなわれる。以後、15003に示すように設定された測定点xの数n回の記録ステップが繰り返し行われ、ステップ15004に示す測定区間nにおける記録まで繰り返し、記録が行われる。
【0054】
図16は、ここで採用したプログラムによって温度制御された恒温槽の温度カーブを時間と制御温度との関係で示したものである。
ここで16001は、最初の測定の制御温度45度に制御されたところである。16002は温度を一定にする追従待機時間である。その時間経過後の16003、すなわちP1(16004)のタイミングで測定点1の記録が行われる。
同様に次の測定のための制御温度に制御し、温度を一定にし、追従待機時間経過後のP2(16005)のタイミングで測定・記録する。以後、次の測定のための制御温度に制御し、温度を一定にし、追従待機時間経過後のタイミングPx(16006)で測定・記録し、さらに次の制御温度に制御するという具合に、階段状の温度制御が行われる。
ここでは設定した温度90度に昇温させて、温度一定にし、追従待機時間経過後のタイミングPx(16007)まで繰り返すものである。
一定にする時間を十分に設定すれば、温度追従性の違いによるズレの補正が不要もしくは、最低限となり、測定の精度を向上させる効果があるが、ここでは校正時間を短縮し、校正作業を効率化するために、予め試験して作成した当該デジタルプローブの温度追従特性モデルを表す方程式又は温度グラフにより、所定の追従待機時間経過後の測定値を起点として制御温度に達したときのデジタルプローブの出力を推測する。
【0055】
記録対象の温度範囲45度から90度に相当する温度制御の実行時間(Pn−P1)において、十分に小さな温度間隔で記録を連続的に行えば、測定点Pxは、温度範囲を細かくプロットした実質的にデジタルプローブの温度特性曲線を表すデータとなる。
【0056】
ステップ15005において、サーバ4005の動作により、ここで各測定点における制御温度に対応して推測されたデジタルプローブの出力の推測の不確かさ計算が行われる。
不確かさは、以下の個別の不確かさの値を合計することで得られる。
まず、標準温度計の分解能力である。次に、複数の標準温度計からの出力の差分が示す恒温槽の温度制御の不確かさである。さらに、当該デジタルプローブについて予め試験して作成した追従待機時間/不確かさテーブルを参照して得られる不確かさである。
逆に、不確かさの値の合計を所望の範囲にするために追従待機時間を設定することも可能である。品質管理として必要な不確かさの値に収めつつ、追従待機時間を最低限とすることで、校正に要する時間を短縮して、校正作業を効率的にする効果がある。
さらに、ここで不確かさ見積はすべての記録が終わってから、バッジ処理的にまとめて実行する方式を採用したが、記録毎に順次計算する方式も採用可能である。
【0057】
図14に戻る。ステップ14004において、サーバの動作によって、測定点毎の測定温度は、推測によるデジタルプローブのデジタル出力と関連付けされ、さらに校正値と不確かさ見積による値も付け加えられて、校正テーブルが作成される。
校正テーブルの態様は、実施例1と同様である。
【0058】
ここで校正データとして、校正テーブルに加えて、標準温度計の国際標準等からのレガシーを証明する証明書を格納してもよい。
【0059】
ステップ14005は、サーバ13005による校正テーブルをメモリへ格納するステップである。ここでは、校正担当者がサーバ13005を操作して、サーバからの書込み指示を送信し、RFIDリーダ/ライタ13007に書き込み動作をさせることによって、校正担当者が近接させたRFIDカード12007の校正データの構成として校正テーブルが格納される。
【0060】
ステップ14006において、校正担当者によりセンサ部とRFIDカードの返送が行われる。
ステップ14007において、ユーザによってセンサ部の取付けが行われる。
ステップ14008において、校正場所から返送されたRFIDカードを測定場所のRFIDリーダに近接させると、予めRFIDカードに格納されていた校正実行コマンドが温度計本体12001に送信され、校正結果取込手段の動作によって、本体メモリに格納された校正テーブルに対してRFIDタグに格納された校正テーブルへの書き換えが実行される。
【0061】
温度計本体が表示温度を生成する動作は、実施例1と同様である。