特許第6166875号(P6166875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6166875
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20170710BHJP
   G01F 15/14 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   G01F3/22 Z
   G01F15/14
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-178900(P2012-178900)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-37982(P2014-37982A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】森村 和弘
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−309414(JP,A)
【文献】 特開2004−242434(JP,A)
【文献】 特開2001−189574(JP,A)
【文献】 実開平6−69747(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00− 9/02
G01F15/00−15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス配管に接続される筒状のガス流入口及びガス流出口が設けられ、ガスが流れる金属製の流路部材と、
前記流路部材を収容し、前記ガス流入口及び前記ガス流出口を外部に突出させるための開口部が設けられた樹脂製の外装部材と、
前記ガス流入口及び前記ガス流出口が圧入される筒状の弾性材から構成されたグロメットと、を備え、
前記グロメットの外側面には、凹部が設けられ、
前記外装部材の縁部が前記凹部内に嵌合され、
前記外装部材が、前記開口部を2分割するように2分割された背面ケースと、正面ケースと、から構成され、
前記背面ケース及び前記正面ケースの一方の縁部のみが前記凹部内に嵌合され、
前記グロメットの外側面と前記背面ケース及び正面ケースの他方との間に挟まれた発泡パッキンをさらに備え、
前記グロメットの外形が、かまぼこ型に設けられ、
前記背面ケースが、背面を覆う背面壁と、前記背面壁から正面に向かって突出した第1周壁と、から構成され、
前記正面ケースが、正面を覆う正面壁と、前記正面壁から背面に向かって突出した第2周壁と、から構成され、
前記発泡パッキンが、前記第1周壁及び前記第2周壁に沿ったリング状に設けられ、
前記背面ケース及び前記正面ケースの他方に設けられた前記第1周壁又は前記第2周壁の何れか一方が、前記発泡パッキンを介してかまぼこ型の前記グロメットの直線部と当接することを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
ガス配管に接続される筒状のガス流入口及びガス流出口が設けられ、ガスが流れる金属製の流路部材と、
前記流路部材を収容し、前記ガス流入口及び前記ガス流出口を外部に突出させるための開口部が設けられた樹脂製の外装部材と、
前記ガス流入口及び前記ガス流出口が圧入される筒状の弾性材から構成されたグロメットと、を備え、
前記グロメットの外側面には、凹部が設けられ、
前記外装部材の縁部が前記凹部内に嵌合され、
前記外装部材の開口部縁部には、前記グロメットの前記ガス流入口及び前記ガス流出口の突出方向側を覆う突部が設けられている
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項3】
前記外装部材が、前記開口部を2分割するように2分割された背面ケースと、正面ケースと、から構成され、
前記背面ケース及び前記正面ケースの一方の縁部のみが前記凹部内に嵌合され、
前記グロメットの外側面と前記背面ケース及び正面ケースの他方との間に挟まれた発泡パッキンをさらに備えた
ことを特徴とする請求項に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記グロメットの外形が、かまぼこ型に設けられ、
前記背面ケースが、背面を覆う背面壁と、前記背面壁から正面に向かって突出した第1周壁と、から構成され、
前記正面ケースが、正面を覆う正面壁と、前記正面壁から背面に向かって突出した第2周壁と、から構成され、
前記発泡パッキンが、前記第1周壁及び前記第2周壁に沿ったリング状に設けられ、
前記背面ケース及び前記正面ケースの他方に設けられた前記第1周壁又は前記第2周壁の何れか一方が、前記発泡パッキンを介してかまぼこ型の前記グロメットの直線部と当接する
ことを特徴とする請求項に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータに係り、特に、ガスが流れる流路部材と、流路部材を収容する外装部材と、を備えたガスメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上述したガスメータは、ガスが流れる流路部材と、流路部材を収容する外装部材と、を備え、流路部材及び外装部材は、アルミダイキャストなどの金属製である。外装部材は、正面に開口が設けられた背面ケースと、背面ケースの正面開口を覆う正面ケースと、から構成されていて、背面ケースには、ガス配管が接続される筒状のガス流入口及びガス流出口が突設されている。そして、このガス流入口及びガス流出口が、流路部材に連結されている。
【0003】
背面ケースと正面ケースとの組み付けは、図4に示すように、背面ケース、正面ケースであるアルミダイキャスト部品101、102間にゴムなどの弾性材からなる成型パッキン103を挟むことにより、互いの隙間からの水や虫の浸入を防止していた。上述した外装部材と正面ケースとは、ネジ締結しているため、部品自体の強度、ネジによる締結力が十分あった。そのため、成型パッキン103としては、十分なつぶし代を確保したものを使用することができていた。
【0004】
ところが、近年、上記外装部材の一部として樹脂製のものを用いるガスメータが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載されたガスメータは、正面ケースに相当する部分が樹脂で構成されていて、ガス流入口及びガス流出口が形成された背面ケースに相当する部分がアルミダイキャストで構成されている。これに対して、本出願人は、金属製の流路部材にガス流入口及びガス流出口を設け、外装部材に設けた開口部からガス流入口及びガス流出口を外部に突出させることにより、外装部材全体を樹脂で構成する構造を考えた。
【0005】
しかしながら、このような構造においては、外装部材の開口部とガス流入口及びガス流出口との隙間が上方を向いてしまい、水などが浸入しやすく、その隙間のシールを十分確保する必要がある。この隙間のシールの確保として、上述したつぶし代を十分確保した成型パッキンを単に適用すると、樹脂製の外装部材は強度や耐久性が劣るため厚さを十分に確保する必要があり、サイズとコストアップにつながってしまう、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−38725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、樹脂製の外装部材の変形を考慮した防水、防虫構造とすることで、樹脂を厚くする必要がなくなり、低コスト化、軽量化による作業者の作業性向上を実現したガスメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、ガス配管に接続される筒状のガス流入口及びガス流出口が設けられ、ガスが流れる金属製の流路部材と、前記流路部材を収容し、前記ガス流入口及び前記ガス流出口を外部に突出させるための開口部が設けられた樹脂製の外装部材と、前記ガス流入口及び前記ガス流出口が圧入される筒状の弾性材から構成されたグロメットと、を備え、前記グロメットの外側面には、凹部が設けられ、前記外装部材の縁部が前記凹部内に嵌合され、前記外装部材が、前記開口部を2分割するように2分割された背面ケースと、正面ケースと、から構成され、前記背面ケース及び前記正面ケースの一方の縁部のみが前記凹部内に嵌合され、前記グロメットの外側面と前記背面ケース及び正面ケースの他方との間に挟まれた発泡パッキンをさらに備え、前記グロメットの外形が、かまぼこ型に設けられ、前記背面ケースが、背面を覆う背面壁と、前記背面壁から正面に向かって突出した第1周壁と、から構成され、前記正面ケースが、正面を覆う正面壁と、前記正面壁から背面に向かって突出した第2周壁と、から構成され、前記発泡パッキンが、前記第1周壁及び前記第2周壁に沿ったリング状に設けられ、前記背面ケース及び前記正面ケースの他方に設けられた前記第1周壁又は前記第2周壁の何れか一方が、前記発泡パッキンを介してかまぼこ型の前記グロメットの直線部と当接することを特徴とするガスメータに存する。
【0009】
請求項2記載の発明は、ガス配管に接続される筒状のガス流入口及びガス流出口が設けられ、ガスが流れる金属製の流路部材と、前記流路部材を収容し、前記ガス流入口及び前記ガス流出口を外部に突出させるための開口部が設けられた樹脂製の外装部材と、前記ガス流入口及び前記ガス流出口が圧入される筒状の弾性材から構成されたグロメットと、を備え、前記グロメットの外側面には、凹部が設けられ、前記外装部材の縁部が前記凹部内に嵌合され、前記外装部材の開口部縁部には、前記グロメットの前記ガス流入口及び前記ガス流出口の突出方向側を覆う突部が設けられていることを特徴とするガスメータに存する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記外装部材が、前記開口部を2分割するように2分割された背面ケースと、正面ケースと、から構成され、前記背面ケース及び前記正面ケースの一方の縁部のみが前記凹部内に嵌合され、前記グロメットの外側面と前記背面ケース及び正面ケースの他方との間に挟まれた発泡パッキンをさらに備えたことを特徴とする請求項に記載のガスメータに存する。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記グロメットの外形が、かまぼこ型に設けられ、前記背面ケースが、背面を覆う背面壁と、前記背面壁から正面に向かって突出した第1周壁と、から構成され、前記正面ケースが、正面を覆う正面壁と、前記正面壁から背面に向かって突出した第2周壁と、から構成され、前記発泡パッキンが、前記第1周壁及び前記第2周壁に沿ったリング状に設けられ、前記背面ケース及び前記正面ケースの他方に設けられた前記第1周壁又は前記第2周壁の何れか一方が、前記発泡パッキンを介してかまぼこ型の前記グロメットの直線部と当接することを特徴とする請求項に記載のガスメータに存する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1及び2記載の発明によれば、変形に強い金属製のガス流入口及びガス流出口にグロメットを圧入して締め付けることにより、ガス流入口及びガス流出口とグロメットとの間をシールし、変形に弱い樹脂製外装部材の縁部をグロメットの外周面に設けた凹部に嵌合することにより、外装部材に力がかからないように外装部材とグロメットとの間をシールすることができるので、樹脂製の外装部材の変形を考慮した防水、防虫構造とすることで、樹脂を厚くする必要がなくなり、低コスト化、軽量化による作業者の作業性向上を実現できる。
【0013】
請求項1及び3記載の発明によれば、背面ケース及び正面ケースの一方の縁部のみがグロメットの凹部内に嵌合され、背面ケース及び正面ケースの他方とグロメットとの間に発泡パッキンが挟まれている。即ち、変形に弱い樹脂製外装部材とグロメットとの間に圧縮加重が小さい発泡パッキンを挟むことにより、外装部材に力がかからないように外装部材とグロメットとの間をシールすることができるので、樹脂製の外装部材の変形を考慮した防水、防虫構造とすることで、樹脂を厚くする必要がなくなり、低コスト化、軽量化による作業者の作業性向上を実現できる。
【0014】
請求項1及び4記載の発明によれば、発泡パッキンが、第1周壁及び第2周壁に沿ったリング状に設けられ、背面ケース及び正面ケースの他方に設けられた第1周壁又は第2周壁の何れか一方が、かまぼこ型のグロメットの直線部と当接する。これにより、変形に弱い樹脂製の背面ケース及び正面ケース間に圧縮加重が小さいリング状の発泡パッキンを挟むことにより、外装部材に力がかからないように背面ケース及び正面ケース間のシールをすることができる。しかも、背面ケース及び正面ケース間をシールするリング状の発泡パッキンを流用して、背面ケース及び正面ケースの他方とグロメットとの間のシールも行うことができる。
【0015】
請求項記載の発明によれば、外装部材の開口部縁部には、グロメットの上側を覆う突部が設けられているので、より一層確実に防水、防虫を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のガスメータの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示すガスメータの分解斜視図である。
図3図1のI−I線断面図である。
図4】従来の成型パッキンによるシールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のガスメータを図1図3を参照して説明する。図1及び図2に示すように、ガスメータ1は、ガスが流れる流路部材2と、流路部材2に流れるガスの流量を計測するための流量計測部(図示せず)と、流量計測部を制御するマイコン制御部(図示せず)と、マイコン制御部などの電子機器が搭載された基板3と、これら流路部材2及び基板3などを収容する外装部材4と、外装部材4に取り付けられる端子台カバー5と、を備えている。
【0018】
流路部材2は、図2に示すように、金属製であり、略U字状に設けられている。この流路部材2の両端には、上流側のガス配管に接続される円筒状のガス流入口21と、下流側のガス配管に接続される円筒状のガス流出口22と、が設けられている。流路部材2は、ガス流入口21及びガス流出口22が、左右方向に並べられるように外装部材4内に収容される。
【0019】
また、図示しない流量計測部は、例えば一対の超音波センサから構成され、図示しないマイコン制御部は、マイクロコンピュータから構成されている。基板3は、上記流路部材2よりも正面側に配置され、その正面に流量積算値を表示する表示器6、復帰ボタン7、外部ラインが接続される端子台8を搭載している。
【0020】
上記外装部材4は、樹脂製であり、略直方体状に設けられている。この外装部材4の上面には、ガス流入口21及びガス流出口22をそれぞれ通す開口部41が設けられている。上記流路部材2のガス流入口21及びガス流出口22は、この開口部41からそれぞれ外部に突出する。上記外装部材4は、この開口部41をそれぞれ2分割するように前後方向に2分割された背面ケース42と、正面ケース43と、から構成されている。
【0021】
上記背面ケース42は、背面を覆う略長方形状の背面壁42Aと、この背面壁42Aの周縁から正面に向かって突出する第1周壁42Bと、から構成され、正面が開口された略受皿状に形成されている。第1周壁42Bは、背面側に設けられた背面周壁部42B1と、正面側に設けられ、背面周壁部42B1よりも薄い正面周壁部42B2と、から構成され、その外側に背面周壁部42B1と正面周壁部42B2との段差面42B3が形成される。また、背面周壁部42B1及び正面周壁部42B2のケース内側の面は、同一平面上に設けられている。上側の第1周壁42Bの端部には、開口部41を構成するU字状の切欠41Aが設けられている。
【0022】
上記正面ケース43は、正面を覆う正面壁43Aと、この正面壁43Aの周縁から正面に向かって突出する第2周壁43Bと、から構成され、背面が開口された略受皿状に形成されている。第2周壁43Bは、正面壁43Aの周縁から正面に向かって突出する正面周壁部43B1と、正面周壁部43B1の端面からケース外側に向かって突出する周壁部43B2と、周壁部43B2の外周縁から正面に向かって突出する背面周壁部43B3と、から構成されている。上側の第2周壁43Bの端部には、開口部41を構成する切欠41Bが設けられている。上記背面ケース42を構成する正面周壁部42B2の外側に正面ケース43を構成する背面周壁部43B3を重ねて、正面周壁部42B2の端部を後述する発泡パッキン10を介して周壁部43B2に当接し、背面周壁部43B3の端面を段差面42B3に当接すると、開口部41が設けられた略直方体状の外装部材4となる。
【0023】
上記正面ケース43を構成する正面壁43Aには、その上側中央に上記表示器6を外部に露出するための表示器開口部43Cと、表示器開口部43Cの左側に復帰ボタン7を外部に露出するための復帰ボタン開口部43Dと、その下端部に端子台8を外部に露出するための端子台開口部43Eと、が設けられている。端子台カバー5は、正面に露出する端子台8を覆うように取り付けられている。
【0024】
また、上述したガスメータ1は、上記ガス流入口21及びガス流出口22に圧入される筒状の弾性材から構成されたグロメット9と、発泡パッキン10と、をさらに備えている。上記グロメット9は、上端部に圧入部91が、下端部に挿入部92が設けられている。圧入部91は、円筒状に設けられ、上端に向かうに従って内径が小さくなるように設けられる。圧入部91上端の内径は、ガス流入口21及びガス流出口22の径よりも若干小さく、この圧入部91にガス流入口21及びガス流出口22が圧入される。なお、圧入部91は、後述する挿入部92よりも厚みが薄く、変形しやすいようになっている。
【0025】
上記挿入部92は、上面視かまぼこ型の平板中央に円形の貫通孔が設けられていて、貫通孔の径が一定に形成されている。この挿入部92に設けた貫通孔の径は、ガス流入口21及びガス流出口22の径よりも若干大きく設けられている。上記圧入部91は、挿入部92に設けた貫通孔縁部から上方に突出して設けられている。また、図3に示すように、このかまぼこ型の挿入部92の外側面において直線部94以外の部分には、凹部93が設けられている。なお、上記背面ケース42の背面周壁部42B1に設けられた切欠41A縁部には、ガス流入口21及びガス流出口22に向かって突出する第1突部42C及び突部としての第2突部42Dが上下方向に離間して設けられている。
【0026】
第1突部42C及び第2突部42Dは、切欠41A縁部に沿って延在して設けられ、切欠41A縁部のガス流入口21及びガス流出口22に対向する部分全長に渡って設けられている。また、上記第1突部42Cは、正面周壁部42B2と同一平面上になるように連なって設けられている。そして、この第1突部42C及び正面周壁部42B2に設けられた切欠41A縁部が、グロメット9の凹部93内に嵌合されている。第2突部42Dは、グロメット9の上側を覆う。
【0027】
上記発泡パッキン10は、形成時にゴム材料に発泡剤を混ぜて、中に複数の空洞を形成させたものであり、圧縮荷重が小さい。この発泡パッキン10は、第1周壁42B及び第2周壁43Bに沿ったリング状に設けられ、背面ケース42及び正面ケース43が組み付けられたときその前後方向が正面ケース43の周壁部43B2と背面ケース42の正面周壁部42B2端面との間に挟まれて、背面ケース42及び正面ケース43の間をシールする。また、図3に示すように、正面ケース43の周壁部43B2が、発泡パッキン10を介してグロメット9の直線部94と当接している。
【0028】
また、上側の背面周壁部43B3には、図2に示すように、切欠41Bを囲むように上側に向かって立設する立壁43Fと、立壁43F上端からガス流入口21及びガス流出口22に向かって突出する突部43Gと、が設けられている。この突部43Gに切欠41Bが形成される。上記突部43Gは、図3に示すように、グロメット9の上側を覆う。
【0029】
上述した実施形態によれば、変形に強い金属製のガス流入口21及びガス流出口22にグロメット9を圧入して締め付けることにより、ガス流入口21及びガス流出口22とグロメット9との間をシールし、変形に弱い樹脂製外装部材4の開口部41縁部をグロメット9の外周面に設けた凹部93に嵌合することにより、外装部材4に力がかからないように外装部材4とグロメット9との間をシールすることができるので、樹脂製の外装部材4の変形を考慮した防水、防虫構造とすることで、樹脂を厚くする必要がなくなり、低コスト化、軽量化による作業者の作業性向上を実現できる。
【0030】
また、上述した実施形態によれば、背面ケース42の縁部のみがグロメット9の凹部93内に嵌合され、正面ケース43とグロメット9との間に発泡パッキン10が挟まれている。即ち、変形に弱い樹脂製の外装部材4とグロメット9との間に圧縮加重が小さい発泡パッキン10を挟むことにより、外装部材4に力がかからないように外装部材4とグロメット9との間をシールすることができるので、樹脂製の外装部材4の変形を考慮した防水、防虫構造とすることで、樹脂を厚くする必要がなくなり、低コスト化、軽量化による作業者の作業性向上を実現できる。
【0031】
また、上述した実施形態によれば、発泡パッキン10が、第1周壁42B及び第2周壁43Bに沿ったリング状に設けられ、正面ケース43に設けられた第2周壁43Bが、かまぼこ型のグロメット9の直線部94と当接する。これにより、変形に弱い樹脂製の背面ケース42及び正面ケース43間に圧縮加重が小さいリング状の発泡パッキン10を挟むことにより、外装部材4に力がかからないように背面ケース42及び正面ケース43間のシールをすることができる。しかも、背面ケース42及び正面ケース43間をシールするリング状の発泡パッキン10を流用して、背面ケース42及び正面ケース43とグロメット9との間のシールも行うことができる。
【0032】
また、上述した実施形態によれば、外装部材4の開口部41縁部には、グロメット9の上側を覆う突部42D、43Gが設けられているので、より一層確実に防水、防虫を図ることができる。
【0033】
なお、上述した実施形態によれば、背面ケース42の縁部をグロメット9の凹部93内に嵌合させ、正面ケース43とグロメット9との間に発泡パッキン10を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、背面ケース42とグロメット9との間に発泡パッキン10を設け、正面ケース43の縁部をグロメット9の凹部93に嵌合するようにしてもよい。
【0034】
また、例えば、グロメット9の全周に渡って凹部93を設け、背面ケース42及び正面ケース43の切欠41A、41B双方の縁部を凹部93内に嵌合するようにしてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態によれば、背面ケース42及び正面ケース43間をシールする発泡パッキン10を流用して正面ケース43とグロメット9との間をシールしていたが、本発明はこれに限ったものではない。正面ケース43とグロメット9との間をシールする発泡パッキンを背面ケース42及び正面ケース43間をシールする発泡パッキン10とは別に設けてもよい。
【0036】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ガスメータ
2 流路部材
4 外装部材
9 グロメット
10 発泡パッキン
41 開口部
42 背面ケース
42A 背面壁
42B 第1周壁
42D 第2突部(突部)
43 正面ケース
43A 正面壁
43B 第2周壁
43G 突部
21 ガス流入口
22 ガス流出口
93 凹部
94 直線部
図1
図2
図3
図4