【実施例】
【0044】
以下の材料、すなわち、テトラヒドロフラン(純度99.9%、アルドリッチから入手可能)、スチレン(アルドリッチから入手可能)、およびシクロヘキサン(HPLC等級、フィッシャーから入手可能)は、本明細書の実施例に使用される前に、活性化A−2等級アルミナを充填したカラムに通された。本明細書の実施例において使用された全ての他の材料は市販の材料であり、これらは入手されたまま使用された。
【0045】
本明細書の実施例において報告されるフィルム厚さはナノスペック(NanoSpec)/AFT2100フィルム厚さ測定装置を用いて測定された。フィルムの厚さは回折格子を通過した白色光の干渉から決定された。フィルム厚さを決定するための構成物波長(380〜780nm)を分析するために「ポリイミドオンシリコン」と称される標準プログラムが使用された。ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物およびブラシ層(brush layer)の厚さは1つのポリマー層として一緒に測定された。報告されるフィルム厚さはブロックコポリマー組成物およびブラシ層の合計厚さである。
【0046】
実施例において報告される数平均分子量M
N、および多分散度値は、アジレント1100シリーズ屈折率およびMiniDAWN光散乱検出器(ワイアットテクノロジーカンパニー)を備えたアジレント1100シリーズLCシステムでのゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定された。サンプルはHPLC等級のテトラヒドロフラン(THF)に約1mg/mLの濃度で溶かされて、20μmシリンジフィルタを通してろ過され、その後、2本のPLGel 300×7.5mm混合Cカラム(5mm、ポリマーラボラトリーズインコーポレーテッド)へのインジェクションを行った。1mL/分の流量および35℃の温度が維持された。これらカラムは狭い分子量のPS標準(EasiCal PS−2、ポリマーラボラトリーズインコーポレーテッド)で較正された。
【0047】
実施例において言及されたプロトン核磁気共鳴(
1H NMR)分光分析の結果はバリアンINOVA400MHz NMRスペクトロメータにおいて行われた。重水素化テトラヒドロフラン(THF)が使用された。定量的積分のためにプロトンの完全な緩和を確実にするために、10秒の遅延時間が使用された。化学シフトはテトラメチルシランに対して報告される。
【0048】
実施例1:ヒドロキシル末端ポリスチレンブラシの製造
2リットルのガラス反応器内に、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン(1,500g)が入れられた。次いで、カニューレを介して、この反応器にスチレン(50.34g)が入れられた。次いで、この反応器の内容物は40℃に加熱された。次いで、この反応器に、シクロヘキサン中で0.32Mの濃度に希釈されたsec−ブチルリチウム(19.18g)がカニューレを介して、素早く添加され、反応器内容物が黄色に変わった。この反応器の内容物は30分間攪拌された。次いで、この反応器の内容物は30℃に冷却された。次いで、エチレンオキシド(0.73g)がこの反応器に移された。この反応器の内容物は15分間攪拌された。次いで、メタノール中の1.4M HCl溶液20mLがこの反応器に入れられた。ついで、この反応器中のポリマーが、イソプロパノール中で、500mLのポリマー溶液対1,250mLのイソプロパノールの比率で、沈殿させられることによって、分離された。次いで、得られた沈殿はろ過され、真空オーブン内で60℃で一晩乾燥させられて、生成物であるヒドロキシル末端化ポリスチレン42gを生じさせた。この生成物であるヒドロキシル末端化ポリスチレンは数平均分子量M
N7.4kg/mol、および多分散度PD 1.07を示した。
【0049】
実施例2:PS−b−PDMSジブロックコポリマーの製造
500mLの丸底反応器に、アルゴン雰囲気下で、シクロヘキサン(56g)およびスチレン(16.46g)が入れられた。次いで、この反応器の内容物は40℃に暖められた。次いで、シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウムの0.06M溶液の7.49gショットがこの反応器に、カニューレを介して素早く添加され、反応器の内容物が黄橙色に変化した。この反応器内容物は30分間攪拌された。次いで、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィ分析のために、この反応器内容物の少量がこの反応器から取り出されて、無水メタノールを収容している小さな丸底フラスコに入れられた。次いで、新たに昇華させられたヘキサメチルシクロトリシロキサンのシクロヘキサン中の21重量%溶液22.39gがこの反応器に移された。この反応器内容物は20時間にわたって反応させられた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(93mL)がこの反応器に添加され、そしてこの反応は7時間にわたって進められた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)がこの反応器に添加されてこの反応をクエンチした。生成物は1Lのメタノール中で沈殿させられ、ろ過することによって分離された。追加のメタノールで洗浄した後で、このポリマーは150mLの塩化メチレンに再溶解させられ、脱イオン水で2回洗浄され、次いで1Lのメタノール中で再沈殿させられた。次いで、このポリマーはろ過され、真空オーブン内で60℃で一晩乾燥させられて、19.7gを得た。このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー(BCP1)生成物は、数平均分子量M
N40kg/mol、多分散度PD 1.11、および22.2重量%のPDMS含有量(
1H NMRで決定)を示した。
【0050】
実施例3:PS−b−PDMSジブロックコポリマーの製造
500mLの丸底反応器に、アルゴン雰囲気下で、シクロヘキサン(90mL)およびスチレン(18.4g)が入れられた。次いで、シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウムの1.4M溶液の0.5mLショットがこの反応器に、カニューレを介して素早く添加され、反応器の内容物が黄橙色に変化した。この反応器内容物は30分間攪拌された。次いで、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィ分析のために、この反応器内容物の少量がこの反応器から取り出されて、無水メタノールを収容している小さな丸底フラスコに入れられた。次いで、2,2,5,5−テトラメチルジシラフラン(337mg)がこの反応器に添加された。ゆっくりと、この橙色が薄くなり、そして1時間後、反応器の内容物は薄黄色であった。次いで、10.1gの新たに昇華させられたヘキサメチルシクロトリシロキサンがこの反応器に移された。反応器内容物が無色になるまで、この反応器内容物は1.5時間にわたって反応させられた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(90mL)がこの反応器に添加され、そしてこの反応は3.25時間にわたって進められた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)がこの反応器に添加されてこの反応をクエンチした。生成物は500mLのメタノール中で沈殿させられ、ろ過することによって分離された。追加のメタノールで洗浄した後で、このポリマーは150mLの塩化メチレンに再溶解させられ、脱イオン水で3回洗浄され、次いで500mLのメタノール中で再沈殿させられた。次いで、このポリマーはろ過され、真空オーブン内で70℃で一晩乾燥させられて、22.1gを得た。このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー(BCP2)生成物は、数平均分子量M
N35.8kg/mol、多分散度PD 1.01、および25重量%のPDMS含有量(
1H NMRで決定)を示した。
【0051】
実施例4:PS−b−PDMSジブロックコポリマーの製造
500mLの丸底反応器に、アルゴン雰囲気下で、シクロヘキサン(90mL)およびスチレン(17.1g)が入れられた。次いで、シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウムの1.4M溶液の0.7mLショットがこの反応器に、カニューレを介して素早く添加され、反応器の内容物が黄橙色に変化した。この反応器内容物は30分間攪拌された。次いで、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィ分析のために、この反応器内容物の少量がこの反応器から取り出されて、無水メタノールを収容している小さな丸底フラスコに入れられた。次いで、2,2,5,5−テトラメチルジシラフラン(472mg)がこの反応器に添加された。ゆっくりと、この橙色が薄くなり、そして1時間後、反応器の内容物は薄黄色であった。次いで、10.5gの新たに昇華させられたヘキサメチルシクロトリシロキサンがこの反応器に移された。反応器内容物が無色になるまで、この反応器内容物は1.5時間にわたって反応させられた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(90mL)がこの反応器に添加され、そしてこの反応は3.25時間にわたって進められた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)がこの反応器に添加されてこの反応をクエンチした。生成物は500mLのメタノール中で沈殿させられ、ろ過することによって分離された。追加のメタノールで洗浄した後で、このポリマーは150mLの塩化メチレンに再溶解させられ、脱イオン水で3回洗浄され、次いで500mLのメタノール中で再沈殿させられた。次いで、このポリマーはろ過され、真空オーブン内で70℃で一晩乾燥させられて、20.5gを得た。このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー(BCP3)生成物は、数平均分子量M
N24.4kg/mol、多分散度PD 1.0、および28重量%のPDMS含有量(
1H NMRで決定)を示した。
【0052】
実施例5:PS−b−PDMSジブロックコポリマーの製造
500mLの丸底反応器に、アルゴン雰囲気下で、シクロヘキサン(91g)およびスチレン(19.41g)が入れられた。温水浴を使用して、この反応器の内容物は40℃に暖められた。次いで、シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウムの0.6M溶液の2.31gショットがこの反応器に、カニューレを介して素早く添加され、反応器の内容物が黄色に変化した。この反応器内容物は40分間攪拌された。次いで、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィ分析のために、この反応器内容物の少量がこの反応器から取り出されて、無水メタノールを収容している小さな丸底フラスコに入れられた。次いで、26.31gの新たに昇華させられたヘキサメチルシクロトリシロキサンがこの反応器に移された。反応器内容物が無色になるまで、この反応器内容物は6時間にわたって反応させられた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(135mL)がこの反応器に添加され、そしてこの反応は16時間にわたって進められた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)がこの反応器に添加されてこの反応をクエンチした。生成物は1Lのメタノール中で沈殿させられ、ろ過することによって分離された。追加のメタノールで洗浄した後で、このポリマーは150mLの塩化メチレンに再溶解させられ、脱イオン水で2回洗浄され、次いで1Lのメタノール中で再沈殿させられた。次いで、このポリマーはろ過され、真空オーブン内で60℃で一晩乾燥させられた。このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー(BCP4)生成物は、数平均分子量M
N14.2kg/mol、多分散度PD 1.1、および25重量%のPDMS含有量(
1H NMRで決定)を示した。
【0053】
実施例6:PS−b−PDMSジブロックコポリマーろ過
実施例2〜5で製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマーのそれぞれがプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)(ダウアノール(Dowanol
(登録商標))PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に添加されて、1.6重量%の溶液を形成した。次いで、この形成された1.6重量%溶液は、0.2μmワットマンシリンジフィルタを通して手作業でろ過された。生成物ろ液材料はさらなる使用のために集められた。
【0054】
実施例7:ジブロックコポリマーブレンドの製造
実施例2に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマー(BCP1)から得られた実施例6の生成物ろ液、および実施例5に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマー(BCP4)から得られた実施例6の生成物ろ液が一緒にされて、55重量%のBCP1(M
N−BCP1は40kg/molである)および45重量%のBCP4(M
N−BCP4は14.2kg/molである)を有するジブロックコポリマーブレンド(ブレンド1)を形成した。よって、ブレンド1の平均分子量は28.39kg/molである。
【0055】
実施例8:ジブロックコポリマーブレンドの製造
実施例3に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマー(BCP2)から得られた実施例6の生成物ろ液、および実施例5に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマー(BCP4)から得られた実施例6の生成物ろ液が一緒にされて、60重量%のBCP2(M
N−BCP2は35.8kg/molである)および40重量%のBCP4(M
N−BCP4は14.2kg/molである)を有するジブロックコポリマーブレンド(ブレンド2)を形成した。よって、ブレンド2の平均分子量は27.16kg/molである。
【0056】
実施例9:基体の準備
自然酸化物層を有するシリコン基体の表面上に、実施例1に従って製造されたヒドロキシル末端化ポリスチレンブラシのトルエン中の1.5重量%(固形分)溶液を3,000rpmで1分間にわたってスピンコーティングすることによって、自然酸化物層を有するシリコン基体の表面が修飾された。この基体は150℃にセットされたホットプレート上に1分間配置された。次いで、この基体は250℃にセットされたホットプレート上に窒素雰囲気下で20分間配置されて、堆積されたブラシ層をアニールした。次いで、この基体は、結合していないポリマーを洗い流すためにその基体をまずトルエン中に1分間浸漬することによりトルエンですすがれ、次いで3,000rpmで1分間回転乾燥させた。次いで、この基体は110℃にセットされたホットプレート上で1分間にわたってベークされた。
【0057】
比較例F1および実施例10:フィルムアニーリング
実施例2に従って製造されたPS−b−PDMSブロックコポリマー(BCP1)がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(ダウアノール
(登録商標)PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に溶解させられて、1.8重量%の溶液を形成した。次いで、この溶液は0.2μmのワットマンシリンジフィルタを用いて手作業でろ過された。次いで、このろ過された溶液は実施例9に従って準備された2枚のポリ(スチレン)ブラシ処理された基体上に、3,061rpmでスピンコートされて、38.3nmの厚さの堆積フィルムを得た。次いで、この基体は150℃にセットされたホットプレート上で1分間ベークされた。次いで、6ppm未満の酸素を含む窒素雰囲気下で、180℃にセットされたホットプレート上に1時間にわたって1枚の基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされ(すなわち、比較例F1);並びに6ppm未満の酸素を含む窒素雰囲気下で、290℃にセットされたホットプレート上に1時間にわたってもう一方の基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされ(すなわち、実施例10)た。
【0058】
両方のアニールされたフィルム上で雰囲気フィルム界面にPDMSの表面ウェッティング層が生じた。次いで、堆積されたBCP1フィルムのブロックコポリマー形態を明らかにするために、このアニールされたフィルムはプラズマサーム(PlasmaTherm)790iRIEを使用する2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)工程を用いて処理された。最初に、PDMSの表面ウェッティング層を突き抜けるように、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(8秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。次いで、ポリスチレンを除去しかつPDMSをSiO
xに変換するように、O
2プラズマRIE処理(25秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。
【0059】
次いで、このプラズマ処理されたフィルムは、走査型電子顕微鏡観察によって調べられた。試験サンプルは両面カーボンテープを用いてこのSEMステージ上に配置され、分析の前に窒素でブローすることにより清浄化された。各試験サンプルの像が50,000倍の倍率および4〜8の作動距離で取得された。この生成物フィルムのトップダウンSEM像は、比較例F1および実施例10についてそれぞれ
図1および2に示される。
【0060】
平衡状態で、BCP1フィルムの形態は理論によって、基体上のブラシ層におけるポリ(スチレン)に対するBCP1フィルム中のポリ(スチレン)の優先傾向によりもたらされる表面平行シリンダであると予想される。
図1におけるSEM像から認められるように、従来のアニール温度の使用は短い平行なシリンダの非常に小さなフラクションを有するミセル形態を示すフィルムを生じさせた。この結果は、熱アニーリングがPS−b−PDMSフィルムについては働かないという従来の知識に適合する。
【0061】
しかし、
図2におけるSEM像から認められるように、本発明の熱アニーリング方法は、PDMSの平行なシリンダと一致したフィンガープリント形態を生じさせ、これはBCP1フィルムについて理論的に予想される平衡形態である。
【0062】
比較例F2および実施例11:フィルムアニーリング
実施例6に従って製造されたPS−b−PDMSブロックコポリマー(BCP5)がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(ダウアノール
(登録商標)PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に溶解させられて、2重量%の溶液を形成した。次いで、この溶液は0.2μmのワットマンシリンジフィルタを用いて手作業でろ過された。次いで、このろ過された溶液は実施例9に従って準備された2枚のポリ(スチレン)ブラシ処理された基体上に、2,500rpmでスピンコートされて、40nmの厚さの堆積フィルムを得た。次いで、この基体は150℃にセットされたホットプレート上で1分間ベークされた。次いで、8ppmの酸素を含む窒素雰囲気下で、340℃にセットされたホットプレート上に1時間にわたって1枚の基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされ(すなわち、比較例F2);並びに4ppmの酸素を含む窒素雰囲気下で、340℃にセットされたホットプレート上に1時間にわたってもう一方の基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされ(すなわち、実施例11)た。
【0063】
両方のアニールされたフィルム上で雰囲気フィルム界面にPDMSの表面ウェッティング層が生じた。次いで、堆積されたBCP1フィルムのブロックコポリマー形態を明らかにするために、このアニールされたフィルムはプラズマサーム(PlasmaTherm)790iRIEを使用した2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)工程を用いて処理された。最初に、PDMSの表面ウェッティング層を突き抜けるように、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(8秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。次いで、ポリスチレンを除去しかつPDMSをSiO
xに変換するように、O
2プラズマRIE処理(25秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。
【0064】
次いで、このプラズマ処理されたフィルムは、走査型電子顕微鏡観察によって調べられた。試験サンプルは両面カーボンテープを用いてこのSEMステージ上に配置され、分析の前に窒素でブローすることにより清浄化された。各試験サンプルの像が50,000倍の倍率および4〜8の作動距離で取得された。この生成物フィルムのトップダウンSEM像は、比較例F2および実施例11についてそれぞれ
図3および4に示される。
【0065】
平衡状態で、BCP5フィルムの形態は理論によって、基体上のブラシ層におけるポリ(スチレン)に対するBCP5フィルム中のポリ(スチレン)の優先傾向によりもたらされる表面平行シリンダであると予想される。
図3におけるSEM像から認められるように、アニーリングフィルム上の雰囲気中の酸素レベルが8ppmまで増加する場合には、堆積されたBCP5フィルムに生じた形態は平行シリンダと垂直シリンダまたは球の混合であった。理論から予想されるように、シリンダのフラクションのみが基体表面に対して平行であった。このフィルムによって示されたピッチは30nmであった。
【0066】
しかし、
図4におけるSEM像から認められるように、本発明の熱アニーリング方法は、過半のPDMSシリンダが基体表面に対して平行に配向したという結果を生じさせ、27nmの示されたピッチと共に、予想された構造のフィンガープリントパターン特徴を生じさせた。
【0067】
実施例12:フィルム製造
実施例4に従って製造されたPS−b−PDMSブロックコポリマー(BCP3)がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(ダウアノール
(登録商標)PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に溶解させられて、スピニング溶液を形成した。次いで、このスピニング溶液は0.2μmのワットマンシリンジフィルタを用いて手作業でろ過された。次いで、このろ過された溶液は実施例9に従って準備されたポリ(スチレン)ブラシ処理された基体上にスピンコートされて、30〜35nmの厚さの堆積フィルムを得た。次いで、この基体は150℃にセットされたホットプレート上で1分間ベークされた。次いで、6ppm未満の酸素を含む窒素雰囲気下で、340℃にセットされたホットプレート上に2分間にわたって基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされた。
【0068】
次いで、堆積されたBCP3フィルムのブロックコポリマー形態を明らかにするために、このアニールされたフィルムはプラズマサーム790iRIEを使用する2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)工程を用いて処理された。最初に、PDMSの表面ウェッティング層を突き抜けるように、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(8秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。次いで、ポリスチレンを除去しかつPDMSをSiO
xに変換するように、O
2プラズマRIE処理(25秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。
【0069】
実施例13:フィルム製造
実施例7に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマーブレンド(ブレンド1)がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(ダウアノール
(登録商標)PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に溶解させられて、スピニング溶液を形成した。次いで、このスピニング溶液は0.2μmのワットマンシリンジフィルタを用いて手作業でろ過された。次いで、このろ過された溶液は実施例9に従って準備されたポリ(スチレン)ブラシ処理された基体上にスピンコートされて、30〜35nmの厚さの堆積フィルムを得た。次いで、この基体は150℃にセットされたホットプレート上で1分間ベークされた。次いで、6ppm未満の酸素を含む窒素雰囲気下で、340℃にセットされたホットプレート上に2分間にわたって基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされた。
【0070】
次いで、堆積されたBCP3フィルムのブロックコポリマー形態を明らかにするために、このアニールされたフィルムはプラズマサーム790iRIEを使用する2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)工程を用いて処理された。最初に、PDMSの表面ウェッティング層を突き抜けるように、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(8秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。次いで、ポリスチレンを除去しかつPDMSをSiO
xに変換するように、O
2プラズマRIE処理(25秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。
【0071】
実施例14:フィルム製造
実施例8に従って製造されたPS−b−PDMSジブロックコポリマーブレンド(ブレンド2)がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(ダウアノール
(登録商標)PMA、ザダウケミカルカンパニーから)に溶解させられて、スピニング溶液を形成した。次いで、このスピニング溶液は0.2μmのワットマンシリンジフィルタを用いて手作業でろ過された。次いで、このろ過された溶液は実施例9に従って準備されたポリ(スチレン)ブラシ処理された基体上にスピンコートされて、30〜35nmの厚さの堆積フィルムを得た。次いで、この基体は150℃にセットされたホットプレート上で1分間ベークされた。次いで、6ppm未満の酸素を含む窒素雰囲気下で、340℃にセットされたホットプレート上に2分間にわたって基体を置くことによってこの堆積フィルムがアニールされた。
【0072】
次いで、堆積されたBCP3フィルムのブロックコポリマー形態を明らかにするために、このアニールされたフィルムはプラズマサーム790iRIEを使用する2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)工程を用いて処理された。最初に、PDMSの表面ウェッティング層を突き抜けるように、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(8秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。次いで、ポリスチレンを除去しかつPDMSをSiO
xに変換するように、O
2プラズマRIE処理(25秒間ポストプラズマ安定化)が使用された。
【0073】
実施例15:フィルム製造
次いで、実施例12〜14のプラズマ処理されたフィルムが走査型電子顕微鏡観察によって調べられた。これらプラズマ処理されたフィルムの分析は、これらブレンド(すなわち、ブレンド1およびブレンド2)が、同等の平均分子量のニートPS−b−PDMAジブロックコポリマーBCP3よりもより長く、よりまっすぐなシリンダーを示したことを示し;よって、これらブレンドされたフィルムは、同等の平均分子量のブレンドされていないジブロックコポリマーと比べてより素早いアニーリング挙動を示すことが示された。